窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・34》

流石に炎天下、三人は何とかしのげる洞穴に戻る。
「く~暑いね・・」「お母ちゃん、夏だし、此処は空気が綺麗だし、潮風、
総て日焼けする材料が整っているがね」「言えるね、暑い・・」
又もそう言われて、Tシャツは既に汗で濡れているし、今度は娘を見ると、
なんと母より卑猥さがにじみ出ていた。其処は綺麗な形の胸が熱い盛りに
誇らしげにせり出して、其処も濡れて中身が想像出来る姿だった。
 「え、お母ちゃん、雲行きが、入道雲が黒くなってきたが・・」
「え、夕立かな・・」「お母さん、此れは雨が、若しかして風も・・」
「ええ、本当なら大変だぞ、帰ろうか・・」
「待ってよ、脚が棒みたいになっててあるけんがね、未だ雨は来ていない、
間が有るから休ませてよ」そんな会話をされる。
 だがだが自然は待ってはくれなかった、あの黒い入道雲が空を覆うように
広がる中で、風も出て来て、洞穴付近の茂みが揺れ出す。
「ま~、大変、此の風じゃあの小舟では無理よ、帰れない、危ないけ・・」
「お母さん、天気予報見ましょうか・・」「ええ、何で・・」
「良いわ、私ので見る」スマホを取り出して天気予報を見られる。
 「ええ~・・、嘘や・・」何と太平洋に有った小さな低気圧が膨らんで
来て雨風が酷くなるよ、と告げられる。
「ま~、じゃ通り過ごすのは何時や・・」
「明け方までは無理よ、見て流れがそう出ている」「・・」
画面を見られる母親、唖然とされる。
「家に電話してみる」「繋がるんか・・」「エリヤと思えるし、するね」
電話をされると繋がった、事情を話すと、おお婆ちゃんが其処で待て、
やり過ごせと一言言われ、智代さんの母親富子さんがそうしんさいと・・。
 「天気は動くね・・」「お前暢気な事・・」
「だって、仕方ないじゃないね、来る前は気にしない程小さな低気圧よ、
一時凌げば大丈夫よ、慌てて船に乗ると遭難する」
「そうだけど、勉さん・・」「娘さんのゆう事を聞いて、待ちましょう」
「そうなるのかね・・」不安げにそう言われる。
「勉さん、スマホ電池余裕あるの・・」「・・、ああ、三本立っています」
「じゃ音楽でも聞いて居ようよ」「ですね、そうしましょう」
狭い穴の中で軽快な音楽が聞こえる、既に夜を過ごすのかと諦める勉、
其れが良いかとも思えた。
 「あのね、今度する計画詳しく知りたいけ、教えてよ」
「そうや、暇だし聞きたいが、ね勉さん・・」
「じゃ時間が在るから経過からお話ししましょうか」「良い、お願い・・」
そこから、あの島との縁を話し始める、其れが興味あるのか、
親子は頷きながら、時々感嘆の声で、益々勉の話が弾んで行く。
 「え、じゃじゃ、島の娘さんが、なんと奇遇とは此れよね、私が変わり
たかった・・」「お前な・・」親子で話を聞かれながら途中で色んな事に
口を挟まれる。
 「ええ~、じゃじゃ、島で困っている母親の為かね、なんとあんた凄いね」
「お母ちゃん、口挟み過ぎ・・」「御免・・」
そこで話に興奮されたのか、ボトルの水を一気に飲まれる。
 話は続いて行った、だが、洞穴で異変が・・、なんと母親の顔が豹変
されて行く・・。
 「え、お母ちゃん、真赤じゃ・・、風邪ひきんさったんか・・」
「え、そうか、でも体が熱く為り出したし気が落ち着けんがね、可笑しいよ」
「・・」「ええ~、ああ、お母ちゃん水のんだよね」
「え、あそうや、話を聞いて興奮して、え、え、え、え~~~じゃじゃ・・、
この水か・・、嘘だろう、あんた大変飲んだがね」
「・・、お母さん、じゃその水が原因ですか・・」
「嫌判らんが、可笑しんじゃが、菜摘・・」
「何処が可笑しいの聞かせて・・」「ええ、お前実験台かね・・」
「だって水飲んだんはお母ちゃんじゃないね・・」
「忘れていたが、そう言えば水入れたよね」唖然として娘を見る。
 「如何・・」「・・、なんか可笑しい、とんでもない事を思っていたが、
恐ろしい、助けて・・」「ええ、どんな事思っていたん・・」
「言えるか、お前助けて、苦しいが・・」
「如何したらええのよ、判らんが、何・・、体がどうなったん・・」
「熱いしなにかが湧いて来る、押さえ切れんほど胸が暴れて来たが、助けて,
菜摘~・・」「勉さん・・」「え・・聞いたら、あれかしら・・」
「あれって・・」「淫水よ・・」「あ、そうか水でじゃ話は本当だったんだ、
じゃこれは男には効かんのかね・・」「え、そうなの・・」
「あの紙に書かれた中身では男の事は書かれていない・・」
「ま~本当なの、じゃ飲んでみてよ」「ええ・・」
「いいから急いで早く・・」強引に飲まされた。
「如何、どうどう」「待って、暫くせんと判らんけ、でもこの水がそうなら、
凄いね」「あんたね、お母ちゃん見んさいや、転げて居りんさるが・・」
「・・」本当に悶えるような感じで転がられていた。
「助けてよ、お願い・・」「如何すれば良いの・・」
「あんた男でしょうがね、何でもいいから助けて、お願い・・」
懇願されるが、勉は困っていた。
「早く酷くなってきたがね、あんた・・」
「・・、ようし、待ちんさいや、其れが本当か試すぞ」「お願い・・」
娘に頼まれると、勉は覚悟する。
 「ええ~、何々いきなり何よ~~」菜摘が驚く中、勉は下半身裸で・・、
母親の前に立った。
勉のスマホの灯りで総てが見える、そんな中智代は、夢遊病者みたいに勉の
股間に向けて顔が近付いて行く。
其れを見る娘は仰け反り震えているだけ、智代はもう既に勉の股座で卑猥な
音を奏でる女に変身、既に自分の身に着けている物を破る様に脱ぎ棄てて、
素っ裸、其処に早く収めようと勉のアソコが智代の股座に減込んで行った。
「ぎゃ~~~~来た来た来たがきんさったがあんた、凄いが・・、・・、
凄いよう~~~、突いて壊してくれんさいやあんた~~~・・」
夜叉顔で叫び続け腰を迎え撃つ姿はまるで肉弾攻撃、島で鍛えられた四股は
とんでもなく強靭、迎える大物に穴が応じだすと、此処からが本番、
総て智代さんのいがり叫び泣く姿、往くが往くから~と叫びながら体が痙攣、
都合よく、横は岩が尖ったまま残るし天井もそうだが、床は土で滑らかに
されているし、シ-トが敷かれていた。その上で、とんでもない程の豪快さ、
受け身は半端な姿じゃ無かった。
智代は泣き叫んで・・、「凄いが~、良いよあんた良いが凄い良いい・・
往く往くって~・・」賑やか、でも他に誰にも聞こえない場所、
外はその泣き叫びに呼ばれたのか、一気に大雨が降り出した。
 二十分奮闘し迎えたが、智代のアソコから夥しい小水が飛び出て往った。
痙攣を豪快にされて、上の勉を跳ねのけると、自分の小水が浮かぶシ-ト上
で転げまわり、痙攣をされていた。
「見んさったか、少しすれば落ち着きんさろう、待とうね・・」
「・・、えそうね、でもあんた凄い・・」
「御免、頼まれたからだし、其れに水が如何かと興味が在ったんだ・・」
「で、勉さんは如何・・」「・・、ああ、何ともないぞ、何で・・」
「ええ、本当なの其れ・・」「ああ、何時もと同じ・・」
「いつもと、じゃしているんだ、でかいから相手も大変ね」
「ええ、菜摘ちゃん・・」「ああ、もう傍に来ないでよ、怖い・・」
「はいはい・・」裸のままで居るがそこは何も言われなかった。
 午後八時ごろ、漸く智代さんの気が戻られた。
「お母ちゃん、知っているの、凄かったがね狂いんさったね・・」
「阿呆、其処は私と違う女じゃろうが・・」「え、何て・・」
「あのな、この体が、本当に往く度に快感に襲われ続けるんだぞ・・」
「それは勉さんのアソコの所為よ、普通は違うけ・・」
「ええ、お前何と経験が有るな・・」「え~、其処と別の話しじゃないね」
「良いや、経験が有る、でも其処は如何でも良いが、アンタ、ねねアソコ
でかいから狂ったがね、どが~してそんなにしんさったん・・」
「お、おかあさん、さわらんで、話はするけえ・・」
「でも凄いから、此れが体の中で暴れんさったんかね、まだ元気じゃない、
怖いくらい・・」「それはこっちのセリフですよ、娘さんがおりんさる」
「あはっ、見たか、経験が少ないお前には此の物凄さは知らんだろうがね、
母は今知らされた、総てこの水の御陰じゃね、忘れていたが、
長い事ご無沙汰じゃったね・・」
「もうお母ちゃん触りんさんなや、又襲われるよ」
「うふっ、願う事じゃ、又水を飲もうかな・・」「え~馬鹿馬鹿~~~」
親子でそんな会話をされるが、勉が又水を飲んでも変化は無かった。
「何にも感じないの・・」「ああ、美味しい水だぞ・・」
「お母ちゃん・・」「実はな、其れに話しが有るんだがね」「え、何・・」
「此れは超が付く精力水と思えるんだ」「ええ、何でよ、何で総ゆうの」
「大事な場面を書かれている処を婆ちゃんが隠し持っておりんさった」
「ええ、意味が判らんが・・」「そう、残された紙は未だ有るんだ」
「ええ、そうなんですか、あれだけじゃ無いんですね」
「御免よ、そうなるがね、実は強い男には何も効かんと思うが、男にも効果
が有ると記されている・・」「ええ~~」同時に勉と菜摘が叫んだ。
 其処から母親の話が始まる。
「何とそうなんですか、弱い男には其れなりに効くと・・」
「ええ、そう書いてあるが弱い判断は判らんけどね、読みながら笑えたがね」
「お母ちゃん、不謹慎、裸のままじゃない・・」
「ああ、朝まで着ないしええけえね」「ええ・・」「また水を飲むが・・」
「嫌よ、お母ちゃん変・・」「変にも為ろうがね、此の物凄い威力を迎える
と恥も外聞も失せるがね、こんな年の肉も踊るほど感じさせてくれたんだぞ」
「お母ちゃん、もう良いわ、話辞めて気が狂いそう・・」
「じゃ、お前もこの水飲んでみんさい・・」「馬鹿かね、飲むか絶対・・」
本当に怒られている。
(いや~、此れは大発見じゃぞ、どうなるのかな・・)
未だしきりに降る雨を洞穴から雨音を聞いて居る勉だった。

            つづく・・・・。



















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・33》

 夕方六時、家の娘さん菜摘さんがアルバイトから戻られた。
其処で今までの経緯を聞かれると、「田中さん、行くんか・・」
「何とね、そうなってしまったんだ」「良いじゃない現代のミステリ-探検
か良いな、菜摘も行きたい・・」「ええ、お前、仕事は・・」
「休むわ、アルバイトだし・・」「お前・・」
「行こうよ、お母ちゃん一度先祖が住んでいた島足を踏み入れて見たいがね、
こんな機会滅多にない、どうなっているのか知りたい婆ちゃん良いでしょう」
「良いけど、アソコは既に誰も居らんぞ、どうなっているのか判らんが・・」
「だから行くのよ、写メ取って見せるね」
「おう、そうかじゃ行けや、母も連れていきんさいや・・」
「うん、そうする弁当はおにぎりが良いね、お母ちゃん」
「お前な遠足じゃあるまいし・・」「だって、どうなるか判らんけえね、
用意周到、藪蚊は居るの・・」「如何だかな、判らんが水たまりが有れば居る
と思うけど・・」「じゃ其処も用意するね、婆ちゃん朝早くか・・」
「其処は如何でも良いが船はあいつの所の奴使いんさいや・・」
「うん、電話する手配は任せてね・・」何とスム-スに決まった。
 「遣れやれ、若い子は良いね」「お母さん、もう九十過ぎですよ」
「お前な、判った事念押しんさんなや、馬鹿垂れが・・」
方や九十過ぎとこなた七十の親子、滅多に拝めない相手だった。  
 その夜は大賑わい、船を借りる相手の夫婦も参加され、其処で勉の話が出て
大盛り上がり、特に菜摘さんと船を借りる相手の奥さんと話が合うのか大笑い
の連続だった。
 そんな中で質問責めの勉、汗を掻きながら話をするから、その姿が良いのか
女性達は益々勉に難題を吹っ掛けながら笑われる。
「じゃじゃ、別荘はクル-ザ-迄持つんね、凄いが、島巡り出来るね」
「おう、そうじゃがね、凄いぞ、あんたは若いのに物ごっついがね」
「あんたと大違いじゃね」「ああ、わしは駄目じゃが・・」
「そうね、アソコも普通だしね」
「ええ、お前其処は自慢じゃが、お前ヒイヒイと泣く癖に・・」
「ああ、其処かね反対じゃが・・」「だって泣くぞ・・」
「其処はね、悲しいからじゃが、あんたが中途半端じゃけ嘆いているんよ」
「阿保抜かせ、本当かお前・・」「うふっ、冗談よ、ソコソコよ」
「なんだ、ソコソコか・・」「ええ、そうなるけど・・」
夫婦のやり取りが面白かった。
その夜は客間で寝かせて頂いた。
 朝早く起こされ、勉は三人で向かう事に為る。
驚いたのは既に船舶の免許を持っておられる母の運転で船外機が唸る中、
小型の船は走り出すが、もっと驚くのは装備、菜摘ちゃんが笑えるほど
色んな物を背中に担いで乗り込まれた。
「あんたは藁帽子被りんさいや・・」「有難う御座います」
菜摘ちゃんから渡された麦わら帽子をかぶり、日が昇る中、
船は小波を立てて海自体は凪、本当に軽快に海面を割りながら進まれる。
目指す島は、向かいの大きな島の裏側と聞いて居た、其れが案外とまじか
に見えたが、中々到達出来ない、其れほど海は広いと知る。
 三十分揺られ漸く岸壁に到達、其処から島を一周し、船着き場を探した。
なんせ親子も来た事が無いと聞くと、この島は本当に孤島だと知らされる、
でかい島でも、こんな場所が有るんだとも知った。
何とか昔の船着き場らしい場所で船をつける。
 此処からが大変だと肝に銘じて上陸、既に平らだが、人が住んでいる気配
を消すほど、背の小さい雑草が生い茂る中、三人はそこで地図を広げて、
現場確認をする。
「え~、じゃ目的地は横かね・・」「そう、地図はそうなるけど道有るの」
「探せや・・」親子でそんな会話をされる中、勉は長い間人が住んでいない
場所がどうなっているのかを見ると、脚が竦んでいた。
「凄い・・」「そうね、彼是五十年経過かね、私は今の島で産まれている、
始めて来た・・」母親がそう言われる。
「お墓は・・」「既に今の島にまとめているの・・」そうも返事される。
 「此れかな、お母ちゃん・・」「見たいね、もう道とは言えんね・・」
生い茂る雑草の中を三人は歩く羽目に為った。
割と大きな島だけど、地図は道が描かれているだけ、無論民家などもう
ないから記されては居ない、其処を歩いて進んで行く。チャッカリ親子は
日傘をさして歩かれるが、勉は麦わら帽子だけ、汗が滲んで来る。
 どれくらい歩いたのか、島の真ん中へんに到着・・。
「此処で道が消えている・・」「そうか、じゃここ等辺を探そう」
「何さがすん・・」「石垣か、家の基礎跡じゃ」「基礎していたの・・」
「知らんがね、でも何か残されているかも探しんさいや・・」
周りを三人で雑草を分けて歩く。
 「あ、何これ・・」「ま~、じゃここ等辺じゃね、其れ桶の形してる」
「あ、そう言えば底抜けだけど名残が見えるね」
親子で話しながら何か残されて居るのかと捜す。
 「ええ~、有った・・」「何・・」「網じゃが、もうボロボロだけどね」
「あらら、じゃ浜まで暫くあるけど、何で此処に家が・・」
「色んな事が有るからね、海から陸が近いから、波が押し寄せる所為かね、
控えて家が建つ、でも空き地は此処だけじゃないか、後は岸壁・・、
とんでもない島ね」思えば背伸びして見ていないから今まで気が付かない、
本当に広場など皆目無い島だった。
「ねね、此の岸壁の裏は如何なっているのかね・・」「僕が探索しましょう」
勉はゆうなり、足場が悪い中を何とか家が在った裏側になるのか目指した。
 「ああ、穴が有るが・・」「ええ、何処よ、待っていく・・」
親子を待ちながら、洞穴を覗いた。
「え、此れは・・」「ま~カンテラよ・・」「カンテラですか何です」
「此れが今の電気の代わりなんよ、此処は聞いたら電気が来ていないと・・」
「ええ、まさか本当ですか・・」「そう聞いて居る、電線も無い無論電柱も
無い筈よ」「なんと・・」こんな場所すらあるとは思えない、洞穴を探索。
 「ひや~これ何・・」「ま~茣蓙じゃ無いか、ボロボロ、触ると壊れるね」
床に敷かれていたのか、確かに茣蓙と思えるものが有る。
「あった・・」「何、ま~一升瓶じゃないね、此れは腐らんから残るんだ」
其処から色んなものが出て来る、懐かしいものや、
知らないものまで見る事が出来た。
広さは僅かに三人が座れる程度広さ、暑さ凌ぎには良い場所だった。
「此処で休憩するか・・」思えば朝方から随分と時間が経過していたのだ。
ポットから冷たいお茶を頂いて飲む・・。
「本当に人が住んでいたんだね、此れで判るね」
「うん、此処は野菜や何かを仕舞う洞穴ね」「そうなの、じゃ茣蓙は・・」
「其処は休むために敷いていたみたい・・」
「何で、此処は貯蔵庫でしょうが・・」
「其処なんじゃが、婆ちゃんの話しではこの島は異様だといんさったが、
其れで考えたんだけど、此処は昼間に誰かを連れ込んで・・」
「あ、じゃ逢引場所・・」「茣蓙とお茶碗や一升瓶を見ると考えられるね」
「何と、そうかそんな事も此処では出来るね」「お前な・・」
「まあま、昔の事を偲んでいるだけよ」笑いながら親子は話しをされる。
「え、何なんか書いてあるよ」「どれどれ・・」
母親が見つけた一升瓶を手に取られる。
「・・、うん、此れ水の字かね・・」「そうだわ、水と一文字書いてあるね」
「・・、ああ~じゃじゃ、お婆ちゃんの話しの水なんかね」
「ええ、ア、本当だ当て嵌まるよ、という事は水は離れた場所になるね」
「そうなるんか如何か、水と読めるからね、此処に持参していたと判る」
「だね・・」「ええ、菜摘ちゃん・・」
「うん、此処で昼食と休もうよ、他は太陽が照り付ける場所だし、
未だ昼には早いし、荷物置くね」
ブル-シ-トを広げられ、本当に用意周到な菜摘ちゃんだった。
 三十分して、再び照り付ける太陽の下で、現場探しを始めた。
汗だくでも何とか頑張る、家が在った場所から岩肌に添い廻り、裏側に到着、
眺める瀬戸内の海と島が最高、キラキラ光る小波に乗り島が浮いて見えた。
然も揺れている、此の高温で現象がそうさせていると思える。
「暑いね、水あるか・・」「有るよ、どうぞ田中さんも・・」
ボトルを受け取り、ごくごくと流し込む。
「く~美味いが・・」勉が叫ぶと親子も頷かれた。
本当に探検家、三人は辺りを見ながら黙々と歩いた。
 「ええ~嘘・・」「何・・」「見えるが、船・・」
「ああ、乗ってきた船じゃが、なんと一回りしたんか、でかいと思えたが
案外こまい島ね」「そうなるよね、どこかに小川無いの・・」
「あるか、考えて見んさいや、此処は岸壁と岩山だけじゃろうがね」
「ああ、じゃじゃ湧き水か・・」「そうなると思うけど・・」
「じゃ、此処から探せるよ」「何でじゃ・・」
「だって、今まで歩いて来た場所雑草の背が低いし、雑木林も背が低いよ」
「だから何じゃ・・」「だからね、其の高さと違う樹木を探せば良いじゃ
ないね、湧き水なら其処は水分が有る筈よ、育ちも違う筈」
「何と、偉いぞ、勉さんそうしてみてて」「え、勉さんってお母ちゃん」
「なんや、良いじゃろうが名前だろう」「嫌だ、私でも田中さんよ」
「じゃ、お前も勉さんで良いじゃろう、お前なんて呼ばれている」
「菜摘よ」「じゃ勉さんで良いじゃろう、良いなお前は、私はお母さん
呼ばわりじゃがね」「あはっ、娘と競るん・・」「あほう・・」
そんな話ををされていた。
 「ええ~、ねねアソコ如何かな・・」「え何処・・」
勉が指さす方向を親子は寄り添い見た。
「・・、ああ~有るが、なんと見落としている、今来た道横に在るが・・」
「何と、そう言えば背が高い木じゃね、然も群生している」
「行こうよ・・」決まり、其処に向かい雑草を蹴散らして進んだ。
 十分後到着・・。「何処に、何処よねね・・」「煩いね探せ・・」
親子で周りを探すが見つからない、何でと言いながら探して居る。
 「・・、え、あああ、ああ~これお母さん・・」
「何何よ、え、何何も無いがね・・」「え、動くんだ土地が・・」
「え、意味が判らん何で動くん・・」「踏んでみて・・」
「・・、ひや~クッション見たい・・」
「ああ~じゃじゃその下に水が・・、菜摘傘の先で掘りんさい・・」
「よっしゃ掘る・・」何と日傘の先で雉る様につついて掘り返される。
 「ああ、有るが水が浮いて来たが、なんと水よお母ちゃん・・」
とんでもない高いキ-で叫ばれる。
「見えたね有るよ、この下・・」「何で下に・・」
「此れは長い年月でそうなったんだろうけど、湧き水だろう、理解出来る」
「だね、勉さん此れかも・・」「そうなるんか、でも湧き水は有ったね」
そんな会話をしながら、母の智代は一層傘で深堀される。
「ええ、嘘、出て来る~ドンドン浮いて出て来るよ・・」
「まて沈殿するまで待とう、ふ~暑い」その声で勉は母の姿を見て仕舞う。
「・・」得も言えない炎天下、流石に暑いからTシャツから胸が競り出す
部分が濡れて、なんとブラをされて居なかった。
「如何するん・・」「お前のボトル空けんさい、私のも空けるけるけえ、
勉さんは未だ有るんかね」「飲み干しましょう」
三人でからのボトルを持って、水が出ている場所で汚れの沈殿を待つ。
長い時間経て何とか三つのボトルに水を詰め込む・・。
「後、此処如何し様・・」「隠せ、掘り起こしたもんを戻しんさいや」
「此れが其れか判らんがね」「でも良いじゃない島の水湧き水は本当だ」
「だね、じゃそうしよう・・」
そう決まりもとに戻すと、三人は一度洞穴にと向かう。

           つづく・・・・。






















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・32》

 「それがね、如何も島に通う内に男女の仲になりんさってたんだ・・、
自分の娘がそんな恥な事はせんと思っていた母親がな、小島で男に合うと、
話を始めるが、何か異変を感じ出すんじゃ・・」「異変ですか・・」
「ああ、其処が味噌じゃぞ」そう言われて一服、なんと九十過ぎでもタバコ
をふかされている。
「そんでな、男が娘を見ていると・・、お母ちゃん、体熱くない・・」
「え、何でじゃ、何も無いが・・」「じゃじゃ、其処の淵に降りて見んさい、
小便したいじゃろう」「お前、人様の前でなんてゆう事・・」
「いいから降りて沈んでしんさいや・・」「お前は・・」
そこは生理現象で従う母親、其れがのう、なんと本当に身体が燃えるように
熱く成りんさったんじゃ・・、その間娘は男に耳打ちしんさった・・、
「それで・・」岩に上がると、母親は落ち着けない、モジモジとしんさる,
其処で男が初めて言葉を出すんじゃ・・、「其れが何か・・」
「ああ、その言葉を聞いて、母親は呆れるが、なんとその証拠が直ぐ其処で
現れた、なんと男のアソコを母親に見せたんじゃ、
「ええ、アソコって、まさか・・」そのまさかじゃがね、母親は腰抜かす
ほど驚いて、娘に何するんかと怒る、「そうなりますよね・・」
だがのう、其の後が拙い、目の前で娘が行為り男にしがみ付き抱合うんじゃ、
其れを見ている母親は、なんと体に異変が生じていた。そんでよそ見して
娘の露わな姿を消そうとするが、消せないが、暫くすると、母親がその
ゴツゴツした岩場で倒されて、男に乗っ懸れんさった・・、
「・・」そんで事は直ぐに変わるのじゃ、母親も女じゃ、いがり泣いて、
物凄いが~と抱き合った・・、「・・」
其れからが、もう大変、何でと思う間じゃろう、後で娘はお母ちゃんが
悪いんじゃないけえね、此処が悪いんじゃ・・、「何でじゃ・・」
「此処は奇怪な現象が起きる、海の水,此の泡じゃがね、お母ちゃん海に
入りんさっつろう、其処で既に異変が体に入り込んでいるのよ」
「ええ、まさか・・」「じゃじゃ、又入れば判る」
「嫌じゃもういいけ、アンタ御免ね」「いえ、僕が襲いました犬畜生です」
そう言いながら男は泣いたそうじゃが、其れがその後、この男を連れ出し、
自分の里の岡山の伯備の山奥に潜ませるんじゃが、戦争が終わり、周りが
落ち着くと男を因島に呼んで暮らしたという話じゃがのう・・、
「なんと、そんな伝説が有るんですか・・」
「伝説かどうか知らんが、その話はまともと思える」
「ええ、まともなんですか・・」「ああ、事実、其処はわしが住んでいた
島で証明されていたんだ」「証明・・」
「其処の島とは流れが同じでな小島が続いている。如何も地下水が繋がって
いると思えるんじゃが、其処は誰も知らん、わしだけがそう信じている」
「婆様、信じるって意味が・・」
「そのような事がわしが住んでいた島でな、事件として残っているんじゃ」
「ええ~・・」「実はな、その事をあんたに話して、誠かどうか知りたい
んじゃ、わしが思うだけじゃ何ともな、其処で夢に出たあんたを探させた」
「なんとそうでしたか、で、住んでいた島は・・」
「ああ、同じような事が起きたんじゃが、其れが拙い事によう、四軒ある家
総てが餌食じゃが・・」「餌食ですか・・」
「その水を二人の女が飲んでいたんじゃ・・」「ええ、女性ですか・・」
「ああ、そのうち一人がわしの先祖様じゃがね」「なんと・・」
「そんでな島では大喧嘩になろうがね、迎える女の悲鳴が生じて、何処でも
聞こえたんだ、そんでその家の男と二人が殴り合い、でも結果女を交換して
抱き合う羽目に為る。其れが他の二つの家の女も同じ事になって行くんじゃ、
そうなると、出来る子供が可哀そうじゃろうが、でも其処はその時は気が
付かんほど性欲に振り回されていたんだ」「そうですか・・」
「其の淫水がもうあの子島には無い、波で削がれた洞窟も、幾度かの地震で
落ちて埋もれていた。だが、わしが住んでいた島はまだその水が有る筈だ」
「ええ、有るんですか・・」「島を出た後思うと、有ると思える、それを
確かめたいとな、あんたを呼んだんだ」「ええ・・」そう言われた。
「だがのう、あの島は既に原始林に覆われている、と言っても普通のように
木もでかく為らん、土が痩せているしな、島にはその土も少ないんじゃ、
畑地など猫の額じゃ、そんな島で水は価値が有るが、家を建てた付近の水は
普通じゃった」「そうなんですか・・」
「ああ、其れは確かじゃが、先祖が飲んでいた水が何処かとな、住んでいる
時は知らないから探しては居らん、だけど必ずある」「・・」
「証拠を見せような・・」「え・・」部屋を出られた。
(なんと現実離れの話しだけど、有ったんだそんな事が・・)
一人になると、想像していた。
 「此れじゃが、古いから破れているぞ・・」「・・、此れ・・」
渡されたザラバン紙、赤茶けたよれよの紙が紐で束ねられている。
「此れ・・」「ああ、わしの先祖の婆さんの記録、中身はおぞうて読めん
ほどの卑猥さだがのう、確かに下りの原因は湧き水と書かれている・・」
「・・」手に取り勉は其れを読もうと苦労する。
昔の字だ、読み難い、其れを何とかPCを頼りに翻訳、何とかその作業を
終える頃、家の女性が戻られる。
部屋は勉一人で、未だ解読をしていたのだ。
 「あんた出来た・・」「え、ああ奥さん・・」「如何・・」
「ええ、ご存知でしたんか・・」「うふっ、そうよ、知っていたけどね、
あの時はそう知らないと言ったけど我が家では伝説として聞かされている」
「なんとそうでしたか、総てじゃ無いけど何とか現代語には出来ました」
「そう、見せて・・」「ええ、奥さん・・」
手渡す勉が呆れる程普通の会話、手にされた文章を読まれた。
 その間家の御婦人達が部屋に来られている。
「如何かね・・」「ええ、露わよ、隣の常さんが一番だと書いてある」
「おりんさったぞ、まだ子供だったが、何時もその家から悲鳴が聞こえて
居たぞ・・」「其れかもね・・」
「そうなるのう、遣れんが女としては果報もんじゃろう」
「ですよね、羨ましいが・・」「お前な・・」親子でそんな会話をされる。
 解読した部分は残る文字をひも説いただけ、途中途切れ途切れで文章には
為り得て居ないが、事の経緯は辛うじて繋がっていた。
『じゃ、あんた、明日から島に渡りんさいや』「え~僕がですか・・」
「証拠を見つけんさいや、おおよその湧き水の在りかは予想できるが、
もう島は荒れ放題、誰も寄り付かん、島は僅かな道だけが有ろうけど、
其れも地道じゃ、無くなっているやも・・」
「でも地図じゃ路らしきものが乗っているがね」
「え、何処何処・・、ああ此れわしの家に向かって途切れているじゃろうが、
其処の突当りが四軒の集落じゃ、なんと有るが道でも現場じゃ見つからんか」
「婆ちゃん、探すん・・」「ああ、事実かどうかね、でもわしが生きている
内に確かめたいと、駄目か・・」「ううん、良いけど判って如何するん」
「そこは後じゃが、判れば良い事だけ」「ね、其れ水に薄めて売ろう・・」
「阿呆、罰が当たるが、お前ら、其れは許さん、確かめるだけじゃぞ・・、
鬼畜になる水じゃぞ」血相を変えて大婆様が怒られた。
 何と勉の気持ちなどほったらかし、探検すると決められていた。
返事はしていないけど、興味が在る話、昔の戦争中でのあの若者の話は
半分本当でも凄い話だった。
(行く事に為りそう・・)
外は既に真っ暗、全く静な島内、平穏な日が此処では日捲り、
本当にのどかな島と思えた。

              つづく・・・・。





















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・31》

漸く梅雨が晴れたと聞かされる中、蒸し暑い最中に島にと向かう、
もう少し待てば夏休みだが、其処は色々と用事が有るからと、向かった。
 聞くと、其の島には定期便が隣の島から出ていると聞いて、
頭を悩ましていると、聡子さんが笑われて、お父ちゃんの船で行きんさいと
助け船、乗船し其の島に向かう、途中で色々な話を親父殿から聞いて居た。
 島に降り立つと、なんとま~照り返しがきつい、真夏の炎天下だった。
「ま~来て下さいましたか・・」「ええ、貴方は・・」
「菜摘の母、あの子は夕方まで手が離せないと、今はアルバイトですけ~」
「そうか、じゃ連れてってくださいね」賑やかな島、そう言っても道は閑散
としてて、この暑さじゃ無理も無いと知らされる。
 五分、波止場から歩くと、目当ての家、其処に向かう。
「往々~、ようもま~来てくれんさったのう、暑いから上がりんさいや」
「・・」いぶかる勉を捕まえて、出迎えられた女性が笑う。
「可笑しいでしょう此れは母ですのよ」「え、道理で聞いたより若いと」
「あんたな、如何比べてもわしの母親とは雲泥の差じゃがね」
大笑いされる、此処は四世代が住まわれる家と知る。
広い庭に面した部屋で、家の中に入ると意外と涼しい、
庭越しに見える海や島を眺めていた。
「よう来てくれた、あんたが、あの生口島で別荘かね・・」
「そうなりますが・・」「昨夜な、せがれに聞いたら、偉い騒ぎだと、
ここ等も変わるといんさろうがね、そんで詳しく聞いて見ただがよ」
「そうですか、大した話じゃ無いけど、お世話になりますね」
「何と、聞いたかね智代・・」「いい方みたいね」
「そうじゃろうが菜摘が探してくれたんだ良いにきまっちょるがね」
しわくちゃの顔で笑われる。
アイスコ-ヒ-を飲みながら島での生活を知りたいから話を其処に向ける。
「ええ、昔より随分と便利ですけ、病院も隣の島にでかいのが出来たし
買い物も、ス-パ-が隣の島には有る、学校も、何とか整うが、
其処はじり貧かね」そこまで話される。
 「あのう呼ばれたのは、おお婆ちゃんですよね・・」
「うん、ああそうだがね、此れわしのお客だぞ我ら、取り腐ってからに」
「ええ、婆ちゃん、聞いたかね、元気が未だ有るがね」
三代が集まり、賑やかだった。
「最初に、名前の苗字が江戸と聞いて居ますが謂れは・・」
「あはっ、其処かね、豪儀な名じゃろうが・・」
「ええ、聞いて二度吃驚しました」
 其処から名の由縁を聞かされたが、なんと先祖は昔海賊だったと言われる。
「仕方ないが、ここ等じゃ生きる術が無い、見た通り今は平坦な地が有るが、
昔は岩ばっかり、銭を稼ぐには海の幸だけ、海藻やら、魚、タコ類じゃろう、
ここ等の島は昔をたどれば大した家じゃ無いがね、でも名前は、
この家の江戸は、エエ~ドエエ~ドと酒を飲んで騒いでる間に思いついたと、
わしの先代の婆から聞いたが、笑えるのう」そう言われる。
「だのう、この島は未だええが、聞かせたいのは別の島じゃ、其れが今じゃ
誰も住んではおりんさらん、其処はわしらも其の島に生きていたんじゃがね」
「ええ、では最初からここじゃなかったんですか・・」
「ああ、わしの代であそこの島から出て来た、其処で色々事件が生じてな、
遣れん事に為っていたんだ・・」「え、何でです・・」
「待ちんさいや、おいお前ら仕事せんかね」
「ええ、婆ちゃん、わしらも聞きたいがね、今迄前の島の事何も聞かされて
おらんけ~」「まええから、富子連れて出ろ」「ええ、私もかね・・」
「邪魔だ、今は子の良い男と二人きりでのう・・」
「呆れた婆ちゃん、聞いたかね追い出されるが・・」
笑いながら、おお婆の娘と孫にあたる菜摘さんの母親が、家を出て行かれた。
 暫く縁側から景色を見られている。
「此れは墓場に持って行こうと決めていたんじゃが、あんたの話を聞いて、
一度会いたくなってな」何と九十過ぎと思えない饒舌な大婆さんだった。
 数日前、婆ちゃんが夢を見たといんさる、其処に若い青年が現れたとも、
其れが若しかしてあんたかと思われたと言われる。
何で僕がと訝る中で、聞いて行く内にとんでもない話になりつつあった。
 「待って、婆様、此れ録音良いですか、地図が有るからどこら辺の島か」
「何処に有る・・」「リュックの中に有りますが、PCと録音器・・」
「PC、ああ、文字や絵が飛び出る奴かね、ひ孫が魅せてくれたが其れか」
笑いながら、PCを出して、ここ等の地図を大きくする.
「あ、ここじゃが、アンタ、此処が話す島じゃけ・・」
しわだらけの指が、目的地の小さな島を指された。
「ええ、では此処と大差があるほど狭いですね」
「ああ、こまいぞ、だから家も四軒肩を寄せ合う形で造っていた・・。
其れが後に大問題に為る事になるんだが・・」
そこから、今度は思い出す様にゆっくりと話しをされ出す。
 「ええ~、では其処の話は昭和・・、いいや大正ですか・・」
「明治の終わり頃からの話は聞いて居る、だが、皆そんな話は忘れてな、
今じゃ生きているのはわしだけなんじゃ、そんで昭和の初め頃狭い島から
此処に引っ越しじゃ、だから今の生活に追われて島の事なんぞ禁句よ。
其れも次第に年寄りになると、亡くなって行く、直ぐにわしも其処に
向かうが、そんでな夢に出た青年があんたかと確かめたかったんだ」
「え、意味が何で僕と決めつけられるんですか・・」
「其処はあんたが一番しっとりんさろうがね、事の事件はそこなんじゃ」
「其処って・・」「あんたが持っているもんじゃろうがね、もうわしは
忘れているがのう・・」「・・え・あ・ああああ~じゃじゃ・・」
「そうだ、夢で言われているあんたに合えと」「まさか」唖然とした。
 満更作り話でも無いと思える、この家の娘さんが僕を探して来られて
いるし、此処に来ると、なんか安らぎを感じる。
「婆様・・」「待ちんさいや、話は長いぞ・・」
「ハイ、聞かせて頂きますね」座直し、心から聞きたいと思い始める。
「しかしな、其れが何でか、昭和の半ば頃、此処で脱走兵が出てな、
そいつが捕まらんから、警察が躍起になりんさった、結果捕まっていない、
其処が戦争も終わり、暫くして、笑い話に変わり出て来たんじゃが」
「ええ、出て来たってどこかに隠れて居りんさったんかね」
「ああ、可愛そうな青年でな、虫もよう殺さんほど柔な男、廃船を駆使し、
この島の中に潜込んだ、然も其の島はこまい、三つ並んでいたが、
島とは言えんほど狭い、其処で生き延びていたと聞くが、其処は女が居た
と知った、なんと因島の網元の奥さんの娘じゃったんだ、其れが遠出して、
アワビとサザエを取りに出たらその三つの岩礁でサザエ取り、暗くなるし、
嵐が来ると思うと気が気じゃ無いがね、真ん中の小島の小さな入り江に船
を入れて雨宿り、嵐が直ぐ去るまでと考えていたそうだ、でも其処にあの
逃亡兵が居たんだ、腰抜かすほど驚いたが、相手は如何見てもやわな男、
話はしたそうだ、でもなその後が凄いぞ、その小さな入り江が何と男の
持ち物の形をしていたそうじゃがね」「ええ・・」
「そんでな、事情を時間が在るから聞きんさった、両方とも若いみそら
じゃろう、話を聞いて居ると、青年が可愛そうと思いんさった、其処から、
しんじゃ駄目と言い残して三日に開けず餌運び、其れが続くと家では変じゃ
と気付くわな、一月後、母親が、闇夜の中で船の跡を付けたんだ・・」
「ええ、其れで・・」「せかせんさんなや、辛いが、喉が・・」
「お茶、ビ-ルどちらですか・・」「ビ‐ルじゃ・・」「はい・・」
 勉が運んで戻る、先の話が聞きたかった。

           つづく・・・・。































窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・30》

時は恐ろしいほど進んで行く、喜びも、嘆きも不幸も全く時は待っては
くれていない。
其れが良い証拠に、東広島は運が良いのか、今は順風漫歩、勉と言えば、
半分半分、成し得ていない事も有るが、半分は順調だった。
 その成し得ていない事の一番は、あの島に残された侭、
然も其処以外は順調其の物、だから気懸りは益々膨れて行く。
島は既に基礎工事が始まり、おじさんは島に泊り込まれて奮闘されている。
泊まる先は無論、島のボスの家、聡子さんの家だった。
息子の誠司は必ず金曜日から日曜の朝まで島に懸り付、
其れほど人生の始めの部分を手習いと、工事の勉強を現場で味わっている。
 七月に入った、未だ梅雨明けは遠いいとテレビが伝える。
「今日は暑いね・・」「・・、え、ええええ~大変おおおお姉ちゃん・・、
鬼がきんさったがね・・」「もう大きな声で何がね、鬼・・、ああ~あんた、
ええ、馬鹿かこいつ、鬼とはなんじゃね、相手に失礼だろうがね・・、
謝りんさいや・・」「え、何でよ、そうだから叫んだまでよ、お姉ちゃん
こそ何といんさっているん・・」「わたしか・・、ああそこはいえんがね」
「そうじゃろう、獣のボスとは言えんよね」「こら~~~」三十手前の姉妹、
古市の此処には十日に一度のぺ-スで来て居る事に為る。
其れほど惹かれる姉妹、元は変な事でそうなれたが、今はまとも、
中身は真反対だがそうなりつつある。
 「ねね、今日は如何しんさるん・・」「暑いね・・」「だから・・」
「ええ、百合さん・・」「じゃ裸のままで良いよね」
「え、あそうかそうだな、じゃそうしよう・・」「ええ、お姉ちゃん・・」
「あんたは嫌なら参加なし、序に喜びも味わえないからね」「いやだ~」
笑える程仲良しの姉妹、雨戸を締め切り未だ夕暮れなのに家は締め切られる。
入り口の門も閉められた。
 此れから家は如何なるのか、知るのは三人だけ、其れほど此処は無礼講で
始まりそのままで終える、今迄数度来ているが、必ず最高な味を男にも与え、
その数倍を姉妹は身体に迎え、喜びを増幅させる威力があった。
だから、此処では勉は遣りたい放題、其が東広島とは違う舞台になっていた。
 この家でしこたま堪能すれば、勉は落ち着ける、だからこそ受ける姉妹は
溜ったものじゃない、露わな姿で泣き叫んで悶え抱き付いて吠え捲る、
其れが獣と鬼と称される所以だった。
其れを現実に味合わせ、転びながら未だ余韻を味わう姉妹、
既に一時間半は責められ通し、其処を見定めると、身支度をして、
勉は家を出た。
外は蒸し暑いが、体は気怠く、反対に心は心地良かった。
夜中に部屋に戻ると、倒れ込む、ク-ラ-を懸けて横たえる。
 翌日電話で起こされた、大学の友からだから、急いで支度して向かう。
「待たせて御免」「今日は休む日か・・」「昼から出ようと考えていた」
同じ学部の友が、大学の喫茶店で待っててくれた。
 「お前、瀬戸内の島で何かしているんか・・」「え、何でよ・・」
「だってな、俺の友達が変な事ゆうから・・」「何ゆうた・・」
そこから友の話が始まる。
 「ええ、嘘じゃろうが、大学におりんさるんかね」
「ああ、島は違うが、居るよ」「違う・・」
「あそこは沢山島が集まっておろうがね」「ああ・・」
「そんで話が広がり聞いたといんさる、真か・・」
「ああ、そうなら間違いないわ、島で建物を造っている」
「ええ、何で・・、じゃ家か・・」面倒くさいが中身を少し話す。
「なんと、そうだったんか知らんから、君がそんな事をしているなんて、
判らんかった」そう言われる。
「で、友とは・・」「ああ、内の大学の仲間、デッサン・・」「絵画か・・」
「そんな良いもんじゃ無いけど趣味じゃがね」
そんな会話をしながらどこかに電話されている。
 「少し待とうか・・」「え、何で・・」「相手がきんさると・・」「・・」
そう言われる。
 五分も待たずに相手が来られて驚いた、友とは男性とばかり考えていたが、
来たのは麗しき女性、本当に胡散臭い学生の中で鶴に似て際立っておられる。
「正雄君、この方なの・・」「ああ、紹介する、田中勉君じゃ・・」
「初めまして、江戸菜摘です」「江戸・・ですか・・」
「そうなのよ、紹介するとき嫌な苗字なの」「謂れが有るんでしょうか・・」
「其処ね、聞いたけど、眉唾もんよ、名前が無い時と聞いたわ其れで繋がり
から江戸と名を決めたと聞いて居るだけ」
「なんとそうですか、島には昔からでしょうか・・」
「ええ、貴方が向かう島から二つ離れているの・・」そうも言われる。
座られて一緒にコ-ヒ-を飲んでいた。
 「で僕に何か・・」「私じゃ無いけど聞いて来いと言われているのよ」
そう返事された後、何か言いたそうな顔をされた。
「何を聞きたいんでしょうか・・」「あの島は何で決めたかと婆ちゃんが
聞いて来いといんさる」「え、何でと言われても縁が有っての事だけですが」
「縁ですの」「ええ、そうなりますが・・」
半分訝りながら話を続ける二人、正雄は隣で聞いて居るだけだった。
「ま~じゃ、アソコで釣りの別荘ですの・・」
「そうなってしもうたんですが、今じゃ其れも良いと思えて来たんですよ」
「素晴らしいじゃないね、幾つもある島では、そんな大掛かりな事は無い
けど、キャンプ地、スポ-ツセンタ-は有ります、でも釣客考えましたね」
「そうなりますか・・」「婆ちゃんが聞いたら喜んで話を聞いてくれますわ」
「お幾つなんです・・」「もう九十過ぎ・・」「ええ、凄いですね・・」
「だから私から言えば、曾婆ちゃんになる」「ですよね」
そんな話も出来て来た。
「一度、会えたことと中身を話して置きますね」
そう言われるだけ、暫くして別れる。
 「おい、その話は本当か・・」「どれが・・」「別荘じゃが・・」
「ああ、家がそうしているだけじゃ、僕は繋いだだけだぞ」そう答えた。 
 七月九日、携帯が鳴る、今回も見覚えが無い番号だけど出る。
「あ、繋がった、婆ちゃん繋がりましたよ・・」「・・」
何と電話の向こうで婆ちゃんと呼んでおられた。
「もしもし・・」かすれた声だが、あの話に出た九十過ぎの婆様と思える。
 長い電話だった、耳は未だ確りと聞こえるらしく、会話は通じる。
「じゃ、島に向かう時一度お邪魔しますね」そう最後に約束して電話を切る。
「・・、・・」暫し茫然、瀬戸内海の島は色んな人がおりんさると感心し、
一度言われた島にも向かおうと決める。

             つづく・・・・。
























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・29》

 可愛い子供が、勉の上に乗っ懸り、目が覚める。「おう~お早う・・」
「顔よ・・」「あ、そうじゃね、行くか・・」子供に連れられて洗面所、
其処で顔を洗うと・・、「ま~起こされたんかね、卓也、無理言っちゃあ
お兄ちゃんもうきんさらんようになるよ・・」「嫌だ~・・」
「ほうら駄々込めると益々来て貰えんから、昨日のお兄ちゃんもだぞ・・」
「じゃ、良い子にするけえ」「そうだ、座りんさいや、早く起こしたね」
「構わんですよ、可愛い卓也だしね~・・」「そうね」
其れを聞く婆が破顔で喜ばれる。
 島の朝は貝の味噌汁、其れとタコが入る煮物が出た。
美味しいと食べるから横に座る子が見上げている。
「今月から工事が始まると聞いたが、早いじゃないね」
「ええ皆さんがどんどんと進めて動かれるから、慌てますよ」
「そうかね、良い事じゃが、ここ等は何にも変わり映えがせん島じゃが、
最近はあんたの御陰で騒がしいぞ」「済みません・・」
「婆婆、虐めちゃ駄目だ」「あ、ここにも味方か遣れんが」大笑いされる。
其れでも奥の部屋から姉妹は出て来ない、其れほど真底味わった証拠かと
婆と二人で苦笑いする。
二人が笑うと、卓也は意味が判らずとも付き合い笑い、
其れで又も勉と婆が大笑いした。
 昼過ぎ島を出る、午後三時に祇園の部屋に到着,大学を休んでしまったが、
其処は計算して居る勉、チャッカリと周りに気配りを、この際始めた。
 「勉悪かったね・・」「え、何でじゃ・・」
「其処だがのう、あいつら、もう大変じゃぞ」
「え、あいつら・・、ああ古市かね、なんかあったん・・」
「大有じゃがね、あいつら全く・・」「何が有ったん・・」
「あいつな、この店改装しんさいと抜かしよった・・」
「え、其れは良い事じゃないね」「だがな、先が有るんだ・・」「何・・」
そこから店の女将が苦笑いしながら、話をされる。
 「あはっ、其処かね、良いじゃないか、夜は居酒屋、益々良いがね、
そんであの人達は・・」「其処じゃがね、夜は任せてと・・」
「うひゃ~良いがね」「あんたね、其れがあんたが原因じゃぞ」
「何で何で僕がか・・」「ああ、聞いたぞ総てな」「え~まじか・・」
そこで勉が呆れた。
「何もかもじゃがね、勉がそんな男と知らんがね、あんた既に女性が沢山
おりんさろうが」「おばちゃん、昼だぞ、遣れん話はしたらいけんけ~」
「そうだが、此処はお構いなしじゃが、でも凄いなあんたは・・」
最後は笑顔で言われる。
 そんな時、店にお客が来た。
「まあま~弥生さんじゃないかね、久し振りじゃが・・」
「ご無沙汰致しております・・」「・・」
その交わす挨拶の中で、勉は相手を見て仕舞う。
相手は、武藤弥生さん、ここ等じゃ有名な女性で、若い頃はマスコミにも
登場された人、其処は六年前、世界の美女コンテスト日本代表準ミスと
為られている。
其れはここ等じゃ誰もが知っている出来事だった。
年は二十四歳になられているが、いまだに辺りを圧倒する美しさは衰えては
いない、反対に益々磨きが懸り、輝いている。
「何時戻りんさったん・・」「先日よ、懐かしいわね」
「そうなろうね、此処に十八までおりんさったが」「え、そうなるわね」
おばちゃんと話をされて居る間にも眺めて溜息が出る程美しく成られていた。
 「ええ、じゃじゃアメリカを引き上げんさったんかね・・」
「ええ、親が寝込んでいるしね、仕方なくかな、いいやもう日本に戻り
たかったかもね」そんな話を勉は聞こえた。
 コ-ヒ-を飲まれると、店を出られる、店に居る勉は動かれると仄かな
香りが鼻に遠慮なく入って来る。
「見んさったかね、綺麗になりんさったね」「元から綺麗じゃ無いか・・」
「だね、でもなんか覇気が無いと見えるが・・」「其処は親の病じゃろう」
「言えるのう、でも帰ったね」そんな話しをした後、店を出る。
 部屋に戻ると、弥生さんの姿が脳裏に残り、味わいながら目を瞑る。
 中学二年生の時、ここ等では大変な騒ぎになる、弥生さんが日本代表の
準ミスに為られたからだった。
中学生の仲間も大騒ぎ、当時は最高なニュ-スとなっているのだ。
其れから直ぐにアメリカに向かわれて、此処には居られなかった、
でも其れが原因で家は傾いたとも噂で知る事になる。
 弥生さんの話は暫く消えていたが、皆心の底には残って居る筈、
其れだけ田舎では強烈な出来事なのだ。
(そうか、戻りんさったな・・)そんな思いをしていると、携帯が鳴る。
「あ、時恵姉ちゃん・・」
電話の相手はあの時恵さん、暇なら来んさいと言われる。
何がともあれあそこに向かわねば為らない、其れほど大事な家だった。
 駆けつけると、早い事と喜ばれる大奥さん、家に入ると大歓迎される。
「聞いて聞いて・・」真っ先に玲奈さんが、家の中身の報告、
其れが笑うほど可笑しいといんさる、家の男二人が、毎日呉に日参、
然も船舶の免許は既に取得され、今は修理関係の為に習いに出かけている
と笑われる。
其れが良いと家では賛成して尻を叩かれていると、其処で三人が大笑い。
「お前の御陰で、この家も大安泰じゃがね、男には新しい趣味を与えてくれ
たし、女には有り得ないほどの喜びを分けてくれているが・・」
大御所の満江さんが、勉を抱いてそう言われる。
其れを見る時恵は泣きそうな顔で眺めていた。
 「おお、そうじゃが、喜んで忘れるところじゃったがね、勉、向こうが
動き出したぞ・・」「え、向こうって・・」
「ああ、あんたの祇園じゃがね、あの土地・・」「ええ、じゃじゃ、なんと、
最近な、あの家のお嬢さんが帰りんさったぞ・・」「ええ、勉・・」
「喫茶店で偶然見たが・・」其れを聞いて、三人の女性は顔を見合わせる。
「そうか、見たんかね、其れがな・・」そこから話が続いて行く。
 「ええ、ではなんと、この家がお金を融通されていたんか・・」
「ああ、信金も、大手の銀行も手一杯でな、見かねてその家の娘に横惚れの
銀行員が、この家を紹介しんさった、それが縁でな、金は貸して来た」
「・・、なんとそうでしたか、だからあそこに・・」
「そう言う事じゃが、抵当限度一杯になっている、だがそれでも家は火の車
じゃが・・」「・・」「そんでな、今回は生活費迄苦しいといんさる・・、
そんでアメリカから戻されたんだよ」
「そうでしたか、幾らくらいに為るん・・」「抵当かね、時恵アレ・・」
「はい・・」部屋を出られる。
「お前な、相手は既に弱り、にっちもさっちも行かないぞ」
「では、如何しんさる・・」「それでね、至る所で話が行き交い銀行と手、
そのまま塩漬けにはさせられんじゃろうがね」「そうなるんか・・」
「ああ、其処でじゃ、暫く様子見して居ろうと、買い手が現れればそれで
いい、競いはせん・・」「ええ、じゃじゃ、諦めるんか・・」
「諦めても、其処は今度はあんたの家じゃろうが、袋小路の土地じゃぞ、
誰でもとは手が出せんが、やがてあんたの家も賑やかに為ろう」「・・」
「そんでな、あんたを呼んで事の経緯を相談しようとな・・」
手元に届いた土地謄本を見ている勉、抵当権欄には夥しい数と数字が目に
飛び込んで来る。
 「なんと・・」「見たかね、此れでも値打ちから考えると六割じゃね」
「満代さん・・」「ああ、其処でじゃ、あんたの出番が有ろうがね・・」
「ええ、・・」「だからじゃ、ここ等で相手に引導渡すのも良いとな・・」
「・・」「時恵がそういうから呼んだんだ・・」「時恵姉ちゃん・・」
「焦らずに気配は有るよ、だから待ちんさい、今回は、今迄の流れの報告、
此れからはあんたが材料を如何料理するかじゃがね、弟を有難うね・・」
「ええ・・」「おお大、そうじゃが、お前粋な計らいをしんさったがね、
時恵が驚いてな、喜んでな、泣いていたが・・」「ええ、其処まで・・」
「ああ、感動しんさったんだ、わしも勉は凄いと思ったぞ」
その話は既に此処では知られていた。
 暫くすると、家の男二人が戻られて、其処から今度は勉は男の餌食、
捕まって、色々と話しを聞かされる羽目に為るが、其れを見る女性三人は
腹の中で大笑いしていたのだ。

          つづく・・・・。


































★本日より再開★窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・28》

 六月に入る、既に島では喧騒の毎日だと電話が来ている。
五月の半ば頃、誠司を連れて訪問、其処でかねてより考えていた相手を紹介、
無論其処には節子さんが同席、慌てる誠司を横目に紹介が始まると家の中は
大騒ぎ、既に部屋も決まっていると聞くと誠司は居た堪れずに縁側に逃げる。
 部屋では勉と家の婆様と節子さんと、今回の相手の多恵さんが、
子供を抱えて座られていた。
「おい、如何だ・・」「お前な卑怯だ、行成り来て如何だもくそも無いがや、
遣れんけ~・・」「じゃ断ろうか・・」
「・・、え~こいつ其れこそ無茶だろうがね、お前話をしておりんさろうが、
断るなんぞ相手に失礼じゃがね」「ええ、お前・・」
そんな会話を部屋に盗み聞く家の女性三人は、くすくすと笑われていた。
「どうすればいいんかいのう・・」「お前な、友の気持ちは既に判って居ろう
がや、行き成りじゃ頼むと言えんがね・・」
「だから断ろうか、でも相手の多恵さん別嬪さんじゃがね」
「あのな、断る事許さんぞ、良いなこれからの付き合いも考えるけのう」
「じゃ友も止めようか・・」「こいつ、虐めるなよ、もう如何すれば良いか
教えろ・・」「じゃじゃ、部屋に戻り、婆様に頭を下げて、下宿頼みますと
頼みんさいや、そんでな・・」
「あ、待て待て先はゆうな、其処は俺が言いたいがね」「言えるんか・・」
「阿保垂れが、俺も男ぞ、言えるわ、見て居ろや・・」
 部屋に戻るなり畳に頭を擦り付け婆の前で、下宿お願いしますと頼んた。
直ぐに良いよと返事が戻ると、今度は子供を抱えた多恵さんに宜しく指導
願いますと、此処で、居並ぶ女性から笑顔が見れた。
 少し意地悪した勉も、話に感動し縁側で友がと思うと涙腺が緩んでしまう。
これで、誠司がこの家で島に来た時寝る場所が出来た事になった。
 その日は其れで家を出るが興奮している誠司、とんでもなくテンションが
高い、仕事を見回り、今日は祇園に戻ると、勉の車で替えるが、
途中車内で迷惑をこうむるのは勉、話が止まなかったのだ。
 五月二十二日、勉に節子さんから電話が来る。
「うふっ、昨夜ね、大変だったんよ」電話で具に友の事を聞かされる。
「そうか、良かった、有難う」「下宿代高いわよ」「ハイ心得ていますけ」
「あのね、お金じゃ無いんだけど・・」「え、ああ、了解ですよ、今度伺う
時は家で良いのかな・・」「是非そうして下さい、婆ちゃんも承知して居り
んさる、あんたに早う来てと言えと尻を叩かれている」そうも言われる。
 五月二十七日、前日家には誠司が二度目で泊まった翌日に、
勉は島の節子さんの家にと来ている。
二歳の子供と遊んだ後、夕食を食べると、その時話が友の話しだった。
主に婆様からの話が笑える、誠司が初めてだが~と叫んだ後寸爆だったと
大笑いしんさった。
「でもなこいつが可愛いと最初はそうだけど、二度目から教えてくれんさい
と縋り付かれたと・・、其処から懸命に頑張る相手に絆されるが・・」
そうまで言われる。
「じゃ、未だ講習は続けるんですね・・」「駄目なの・・」
「ええ、いいえ願うんです、あいつが独り立ち出来る迄はと、思っています」
「じゃじゃ、お姉ちゃんの後でも抱いてくれんさるなら良いけどね・・」
「ええ~・・」吃驚する勉が余程可笑しいのか、家の婆ちゃんが仰け反り
大笑いされる。
「お前、情緒もひったくれも何も無いな、相手が驚きんさったがね、お前は
好き物じゃがね・・」「婆ちゃん、其処は違うんよね、お姉ちゃんがね・・、
いんさるから仕方なしで受けたんだけど、承諾の理由は其処に有るんよ・・」
「何処に有る、男を迎えるにほかに何が有るんか・・」
「其処じゃがね、相手は受けるけど、後がね・・」「後・・」
「未だ経験がない分、こっちは寝た子を起こされた侭なんよ、婆ちゃん・・」
「・・、ああ、こいつ、欲どおしいぞ・・」
「だから、最初からお姉ちゃんから言われたんだ、ね~お姉ちゃん・・」
「ああ、言ったね・・」「何や、節子・・」
「婆ちゃん、其れは後に控える男が居るからと言ったんだ」
「ええ、控えるって、何でじゃ・・」そこからの経緯も勉は初めて聞く。
「ええ、ではあんたが後ろの男かね・・」「・・」
頭を掻きながら返事出来ない勉、其処を見て節子が話を続ける。
「うひゃ~、何なんでじゃ、なんと芳美もかね、・・、呆れたぞこいつ等」
「婆ちゃん、家は先が乏しいじゃろう、其処でお姉ちゃんが考えんさったん
だけ、怒りんさるなや・・」「お前ら・・、なんと、あんた出来るんかね、
姉妹全部か・・」「お婆様・・」
「え、いいや駄目とは言えんがね、こいつらの顔見れば孫じゃ思いは判るが、
何であんたは人気がありんさるんかのう、あの美佐江もそうだがここ等じゃ、
あんたの話で持切りじゃがね、家も株を十万円、節子が持つと聞いて居る」
「有難いです・・」「何で、あんた面倒見れるんか、姉妹は三人だぞ・・」
「・・」「婆ちゃん、今夜で判るよ」「節子、お前に家を託したが、外には
漏らすなよ」「うふっ、既に遅いけ~・・」「遅い・・」
「そう、聡子さん御存知だけえね、あの人から勧められたんよ・・」
「・・、なんとのう・・、そうかね、じゃ家で内緒はそこまでかね・・」
「ええ、聡子さんだけはご存じなのよ」「呆れるがお前ら・・」
ひ孫を膝上で寝かせながら苦笑いされる。
 こうして、家では既に其の方向にと進む羽目に為る。
無論一番は節子さんの体、此処では際立つ凄味が潜む体なのだ。
其処が有るから勉は家に来てる、だが妹さんが参加とは知らされて居ない。
 始まった、既に婆様はひ孫を連れて納戸に引っ込まれている、
「あんた・・、如何し様か・・」「だな、初めて聞いたが良いのか・・」
「あんたは如何なんよ・・」「良いけど・・」
「憎たらしい男ね、覚悟しんさいや・・」
「オオこわ、でも返り討ちじゃぞ・・」
「え、いんさるが、お姉ちゃん、二人がかりじゃ持たんよね、こっちが
勝ち戦じゃね」「多恵や、あんた知りんさらんからだが、相手は猛者、
最後まで勤めんさいや・・」「ええ、最後までは直ぐじゃがね、任せて」
そんなやり取りをしながら二枚の布団を並べられる。
「暑いけど天戸・・」「え、何でよ・・」「阿保じゃね、聞こえるが声が」
「だって隣は五十メ-トル離れているがね・・」
「いいから従いんさいや、ク-ラ-要れるし・・」そう決まる。   
 遂に始まった、最初は節子さんが、勉のズボンを降ろし、前で屈んで
でかい物を口に運ばれる、その間勉も節子さんの寝間着を剥がした。
 だがその現場にもう一人、其れが何と動けずに唖然としたまま動けない、
其れほど暗闇で浮いた相手の股座に、驚愕、其処に姉の顔が向かうと、
これが始まりの合図になった。
 出るわ、出る出る卑猥な音ともに、身を捩らせる姉の体は既に男に愛撫を
敢行され続けて居る、其れに呼応する姉の肉は、喜びに震え動き、
然も何とも素晴らしい体が二体、絡み転がる間に肉が合体、
其れからが大豹変の姉、妹は未だ動けないで目だけは爛々と暗闇に光ってる、
泣き叫ぶ声は多恵と手出した事が無い音色と音量・・、其れが止まずに益々
声高になって行く。
上に跨る姉の仕草や動きも妹は勉強になっている。
 幾らくらい時間の経過かは知らない多恵、漸く姉が三度目の往き様を
魅せ付けられると、姉が大痙攣、その間、男の顔が、自分を見た。
「出来るんか、御出で・・」「・・」何と夢遊病者ごときに為る多恵、
這いつくばり横たえる姉の体が跳ねる中、縋りついて震える。
 それを迎える勉、すぐさま異変に気付かされた。
なんと妹のアソコには恥毛が無い,其れで勉は大興奮、行き成り今度は勉が
多恵の上で跨ると、一気に棒を差し込んだ。
其れは既に姉の姿と声で、アソコは準備万端、
「うううううぎゃあああっ・・・・・・」絶句するが、肉派呼応していた。
 気が戻される間も無く、又も悲鳴染みた頭を劈くほどの高い音色の絶叫を
放つと、多恵の体は腰を浮かし上に勉を乗せた侭痙攣三昧・・、
まるで眼鏡橋の様に空間が有るが揺れる体はそこでも落ちては来なかった。
 「うひゃ~・・、節子さん、凄いぞ~~、中がまるでおんなじだがね、
良いぞ儲けたが、直ぐに数度往かせるから待っててよ・・」
「馬鹿ね、最初よ、戻ると今度はゆっくりとあんたのでかい物を肉にね
染み込ませんさいや、妹は味わうと変われるがね・・」
「ええ、未だ有るんか先が・・」
「其処はあんたが開発しんさいや、私も其処を見せてくれているがね、
有るよ、先が何ぼでも・・」そう言われると、ゆっくりと動き、
相手が焦らされて泣き叫んでついて~と叫ぶ中、男冥利に尽きる肉体と、
叫びと穴の中だった。
 本当に繋がる縁は勉には付きまとうと感心する、
あの東広島と祇園隣の古市の姉妹、其れと島では此処になる。
姉妹は、此処からもすさまじい応じ方で勉を心底堪能し、
相手の男にも堪能させる技が姉妹には有った。
 どこまで続くのか、既に深夜でも家の中は戦場で戦う三人の姿が・・、
何時までも挑み迎え続けて行く・・。 

               つづく・・・・。























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・27》

 五月八日、東広島から電話が来た。来てくれと言われ、車で向かう、
途中今日はあの家の男性と顔合わせと聞いて居るし、其処で話が進む具合を
確かめようと、勉は車を走らせる。
心配はしていない、アソコの満代さんを信じているし、今日は同じ穴を使う
男三人が顔を合わせる日と、腹を括る。
 午後一時過ぎに到着し、直ぐに豪邸の中に入る。
大広間では既に二人の男性が待っておられ、勉は初対面だし、年も若い、
直ぐにひれ伏して、自己紹介を済ませる。
「聞いたが、なんと物凄いぞ、軌道に乗れば最高な場所だし、釣りが趣味なら
、感激されるぞ、君は若いがやり手だね・・」
この家の主、陽一さんが、先に挨拶がてらにそう言われる。
「そうや、君は、この家に活性を持ち込んでくれたね、聞くと時恵の親戚」
「ま~、おこがましいけえね、親戚だなんて、恥ずかしいがね、本家は代々の
庄屋様、内は契約子供を願い出てから約百年経過している、今でも心から本家
を思っている」「其れこそ凄いぞ、祇園は今は凄い街になっているしな・・」
息子さんが饒舌に話をされる。
満代さんは呆れ顔で息子を見て苦笑い、父親の陽一さんも息子の話に乗られる。
「ま~、今来たばかりじゃないね、休ませてあげてよ」
「あ、そうだなじゃコ-ヒ-を飲みながら計画書のおさらいしてくれんかね」
「喜んで・・」これで顔見世は終える。
 その後、船舶の免許の話が出ると、この家の二人の男性は身体を乗出して、
受けると断言される。
幸いにも広島の呉に試験場が有るし、読み書き出来る程度が有れば、
中身を理解して受ける事が出来きると言われ意気込まれる。
「君は大学生と聞いたが、落ち着いているね」
「もう家には怖い婆ちゃんがおりんさるし、親戚も、この家の時恵姉ちゃん
みたいな人ばっかり、だから自然と何事も驚かない事が可能なんでしょうね」
「言えるが~・・」大笑いされる。
 「実はな既に昨日現場を踏んでいるんだ、なんと何処もかしこも凄過ぎて、
島など数えきれんほど在るな、岩礁を入れると百にも及ぶと聞いたが・・」
「ええ、そう見たいです・・」「聞きたいが、何で君がアソコと関係が有る
のか不思議なんじゃが・・」お父さんが言われる。
「実は・・」そこから簡単に経過を話す。
 「ええ、じゃじゃ、市内でかね、なんとそんな出会いも有るんだな・・」
お父さんと話しをしていた。
 その後、島の事を一応話を続けて、今度の会社設立まで話しは決まった。
東広島の家では、三時間滞在して、今日は帰る事にした、総て満代さんは
理解されている、時恵姉ちゃんも玲奈さんも其処は言う必要がなかった。
 夕方、勉は祇園の実家に居る、今までの事を報告し、計画書を見せる。
「ま~勉あんた・・」「え、何・・」「此れ凄いがね、ええ、錨の形とは
恐れ入ったがね、お母さん・・」
「煩いぞ、お前の子は大したもんじゃ誰が出来る、勉だから出来るんだぞ
聞いたろうが東広島・・」「ええ、時恵から聞いて居ます」
「だから、今回は婆は孫に従うけね・・」「お母さん・・」
抱き付いて真澄は泣いてしまう。
 そんな事で、此処では今までの経過方向をした、会社設立は、
家の顧問弁護士に委任と婆ちゃんが決める。
何とか、事は進みそう、計画変更を言いに、誠司の家にと向かう勉、
其処でも歓待され、話を聞きながら、おじさんは頭を抱えられた。
「なんとのう~、そうか錨の形かね、物凄い事に為るな、誠司・・」
「ああ、今見て昂奮しているが、屋根の色は如何しんさる」
「何がええかのう・・」「それは目立つ方が良いと思うが,奇抜なら、
周りの景観が損なうと反対が出るやも・・」
「そうだな、其れじゃ困るし、如何する・・」「あ、良いぞ・・」
「何、誠司・・」「あのな、屋根は色が決め手じゃろう、そんで真っ赤は
けばけばしている、其処でな石州瓦使わんか、其れは黄金色に見えるんだ」
「ああ、そう言えば、表面がつやつやしているし、黄金色に変化もするな、
良いぞ、おじさん・・」「おう、其れは使えるな、誠司、基礎は如何する」
「ええ、親父俺に聞くんか・・」「お前ならと聞いて居るが・・」
「俺なら、アソコは確か岩盤が強固、如何やろう、親父基礎は溝を造り、
アソコじゃ1メ-トル掘ると岩盤と思えた、岩盤に溝を掘ると底で横に
伸びる溝を掘る」「何やそれ、岩盤だから、鉄骨で良いじゃろう」
「あのな、アソコは塩害、鉄などもつか・・」「え、其れじゃどうする」
其処から誠司は持論を話した。
 「じゃ溝の底は別に繋がる横に掘るのだな、其処を楔にするのか・・」
「列車のレ-ルの断面の形になるが、生コンで流し込んで固めると、
其れが楔に変わる、無論鉄骨は中に加えるけど・・」
「何とそうか、聞いて見るけ、お前も凄いぞ・・」
頭を撫でで満面笑顔のおじさんだった。
序に電線は地中に埋没して、無論電話線もだが、島では其処は電柱が無い
景色にしたいと誠司が言った。
素人では其処は中々いい知恵は浮かばないが流石建築専攻の誠司だった。
「いいぞ、じゃお前は初の現場助手じゃがね」「おやじ、給料は・・」
「あはっ、渡すよ」親子でそんな会話をしていた。

           つづく・・・・。






















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・26》

 「・・、・・」「・・、・・」互いに声が出て来ない、
其れほど強烈な事を告白されている、勉は今は息すら儘為らない現実だった。
「では妹さんのご主人は・・」「ええ、もう駄目かも・・」「何と・・」
「でも、聞くと楽しい人生だったといんさる、俺は誰もが経験していない
事が出来た人生かもと・・」「・・」「それが事実本音と知らされたのよ」
「でも悔しいでしょうに」「其処を思っていたけど、結果は見えているしね、
其処で智之が幸せでお前にも姉にも感謝だといんさる」「・・」
「それをまともに聞こうと姉妹で話合っていたの、でもね、相手が病で居ない
となるとあの楽しみが消えるのよね」「お姉さん・・」
「待って先が有る、妹と相談して今後の事を話し合っていたの、其れを叔母が
聞いて考えてくれていたのよ」「じゃ既に・・」
「ええ、叔母は待て良い子が居るが育てて見んかといんさった、其れが聞くと
あんただと・・」「ええ・・嘘・・」「嘘じゃ無いし、其処は本当なのよ・・、
気が優しいし、家は財産が有るから蝕まれないと・・」「呆れる・・」
「でしょうね、私ら姉妹は本当に一心同体、姉の私が割込んで来たんだけど、
今じゃ妹も懐かしといんさるほど充実していた」「・・」
「あ、総て言ったが、ねね、どんな事も据え置いてでも此れの延長を続けたい
のよ、とんでもなく最高に昇れるし、味わった肉体がもう他を受け付けない、
困っている」「・・」言葉を返す威力が失せる勉、姉妹で妹の夫を共有して
来たと、のっけから言われると、返事のしようが無かった。
「ではどれくらい続いて来たんですか・・」
「それがね、聞いてよ、酷くない、三か月よ」「ええ、三か月って・・」
「だって私が戻ったのが四か月前よ、妹の留守に出来たのが三か月前、喧嘩
したが、姉妹で取っ組み合い、其処の中に入りこのまま続けたいと智之が、
其処も妹が怒って怒鳴り上げる始末、でも智之が其処で告白した事が総ての
道を造り上げてしまったの・・」「え、道ですか・・」
「そう妹の夫が亡くなるまでの道行よ・・」「・・では」
「そう、既に自分で終焉が判っていたの・・」「何と悲しい事・・」
「でも其れを忘れる程最高だといんさるから、妹も其処から何も言わない」
「そうなるね、でも其処から三角関係が面白くて、相手は先が見える体を
頑張ってくれていたの、泣けるほどね」「そうでしたか、じゃ今は・・」
「其処ね、諦めているから仕方が無いけど、今は病院に行く度にその話よ、
記録も最後はしていたんだ」「ええ、記録・・」「そうビデオにね・・」
「何と、じゃ其れ・・」「有るよ、でも見るの辛いがね」「ですよね・・」
何と、知らない間に姉妹の立場を理解している勉、呆れるがそう話されると
有り得るかなとも思え出す、今の自分も褒められた位置じゃ無い、
その上が此処に居られた、其処から金は有る、土地も少し有るし、
一番は交通事故で無くなった両親の保険や慰謝料の残された金額が半端じゃ
無いと聞いた。
「では僕の立場は・・」「その延長いや未だ最高が有る筈と妹と話している」
「では、僕が参加するとでも・・」「お願い・・」「・・」
「ねね、妹が連れて来たんだけね、其れが総てじゃが、何でもするしたいが、
あんたお願いするけ百合・・」「え、私もだがね、だから連れて来たんだよ、
お姉ちゃん、此の人良いよ」「見て判るが、其処だから頼もうよねね・・」
「良いわ、勉さんお願い何処にでも出来ない事でも此処はしたいのよ、
如何か思いを汲んでくれんさいや」とんでもない事を姉妹で頼まれた。
「あんた・・」切ない程の声で百合さんが勉を見ながら声が出る。
「では約束できるなら従いますけど・・」「約束・・」
「ええ、此れから百合さんの夫以上に楽しむなら参加する」
「ええ、意味が・・」「其処でしたことが無い程其処を極める気が有るなら
付き合いますけど」「え、自信が有るんだね、良いけど持つかねあんた・・」
「夫、智之さんはどれ位・・」「時間かね、僅かだけど其処は姉妹で長持ち
するように動いた」「大きさは・・」「普通じゃが行けんかねあんたは・・」
「其処は如何かな、でも百合さんは如何、未だ夫がおりんさろう・・」
「代わりにと思えたが、今は違うけ、今はその先が見たいだけ、何でもあんた
に従う、此処はお姉ちゃんと私とでねね、お願い・・」
全くどうかしていると思えるが、勉とて興味が在る事は間違いない、
其処を見くびられて誘われたと思い知る。
「じゃ、其のビデオ鑑賞させてください・・」
「ええ、あんた・・、見てもあんたは詰まらんじゃろうがね」
「いいえ、見ると姉妹のツボが見えるかも・・」「ええ、あんた・・」
姉妹が同時に驚かれた。
「良いですね、最初は其処から出発ですよ」「・・」顔を見合わせられて、
此処も同時に頷かれた、其処が姉妹かと感心する。
 直ぐにでかいテレビに、事が映し出され出す。
「早く始まる前に二人とも裸ですよ」「ええ、あんた・・」「早く・・」
「お姉さん・・」「判った、こりゃ~面白くなりそうじゃね、脱ぐよ」
決められると素早い、姉妹で競う様に素っ裸、なんと見ごたえがある姿態に
唖然とする勉を見て微笑まれ、ビ‐ルを片手に勉を挟んで座り、
流れ出る絵を三人は観賞する。
勉は相手の夫の体を見て、此れはきつそうだと見える、
其れがそのままビデオに出て来る、何度も往きそうになると姉妹が棒を握り
止める様は其れこそ拷問と思えた。
だが中身の姉妹はすさまじい程自分から上に上られる姿は極美、
素晴らしい肉体はその都度エビぞりで受けて善がられている、
其の様は普通ではお目に懸れ無い程卓越された往き様、見事の一言に尽きる。
「うん・・」何と妹が先に動かれ出す、勉の股座を探り、付け根に指が到着。
 「・・、え・あ・あ、ええ~何々何よう何か居るがおおおねねええちゃん
・・ん何か有るよ・・」「何煩いが、え、お前何と大胆じゃが、何でそんな
声出すんかね・・」「お・・・・・お姉ちゃん此処触ってみて・・」
「もうなんよね、良い所だぞ・・、え・・、ああ・あ・あ何か・・・、・・
うわわああああ~これ此れこれが~凄いがあわわ、百合ごっついぞ此処が」
姉妹で何とビデをそっちのけ、瞬く間に勉がはいているズボンを引きずり
降ろすと、出て来た代物に身をひっくり返し震えている。
 『・・、・・』言葉を失い、目を丸くして出て来た棒を見るだけ、
聳え立つ棒は、ビデオと姉妹の裸で最高に勃起、
其れを見た二人は声を忘れた侭だった。
 直ぐに姉の桃代の顔を勉の股座に引き寄せる。
相手は直ぐ呼応、卑猥な音を醸出す、そんな中百合は勉に胸をしゃぶられ、
のけぞり・・、「お姉ちゃん儲けたね凄いよ~」
「行こうや、最高な場所にじゃぞ・・」
「行くよ往くからねあんた凄いから好きよ~」遂に始まる。
忙しく、勉の上着を剥がすと、百合は果敢に愛撫を敢行、股座では姉が奮闘、
互いの役目と喜悦を求める姿は凄過ぎる。
 こうしてビデオそっちのけで三人は上がる向かう先にと階段を登り始める。
極め極意を求める事は三者一致、勉は此処は限りない程暴れると決め込むと、
今度は姉を股座から外すと、寝かせ上に跨る。
 出るわ出る出て来る卑猥な叫びと甲高い声で泣きじゃくりながら嘘嘘だ~
と泣き叫んで迎え撃つ腰は半端な攻撃じゃ無い、其れほど心から挑れる
姿は,崇高にさえ見えた、待つ間の妹は、胸を与えながら、
勉の指が股をまさぐり入ると身を捩らせて受ける、下では歯を食いしばり
歓喜を味わう姉、既に部屋は間違いなく誰もが経験を望む舞台にと駆上がる
姿が有った。
 往く、往ったが~まただ~とのたわまく桃代、流石に大物を迎えた事が
無い膣は哀れ無残、持ち主の気を連れて舞い上がったまま、痙攣を起こすと
転がされた。
代わりに妹が参戦、其処は丁寧に扱い、其れで自然と上り詰める経緯を男は
知る、そうして最高と喚く中では凄まじい腰使いで一気に上に突き出す様に
上がらせてしまう。
横たえる姉は又も無残極まりない、泣き叫ぶ中で豪快に腰を突き入れて舞い
上がらせると上で暫く浮遊う、その間忙しい、妹を腰に抱えると部屋を飛び
跳ねて舞う、其れが一気に百合は天井にと真っすぐに舞い上がった。
転がして姉を餌食、今度はダンゴムシ状態で上に上がる尻目掛けて突入れ、
いがり泣いて良いが~~と泣き叫んで往く。
其れでも容赦しない、突き上げて戻すと、今度は姉妹を重ね、上下交互に
穴に突進、惨たらしいほど泣き叫び、姉妹を交互に飛ばし続ける、
その時間たるや、考えられないほどの長時間、
互いが動かなくなる頃は既に真夜中過ぎている。
 ビデオはいつの間にかテ-プが終わり、画面は雨の真只中、
其れを止めて、勉はビ‐ルを飲みながら姉妹にも充てて飲ませる。
相手は泣いている、凄過ぎると泣くことは女冥利に尽きるのか、
勉は未だ其処は解ってな居ないようだった。

              つづく・・・・。























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・25》

店の外に出ると、既に空は雲行きが可笑しい中だった、
「拙いですね、雨が・・」「・・、そうね変ね・・」初めて声を聞いた。
「じゃ、一度部屋に来ませんか・・」「良いの・・」「どうぞ・・」
何とすんなりと言える事が出来ていた。
其れほど女性と接する事が多くなった証拠かと思いながら
マンションの部屋にと向かう。
何も言われず従われる姿に、多少勉は気に為り出す。
「ま~素敵~・・、ああ外が丸見えよ、貴方凄くない此処・・」
驚かれる中、コ-ヒ-を出した。
「何も聞かれないんですね」「女将が聞くなと・・」
「うふっ、其処は叔母なんですのよ・・」「ええ~じゃじゃ古市・・」
「ま~ご存知ですの・・」「隣町ですからね、高校生の友も居ますし」
「あらら、そうなの、じゃ地元よね」「はい、ドン百姓の血筋ですが・・」
「ええ、嫌だ、いわれからが卑下されている」
「仕方が無いですよ、事実だしね」
「ま~、書類が沢山、お仕事、学生でしょう・・」「両方になるのかな」
そんな話をしている間に書類を見られる・・。
話をしようにも其の計画書を隠す間が無かった。
「凄い・・」感歎され、まともに勉を見られる。
『あのう、金は此れ・・』「え、ま~良いのよ・・」「ええ・・」
「うふっ、そう苦労はしていない、でもじゃと言われればそうなるのかな」
「え~意味が・・」「待って、其処は後、叔母の話は半分は本当なんだし」
「・・」呆れる勉の傍でそう言い切られた。
「ねね、貴方女性には不自由していないみたいね」「ええ・・」
「だってそう見える、大学生と聞いたけどなんか落ち着いている、こうして
私が部屋に居るのに目がぎらぎらしていないし、魅力ないのね私・・」
「・・、ええ~とんでもないですよ、有り過ぎ・・」「じゃ何で直ぐに」
「うひゃ~、其処か、でも相手に悪いでしょうがね、行き成りじゃ・・」
「其処が間違いよ、何時もならそうでも良いけど事情が違えば其処は別」
「別・・」「そう、相手に寄りけりって事、嫌嫌でも仕方が無い時は直ぐ
抱いて終える程、相手を察して動く方が気が楽になれるし、其処だけ集中
できるのよ」「ええ、そうなんですか・・」
そこから色々と話しをされるが、勉が考えて居る事と真反対の事を聞く。
 「ええ~じゃじゃ直ぐにと、貴方は出来るんですか・・」
「ええ、事と次第ではそう覚悟出来ていますけど・・」
「何と女性はそうなんですか・・」「男の方もそうじゃ無くて、事が判る事
でも向かう前時間を懸ける程相手は酷に思う時が有るんです」
「何と、そうなるんか・・」「だから、こんな時は早く済ませると、決めて
来ている相手に・・」「はい」「ええ、貴方・・」「そうなるんですよね」
「ええ、其処は世間の流れを言ったまでですけど」「じゃ今の貴女は・・」
「どっちつかずよ・・」「ええ、意味が・・」
「うふっ、そうでも言わないとなんか進めないと思えたのよ」
「そうですか、少しは当りになるんですかね」「え、そうなの・・」
勉は笑うしかなかった、金を渡て別れようと考えていた矢先にこんな話題、
変な事に為りそうと思え出す。
「如何なさいますの、百合じゃ駄目かしら・・」「百合さんですか・・」
「ハイ、身長158、体重はご勘弁、経験は多少、今夫が居ます」「はい」
「で、感想は・・」「ええ、最高と思えますが・・」「何処がです・・」
「え、ああ、顔も小顔だし身長も体重も見かけると凄く良いと・・」
「では合格ですの・・」「ええ、其処は・・」「じゃ抱けないの・・」
「またまた、そう言われると返事が、抱きたいけど・・」
「じゃ此処の部屋で良いの・・」「え、其処は別に何処でも・・」
「貴方、時間は・・」「売るほど有りますが・・」「じゃ買うわ・・」
「ええ、今何と買う・・」「ええ、五万円で買うし頂くのと帳消し・・」
「ええ、意味が・・」「意味は必要なら言いますけど、其れくらい貴方と
居ても不安が生じて居ない、なんか興味が湧いて、此の書面もそうだけど
魅力が有る姿よ」「ええ、貴女・・」「百合です」「あ、僕勉です」
互いに苦笑いする。
「じゃ送って頂けます・・」「え、良いですけど、何時・・」
「直ですけど・・」「あ、はい送ります」なんと展開が変、でも言われる
ままに動く事が此処では変じゃないから不思議、其れほど魅惑か変わり
者かは分別出来ていないが興味ある女性には間違いが無かった。
 地下の駐車場に降りると車に乗り込んで古市にと向かった。
「御免なさいね我儘で・・」「これ程なら従えますね」「ええ、貴方・・」
車の中でも笑顔は絶えない相手、最高に言葉のやり取りが楽しかった。
古市は祇園の隣、直ぐに到着する。
 「家はどちらですか・・」「真直ぐに向うと三差路が有ります、
其処を左にお願いします」「はい・・」
田園が未だ此処では存在する、祇園の隣だが此処はマンションも余りない
場所、そんな中を車は走り漸く指さされた家の庭に車を入れた。
 「どうぞ・・」何と勉は言われるままに車を降りて家の中にと従う。
「え、ま~もう帰ったんかね・・」「ええ、事が変更になってね・・」
「あらら、若い男じゃないね、如何したん・・」「連れて来た・・」
「ええ、じゃじゃアの話し・・」「黙っててよ、未だ話は済んでいないし」
「御免・・」意味不明だが、挨拶をして部屋に上がらされた。
「ゆっくりしててね・・」連れて来られた女性は奥の部屋にと消える。
「よう来ちゃんさったね、私が我儘だから・・」「え・・我儘とは・・」
「そうなるよね、百合に男をと頼んだのは私なんよ」
「ええ、なんとじゃ・・」「そうなのよ、叔母が良い子が居ると聞いて
居るからね、頼んでいたんだ・・」「ええ意味は理解出来ていないけど」
「其処ね、先ほど電話が来てね、相手には事情は伝えていないといんさる
から焦ったがね」「・・」「だからね、困っているのは私、百合はその
相手を見定めるために行かせたのよ、運よくあなたが食堂に顔を出された
から、話はとんとん拍子、でも肝心な事は聞かされていないんですよね」
「ええ、そうなりますけど・・」とんでもない話になりそうだった。
 「ビ‐ル飲みましょうか・・」「ええ、車ですし・・」
「酒が引いてから帰れば良いでしょう」「そうなりますが・・」
「じゃ、用意するね」返事を聞かれずに台所に向かわれる、
其れと同時にあの百合さんが着替えられて部屋に来られた。
 「私達姉妹なのよ、向こうが姉で二つ上、其れが家族・・」
「え、では両親は・・」「交通事故で無くなって五年かな・・」
「何と・・」そんな話をしていると、宛とビ‐ルが運ばれて、
三人で飲み始める。
 全く狐に化かされた面持ちで酒は進んで行く。
「ええ~じゃじゃ、あの入院の旦那さんは・・」「そう妹の旦那よ・・」
「それがね、ひょんなことから間違いの家に為りつつあったの、嫌なって
いたかな・・」「・・」「それが、姉が離婚して戻ると、家が変化・・」
耳を疑う話に進んで行きそうに思えた。
其れが真に現実と為り出す。
とんでもない話が否応なしで勉の耳に侵入してくる。
気が可笑しくなる勉を見ながら話は姉妹で交互に出て来出した。
「・・」唖然騒然、聞きたくない事も聞く羽目に為る勉、
気が動転してビ‐ルを飲む量が増して来た、時間は既に午後十時過ぎ、
とんでもない家の中に勉は居る。

                 つづく・・・・。



















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・24》

 五月の連休、勉は部屋に篭りっきり、夥しいコピ-紙の山に埋もれてる。
 「ようし、出来たが・・」周りは旅行で閑散となる中、独りで背伸びして
満足げな顔色、其れが総ての事を表していた。
 直ぐに時恵姉ちゃんに電話して何事かを頼んでいる。
終えると、今度は計画書とアルバムを作り上げて時間を待つ。
 「コンコン・・」ドアを叩かれた。
出迎える相手は何とあの東広島の義理の親子、其れと時恵さんだった。
「招かれて来たがね・・」「ハイ、お待ち致しておりました・・」
初めて自分の部屋に招待した相手は、最高な部屋ねと感嘆されたが、
どっこい其処はお世辞、其処も理解出来る勉は苦笑いするだけ・・。
「では最初に計画書の説明を始めます」行き為り勉が切り出す中、
時恵はコ-ヒ-を作り始める。
手元に来た計画書とアルバムを義理の親子は見詰め、勉の話を聞かれ出す。
次第に中身が判り始めると、親子はコ-ヒ-を飲む手が震え出し、
目の色に変化が見える。
 「ま~これは凄いじゃないかね、勉、時恵・・」
「え、少しは聞いて居るけど、其れが内のお父ちゃんと弟が噛んでいる」
「ま~じゃ、計画は決まりかね・・」「内らではね、だから今回は内山家に
と呼び出されて居ます」「あはっ、じゃこれに乗れと・・」
「計画は出来たし、如何かなと・・」
「お前な、如何もくそも無いがね、勉が思う事は賛同したいが、で金は・・」
「其処だけど、家の婆ちゃんが任せろと・・」
「ええ、じゃうち等の出番が無いがね」
「其処を相談と、でも此れは此処の施設の計画と雲泥の差が有るけど・・、
別荘企画も良いかと・・」「其れも良いがね、此処はまだ先じゃろうが,
で島は如何・・」計画書を読まれて行く。
 「ま~何と凄いがね、何じゃ此れ凄いぞ、玲奈・・」
「ええ、感動してて手が震えるがね」「アソコらは昔から有名じゃった・・」
「え、お母さんなんで島でしょうがね」「其処じゃがね、アソコらは幾つも
島が有ろうがね」「ええ、見たらそうなる・・」
「だからな、昔はあそこを根城で海賊が多く住んでいたんだ・・」
「ああ、じゃじゃ明石の村上水軍と同じかね」「え、お前知っているんか」
「うふっ、ドラマでしか知らないけどね」大笑いされる。
「勉、参加したいが一つ条件が有る」「何か・・」
そこから意外な事を聞かされる。
 「ええ、では家のご主人と息子さん・・」
「あいつらはしょうもない事で遊んでいるだけ、追い出そうにもそれは出来
んじゃろう、難儀しているんだ」満代さんが嘆かれた。
「それで、中に入れてくれんかね」「ええ、じゃ其処は・・」
「男が、遊ぶには都合がええけね、アソコで居ると夜遊びも減るじゃろう」
「満代さん・・」「任せなさい、何でもゆう事は聞くけえね、其れで仲間に
と考えたが、仕事は別じゃ、資本金は出させるよ」「なんとでは・・」
「ああ、発起人として加えてくれんかね、無論仲間にも入れて欲しいけど、
駄目かね」「時恵姉ちゃん・・」「任せてよね、其処は何とでも出来るんよ、
義母さんが居りんさろうがね」「玲奈さん・・」
「私は何でもあんたに付いて行くだけよ、でもこの計画は凄いよ、当たるし、
島が潤うじゃないね、あんた良い事しんさる、大賛成よ」勉は頭を下げた。
 「ねね、勉、アソコは島よね」「はい・・」
「一度愛媛に行く時通ったけど島が沢山あった」「ええ、四十以上ある」
「あの吊橋から見えるよね」「ええ、島々を横切っている」
「じゃじゃ、一つ提案が有る」「なんですか・・」「別荘並べて建てるよね」
「そうなりますが・・」「じゃ、いっそ吊橋から見下ろすと形が見えると、
印象が残る」「え、意味が・・」「あのね、アソコはつり橋が相当高い所に
出来ている、其処で見下ろすと驚く仕組みが欲しい・・」
「何か有るんですか・・」「この計画書全てが良いけど、並びが平凡・・」
「え・・」「其処を、お願い、何か・・、そうだ錨が良い、そうや錨の形で
別荘を並べて、中心は居酒屋と事務所兼コンビニにすると、観光客がバスで
つり橋を渡る時驚かれるし、サイクリングにも降りて見ようと思いんさる」
「錨か・・、なんと其れああ~見えるがそうか形か・・」
「そうなるとね、桟橋で停留するクル-ザ-や小舟も際立つじゃないね。
屋根の色も考慮すると目立つよ」「玲奈、凄いぞお前は、そうか錨かね・・、
良いね勉如何・・」「はい感動しています、良いですね、大きな錨の形で
別荘を並べて見ます、芯の棒の先に店と事務所・・」
「良いぞ、そうすると、判り易いがね、宿泊も沢山出来るようにしんさい」
「満代さん、其処は最初からでなくても良いと思える、成り行きで行ける
なら其れこそ力を入れて増築出来る」
「良いぞ、お前は賢いぞ、じゃクル-ザ-は任せや・・」
「待って、其処は会社で持つから、中古でも良いのが有るよ」
「ええ、中古か・・」「其処は新品と変わらないし、おじさん達船舶免許
取って貰う」「うほう~、良いぞそうしてくれんかね、時恵・・」
「大賛成ですわ、此れであそこに・・」「あはっ、勉が居るじゃないかね、
夜は任せた方が良いぞ」「勉・・」「うふっ、誠司にも頼まれているんだ」
「あらら、じゃなんと家総絡みになるがね・・」時恵が大笑いする。
 計画書を見ながら話は続くが、其れは東広島も参加する事を意味する。
 何もかも女性の縁で起きた事、其れが其処の地元が潤う事ゆえ、
勉は重宝がられて行く。
 だが、事は一大事、直ぐに満代さんは電話されて、家の男二人を実家に
戻し、計画書を抱えて勉の部屋を出て行かれる、出て行く際に、
勉に此れからも家を宜しくと頼まれるほど、信じて頂いた。
見送ると、流石に力が抜ける、あの玲奈さんの提案の錨型の家並みは上から
見下ろすと壮観で度肝を抜く衝撃が有ると思える。
 直ぐにPCで配置を考えだし、図にしようと懸命にPCを操作する。
気が付くと、既に外は真っ暗、慌ただしい昼間とは大違い、
お腹が空くので部屋を飛び出して向かいの食堂にと駆け込んだ。
 「往々~、勇ましいがね・・」「頼む、腹が空いているけ・・」
「任せんさいや、何がええんかね」「すき焼きセット」「任せ・・」
女将さんが笑われる。
 出て来た御膳に向かい食べる勉、横で其れを眺める女性が居られた。
「お前、五万円有るんか・・」「有るけど・・」
「じゃ、女を楽しみんさいや、相手は保証する、悪い女性じゃ無いがね、
苦労して居りんさるんだ、なな黙って横の女性を見んさいや、行けるぞ」
「・・」言われるままに見て仕舞う。
「如何じゃ、夜遅くまで良いぞ、既に昼間にする事はしておりんさる」
「何・・」「ああ、夫が病でな入院で病院通い・・」「え、じゃ・・」
「そうなるよ、だからなわしが話を点けるけ頼めるかね」「・・」
返事の代わりに女将を見た。
 直ぐに横の女性の所に行かれた、勉はお茶を飲んで外を見ている。
「行けや、何も聞きんさるなや、行け連れて出ろ」「女将・・」
「頼んだぞ、ストレスも有るし、悩んでいるんだ、何も聞くなや・・」
そう念を押される。

             つづく・・・・。



























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・23》

 相手の言い表し方を訂正、今は本当に野生馬、其れが見事な体を
跳ねている様は豪快そのものだった。
アの観賞用の錦鯉は何処に行った、其れほどの様変わりに勉は絶句する。
(え、じゃアの芳美さんは・・如何なのか・・)其処も期待が膨らんで来る。
 「芳美さん・・、来て・・」突然勉に呼ばれた芳美、既に浴室のドア傍で
へたり込んでいたのだ。
呼ばれて、這いつくばりドアを開けた。
 「おう~おりんさったかね、きんさいや、裸でだぞ・・」「・・、うん」
何と直ぐに返事すると、今迄とは違う動き、手早く素っ裸になると、
シャワ-が降り注ぐ中に来た。
「きんさいや・・」勉の声に連れられ、素晴らしい若い肉体を惜しげもなく
晒したまま、傍に寄る。
「自由にしんさいや、僕は節子さんに・・」「うん・・」
返事はしたものの、如何して良いのか判らない、こんな事は初めてだし、
先ほどから聞こえて来た、叔母の断末魔の叫びは未だ耳に残っている。
 すると、意地悪な勉は又も節子の股座をまさぐる、其れに呼応する節子、
既に芳美が居る事さえ弁えずに我が身の恍惚と戦って泣き叫んで居るのだ。
「あんた~、もう意地悪しんさんなや、欲しいが入れてくれんさいや~
其処は駄目になるが~・・」又もとんでもない大きな声で相手に懇願する。
「じゃ、何でも言う事聞きんさるか・・」
「聞く聞くが何でも聞くから早くきんさいや、あんたお願いじゃが・・」
 「芳美ちゃん如何し様か・・」「ええ、私に聞きんさるん・・」
「だって、いま握られているじゃんか・・」
「・・、ああそうなるよね、驚いて握ったままじゃね、凄いね此処・・」
「これ使うけど良いか・・」「え、今聞くんね、使わないなら殺しちゃる」
「うへ、じゃ良いんだね・・」「野暮よ、その積りで来たけど恐ろしい程の
物よ、一度しか経験無いけど、教えてよね」「僕も少ないけど・・」
「じゃじゃ経験を積もうよ、叔母ちゃんもおりんさるし・・」
「ようし、そうするかね・・」「あんたキス・・」芳美とキスをしながら、
勉の手の指は節子の股座で果敢に動き弄繰り回す、受ける節子は又も無残に
舞い上がり上から降りては来なかった。 
 「ええ~嘘や・・、あんた嫌だもう来るんか・・」
「だって、相手は気絶の最中だぞ、戻りんさらんからな、良いだろう・・」
「あんた、きんさいや芳美は根性入れて迎えるけえね・・」
震える体でそう言われ、許しが出た。
 「・・、うわわわっ・・・、うグウウええ~~~~きき来たがきんさった
があんた~凄い事になった・・、あんた奥にきんさるから動けんがねあんた~
凄いが~~~」震えながら上に努の乗せた侭猪狩上げる芳美、
其の絶叫で戻された節子、様子に唖然騒然、横で横たえながら見て仕舞う。
 だがだが、悲しいかな余りにも酷い衝撃で、芳美は声が出なくなる、
動かれる度にうぐっうぐうんと唸るだけ、其れも束の間、痙攣を起こして
悶えたくり、目は白眼、ドスンバタンと跳ねると気絶。
直ぐに心地良い膣から棒を抜くと横たえる節子の股座に向かわせる。
 目を瞑り迎える相手の穴は真・・最高に心地良い場所,なんと包まれた
でかい棒が軋み動きが取れなくなる。
(ええ~なんじゃ此処は、凄いぞ動きが、なんとそうか、海で足腰鍛えて居る
からか、穴も何もかもが凄い動きに変化するが・・)
勉は快感に襲われ動きが出来ない身、其処をなんと相手の膣は奇妙に動きが
始まり、膣が勝手に迎えた棒を扱き始める、その動きこそ、男が泣き叫ぶ
ほどの快感を興してくれる。
 壁が波打つように動き、其れが荒波と小波とが混ざって来る、流石に経験
が無い勉は凄いなと味わう、此処で四人目と五人目の経験だが、
既に全てアソコの造りが違う事を悟った。
 その快感に味わう中、相手は又もいがり泣き叫んで飛ばれる、
わが身の膣の動きで相手と自分を舞い上がらせてくれているのだった。
失神された肉体は陸に上がった魚の如く跳ねてマットの上でシャワ-の
飛沫をまき散らす。
其処から現実に戻されていた芳美が襲われた。
もう迎える若い肉は貪欲に今知った往く事の先を見たさに、
勉を囃し立てて、賑やからさまで二度目の往く道を突進する。
 今度は節子、迎える肉はあの化け物の膣穴、其処に猛然と勉は挑んで行く。
其処からは、言葉に表せないほどの修羅場、二十四歳の肉と三十二歳の肉は、
暴れる勉を諫めようと迎え撃ち、返り討ちを合いながら挑み迎えてくれた。
二人懸りで暴れる勉を何とか果てさせてくれる、本当に凄い体だった。
 二人の体を洗い上げると勉は湯に二人を沈め・・、
「有難う最高だった、往けたたがね、出したぞ・・」
「え、内かね、え・ないが、ああ叔母ちゃん・・」「・・」
「そうか、じゃアソコが凄く良いんだね」
「あんたね、とんでもない事になっていたが、自分でも判らんが、アソコが
勝手に動くんよ・・」「ええ、嘘や・・」「本当じゃけ、遣れんようになる、
この人の凄い味を知ったから、そんで逃がさないと思うと、アソコが頑張る」
「言ううが・・」二人でそんな話をする中で勉は浴室を出てリビングで倒れた。
(なんと,有るんだあんな穴が・・、凄かったぞ・・)何度も思い浮かべる。
 暫くすると、二人がリビングに戻る。
「ま~・・」バスタオル一枚でソファ-で寝ている勉、流石に若い肉と強烈
な穴を持つ相手二人、勉は心地良い疲れの中でいつの間にか寝て行く。
 「叔母ちゃん・・」「うん、此処はそっと寝かそうかね」「ええ・・」
「だって、余韻持たせる方が徳じゃがね」「ええ、何で・・」
そこから節子の持論が炸裂、聞く芳美が感動する。
 「じゃじゃ、また来てくれるまで待てといんさるん・・」
「ああ、それこそ、此処は内ち達が主導権取ろうかね」
「ええ、出来ないがね、モウメロメロじゃが・・」
「うふっ、其処は同じじゃけね、男は又あそこに入りたいと思わせるのよ、
来たら喜ばせた遊んでもらうのよ」「叔母ちゃん、凄いが習うしねね・・」
「良い、あんたは今度の仕事で動きんさいや、私は夜を心待ちするけえね」
「ええ・・」「うふっ、無論あんたも同時じゃがね」「叔母ちゃん・・」
可笑しいくらい何か吹っ切れた節子、今迄知らない場所に飛ばされ通した
肉が、根元から節子を変えてしまった。

            つづく・・・・。

















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・22》

 好美さんは広島で大手の広告代理店の広島支店に勤務され主に会社案内や、
商品の宣伝など手掛けて居て、市や町の育成のための講習会も出掛けている
と聞かされた。
「だから、私の今までの仕事で、何とか出来る部分が有ると思えるのよ」
「ええ、其れは大いにあります」「でしょう、冴美ちゃんとは年が離れて
いるけど、直ぐには無理かも、だから私が傍に居るけ~」「貴女・・」
「なあに・・」「良いんですか会社、聞けば大手じゃ無いですか・・」
「会社はそうなるけどね夢が持てない、男を掴む腰掛よ・・」
笑いながら言われた。
「では、本気ですか・・」「ええ、宣伝や,会員募るのは任せて・・」
そうも言われた。
「あのね、此の子、意気に感じると突っ走るから怖い・・」
「其処が良いじゃん、芳美は今迄こんなに興奮した事無いけえね、其れが
島の行く末に関係するんじゃないね、仕事させてもらうけ」断言される。
 「じゃ、そうなれば既に組織は見えて来るね、お願い出来ますか・・」
「是非、来て良かったと・・、じゃ覚悟出来ているし、叔母ちゃん・・」
「ええ~、あんた・・」呆れ顔の後で大笑いされた。
 そうなると向かう道は一つか・・、そんな思いで勉は居たが・・。
 「ああ~拙いぞ・・」「え、何か・・」「ええ、あのね、会社は未だ
設立していないから、今回は無理ですよ」「ええ、じゃ・・」
「はい、急いで設立を進めるけど、今は全く白紙なんです」「役員も・・」
「其処は何とか頭数は有るけど、後三人を島からと考えているんです」
「ねね、中身教えてよ・・」「そうですね、食事しながら話しましょうか
、何かいい考えが有れば言って下さいね・・」
そう決まり、直ぐに食事の手配を電話でして、勉が概要を話し始める。
 「ええ~じゃじゃ、投資家はあんたの家と、もう一つあるんだ」
「其処を固めないと・・、僕の家だけでも良いと婆ちゃんがゆうけど・・、
先を考えると手広くした方が良いと思えたんです」
「成程ね、東広島なら島からでも近い、良いかもで、その家はどんな方・・」
芳美さんが主に話を聞かれて質問もされる。
「其処は今は言えないが、何とか乗って頂く積りです。ですから、此処は会社
の申請をした後、お二人と・・、では行けませんか・・」
「・・、叔母ちゃん・・」「先様がそうおっしゃるなら、そうするしかね~」
「え、もう其処が駄目・・」「何で・・」「だって、昔からゆうじゃないね、
鉄は熱い内に叩けって・・」「ええ~芳美・・」大笑いされた。
「お聞きするけど、其の東広島は何時頃決まりますの・・」
「え、其れは僕が資料持参して向かえば叶うと・・」
「じゃ其れで良いじゃ在りませんか、此方はこちらで進めたら如何ですの、
仮に仕事が遅れても、私らは動じませんけど・・」
「貴女・・」節子です・・」「節子さん・・」「何か・・」「負けそう・・」
「うふっ、勝てそうね、芳美・・」「叔母ちゃん、女らしくよ・・」
「ええ、其処あんたに言われたくないわよ・・」
そこでも笑われる二人、何とも快活で行動的な女性だった。
 食事はお寿司の出前、三人で軽くビ‐ルを飲みながら、芳美さんが今後の
島の行く末に乾杯と叫ばれて食事を食べて行く。
「ふ~おいしいね・・」三人は食べた後、リビングで残りのビ‐ルを飲む。
「でも、表向きは如何したらええかと考えている」
「表向きって・・、ああお姉ちゃんですか・・」「そう・・」「・・」
二人は顔を見合わせている。
 「あ、そうだ、お姉ちゃん、PC得意よ、前の会社では専門だった」
「ええ~本当ですか・・、じゃじゃ、会社が出来たら顔を出せますよね」
「勿論、その分芳美が外に出て勧誘や説明が出来る、ね~叔母ちゃん・・」
「そうか、其処ね、あの子は得意よ」「何と、凄いぞ、じゃ決まりだ・・」
そんな話の結末、三人は急に問題解決と喜んだ。
「じゃ、ここ等でもとの道にと向かいましょうよ・・」「えっ・・」
「そうね、叔母ちゃん、其れが良い、芳美も決めているしね」「・・」
何と、話が最初に戻りそうだった。
「勉さん、お風呂どうぞ、洗いますね・・」「えっ・・」
そこから声が出て来ない、そんな中先に立たれて勉を待たれる。
仕方なく従う、自分で歯がゆいから隠すため堂々と前を歩いて向かう。
 普通のマンションには脱衣場は狭い、此処は特別あしらえだから十分な
広さがあった。
「・・」無言で二人は来た、「・・」そこからも無言、でも手は動かれて、
勉が着ている衣服を脱がされ出す。
其処は互いに言葉は無いし要らない、動きは瞬く間に勉は裸にされる。
ズボンを降ろすにしゃがまれて降ろされる、すると、目の前に出て代物が、
・・、・・、相手は凝視された侭固まる。
 その後ゆっくりと後ろに倒れ、壁に頭が当たるとズルズルルと腰砕け、
勉は一度こんな場面を経験してる、すぐに今度は勉から動き始めた。
首が閊える姿でへたり込まれた相手、上半身の薄いセ-タ-を脱がすと、
ブラウスも何とか剥がし、ブラが見えたからそれも前ホックを外すと、
ブルルンと揺れてふくよかな胸が二つ飛び出て揺れた。
「・・」言葉なんか出ない、其れほど野生染みた肉体、顔と首筋までは海の
照り返しで灼けているのか肌色が違う、首回りはV字型で色が変わり、
下半身を何とか無理やり剥がすと、其処は真っ白だった。
思えば下半身は長ズボンか、そうして長靴姿、そう予想すると合う色だった。
色の違いにも昂奮する中、手の腕は二の腕までは日に灼けているが、
其処から肩までは母体と同じく真っ白、其れで乳輪がくっきりと浮いていた。
「あ・・」小さな声が出る程、アソコは原始林、本当にそう言うほうが理解
できる程、最高だと総てを見渡して感歎、今迄三人しか交わっていないが、
今見る相手は、どの人とも相違点が見つかったのだ。
 最高な体を鑑賞していると、相手の目が白目から黒目が広がると気が戻れた。
「す…ご・・いいい・・」「駄目か・・」「・・」
言葉の代わり首を横に振られる。
「じゃ、迎えてくれんさるんか・・」今度は大きく頭が上下した。
 「じゃ挨拶・・」何と勉が半腰で沈んで腰を突き出し、今、興奮しだして
居る物を相手の顔に近づける。
すると目を瞑り、自然と口を開かれ、迎えてくれる、そうして両手で棒に手を
添えると口中で舌が器用に動き始め、棒を転がされた。
其れが次第に強烈な動きに変わると、手は勉の尻の出っ張りをギュッと掴んで
そのまま押して後ろに倒し、今度は節子が上に為り、
棒を加えた侭エズキ扱かれる。
手は勉の体をはい回り、撫でたり抓ったり、挙句に叩いたりと忙しい、
其れでも棒は口から出て来なかった、甘美な味が口中で出だすと、
勉のアソコを加えていた唇に、キスを仕掛けると、今度は勉が攻撃開始、
又も反対になる姿、今度は勉が愛撫攻撃、舌がクリトリス攻撃始めると、
足を踏ん張り応えてくれる。
 だがだが、其れだけじゃ無かった、行き成り頭を挙げると・・、
「うぎゃ~~~駄目駄目駄目だが~あんた~、其処弱いのう~だからねね・・
あんた、いやだ~意地悪~~往くから往くから駄目往く往く往くいくって~
あんただだだだだ・・・・・・めっ・・」
後頭部を支えに身体を浮かし上で震える見事な往き様、
クリトリスだけでこの姿だった。
其れを見たさにまたも勉は弱点を総攻撃、受ける節子の姿態は無残、
足を突っ張り上で泣き叫んで震えるだけ、とんでもない感度の良さに、
勉は大興奮、三度其れで往かせると痙攣される体を抱えて浴室に向かった。
 シャワ-を浴びさせ体を抱いて支える中、相手は気が戻れたのか・・、
しがみ付いて泣き叫ばれる。
本当に即応そのものだが、誰にでも出来る姿じゃない、愛撫で此れだ、
実際は何処までかと興味津々、今迄の三人の女性も凄いが・・、
此れだけ感度抜群は初めての経験だと・・、
益々意気込んで撫でながら体を洗う勉が居た。

         つづく・・・・。




















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・21》

「実は聡子さんから中身を詳しく聞いたら私はとんでもない間違いを起こす
ところでしたの・・」「え、間違いですか・・」
「ええ、一目見た時、この人なら抱かれても良いかなと・・、女性なら相手
次第じゃ在りませんか、でも其処には世間のしがらみが有るし、無理な事
でも願望は持っていますわ、夢も有るし、妄想もしますしね、でも今回は
島の大事な計画、其れが本当に出来れば、島の人の仕事も先行きも開けると、
今じゃ大騒ぎですの、だから軽いノリで引き受けたのが今となれば後悔に
なるのかな・・」「え、では心変わり・・」
「そうなるけど、中身が少し違う、最初は抱かれても良いと思っていたし、
聡子さんから思わぬ事を聞いたら二つ返事、其れは其れで良いと思うけど、
今は全く違っているんです。話を聞いたらそうなるでしょうがね、島の事を
考えていると知って、儲ける為じゃ無いと聞かされたのよ・・」「・・」
「それで、今回はあんたは人身御供じゃ無いけいねと、聡子さんが念を押さ
れた、此れが上手く行けば、何時でも待て、可愛がってもらいつつ、青年を
一人の男に仕上げて見んさいと嗾けられた。年上だから其処はあんたが先生
じゃとまでいんさる、恥ずかしいから節子は他の人を知らないから返事返せ
なかった。縋りついて味わえ、相手が早くても其処は一度抱かれると相手が
読めるじゃろう、いがり泣いて遣りんさいや、此れは島が懸る相手だから、
頼むよと・・」「ええ、其処は違うけど・・」
「そうなのよね、でも島じゃそうなるんよ」「そうなるんですか・・」
「ええ、貴方が偉大だからそうなります、だから今更と思うけど、決めたの
は私自身、中身も読めずにですよ、其処を後悔していると言ったの・・」
「そうでしたか、其処まで深く考えんでください、貴女とどうなろうと、
島の計画は変更無しですからね」「良かった~、じゃ信じていいんですね」
「ええ、約束します・・」「じゃじゃ、今回はこのまま進めますよね」
「え、でも親戚は・・」「ああ、そうか、じゃ其処も、アッ、御免なさい
早とちり・・、でも会うだけでも良いけど、駄目・・」
「ええ、節子さん、其処まで・・」「あの子は不憫で見て居れ無いの・・、
自分の姉の後始末・・」「ええ、意味が・・」
其処からもとんでもない話を聞かされた・・。
 「なんとお姉さんの子供が里に、其れで養育費か、そうだったんだ・・」
漸く節子さんの親戚の中身が見えた。
「じゃ、其処も考えます」「ええ、貴方・・」泣きそうな顔をされた。
 「待って直ぐに・・」「・・」勉が唖然とする中、携帯を取り出して
電話された。
「芳美、今すぐ来て、そうねの前のマンション最上階よ、一つしかない部屋
だから、ドアを叩いてね、待って居る・・」驚いて、勉は息を止める。
 「お聞きになりましたでしょう、私ね夕べから広島に居たの、あの子の
アパ-トに、其れでこんな話に展開、あの子が可哀そうだから一時の夢を
一緒に見ようと、誘ってしまった」「ええ、一緒・・」
「ええ、傍女は何人いても変じゃ無いでしょう・・」「ええ~・・」
とんでもない事をいとも簡単に話される相手だった。
 だがだが現実は時を待ってくれない、驚くままに気さえ整えない内に
ドアが叩かれた。
節子さんが出て行かれる中、部屋で胸を押えて懸命に息を整えようとする。
 「今日は、押しかけて申し訳ありません・・」
「・・、ええ、其処は良いですけど・・」何と見ると、又も暴れていた心臓が
増幅、とんでもない程の美人、然も勉と四・五歳くらい上かと思える女性、
慌てて居る内に、なんと節子さんはキッチンでサイホンを洗い新しいコ-ヒ-
を立てようとされている。
 今度は相手が入れ代わり、其の女性と話す羽目に為った。
「お聞きされました・・」「ええ、聞いて居ました」
「押しかけで申し訳ありません、でも島の話を昨夜聞いて、感動しまくって
しまい、とんでもない事ですが、叔母に頼み込んでしまいました・・、
申し訳ありません」「良いですけど、其処は・・、あ~吃驚した・・」
其れが真の本音だった。
 仕事柄か、全く地方の訛りが出ない、其れほど洗練をされて居るのか、
見た目も何処に出ても見栄えする女性だし、脚から頭の先まで際立つ姿に、
一瞬見惚れた。
「ねね、全部話したの・・」「ええ、未だよ・・」
「ひや~何々未だ有るんですか・・」「ええ、今からが本題・・」
「で、貴女会社は・・」「既に有給休暇取得、芳美の人生一大事じゃない、
仕事は逃げないしね」「・・」
呆れる勉は、この女性には押され気味になっていた。
 コーヒ-を三人が飲んで居る内に、勉は目の前の二人を見比べる。
差し詰め節子さんは観賞用の色鯉、芳美さんは激流の中の若鮎そのものと
見え、肉体もそれに似ていると思えた。
「ねね、もう一つお願いが有るんだ・・」「え、何か・・」
何と今の話し相手は来られて間が無い女性、芳美さん・・。
「あのね、実は、最後まで聞いてね・・」
念を押して話を始められる中、勉と節子さんはコ-ヒ-を飲んでいる。
 「 ・・、・・、うぎゃ~嘘嘘でしょう・・」
「それがね、嘘じゃ無いの、お姉ちゃんは男を見る目が無い、危険なの、
それでもって男が好きなのよ、だから家じゃ難儀している、お父さんは
早くから亡くなっているし、母は年だしね、子供が未だ一歳半、だから
大変なの、姉が不憫だけど自分で歩いて来た道だしね、でも今は子供の
為にと頑張ってくれている。だから、今回の話は貴方の友達は姉が最適
と思える」「えええ~まさか本気ですか・・」
「ええ、叶うなら本気にと、姉がアレが大好きだし、男を育てるなら好都合
と考えている。その友達も聞くと此の島の事業に携わると聞いて居るし、
島で泊まる家はうちの家の方が良いと、考えているの・・」
「ええ、其処まで・・」「はい、今後の事も有るし、家は来てくれるだけで
総て叶うし、聞いたら絶対其れが良いと思った」「芳美さん、あんた・・」
「なあに、拙いけど、此れはそのほうが良い、必ず先々其処で良かったと
思わせる」「貴女・・」「だから、今回のお仕事も行く行くは冴美ちゃんと
頑張って宣伝や組織を作り上げて、島の行く末の導きの仕事と思えている、
無論押しかけて仕事させてもらう・・」「・・」
益々声が出なくなる勉だった。
 「御免なさいね、気が早い子だから、驚かれたでしょう・・」
「ハイ、驚いて居ます」「勉さん、貴方は叔母と私ですからね」
「・・」もう返事が出来ないほど中身が理解出来ていなかった。
「芳美、話が飛び過ぎですよ,未だ私も了解を貰って無いのよ」
「うげ~、何でよ~、だって来てといんさったがね・・」
やっと訛りが聞けた。
「だけどね、話がそうなると、私たちは必要が無いじゃないね、私は勉さん
に抱き付くけど」「え、私もそうする・・」呆れてもう力失せる程疲れた。
 其れでも部屋では叔母と芳美さんが話をされていた。
だけどこんな話この世には存在するだろうか、考えただけでもややこしい
関係に為りそう、然も繋がりは相手もこっちも有る、
其れが驚くほど呆気らかんに言われるから、
勉は理解が進む工程から遅れ出して来た。

        つづく・・・・。










窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・20》

 その夜は聡子さんの家で泊まる、美佐江さんの家は今は都合が悪いと思い、
其処は娘の冴美だけにする。
夜には婆ちゃんと聡子さんが並んで寝て夜中まで話しをし、勉は酒に酔う
おじさんと同じ部屋、鼾が凄いから寝不足になった。
朝起きると昼迄昨夜の延長、島の人が顔を出されて其れの対応に追われる。
 何とか昼過ぎに、島を出ると、婆ちゃんが苦笑いされた。
「お前よう遣るね、笑えるがね・・」帰りの車には冴美は乗っていない、
後ろに従う車にはあの誠司の親子、其れが広島の祇園迄走る。
午後三時到着、互いに疲れている身、康夫おじさんも日を改めると言う事に
為り、直ぐに別れた。
 「ふ~疲れたが」「ご苦労様ですね」「おかん、何とか出来そうじゃ・・」
「そりゃ~そうなるでしょうがね、向こうさんは願ったり適ったり、母が顔
を出すとそうなると・・」「お前な、そんな簡単な話じゃ無いぞ、孫が大変な
青年だと持て囃されてな、其れで島じゃもう大騒ぎ、わしは金を作るだけに
なっている・・」「あらら、じゃそう言う事に為るんですよね」
「あのな、中身を加味しんさい、孫が本当に島のためにと考えていたんだぞ」
「え、其処はそうなりますよね・・」
「ああ、もう暢気じゃね、勉がどんなに島の行く末を考えて居たか教えるわ、
座れ・・」そこから婆ちゃんの話が始まると、お母んは驚いた顔で勉を見て、
其れから自分の母の話しを聞いて行く。
 「ええ、じゃじゃ、此の子が其処まで考えていたんですかいのう・・」
「そうじゃが、聞いて驚いたぞ、そうなると島は芯から力を入れるじゃろう
がね、僅かな金だけど参加している身分じゃろう・・」
「ま~凄い、勉でかしたね」「其れだけじゃ無いが後はまええかね勉・・」
「うん・・」「え、未だ有りますのお母さん、全部知らせてください困る」
「阿保か、言えるかね~勉・・」「はい・・」「ええ~あんたら・・」
呆れ顔で真澄は二人を睨んでいる。
 冴美から電話が有り、明日には戻ると知らせて来た、婆と会話したが、
島での事を冴美からも死ぬまで感謝だと言われてた。
疲れた体を癒すため、家から出て自分の部屋で寝ようと決めて、家を出る。
部屋に戻ると、直ぐに倒込んで爆睡、食事も食べず夜中まで寝込んで行く。
 二日後、勉の携帯に電話が来た、覚えのない番号だが誰かと出てしまう。
「わしじゃがね・・」「ああ、聡子さん・・」
知らない筈だ、番号は教えてる相手、電話が出来る,話が弾んで行く・・。
聞くと、その後も夜集会だと笑われる中、あの件は早急に進める様にと
聡子さんが言われた。
 島には何時来れるのかと聞かれたが、其処は既に大学が始まる、
直ぐにとは難しいとだけ答えた。
電話を聞いたら、気が軽くなり、お腹が空いている、外に直ぐ出て、
向かいの食堂に飛び込んだ。
「往々~勇ましい事じゃね・・」「おばさん飯飯食わしてくれんさいや・・」
「食堂じゃけ、当たり前じゃが」軽快なテンポでやり取りできる相手なのだ。
 其処でおばさんが話を振られるが、声は出さずに頭の動きで返事、
その分掻き込む速さが凄い、大笑いされながら、勉は腹いっぱいに詰込んだ。
次は隣の喫茶店、此処も勉の家の持ちマンション、店に入ると何も言わないが
コ-ヒ-が出てくる仕組み、其処の親父と話しをしていた。
 そのとき電話が鳴る。「え、ああ~若しかして節子さんですか・・」
「はい・・」何とあの島の女性から電話が来た、番号は聡子さんから聞いたと
真っ先に言われる中、話は本題にと向かう。
「え・・、では明日・・、なんと広島に出んさるんかね、じゃ会えると・・、
なんとそうか、良いですよ、時間と場所を指定してください・・」
「あのう、祇園は不味いでしょうか、最近は知らないから変化が見たいし、
でも拙いすよね」「ええ、構わんですけ、じゃじゃきんさいや、そうだ横川の
駅まで迎えに行きますよ」「ええ、其れは甘えすぎでしょう・・」
「じゃ、直接来てくれんさるなら、僕の部屋まで来て欲しい・・、そうです、
住所を教えます・・」何とそうなってしまう。
 無我夢中だった、今回も思わぬ展開から節子さんと知り合い、其処で友の
ために聡子さんに無理な願いを告げた、其れが何と了承されたのだ、
然も条件付き、其処は想定外、驚く中、満更嫌じゃ無い、いいや思えば望みの
ど真ん中、あの島では美佐江さんとと思えたが、先に相手が名乗り上げられて
いたのだ。
わくわく、興奮が湧き出て、落ち着けない、其れが何ではやにと言ったのか、
意味が未だ判らずに居るが、最初の住む場所を教える方が良いと思えたの
かもしれなかった。
自然と異性の相手が判り出して来た感じがする。
 朝まで寝付かれなかったが、早く寝床から出て、コ-ヒ-を飲みながら
電話を待つ。
午後一時過ぎまで待つと、電話が来た。
「今どちらですか・・」「マンション前です、喫茶店・・」
「じゃ出て警備員には声かけて置きます、エレ-ベ-タ-で最上階まで来て
くださいね」遂にそう告げると、相手が来られる事になる。
  五分後、インタ-本が鳴り、出迎える。「・・、いらっしゃい・・」
「来たわ・・」島で見た女性とは思えない程、小綺麗な服装と薄化粧、
其れがピッタリと姿、顔にマッチされて居て驚いた。
 馬鹿広いリビングに招いて、用意していたコ-ヒ-を出す。
「矢張ね、正解だわ・」「えっ・・」「だってね、今喫茶店に居ましたの、
部屋でコ-ヒ-が出るかなと、ジュ-スにしましたの・・」
笑顔が、此れまた初めて見るから最高な笑顔、頭を掻きながらどうぞと
二度も言った。
「最初に申し上げておきます、貴方と出来ても一度限りじゃ嫌ですからね、
既に島では美佐江さんが居りんさるけど、其れと私とは別で良いですから、
長いお付き合いが望めるなら嬉しいけど・・」「ええ、節子さん・・」
「ですからその事をお聞きに参りましたの・・」「え、でも・・」
「だから、話を続きを聞いて下さらない・・」「ええ・・」
そこから意外な展開になりそうだった。
 相手から話が出だすと、今度は勉が豹変する。
「ええ~じゃじゃ、貴方じゃ無くて別の、然も親戚の子なんですか・・」
「ええ、実は既に広島で働いているんですけど、助けて頂けないかしら」
「ええ、助けるって如何・・」又も話が続けられる、聞くとその女性は
大手の広告代理店の広島支店に勤務されていると聞かされる。
然も既に節子さんも広島に出ようと決めていたとも話される。
「え、では・・」「もう決めていたしね、其れで何でも話す相手でしょう、
今回ももう島には居ない子だから、ついつい事情を話した、いつもの癖」
「なんと、そうですか・・」「それで、頼みとは私が島に残る事になると、
あの子が生活に困る立場に為りんさる、私が出て働いて手助けと決めて
いました、私も苦しいけどあの子は島に仕送りがでかいから、大変なの」
「・・」「それでね、今回の事を話すと、変われないかと・・」
「え~・・」「其処は無理だろうと、芳美は何とか頼んでみてと・・」
「・・」呆れて言葉が出て来なかった。
「如何でしょうか・・」「え、今言われても・・、どれ位不足なんですか
生活に・・」「五万有れば何とか里もあの子もと考えていたんです・・、
私なら其れくらい働ければ出せると・・」「・・」
話がややこしくなったが、事はお金が五万産み出せれば良い事と知る。
「どれくらいの年月に為ります・・」
「其処は、でも相手に良い人が出来れば其処で止める」「・・」
「では可能性は・・」「今は聞いて居ません、仕事が好きな子ですから、
早くは無理かと・・」そうまで言われた。
 話が意外な方向に向かう、コ-ヒ-のお代わりを二人はして飲んでいる。

          つづく・・・・。



















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・19》

 いやはやとんでもない事になりつつあった。
仕事終えた島民が後から馳せ参じて倍位の人数になっている。
其れほど此処では大騒ぎになる、後から参加された人は話しを聞く度に、
勉と婆の所に来られるから、美味しい海鮮も恨みたいほど食べられていない。
 三十分後、其の喧騒から離れた景色がいい場所に婆と勉と、
其処の島の聡子さんが座り、ビ‐ルを飲んで話が弾んで行く。
「お前、この島を生き返らすんだぞ・・」
「うん、そうなるように頑張るけどね、でも島民の人が主役だぞ・・」
「其処を忘れんようにしんさいや、な聡子さん・・」
「嬉しいが、なんと夢みたいでな、昨夜もお父ちゃんが、大変な事になるが
大丈夫かと・・」「大丈夫じゃ、其処は任してな・・」
「婆ちゃん、其処だが、考え聞いてくれんさいや・・」
勉が真面目な顔で話を始める。
 「ま~そうですけ、其れじゃ此処は皆が力がどうせ余所者がしんさると」
「あんたもそう思うんかね・・」「え、ここ等は根性が無い男が多いいけ、
だからみんな女が助けるんじゃ、昔からじゃがね、島人に根性は最初から
本国に負けて居りんさる」「そうなるのかね、勉・・」
「其処じゃが、如何かな、資本金は分けてはと・・」
「判る、其れほどの大金でもあるまいて、良いよ家で・・」
「其処じゃが、出来てもそうはしんさんなや・・」「ええ、お前・・」
そこから、勉は話しを続ける。
 「え、ア、あああ~お前其処・・、東広島かね・・」
「其れと別に、此処で僅かだけど割当てて株を持って貰おうと考える」
「え、何でじゃ・・」婆に詳しくそうする事の是非を説いた。
 「何と、お前凄いがね、其処を悩んでいたんだね、余所者がする事じゃと
思うと気が乗れん事も有るな・・」
「そうならんように楔打ちを聡子さんに頼もうと・・」
「何と勉さん凄いがね、島国根性は其処が欠けているんよ、是非その株を
島の人に分けると、気が入るがね・・」
「そうなれば良いと思い、其れで金が無い家は婆ちゃんが立て替える、
出来たら何時でも良いと言う金を作り株に当てて頂く・・」
「何と、其処まで、勉さんあんた凄いがね、凄過ぎる・・」
聡子さんが唸る中、婆が勉の頭を撫でていた。
「じゃどれくらい持たせる・・」「五万か十万均一に」「え、少ないけど」
「其れくらいで良いじゃ在りませんか、参加している意義が大切なだけ、
金が無い時は其れを担保にすれば小金は貸し出しは内緒で会社がします」
「・・、貴方凄い、お母様・・」
「ああ、聞いたが、良いぞ其れは必ず皆が気を入れてくれるがね」
そんな話をしていた。
 「聡子さん、魚が・・」「じゃ裏の水槽に居るがね、台所大丈夫かね」
「みんな酒が入っているから、大騒ぎ、何とかしますね」
女の人がそう言って戻られる。
「あのう、今の人は・・」「ああ、節子じゃが、苦労して居りんさるけど
根は良い子じゃ・・」「旦那さんは・・」
「苦労の原因が其処なんじゃがね、二年前ガンで死んでしもうてな・・、
島を離れると聞いて留めていたが、最近は留める事も出来そうも無いがね、
苦労している」「じゃ、今度の会社で使えんか、生活が成立つように・・」
「あんた・・」「おう、良い事じゃが、お前頭が良いぞ・・」
「それでですが、今金が要るなら、内緒で婆ちゃんが都合するけ、頼みが
有るんだ・・」「何ね」そこから酒の勢いを借りて勉が意外な事を話した。
 「え~あんたじゃ無いの・・、あんたなら良いかなと、でもアンタには
美佐江がと・・」「え、もう其処をいんさんなや憧れだけで充分じゃ・・」
「お前・・」「婆ちゃん、忘れんさいや、其処は今は考えていない、仕事が
出来るなら其れで良いと・・」「其処とこれは別じゃろうがね~聡子さん」
「ええ、そうですけ、島で何とかとお父ちゃんも頭を抱えて居りんさる、
でも其処は女同士で何とかと考えているの、魚臭い女だけど情は有る・・」
「売り込みですか・・」「違う、あんたが頼む事は何でもしてあげたい、
そうかねあの子なら何とか説き伏せるが、相手は・・、ああ、じゃあんたが
連れて来た青年か・・」「勉・・」「婆ちゃん、頼まれていた、童貞を」
「あはっ、そうかね、じゃ家ごとお前が面倒見る羽目に為りそうじゃね」
「其処なんだけど・・」「良いぞ、性根が気に入ったが、自分だけ美味しい
所を食うのかと思えたが、良いぞ中々そうは出来んが、全くこいつは上出来
の孫じゃ、聡子さん・・」「本当に最高ですよ、あの子でもあんたならと
思っていますよきっと・・」「・・」そこは応えられないかった。
「じゃ、誠司は・・」「僕が薦めれば従うよ」
「じゃ誠司のセンスはいいから此処は親父が作り上げるがサポ-タ-でお前
が誠司を薦めるんだ、此処に来る理由が出来るじゃろう」
「はい、感謝します婆ちゃんと、聡子さん・・」「あらら・・」
二人は身体を叩き合いながら大笑いされた。
山下節子、三十三才、夫は二年前亡くし子供は居ない、だから島を離れると
聞いた。
 なんと話が早い事、聡子さんは自分の家の台所に向かわれる、
行く前に婆ちゃんの肩を叩いて任せてと・・。
「お前は人を見る目が有るな、聡子さんは島では大御所様の家だし其れを
持ちこたえたのもあの人だと聞いたぞ」「・・」
「そうか、じゃ婆は其処は何も心配せんが、暴れて見んさいや、此れが試練
の最初じゃ、習えや、どんな女性でも良い面はある、其処を見つけんさい」
「婆ちゃん・・」「臆するな、出来るだけ相手を尊重して懸れば良い、
後は成り行きとお前のアソコじゃ・・」「ええ・・」
頭を掻きながら笑う勉、婆ちゃんが居ればこそ生きれると思うほど尊敬する。
海を眺めて爽やかな風に身を委ね、睦子と勉は来て良かったと感嘆・・。
 「遅くなりました」「・・」「話は何とかして来ましたけど・・」
「ええ、じゃ難しいのかね、そうじゃろうね、行き成りだもん・・」
「其処は別・・」「別とは・・」「此れは条件が出来たんですけ~・・」
「条件、金・・」「いいえ、其処は口には出しませんけど、別に・・」
「なんかね・・」そこから聡子さんが話をされる。
 「ま~あんた、其れで適うんかね・・」
「ええ、そう言われて、わしも吃驚じゃけ、なんと勉さんと出来たら相手
しても良いと、最初は勉さんと・・」「ええ~僕か・・」
「ああ、今日見た瞬間、有れば良いと思い込んでいますけ・・」
「あらら、大変勉・・」「・・」何と驚いた条件、其れを飲んでくれるなら
構わないとさえ言われたと聞かされる。
 「おいおい、じゃこの島は美佐江だけじゃ済まないぞ・・」「婆ちゃん」
「男はな友が大切なら、陰で居れや、男の使い方でそうなる時も有ろうが、
相手に知られなければ済む事、後に知っても笑い話になろうがね」
「婆ちゃん・・」「そうじゃ、其れは言えます、じゃ頼み聞いてくれんさい、
此れからの島の事も考えてお願いしますけ・・」そう言われてしまう。
 「聡子さん、未だ此処で暴れるかもしれんが、頼みますね・・」
「お婆様、心得ていますけ、此処じゃ何も解決出来ない事は無いと・・、
だからこの島見捨てないで下さいね」
「其処は反対じゃがね、孫が成長する事を見れるのが最高、此処もそうだが、
地元で大事業が埋もれているんじゃ、それを完遂する事の手習いがこの島に
なる、今後も付き合いをして下さいね・・」「お婆様~・・」
泣きついて慟哭された。
 何か話が横道にそれているが、元は誠司の為と自分に言い聞かせて、
チャッカリその条件を飲もうと勉は決め込んでしまった。

             つづく・・・・。













窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・18》

 皆出払ってて勉は身を持て余す。
「おい、居るか・・」「ああ、居るよ、暇じゃがね・・」
家に来たのはあの康夫おじさんの息子、誠司、今ではこの家と切っても切り
離せない間柄になっている。
もともと契約子供の親戚だが、勉と同年齢の男だった。
 「おい、聞いたが瀬戸内海の島じゃ今大事に為りそうじゃ無いか・・」
「聞いて居るんか・・」「あ、家じゃ親父が大張り切り、俺も建築関係じゃ
ろうがね、気に為ってな・・」「あ、そう言えばお前そうじゃったな・・、
忘れていたが・・」「酷いぞ、でも今回は親父が大張り切り、母もなんか今
は明るいがね、おめえの事よう聞きんさるが・・」「そうか、嬉しいね」
「阿保じゃが、年寄りに気に入られても埒が明かんがね」「言えるが・・」
「なな、何とかならんか知り合いが大勢居りんさろうがね・・」「何や・・」
そこから友が言う事に笑えた。
 「うひゃ~、何じゃ其処かね」「お前酷いぞ、今は一番大事な事じゃけ」
「そう言うか、そうなるのか・・」「ああなる為る、今俺は其処ばっかし夢
見ている」「・・」呆顔で見詰めるが、互いにアソコを扱いて頑張った仲間、
そう其処に関しては邪険には出来なかった。
「なな、誰でも良いが、俺は早く其処の世界に入り、其処から世間を眺めて
見たいんだ・・」「ええ、そうなるんか・・」
「ああ、俺には其れが一番大事なんじゃけ、なな頼むよ」
其れは年増の女性にチェリ-をもぎ取って貰う事と聞いて居る。
「でもよ、そう急き立てられてもな・・」
「なな、何でも此れからゆう事聞くけ~」「お前・・」
「な、お前の家は俺の家の本家じゃ無いかね、な~頼むけ・・」
「其れほど捨てたいんかね・・」
「ああ、其処から勉強に走る、親父の後継ぎを頼まれているんだ・・」
「え、じゃ建築事務所かね」「そうなるがのう、一級建築士は大変じゃが、
今猛勉強している」「そうか行けそうかね・・」
「卒業するまで何とかと親父に尻を叩かれているんだ、遣れんが・・」
そう嘆かれている。
「じゃ、勉強が大変だぞ・・」「今が盛りじゃがね、お前は良いな・・、
のんびりと経営学かね」「そうゆうな、此れからお前に頼むことが出来る
やもしれんがね」「其処を親父がゆうが、付いて歩けと・・」
「参るな親子ともどもか・・」「本家じゃろうがね」
「阿保か、敵わん時に出すな」笑うが、真剣な顔つきに押され気味な勉。
 昼下がりに、縁側で桜がちらほら咲いているのを眺めていた。
「え、電話じゃ・・」勉の携帯が鳴り、出た。
「あ、婆ちゃん、如何そこ・・、・・、・・、そうなんか、じゃ良かったが、
・・、うん暇じゃが、横に誠司が居るし、何とか時間潰しじゃ・・、ええ、
嘘じゃろうが・・、本当かじゃ行くけど・・、そうか良いぞ連れて行くわ」
電話を切って誠司を見た。
「お前家に戻り着替えろ」「え、何でじゃ」「瀬戸内海に連れて行くがね」
「・・、うぎゃ~まじか~、良いぞ行く行く連れて行ってくれんさいや、
何で邪魔じゃろうが・・」「其処は今後の勉強にと婆ちゃんがいんさるけ、
胸張って行けや・・」「ようし着替えて来るぞ、車はお前ので良いよな・・」
「ああ・・」走って家に戻る姿に呆れるが、勉は何か閃いて来る。
其処を考えながら、戻って来る友を待つ。
 三十分も懸らず、勢いよく自転車で家の庭に飛び込んで来た。
「行こうか・・」苦笑いしながら、勉の車で家を出る。
向かう途の誠司の弾けように押されながら快適な春の中、
車は真っ白い吊橋を渡った。
 「・・、・・」現場近くになると、誠司が大人しくなる、親父の仕事場は
初めてだと聞かされる、其れと自分が向かう先の仕事現場は・・、
将来自分が立って居る筈と思えば気も高揚する。
 「何と島でもでかいぞ・・」そんな思いで誠司は車の窓から顔を出して
眺めていた。
 「・・」車が広場で停車、其処に見た事が有る高級車、勉の家の車だった。
「ま~お兄ちゃん・・」「おう出迎えかね」冴美が広場に突っ立つている。
「そうなんよね、婆ちゃんが煩いのよ、ああ誠司さんもかね・・」
「おいおい、可愛い子がもかねとは何じゃ、付録みたいじゃぞ・・」
「違うんか・・」「そうなりますね、来たよ」「はいはい・・」
軽く往なされている誠司だが、其処は何時もの姿だった。
 網元の家にと三人は向かう。
「おう~きんさったぞ~」家の中は超満員、皆が来た二人を見詰めていた。
「ええ、お前もか・・」「お前もかとは、親父、見学じゃろうがね、勉強に
なるけ、頼んで来たが・・」「・・、そっかまええが、座れ、勉君、話に
入ってくれんかね、如何もわしが描く別荘じゃないみたいなんじゃが・・」
 其れから話の輪に入るが、無論あの美佐江さんの姿も在った。
 暫く今までの話を聞いて居る。
「では中身ですか・・」「其処じゃがね、どう考えても普通とは違うほうが
ええといんさる・・」「ですね、此処は特徴と、自然とが満喫できる別荘に
したい、其処が翻意です・・」
「そうじゃろうて、だから今までの話を聞かせた、其れで島の人が、勉を
呼んでと頼まれてのう・・」「勉・・」「婆ちゃん、如何此処・・」
「あ、お前の眼鏡に適うぞ、此処は素敵じゃ、皆さんの顔を見んさいや・・」
婆ちゃんがそう言ってくれた。
島はここ等は多く点在している、十も数えるほどの小島や、でかい島が一帯
を形成する。
特に因島や大島は開発もそこそこ出来ている島、此処の島は其処は遅ていた。
「な、何かいんさいや・・」「ああ、祇園で考えていたんだが・・」
「それ言いんさい・・」「婆ちゃん、でも・・」
「良いから話して見ろ、其れで後は固めれば良いじゃないかね、お前の最初の
願い事じゃろうが・・」「婆ちゃん、良いのか金・・」
「ああ、いいとも、考えを聞かせんさいや・・」
腹が決まる勉は、二十数名の沢山の島の人が二間、襖を外して座られていた。
 其処でいきなり勉が描く、別荘を語り始める、無論横で冴美が録音している、
写メも撮られた・・。
 「ええ~じゃじゃ、クル-ザ-もかね偉い事に為るぞ、こりゃ~、幾らする
んじゃそんな船は・・」「調べていると様々ですが、此処は大型船より、快適
さとたまに会員の為の釣りや、家族の舟遊び、そうして周りの島にと向える、
釣り用は別に船を三艘くらい持ちます。皆さんの釣舩も借ります。別荘は人員
別に作り、二人用二棟、四人用二棟、六人用二棟、中心はキッチンを備えた
大勢宿泊客を集めるために、十五人くらい泊まれるメイン別荘を作り・・、
其れを中心に東側の岸壁に扇のかなめ状態に並べて作りたいと思います。
総費用はクル-ザ-を含めて一億以上と考えている。無論、売店と居酒屋、
会社の事務所兼は別棟で造り、何もかもが其処をメインにします。
別荘は外から戻る時は、玄関でなくて横手にから入り、其処でシャワ-や風呂を
浴び、其処で着替えて部屋に入り、無論テラスも有るし、眺めを重視し、
広場には、家族用の公園、そうしてテニスコ-ト最初は二面造り、子供の遊場も
充実させ、バ-ベキュ-が楽しめる設備も備え、まだ補充が有りますが・・、
とりあえずそれがメインで此処は始めたいと思います、皆さんと共に此処を盛り
上げて下さい、原案は今述べた事ですが、付け加える事は後程にして、
此れの案は賛成してくれますか・・」勉は饒舌に説明を終える。
 すると、全員が立って拍手、婆も笑顔で拍手してくれた。
別荘を作るとは聞いて居たがこれ程規模がでかく、島民が働ける場所が出来る
事は夢の中、皆はそう思っていたが、勉が話す事は此処に集まる人は中身は
知らされて居なかったのだ。
 話し終えると、この家の親父さんと聡子さんが泣きそうな顔で手を握られ、
何度も頷かれた、婆ちゃんにも同じ姿、其れを見る冴美は感動して涙を落とし
ながら笑い泣き、連れて来た誠司も何が如何なっているのかと唖然とした顔、
皆が暫く経過すると、此れはとんでもない計画だと騒ぎ始められた。
庭には、椅子が並んででかいテ‐ブルが・・、その上は海鮮料理が並んでいる。
桜の花びらが舞う中で、宴会が始まりそうだった。

            つづく・・・・。





















窮慕小説105弾《漆黒の迷路・・17》

 そろそろ大学も始まる、でも勉は未だそんな気に熟れていない・・。
そんな時、康夫おじさんが家に懸け込まれた。「え、康夫おじさん・・」
「阿呆、何が康夫おじさんじゃ、お前の所為で大恥かいたがよ」
「ええ~何で大恥って・・」「あのな、お前が言う大島は何処や・・」
「瀬戸内じゃけ・・」「それが本当か、地図見せろや・・」
慌てて、コピ-した地図を広げる。
 「何処・・」「此処だけど・・」「・・、ああ~お前な其処は大島と
違うがよ、大島はこっち、然も名前が三つもあろうがね、其処と違うんか」
「・・、ああ~じゃじゃ、此処は因島過ぎてと聞いて居るから・・」
「此処か降りたん・・」「あ、そうだ、可笑しいと思ったが次の島と聞いて
居たから、間違いでも辿り着けているが、ええ、じゃ大島は・・」
「其処は三つあるが全部四国の今治市じゃがね」「嘘っ・・」
「嘘じゃ無いが阿保垂れが、えらい恥かいたぞ・・」
康夫おじさんが最後は大笑いされた。
「そんでな確かめた、お前が言う土地の名は、生口島に存在して居たがね、
お前は早とちりで向かったが、島の名前こそ違うが、全く、何で間違わず
に行けたんかのう・・」大笑いされた。
「そうかね、うふっ、間違いも有ろうが、冴美は何にも告げていないしな、
只大島といんさっているが、正確には生口島かね」
婆ちゃんもつられて大笑いされた。
「康夫・・」「うん、来る前に確かめている、間違いないけ、其処の島じゃ、
大島なら、四国の愛媛管轄で今治になるし・・」
「そうなるのう、えらい済まん、でもこっちも多く島が詰まっているとは
見ていたが、間違いかね、でも事実、辿り着いている訳じゃね」
またまた大笑いされる。
 広島県の尾道市に管轄が有る島と、大島は愛媛県の今治市管轄になってる。
 其処から色々確かめたが、本当に地図上でも間違っていた、
頭を掻きながら詫びた。
「ま、ええけ、実際在ったしな、明日から測量と地盤調査に入る、既に尾道の
役所には知らせて置いた」「有難う、頼むね・・」
「任せてくれんさい、わくわくしとるのはかわりゃ~せんがね、勉頼むぞ」
「ええ、はい、御免なさい」何とか勘弁してもらうが、自分に呆れている。
 夕方冴美が戻ると、今度は冴美が怒られている。
「ええ~御免、だって最初じゃないね、アッて知られている島の名前が良い
かと・・」「ええ、冴美・・」
「御免なさい、こんな大事になるとは、だって冴美に内緒でお兄ちゃん動き
んさるからよ・・」「え、其処か・・」
「そうや、あの時は最初だし、こんなに深い付き合いなんか考えるかね・・、
島の名前は違うけど場所はそうでしょう、因島の次と言ったよね・・」
「あ、そう聞いたから行けた・・」「じゃ、其れで許してよ・・」
「そうなるんか、じゃ俺が悪いんか・・」
「どっちもどっち、引き分けにしんさいや・・」「参るわ、お前には・・」
婆が傍でニヤニヤしていた。
誤っていた島は解決、話に乗じて婆ちゃんが康夫について行くと言われる。
「お前は如何する・・」「今回行かんでもええ、後で何か有れば行けるが」
「そうか、じゃ康夫と若い設計士連れて向かうわ・・」そう決まる。
 だが、話は其処では終わらない、婆ちゃんが、詳しく事の経緯を冴美に
話し始めると、なんと吃驚して、冴美は勉を睨んだ。
「ええ、何で僕か・・」「他に誰がおりんさる、お兄ちゃん何で初めに冴美
に話してくれんね・・」「其処な、色々と問題が有ってな其れで話辛かった」
「何が問題、冴美には無いけど・・」「・・」急に勉は黙ってしまう。
其れが変だと思えたのか、冴美は引き下がらなかった。
 「まてや、其処は勉からは言い難いんじゃろうて・・」
「え、お婆ちゃん、何其れ・・、言い難事・・」「・・」「お婆ちゃん・・」
冴美は食い下がる。
「まあま~、其処はおいおいと良いじゃないかね・・」
「え~真澄おばちゃん、何その言い方冴美に関係する事なの、益々聞きたい」
とんでもない事になりそうで、勉は其処から逃げる。
背なかでお兄ちゃんと叫ばれたが、構わず部屋から逃げ出す。
残る婆ちゃんとお母んは困るだろうなと思いつつ、如何してもまともには話せ
ないと勉は思えて逃げたのだ。
 一時間後、目を真っ赤にして、冴美が勉の元いた部屋にと来た。
「・・」振り返りながら、その顔を見た瞬間、何も言えない。
 「・・」「・・、お兄ちゃん、総て聞いたけ・・」「え、総てか・・」
「うん・・」「そうか、人生いろいろあるさ、そんな事でお母さんを見く
びりさんなや、良い人だからな・・」「・・」
「そんで、冴美は、今の心境は・・」「複雑・・」
「だろうな、耐えんさいや、お前が頑張らんとお母さん救われないぞ・・」
「・・」「な、なんかいんさいや・・」
「あのね、そんでお母ちゃんが生活できるようにと考えたんかね」
「・・、そうなるかな・・」「そっか、じゃ感謝するね、お兄ちゃんは本当
に優しいね、お母ちゃん泣いておりんさったがね」「え、電話したん・・」
「今な、婆ちゃんに聞いて驚いたが、有るかなとは前から思っていた・・」
「え、お前・・」「だって、世間では噂だった島には帰りたくなかった」
「・・」「そんで、今聞いたら、如何し様も無いとお母ちゃんがいんさる、
判るんだ其処は・・」「そっか、理解出来るなら其れで良いじゃないか・・」
「だからだよ、此れからの事は頼むね」「ええ、其処は違うぞ・・」
「何でよ、言い始めたんはお兄ちゃんじゃないね」
「其処はそうだがな、此れからの事は島の人が薦めんと成り立たんぞ」
「・・」「だからな、お前も此れから勉強してPCをものにしんさい」
「え、PCが何・・」そこから話を始める勉の説明に目を輝かせている。
 「じゃじゃ、今も勉強で習っているが、出来るのか・・」
「ああ、島では其処は総てお前に頼むといんさる」
「ええ、じゃじゃ、報道・・」「あはっそう言ううか、宣伝とホ-ムペ-ジ
造り,皆に知らせるんだ、会員を募る事と、其処で何かするにもPCの威力を
利用しんさい・・」「そっか、其処ね、良いわ勉強、ええ~PC無いが・・」
「買うから・・」「ええ~お兄ちゃん素敵よ、じゃ冴美習うね」
そう決まるが、なんと部屋に来た時より顔色が変わった。
 そんな事で内緒にしていた事がバレてしまう、考えれば遅かれ早かれ、
其れは知らせる事、此れで良かったと思える。
 朝が来て、お母ん一人、「ええ、婆ちゃん出掛けたんかね・・」
「朝早くね、そんで冴美も学校休みだからついて行った・・」
「なんと、そうか・・」「寂しいね、冴美が居ない家は何か寂しゅうなる」
母が言う事は理解出来る、あの子が来てから、勉は家に戻るのが少なく
なっていた、其れだけ冴美に任せていたんだと知らされた。
 思えばひょんな事で出会った二人、其れが今島が湧いて居る事に繋がる
から、人生は判らん、特に先がと思い知る。
勉は身体が開いてしまう、出向く先は既に脳裏には有るが、先様の都合が有る
事は百も承知、其れで動けずにいた。

               つづく・・・・。




















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・16》

 グーグルで検索し、其れをコピ-して勉は睨んでいた。
アソコはサイクリングで橋を渡る人にも降りて休んでもらおうと考えだす。
島を一周出来る事になれば、途中の休憩場所の整備などサイクリングロ-ド
の島としてでも為り立てると確信する。
そうなると夢が益々膨れ上がり、釣り客だけでは無いと思えた。
(そうか、じゃアソコは男だけでは無しに女性も滞在出来るように・・)
思えばとんでもなく思いが膨らんで来る、其れで電話し、
あの聡子さんのおじさんに話しを投げかけた。
『良いぞ、良いがね、了解じゃ、今夜皆を集めて、其処を煮詰めるよ・・、
直ぐに返事するが、又早くきんさいや・・』そう言われた。
「なんや、大きな声で・・」「婆ちゃん、座って・・」
そこから勉が思う事を話した。
「ええ、自転車でかね、そんな人おりんさるんか・・」「これ見て・・」
コピ-した地図と写真を見せる。
「おう~これは見た地図じゃが、こうしてみると、良い島じゃ無いかね」
「一度見学に行こうか・・」「良いね、わしは何時でも良い、お前の御陰
で知らない土地が見れるがね」喜ばれる。
 そんな時、お母んと冴美が戻って来る。
「遅いぞ・・」「済みません、此の子の洋服を見て来た・・」
「見ただけかね・・」「え、お母さん・・」
「こいつは良い子じゃが、何でも買えや」「え、じゃじゃ、良いのよね」
「ああ・・」「良かったな、言った通りでしょうがね」
「おばちゃん、凄いが、でも元はお婆ちゃんが一番じゃけえね」
「ええ、お前ら・・」そこから大きな袋を部屋に持って来て、広げ大騒ぎ、
冴美は着せ替え人形になっていた。
でもよく見ると、なんと似合う洋服、此れは今度旅行に、
此れは普段着にしんさいと、婆ちゃんが指図する。
本当にこの家の娘同然、其れに浸る冴美が一番凄いと勉は舌を巻く。
 四月から高校三年生、其れで買い物をしに出掛けていたと知らされた。
騒ぎが収まると、冴美は自分の部屋に篭る。
「お母さん・・」「座れ、良い事を教えるからな、驚くなよ・・」
そこから睦子は話しを始めた。
 二十分後、真澄は驚愕して固まる。
「なんじゃ・・」「だって~、此の子が教えないからでも時恵は凄いがね、
息子を・・」「お前良いのかね・・」
「良いも悪いも出来ていたんでしょうがね、ああ~驚いた・・」
「ええ、其れだけか・・」「あ、良いじゃ在りませんか、実の母が其処は
出来ないし、ま~時恵がね、うふっ、そんで今頃男臭いんかね、勉・・」
「・・」何も返事出来なかった、此処では内緒は無理とほとほと知される。
でも、此れで悩みは解消、後は婆ちゃんの後ろ盾で暴れるのみと思えた。
 大島で美佐江さんと気まずい別れ方をした後、なんと月が替わると、
当人が家にと来られた。
其れは冴美の新学期にと婆が呼んでいたのだ。
 其処だけは何も知らないのが勉だけ、最初は慌てたが、婆ちゃんが呼んだ
と知ると、少し安堵する、娘の冴美は喜んでいるし、今は勉が無理にその輪
に入る事はしない、出来なかったのだ。
 気まずさも御陰で問題なく終えそうと安堵した。
だが、話が一旦区切りが出来ると、輪の中から美佐江さんが勉の傍に来て、
「コ-ヒ-を飲みに出ませんか・・」「ギクッとする勉に笑顔を見せた。
なんととんでもない良薬、その笑顔で総ての申し訳なさが吹き飛んだ。
 冷やかされながら、二人は家を車で出た。
喫茶店に向かう為に、いいや、話は山ほどある二人だが、今は何も話す事が
出来ない、其れでも美佐江は島で聡子おばさんにしつこく話をされ、其れで
思い切って、祇園に来ているのだ、幸いに婆ちゃんが電話した事をきっかけ
に此処は行かねばと決めて出て来た。
 車内では無言だった美佐江、喫茶店では年上だからと思い自分から話を
始めるが、中身は勉が帰った後の島での大騒ぎの中身だった。
「あはっ、そうなるのか、じゃこれからも遠慮なしで会えますね」
「え、貴方、笑いごとなの・・」「いえ、御免なさい、でも如何都合点けて
行こうかと毎夜悩んでいたんですよ」
「あらま~、其れはこちらが言うセリフですよ」漸く互いが笑えた。
其処まで息するにも辛い空気、其処でその帳も消え失せる。
 其処からなんと何時もの会話と何時もの笑顔の美佐江さん、
勉は最高に幸せと感じて行く。
「ええ、じゃじゃ、島も大変な事になるね」
「ええ、おじさんには総て計画して居る事を告げています。何とか形にと」
「あんた・・」「何もいんさんなや、此れからは、のびのびと息し、皆を
笑顔にしてくれんさいや」「あんた・・」
もうその先が言えない程感動し捲る美佐江、とんでもなく来てよかった、
会えたと思うと泣けてくる。
 「ええ、駄目駄目此処じゃ拙いよ・・」
「グシュン・・、あ・そうね御免なさい感動、駄目ね年だから涙脆くて」
「若いですよ、保証します・・」「ええ、あんた・・」
大きな目を見開いて驚かれた。
 「暫く此処に居なさいとお婆様が・・」
「良い事です、そんで婆ちゃんが付いて行くといんさらんかったかね・・」
「ええ~何で其処・・」「矢張な、機会は逃さん人です、見学して自分の
腹を括るために出掛けるんでしょう、婆ちゃんは一筋縄じゃ括れない人、
でもなんと此処では冴美ちゃんと貴方には防御姿勢が全く見えない笑える」
「え、そうなんですか・・」「ここ等じゃ、嵐がきんさったと逃げる程、
何事も怖い人と決められています」「ま~、優しい人なのにね・・」
「人に寄りけり,其処が欠陥、でも良い年ですから今更は無理と・・」
「駄目よ、そんな事・・」
そんな会話しか出来なかったが、今回は此れで良いと勉は思える。
 二時間で家に戻り、美佐江さんは娘の部屋に入られた侭、居間では話が
出ていた。
「わしは冴美の新学級が済むと大島に向かうよ」
「はい、聞いて居ます・・」「で、冴美は・・」
「何か薄々と知ってそうだけど、聞かれんから・・」
「じゃ、今部屋で母親が話をされて居そうじゃね」そんな会話をする。
 そうして楽しい夕ご飯、キッチンでは大島の親子が、
母と並んで仕度されていた。
居間で、婆と努が何か話をする中、キッチンでは甲高い声で笑う女性陣、
婆がしかめっ面で勉を見て、苦笑いする。

               つづく・・・・。
























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・15》

 暫くして美佐江は仕方なしで家にと向かう。勇んで出て行った手前、
どの面下げて戻れば良いのか、本当に困って岸壁の上で時間を潰していた。
 家に恐る恐る入る姿、傍が見たら笑えるほど、おどおどとして玄関を入る。
「・・、・・」「真っ先に謝ろうと覚悟を決めて部屋に入ったけど・・、
其処には目当ての勉の姿が見えない、放心状態でへたり込んで肩を落とす。
(あの人・・、車が見えないけど・・、もしや・・)危惧が当たった、
テ-ブルの上には一枚のメモが残されている。
 【今はお互い気まずいでしょう、ですから一度家に帰りますね、此れから
なんでも手助けします、ですから気を落とさずに頑張りましょうね、勉】
そのメモを持つ手が震えている、美佐江は感謝もするが、何て相手の気持ち
が読めるのかと、其処に驚いている。
家に姿が無いと思えたら、一気に気が抜けてへたり込み何も考えられない。
 一方、勉は既に大橋を走り、尾道側にと来ている、車は休まずに走り、
広島の祇園にと向かった。
 午後二時過ぎ、郷の家に到着、幸いか、冴美と母の姿が無い・・。
「婆ちゃん・・」「おう戻りんさったかね、詳しく話せ・・」
前日電話した相手は睦子婆ちゃん、帰るなり、二人は向き合い話を始める。
「よう理解出来んが、其処は瀬戸内海じゃろう・・」
「待って、PCで地図を出すけ~・・」
そこから睦子は画面を食い入るように見る。
 「何と、良い場所じゃないかね、此れは夏でもはやるよ、魚釣りだけじゃ
無いが、泳げるのか・・」「ああ、帰る前に建てたい場所に行ってみた、
なんと良いよ、其処は景色も何もかもが凄いんだ・・」
「だからさ、泳げるのかね・・」「あ、其処は工夫次第じゃが・・」
「工夫・・」「入江になっててな、船の溜り場、広いし・・、
其処でプ-ルみたいに仕切れば出来ると思う」「何と船が・・」
「此処見て、周りは島続きで懐みたいに広くなっているでしょう、昔は島の
船は台風が来ると、此処に避難されていたんだと今は船も少ないといんさる」
「で、向こうさんは・・」「ああ、大騒ぎ・・」「何で早く戻ったね・・」
「少し囃し立ててしもうたんじゃがね・・」「ええ、意味が判らんが・・」
そこから何事もとは行かないが、殆ど婆ちゃんには話して来ている、
少しだけ中身を話した。
 「あはっ、馬鹿垂れが美佐江さん大慌てだろう、小僧に好かれたと・・」
「そうじゃ無いかとね、家に戻りんさる前に逃げて来た・・」
「おう、其れは良い事じゃ、余韻が消えんようになりんさろう、でかしたぞ
我が孫じゃのう・・」頭を撫でて褒められる。
 其処から大島での経緯を総て話しをする、携帯に写メを残して居るから
見せながら説明・・。
「なんとま~、良いぞ凄いぞお前は、其れはお前がせんでも何れ誰かが目に
付けんさろう、今回は美佐江さんの今後の事でそう動いたんかね・・」
「・・」「うふっ、良い子じゃが,逃げるなよ、美佐江さんは上玉じゃ、
夫と離縁は知らんかったな・・」「僕も聞いて驚いたがね・・」
「冴美には如何する・・」「其処を婆ちゃんと相談・・」
「敵わんな、おお仕事じゃね」「何とか頼むけ~」勉が手を合わせる。
「其処は後で良いけど、お前、別荘を如何進めるつもりじゃね・・」
そこから建築関係と、造る物を説明する。
「あらら、なんと、わしも其処は考えていたんだ、美佐江の仕事場じゃね、
賑やかだし、ええ事じゃないか、良いぞ、其処まで考えて居るなら,進め」
「有難う、でな設計は叔父さん如何かな・・」
「あ、ああ~居たがね、康夫か、そうじゃあいつなら良い、お前頭がよく
回転しているがね、良いぞ直ぐに懸らせろ・・」
「内緒の話が有るんだ・・」「何や・・」
「誰にもまだいんさんなや、此れが大変な事になりそうなんじゃ・・」
「何・・」そこで一気にあの東広島の事をどさくさに紛れ勉は話し始める。
 長い長い時間、婆は口を挟まずに聞いてくれる。
「な、其処で時恵さんが僕を呼びんさったんだ・・」
「あのな、その時恵から既に頭を下げてきんさったが、中身は其処までは
言わなんだぞ、此れから、騒ぎを起こしますが、如何か本家の為と思って、
暫く目を瞑って欲しいと・・」「ええ、では・・」
「ああ、お前の事も頭を下げて謝りんさったがね」「嘘っ・・」
「阿保垂れが、でもお前は相手を見つけるのが上手いな、時恵なら被害は
無いぞ、あいつはこの家が命じゃといんさる、特にお前にだ」「・・」
もう其処までしれたら、何も言えない、頭を下げて聞くだけになった。
 「でもよ、お前らは凄いぞ、内の家でなら手を余す、そんなにジタバタ
せんでもええけえね、でも時恵は其処を勉の為と言い切り寄ったんじゃ、
中身を聞いて腰抜かしたが、お前、アソコを見せんさい、化物といんさる」
「ええ~婆ちゃん、其処だけは勘弁してよ」
「駄目じゃ、時恵が泣いて凄いといんさる、此れから命かけて後ろで手助け
したいとまで言わせたんだぞ、現物見せんと、此れからの話しには乗らん」
「ええ・・」「だから、恥ずかしい事は無いがね、孫じゃろうが・・」
「婆ちゃん」「男は、すっきりと決める方が良いぞ、立ってズボン降ろせ、
見定めて遣るがね・・」「婆ちゃん」「早くせんか・・」
「判った」最後は素直に応じる。
 「・・、・・・、あわわえ~・・あ・あ・あ・あ~~なんとなんと・・、
あらけ無いが物凄いがね、お前でかいな・・」「もう良いか・・」
「あ、未だじゃ裏側を見せんさい・・」「ええ・・」しげしげと見られた。
 「ふ~疲れるがね、良いぞしまいんさいや、お前何時の間に・・」
呆れ顔で聞かれ、話をする。
「そうかね、じゃ其処も時恵に言われて扱いていたんか、あ、そうなれば
あいつも褒めて遣らんとな・・」最後は呆れてか大笑いされた。
 その後は、なんと婆は勉を見直したのか、
話には一人の男として言い聞かせる。
「いつもとは駄目だぞ、今回はあそこが物ゆうな、東広島は時恵に任せるわ、
此処で総合施設は上出来じゃぞ、聞くと五年越しとか、良い考えじゃがね、
わしもおいそれと死ねんようになったがね、こいつ遣るじゃないか・・、
アソコが化ければ、此処も変われるよ、お前ドンドン進めや、相手の家も
相当と聞いて居る、相手にとって不足は無いが、良いなこれがお前の手初め
の仕事、あ、大島が有ったね、じゃ其処で経験してから、駅前の再開発じゃ、
じゃ康夫を呼んで、島の事を話して見んさいや、わしは大変な話を聞かされ
たから、寝る・・」「ええ・・」本等に寝室に向かわれる。
 その後、時恵さんのお父さんが家に来られると、ちっかり婆ちゃんも
起きて来て話しを聞かれた。
 「良いぞ、凄いわ夢が有るな、じゃ、建物には金懸けまい、過ごし易く
するだけで喜ばれるよ、其れで広場、ああ見学に行かんとな、其処で役所
廻りし、尾道の建築屋も紹介して頂いてと勉は凄い男に為りんさったな、
わしの家の子はまだまだ、困ったもんだ」其れは勉の友の誠司の事。
 夕方までに二時間、此れからの段取りを話し合う、
「任せんさい、役場から、設計まで任せてくれ、本当に快適な場所にする、
楽しみが増えたぞ、勉感謝だ」そう言われて機嫌よく家を出て行かれる。
 「勉はいつの間にか大人になりんさった、孫としては上出来じゃよ」
そう言われて、夕食の食事を作ろうとキッチンに行かれた。
 だが、何時になっても母と冴美の姿が見えなかった。

             つづく・・・・。

















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・14》

 何も言われず、只泣き叫ばれ、飛び込まれてそのままの姿で縋り付いて
泣かれている。
受けている勉は身動きせずに、美佐江さんの為すがままに従う。
慟哭とは此れかと思うほど相手は泣きじゃくり、グイグイと手に力が入って
来る。
背丈は勉は173センチ、相手は155前後、本当に小娘みたいな人、
然も憎い程小顔で可愛いから・・、其処が溜まらん女性なのだ。
 何とか、背中を撫で乍ら、落ち着くまで待って居た。
「これ、もう良いじゃろうが、泣き済んだだろうね・・」
「・・、うん、有難う、あんたには又世話に為りそうね・・」
「そうなれば、僕は嬉しいけど・・」
「何処まで親子を舞い上がらせさるんかね・・」
「何処までも上がりんさいや・・」「あんた・・」又泣かれ出す。
 「これ、子供みたいじゃがね、美佐江、手伝え・・」「うん・・」
漸く手の甲で涙を拭かれると家の台所にと向かわれた。
「勉さん、上がりんさいや・・」お父さんに呼ばれて部屋に上がる。
「今日は飲もうや・・」「ええ、お供します、でも弱いですよ・・」
「そりゃ~わしらには勝てんぞ、待ちんさいや、島の男が四人駆け込んで
くるけ~・・」「ええ・・」「さっきな知らせた、中身は告げんがのう、
酒を飲もうと・・」「そうなんですか・・」
そんな会話から酒盛りが始まる。
 台所では未だ、聡子さんに縋りついて泣く美佐江、婆様が苦笑いして、
タコ料理をされていた。
「お前な、子供じゃぞ、泣きじゃくってからに・・」
「御免、感動してて・・」「あはっ、馬鹿だね聡子は・・」
「ええ、わしかね・・」「ああ、そうだぞ、お前には無い女の良さを美佐江
は持ち合わせているがね、見んさっつろうがね、あの受けた青年の顔・・」
「えっ・・、ああ~そう言えば、なんと知らんかったが、お母さん・・」
「其処じゃ、此の子の男を狂わさせる技じゃがね、お前には持てない部分
じゃろうが・・」「ああ~言えるが、流石年の功・・」
「阿保じゃのう、此れ持って行けや、美佐江の男が待っておりんさろう」
「・・、えッ、男誰・・」「阿呆、勉さんじゃ、お前の男じゃろうがね」
「いやだ~、何でそうなるんか、あの人の家は恩が余るほど有るし・・、
そんでじゃがね」「其れだけか、まあええがタコが呆れているぞ・・、
早く運べとな・・」「はい・・」美佐江が運んで行く。
「お母さん・・」「ああ、出来るぞあいつら・・」
「ええ、年が、まるで相手は子供じゃろうがね」
「阿保やな、其れが如何した、何処でも有ろうがね、ええ、七十過ぎても
孫みたいな年の女、反対でも最近は要聞くがよ」「お母さん・・」
「なんじゃ・・」「本当にそうなるのかね・・」
「なるべくし生まれて来たと思えば良い事、其れがお前らにとんでもない
話が舞い込んで来たんだろうがね・・」「ああ、そうなるよね・・」
「そうじゃ、此処は化けるかもしれんし、下手るかも・・、其処は金以外
わお前らの力じゃぞ、全島手を合わせると叶うかもな・・」
「うん、其処はお父ちゃんを嗾けるけ」「ああ、たまには夜もじゃぞ・・」
「ええ~、もう其処まで指南しんさるんかね、年だしな・・」
「其れなりが有ろうがね、わしは六十過ぎても抱かれていたぞ・・」
「阿保らしい、ささ、じゃ連れが来ると聞いたから、未だ料理を作らんと、
元気なお母さん、頑張って・・」「こら~、年寄り使い腐ってからに・・」
親子で久しぶりに笑えたと婆ちゃんが言われる。
 来た来た、陽に灼けた男どもが四人と聞いて居たが、二人増えている。
全く胡散臭い男連中、部屋は異様な匂い、聡子がしかめっ面で、
風呂入れやと嘆いている。
 台所は大慌て、人が足りんと、今度は聡子が電話する。
直ぐに二人の女性が駆けつけて、台所も満員、部屋も満員、
家の中は一気に喧騒に包まれて行った。
 【え、え、え、ええ~~~真かその話・・】
なんとそれが同時に、台所では同じ事が女性の嬌声で挙がった。
全く、部屋と台所で同じ話が出ていた、其れから皆は動けずに、
部屋ではおじさんが、台所では聡子さんが話をされる、中身を知らない
美佐江も度肝を抜かれ出す、勉が話した事を上乗せされて、
話は皆を驚愕の世界にと引き上げて行く。
 三十分後、居間と台所で又も同時にため息が出る始末、其れから一気に
声高で話が飛び交って行く、台所の婦人達も居間で聞く方がええと決まり、
揃い居間で並んで座り聞かれている。
 「じゃ、何ですかいのう、此処は釣り客、嫌会員を募って別荘かね・・」
「ああ、そうじゃ、そんでな、広場で居酒屋兼コンビニ擬き、大変な事に
為るぞ」その言葉に手を叩き大騒ぎ、勉はその間手持ちぶたさだったが、
事の起こりは此の青年じゃと紹介され、勉の事が話されると皆が今度は勉を
囲い、酒三昧、受ける勉は酒に弱いから、瞬く間にダウン、
其れを見て喜ぶ男たち、家の中は大騒ぎだった。
 だが、話の中身だけで漁師の酒は強い、しっかりと中身を聞かれている。
「おい、此れは大変な事に為るぞ、正雄を呼ぼうか・・」
「阿保垂れが、誰が呼ぶ、町会議員等入れんぞ、入れると手柄が逃げるがよ、
此処はわしらで楽しむ為にも頑張ろうや、金は出る、後は御客集め、其処を
誰かがすれば最高じゃ・・」「待ってちょ、其処は娘が居るが・・」
「ええ、誰・・」「美佐江の娘じゃがね・・」
「ああ、おりんさった冴美ちゃん、ええ~じゃじゃ、倒れている青・年・、
ああ~何と祇園かね・・」「そう、言い忘れていたが、其処の成金の名家」
「何と、そうか凄いぞ・・、じゃこれは真実なんかね・・」
「ああ、相手から申し込まれた、聡子が受けたんだ・・」
そんな話で盛り上がり、夜更けも知らずに、部屋の灯りは赤々と灯り、
瀬戸の海に染み込んで行く・・。
 夜が明ける頃、部屋には誰も居なくなる、居るのは転がり寝てる勉だけ、
布団をかぶせられたまま居る。
 漸く勉の目が覚めると飛び起き、辺りを見回す・・。
「おきんさったか、朝飯じゃよ・・」
「あ、婆様、おはようございます、僕は・・」
「あはっ、海獣に酒飲まされんさってな、倒れんさったままじゃがね」
「ああ、そう言えば、済みません・・」「良いんじゃ、あいつらはタコで出て
いるがよ、あんたは朝飯、貝汁がええけえね、顔を洗いんさいよ」従う。
 朝食を終える頃、人が帰って来られる。
其処でこぞって皆が此処で朝食を取られる。
その様子を見て、此処は皆が力を合わせている場所と知らされた。
 午前十時過ぎ、美佐江さんと家を出て今度は美佐江さんの家にと向かう、
途中互いに無言、其れでも気が知れた間は、其れで済む。
「ご苦労さんじゃったね・・」「酒に弱いから・・」
「良いんじゃ、其処は此処の男とは違うけ~ね、そんで良いのよ」
「迷惑かけて済みません・・」「ま~反対じゃがね、あの話聞いたら・・、
腰抜かしたが本当か、漁でも全部あの話じゃけ、あんた出来るんかね・・」
「其処は如何かな、有る人次第ですけど」「ある人とはその人が・・」
「そうですよ、嫌われて居るなら出来ない話ですね」
「ええ、誰ね、聡子さんと共に口説きに向かうけ、教えちゃんさいや・・、
ねねあんた、誰ね・・」「言っても相手が知らない事だけに無理かも・・」
「何でよ、こんな話聞いたら、どが~しても作りたいけ、アンタ相手教えて
くれんさいや・・」「僕からは言えんが、何なら聡子さんに聞けばしっとり
んさろう・・」「え、じゃ聞いてくるけ・・」「ええ、今か・・」
「ほうじゃ、大事な事に為っとるがね、大変、行くね・・」
「え・ええ~まっ・・・・・テ・・、あ行っちゃったが・・」
苦笑いする勉の顔は微笑んでいた。
 美佐江が聡子の家に懸け込んで十分、唖然として佇んだままだった。
「阿保じゃね、踊らされているがよ、お前次第だって事だぞ・・」
「お婆ちゃん・・」「ああ、聞いたろうがね、相手はあんたの所為で此処を
起こしたんだ、其れだけお前には値打ちが有る証拠、貞夫なんかと大違い
じゃね・・」「言えるが、不幸が先方から逃げ出し、直ぐに幸せを運んで
来たがね、お前は罪なおんなぞ、ね、お母さん・・」
「あはっ、若い男にも慕われるけ、溜まらんね美佐江・・」
「・・、でも本当かしら・・」「あ、マジじゃが、あいつは既に此処に来る
前からあんたが理想と思い込んでおりんさるが、娘を預かった所為で縁が
出来そうじゃね・・」「おば様・・」
「ああ、神は捨て置かんと決められたみたいじゃね、じゃその最高な篭に
乗りんさいや、月まで連れてってくれるがね、序にこの島も竜宮城に衣替え
じゃぞ」「お婆さん・・」「ああ、泣いて良いぞ、泣けや、こんな良い事
滅多にないがね、娘に感謝しんさいや・・」「・・」
もう言葉が出て来なかった、慌てて家を飛び出したが、
事の起こりはまさかまさかであった。
 其処の家を出るが直ぐに家には戻れない、脚がガクガクしたままよろけて
岸壁に立っていた。
(有り得ない事、何で私なの娘なら理解するけどもう何でよ何で何でええ)
立つ事も儘為らない体、しゃがみこんで泣いてしまう。
 長い時間立てない、其のままで涙が零れるまま、今までの事を思い出す、
美佐江は恋や愛など経験が無い、ましてや愛情は有るが、其処も十分とは
言えない、夫は船で出た侭、娘は中学を終えると祇園、此処に居なかった。
そんな事をあれこれ考えると、自分の人生が走馬灯のように巡り、
今迄は何だったのかと思い始める。
 その後姿で肩が時々揺れ動いていた。

          つづく・・・・。



















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・13》

 狭い岩場から、上に上がり、眺めのいいところで並んで座る。
「なんとま~、美しいが・・」「「景色は良いが其れで飯は食えんわな」
「言えるけど、真・・、綺麗」「・・」「上の此処は広いけど、雑草が」
「「ああ、親戚の土地だが、横はわしの家だが、もう面倒くさいから
ほったらかしじゃがね・・」「・・」
「でもよ、あの子は可哀そうな子じゃ、あれほど器量が良いの、お母さん
が煩いお人でな、生きて居る内は外にも出さんほどじゃったね」
「そうですか、でも此処は良いぞ・・」「何でね・・」
「だって、今は釣りもこうして景色も眺められるがね」
「あはっ、其処かね、他所から来るとそうなるんかね」
「ええ、総てそうなると思いますよ」
「じゃあんた、此処に別荘を建てたら如何、安く売りもする貸もするぞ」
「・・、え、今何と・・、売れるの・・」
「阿呆、何でこんな島欲しがりんさるんかね、阿保らしい・・」
「え、売れないの何かわけでも・・」
「ええ~あんた訳も何も考えた事無いがね、何処にそんな戯けた思いの人
がおりんさろうか・・」「・・、え、此処に居るけど・・」
「何処、おりんさらんが・・」「此処や、僕です・・」
「え~あんた~、笑えるが、こんな土地何ぼすると、二束三文じゃ・・」
「いいえ、欲しい人なら高値で売れるがね」
「阿保らしいこといんさんなや、本気にするがね」
「本気なら如何します譲ってくれますか・・」「え、あんた今何ゆうた」
「譲ってと・・」「で、こんな土地買って如何するん・・」
「別荘立てる・・」「あはっ、豪儀な事、何で此処なの・・」
「悩まれるお人が居るからですかね・・」「ええ、ああ~美佐江かねか、
あんた、まさか娘だろうが目当ては・・」「其処は妹にします・・」
「意味がよう判らんが、美佐江の年なんぼか知っておりんさるんかね」
「ええ、今年三十七才・・」「あ、そうだけど呆れたぞ・・」
「あ、勘違い、其処じゃ無いがね、傍に居れば何か手伝うことが出来ると」
「あんたね、其れこそ余計なお世話じゃろうがね、有難迷惑よ」
「言えますね、じゃ、個人は辞めるかな・・」「ええ、あんた・・」
「じゃじゃ、此処を釣専門に別荘を建てようよ、そうすれば全国から人が
きんさる、個人でなくて、会員を募り、管理人が日程を把握して割当てる、
その仕事は美佐江さんとおばちゃん、それでね、此処は五棟くらいモダンな
建物でね、出入りが優しいコテ-ジに仕上げる、外から入る時は・・、
シャワ-ル-ㇺで浴びて入る、着替えも其処で出来る、そうすると汚れた
侭部屋には入れないしね、ねね良い事思いついたが、おばちゃん・・」
「・・」言葉が出ないほど呆れられる。
 「でも土地がね、おばちゃんの分どれ位あるのかな・・」「・・」
「ねね、どれ位・・」「・・、え、ああ見えるところ全部じゃ、わしの家
は昔網元でな、金を貸した代わりに売れない土地担保、至所にこんな土地
が有るよ」「何と凄いじゃないね・・」「ええ、あんた今の話し・・」
「ああ、思いついたんだ、此処で五棟以上建物を並べて屋根は真っ青、海に
似た色で壁は真っ赤・・、其れで釣りをされる人は朝でも夕方でも来れる
ようにする。そうして会員なら安く泊まれるし連泊も可能、個人で会員に
為ればの事、ゲストは大歓迎、値段は其れだけ上がるけど、出来そうよ、
おばちゃん・・」「あんた・・」呆れ果て、口あんぐりとされた侭だった。
 「あんたね、軽くゆうけど、資金は如何するん・・」
「其そこは任せて、僕の家でもいいし、投資してくれる人もおりんさる」
「ええ~あんた本気かね・・」「ああ、土地が買えるか借りれば出来る」
「あんた・・」声が続かない聡子、本当に驚愕された顔だった。
 「なな、其処を判る様に詳しくね、いいや、あんた家に来んさいや、
内の人に聞いてもらうけ~・・」「ええ・・」無理やり連れて歩かれた。
 「お父ちゃん居るか、パチンコかね・・」
「往々、大きな声で、部屋で転がってるぞ、昨日負けてやけくそだって、
あ、この若い子誰ね・・」「お母さん噂の子よ、冴美の広島の兄よ・・」
「ええ~じゃじゃ、広島の祇園かね、なんとま~よう来ちゃんさったね、
上がりんさいや・・」大歓迎される。
「煩いぞ、昼寝出来んがや」「お父ちゃん、あの噂の祇園の子じゃがね」
「ええ、何、祇園って・・、ああ~じゃじゃ冴美のか・・」
「そう、でも今回は其処の話しじゃ無い、此の若者が恐ろしい事言うから、
お父ちゃんに聞いてもらいたくて連れて来たんよ」
「恐ろしい事なんじゃ其れ」上がるなり、そんな話をされるが勉は困惑。
 直におばちゃんが話を始めると、吸いかけのタバコを落す程驚かれた。
「なんじゃと~・・、別荘かあそこで・・、然も釣り客専用とな・・」
「行けませんか、完成すれば会員は募り、何なら僕がしても良いですが」
「おう、そりゃ~あんたがええけのう、するならわしらは総て援けるが金
がな、無いんじゃよ」「其処は何とでもするけど、アソコが良いと思う」
「何処じゃ聡子・・」「この前を北に行くと釣場の場所・・」
「ああ、アソコかね、そうかあそこが良いのか・・、あ待てよ、其れは
場所が悪すぎるぞ・・」「何でね、釣り場傍じゃないね・・」
「阿呆、今はそうでも無いがね、流が変化している、アソコは小魚じゃ、
造るなら向かい側の入江じゃろう、アソコは昔台風除けの船が集まる場所、
整備したまま元が取れて居らんんが・・」
「そうかあそこなら都合が良い、船も止められるし、出入りが優しいね」
「そうじゃろう、別荘の目の前で自分の船がたまり場なら尚良いがな・・」
「だよね、勉さん後で案内する、美佐江の横よ」「え、有るんですか」
「大有りよ、任せあんた酒飲もうかね・・」ご機嫌な旦那さんだった。
なんと勉は人に恵まれ過ぎ、此処でも話が進む相手を見つけている。
 「じゃ、何かね、あんたが其処で・・」
「待ってください、話は要聞いてて下さいね、此処は総て、あの冴美ちゃん
の母親と、このおばちゃんの為なんです、僕は資金は作ります、其れで別荘
を建てて、食事が出来る景観が良い所に事務所兼居酒屋、其れに釣りに必要
な小間物などと此処はコンビニが無いけ~、少し似た品物も加えると、
島で総て賄える。
其処に小さいけど会社設立し、役員は美佐江さんとおばちゃんと
おじさん、後は祇園の僕の母でも良いですけど・・」
「おう、良い話じゃないか全て飲むが、お前でかしたぞ、此処も賑やかに
せんとな、良いぞ、此れから人を呼んで説明してくれんかね・・」
「ま、待ってください、此処は用意周到で懸りましょう、土地は何とか
出来ますよね・・」「ああわしの家の物じゃが何とでもする」
「では建築関係は地元で如何です・・」
「地元か、尾道なら知り合いが居るが、此処はこまい島じゃ居らん」
「では其処を頼めるならそうして下さい、建築設計は、僕の友の家が
設計士ですから其処に頼みますね」
「おう、良いぞ、そうかあんた凄いな・・、聡子でかしたぞ・・」
「阿呆、パチの魚群じゃあるまいし、そう喜ばれても出来上がってから
いんさいや・・」「あ、今回は何ぼでも言うぞ、聡子でかしたぞ・・」
「もう阿保らしいわ、お母さん・・」
「あはっ、久し振りに元気な話じゃないかい・・」
「ええ、そうなりますようにと、拝み倒すぞ・・」
「呆れるね全く、勉さんタコ嫌いか・・」「大好きですよ・・」
「おう、良いぞ来たね、婆さん・・」「はいはい、人使いが荒い子じゃ、
全く、聡子・・」「行きますね、その前電話するけ~」
外に出られて電話されていた。
 代わりに勉も自分だけ了解じゃ拙いと考えて、庭に出て電話している。
 長い長い電話、しかも何度も頭をげるから米ツキバッタの様、
其れで何とか理解されたのか勉は電話を終えると胸を撫でていた。
 長い電話が終える頃、庭に軽が滑込み来て、突然勉の胸に飛込んで
来られた、慌てて受け止める勉の顔が豹変、相手は美佐江さんだった。
泣かれて縋り付いてそのまま慟哭、始末出来ないまま受け止める勉、
困惑しているとおばちゃんが大きく頷かれていた。

              つづく・・・・。


















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・12》

 寒いけど眺めが最高、梅が咲き誇る庭で、仄かな香りを堪能する。
「ええ~あんたもうきんさっているんかね・・」
「ああ、おばさん、お久しぶりです・・」
「そうなるかいのう、確か去年の暮じゃね・・」「はい・・」
「あんたが来ると聞いたから釣竿と餌持参じゃけ~」
「済みません御足労掛けます・・」
「え、あんた大人になりん去ってからに、言い方がおじさんみたいじゃよ」
「あはっ・・」頭を掻いて笑うしかない・・。
 『あのう、聞きたい事が有るけど良いですか・・』「良いけどわしにか」
「はい・・」「じゃ何か聞こうかね」釣差を置かれて来られる。
「なんじゃ・・」「あのう、お尋ねしますが、此処のお母さんに何か有った
んでしょうかね・・」「え、何でそういんさるん・・」
「だって、痩せて居りんさるし、何時もの笑顔が見られんが・・」「・・」
「内緒でええけ教えてくれんさいや、金か仕事か家庭かと聞いたけど、何も
いんさらん、こんな事初めてじゃ・・」「・・、そうか何も言わんかね」
「ええ・・」「でもな、此処じゃ言えん事じゃ、後でこそっと釣する仕度で
出てきんさいや、この前の道を歩くとな、小さな出っ張りが有るけ、其処の
下が釣場じゃ・・」「はい了解しました、じゃ怪しまれるから後で・・」
首をすくめて苦笑いされた。
何事も無かったように玄関に廻られ、家の中にと消えられた。
と同時に縁側から声を懸けて、釣り場を教えてもろうたから行きますと、
勉は庭を出る。
 何と頃がええ時におばさんに合えたと勉は思えた、
此処は何でもあのおばさんなら御存知と思い聞いてみた。
 釣り場は直ぐに判り、言われる通り岸壁の下は渦を巻いて塩が流れてる。
少し岩を伝い下に降りる、其処で大きな岩の上で腰を掛けて、
エサも初めて見るが、如何付けて良いのか知らない、其れでもええ加減でも
針にミミズのようなものを突き刺して海に放り込む。
(・・、・・)思いはこの家のお母さん、美佐江さんの事が益々気に為り出し、
釣りなどしている場合では無いが、此処で落ち合うと言われているから、
暫く待つ事にする。
 三十分ぐらいか、足音が聞こえて見上げた。
「往々~、聞いてもおりんさらんによう其処に行けた、待ちんさいや行くけ」
身軽に降りて来られた。
横に座り缶コ-ヒ-を渡される。
 「お話は・・」「待ちんさいや、此れは重大な事じゃから、娘には言わん
と約束してくれるなら話せるが・・」「ええ、何で内緒なんですか・・」
「ああ、先にゆうわ、あいつと離婚した・・」
「離婚って、ええ~~、嘘でしょう・・」
「嘘じゃないから困っているんだ、此れからの事も有ろうがね」
「じゃじゃ、冴美ちゃんには聞かせた方がええけ、理解してくれるよ」
「其処だ、あいつが言わんと駄々捏ねる、高校卒業したら言うと・・、
此ればっかりじゃがね」「じゃ離婚原因は・・」
「女じゃ、其れが浮気だけなら許せるといんさる、でも嘘は駄目じゃろう、
あいつは正月日本に帰っていたぞ・・」「ええ~~・・」
そこだけは衝撃な事、勉は竿を落としそうになる。
「じゃ、日本で女性と・・」「ああ、既にバレていたんだ、わしらも前から
知っていた、此処の島の子でな、相談をしているうちに出来たと後で聞いた、
わしとも遠くの親戚に為る家だがね」「・・」
「そんでな、あいつは馬鹿垂れじゃ、子供まで作りよってな」「ええ・・」
え~ばかり言っているような気がするが、其処は驚く話だった。
 「それで、何でじゃと聞いた事が有る」「え、本人にですか・・」
「ああ、親戚の子じゃろうがね、聞くわさ・・」「それで・・」
「そいつは戯けじゃ、美佐江が感じてくれないからと言い腐る、其れで今の
女は泣きじゃくるぞと、阿保な男じゃ、お前が本気で抱かんからだろうがと
言ってやった」「で何と・・」「ええ、其処も言うんかね」「是非・・」
「高くつくぞ・・」「はい、お願い致します」
「敵わんが、じゃさ、話すけど此れも誰にも明かすな・・」
「ハイ約束します・・」そこから意外な話を聞いた。
 初めからセックスは上手く行かなかったと、ご主人は話されていた、
其れでおばさんが聞かれた、早いのか・・、相手は普通と言われたが・・、
如何も早漏かと思えるとおばさんが笑う。
其れでアレは遠のいていったとも言われる。
 「でも其れだけでは・・」「其処じゃ、其れは言い訳にしてもだぞ、既に
四歳の子が居ると判ると、美佐江は如何したら良いんじゃね」
「え、其処は、でも本当ですか其れ・・」
「わしが既に確かめているが、先方にも会いに行った、知り合いだろうがね、
仕方が無いけ~ね」「そうでしたか・・」其れで窶れて、覇気が無いと知る。
「じゃ、娘さんには内緒で・・」「後一年間は黙ってと、あの子が知るとどう
なるかと・・」「何とそうでしたか、悪い時来ていますね」
「え、其処は其れは違うぞ、あいつはあんたの家に足を向けて寝られんと、
芯から有難いと思っているがね、わしもじゃがね」そう言われる。
 「お聞きしますが、解決しているんですか・・」
「ああ、この間親族が集まり決めている。娘の養育費は高校卒業まで五万円
仕送る。そんでお終い・・」「ええ、其れだけですか・・」
「ああ、あの家は美佐江の家だしな、婿として滑り込んだんだ」「・・」
そう言われた。
「其れだけでは、此処が成り立たんでしょうが・・」
「其処じゃね、問題は・・」勉は其処が大問題だと叫びたかった。
 考えると有り得ると思える、船に乗ると、家庭が恋しくなるなど嘘なの
かも、何処にでも其の気なら金で遊べるし、中には其処に減り込む人も居る
筈、そんな思いで話を聞いて居た。
「じゃ今後の生活を何とか考えないと・・」
「其処だがのう、あいつは此処を出たいと・・、そうなろうがね、逃げた夫
の事は既に前から廻りは全部知っているよ、こまい島だろうがね」「・・」
黙って頷くしかなかった。
「では今後の事は未だ決まっていないんですね」
「そうなるのう、わしらも手一杯、何とかしたいが、其ればっかしは何とも」
暗い顔でそう言われる。
 暫く二人は会話を止めて溜息をついている、当前で、島では既に承知の
話しと聞いたら、あの人は外にでも出られない程・・、可愛そうと思えた。
こんな時広い都会なら知れないで済むだろうが、此処じゃ丸判り状態だと、
勉が頭を抱えて悩み始める。
「あんたには、嫌な事教えたが、現実はそうなってしまったんだ、聞いたら
五年間無いと・・」「ええ、そんな可哀そうに・・」
「あんた、じゃ娘と親を抱えてくれんか、家は何とでも出来るじゃろう」
「ええ、おばさん、其処は間違いじゃ、其れで済むなら良いけど、そうは
いかんじゃろうがね、いけんよそんな事、出来たら嬉しいけど無理な話だ、
あの人はそんな事言ったら、明日にでも島を出んさるよ」
「ええ、あんた判るんか其処が・・」
「ええ、なんとなく、でもそれ以外で考えれば道は見えるかもしれんがね」
「え、あんた良い男じゃね」「ええ~・・」
「あのな、何とかしてくれんか、あんたが頼む事なんでもわしが出来る事は
するけ~のう、頼む・・」「おばさん・・」手を合わされて勉は困り果てる。
 だが、話し込むが、二人にはいい知恵など持ち合わせていない、
一大事は急に知った事で、先の事は何も考えて居ないし見えて来なかった。

             つづく・・・・。




















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・11》

 月は既に三月を示す、勉は最近勉学に励んでいる、其れを冴美から聞いた
婆は喜んでいる。
「な~、なんか真剣に勉強していると聞くが、本当かね・・」
「ええ、其処が気に為るけど、冴美も中身は知らんといんさるが・・」
「何か異変が起こっているな・・」「ええ、お母さん・・」
「だって、そう考えるしかあるまいてあいつが何で勉強、大学に入る前一度
そんな事が有ったよな・・」「あ、そう言えば、急にそうなりましたね」
「何でじゃ・・」「知りませんよ、あの子が、何考えているんでしょうね」
「お前は暢気じゃね」「だって、今時の子の考え等判らんし・・」
「そう言えばそうなるな、でも気懸りでは有るが勉学なら良いと思えるが」
「そうですね・・」そんな会話をするも無理は無い、時々顔を出しているが、
最近は早くに部屋に戻る姿、親として孫として、二人は気にはなっている。
 その当人は、最近一層男臭くなる、年は漸く今年で二十歳、
大学も後二年間は要する身、家の婆の睦子も母の真澄も勉が励む勉強は
何かも知らなかった。
 勉は益々男に為りつつある、あの東広島の家は今では掛け替えのない家、
そうして指南役は最初に関係した女、時恵、其の嫁ぎ先が半端じゃ無い、
やり手の義母と、小姑の玲奈、三人揃い勉が向かう度に、
心身とも粉々にされ続けて来ている。
 だが、勉は其処でも満足していないのか、何時も不満顔で大学に居た。
「おい、勉、如何しんさったん、最近浮かない顔つきじゃろうがね・・」
「ああ、誠司か・・、うんなんか物足りんからかな・・」「何がよ・・」
「其処が判れば苦労せんがよ・・」「あはっ、そうか不満か・・」
「そうなるのかのう・・」友達はあの最初の女性の弟、其れが同じ大学に
通っている。
世間では親戚関係に為る相手だが、血は繋がらない不思議な親戚だった。
「お前は、アソコどうだ・・」「アソコ、ああさては女かね・・」
「・・」「当たりか、相手は誰・・」「無いから悩んでいるんだぞ・・」
「うふっ、紹介するか・・」「え、心当たり有るんかね・・」
「古だぞ・・」「古・・」「ああ、使いこなしているぞ、習えや・・」
「ええ、お前・・」幼き時から友の間柄、そんな会話も出来る友だった。
「誰よ・・」「お姉ちゃん、こまい時からお前の事を要聞かれていたな」
「え、そうなんか・・」「あ、保証するが、今は幸せそうだから無理かな」
「・・」「でもよ、童貞を無くするなら年上が良いと聞くが、本当か・・」
「ええ、じゃお前は未だか・・」「そうなるな・・」「・・」
そんな会話をしながらも憂鬱な顔は収まっていなかった。
「どんな年増が良いん・・」「ああ、泥臭いのが良い、美人や、ハイカラ
な女等興味が無いけ、俺はどんくさい程良いな、其処にはそんな表で歩く
女性とは違う面が有ると思えるんだ・・」「何で、そう思えるんか・・」
「だって、考えて見んさいや、普通以上の女性はもっと上、其れももっと
と上を望まれるぞ、敵わんが、俺じゃとても望み叶えられんが・・」
「何と、其処かね・・」「ああ、其れが良い、楽しめるし、教えてくれる
と思うんだ・・」「そうか、じゃジャンルは其処がど真ん中か・・」
「言えるがそうは居ないみたい、都会じゃな」「都会か、此処もか・・」
「半分はそうじゃ無いか、昔はド田舎だったが今見てみんさいや・・」
「そうなるな・・」そんな話も続いていた。
 「早く捨てろ・・」「え~お前に言われたくないわ、似たり寄ったり
じゃ無いか・・」「言えるが~・・」大笑いする。
 部屋に戻ると、昼の友との会話が未だ気に為る。
(そうか、泥臭さか・・、有り得るな其処も・・)誠司が喋ったことが頭に
残っていた。 
 其処に意外な人から電話が来た。
「ああ~お母さん、お久しぶりです・・」
何と、ご無沙汰していた、冴美ちゃんの母からだった。
「今忙しいの・・」「ええ、暇ですよ、大学も休みだし・・」
「じゃ、此処に来て暢気に過ごしませんか、釣りでもして・・」
「あ、そうか出来ますよね、忘れていたが釣か・・、でもした事無いが」
「だから、良いじゃない、飽きれば其処は駄目と判断出来るし、娘が偉い
世話になっているし、其れくらいなら此処で出来るけど・・」
「冴美ちゃん、帰りんさらんのかね・・」
「あの子は、あんたの家が偉い気に入って居る、今回も高校で部活だって」
「ええ、ではそれで戻らんと・・」聞くと、今年は三年生になる年、
部活もそれで最後の年だからと言われた。
「そうでしたか、其処は聞いて居なかったな、じゃ戻らんのかな・・」
「見たい、でも其れは良いの・・」「え、何か他に・・」「・・」
何もそれから言われて居ないが、電話の向こうで何か感じた・・。
「じゃ明日にでも行きましょうか・・」「良いの無理はしないでね・・」
「ええ、そうじゃ無いけ、嬉しいから飛んで行きますよ」「あらら・・」
そんな会話が出来たが、なんか喉に突刺さるような気がするのは何だろう、
そんな思いで電話を切る。
 三月二十二日、朝早く部屋を出る、向う先は今では懐かしい、
あの瀬戸内の大島、道は覚えているし、なんといっても汚れていない
あのお母さんの面影が蘇って来た。
気がせくだけ、車は早く走る、朝、早出したおかげで道はがら空き、
一時間少しで到着。
「お早う御座います・・」「・・」「お母さん・・」
「・・、ま~こんなに早くきんさったん、御免ね、まだ寝間着、夜明け前
蛸壺上げに出たから二度寝していた」
「済みません、事情を知らんから・・」
「良いのよ、じゃ上がって、待ってて少しだけ、布団上げるし・・」
待つ間、懐かしい庭に出て、海を眺めていた。
「どうぞ、其処まだ寒いでしょうに、済みません・・」
着替えられて、髪を巻き上げて結ばれている。
 部屋で挨拶を終えるとコ-ヒ-を二人で飲む。
「・・」えも言えない程女々しい女性、何と勉のど真ん中と今知らされた。
此れが、冴美ちゃんの母親じゃ無かったら飛び込んでいるな・・、
と思えるほど理想の女性そのものだった。
 でもあの当時よりやつれた感じがする。
「釣道具は、昼に聡子さんが持って来てくれるけ~・・」
「済みません造作懸けて・・」「いいえ、来てと言ったの美佐江だしね、
こんな家で済みませんね・・」「其処は言わないで、何でそう気にされる
んです、最高じゃ無いですか、此処は海が有るし、其れに最高な女性が
居られる・・」「ええ・・」
「あ、済みません、もう僕は先走りが得意なんです」「ええ・・」
益々驚かれた。
「コ-ヒ-、美味しいです」「うふっ、もう笑えるがね、インスタントよ、
あんたの家とは大違いじゃね」笑われた。
 だが、前より会話が進んで行かない、其れは何故か勉が会話が下手なのか
と心配する。
「何か、悩みでもありますか・・」「え、何で・・」
「だって、今迄会えた美佐江さんと違う感じがする・・」「・・」
「何か有るんですね・・」「・・」
「なんですか、聞きたいけど言えない事ですよね・・」「御免なさいね」
(矢張在ったんだ・・)そこから俯かれた侭顔が見えない、でも膝上の手
は震えて、何かが有ると其処で判る。
「僕じゃ解決出来ないんでしょうね・・」「え、貴方・・」
「心配なんです、お願い何かだけでも教えて下さい、其処から掘り下げ
ませんから、お願いします、何・・」「・・」其れでも言われない。
「じゃ、僕からヒント出しますよ、娘さんの事・・」「・・」
首を横に振られる。
「じゃ、仕事関係、と言っても友達だし、じゃじゃお金ですか・・」
其処も首を横に振られる。
「ではなんだろうな、世間は、違うだろうし、あ~、じゃ旦那さん・・」
「・・」体がピクリと少し動いた。
 だが、其処から勉も黙ってしまう、危険地帯と思うから進めなかった。
 その後は何かお通夜状態、二人は何も会話は成立出来ていない、
其れほどの事と察した。
居た堪れずに縁側から庭に出て、庭の椅子に座り、海を眺める事にする。

             つづく・・・・。































窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・10》

 お正月期間も開けると、勉は大学にと通う、郷では勉の代わりに新しい
女の子が居る。
冴美は、今は本当に我が家同然、然も婆も母も振り回されながら笑顔、
そうして、高校生活が始まっている。
「婆ちゃん、ね、今日遅くなっても良いかね・・」「何か有るんかね・・」
「うふっ、お兄ちゃんの部屋、汚くして居そうだから覗きたいの・・」
「あはっ、そうか、行って益々汚してやれや・・」
「ええ、可愛そうじゃない・・」「うふっ、聞いたか真澄・・」
「ええ、可愛そうとは思わんけど、気に為るんかね・・」
「お兄ちゃんだから当たり前でしょうがね」「はいはい・・」
そんな会話を楽しんで、冴美は婆ちゃんに買ってもらった、
真っ赤なママチャリに乗って家を出る。
此処から高校までは僅か十五分、頬被りして防寒姿が風を切り下りの道
を疾走、そうして見送る真澄の目から消えていった。
 「お母さん・・」「あはっ、あの子が来てから寂しゅうないがね・・、
反対に踊らされるのが良いね」「言えますね・・」
家ではそんな扱いを受ける冴美、本当に天真爛漫そのものだった。
 一月の最終の土曜日、勉は招かれて、東広島の家にと向かう、
あの最高に楽しめた家は二度目になるが、其処まで色々な事を時恵さんと
携帯で話し合って来た。
だから向かう家の事情は把握してる、大学で昼迄気に為る事を調べて、
そうして車で向かった。
 「今日は・・」「いらっしゃい、どうぞ」又も家は女性だけと理解する。
この家の男には合った事は無い、でも中身は時恵さんから聞いて居た。
「奥さん、来ました・・」「待って居たがね、寒かろう温まりなさい・・」
「はい・・」広間に来て、スト-ブの前で陣取る。
「あら、来たね・・」「お邪魔しにきました・・」
「うふっ、嫌味かね、待って居たんだよ」「有難う御座います・・」
「え、あんたは・・」「僕の心は聞かずとも理解出来ているでしょうがね、
此処は僕の天国ですからね」「あら~、言ううわね、こっちは地獄よ」
「そうなるんですか・・」「まあま、此れてんごせんと、コ-ヒ-・・」
「え、あそうか、お手伝いさん留守か、はいはい了解ですよ」
「馬鹿じゃね、直ぐ顔に出るがね」
「え、其処は素直で良いじゃ在りませんかね・・」
そんな会話を時恵さんと奥さんがされている。
「ねね、此処は月に二度くらい来れないかい・・」「え、其れだけ・・」
「ま~お前・・」満代が大笑いする。
 「どうぞ・・」「頂きます、あ・そうだ時恵さん、男性は・・」
「今は別宅よ・・」「じゃ会えませんね・・」
「そうなるかな、会わせたくも無いけど」「じゃじゃ、門閉めてきます」
「ええ、何で・・」「行けませんか・・」
「何で閉める・・、ああ~そうかね、良いぞ玲奈行って・・」
「え、私かね」「早く行かんか・・」「・・」変な顔をされて向かわれる。
 「勉・・」「はい、こんな時は何でも有じゃ駄目ですか・・」
「え、時恵・・」「うふっ、従いましょうか、楽しいと思いますけど・・」
「・・、そうか判った、何でも言いつけてくれ・・」
「了解です、じゃじゃ、直ぐに裸で過ごしますよ」「ええ、裸かね・・」
「はい、お願いします、邪魔なものは付けないで・・」「時恵・・」
「楽しそうじゃ在りませんか、私は従います」「じゃ、満代もじゃがね」
 本当にそうなった、時恵と満代は互いに脱がし合い、笑われる。
「うふっ、此れがスッポンポンじゃね」三人が裸になる時、戻った玲奈は
唖然と部屋の入り口で固まる。
 「此れ勉~剥がしてしまえ、血祭りに向かうんだ」「は~~い・・」
「え、え、え、え~何々・・、嫌だ~何裸かね、為るから許して・・、
ええ~あんあつぉ・ぉぉ・・そこ其処は~もう遣れんようになるがね、
あんた其処無茶よ、もう顔顔が・・、ああああう~~~~あんた~~~」
玲奈の首には未だセ-タ-が巻き付いたままの姿で・・、豊かな胸が
ゆっさゆさとリズムを刻む様に揺れて股の付け根には勉の頭が
減り込んでいる。
 その光景をニヤニヤしながら見る二人の女性・・、「え、お前・・」
「義母さん、良いじゃないねねね・・」
「ええ、ア、其処嫌だこいつお返しじゃぞ・・」
横で時恵さんと奥さんが真反対の形で引付かれ相手の股座に顔が沈んだ。
二組はまるで修羅の世界、いいや越天楽か、とんでもない事に為りつつ
あるが、何処でもそうは出来ない、此処は特別な家と思えた。
 玲奈は既に我慢出来ずに、勉をまともにに迎え、猪狩上げる中・・、
横では互いに弄り手繰り組みつ解れず愛撫をし合っている。
 五分経過すると、もうテンション上がりっぱなしの玲奈は気が持たない、
何度も上がり詰めて今は気が朦朧とする、そんな中、既に勉は其処には
居ない、同性同士の愛撫の最中に割り入り、とんでもない事を仕出かす。
 下に時恵を犬スタイルで居らせ、上に満代を乗せると同じ格好で上下に
為らせる。
「良いぞ~貰うが、うほう~鏡餅が重なっているが・・、喰らえ~~・・」
とんでもない興奮が二人の女性に舞い降りた。
予想だにしていない事が現実に・・、なんと団子が重なる中に減り込んで
来るおぞましい衝撃、下の時恵は上の義母を支える為踏ん張る中で、
ドスンボコボコと突き入れるでかい物が、中で暴れる、一溜りも無い・・、
喜悦の嵐の中に埋没、其れは上の満代にも伝染する。
上下交互に突き刺さる化け物はなんと二人の女性の常識を木っ端微塵・・、
とんでもない悲鳴を二人は発しながら嫌だとは決して言わない、其れ処か、
有り得ない世界にと向かわせられた二人は、最高な極みの越天楽を・・、
味わってしまう。
横で戻れた玲奈が驚愕、とんでも無い悲鳴を聞かされている。
「・・」唖然してただ見詰めるだけ、その眼には母と時恵さんのいがり
泣く姿だけだった。
 いくらなんでも堪えるには限度が在る、時恵は往くと叫ぶ都度腰砕け、
其れを抱えて元に戻し再度突き入れる、又も直ぐに腰が砕けると・・、
今度は上の満代が餌食、其れも敢え無く陥落・・、ええ~と驚く玲奈を
引っ張り横に寝かせると、此れまた犬スタイルをさせ突き入れた・・、
受ける玲奈は頭を急角度に挙げて・・、良いが良いよ凄い~とその後
泣き喚いても腰だけは勉の方に突き出して受けている。
其れも僅かな時間、三人はほとんど気力は残せない、其れほど強烈な
受け身をさせられていたのだ。
部屋は暖房が聞き過ぎる、ク-ラ-とスト-ブが燃え盛る中、
部屋は人間の肉が熱くなり、最高な気持ちを分け与えられている。
こんな事は到底考えられないが、なんと此処では出来ている・・、
然も相手は年増の年齢の三人、攻撃は若者だが、其れも年が未だ行かない
少年と青年の真只中、横たえながら時々襲われている三人、苦笑いの中で
こんなセックスを味わうと普通のことが出来なくなると思える。
 理解しながらも、其処は辞めたくない、あの上り詰める瞬間の我が身、
嬉々に小躍りする我が体、其の中にマグマが爆発・・、
とんでもなく泣き叫んで飛ぶ自分が最高だと燃えるからだった。
 夕方、何とか食事をするが、其れもこの部屋、誰も邪魔が無いから、
無礼講、そう言ううが此処は扱きの部屋の方が当て嵌まる。
 夕方過ぎても、どこかで蠢くカップル、其れが夜になっても同じだった、
流石に年上の満代は精魂果てて横たえたまま動けない、その体に惨い事、
後ろから突き刺す勉、受けながら息絶え絶え、そうすると時恵と玲奈が
その分受けなくては為らなかった。
 とんでもない仕打ちは、夜中でも思い出したように誰かが襲われている。
朝が来るまで、蠢く姿は終わりが無いと思えた。

           つづく・・・・。






















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・9》

 満代は自分が二十歳で産めば今は子の年だと思うと、気が変に為りそう、
其れだけ年の差と現実は惨たらしいと思える。
 そんな気持でも、今は如何か・・、浴室に入る事を少しためらっていたが、
広間で待機する二人の女性の為にも此処はと、意気込んで向かっていた。
「勉ちゃん、見事だけ~、おばさん感激しているがね・・」
「お願い、何も知らんけ~、教えてくれんさいや・・」
「ああ、いいとも、此れからは、此処の勉強をしようかね」
「良いんですか、お願いします・・」
「はいはい、じゃ上がりんさいや洗うけ~・・」「はい・・」
湯から出る音を聞きながら満代は何時もの満代じゃない、当たり前だ、
こんな物凄いものは見た事も無い、此処に嫁に来る前は、人には言えない
生活をして来た。
食う為に何でもした、無論男相手でもほかの女性の数倍は知っている身、
其れだからどんな事でも怖気着いた事は未だかって無かった。
でも今は如何なのか・・、其れは自分がはっきりと判っている・・、
手が震える程見事なものを掴んだ時の衝撃は半端じゃ無い・・、
其処から動くが何を如何して居る事さえも知らず、自然と昔していた
動きが出ていた。
「ああ~、気持ちが良いです~・・」
「ぷはっ、そうかね、じゃどんどん良くしようね・・」
「お・ネ・が・イ・し・マス~~」
其処から一気に満代は本気モ‐ド、今までになかった意欲が湧き出て来る。
そうなると、母のような年上の満代、破廉恥極まる事も、何でも出来そう
と思え出す。
 既に浴室ではマットに勉を寝かせると、果敢にアナル責め、
腰が浮いたまま震える若い男を舞い上がらせようと、奮闘努力、
其れが功を奏したのか、受ける勉は引切り無しで嘘だ~・・、
奥さん凄いが感じるけ~、其処が良いソコソコが~おおおお・・・・
奥さ~、ああん・・」執拗にアナル責めは豪快、時には優しくねめるが、
受ける相手が吠え捲ると、猛攻撃、舌がアナルに入ろうとする方、
もう二人とも大変、気が狂うほど勉は吠えて居る中、満代は今まで知得た
技を駆使して攻撃を続ける。
その間豊かな乳房は相手に引き千切られそうに引っ張られ揺すられる。
そんな行為をお互いがし合う中、ついに我慢が出来なくなる努が動いた。
 「え、ええ~あんた・・」「待てんが納めさせてくれんさいや・・」
「あんた~・・」粘っこい声が出ると、既に承知の合図・・。
 其処から勉が主役、今迄技の実演は無いが、その分内緒でアダルトを
十数本をPCでストックしている、其れも全て秀逸品、昭和から現在までの
人気な作品を、自分のを扱く時でも利用して、実際は相手にしては
居ないが、興奮する中で画面は聡明に脳裏に浮かんで来る。
 勉が一番好むのは、複数との混じり合い、相手は目け時と頑張るから、
凄まじい光景、無論作品だから演技だろうが、中には本当に往かれる人も
居る、其処は何度も見ているから判って来だす。
今回は今迄溜めていた念願の技を一気に放出と決め込んでいる。
 それが其れが遂に現実となったのだ、既に満代は目を白黒させ、
迎えた大物は、ガッシと膣穴に挿入されて、其の入る瞬間は例えようが
無い程舞い上がり、マットの上で座る若者に跨りしゃがんで要れている。
気が狂った、とんでもない膣穴の充実感は、未だかって知らない。
其れだから、満代はしがみ付くだけ、教えるどころの騒ぎじゃない、
相手が動くままに身を任せ、満代の役目は、いがり叫び泣きじゃくるだけ、
何度も腰を下から突き上げられると、頭が真後ろに落ちて口を大開で
おう~うが~来た来たよ~あんたあんた・・、凄いが感じるけ凄いよう~
と宣う。
其れが直ぐに頂点を目指す我が身、貪欲に何度も上がりたい欲望は、
この男なら直ぐ叶えてくれると知らされる。
「奥さん、穴が気持ちいいですよ・・」
「何でもして~~~な、あんたあんた~、良いが良いよ最高よあんた~、
着て来て暴れんさいやあんた~・・」
しがみついて泣き叫びながらそう呼応する。
 なんとなんとどれ位はめ込んでいるのかさえ判らない、勉か入れた侭
抱き抱えて立つと、湯が滴る体で浴室を出て、満代はしがみ付いて強烈
な刺激を浴び続けた。
とんでもない気が飛ぶ歩き方、総て諸に満代の中に減り込んだものから
電光が体内を駆け巡っていた。
 涎を垂らしてもう声も掠れる中、気が付くと、なんと広間に勉の腰に
足を巻き付けた侭行かれていた。
 「ま~~、なんと派手ね、義母さんの顔見んさいや、時恵さん・・」
「・・、・・」時恵は返事が出来ないほど驚かされる。
この義母がしがみ付いて居るのは、可愛い勉、其れが相当な威力発揮して
居る事が一目で判る。
 「勉、如何や・・」「心地が良いけ、溜まらんが、アソコ柔らかいね、
包んでくれているんだ」「そうか、じゃ良かったんか・・」
「ああ、最高、此れで奥さんと繋がったがね」
「良いね、よくやりんさったね」「未だだぞ・・」
「え~、あんた嘘でしょうがね、もう二十分経過よ・・」玲奈が呆れる。
「未だですよ、少し遣り過ぎたから、奥さん休ませるね・・」
気を失ったまま、床に転がされた。
 「・・、・・、ええ~嫌だ何見てるの・・、まさかえ、嘘でしょう・・、
ねね時恵さん助けてよ・・」「うふっ、行けるんか勉・・」
「まだまだ元気ですよ、脱がして見たい・・」「任せ、脱がそうね・・」
「時恵さんもじゃぞ、此処は平等じゃろう・・」「・・、あそうかね、
じゃ皆と同じ姿に為ろうね、玲奈さん・・」
「ええ、まじ、何で此処でかね・・、ああああ、嫌嫌嫌だ~・・」
 床に転がされ衣服を剥がす時恵、その時恵の衣服も勉が剥がして行く。
 遂に四人とも裸・・、睨む先は、この家の小姑、部屋の隅まで逃げて
居る中、勉が襲い掛かった。
なんとま~甲高い声、悲鳴染みた叫びは何の役にも立たない、
いいや相手が興奮するためには最高に必要かも、寝かされた侭足を大開、
片足をかかえあげて交差、其の付け根に勉は腰を向かわせた。
「嫌嫌いやああああああ~~~~、ああ、あ、あううう~キ・・来たが
きんさったが~、うううわううや嫌や破れるがきつい良い~・・、・・、
うげええ~・・・・入ったが~あんた来ているよあんた来たが~・・」
何とも煩い女性、其れから自分がドンな事に為っているか相手に知らせ、
其れは気を失った時は止むが、戻されるとまた実況放送、
楽しい程強靭で最高な肉を勉は味わうことが出来た。
 其れも僅か十五分で陥落、其処から念願の肉体、忘れていない分、
挑みが激しい、迎える時恵も同じだった。
其処は優しく只今と言いたそうなアソコを挿入、穴に埋めて迎えた、
時恵は仰け反り震える。
其処は三年前とは雲泥の差、衝撃は火山の爆発の様に威力ある。
受けた侭何度も昇天、数度其処に向かうと、抜かれて残る時恵の体は、
痙攣三昧・・。
 そんな時、又も満代が攻撃され出す、直ぐに他の人のを見ているから
舞い上がり往き続ける、他愛無く筋肉が緩んでいく、其れからまたあの
最高に泣きじゃくる相手、玲奈さんに向かい、又も甲高い声を聴く羽目に
為った。
 やりたい放題、受ける三人は遣られ放題、家の中は無残な姿態が三体
転がって、虫の息をされていた。
 勉は桶を抱え戻り、義母の体を最初に丁寧に拭きあげるとされる満代
は泣いていた。
其れから玲奈さん、時恵さんと体を拭かれた。
 盆を持って戻る勉、ビ-ルが運ばれて来る。
其れを冥々に飲ませ、本当に至れり尽くせりの女性陣、受けながら、
又泣き顔で何度も勉の手を握られている満代、抱き付いて震える玲奈、
何度も頷いてくれる顔は涙が零れている時恵さん、本当に一時間半は
地獄と天国絵の行き来だったのだ。
 まだ物足りないのか勉・・、満代さんに向かい、棒を舐めて貰う、
其れが済むと今度は玲奈さんも同じ、またまた最後は時恵さんの口に
向かわせた。
ええ、と三人が同時に叫ぶ、其処には既に寝ている満代の上に被さると、
豪快に動き正常位の極意を発揮、とんでもなくいがり泣き叫んで往く、
玲奈さんも同じ形で瞬時に飛ぶ、時恵さんも同じ正常位で攻め立てる。
これが三十分、合計二時間は抱かれ嵌められている計算・・、
呆れるほどの強靭さに三人の女性は声も出せずに互いを見て苦笑い。
 疲れ切り、三人は裸のまま、暖房が効いて居る部屋で爆睡、
相当な運動量、特に満代は動く事すら出来なかった。
其の横たえる三人を見詰めると、なんと勉はその家から消えてしまう。

        つづく・・・・。
















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・8》

 「時恵無理よ・・」「じゃこの計画から勉を降ろします」
「ええ~、何でね、あれほど推薦していたじゃないね」
「だからですよ、此の子はこの家に使われるほど落ちては居ません・・、
此処はこの家が思うようには絶対為りません。その理由は簡単、此の子の
お婆様はこちらで全員が向かっても太刀打ちは無理でしょう。
計画を聞いてから何度も考え、アソコは絶対変われる、購買意欲が凄まじい
環境、其処には入れ代わり立ち代わり新しい購買客が高校やら、大学にと
集まりんさる、そんな有望な土地ですよ、此方さんの考え通りには行かない
でしょう・・」「ええ、時恵話が違わないかい・・」
「違っていないですけど、でも此処まで掘下げて相談は無かったですよね」
「・・、そう言えばそうだけど、でも最初から爪弾きはしとらんがね・・」
「ですが、中身は話して頂けませんでしたよね」
「其処はおいおいと考えていたんだ、だって刺客が決まらんかったしね」
「刺客だけなら何処でも居る、金さえ積めば広島でホストも居る・・」
「時恵、其処は勘違いだぞ、そんなに刺客を見下りはしていないがね」
「ですか、じゃこの子はどんな扱いですのか、聞き様に寄れば時恵もこの
家を出ないといけなくなりますが・・」
「ええ~お前・・、其れほどまでこの子に・・」
「ええ、最初からはそうじゃ無かったけど、お正月合うと考えが変わり、
其れほど成長していた証拠です」
「じゃ、何か、勉さんをメインに考えているのかね」
「え、そうならないと向こうはびくとも動きませんからね、たとえ囲まれた
敷地がこちら側に入っても、周りは動じません、急に成金に為られたのでは
無いし、其処から悲惨な家族を見て来た人達ですよ。今更目先の良い話に
ホイホイとは乗ってくれないでしょうね」「じゃ如何すれば良いのかね」
「こちらが是非とお望みなら、中身を詳しくこの子に教えて、聞いて判断
させてからでも遅くは有りません」「え、では叶う事も有り得るのかね」
「ええ、其処は義母さん次第ですよ」「私か、何でじゃ・・」
「まず最初に勉をご賞味ください、総て其処から始まる、青年ですが、
一端の大人より、桁が違うのです、其処を見極め味わいながら、義母さんの
考えを自身に聞いて見てはどうかと、全ての話はその後としてです・・」
「あんた、本当に凄い女じゃがね、見過ごすところだったぞ、そう其れほど
肝入りなのね」「そうみて良いと思いますけど・・」
「判った、じゃこれからの事は時恵と勉さんに総て相談して進めようかね」
「そのほうがあちらさんでも動易くなる、土地は大方田中家親族、・・、
二つは残るが、其れも手を廻せば簡単な事、其処で起こす偉大な事業は、
こちら側で幾ら金が用意出来ても絶対叶わぬ事と知ってて下さいね」
「時恵、よう理解出来たぞ、あんたが総て先を見越しての事を腹を括れた
みたいだね」「ハイ、先ほど勉と話しをしている中で確信が持てました」
「そうかね、じゃ仲間じゃ、あんた其れで良いかね・・」
「総て時恵姉ちゃんに委ねます」「おう、言われるね、良い子じゃないか、
玲奈聞いたか・・」「はい、私も金では如何かなと心配していたのよ・・、
其れが先方の若殿様じゃないね、時恵さん、凄いわ、感動したけ~・・」
そう言われた。
 「では如何運ぶんかね・・」「まず最初は肉と心の絆を固めましょう、
此処は既に役者は揃っています、一番はその役者の首実検が先ですよ」
「ええ、じゃ前の話しかね・・」「ええ、義母さん、覚悟してて下さいね、
其れに控える玲奈さんと私も参加致します」
「・・、うぎゃ~何々聞いて居ないけど、嫌よ義母さんと一緒じゃ・・」
「じゃこの計画は降りて頂く事に為るけど、駅前一帯に出来る総合施設、
何でも出来るけどね、惜しいわ・・」
「え、何・・、時恵さん、脅しなの其れって・・」
「うふっ、相取れますか、でも反対ですよ,参加を願っているんです、
考えると私達三人で懸れば都合よく相手も満足してくれるかな・・」
「え、なんと三人、出来ない、無理無理、可愛そうじゃない勉さんが・・」
「さてと其れは可哀そうにはなるけど、其れ相手とは限らないと思うけど」
「いやだ~、こっちは三人、相手は一人、精子を出させれば勝じゃないね,
簡単、ね~義母さん・・」「・・」返事はされないが何か考えて居られる。
 「な~、味わう前で意見が飛び交っても埒が明かんが、如何此処で暴れて
見んさるかね、勉君・・」「そう決まれば嬉しいですが・・」
「何と豪儀な青年じゃ、よし、満代は参加する、時恵さん・・」
「はい、じゃ、勉、此処で総て脱いでお風呂に向かいなさいね・・」
「え、あ・ハイ出来ます・・」何と抵抗せずに時恵のいう事に従った。
 大広間で、然も三人の熟女が見守る中で、一気に総てを体から剥がす様に
脱ぎ捨てる。
 「・・、・・、え、え、え、ええ~~」最初に玲奈さんが度肝を抜れる。
「・・、ま~あ・あ・有得ない事、なんと凄いじゃないね、時恵・さん・・」
「はい、見事でしょう、此れが体の中で暴れんさるから覚悟してて下さいよ、
勉風呂よ・・」「行きます・・」
頭を下げて部屋を出るが、風呂場を探す羽目に為る、其処は大方の予想通り
に有る場所が分かり、向かった。
 「おいおい、時恵、化け物じゃがね、あれ鍛えたんかね・・」
「ええ、其処までとは知らないから、今見てて心臓が止まった、三年前も
でかかったが今見るととんでもない変わりよう、もうあいつは化け物じゃ、
体ごと全てがそうなっている」「・・、此れ玲奈、戻りんさいや・・」
「・・、あああ・・う~ん、もう驚愕よ、何であんな事にしたん・・」
「誰にも負けるなと言聞かせただけよ、でも初めて見たがね私も同じ思い」
「ねね、時恵さん嵌められるとどうなるん・・」
「其処は実際に抱かれてから聞きたいわ・・」
「呆れるよ全く、義母さん・・」「阿保か、お前は辞退するのか構わないよ」
「ええ~、何よその言い方酷くない・・」
「酷いのはお互い様じゃろう、お前は体よく利用しようと考えて居たがね、
其処を見抜かれたんだ、時恵さんが数枚上の策士じゃが・・」
「・・、言えるわ、今は後悔しているんよ・・」
「じゃ、抱かれて謝れば良いじゃないね、喜びが倍増する」「時恵さん」
「ねね、義母さん、お願い、あいつの体洗って下さらない・・」
「ええ、お前・・、あ・そうだね、其処から始めるかね」
「お願い、私しか知らない体、義母さんに任せるからお願い早く行って
下さい・・」何と時恵が義母を追い出す様に風呂場にと向かわせる。
 「時恵さん、如何かこれからも宜しくお願い致します・・」
「うふっ、小姑さんこそ宜しくですよ」「ま~嫌だ~・・」
勉のアソコを見てから玲奈は変わって行く・・。
 其の頃、風呂場ではどんな様子だろうか・・、
時恵は漸く自分達の立ち位置を探し当てた思いだった・・。

           つづく・・・・。




















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・7》

 「只今・・」「・・、あ・お帰り・・・」
磨かれた玄関廻りは無節の桜材、とんでもなく一目で豪華さが見えた。
出迎えられた相手にもだが、最初は造りそのものに驚かされ、今度は相手の
姿に驚愕、其れほど予想より遥かに家も相手も別格、迎えてくれた女性は
身なりも派手で、顔つきも姿もいいや抜き出て美しいと一言で言える。
「ささ、あんたも上がりんさいね、時恵さん・・」「ハイ、行こう・・」
長く広い廊下は姿が映るほど磨かれている、部屋に向う途中の内庭が目を
見張るほど綺麗、冬なのにそれなりに花も咲き、庭園は和風家屋に相応しい
と見惚れる。
 「どうぞ・・」我に返り、部屋にと入る。
「えっ・・」又も驚く勉、部屋で待たれる女性が居られた。
「義母さん、連れてまいりました」「ご苦労さんね、どうぞ座りんさいや」
何と言葉が出ない程勉は慌てる、(此処はなんなんだ、三人揃って美人だし
年も似ているぞ、待たれている方は多少上かも・・、でもそう離れている
とは思えないが、今お姉ちゃんは、お母さんと呼んだぞ・・)
支離滅裂になりそうな心、慌てて指示に従い座る。
「ようきんさった、話は聞いて居るけど本当に若いし、可愛いじゃないね」
「ええ、郷では目立つ男に為りんさったけ~・・」
「だろうね、玲奈コ-ヒ-、其処でぼさっそせんで後で見んさいや・・」
「・・、嫌だ~お母ちゃん、酷い、直ぐに用意するね」部屋を出られる。
「そんでどこまで話したんかね」「え、未だ話す時間が無いけいっとらん
けど承諾させちゃる」「ええ、お前・・」
「任せて、此の子は義母さんの思いを汲んでくれるほど成長して居りんさる」
「そうかね、じゃ、本題も話して良いのかね」
「是非、此の子の将来に関係する話じゃけ」その時恵さんの返事に頷かれる。
だが、可笑しい事に男の姿が見えない家だ、広間は和式、庭が臨める部屋は
最高な造り、互いに威厳さえも醸し出ていた。
 コ-ヒ-が出されて四人は飲む。
「勉、今からお姉ちゃんが薦める事には逆らわずに従いんさいよ・・」
「え、何か有るんか、言い方怖そうだけど・・」「うふっ、度胸試しかな」
「ええ。何其れ・・」「ま~何も教えていないのかね・・」
「急いでいたから何も、只行く所で嫌といんさんなやとは言っていますけど」
「あはっ、其れだけかね、大丈夫か・・」
そんな会話を聞かされるが、なにが何だか未だ皆目知っていなかった。
「勉さんよね・・」「はい・・」「あんたは大学二年生か・・」
「あ、其処は此れから二年に上がる年ですが・・」
「ま、そうね、じゃあんたには勉強も有ろう、此れからの話しも序に聞いて
参加できるなら、こっちは助かるけどね」
「どんな事ですか、お姉ちゃんの願いなら聞きたいけど無茶な事以外なら」
「無茶はどんな事指さしんさる・・」「其処は暴力とか、盗みですかね」
「あはっ、そうかね、じゃ其処以外なら出来そうかね・・」
「・・、でも色んな事が有る、ハイと言えんが、出来る事なら努力します」
「良いわ、そう来ないとね、時恵、合格よ見た目はね、で如何なんかね、
アソコ・・」「ハイ聞きますと、未だに鍛えて居ると・・」
「ええ、そう、じゃ相手は・・」
「それが、なんと恥ずかしいけど私以外とは未だと・・」
「ええ、二年半も経過しているじゃないね、無いんかね」
「聞くとそう応えました」「何と、勿体無いぞ、相手を掴んで磨けば良い
ものを、でも大学で其処は忘れているのかね・・」
「其処も違うと、今も訓練はしていると・・」「ま‘じゃ可能性は・・」
「其処は未だ実物を見ていないけど、此の子は嘘は付けん子ですけ~」
「そうかそうか、じゃ其処は信じてと、玲奈如何・・」
「ええ、私か、如何って、若過ぎない・・」
「見てくれはそうなろうけど、中身で勝負じゃろうがね、相手は強かぞ」
「ですよね、じゃ玲奈は良いけど・・」
「決まりか、時恵、時間を上げるけ、中身を話してごらん・・」
「はい・・」そんな会話を聞かされた。
 時恵は勉を連れて部屋を出て別の部屋に入る。
「良いかね、此れから話す事は性根を入れて聞いてね、此れはあんたにも
影響する話だし、如何してもあんたに参加してもらいたい事は間違いない、
だから話す事をよく聞いててよ」「うん、嫌、はい伺います」「良い子ね」
 其処からいきなり本題に入られる、其れは何度も耳を疑う事だらけ、
信じられないとさえ思える話の中身だった。
 二十分間、一言も口を挟まずにいる勉、其れだけ有り無い事を聞かされ
ているのだった。
「え、じゃじゃ僕は・・」何と漸く其処で声が出た。
「そう、あんたのアソコで狂わせてくれないかね、相手は強かさでは名が
知れた家と女性、でも今は藁でも掴みたいほど困っておりんさる、この家
に知合いが来て金の無心、其れで中身が知れた訳よ」「でも、僕が・・」
「其処、あんたの家とも関連が有ろうがね、先様の持つ土地は、あんたの
家が首を振らないとどうにでも出来ない代物じゃろう、銀行も融資したい
が、ひも付きだと断られて居りんさる」「でも回りは確かに家の土地が
多いけど、親戚のも有ろうがね」「其処なんだ、だからあんたが先導して
くれれば周りはしたがいんさろうがね」「ああ、其処か・・、でも私道
ってそんなに強いんか・・」「そう、周りは全部あんたの親戚の物だし、
其処は昭和の半ばからマンションが立て続けに建てられている・・」
「そうなるね、でも道って他に無いんかね・・」
「無い、有るのは二か所、マンションだけど有るよ・・」
「あ、其処は親戚から手放されている場所だよね」
「そうなのよ、でも其処は既に手配済、内緒だよ」「ええ、じゃ・・」
「そう言う事、袋小路、袋の鼠・・」「・・」言葉が出て来なかった。
有得ないほどの計画、其処を射止めると今度は実家の自分の家に話しを
持ち込むと時恵は言った。
「でも、計画は凄過ぎないか・・」「其処が、誰もが出来る話じゃない、
この家とあんたの家が合体すれば叶う、大変なプロジェクト、だから
今からあんたが噛めば、五年後は大変な事になる、其処に立ってくれる」
「ええ、お姉ちゃん、本気か、僕未だ大学生だよ」
「だから、今からだろうがね、訓練よ、世の中を渡り歩くには都合がいい
試練じゃないね、時恵を踏み台に上がりんさいや、其れが私の夢なんだ」
「・・」驚く話を耳にし、勉は動けなくなった。
 あの祇園の駅前を再開発される話、目当ては袋小路の土地、其れさえ手
に入れば、後は勉の家と親戚で囲まれている敷地だった。
幸か不幸か、大事な土地は袋小路、左右に伸びる道は半分は田中家の所有、
何度も市から道を買わせてと懇願されたが、断っていた。
だからその土地は半値以下、田中家が首を縦に振らないと身動き出来ない、
唯一有るのは、二つのマンション、其処は親戚が土地を売った相手・・、
其れが買えれば叶う事だが、其処は如何も良い返事が貰えていないと知る。
あれやこれやで、身動きどころか破産寸前の相手と知らされた。
「お姉ちゃん・・」「良いね撒餌はこの家の玲奈さんがしんさる、あんたは
言われるままに動きんさいや、でも性根を入れて懸れ、相手も強かぞ・・、
寝床で遣っ付けんさいや・・」「ええ、お姉ちゃん・・」
「阿呆、男でしょうがね、勝負はする時は褌を外すのよ」「ええ~・・」
言い方が笑えるが、顔は真面目その者、其れほど此処も熱を入れていると
知らされた。
 部屋の電話が鳴る、「はい、そうですね、じゃ連れて行きます・・」
「・・」「あんたは此れから修羅の道を突っ走るのよ、そうすると先が見え
だす、此れはあんたの最初の試練に為るかも、でもすると進めるよ、本家も
驚きんさろうけど、結果良しなら大万歳でしょうがね」
「・・、うんそうなるね」「じゃ頑張るのよ、行くよ待たれているし・・」
従うしかない、勉は会うまでは抱けると喜んでいた自分が・・、
今じゃ恥ずかしかった。
 最初の部屋にと勉は向かう、同じ場所で座ると・・、なんといきなり勉が
腹を据えたのか正座して頭を下げる。
「え、あんたまさか、ね時恵・・」「見ての通り、覚悟出来たんでしょうね」
「何と今は無理かと呼んだんだけ・・」
「ええ、私もそうなるのかと、でも今見ているとなんか勉の体から電信が、
感電して寒気がします」「なんと、そうなるのかね、じゃ進められるか」
「それは今後のお母さん次第かと・・」「ええ、私か何で・・」
「此の子は、最初はこの家の大御所を抱いた後と思って居る筈です」
「ええ、何々あんた、まさか・・」
「そのまさかです、今まで見ていると息子の浮気も夫の女遊びも許して
おられる中、何で義母さんは男を求めないのかと不思議です・・」
「時恵、アンタ・・」「ええ、図りました、勉に家ごと面倒を見させよう
と決めているんです、無論この家もですがね」「ええ、あんた・・」
「嫌なら、此処で話を切りましょう、其れほど此の子は値打ちが有るんです、
心根と裏切らない強い気持ち、アソコは誰もが及べないに場所に誘い込んで
くれる物、偉大さはあれから鍛えて居るなら、鬼に金棒・・、持続も桁違い
ですのよ、賞味して戦場に送り出して頂きたいです」
「時恵、あんた其処まで・・」
「ええ、正月見た時、この子と将来同じ道を歩いて見たいと、夢ですがね」
そんな事をお姉ちゃんが言ってくれた。

             つづく・・・・。























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・6》

 正月三が日が過ぎると冴美と母親は一度大島にと帰られる、
冴美は学校が始まる前に、此処に戻る事とし、
四日の朝横川迄勉の母の真澄が送る。
その日見送ると直ぐに勉の姿が消えた、無論車と共に・・。
 其処には理由があった、新年の挨拶に集まった親族、その中に時恵さん
と父親の姿が有る、僅かな隙に時恵は勉にメモを手渡している。
其れに従い電話番号を書かれたメモで電話した後、出て行った。
 何で親族なのに抱き合いがいとも簡単に出来ているのか、叔父や叔母や
従妹はとこは血のつながりが有るし、この世では無い事は無いが、
避けるべき獣道、今でも親子とか兄弟で近親相姦などは珠に有るが、
好ましい事じゃ無い。
 だが、勉は如何してと思えるが、其処は時恵さんから話された事で、
其の柵は消えている。
今でこそ親族と名をつられられるのは血が繋がる事が条件、
だったらなぜ時恵はと訝るが、其処は此の中国地方で昔あった事が原因、
はるか昔から昭和の半ばころまで、契約子供と言う特殊な繋がりが有る。
其れは、昔は小作人と土地持ちとの差別や世の中での違いが生じていた。
田中家でも三人契約子供が結ばれているのだ、その一つに山根家、
無くなる筈の契約だが時恵の家だけが残っていた。
通称契約っ子と言われる関係は何故出来たのか・・、其処には小作人の
辛い部分を多少たりとも和らげる約束、役場に申し出れば受け付けて
くれていた、其れで公に親戚扱いをしてくれる。
 小作人は当時本当に苦しい生活を余儀なくさせられている。
生活資金も儘為らない状態で生き抜くのだ、だがどうしても道具や、子供が
出来た時など、そうして家族が病気など、金が必要になる時が出て来る、
そこで公金や金融関係に金を借りるには後ろ盾が強固でなくては成らない。
その時、どこそこの契約子供だと言えば、時間を懸けずに金が借りられる
仕組み、其れだけ土地の名主や不動産を持っている家が、親となっている。
其れが契約子供の仕組み、頼母子講とは意味合いが違うが、急な時には必要
なつながりとして昭和の半ばころまで続いている。
其れが亡くなったのは、農地改革が施行されると消えていった。
 だが、山根家は真面目な人が多い、然もどんな時でも昔の名主様だと
駆けつけてくれる、そんな家だから、今まで通り契約子供、すなわち親戚
付き合いが続いて来て、そんな事で血こそ繋がらないが、
田中家と山根家は未だに親戚とされていた。
 そんな関係の中で三年前に勉と時恵は結ばれていた、言いようはどうに
でも出来るが、二人は七歳も年が離れている、未だ勉は中学二年生の時期、
人に言える関係じゃ無かった。
無論主導は時恵、手慰みの仕方を教えようと勉を誰も居なかった時呼んで
家で、風呂場でと教えていた。
だが、其処は間違った道にと嵌り込む二人、勉は興味が在り過ぎるし、
手習いを教える側の時恵は時間潰しでもと軽い考えで動いている、
だが其処はドツボにと邁進する理由が有る、あまりにも立派なアソコを持つ
勉、最初から時恵は我を忘れて本気に為らされた。
その関係の延長で、遂に時恵は勉をわが身にと誘いこんでしまった。
其れが其れが余にも二人との男とは違い過ぎたのだ、経験は僅か二人しか
知らない体の時恵、相手が悪すぎた。
 とんでもないでかさと強靭さに我を忘れて行く・・、
一度善がり上げる我が身の味は忘れられない、時々人目を盗んで逢瀬を
重ねる時期が有った。
一年半、体は大満足、だが悲しいかな、時恵に縁談が舞い込んでしまう。
広島で喫茶店のウエイトレスをしていた時分のお客、店を辞めると金に
物を言わせ、時恵の里を知り、仲人を立てて、其処で一千万の金を積んで
嫁に来てと頼まれたのだ。
 それが正確には二年半前の事、時恵は嫌々ながら、家の事情も考えると
直ぐに承諾、其れが結婚の中身だった。
 以後、勉にも音沙汰無で来ていたが、今年の正月、家に年始で来た折に
メモを渡してしまう。
其れが勉が向かう中身、都合を聞かれ勉の都合に合して会おうと言われ、
直ぐに嫌じゃ無いから勉も返事する。
向かう先は初めての場所、東広島市、其処の街に時恵は嫁いでいた。
 時恵さんが嫁いだ先は祇園の我が家と同じランクと聞いて居る、
無論昔はドン百姓,だがその場所も祇園と似て成金百姓、嫌本当は祇園の
ようじゃない、それ以上の成金群・・、其処は空港が出来ているし、
おまけに高速道や山陽新幹線と昭和から続いて二束三文の山や畑地が目が
飛び出るほどの金額を運んで来た。
一度と言わず二度三度と、其の地の周りは雨後の竹の子状態、
見渡す限り成金の家となって行く。
 同じ土地でも値段は都会と田舎じゃ天と地の差、其れでも莫大な敷地が
必要な空港や新幹線の駅回り、高速道とんでもない場所に大変革、
そんな所が東広島の地元、其処え今勉は向かっているのだ。
 待ち合わせ場所は駅前の喫茶店、何とか時間通りには到着する。
全く何も無かった場所に、とんでもない街が出来上がり、呆れる程未だ
周りは更地が目立つ、其処はまだまだ開発の余地を残す地と思える。
喫茶店のドアを開けると、直ぐに相手が手を挙げて歓迎される。
「御免・・」「ううん、会いたかったし・・」そんな挨拶で座り向き合う。
「・・」「・・」二年半は長過ぎる、発育途上の若者には味わった感激は
生涯忘れる事は無い、其れが今目の前で座る女性、時恵さん・・。
「ねね、あれから如何女性関係・・」「え、無い無い、未だ其処までは」
「ええ、まじかね、何でしんさらん・・」「ええ~お姉ちゃん・・」
「だって、勿体無いがね・・」「あはっ、そういんさるんか、相変わらず
凄いわ」コ-ヒ-を飲みながら懐かしさとアの行為は忘れる事ない相手、
本当に合いたかった女性だった。
「ねね、此れから連れて行くけど、驚かないでよ・・」
「え、何処にいきんさるん・・」「家よ・・」「え、家か拙かろうが・・」
「うふっ、其処は後よ」「後・・」
「そう、紹介しておかないと後あと面倒になるけ~・・」「面倒か・・」
「そう、あんたを育てた罪と欲望は未だ残っているし、あれから無いなら、
益々意欲が湧いて来るがね」「お姉ちゃん・・」
「待って、良いね、家では驚かない事、紹介したい人がおりんさる」
「え、会うんか・・」「そうよ、此れから必要な相手に為る筈、あんたの
将来にも必要よ」「僕にか・・」「其処は後でね、追々と話すけど先ずは
初対面で驚かそうかね・・」「・・」
「あのね、聞くけど、アソコはそのままかね・・」「え、意味が・・」
「鍛えてはいるの・・」「え、そうなるけど・・」
「じゃ未だ育てているんだ・・」「だって、お姉ちゃんが薦めたんだぞ」
「うふっ、相変わらず可愛いわ・・」そう言われる。
 「行こうか相手が待って居るし良いわね、時恵の言う通り行動するのよ、
躊躇うと拙くなるし・・」「何か有るの・・」
「大有りよ、今後のあんたの道が開けるかもよ・・」
「ええ、意味がよう判らんが・・」
「後で思い出しなさい、もう大人になっているんだから、何もかも相手に
縋りんさらずに、自分で考えて進みんさいや・・」「お姉ちゃん・・」
「良いから行くよ」二人は喫茶店を出ると時恵の車に従い勉は付いて走る。
 駅前のロ-タリ-を廻り山手にと向かう、なんと直ぐ家に到着、・・、
唖然、祇園の家に引けを取らないでかさと豪華な庭、本当にここにもある
のかと驚かされた。
 駐車場も広く五台分はスぺ-スが有った。
時恵さんに従い階段を上がる勉、予想を遥かに超える家にと向かっていた。

           つづく・・・・。
































窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・5》

 平成二十一年が来た、年末は違う意味で賑やかに年越しが出来る。
其れも此れも全て新加入の冴美ちゃんの御陰だ、若い子娘がいるだけで家の
中は明るい、姥桜と其処に猛進する母親では、どうしても暗くなるが・・、
今年の正月は大変化、元旦の朝神社に揃いお参り、御節料理を囲で食べるが、
独りはしゃぐ冴美、なんと年越しまでは、奮闘、勉の母親につきっきりで、
お節料理を手伝う、その姿が面白いのか婆ちゃんも常に傍におりんさった。
  だから正月の御節は大変、「此れはこうして作ったの、冴美は此れだけ
任されたの、此れは見てただけ、でも楽しかったよ」
そんな具合で勉は合槌をしながらだからおちおち食べておれなかった。
其れが面白いのか婆ちゃんと母がお腹を抱て大笑い、そんな元旦が終える、
今度は違う意味で家の中は大騒ぎ、なんと二日は此処は田中家の本家、
挨拶に親族が集まる、其れに出させようと、母と婆ちゃんが大騒ぎ・・、
其処には田舎で名残か、母が成人式に着た振袖、其れを引っ張り出して、
冴美に着せようと騒がれている。
別の部屋から時々見る勉は苦笑いする。
今迄は何でも勉が主人公だった、だが今回は其処の座を有無言わさずに
奪われて、だけど悪い気はしない、反対に背負う責任が無くなり安堵も
している。
 「勉~見んさいや、まるでお人形さんじゃがね、・・」「・・」
返事が出来ないくらい言われた通り、母の大切な思い出の晴れ着、
保管が良いのか新品と見間違うほど綺麗、其れに袖をを通す冴美の体が、
此の着物の花柄を際質せるに十分な威力が有った。
 「なんと~・・、誠に合うがね・・」
「お婆ちゃん、見てみんさいや、此れ凄い綺麗よ・・」
「わが家の遺品じゃがね、冴美に取っていたようなもんじゃ真澄・・」
「ええ、見惚れます」本当にそう見える」着た本人は喜んで手を横に挙げ
回り、其れを眺める母と婆、家の中は今日も明るい兆し、此れから集まる
親戚連中はどんな思いで見るのだろうかと、其処は興味が在った。
 午前十時前後、来るわ来る来る、家に入る手前の空き地には豪華な車が
並んで行く。
祇園が開発され出してから、此処は一層絆が太くなってきていたのだ。
参加される人が、いち早く冴美を見つけ驚かれる、その様子が可笑しいのか
婆ちゃんがご満悦、膳が並べられる中、冴美も手伝うと言うが、婆が駄目、
親戚の相手して居りんさいと手を出させなかった。
其処を見た皆は、家の中で重宝がられていると知る羽目に為る。
 遅れて午前十一時、なんと瀬戸内海の大島から、冴美の母親が来られた。
 生涯忘れる事は無いだろう、集まる親戚の人たちの驚愕する姿・・、
とんでもなく田舎とは言え、冴美の母親は際立って美しく抜き出ている。
まるでサトイモやジャガイモの中で輝く異物、太陽の子マンゴウに例える程
姿が抜き出ていた。
暮に冴美と電話をされ、二日に来てと冴美が頼み今年はこの家で正月迎える
と娘に言われている。
何とか住所を書いたメモを握り、横川からタクシ-を婆が手配され、
其れに乗って来られた。
 大広間の手前の廊下で座り、深々と頭を下げて親戚連中に挨拶。
皆が感動し、直ぐ冴美の母親だし仲間に入れられる、其処は本家の威力か、
総てが嬉しい、楽しいお正月にと、花が加わったと大騒ぎで歓迎された。
 美佐江は、挨拶を終えると、母と婆にしがみ付いて大泣きされる。
其処は娘がこんなにも大事にされている現場を見ると、誰しもがそうなる
だろう、特に美佐江は感動して、長い間涙が零れ、うす化粧が落ちる、
でも其れでも素顔はまた違う意味で綺麗だった。
 役者が揃う、平成二十一年度のお正月、宴会が始まった。
其処に三年ぶりの時恵さんの顔も見れる、親戚だから当たり前だけど、
事情が違う、時恵さんは既に十二月の当初から、実家に居たと後で知る。
何故かと訝るが、其処は勉も気に為った、だけど誰も時恵さんの事は話しが
出て来ない、既に承知なのか、親戚の人達は何も言われないで宴会が進む。
 午後三時過ぎ、広間は大変な事に為り出す、特に男連中は顔を真赤にして
踊るやら、カラオケで下手な歌を披露し、冷やかしながら楽しまれる。
 其の頃は既に婆の差配で、喧騒な広間から、冴美と母親の美佐江さんは
居られなかった。
 午後五時過ぎには、自分達の家に帰られる、其処で今度はその家の人が
集まり宴会だと聞いて居る、正月はこんな感じの田舎、
何処でも大なり小なり、顔合わせは行われていた。
 「ご苦労さんじゃったね・・」
「婆ちゃん、有難う、凄く良かった、写メたくさん撮った・・」
「ほうか、其れは良かったね、お母さんお疲れでしょう・・」
「いいえ、この度は・・」「良いからそんな形ぐるしいのは好かんのじゃ、
あんたはお客様」「え、冴美は・・」「この家で女の見習いだろうがね」
「あ、そうよね、じゃお正月は・・」
「普通なら、後片付けをするんだがのう・・」「着替えたから行けるよ」
「ええ・・」「良いわ、おばちゃんもおりんさるんか・・」
「キッチンで居るが」「じゃ手伝う」「正月じゃ良いよあんたは・・」
「お母ちゃん・・」「あのう、何でもやらせて頂けませんでしょうか、
此の子は世間知らずで、そう言えば私もですが・・」
「そうかね、じゃ好きに動きんさいや、疲れたら、此処に来い・・」
「は~い・・」跳ぶように着替えているから部屋から消える。
 婆と美佐江は苦笑いする。
「あんたの家は・・」「はい、夫は今回戻れないと・・」
「そうかね、じゃ少し此処で骨休めしんさいや、話も有るし・・」
「大奥様・・」「嫌だ、その呼び方好かんのじゃ、昔ならいざ知らず、
今は平成じゃろうがね、婆で良い」「でも・・」
「いんや。其処は譲れんぞ、婆で呼んでくれんかね」
そんな会話から、いろんな話を二人は外が暗くなっても続いていた。
 勉と言えば、既に家には居ない、友達と飲み会だと祇園の街に出て
行っている。
 家の喧騒も終えると、親戚の婦人達も、婆に挨拶されて帰られた、
部屋では既に母と婆と美佐江さんが炬燵に入り込んで酒を飲みながら
世間話、冴美はよほど疲れたのか、炬燵に足を入れて寝ている。
 こんな調子で正月二日目は終えようとする。

            つづく・・・・。



























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・4》

 家で話しをしていると、誰かが来られる。
「おい、さっきお前を尋ねて若い男がきんさったと聞いたが・・」
「ま~、其れでかね、此処におりんさるが・・」
「・・、ええ~あんたかね、何しにきんさったんか、借金取りなら金なんぞ
無いぞ」「え・・」「もう、聡子さん早とちり、この人そんな人じゃ無い」
「ま~御免なさいね、この家は親戚でのう、主が留守じゃろう、其れに子は
器量良しじゃがね、気を付けてと頼まれているしな・・」
「もう聡子さん辞めてよね、恥ずかしいじゃないね、座れば・・」
「ふ~慌ててきたけ~、喉が・・」
「冷蔵庫に有るが、アンタ其れ目当てじゃろうがね」
「うひゃ~、お見通しかね、だがな、今回はそうじゃ無かった、色々と噂が
有るしな・・」「ああ、お父ちゃんの女かね・・」「ええ、美佐江・・」
「知っているけど、今は外国じゃ・・」笑われる。
 「そんで用事は何ね・・」そこから気が許せる仲間なのか、娘の話を包み
隠さずに話される。
「何と、あはっ、冴美がかね、あいつよう遣りんさるわ・・」
「笑う事じゃ無いけえね、この方の家が偉いご迷惑かけているんよ」
「そうか、じゃ真面目に話を気かなあなるまいのう・・」
話す相手が二人に為った。
 其れからも娘の話が中心だが、来られた女性は豪快な人、聞けばこの家
とは縁続き、夫の外国航路に行かせたのもこの人だと聞かされた。
「じゃ、何か、あんたの家で下宿かね・・」
「そうなると、真っ先に此方さんに伺い了解をと言われてきました」
「そうかそうか、暮の忙しい中、よう来ちゃんさったね」
「あんた、態度急変・・」「当り前じゃろうがね、冴美の将来が懸っている
大事な年ごろじゃろうが・・」「ええ、私の子供だけど・・」
「何、其処はええがね、面倒を看るし、今後もじゃが、金は無いぞ・・」
「え~、聡子さん呆れる」本当に意味が通らない事でも平気な顔されて、
ビ-ルを飲まれる。
 色々な話をその方から聞き出せた。
今この家は夫の仕送りと、僅かな小遣い稼ぎにと聡子さんの家が商う、
瀬戸内のタコ漁を手伝っていると聞かされる。
「なんとそうでしたか、ここ等のタコはブランド品ですよね」
「関西ではそうなっている、でもよ昔より上がりが悪いしな、女がする仕事
じゃ無いけど、仕方が無いがね」そうも言われた。
 次第にその人が加わり、話の変更は無い、今後どうするかが話合われる。
 「じゃ、美佐江一度この方の家に伺い挨拶が先じゃろうが、聞いてお願い
だけじゃ、相手に失礼だぞ」「だよね、其処を考えているのよ」
「え、其処は良いです、こうして預かる事を許して頂けただけでも・・」
「そうは行くかね、美佐江今年は後僅か、新年でも挨拶に向かいんさいや」
「そうする、其処は既にそう考えて致し・・」そんな話を二人でされていた。
 だが、勉に聞かれるから総て本当の事を話す、すると聞かれる二人は
驚かれ出す。
「ええ~・・、じゃじゃあんたの家で総て賄ってくれると・・」
「はい、婆ちゃんからはそう聞いて居ますが・・」
「おいおい、美佐江これは不味いぞ・・」「え、何処がね有難いがよ・・」
「阿保じゃのう、そうなれば全て向こうさんの思う通りに為るぞ」
「え、意味が・・」「待ちんさい、其処を考える、言ううから慌てさせるな」
ビ‐ルを飲まれて、勉を睨まれた。
 「・・、はは~ん、先方の魂胆見えたりじゃね・・」「え、魂胆って・・」
そこから聡子さんの仮設の話が始まった。
 「ええ~そんな事あり得ません、僕は此処に居ますから断じてないと断言
致します」「ええ、あんた、そう此処で断られたら、後で冴美が怒りんさる、
なな、仮の話しだろうが・・」「そうとしても、冴美ちゃんにも失礼だし、
僕にもですよ、恩を着せて家に囲おうなど失礼でしょうが、冴美ちゃんに、
僕にもですが・・」「・・、あんた謝ってよ、酷い事いんさる・・」
「うん、少し言い過ぎたがのう、結果そうなるぞ」「ええ、聡子さん・・」
「考えて見んさいやあの子は器量も良い、まだ子供だが其処で育てられたら
先は、な考えろや・・」「先はどうなるか判らん、でも聞いたら、冴美に
とって其処が良いと思えるんだけどね」
「そうかもしれんが、先には有り得るって事・・」
「それはそうなれば致し方ないし、相手がこの人なら良いと思える」
「ええ、美佐江・・」「そう話を聞いて居る内にそう思え出した、責任感が
ある人だし、何よりそうならない内に、此方に来てくれて如何かと伺われて
いるじゃないね・・」
「そりゃ~そうだけど、そうか美佐江は此の青年を気に入りんさった・・」
「言過ぎよ、もう途中から出て来るから、話がややこしくなる、良いわ、
美佐江が先方に伺い、ご挨拶がてらに中身を聞いて来る」
「そうか、じゃもう何も言わんがアンタ娘みたいなもんだ、あの子を頼むね」
「ええ、僕は連れて戻っただけですし、後は家のもんが・・」
「だからじゃ、後ろでなな・・」「ええ・・」
声色が変化し、頼まれ出す、可笑しな女性だった。
 如何見てもこの家の母親とは雲泥の差、でも力仕事は熟せる体と思える。
「じゃ、邪魔したね、今年は向かわんのかね・・」
「え、年明けといんさったのはあんたじゃがね」
「そうは行ったが、決めごとして年を迎える方が良いとも思える」
「もうなんね、あんたは・・」苦笑いされた。
 しかし考えると、この女性が飛び込んで来られて、
事の周りを固め練込まれた気がする、其れほどまとめる力が有ると見える。
「では、行くにも、年を開けるにも、一度向かいんさいや、後で聞かせて
くれんね」「ええ、総て知らせるけえね、心配かけて御免・・」
「うんや~、何でも賑やかな方がええけ、ここ等は錆て来た、いいや其処も
通り過ぎて、ガタピシと戸迄もが動かんぞ、若者は逃げて行くし、この島も
今じゃ半分も残っとりゃ~せんがね、じゃね、あんた御免、冴美頼むよ」
そう言われて家を出られる。
 夕方過ぎて、周りは真っ暗、寒いからスト-ブが燃え盛る中、
冴美さんに母親が電話される。
横でスト-ブを見ながら聞いて居る勉が居た。
 長い電話だった、途中で怒る声も出ていたが、全体的に、母親らしく娘の
言い分を聞かれる、この島に残りたくても現実は無理、何も無いし、
仕事は海を相手する事、女性には向いて居なかった。
 「勉さん、有難う御座いました、冴美が泣いて嬉しいと・・、本当によう
拾うてくれたね」「ええ・・」
「だって判る、有ん時に現れたのは何かの縁じゃろう、氏神様だと思える」
「大袈裟な事、僕は何もしとらん、家の母と婆ちゃんが、冴美ちゃんに
惚れ込みんさって、朝起こされて行けと、そう言われただけです」
「でも、良かったあんたで・・」
「ええ、其処は如何かな、鬼か狼に戻るかも・・」
「うふっ、そうなる人は言わんけ~ね、其処は隠しんさろうがね・・」
「え、言えますね・・」二人で笑っていた。
昼過ぎは海が荒れていたが、今は波も静、本当に穏やかな瀬戸内海を見る。
庭で仰ぐと、曇っていた夜空が今は真綺麗な星空、
キラキラと輝きながらまるで星が息をしているかのように煌めいてた。

                   つづく・・・・。




















窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・3》

 翌日朝早く目が覚める、其処は自分では起きていない、
婆ちゃんに起こされて縁側に座った。
色々と話しを聞かされる中、冴美を此処で面倒見たいとまで言われる。
此の家は勉だけ、女の子が欲しかったとも言われ、
「そんでな聞いたら母親若い、写メ見たんかね」「ううん、見ていないが」
「それがな、とんでもない程の美人じゃ、そんじょそこらでも見つけられん
ほどの器量じゃ、肌は陽に灼けているが中身は最高と見たぞ」
「え、婆ちゃん・・」「な、お前は約束した通り、後二年は大学じゃろう、
その後は良いか婆と約束、二十五までは遊んでも構わん、誕生日に為ると、
もう仕事を作るんだ、良いな其処だけは約束したぞ」「婆ちゃん・・」
「そんでな、お前は未だ女を知らんだろうが・・」
「当たり前じゃがね、大学に入って間が無いじゃが、何で聞きんさる・・」
「其処でじゃ、最初の女性が肝心、冴美も良いがあいつは未だ小娘・・、
だが良い顔と根性と体つきは見逃せんぞ、良いなやがてお前が料理しんさい、
其処まではわしらが面倒を看る」「ええ・・」
「だがな、其処は結婚は別じゃ、あの子が良いならそんでも良いが、其処は
わしが言った通り二十五までは結婚は考えるなや、其れで遊んで鍛えんさい」
「鍛えるんか、何処を・・」「阿保垂れが、何抜かす、アソコじゃろうが、
男が一番肝心なのはアソコ次第だぞ、誰もが思うが口に出さん、体の中じゃ
其れが一番じゃ、女のわしらが断言しちゃる」「婆ちゃん・・」
「だからな、大島は大切にして置きんさいや、わしらで出来る事はするけ~
のう、勉、遅くは無いぞ、今から其処の道を突走れ、後で考えると偉い財産
になっているからな・・」「婆ちゃん・・」
「良いね、二十五までは遊んで鍛える、其処からは表を歩いて進むんだぞ、
そんな頃婆は生きて居らんだろうが、遺言として勉に言い聞かせているんだ」
「婆ちゃん、早くないか・・」「うんや~、遅いくらいだが、高校生で卒業
と思えたが、真澄が言うに未だと・・」「ええ、お母んがか、酷いぞ・・」
「心配しているんだがね、口には出せん事じゃろうが、判るな」「・・」
呆れるが、其処迄心配をかけていると今更乍ら知らされる。
 処が、婆も母親も知らない部分が勉には有る、無論今出ている話にも関係
するが、既に勉は童貞じゃない、其処は中学生で捨てている。
母も其処だけは知らない、勉は口が堅く相手も其処を見込んでの事、
同じ部落の女性、今は既に結婚されてて、部落には居ない、遥か遠い青い
青春をその女性と共に数歩歩んでいたのだ。
中学三年生の冬、其れは偶然に起きた事故みたいだったが、何故か相手が
その後隠れて勉に連絡し、逢瀬を重ねる。
まだ子供の勉をいっぱしの男と見る相手は普通じゃない、だが如何せん其処
だけは秘密なら誰も知らない世界、禁断の園、其処で相手の女性は感極まり
善がり泣き叫ばれ続ける、其処には勉のアソコが物を言った。
中学二年生から友の悪仲間で競い鍛えて来ているアソコ、既に尋常な代物
じゃない、だが其処で異変が起こる。
なんとその悪友の姉が知る事となり、覗く中で唯一でかい物を目に
飛び込ませてしまった。
無論其の持ち主は勉、其れから思案して姉の時恵は待ち伏せて車に乗せ、
祇園町を出て一路横川方面のラブホの中に消える。
 最初は戸惑う勉だったが、一度経験すると、もう其処は底無し沼、
抜け出る事は敵わなかった、だがその友の姉は強か、身を与え善がる中
でも、勉をたたえながら、勉強と共に鍛えんさいと、吠える、其れほど
見込みが有る証拠、今度会うときは愛撫、次は技と持続方法等、
いろんな宿題を言いつける程減り込む、其れが普通の勉強も倍ほど頑張り
んさいと嗾ける女性、わが身が小躍りする中でも常に相手を褒め称え、
お釣りを嫌ほど我が身に浴びせ、恍惚三昧、年は七つ上の出戻り女性、
だが、其処を認められたのか、良い家に再婚として迎えられている。
 其れが三年前の事だった、最後におうた夜は泣きじゃくり、
頑張ってのし上がりんさいや、何時か合って褒めたいしねと囁かれる。
それがどれほど力になったか、勉は其処から俄然奮起、猛勉強を始める、
其処は家でも母も婆も知っているが、何で様変わりしたのかは到底理解
出来ていなかった。
 太田時恵二十四才、それ以後一切連絡はなかったが、忘れることが
出来ない相手、然も初挿入の相手なのだ。
 そんな事を思いながら、婆に言われて車で走る、向かう先は瀬戸内海の
島、既に呉を通り過ぎて海が臨める道にと出る、右手には冬の瀬戸内、
然も寒々とした海の色、内海だが波は激しい、特に渦を巻く流れ
は特有、有名な観光地として淡路付近では遊覧船が走る。直ぐに真白い
吊橋が見えだす。
尾道の手前の国道からその高速道の橋に乗り上げると爽快・・、
本当にテレビでもサイクリング道としても報じられるほど美観、
道横にはサイクリング用の道が作られている。
本島から二つ目の島が大島、其のインタ-から車は降りる。
 橋の上から全島が見える程の島でも、ここ等では一番大きな島、
其処の道を裏側に向けて走ったが、交差する車は見当たらない程道は
ガラ空き、スム-スに走れた。
 「あ、ここ等辺だぞ・・」等々到着、車をゆっくりと動かしながら
窓の外を伺う。
 向う側から女性が歩いて来られ、直ぐに車を止めて尋ねた。
「え、そうかいのう、其れはあんたまだ先じゃけ~、此の島の裏側じゃ、
赤い屋根が見えるけ其処じゃ・・」丁寧に教わり頭を下げて車で向かう。
(そうか会えるな、写メは見せてはくれんかったな・・)
そんな事を思いながら遂に到着、直ぐ車を降りて庭に向かい歩いた。
「あ、ここだ・・」中井と表札が消えかかる字でも読める。
「今日は・・」声を出しても応答は無い、車が有ると聞いたが見えない、
どこかに出掛けられたと思えた。
庭先が海、三メ-トル位の高さで石垣が積まれる家、年代物の家と判る。
庭先で座り海を眺めていた・・、すると庭に軽が滑り込んで来る、
慌てて振り返り相手を見て頭を下げた。
「今日は・・」「あ、はい今日は・・、どちらさんですかいのう・・」
「ハイ、僕は広島の田中勉と申します」
「え、そんな方が何か用事ですかいのう・・」
「ハイ、ご相談が有ってきました・・」
「内にか、何か悪い事じゃ無いだろうね、お父ちゃんが留守だし困るけ~」
「いいえ、困る話じゃ無いし、聞いて頂けませんか・・」
そこは未だ馴れていない勉、冒頓に言っても相手は用心される。
「・・」「あのう、この家の娘さんの事で来たんですが・・」
「ええ、じゃ冴美かね・・」「はい・・」
「何か悪い事した、あいつは飛んでいる部分が有る何か起こしたんね・・」
「いえ、そうじゃ無い、お願いですゆっくりとお話がしたいだけですが」
「ほうかね、じゃ家に、外は寒かろう手、どうぞ・・」漸く許しが出た。
 部屋では暖房は点けられて息がし易くなる、其れほど外は寒かった。
 「で、何かね・・」「はい、お話しますね」
なんとか其処までは漕ぎ付けた。
三十分話し詰め、驚かれるまま聞いて頂いた。
「ま~じゃあの子は部屋が、なんと聞いて居ないから、そうかね・・、
じゃあんたが、有り難い事です、もう冴美は捕まえて怒ってやります」
「ええ、其処は辞めて下さい、最高に確りされたお嬢さんですよ・・、
母も婆ちゃんも見惚れて、性格も良いし、会った瞬間婆ちゃんは惚れたと
いんさる」「あらま~、あの子が、信じられんけど、今はお宅の家に・・」
漸く顔色が変化、ほんのりと赤身が出て来ると、勉は絶句・・、
美しいより妖艶さが抜群、あの最初の女性の時恵さんでも完敗・・、
小顔の所為かも、背はそう高くは無いが、見応えがある姿、海で鍛えられた
のかは知らないが、普通の姿じゃ無い、だが出る場所は立派に張・・、
言い難いがお尻も張っている、一番は顔、最高に纏まる顔は見応えがある。
 娘の居所が判ると安堵され、話がし易くなる。
「じゃ、何ですかいのう、冴美はあんたの実家でお世話になろうとしてる
んですか・・」「そう言う事、其処の認可を頂きに参りました」
「ええ、態々かね、年も迫っている中、お忙しいだろうに・・」
「ええ、僕は暇ですよ、学生ですから」「ええ、貴方様は、大学生・・」
「ハイ二年生ですが・・」「そうか、大人びておりんさるから・・」
「でも未だ子供ですから・・」謙遜していったが、言葉に納得されて、
少しがっかりする勉が居た。
 でも話は続いて行く・・。

             つづく・・・・。



























窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・2》

 部屋で勉は本気で相手の話を聞いて居る、冴美も話がし易いのか、
今迄と違って話を聞かせてくれる。
 「ええ、じゃじゃ何かお父さんは船乗りかね・・」
「前もそうだったけど、橋が出来るとお払い箱・・」「え・・」
「渡船の船長・・」「ああ、じゃじゃ橋の為か、成程な、で今は・・」
其処からも意外な事を聞かされた。
 「ええ~じゃじゃ外国巡りの貨物船かね・・」
「うん、色々と免許が有る無線関係も航海も・・」
「成程な、そう言えば有り得るな・・、でも寂しいじゃろうが・・」
「一年間、三月だけおりんさる、其れも合計よ」「何と、そうなるんか」
「それが良いといんさる、金を使わんし、波止場では少し叩くだけと笑いん
さるが、お母ちゃんは如何せ女買うんでしょうと・・」「ええ・・」
「だって溜まるもんね・・」「お前な・・」
「え~お前なの、冴美じゃ無いん・・」「あのな憎たらしい時はお前じゃぞ」
「はい、お兄ちゃん」「こいつ」益々冴美の可愛らしさに毒気が抜かれ出す。
「じゃ、お父さんは幾つ、序にお母さんは・・」
「序でかよ、良いわお父ちゃんとお母ちゃんは八歳差が有るの、船で尾道に
仕事に向かう母を見初めたといんさる」
「そうか、良いな通勤途中で恋が芽生えたんか・・」
「無理やりよ、聞いたら驚いたがね」
「色々有るさ、其処もな、お前もやがて身に染みる事が起こるぞ・・」
「ええ、じゃ、もう嫌だ、染みたく無いけいね」「あはっ、笑えるな・・」
本等に快活、今の立場を思えば気が重い筈、相手は頑丈そうな心を持合わせ
ているのか、微塵も見えて来なかった。
「じゃ計算すると、冴美はお母さんがいくつの時出来た勘定に為る・・」
「え、言うの・・」「ああ、聞きたい事は返事するんだ・・」
「ええ、脅迫か・・」「そう聞こえるか・・」「うん・・」
「じゃそうなるんかのう」「呆れた、お母ちゃん冴美を生んだのが二十歳」
じゃ抱きおうたんは十九か・・」「そうなるよ・・」そんな会話もする。
「生活は・・」「其処は万丈、お父ちゃん給金は六割振込まれているの」
「六割・・」「そう、後はお父ちゃんの旅中での必要資金だって・・」
「あはっ、其処は理解出来そうだよ」「判るん・・」
「ああ、男は色々と必要だしな、そうかじゃ家庭は円満かね」
「え、其処も・・」「言いたくなければ良いぞ」「言いたくないんだけど」
「じゃ話すな・・」「はい・・」勉は本当に良い子だと思え出す。
会話もそうだけど、話していると人の好さと可愛さが増す、
其処だけは芯からそう思えた。
 「な~今夜は如何する・・」「如何って、泊る所無いし、今からじゃ
友達にも頼めんしなあ~・・」「じゃ、家に来んさるか・・」
「家ってマンションか、危ないよ」「あはっ、小娘が危ないか・・」
「だってお兄ちゃん男じゃないね」「そうだぞ、女に見えるんか・・」
「阿保らしい見えんから駄目と・・」「じゃ如何する・・」
「如何するか、ビジネスホテル・・」「泊めてくれるか・・」
「学生書有るし、何とかお金も足りる」「じゃ、其の後は・・」
「お正月郷に為るのかな・・」「帰れるんか・・」
「何で其処迄心配しんさるんかね」「可愛いからな、心配なんじゃがね」
「有難う、じゃじゃ泊めてよ、お金勿体ないがね・・」
「そうか、じゃそうするか・・」「ええ、本気か・・」「何でや・・」
「うん、気が良いお兄ちゃんだと感じたけ~」「阿呆狼かもしれんがね」
「其処自分でゆうんかね」「え・」「黙ってそうなれば良いと思うけどな、
言われると部屋に行かれへんと思う・・」
「そっか、馴れていないからな、御免な・・」「ううん、安心出来る」
そんな会話をしていた。
 「ええ~道違うよ、国道は後ろでしょうが・・」「・・」
「ねね、お兄ちゃん・・」「黙ってて、考えているんだ・・」
「ええ、嫌なこと考えているんか・・」「嫌な事って・・」
「え、其処は言われんけどな、そうかなと・・」「ま、任せろ」
「え、お兄ちゃん・・」「良いから直ぐに判るがな・・」「・・」
会話は其処で途絶えるが、冴美は勉が信用できる人と思えて来た。
 「ここ等辺りや」「ええ~何で田んぼが仰山有るがね、なして・・、
祇園でしょう・・」「ああ、此処からは百姓の館群・・」
「ええ、変なの館・・」「ああ、でかい家が多いいからそう呼ばれている、
別名成金街じゃね」「うふっ、相呼ばれているんか・・」
「ああ、他人からはそう聞いて居るが、あと少し見えて来ただろう向かい
の小山の上・・」「・・、ええ~白壁か・・」「ああ、囲まれているね」
「何で・・」昔から身代の保持に見栄じゃと・・」
そう言いながらその白壁の中に車が入る。
「お兄ちゃんお兄ちゃんでかいがね、此れ・・」「ああ、生まれた家・・」
「ひえ~何とでかいお家・・」「着いたぞ、来て・・」冴美は勉に従う。
 「おや、今日は戻る日かね・・、え何方・・」
「おかん、紹介する、中井冴美ちゃん、年は十七才、今突然部屋を失った
矢先拾って来た・・」「ええ~お前意味が、拾っただと、阿保垂れが、
人様のお嬢さんをなんて事言うか・・」
「あ、御免、手っ取り早いかと路頭に迷うていたんだ、紙屋町でな・・」
「ええ、広島のか・・」「友達と一緒の部屋だったが、追出されたと・・、
学校は精美学園高校二年生、郷は瀬戸内海の大島、以上、後は任せるけ」
「任せる、ええお前・・」「だから、今夜泊めてやってよ、僕の部屋じゃ
拙いだろうがね・・」「・・、アあそういう事か、ふ~吃驚したが、
冴美ちゃんか・・」「ハイ」「良いわ任せて、勉は如何するん・・」
「追い出すんか、婆ちやんが怒りんさろうが、顔を見せんと帰れるのか」
「それは駄目じゃろう、奥におりんさる、いいや出てきんさろう手・・、
ほら~・・」「なんじゃ、わしの事かね、大きな声じゃから幾らなんでも
聞こえるが、アンタが冴美ちゃんかね、上がりんさい婆の部屋に御出で」
「はい・・」「良い子じゃね、真澄、夕ご飯頼んだぞ・・」
「え、お母さん・・」「煩いぞ、何や可愛い子が難義しとりんさるんだが、
何も聞かんでも任せと言えんのかね」「其処は、お母さんに相談と・・」
「そうか、偉いぞ、わしは耳が未だ良いけ聞こえたが,泊めるぞ・・」
「はい、其処はお願いしますけ~」母が婆ちゃんに頼んでくれる。
 奥の部屋では婆が冴美と話をする中,居間では勉が母親に経緯を話す。
「ま~そうかね、可愛そうに、良いわ任せて・・、でも良いのか里・・、
もうお正月に為るけえね」「其処だけど、俺が一人で行こうか・・」
「え、お前偉い力が入るね」「え、そうじゃ無いが、行きがかり上」
「はいはい、そうして置きますか・・」「おかん・・」「何・・」
「・・、え何でも無いが、じゃ夕ご飯食べる」「良いわ、用意する」
なんとかそう決まった。
 夕ご飯に為ると婆ちゃんが娘を連れて食堂に・・、
「勉、お前もう少し女性の扱いを教えんと行かんけ~、真澄、お前が確り
と教えんと、こいつ駄目じゃ・・」「はいはい・・」
「一度の返事で済ませろや・・」「はいはい・・」
「こいつ聞いたかね、あんな大人になりんさんなや嫌われるけ~ね」
「ええ、婆ちゃん、其処は違うと思うけど・・」「何でじゃ・・」
「だって、会話の間合いが最高よ、息が合っている」
「あはっ、お前は賢いがね、判るんか・・」「其れくらいはね・・」
頭を撫でられて並んで座る。
 久し振りに実家での夕食、今夜はお客が居るから賑やか、勉は婆と
冴美ちゃんの会話で笑いっぱなしだった。  
だがだが、この冴美ちゃんは強かな女の子、もう婆と母を丸め込んでいる、
本当に呆れる程、夕ご飯が終える頃、家の中は冴美で仕切られそうに
なりつつあった。
 「勉、如何じゃな、此の子此処から学校に通わせたいが・・」
「ええ~~~婆ちゃん・・」「駄目か、わしの楽しみを潰す気かお前は何て
孫じゃ・・」「ええ~・・」
呆れて声が続かない勉、其れを母親が見て大笑いされた。
「おかん」「うふっ、賑やかで良いし、私の体が開く、持って来いじゃね」
「ええ、じゃお母んも其の気か・・」「ええ、願っても居ないよ、可愛い子
だし、話が旨いし、婆ちゃんにも負けないけ~楽しいわ・・」
「こいつはのうわしが痛めつけると言いふらす様な悪い子じゃぞ」
「婆ちゃん、其処は行けんのよ、我慢しんさいや、寝て助けてくれんより
ましと思いんさいや・・」「冴美・・」
「だから、此処に居れるなら、冴美が面倒を看るけね、お母さんも此れから
時間が空くから趣味でも楽しんでくださいね・・」「ええ、冴美・・」
何と婆と母が名前を呼び捨てにする。
「往々、そうか、じゃあんたアルバイトせんかね」
「え、アルバイト、何するん・・」「此処で婆とあいつの相手と手伝いじゃ、
花嫁修業を自ずから習えるぞ」「ええ、じゃ良いのか・・」
「ああ、一日二千円渡す、あんたの小遣いにしんさいや・・」
「ええ、月に六万円、駄目駄目貰い過ぎ半分にして・・」
「ええ、お前は欲が無いのう・・」
「違うけ~、其処は有るし、でも此処じゃ無体、寝るし食べるし、其れに
余計なお金じゃないね、其処を言っとるんよ」
「うひゃ~、聞いたか真澄・・」「ええ、素敵な子ね」
「だろう、じゃ任せるかねわしらに・・」「はい、存分に扱いて頂きます」
「ええ~冴美ちゃん・・」勉以外は大笑いする。
 十二月二十七日、遅くまで家の中は明るい、勉は既に自分の部屋で寝て
居る中、居間では未だ話に夢中の大きな年齢差が有る三人の会話は続く。

                 つづく・・・・。
























★本日初回★窮慕小説106弾《漆黒の迷路・・初回》

         【第一章・・漆黒への道筋・・】

(遂に卒業出来たぞ・・)勉は大仰な校門を後にして歩き出す。
平成二十三年三月・・、漸く大学を終える、長い日々だったが、
いろんな経験をさせて頂いたと、今じゃ感謝のみが残っていた。
 思えば四年前、広島の此の大学に母親と共に来たことが懐かしいとさえ
思える、其れほど学生時代は波瀾万丈、本当にそうだった。
幸いにも勉は恵まれてはいる、実家はソコソコの家で産まれているし、
父親は勉が大学に入る前にガンで亡くなりはしてるが母親が気丈夫な人で、
おまけに煩い婆様が後ろに控えているから、家は其れで安泰、
学生時代は何不自由無く過ごせていたのだ。
どれも何もかもが勉が苦労しないで卒業できたのは家の御陰、此れからは
そうは言って居れない事は既に婆様から言われて居る事、だから、
卒業を良いにつけ悪いにつけ、学生と言う特権はもう世間で通用しないと
弁えさせられる。
 生意気に車で通う身分、駐車場にと歩いて行く・・。
 「お兄ちゃん・・」「・・、あはっ、家政婦さんか・・」
「もう何、未だ言っているがね、人が聞いたら本当とおもいんさろうがね」
「悪い悪い、出迎えか・・」「どんな顔して卒業出来たんか見たくてね」
「阿保か、普通じゃろうが・・」「見たいね、残念・・」「こいつ・・」
相手は二歳年下の女の子、出会いは意外だったが、忘れもしない平成十九年
の暮れ、車で走っていると広島の路面電車の停留所、路面を走る電車だが、
今じゃ有名な乗り物に為っている。

 紙屋町と言う広島では繁華街、其処の停留所で≪歩道側に在る≫
しゃがみ込んでいる少女をライトが照らした。
午後十時前、乗った事は無いが、確か終電かとも思える時間帯、ライトに
浮かんだそのしゃがんだ姿が気に為ってて前で車を止める。
其れに気付いたのか、俯いて居た顔がライトに現れる。
「・・・・」無言で勉は固まってしまう、其れほど強烈な印象と可愛さだ。
窓を開けて怒鳴る様に言う。
「何してる、時間が遅いだろうが、御腹でも痛いんか・・」
ううんと言う代わりに顔を横に振る。
「じゃ為してしゃがんでおりんさる・・」「寒いからよ・・」
「あはっ、そうかね、安心した・・」「・・」睨まれる。
「帰るんか・・」「そうだから電車待って居るがね・・」
「あはっ、言えるのう、じゃな」「ええ~、何で止まりんさったん・・」
「え、気になったからだよ」「じゃ、家は何処、電車有るんかとか聞かんね」
「ええ~・・」その言い方に驚いた、「・・」今度は勉が睨む番・・。
 「ね、そうでしょう、か弱い女性が夜中に居るんよ」
「うふっ、言えるけど、其の剣幕じゃ安心だが・・」
「阿保らしい、早う行きんさい・・」手を振りバイバイと言う仕草をする。
勉はいったん、十メ-トル位走り急に止める。
 「送ろうか・・」「・・」返事は無かったが、でかい荷物を持って車に来る。
「なんじゃ、でかい荷物じゃのう・・」「・・」
其れには返事せずに後部座席にと乗り込む。
「家は何処・・」「あっち」「・・、え~餓鬼じゃ無いし、どこらへんじゃ」
「横川の傍・・」「傍か、まええか、行こう・・」車を走らせた。
 これが最初の出会いに為る、名前は中井冴美と言った、
年は後で知るが二歳年下だった。
 広島の横川は少し走る事に為る、其処は何時もの帰り道に為っているから
造作は無い、直ぐに横川付近に到着、「来たぞ、何処や・・」「・・」
「な、返答せんのかね・・」「言えないがね・・」
「え、あはっ、男だからか相手がね・・」「そうじゃ無いが、帰る部屋無く
なっているんだ・・」「無くなるって・・、どがしてそうなったんか・・」
「友達の部屋だし、今日から都合が悪くなるって・・」
「ええ・・、じゃ部屋は・・」
「帰られんがね、だから、アソコで如何し様と悩んでいた、家に帰ろうか
如何し様かと・・」「ええ、じゃほんまなんか、連れは友達かね・・」
「そう、彼氏が出来たからと・・」「・・、あはっ、そうか邪魔か・・、
成程な其れも有な・・」「他人事だから笑いんさる」
「え、御免な、でも家は何処に為るんか・・」「え、あんたにゆうの・・」
「え、駄目か・・」「・・」「まええか、御腹如何・・」
「空いているがね、生きているもん」「だなようし、飯でも食べるか・・」
「え、お兄ちゃん・・」「おう、良いぞその呼び方で良いがね・・」
そんな会話をしながら車は走った。
 「ああ~何、祇園じゃないね、うひゃ~奇遇よ・・」「え、何で・・」
「だって冴美の高校此処よ・・」「うひゃ~じゃ、其れで横川か・・」
「そう、最初は一人寄宿舎、友達から誘われて出て、其処で住んでいた」
「じゃじゃ、ここ等は沢山女子高が有るけど・・」
「そうね、冴美は中学から大学まで・・」「ああ、済美学園か・・」
「当たり、よく知っているね、何かあるな・・」
「あるかそんなもの、有れば嬉しいけどな・・」
そんな会話をし、行きつけの食堂に顔を出す、其処でたらふく食べさせる。
 「勉・・、可愛い子ね」「ああ、捨て猫同然で拾うた・・」
「え、何なんで、本当かね・・」「あはっ、顔を見んさいや、怒っている
がねおばちゃん」「ま~御免よ、冗談ばかりいんさるけ~困るがね」
「ううん、今日は本当にそんな感じだから良い」「あんた・・」「冴美」
「冴美ちゃん、住まいは・・」
「おいおい、もう喋るな、此処じゃ拙いけ~のう・・」「うん・・」
黙ってくれた。
腹が膨れたのか、お礼を言って店を出る。
 「お兄ちゃんの部屋近くなんか・・」「ああ、直ぐ其処」「何処・・」
「目の前じゃがね、ほら・・」
冴美は唖然と佇んでしまう、其れは目の前のマンションが有名、祇園では
最高級と持て囃されているし、自分の学校の女子大は多くの女生徒がこの
マンション系列に住まわれているからだった。
 「入るか・・」「・・」返事はしなかったが、従う相手、エレベ-タ-で
最上階、自分の部屋にと入る。
冴美は饒舌だったが、エレベ-タ-から部屋まで一言も話さない、
其れほど驚いた様子なのだ。
 此処は自分の親戚と手を合わせ作っているマンション、此れとは別に
女性専門のマンションも数棟持っている。
早く言えば遥か昔から百姓の家柄、親戚も然り、広島市に近い祇園は、
随分と前から、ベットタウンとして開けて来る。
 昔、昭和の頃、此処にでかい鉄工所が有った、名が知れ渡る会社だけど、
あの戦争の中、空襲にもそう被害は少なくて済み、原爆が投下されても,
黒い雲が見えるだけ、無論大きな地震に似た振動は起きたと聞いて居る、
しかも横川くんだりまでは原爆で黒い雨が後で降った地域だとも聞いて居た。
其れをここ等じゃピカドンと言われている、そんな事も有った地域、
生き残ると、此処は最初、其の工場を解体し、引っ越し、跡地を住宅地に
再開発、其処が発端でこの祇園は瞬く間に人が集まり、住宅地として最適と
各所から言われて開発が目白押し、本当に話を聞いたら呆れる程日替わりに
町が変化していったと、今じゃ伝説、そんな話を聞かせながら、
勉は冴美にコ-ヒ-を差し出す。
 「そうか、じゃお兄ちゃんの家は裕福なんか・・」
「成金じゃしな、そう言われても嬉しゅうないが、生活は楽じゃが・・」
「だろうね、家と大違いじゃけ~・・」「冴美ちゃんは何処ね・・」
「うん、もう言っとくけどな、知らせんといてよ」「言わないが・・」
「あのね、瀬戸内の島、今は大橋が繋がっているから便利・・」
「ああ、じゃ瀬戸内大橋、然も島を繋いで四国に行ける・・」
「そう、だから今は便利だけどね、子供の頃は渡船で本国・・」
「あはっ、そんな大袈裟じゃ無いけど、そうか島かね、どれ・・」
「ええ、大島よ・・」「了解、家は中井じゃったな・・」
「お兄ちゃん・・」「何、此れから如何しんさる、住む部屋が無いじゃ
困るだろう、郷には知らせんのかね・・」「・・」
「おいおい、冗談じゃ無いぞ・・」
「だって、今迄嘘ついていたんじゃけ、困る」「ええ、まじか・・」
 そこから渋々と自分の周りの事を勉には話してくれる。
「ええ~じゃじゃ、手紙類は転送か、電話は携帯か、成程なそれじゃ実家は
判らんよな・・」「・・」
「でも、此れからはそうは行かんぞ、今回でそんな生活切を点けろ・・」
「ええ・・」「ええじゃないがね、又宿なしで・・」
「だからどっかお部屋借りる」「金は・・」「お母ちゃんに頼み込むけ~」
「・・」そんな事まで話しをしてくれる。
 事が重大、先ず腰を落とせる自分の部屋が無い、冬休みだから良いものの、
来年は如何するんだろうと気に為り出した。

              つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・終節》

 既に四十を越されてはいるが、中々其処は人より違う姿と、
あの貪欲な求め方、然もなんと心地良い事か、呆れる程肌が粘りついて来た。
意外な事を聞かされるから、一段と、此のグル-プに興味が湧いて来る。
海を眺められる部屋で、今までの事を悦子さんから聞いて居る。
「ええ、では大阪で・・」「そうよ、苦労されて来た、六年間も二十人近い
女性と頑張っておりんさったんだ、其処でためたお金が資金、でもその資金
には蟻のように集る人が出て来ている。多くの仕事を現地の人々にと・・」
「何と、物凄い話ですね・・」心から澄人はそう感じる。
色々と夫々の道が有るんだと思え出す、其れに比べ自分は如何かと思うと、
嫌になるほど普通、家族が死を代償に残してくれたお金と財産、
其れを上手く使おうとだけ考えていた自分が恥ずかしいとさえ思え出す。
 暫くして話を終えると動けないほどの衝撃を浴びている、
其の男性の凄まじい人生の道、親が自殺されて由縁を何とか敵討ちだと
決め込んで、大阪で体を鍛え上げたとも聞く、其れに携わった家族が今
ボスの周りに居るんだと知る。
(成程な・・、そんな繋がりもこの世では有るんだ・・)
そう知ると、澄人は其処までは及ばないが、行く道は決して周りの人に
迷惑は無いし、その人たちが、経ち行く道を造れば良い事だと思い知る。
本当に山陰に来て大正解と思える、伝説のボスの話も聞いたし、牛の事も
勉強になっている、一番は猛者の女性と知り合えたことが最高に良い。
これからの事はどうなるかは判らないが、この地の人とは離れているが、
関りは持ちたいと澄人は願っていた。
 二日間、おじさん達には会えなかったが、別荘に戻られた時の顔は笑えた、
本当に満足されたのか、今迄とはまるで違うおじさん二人、
牛を飼う三瓶山にと三人は向かい、其の脚で一度戻る事にする。
悦子さんには又何か手伝う事が有れば、駆け付けると約束して、
五日間の滞在は、めいめいが有意義な時間を過ごせていた事になっていた。
 十月に入ると、澄人の近辺は騒々しい、本当に、山陰から戻ると遣る事が
多くて焦る。
おじさん達は、飛騨での牛を育成する事にだけ、力を注いでと頼んでいる。
自分は如何かと、其れは名古屋での店、調べて、探すしかなかった。
 「うん・・」携帯が鳴るから出ると・・、「ああ~尚美さん・・」
「尚美さんじゃ無いがね、十日も居ないんだからね」「御免なさい・・」
謝るしかない相手、あの敬之さんの娘さん、知り合った御陰で今度の仕事も
捗っている、大事な女性だった。
 午後三時半、部屋に向うとだけ言われた。大急ぎで片付けと掃除を済ませ、
本当に慌てていた。
「良いわ、綺麗じゃないね・・」来て部屋を見渡して笑われた。
「ねね、澄人さんの御陰で、お父ちゃん、大変なんよ・・」
「え、何か有りました・・」「うふっ、あんたも狸よね」「狸ですか・・」
「ええ、母が大笑いしてそういったからそうよ、似ているが~と親子で
大笑いしてたのよ、傑作ね・・」
話しを聞くと、山陰から戻った後、母が驚いたと娘に告げる。
「あのね、お父ちゃん、蘇ったと・・」「蘇る・・」「そう、夜の時間・・」
「・・、あ~じゃじゃ・・」「今迄はとんとなかったことが出来たと・・」
「何とじゃ良かったですね」「其処は如何かな・・、母は良いと言ったけど、
後ろめたさでかと思えるんだ・・」
「あのね、其処は考え過ぎないで、結果良ければそれで・・、ねねっ・・」
「澄人さんと出るとね、戻ると大変、貴方の話しばかりなんですよ」
そんな話をされた。
 其処から肝心な話に移行、尚美さんのお客様で建設業をされている人が
居ると聞かされ、その人に大まかの話を伝えたとも言われた。
相手は、夢のような話だ、是非わが社にと反対に懇願されたと言われる。
 場所も探すと、然もこれからもお付き合いを願いたいと尚美さんが中継ぎ
にと頼まれたとも聞かされる。
「良い、そうか願ったり適ったりじゃがね、良いよ、探して頂くか・・」
「良いわね、じゃ進める、計画書も変更を加えて、頑張るね」
一層目が輝き、眩い女性、本当に出会って、次から次と繋がりが出来て行く、
飛騨は別だが、名古屋では心強い女性にとなってしまう。
 其処にまた携帯が鳴る、出るとあの伊豆の玲華さん、とんでもない程声が
飛んでいた。
何と飛騨の里に一人で来ていると、聞いて唖然、あの喫茶店の沙代里さんを
尋ねて行かれていると知る。
澄人にはに三日したら来てと言われただけ、電話を切ると、暫し茫然、
部屋では未だ尚美さんが、別の部屋で何か片づけをされている。
 (なんと、俺は何しているんだ・・)
至る所で動かれている人々、其れは何もかもが澄人が噛んでいる事、
何とか整理して繋げて仕事を完成する事が大事だと思われ出す。
名古屋もあの御器所の義理の親子、悦子さんと真美ちゃん、此処に居られる
尚美さん、名古屋で地固めが未だ万全ではないと思えた。
(そうか、じゃ地固めが先だな・・)
そう思うと、澄人は何か心に決めて様子・・。
何から何までまだ一つも充実はしていないと判った、そうなると遣る事は
見え出す、株も然り、女性達もそう習いながら突進もうと胸に刻んで覚悟。
これからは、あの山陰のボスを見習おうと・・、冬には其処に伺いに行くと
決めて、今は住んでいる場所で立位置を固める事が大事と判って来る。
 山陰でもう一人の悦子さんに言われた事が脳裏に残っている。
【女性は、相手次第よ、何処でも同じ、出来るならする、貪欲に事を望む
のは誰もが持っている、其処を磨き外に羽ばたかせるのは男の甲斐性・・、
出来る様にフイ―ルドを作りさえすれば暴れられるからね、頑張ってよ
ボスの弟さん・・】苦笑いしながらその言葉を思い出した。
 素直に習い、事を進める事が肝心と知らされる。
高蔵寺のおじさん達と伊豆の人々と名古屋の仲間、此れで進もうと決断。
(まず手始めはと、おう此処に居るがね、最高な女性が、逃がさんぞ・・)
決断後の澄人の顔は晴れやか、此れからの苦労は出来ると決めた様子だ。
 隣の部屋に向う姿は、此れからの共に歩く女性立ちえの確認か、
押し付けかは判らないが、既に向かう部屋では、驚く相手が居る。
 間も無くこの部屋は、驚愕し泣き叫ぶ尚美さんが居る事に為る・・、
決まったみたい、今後も地固めに一度総ての女性を廻ろうと決めた秋の
昼下がりの部屋の中・・、今から澄人のゆく道が、楽しみになる部屋の午後、
既に聞こえだす女性の悲鳴と感嘆・・、其れが澄人が望む道となる筈、
強かな女性を表に出して暴れさせることが、使命と決めた澄人だった・・。

             完・・・・。


















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・58》

 ビールと枕二つ抱えて愛華が岩上に戻られる。
「此処で徹夜じゃがね・・」「うふっ、タオルケットも持って来た・・」
「良い、お前は名古屋に向かえや、そこで店を開かれる、手伝うんだ」
「はい、喜んで向かう」「良いぞ、聞いたかね遠藤さん・・」
「え、遠藤・・ですか・・」
「うふっ、そう呼ばないと澄人さんと言えば肉が又変化しそうなんじゃが」
「ええ・・」呆れるが、直ぐに笑顔の変わる。
「私ね、今迄色々と身を割いて来たけどね、ボスに合うまではへなちょこ
ばかりだった、九年前お金の問題で会うたが最後、ドツボに邁進していた。
其れがボス何じゃがね、有り得ない程身が泣き叫んで喜ぶから嵌った・・、
其れからボスが歩く後の整理をしながら、商いを少しづつ増やして来た。
牛や、デリバリ-の日常の品も・・、そうして小さなバラの栽培、
挙句にボスが始めた、落合での桃源郷、それと大阪でのアンテナショップ、
無我夢中で走って来た。総てボスの為にと・・」
「おばちゃん、聞いて居るけど、凄いじゃないね」
「あ、人生如何変わるか判らんぞ、あの時僅かな金でおうた人が今のボス、
その後は付いて歩くだけ、でも後の尻拭いは確りと役目は済ませて来た」
「聞いて居る・・」「それが、なんと今夜は如何、初めて自分から挑んで
いるじゃないかね、信じられんほどの事を、思うとしたことに驚かされて
いるんだよ」「おばちゃん・・」
「だがのう、思うと、其れも今までのご褒美と弁えて居る、其れほどボス
に似た威力を認める」「おばちゃん、じゃ・・」
「この人は都会で羽ばたける人物と見た、ボスは此処で縄張りが出来ている
しね、もう四十を超えた今は、守るしかないと思える」「じゃじゃ・・」
「ああ、其処は其れで良いと思えるんだ、此れからは、育つ若者の将来を
見据えて、悦子も頑張る」「おばちゃん・・」
「お前は、名古屋でこの人を援けるんだよ」
「うん、頑張るけど、判らん事は教えてよ・・」
「ああ、いつでも連絡しんさい・・」そんな会話をしながら、悦子の手は、
澄人の棒を握り離さなかった。
 それが災いして、又も岩の陰の広場は獣の雄叫びが夜空に遠吠えの様に
広がって行く・・。
 午前三時過ぎ、澄人は大満足して疲れる体を横たえて爆睡、
朝がしらける事も知らず、寝込んでいる。
「お母ちゃん、見てて・・」何か話声が聞えるが澄人は目を開けたくない
 「ま~お前、此れは・・」「でで、デショウ凄くない・・」
「ボスに負けんぞ・・」「そうなのよ、悦子おばちゃんが夕べ此処で・・」
「え、じゃお前・・」「うん、頂いた其れで話したでしょう、将来の事」
「じゃ、この人に・・」「決めた、決められたのかな、でも今じゃ愛華が
決めていた事を知ったんだ」「・・、そうかね、で如何・・」
「ボスは知らんけど、おばちゃんが物凄いと・・、太鼓判・・」
「うふっ、そうかねじゃ起こして、家に連れて来なさい・・」
「お母ちゃん・・」「頼む事も有ろうが、今の仕事を伸ばしてでも連れて
来るんだよ」そう言われて、岩から帰られる。
 別荘に昼前に漸く戻る澄人、既に食事の支度は出来ているが、
連れが見当たらなかった。
「お帰り・・」「あ、悦子さん・・」「何きょろきょろしんさるんか・・」
「え、連れが・・」「ああ、其れは観光を兼ねて外出、石見銀山観光と、
其の後は温泉津温泉じゃがね」「ええ、聞いて居ないけど・・」
「今言いました・・」「ええ、悦子さん・・」
「うふっ、あれほど良い事受けたんだよ、連れも少しはね・・」
「え、意味が・・、ア、ああ~じゃじゃ・・」
「そう、だから安心して食べんさいや」「・・、・・」唖然とする、
既に出かけた先が読めるからそうなる、本当に化物は悦子さんと知る。
 悦子は既に愛華から話を聞いて居る、其れで連れを外に出して時間
稼ぎとなったのだ。
そんな事は梅雨知らず、美味しい海鮮を食べ尽す。御腹が一杯と苦笑い
する中、悦子さんとコ-ヒ-を飲んでいる。
「牛は総て連れの友達に任せると良いがね」「うん、そう感じた・・」
「じゃ、あんたは未だ此処で地固めしてよね・・」「ええ、地固め・・」
「あの子の家、相当なんだけ~、議員さんの実家・・」「え、では・・」
「そう地元の偉いさんだけね、ボスも其処だけは手が出せんかった」
「・・」「そんでね、愛華を連れてあんたと、判るでしょうがね」
「では、先が有ったんだ・・」「ええ、大有よ、伊達に抱かれる事は無い
がね、私たちは同じ事で身が結ばれて来ているのよ」「じゃ、仕事関係」
「其処は後で生まれた事、先は皆ボスに・・」「何と、凄いがね・・」
其処から今迄の話を具に聞かされる。
 「良い、男女の繋がりは幾通りも有るけど、肉体関係はどれよりも強い、
相手が凄い男なら尚更よ、其れで何もかもが流れて育って行く、女と男
だけの世界じゃないね、仕事絡みは卑怯と皆がいんさるけど、結果其処に
入れない人が嘆いて言われるだけ、商いが順調に為れば文句は無い、
此れが田舎も現状を持ちこたえる原動力、だから何も言わない言えないの
よね、今の田舎は目を覆うばかり、すたる部落は多くなっているし・・、
ここ等は既に見捨てられた地域、其処を頑張らせる力は、あのボスだけと
思えるのよ」そうも言われる。
「都会じゃ、其処まで逼迫した現象は見えないけど、田舎は既に原因が見え
ているの、だからボスは頑張って来たの」「なんと、そうでしたか・・」
「今じゃ、もうみんな何も言わないし言えない、お零れがでかいからね」
そう言われてコ-ヒ-を飲まれる。
 「あんた、此れから頑張ってね・・」「え・・」
「だって、朝から電話してたんだ」「何処にですか・・」
「うふっ、此処の主よ、ボス」「え、嘘でしょう、ええまさかアレ迄。。」
「総てよ」「。。」呆れた澄人唖然とした。
「だって隠し事は無いの、あれもそうだし仕事も、でね、あんたに任せたい
とまで言われたんだ」「任せるって何・・」
そこから、意外な驚く話を聞かされる。
「ええ~ではでは、中部地方にも有るんですか・・」
「ええ、ボスが旅している間に出来た事なんだけど、此処から遠くでしょう、
行くにも大変なのよね、既に七年前、事を起こしたのが経過しているから、
此れからの先は見えているのよ、でも煩雑に出向けないと前から聞いて居る
しね、其処であんたの話を聞かれると、笑われて弟が出来たのかと・・」
「・・」「それで、詳しく話をするし、スマホの写メを送った」
「・・、うげ~なんですか、送った、ああ、ボスにですか・・」
「そう、だからあんたに白川と日本海の滑川の海岸の店を譲りたいと・・」
「譲る・・」「そう、中部は別扱いにすると・・」
「待ってくださいよ、何で僕に・・」「弟にするからよ」「ええ~~~」
本当に驚愕し捲る澄人・・。
「だから、今回は其処も加味しててね・・」
「悦子さん、其れって、大事な事じゃない・・」「そうよ・・」
「だったら先に僕に教えてくれないと・・」「今話したけどね」
「ええ、そんな・・」慌てる澄人を見て笑われる。
 だがだが、最初はそうでもなかったが、話を聞いて行く内に、
本当だと知らされる。
既に此処では牛からバラ栽培、果はコンビニ紛いの店のデリバリ-と、
バラの鉢迄作成されていると聞かされた。
「何と、物凄い話ですね・・」
「だから誰にもとは任せられない訳よ、肉が絡んでいるからね」
「肉・・、アあ、そうか其処だ・・」「ですよ・・」笑われる。
「お連れさんは、二日くらいなら逗留される、あんたは其処まで色々と
在るからね、頑張って・・」「ええ、悦子さん、助けて・・」
「何と、ボスと大違いね、でも其処も有よね、楽しいから素敵よ」
とんでもない女性だった。
 仕事を譲ると言われても、其処はどう考えても納得がいかない、
はいそうですかとは言えないし思っても居ない、
其処はどれだけ皆が頑張って築き上げたのかは澄人は想像出来る。
身を挺して勝ち得た仕事は相当な事、返事は既に決まっている。
澄人、頭を抱えて忘れていた見事な砂浜に出て立ち竦んでいた。

                    つづく・・・・。




















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・57》

風雲雲行きが急に怪しく為り出す、其処は本当にそうなって行く。
あれほど夜空が綺麗だったのが、事が起きる前に雲が張り出している。
其れが岩の広場でも起きつつあった。
「貴方、御免ね、愛華の将来が懸る出来事に為りそうなのよ、御免ねじっと
しててね・・」「悦子さん・・」
「何もいんさんなや、此処はもう止められんようになったがね、あんた・・、
脱がすよ・・」「ええ・・」呆れる澄人を構わずに、ズボンが降ろされ、
腰を上げてと言われ従う澄人が居た。
 横で見る娘は益々綺麗に浮かんで来る、あれほど穏やかだった日本海が、
波風が出てきだして、岩場の上での動きもそれに従事て進みそうだった。
 「ま~貴方・・、見ろ愛華・・」「・・、・・」
「有り得ないぞ、でもボスと良い勝負じゃがね、此れ貴方凄いが・・、
悦子の目は狂ってなかっつた、愛華バスタオルとテッシュ、其れに・・、
良いわ早く持って来い・・」「はい・・」素直に応じられた。
 「貴方、此れ頂くけど良いよね」「え、悦子さん・・」
「あの子を此処から出す理由が出来たが、悩んでいたんだ、あの子は違う道
をと、でも考えれば同じかね、相手は違うけど、似ている・・」「・・」
「ね、あんたこれでのし上がりんさいや、此れなら誰とでも太刀打ちできる
がね、ボスに笑うほど似ている・・」「悦子さん、無体・・」
「うふっ、無体がどう変化するのか此処は勝負と行こう、今後の道が見えて
来るね」「悦子さん、触ると・・」「そう願うんだからね、動くがね」
「・・」呆れる程、澄人は従う、其れほど、違う意味で魅力が有る、
其処は如何見ても伊豆といい勝負だと思え出す。
 愛華が戻った時は既に悦子の顔が澄人の股座に覆い被さっている。
 「ぷは~~、でかいぞ凄いが、貴方勝負になるよ、此れボスといい勝負
じゃけ~、愛華見んさい・・」「キャ~、何よ、でかいでかいね・・」
「ああ、此れ育てよう、お前名古屋に向かえや、大学出たら直ぐにだ・・」
「うん、判った、でもおばちゃん、どが~しんさるん・・」
「でかいからしゃぶる、おまえは待機してろ・・」「え、何で待機なの」
「阿呆、ご落胤頂くんだ・・」「ええ、待ってよ、何で愛華何・・」
「お前が此処じゃ最初の相手だ、今後の為にそうする」「おばちゃん・・」
呆れるが、叔母の顔を見ると断れない気迫が垣間見れる。
「く~・・、良いが天にまで届け」「あはっ、笑えるが届くもんですか」
「阿呆、気じゃがね、お前の気が舞い上がる」「おばちゃん・・」
「良いから、如何じゃでかいぞ、写メ取らんか・・」「うげ~まじ・・」
「早くせんか、相手に悪いがね、従ってくれんさる内に・・」
「うん、もう酷いが、お兄ちゃん御免ね・・」スマホを片手に寄って来て、
上からと横からと指図され、愛華は写メを取りまくる。
「此れが記念に為ろうがね、良いぞ、相当元気が有るがお前此れ使えよ、
一生離すな、相手が来てくれるまでひたすら待つんだよ、良いね・・」
「待つの・・」「ああ、其れが最高に良い事、誰もが我儘出来んけどな、
そうして健気に待つと、より以上の喜びを持って来てくれる」
「おばちゃん・・」「もう、座れ、交代じゃ・・」
「ええ、駄目よ、した事無いがね・・」「教えるが,コンか・・」
無理やり横に座らせると、愛華の指を悦子は口にくわえて、
唇と舌の使い方を伝授する。
「良いね、後は自分で工夫、躊躇うと相手に悪いぞ、良いか、交代・・」
「おばちゃん、傍に居るんか・・」「ああ・・」
「じゃじゃ、教えてよね」「良いとも・・」
可笑しな二人、澄人はもう諦めて星が見えなくなった夜空を見ていた。
岩にぶち当たる波が勢いが増してくる、其れが岩上の三人の気持ちを
掻き立てるかのように打ち波が暴れ出した。
 流石に澄人とて唖然、今迄色々と破廉恥な行動をとって来たが・・、
今自分に降りかかる出来事は想像を遥かに卓越した動きの真只中、
有り得ない程相手は其処にまっしぐら、か弱き若い女性を引き連れて、
修羅場、魔道にと向かわれている。
何でこうなったのかさえ、澄人は理解に苦しむが、相手はそうじゃ無い、
既に澄人の着ている物は脱がされ、おまけに若い女性が、悦子さんを丸裸、
その間でも澄人の股座に顔を埋められ動かれる。
有り得ない、考えられないと思いつつも、澄人は身をくねらせて、
見事な愛撫、身がよじれて行った。
「ああ、あう~~、凄い~~~・・」「・・、あんた、感じて見んさいや、
勿体無いがね、凄いから頑張れる、早う愛華を連れて極楽に滞在してよ」
「・・」もうとんでもない事に為った、片方の口技は絶品、もう一人の
若い方は、豪快、其れが入れ代わり立ち代わりの責めに、遂に澄人は我慢
の紐が解かれる。
 「く~・・、溜まらんぞ、もう止められんがや、覚悟・・」
今度は澄人が跳ね起きて吠える。
年上の悦子さんを転がすと愛撫のやり返し、とんでもなく粘っこい肌、
秋の闇夜で愛撫を受けて燃え盛る、暫くすると、横で座り暗闇で見ている
愛華を倒し、其処でも愛撫敢行、此処では体や反応が違う二人に・・、
澄人は孤軍奮闘、喘ぎ泣き騒ぐ、愛華、応じる体を摺り寄せて受ける悦子、
二人は次第に違う道ながら、前進、愛華は燃え盛る肉Tらいを男に任せ、
悦子は未だ澄人の棒を許してはくれなかった。
互いが、今迄の経験を駆使しながらの応戦、遂に愛華が最初の昇天を
告げて落ちた。
 横で痙攣をしながらのた打ち回る中、悦子が目を真開き驚愕、
なんと悦子の股座に・・、男が挿入開始、受ける身が反応をする。
其処からが又狂喜、本当にどこまでも貪欲な悦子の肉体は、澄人とて、
敵わないと察した。
 其れでも果敢に攻撃をしながら、何とか相手が迎える姿に変化を見た、
膣内の最高な弱い所を探し当てていたのだ。
 其処をでかい棒がくまなく動くから、悦子はもう半狂乱、
凄いわ~あんた、其処が良いけあんた~~~、泣き叫んで身を起こし上で
豪快に震え出すと膣が最高潮の余韻を残し一度目の大陥落、失神をされ、
エビの様に跳ねて転がられる。
其れを呆然と眺めていた愛華、其処に澄人が挑んで行った。
慌てて受ける愛華、其処はすぐさま反応が起きて、瞬く間に快楽に溺れ、
撃沈、若い肉は既に味をしみこませられた身体は、修羅場の中で本開花、
とんでもない喜びの中で舞い上がる我が身、本当に極楽往きと知らされる。
 其れからも、澄人の遠慮が無い動きは止まらない、悦子、愛華・・、
どれも体つきは違うが、絶品、熟された肉と新鮮な肉、双方が味を男に
与えつつ、わが身の味も噛み締められていた。
 既に岩の上は、波が激しい時と似て、豪快、だが、なんと今は海の波も
し御寄せては居るが穏やか、今迄の激しい打ち寄せは収まりつつある。
其れが何と転がる二人も同じような姿、少し前までは泣き叫んで応じられ
ていた、人二人、其れが今は思い出す様に体が跳ねる中、
手を繋いで言葉は無いが、満足の顔と見える。

         つづく・・・・。














望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・56》

 澄人が従う女性は、自信に溢れた言動をされ、まるで大きなカニを上から
見ているような場所、別荘をカニの胴体と例えれば理解出来る。
大きな鋏を両方に広げ、入江を包むような姿、左側の鋏の場所に上られる。
「何と、凄い・・」「でしょう、此処なら誰も見えない場所なのよ・・、
ほら少し下ると・・」「え~~何と平たくなっている・・」
「手を少し加えたのよ、この岩は長年の波で奇岩、造作なく此処が平らに
出来たのよ」「凄いですね、絶景、明日此処に来ても良いですか・・」
「どうぞ・・」案内された場所から日本海が一望、其れに最高な場所に狭い
が広場が作られている。
「うふっ、此処は秘密の場所よ、用事が有る時は此処で・・、篭に飲物や
食べ物持参で来るの、マットも、枕も。。、見て・・」
「うひゃ~、何々岩が動いたが、岩を動かすと・・、く~見事ですね・・」
笑うしかなかった。
マットを出されて、二人はその上で座る。
 「さてと、お話しますね、貴方を此処にお連れしたのは聞きたい事が有る、
私から言いたい事も有るの・・」訛りが出て来ない言葉、其れに妖艶さは夜
には適しているとさえ思えた.話の中身は、今迄どうして此処に来れて居る
のかと、慕う男性がどれ位凄いのかと自分と似た一の女性は各地に存在する
事も、つぶさに恥も惜しげもなく話されて行く・・。
 「ええ、では色んな仕事関係の中身は其処ですか・・」
「ええ、男女関係が有って、続けることが出来るのよ、此処は肉と繋がって、
何処よりも強靭、壊れる事は無い」「では皆さんご存知なんですね・・」
「出会う前から承知で来られている人も居るし、自分から望まれて来た女性
もいる、こんな話をとお思いでしょう・・」「はい・・」
「じゃ、其れは貴方から出る匂いが似ているのよ」「似ていますか・・」
「うふっ、当たりだわ、悦子は其処に気付いていたの・・」「・・」
「それでね、ボスはなるべく平等にが大前提、無論中には好きなタイプが
居ても他では表情を変えない、二人だけの時判れば良い事、中には不倫の方
も居られるけど、其処も同じ扱いなのよ」「・・」
「それで、八年間過ごしてきて、既にそんな関係が無くなりつつあるけど、
其処は・・」「其処は・・」「悦子もそうだけど,一番長い付き合いの女性
は既に身代わりが・・」「身代わり、ああでは・・」
「そう、親戚や自分の娘などね・・」「なんと・・」
「其処までする値打ちが有る男なの・・、とんでもなくでかく強い・・」
遂に、相手の男性が脳裏に浮かんで来た・・。
「うふっ、如何自分と似ていると・・」「ええ、そんな大それた事等・・、
そうなんですか・・」「だから、此処に呼んでお話をしているのよ」
「はい・・」「あ、白状されたわね・・」「え、返事だけですが・・」
澄人はそう言ったが、相手にはとても敵わないと思っている。
でもね、其処は段々と・・」「ですね・・」「あら・・」又笑われる。
「でも先が有るのよ、我らのボスは四十過ぎてもとんでもない男、
弱くなってくれないのよ・・」笑われる。
 「いえね、こんな立ち位置など誰でもが出来ない事よ、其れを認めさせる
には、力が一番、有無言わさない程の威力を持つ事よ、そうなれば、皆が
独占は無理と最初で知らされるからね」「・・」
「其処を磨けば言わないでも、女性はそうなって行けれるわ、私もだけど、
仲間と一緒に抱かれた事が多かった、でも其処は、其れなりに楽しいのよ、
負けまいと競り合うからね」「・・」
「でも、もう四十半ば、以前とは今度は迎える肉体が変化するじゃないね」
「お聞きしますが、どれくらいに期間で会えるんですか・・」
「ああ、其処ね、其れは相手次第かな、待てるのよ、不思議と待てちゃう、
だから久しぶりなら泣き叫んで味わえるしね」「・・」
「其処が味噌かな、相手は承知の助ですよ」大笑いされる。
「だから、世間は広いけど、こんな男に巡合えたは不幸か幸せかどっちかね、
半端な位置じゃ無いのは確かね」そうも言われた。
 満天の星空を見上げている、其処に相手の携帯が鳴った。
「え、愛華ね、何処・・、うふっ来るか・・、岩の上、飲物頼めるかね」
そんな会話をされていた。
今度は澄人の立ち位置を話され出す。
 「え、ご存知でしたか・・」「アソコも仲間ですからね、驚かれているが、
あんたがそんな男とは知らないからね」「え・・」
「そうじゃ無い、如何見ても普通の若者じゃないね、でも中身知ったらどう
なるのかね・・」「・・」又其処に行かれる。
「貴方は、このまま進まれたほうが良いかも、其処は宿命と弁えれば立てる
場所よ、でも強靭さは如何なのかね・・」「・・」
「それが叶うなら貴方はこれからとんでもない程上がれそう、落ちないでね、
悦子が言った事を思い出してね」「はい・・」
「あら、正直も程々よ、相手に見せる時を考えないと鵜飲みされるからね」
「はい・・」「ま~・・」大笑いされた。
 「実は名古屋に貴方と同じ名前の女性が居るので・・」
「あらら、そうなの、矢張ね、で、如何・・」「如何・・」
「良い体しているのかしら、其れなら嬉しいけど・・」「はい・・」
「あらら、もう正直は程々・・」並んで顔を見て笑われる。
 「おばちゃん・・」「おう、来たか、座れ・・」
現れたのはまだ若い女性、本当に青い世界に浮き出る姿態は・・、
美しい残影を澄人に刻んでいた。
「愛華、恐ろしい男紹介する・・」
「うふっ、おじちゃんを見ているしね、如何かな・・」
「其処は未だ調べては居ないが、相当と見たが」「え、じゃおばちゃん・・」
「ああ、お前には他所の人が良いかなと思えている、此処はもう満員かもね」
「え、ではあの話は・・」「其処、お前が大学を出たなら、外に飛び出せや」
「え・・」「この人を伝に羽ばたけ・・」「ええ、おばちゃん・・」
「あのな、世間は広いぞ、名古屋でお前の場所が出来るかもしれんがね」
「名古屋か・・」「ああ、今度リニアが出来る頃は化けているが、アソコは」
「そうなるね、じゃお兄さんは名古屋から・・」
其れから、澄人は海と夜空を見ているだけ。
横で話が進む中、愛華は黙って聞いて居た。
 「おばちゃん・・」「其処はお前次第だが、どう考えても、この人にはお前
が合うかなと・・」「「・・」
「だから、期間を懸けても良いがね、お前名古屋にと考えておくんだ・・」
「・・、はい、信じているおばちゃんの言葉肝に収める」
「良い子だ、あんた御免よ・・」「・・、ええ~~~」
仰け反る間に、なんと澄人の股座を掴まれていた。
「・・、ま~・・、なんと此れかね、く~似ているがね、愛華手を貸せ・・」
「・・」今度は二つの手が股座に有る。
「寝て・・」無理やり澄人を寝かせると・・。
有り得ない事に為りつつある岩の上だった。

            つづく・・・・。


















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・55》

 話をしながら、移動、車内でも辰巳さんと友達の仲間、話が途切れない。
「え、此処は・・」「今から向かうのは凄いぞ、俺も何度も行けたが・・、
何時でも考えを変える場所だぞ・・」「意味が、海際なのか・・」
「ああ、貸し切りの浜が有る、プライべ-トじゃがね」「・・」
呆れて外の景色を見るが夕暮れの浜は綺麗だった。
「あそこだ・・」「ええ、明かりが凄いが、何で工場か・・」
「ああ、仕出しの工場・・」「何其れ・・」「後でじゃ、今着くぞ・・」
「・・、え、え、ええ~何何これなんじゃ凄いがね、おう此れ・・」
「今から入るでな、行こう・・」何と到着して場所に驚かされる。
其処は夕やみに浮かぶ百夜の殿堂・・、本当にそう思えた。
「・・」三人は無言で達也さんに従う。
 「ま~、よう御出でなさいました、ささ上がってつかあさいや・・」
出迎えられた。
真っ白い建物に入ると、又其処でも足が止まる、何もかもが揃う中、
二人の女性が部屋で出迎えて頂く。
「辰巳・・」「ああ、此処は竜宮じゃろうな・・」
「ええ、竜宮って、あれか・・」「おとぎ話じゃな・・」
その言い方にも呆れるが、正しくそう言われれば、満更大袈裟とは思えない
から不思議だった。
「おいでなさい・・」又また現れた女性に、三人は驚く、年こそ四十過ぎかと
思われるが、妖艶さは半端じゃ無い・・。
「悦子さん・・」「そうね、夕食支度してて・・」「はい・・」
三人の女性はキッチンに向かわれるが、交代に応対してくれる女性、
本当に妖艶とは此れかと澄人は感嘆。
「では、見学は・・」「ああ、向こうの方で進んでいるね、僕は直ぐにでも
向かいたいと思う」「じゃ、工事は順調なの・・」
「既に手配は済んでいる、仲間だし問題は無い」
「では行かれますのか・・、どちらにです」「そうだ、飛騨と聞いたが・・」
「飛騨の何処・・」「ええ、悦子さん・・」
「済みません、其処らに知り合いがいますからね、聞いたの・・」
「おい、何処だ・・」「そうだ、澄人説明・・」
「はい、飛騨と言われても広いですからね。聞かれる場所は高山から少し奥
に入ると有ります、中山です」「中山・・、じゃ落合は近くですの・・」
「落合か、聞いて居ないけどそうなるのかな・・」「おいおい・・」
「だって、僕もあまり知らん・・」「そう、じゃ地図で調べて見ましょうね」
「え「え・・」「そうか、あのね、私たちの仲間が其処で頑張っているのよ」
「仲間・・、ですか・・」「ええ・・」そこから意外な事を聞いた。
 あの牧場も、此処も全てその人と関係が有ると聞かされる中、意外な話に
三人は驚愕する。
「ええ~では旅をされた中でアソコを・・、なんと豪快な人じゃがね」
敬之が感嘆、義雄も頷いて聞いて居る。
「なんとでは其処でデリバリ-老人に品物をかね、凄いねその人たち、いいや
あんた達じゃね、じゃ上の工場は仕出し・・」
「そうなるわね、今じゃ此処も落ち着いて領域は広がるばかりで大変なのよ」
「でしょうね、でも良い事されて居ます、感激です」敬之は本当にそう思う。
 夕食の間も三人の女性と悦子さんは相手して頂くが、話は続いている。
「呆れる程、物凄い話じゃないかね、じゃその方お幾つなんですか・・」
「今は既に四十を超えて居ますけど、意気軒昂ですのよ・・」笑われる。
「で、その方の住まいは・・」「中国山地のど真ん中、島根と広島県の県境
に居られるけど、今は如何かな、大阪かも知れない・・」そう言われる。
「辰巳さん、では行かれますのか・・」
「もう此処は落着いて居ますし、暇です今度は飛騨で暴れますよ、仲間が
こうして来てくれているし・・」そういった。
悦子さんと言う女性は半端な人じゃ無い、執拗に澄人の事を聞かれているし、
この関係は何でかとも聞かれる。
「ええ、ではなんと伊豆の女性の方凄いじゃない、へ~でも其れを知合った
貴方も凄いわ・・」「其処は弟の関係ですから、凄いとは言えないですよ」
「でも、投資されるなんて、ねね雅美さん、聞いた似ているわよ」
「ええ、先ほどから聞いてて、有り得ないと、ね珠美・・」
「お姉さん、凄い事、似ているし、年はこちらが若いけど、資本が・・」
「そうね、世間は広いけど、似ているなんて有り得ないわ・・」
「悦子さん・・」「待ってよ、考えている、ねね、其処を詳しく聞かせて
頂けないかしら・・」身を乗り出される。
 怪訝に思えるが、興味が在る事は間違いが無い、澄人の代わりに調査され
ている敬之さんが話を薦めらた。
「ええ~、じゃじゃ、亡くなられた弟さん、ま~其れで婚約者の方の家と、
ま~そうですの・・」悦子は身が震える思いがして来た。
何がともあれ、歩く道は同じと思える、あの龍哉さんと似ていると動物の
感で見据えていた。
「ねね、じゃじゃこれから仕事を・・」
「そうなんですよ、我らも一枚加わろうと、此方迄見学に・・」
「何と良いじゃないね、名古屋で店か其れも牧場を持って、ねね其れって
場所何処ですの・・」悦子さんが執拗に聞いて来られる。
 「ま~じゃ、間違いないわよ、雅美・・」
「ええ、驚いて居ますけど、でも、同じとは思えないけど・・」
「うふっ、如何かな、知らないけど匂うわよ」「え、匂いますの・・」
「お姉ちゃん・・」「御免・・」
 外は既に夜になってるが、押寄せる浜のさざ波が心地良く聞こえて来る。
「良いな、浜に出て見たい・・」「おじさん、案内しましょうか・・」
「右方~、良いのかね、良いねじゃ話は敬之と澄人さんに任せてと・・」
「・・」呆れる敬之をしり目に義雄は外に出た。
 部屋では未だ話が続く、悦子さんが執拗に聞かれるから、澄人と敬之は
逃げ出せなかった。
「ま~じゃじゃ、あのね良い場所教える」悦子さんが話をはじめられた。
「え、其処も関係が有るんですか、凄いぞ、どんな男性か興味が湧いて来る、
澄人さんもそうだが、なんか最近同性に興味が移ったかな・・」
そこで皆が大笑いする。
 その話とは、機会が有れば行ってみてと言われた、場所は中山からそう
遠くない、日本海に面した滑川伝の新潟寄りの場所、然も此処に二て海岸の
素晴しい景色が望めると聞かされる。
「なんと、では是非お伺いいたします」敬之さんがそう返事される。
 夜も遅くなり、部屋にと向かう敬之さん、澄人は未だ許して貰えない。
『あのね、相談が有るんだけど・・』「なんでしょうか・・」
「大変な事お聞きしますけど、伊豆の方貴方との関係が有るでしょう」
「ええ・・」「ううん、判るのよ、同性の感覚よ」「悦子さん・・」
「だって、見てよ、女性だけじゃ無いじゃないね、男性おも惹付けるのは
何故よ、ね~雅美・・」「ええ、私に振りますの・・」
「あんたが今若手じゃないね」「そうは変わらんけど、そうなりますね」
「嫌味かね・・」そんな会話をされるが、落ち着けない澄人が其処に居た。
 二人のおじさん達は既に部屋で横に為られて居る中、
悦子さんが、澄人を誘い外に出られた。
秘密の場所が有るの・・」「ええ、秘密ですか・・」
「そうなるね、誰もが知っている場所じゃない事だけ、行きましょう・・」
「・・」従う澄人が居た。

               つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・54》

 九月二十九日、朝早く、名古屋を出る、車は敬之さんのセルシオ、
長距離には適して居る事からだった。
車内では色々な話が出てくる中、車は一路島根県の三瓶山を目指す。
名古屋からは名神高速を走り、大阪と神戸の境では中国道に入り、
其処から山崎ジャンクションから中国横断道で日本海に向けて走る。
無論その道路の横手には、もう一つの名高い大山が見える、
其処でも酪農と牛も有名だし、今は競走馬を育成する大手の会社も
出来ていると聞いた。
長時間だけど、皆元気,澄人もつられて笑顔が見えた。
名古屋から大阪まで二時間半、其処から池田ジャンクションまでは
混んでいたが、池田のトンネルを過ぎると、快適なドライブ、
いつの間にか運転は澄人がしていたのだ。
 朝七時半に名古屋を出て、早くも昼過ぎ漸く大山が見える所まで来てる。
一度昼食を取る、サ‐ビスエリアで休憩、其処で飲んだ牛乳の美味しい事、
義雄さんが一番喜ばれる。
 午後二時過ぎ、何とか日本海が見えだす、其処から国道九号線の道を西に
と走る、やがて見えて来る中湖と宍道湖、走り続けるから、流石に疲れる、
其処で敬之さんが、電話され、向かい先は明日にと言われた。
 そう、ここ等で一泊と決められていた、直ぐに玉造温泉だと義雄さんが
叫ばれると、車は宍道湖を後ろにし、玉造にと向かう。
和風の旅館が取れて、澄人も疲れを癒そうと風呂に向かう、
時間は既に午後四時過ぎ、風呂から上がると電話が来る。
 相手は伊豆の玲華さん、そちらに向かおうかと聞かれたから、
大変だから無理はしないでと諫める。
「じゃ、飛騨に向かう・・」「ええ~~」
「何でよ、良いじゃないね、あんたね、もう玲華は身が軽くなっているの、
行くからね」「ええ、独りでですか・・」
「内緒、其処は如何でも良いじゃないね、独りじゃ運転疲れるしね・・」
「・・」呆れて話を聞かされるだけだった。
 その夜は流石に疲れた三人、酒を飲んだ後すぐに横になる。
 九月三十日、午前十時、車は又国道九号線に出て今度は西にと車は走る
「結構遠いいな・・」「そうですよ、右手は日本海じゃ無いですか、対岸
はもう韓国ですからね」「ひや~そうなるよな、なんと日本は細長いわ」
義雄さんがそう言われるが其れも確かにそう、本島のど真中から来たから、
そう思えた。
松江から玉造、そうして九号線を走り、今やっと標識に地名が出だす。
「おう~何と兆しが見えだしたぞ、日本海も綺麗じゃ無いか・・」
車の窓から見える景色は凄い、澄人も運転しながら見惚れる程、
最高な景観だった。
 太田市に入り、其処の海際のレストランで昼食、本当に長旅、
でも三瓶山は直ぐそこと聞いて居るから元気は残っていた。
太田市から目的地には早く到着、無論見たい石見銀山も有るけど、
帰りにしようと敬之さんが言われる。
 午後二時半、ナビに従い、現地に到着、車を止めて辺りを見渡す、
左上に三瓶山、裾野が広がる中で来る途中、何度も牧草地帯を見ている。
其処に牛が居る事も確認していた。
「ここ等かな・・」澄人が運転しながら、車はゆっくりと進む。
あまり広くも無い道だが、走る車さえ見当たらない、
其れでユックリ進めた。
 「ああ、アソコじゃ無いか・・」義雄さんが言われる。
「おう、此処だぞなんと石見牛生産牧場・・、お、牛舎が並んで見えるが、
此処だ・・」漸く到着、道の空き地に車を止める。
「まあま~あんた達は名古屋からかね・・」
「え、あそうですが、おばさん此処の人ですか・・」
「そうなろうがのう、あんたは清水さんの知り合いと聞いて居るが・・」
「ハイ悪仲間です」「あはっ、いんさるのう、疲れんさっつろう、家に
来んさい・・」聞きなれない訛りだが、其処が結構良いと澄人は思えた。
 牛舎の傍だから牛臭い、其処は仕方が無いのだろうと匂いを吸込んだ。
「うひゃ~、本当にきんさったんかね・・」
「おう、辰巳、久し振りじゃがね・・」友との出会いは誰も一緒、
肩を抱き合いながら懐かしいと言われる。
部屋に入ると、直ぐに話が始まる。
 澄人が描いている予定図を出して話が進む、無論素人の計画図だが、
現場は間違っていないから、大人の頭が寄り、話を聞かれていた。
「成程、既に牛は飼われているんだね」「少ないがそうじゃ・・」
「じゃ、写メ見させてもろうたが、其処は良いと思うぞ、雪は此処と
同じくらいかな・・」「そうみたい・・」「で、牛はどれ位・・」
「ゆくゆくは三百から上と・・」
「何とものすごいじゃないかね、じゃ敬之と義雄が・・」
「ううん、この人が主・・」「え・・」若い澄人を見て呆れられる。
其処から敬之さんが話をされ出す。
 「何と、そうかね、じゃじゃ、あんたがのう・・、で名古屋で店を開いて
捌くのか・・」「そうなる、余れば売るしな・・」
「何と良いぞ、じゃ牧場が名古屋で店開いてか、良いな良いよ其れ、
じゃ此処は其処だけは違うが、全て似ているぞ・・」「似ている・・」
「ああ、なんとそうかね、此処もな、以前は細々と既に辞めようと思われて
いたところなんだ、其れがのう、有る人が此処に来られて、其れから豹変、
あれれと思う間もなく、此処はこんなに変化出来た、総てその人の御陰
なんじゃが・・」「何で似ているんか・・」
そこから話をされ出すと、知らない間にあの迎えてくれたおばさんが
座られて、話の中身に手を加えられる。
 「それがのうとんでもないい人でな・・、今は隠居だが、家の母親が話を
聞いて、なんと私らが、出向いて頼み込んでいたんだ」
「出向いてですか・・」「ああ、相手は豪儀なお方じゃった、金は有るし、
なんと男其の者よ、遣れんほど男・・」「ええ、意味が・・」
「あはっ、今じゃ伝説よ、八年前に起こった出来事が今じゃこうして此処も
凄い事に為った」「意味が・・」「待ちんさいや、話はゆっくりとな・・」
「あのう、ご飯・・」「ああ、そうじゃが、ご飯な、泊るにも此処じゃ、
拙かろう臭いし・・」「じゃね、じゃ電話してみようかね」「お願い・・」
なんか理解出来ないが、泊るのは此処じゃ無いと思えた。
 でも話は続く、此処は平成十七年から、ある男が乗り込んで様変わり
出来たとは聞かされる。
其れが、今計画して居る事と似ているとまで辰巳さんが言われ、
此処は三部構成に為っていると・・。
「えでは分担か・・」「そう、子牛を育成する部分と肥料作成、種牛の管理、
商品の発送及び解体・・」「何とじゃ此処で総てか、種牛は金が懸るぞ」
「其処が摩訶不思議、其の大元が乗り込まれたんだ、然も大阪からだぞ、
五人が揃われて、シンジケ-トを作られた、その資金で種牛を六頭抱えられ
たんだ、其れが今も引き継いで、今は二代目と三代目かのう・・」
「なんとでは総て此処で育成と販売まで・・」
「ああ、忙しいぞ、御陰で此処は今じゃ誰もが知る牧場、ロ-カルテレビで
ドキュメントが放送されもしたんだ・・」「なんと凄いぞ・・」
そんな話を聞いて居る、澄人も呆れる程驚かされた。
 周りを見学しながら、話は続いて行く・・。

            つづく・・・・。





















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・53》

 本当に澄人は意気消沈、調査書に書かれている事は総て本当、
だが中身は上っ面であるから其処の部分は胸を撫で下ろす。
けど、懸る関係者は総て調査書に乗っていた。
「此れね、悪いと思ったけど、知りたかったの、でも知ってても変わりが
無いわ、尚美もお父さん達も驚かれたけど、最後はあの人なら有得るかな、
でも凄いぞ遠藤さんはと、言われた」「・・」
「だから、此れから遠慮は無いの、貴方を知ってて会うのよ」「え・・」
「ねえ、今後も同じ動きなんでしょう」
「そうなるのかな、でも知られたし・・」
「だから良いじゃないね、動き易いでしょうが・・」「でも・・」
「何よ、澄人さんらしくないが、飛騨も伊豆もそうなると判る気がすると
お父さんが・・」「・・」そこも返事出来ない、澄人は頭を落としていた。
「さ、飲もうか・・」そう言われると従う。
 其処に尚美さんの携帯が鳴った。
「ええ、お父さん、嘘何処に居るのよ・・、ま~じゃ向かっているの・・、
嫌だ~信じられん・・。もう気が早いから、知らない馬鹿・・」「・・」
電話の中身が判らない、最後に馬鹿と言われて驚いた。
「もう、お父さんったら、娘の気持ち位判る筈じゃないね、嫌いよ・・」
「え、如何したん・・」「もう酷くない、こっちの事も考えずに・・」
「だから何か・・」「こっちに来ているのよ」「来ている、何処に・・」
「此処・・」「・・、うげ~何で何でよ・・」
「だから驚いているのよ、もう馬鹿じゃない・・」
呆れる尚美もそうだが、聞いた澄人は驚愕した。
なんと、尚美さんの父親がもうこっちに向かっていると聞くと、
心臓が止まりそうなショックを受ける。
「で、何時頃・・」「今、御器所だそうよ、もう直ぐ来そう」「・・」
呆れ果てて、声が出なかった。
「待て、じゃ何か食事は、未だ七時前だぞ・・」「知らない・・」
「おいおい、そうは行かんが、如何し様・・」
「知らないからね、もう酷い親」泣きそうな顔をされるが、来ると知ると、
慌てて居られた。(何で、今来られるのか・・)
理解に苦しむが、既に向かわれていると判ると、澄人も落ち着けなかった。
 電撃とは此れかと澄人は半ば諦めて居る、既に尚美さんのお父さんの
行動力は知っている身、伊豆も然り、今回も・・。
 午後八時前、遂に相手が到着、部屋に招き入れる澄人、又も唖然・・、
既に尚美さんのお父さん一人じゃない、義雄さんも一緒だった。
「尚美ちゃん御免な・・」「馬鹿、おじさん最低・・」
「御免、怒るな、あんたのお母さんもご承知なんじゃがね」
「ええ、呆れた親ね・・」憤懣遣る方無い尚美、だが、部屋に入ると、
そうは言ってられない、食事はと聞くと未だと言われ、
澄人が急いで寿司屋に電話、慌てる姿は、事を表していた。
「御免、もう気が焦ってな、早く会いたいと・・」「おじさん・・」
「御免御免・・」平謝られてリビングで座られる。
 「実はな・・」そこから話をされ出す中、澄人は驚いている。
昨日、既に飛騨の谷を見て来たと言われると、腰を抜かして呆れ果てる。
「それでな、遠藤さんが気に入られた場所を備に見て回った、無論写メも
撮ってな・・」話が続くが、未だ衝撃から戻れない澄人。
「それでな、あの谷は凄いぞ、あんたが言った中心の山にも上がった、
其の写メも有る、でな、あそこはあのままでいいが、なんといっても深い
雪が積もる土地、冬季を過ごすための設備も必要、其れで義雄が思出し
たんだ、俺達の大学の仲間が居たと・・」「仲間ですか・・」
「ああ、遊び仲間だな、其れが、この間同窓会で聞いて居たが忘れていた、
なんとあいつは一級建築士、そいつが石見の三瓶山の麓で同じような事を
委託されているんだ・・」「何と、では・・」
「ああ、其れで昼過ぎ電話すると、今も石見に居ると聞いた、で飛騨も
似たような土地じゃろう、夏も冬もな・・」「ですね・・」
「だから、今度の話を其処でも出来んかと・・」「ええ・・、じゃ・・」
「ああ、そうだ、あいつは喜んで是非と、今迄苦労したノウハウを発揮
できると喜んでくれたんだ」「・・」
「直に合いに行くと言ってしまったんだ」「ええ・・」
「な、急ぎアンタに話しをと・・」「なんとそうでしたか、でも・・」
「なな、其処は既に動いて、参考にはなる、強みは其れを作上げている奴
が友だ、飛騨も如何かとな・・」そう言われた。
「では見学に・・」「そう、あんたを連れて行こうと・・」「ええ・・」
「なな、善は急げじゃ、出来るところから始めるのが良いぞ、牛は待って
くれん、育成を速めるだけ、事が進むぞ、なな動いてくれんかね・・」
「え、僕ですか・・」「そうなろうがね、言い出しはあんただろうが」
「ええ~~」呆れるが、相手の顔は真剣そのものだった。
 聞いて居た尚美も怒りは何処えやら、父親の顔は何時もの顔じゃ無いし、
話は悪い事じゃない、其れが進めば何時でも澄人さんに会えると思込んで
しまう。「なな、尚美もな・・」「お父さん唐突よ・・」
「だから謝っているが、此れは急いだほうが良いぞ・・」
「で、谷の人に会えたの・・」「いや、其処は義雄が止めた、先走りは
不味いとな・・」「偉いわおじさんにしては珍しいじゃないね」
「おいおい・・」頭を掻きながら笑われた。
「じゃ先方には・・」「ああ、連絡すると」決まっていたと澄人は思えた。
 遅い食事をおじさん達に食べさせ、澄人は未だに話を聞かされている。
 「ええ、では・・」「ああ、アソコは総て捨てる物は生じないと、小便
だけはろ過して捨てるだけと聞いた」「何と出来るんですか・・」
「あ、アソコはしていると、飛騨も金は懸るがしようと決めているんだ」
「なんと・・」本当に動き始めていると其処で知らされた。
「ではお供いたします」「あのな、主役は何処でもあんただ、お供なんて
こっちが言うセリフ・・」笑われる。
「お父さん・・」「聞いたか・・」「うん、良いわ、其れじゃ許すか」
「ええ、お前・・」今度は同じ笑いでも苦笑いだった。
そうして、朝早く発とうと決まる、ホテルにと言われたが、
此処で寝て朝行くと決まった。
「でな、伊豆も連絡して置いたぞ・・」「ええ・・」
そこだけは驚いてしまう。
「直は無理だけど、此方も向かいたいと言われた・・」そう聞いてしまう。
本当に手回しが良過ぎる相手、でも其処は澄人は多少含みが有ると睨んだ。
「お一人で向かわれるのかな・・」「・・」返事が戻って来ない。
「なな、此れは本腰で懸りたい、遠藤さん宜しく・・」
「義雄おじさん・・」「今迄飲んべんだらりと過ごして来たんだ、此れで
良いと思い込んでいた、だが如何してあんたを知ると間もないが如何よ、
この変わりよう、我ながら驚いているんだ、こんな意欲が湧く等考えても
居なかったぞ」「おじさん・・」
「わしらの夢にあんたが付合ってくれ、未だ先は有ると見込んで頑張る」
「おじさん・・」迫力に負けそうな澄人、傍で頷かれる尚美の父親、
本当に行動力が有り過ぎだと言いたかった。
 呆れたのか、尚美さんが酒を出され、寿司を食べ終えると、
さ寝てよ・・と急かされ、ゲスト部屋にと追いやられる。
「ね、御免ね・・」「ううん、こっちはそうじゃ無いけど、尚美さん・・」
「うふっ、邪魔が入っちゃった・・」笑われた。
二人は、当然澄人の寝室のみが開いてるから、其処に消えるが、
その夜は何も動きが無い、有る筈もない、父親が隣の部屋で寝ている。
尚美の思いは複雑だが、此処迄来れば後は流れで良いとさえ思えた。
親の本気度の御陰で、何時でも澄人さんに合えるんだと思うと、
其処は自然に身を任せても良いと考えだす。
 喧騒の部屋も、静かになり、朝方から始まる思いがけない事を澄人は
待って目を閉じた。

           つづく・・・・。







望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・52》

 九月二十三日、熱川と伊豆下田の中間地白浜の屋敷に澄人は滞在している。
既に、名古屋の高蔵寺のおじさん達二人は、昨日帰られていた。
本当に豪快な二人、此処で出会ってからの驚きは生涯忘れる事は無い、
其れほど卓越された遊び人、其処は既に玲華さんから何もかも聞いて居る
からだが、矢張澄人が予想してた通り、二人の家は、昭和の大発展の中、
高蔵寺は一大開発、其処に住んでいた、おじさん達の家は、とんでもない
当時の金額で、土地が公社から入っていたのだ。
其れをいち早く、おじさん二人は会社設立、マンション経営に乗り出され
然も其処が、また呆れる程幸運なのか、手掛けていた、場所が、高蔵寺より
名古屋に近い、桜町、交通の便利が良いと知り、其処に集中的にマンション
を建てられている。
 だがだが、なんと其処も、公社の目に適い、開発をドンドンされ出す。
しかもモノレ-ルまでもが作られて昭和から、平成に跨いで住宅が出来る。
呆れる程最高に幸運な家族なのだ。
 そんな話も寝床で玲華さんから聞いて居る、本当に貪欲な二人だった。
二日に一度参加される菜摘さん、此処は天国と地獄の境目かと思うほど、
肉を躍らせていがり泣く姿、でも澄人は嫌じゃ無い、其れほど玲華さんに
神髄している証拠、弟の御陰で繋がる二人、其処に菜摘さんと美佳さんが
加わるから、帰りたくないのも理解出来る。
 だが、そうも言っておれない、心は焦るほどざわついている、
名古屋の事が気懸りだった。
「あんた、名古屋に戻るのも良いよ」「玲華さん・・」
「ほとんど聞かせてもろうたし、今度は玲華が出向くね」「え・・」
「そうじゃ無いね、飛騨も、名古屋の店を探すも手伝う・・」
「玲華さん・・」「同じ船に乗っているのよ、向かう先は同じじゃないね」
「店は・・」「既に娘に委譲した、美佳さんも居るしね」そう言われる。
本当に得体がしれない凄い人、だが傍に居ると教えられる相手、
澄人は恵まれていると今更感じていた。
 九月二十六日、漸く名古屋に帰ることが出来た、玲華さんは少し仕事の
整理が有ると言われ、後日来られることになっていた。
澄人はお土産を持参して、桜通りの証券会社に出向く。
歓迎された、特に支店長が満面笑顔で迎えて頂く。
担当の尚美さんも笑顔、其処は既に色々と父親から聞いて居られるのか、
伊豆での事は聞いて来られないが、出会ってから、今は急に距離が狭まる
相手、然もお父さんが伊豆で逗留されているからか兄弟の様にさえ思えた。
 無論、仕事が終わる、午後三時過ぎには会う約束をされ、
一度澄人は名古屋の栄にと脚を伸ばす。
 駅前とはまるで違う、既に今迄名古屋一番の繁華街は落ち着いて、
盛りを誇る建物や人の歩き、ここ等は既に完成された、
場所に為っていると今更知る。
 二時間を費やすると、約束に時間、澄人は待合わせの場所にと向かった。
既に相手は待たれているし、二度目のデ-トはすんなりと動き出す。
「お父さんは・・」「うふっ、其処よね、もう大変、あんたの話しばかり」
「えっ・・」「続きが有るの、恥ずかしいのか、何時でも会話はあんたの
話しからは始まるのよ、其れで義雄おじさん・・」
「あ、其れだ、如何なっているの・・」「え、どうなっているとは・・」
「・・、ああ~仕舞った」慌てて口を押える澄人を見逃さずに睨まれる。
 いやはや、とんでもないデ-トに為りそう、失言が尾を引いて、
会ってから一時間近くに為るが、未だ喫茶店でヒア汗をかいて話をさせられ
ている澄人が居た。
 「な~、頼むから内緒にしてよ、そうじゃ無いともう会えないぞ・・」
「え、其処に行くん・・」「そうでもしないと男だぞ、べらべら喋ったと
思われる・・」「なあんだ、そんな事ね、良いわよ、内緒でしょう、でで、
ねね、其の芸者さんどんな人・・」「ええ・・」
もう逃げられないと覚悟する、相手は執拗に其処を攻め込んで来る、
仕方が無いのでええ加減に話をするが、許してはくれない、
尚美さんは強かな女性と嫌程知らされた。
 苦痛の時間を何とかやり過ごすと、今度は食事、今日は部屋でと言われ、
買い物をされる姿にも呆れる。
何でか、尚美さんとでは既に主導権は相手側に有ると知る。
 部屋でも鼻歌交じりでキッチンで動かれる、澄人はPCを眺めて計画図の
続きをするしかなかった。
食事の用意をされる姿も悪くは無い、最高な女性が自分の部屋で動かれて
いるのだからだ。
「ね~、お風呂どうぞ・・」「え・・」「支度で来ているし、入れば・・」
「・・」呆れるほど反対は出来ない我が身、部屋でも同じなのだ。
「では・・」「どうぞ・・」どっちが部屋の主かと疑うほど、今は反転,
苦笑いしながら風呂にと向かう。
 風呂から上がると、早めの夕食、二人はまるで何時も通りと思えるような
姿、初めてなのにどうしてかそんな雰囲気、澄人は不思議な人だと感心する。
 「ねね、此れから、尚美はあんたの歩く身をを付いて行くね・・」
「ええ・・」「だって楽しそうじゃないね、お父さんが、あんたの話をする
時顔が違うのよ、母も其処は感じているみたいだし・・」「・・」
「それでね、飛騨に向かいそうよ」「ええ、まじ・・」
「そう、昨夜、義雄おじさんと其処を相談されている」「・・」
声が出なくなった、呆れるより驚いているのだ。
「じゃ何時や・・」「其処は今度は貴方に初めに相談と聞いて居るけど」
「・・」食べる動きが止まる澄人。
「それでね、何時が良いかと・・」「未だ早いと思うよ、アソコは稲刈が」
「え、未だなの、九月末よ・・」「あ、そうかじゃ落ち着く頃だね・・」
そんな会話をするが、飛騨の事は荒してほしくは無いと思った。
「見るだけなら良いけど」「え・・」「だって田舎だぞ、驚かれるがね」
「え、あんた、まさか、いやだ~、其処は別よ」「え、其処って・・」
「あのね、既に母が調べているのよ、あんたの近辺・・」
「調べるって何・・」「待って・・」バックから何か取り出して渡された。
 「・・、ああ~調査書・・、何~~~僕じゃないか・・」
とんでもなく驚いた澄人、書類を持つ手が震え出す。
 暫く中身を読んでしまう・・。
「此れ・・」「もう既に皆読まれているの・・」「・・」
絶句、とんでもなく狼狽える澄人、だが、前に座る尚美は平気な顔、
其処が不気味だった。
 澄人も負けてはいない。
話をするが、決して調査書の中身には触れていない、其れでも不思議と
相手も其処を深堀されてこなかった。
 食事を終えると、片付けをされる。
「出来たわ、お風呂頂くね・・」「・・、えハイどうぞ・・」
返事をするが、既に澄人は困惑している、
(此の侭泊まるのだろうか、いいや帰るよな、如何なんだろう・・)
 先が読めないで困惑する澄人だけが部屋に居たのだ。

       つづく・・・・。

































望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・51》

 酔わされていつの間にか澄人は寝てしまう、宴会は既に終わり、
気が付くと澄人は違う部屋で転がされていた。
舞もおじさん達も見えない、頭が少し痛いから、水差しの水を飲んで部屋の
様子を見た。
 (え、此処は旅館じゃ無いが・・)
如何見ても違う、じゃ此処は何処と訝る、頭の痛さにまた倒込んで寝た。
 暫く夢見心地で最高に良いから逃げ出せないでいる、処がその夢見心地が
極上、なんと本当に宙で浮いている感じがする、今迄こんな思いなど夢では
無い、だが心地いいから夢から醒めたくはなかった。
 だがだが、そうも言っておれ無い程感覚が高揚する、どうしてもじっと
して居れない状態、夢でこんなにとは嘘だろうと思いつつ居ると・・、
「玲華さん・・」「良いから続けるんだぞ、今夜こそ頂こう、菜摘は・・」
「時期は最高ですけど・・、良いの・・」
「ああ逃がすな、こいつの子供は楽しみが有るしね」
「玲華さん、凄い、此れ凄過ぎよ・・」
「言われなくても入れてくれている、だから逃がすな、此処を忘れさせない
様に頑張ろうね・・」「良いの・・」
「玲華は良いよ、菜摘が狂うほど味わって、手助けするから出る時は・・」
「ハイ・・」何と二人懸りで愛撫していたのだった。
 受けている身の澄人、既に小さな声で会話されているが聞こえていたのだ。
念願の菜摘さんと知ると今度は任せる体を捻じ曲げながら、反応を表すと、
一層愛撫が激しく為り出す。
違う手と顔が澄人の体にはい回り、股は開かれ、棒が激くしゃぶられ出す。
そうなると、尚も一層反応が動きに出て来る、其処を見計らい相手二人は、
呼吸を合わせて愛撫三昧、最高な心地でアソコも膨張・・。
「良いみたい、菜摘が最初に跨ぎなさい、良いね味わうんだ、最高に飛で
頑張るのよ、後は往く寸前まで玲華が跨ぐからね、良いね覚悟は出来たか」
「はい、お姉さん、助けてよ」「任せ、行くか・・」
遂に相手達が動かれ始めた。
 最初は知らない膣穴、其処は柔らかくでかい棒を包む様に挿入され、
半分くらいで上に乗る相手が、手を上にかざして・・、
「おねお姉ちゃん、何何これ凄い~~~、すごっ・・」
「良いから奥までは最初は無理でも動けば向えるよ・・」
「はい、頑張る、く~、初めて奥に来ているよ、なんといいがいいがこれ
これがいいいいい~~~~いやいやいやだ~~~・・・・・・・」
声も動きも憚らず、菜摘は吠えて泣叫んで豪快に腰を前後左右に揺すり尻が
浮くと叩き落す様に豪快だった、しかもその動きは受けている澄人を最高に
興奮させていった。
何度もお姉さん~往く往くが又よ~の連呼、可笑しい程何度も連れてって
くれる知らない境地、其処で自然と往く,いいや活かされて往く、
数度痙攣を起こしていると、変われ、横に転がされた肉はピクンピクピク
と動いて居る中、澄人の上はあの最高な膣を持つ玲華さんが乗り、
しごきのたうち廻り上で最高な往く事を惜しげもなく転がり見詰める菜摘に
魅せつける。
「く~良いわ、何時でも本当に感じるがね、最高、後は仕上げだぞ・・、
良いね狂わせるから、変わるんだぞ・・」「はい・・」
震える体を股も澄人に乗っ懸り玲華は歯を食いしばって壮絶な動きを開始、
受ける澄人も顔が変化、「往くが往くよあんた未だ駄目、交代する・・」
「え・・お姉ちゃん・・」「うぐ~・・、馬鹿か、既に起きているが、
こいつ良い女二人を寝て居ながら満喫かね、こら~~~」
「うふっ、最高です・・」「阿呆~、玲華が死ぬわ、く~最高じゃないね、
あんた、往くか・・」「何時でも良いですよ、菜摘さん乗りますか・・」
「ううん、起きて居るなら下で迎えて出して下さい・・」
「良いですね、じゃそうしますか、玲華さん未だですからね・・」
「ええ、あんた・・」「約束は後三人・・」「うげ~あんた鬼かね・・」
横に降りて玲華が苦笑いの中、其処で強烈な動きで一瞬で菜摘を飛ばすと、
既に痙攣の中で、「良いか・・良いわ、今が最高みたいだしてやって」
「良いよ、最高じゃがね、行くぞ・・」
おぞましい動きで下で受ける菜摘は既に声すら出て来ない、
違う世界に飛ばされていたのだった。
 放出瞬間が見事、澄人の尻の筋肉が盛り上がるとドクドクと出て行く、
玲華も見て感動、そんな関係の三人、果てると、玲華が傍に来て、
女二人で澄人を抱えて暫く余韻を楽しんで行く。
 十分後、菜摘が泣いている、其れを見て澄人の指が涙をなぞらえる、
玲華も感動して見た。
「あんた、良いね、出来たら可愛がるんだよ」「うん、約束する・・」
「良い子だよ、あんた・・」玲華が澄人にキスをすると、
終えると菜摘がキスをした。
 「あのう、おじさん達は・・」
「うふっ、今夜は初床、敬之さんは朱音・・、最高な女よ、義雄さんは
一人者と聞いたから芳奈を充てた・・」「え、一人物じゃ違うのか・・」
「馬鹿ね、成り行きで有るかなと・・」「え、では・・」
「考えたら其処も有りかと、此れからの生道に有得る、あの子は苦労人、
此処から幸せな人生も良いじゃないかとね・・」「何と玲華さん・・」
「あ、其処は菜摘の意見なんだけど・・」「何と、良いですね・・」
そこから、今度は澄人が仕掛ける、玲華に猛攻撃開始、
はたで見ている菜摘の目が点・・。
 愛撫を堪能させると、玲華の脚を掲げ、膝を折るとその股合いに身を
入れると棒が挿入され、其のたたまれた足を抱えて突き進んだ、
受ける玲華は絶叫、真上に見える男の顔を睨んだまま昇天させる、
今度は玲華の両手を交差させ手首をつかんで引き寄せると、
ズズリイッと棒が減り込んで行く、其処で振動を加えて行くと
一溜りも無く、喘ぎ泣き叫んで失神・・、此の体位は効く、
凄い痙攣で棒を動かして、澄人もその快感には全身で味わった。
伸び切る玲華を横に、今度は菜摘が餌食、とんでもない程狂う中、
抱えあげられて部屋を闊歩され出すといがり泣いて往く、直ぐ落とされ、
又も最高な肉の玲華に襲い掛かった。
エンドレスの交じりは二人の思いを粉々に砕け散らし、
今は男がするままに応じて歓喜を挙げるだけ、
凄まじい行為は休んではくれなかった。
 相当な経過時間が、事のすさまじさを表す、漸く動きが止まる頃、
既に深夜三時過ぎに為ろうとしていた。

             つづく・・・・。

































望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・50》

朝から夜中まで、おちおち休んでいる暇など無かった。
入れ替わり人が家に来るからだが、其処を沙代里が見てて、
どうにかしようと頭を悩ましている。
 「お母さん、あれじゃ、貴子さんの家落ち着けないがね・・」
「そう考えてるけど、其処は如何にも出来んじゃろう、家に来て頂いても
構わないけど、横取りするように見えんかね・・」「そうよね、困る」
「何や・・」そこの父親が来る、話をしていると腕を組みながら考えた。
「・・、そうだな、あれじゃわしが見ても大変だぞ・・」
「でしょう、何とかしないと逃げ出すわよ」「おいおい、脅すな・・」
そんな会話をするが良い案は見えては来ない、皆が其処を考えてと言う
しかないかと思い始める。
 「ねね、おばちゃん、如何思う・・」
「・・、そうだね、アソコが大変な事は見れば判るけど、肝心な男がアソコ
に居座って居るしね」「・・」中村屋に来ている沙代里と話をしていた。
「あ、そうだが、ひや~、そうだぞ、沙代里、昔の公民館有るがね」
「え、でも古くなっているし、今は誰も使って無いがね・・」
「でもよ、鉄筋二階建てじゃろうが、外を塗装し直して、中も快適に改造
すれば、如何じゃ、谷の集会場だし、誰も駄目とは言わんぞ・・」
「ま~おばちゃん、アソコで事務所出来るが、其処を悩んでいたんだが、
流石ね、お父さんに聞いて来るね・・」「え、お前~・・」
駆け足で出て行く姿に苦笑い。
 家に懸け込んだ沙代里は親を並べて話を始めた。
「なんと、そうか其処が在るぞ、く~良いぞ、二階は今度の会社の事務所に
改造、一階は会議場、誰もが来れるがね、流石お前は大したもんじゃ・・」
「あ、其処は中村のおばちゃんの案・・」「あはっ、どっちでも良いぞ、
良いわ、今夜は其れで寄り合いだな、最近様皆の顔が見れるわ・・」
「お酒もデショウ・・」母が大笑いする。
 その夜は康太さんの一声で賛成を皆がする、其れで何とか形が出来る、
此処は既に会社を立ち上げるために動いていた。
 翌日、康太さんが、一人の男を連れて澄人に会いに来られる、
紹介されたのは獣医さん、喜ばれて是非協力と逆に澄人に頼まれ、
 澄人にとって願っても無い事だ、直ぐにお願いしますと手を握る。
 何と気に為る事が日に日に解決にと向かう中、本当に、此処で出来ると
確信を強める。
 「おい、名古屋から電話が来たがね・・」「え、誰から・・」
「真美じゃが、賢島に行こうと誘いが」「ああ、じゃじゃ、娘さん・・」
「二日続けて会っていたと、其れで向こうから懇願されていると・・」
「ひや~、通い妻に為れるね・・」「馬鹿垂れが、嵌めたな・・」
「アソコも嵌めたけど・・」「もう阿保じゃがね」
そんな会話で、貴子さんは数日以内にと決められる。
 (ようし、此処は何とか動けるな、後は・・)縁側に座り考えていた。
 そんな中澄人の携帯が鳴る、身に覚えが無い数字だが、暇だし出て見た。
「あ、居たいた・・」「え、誰ね・・」「え~あんた、酷いがね、私よ、
熱川の・・」「ああ~女将さん・・、何で番号・・」
「横に居るがね、大事な人が・・」「うひゃ~玲華さんか・・」
慌てて、見えないのに座り直す澄人、変わられて、発声、一言・・。
「馬鹿~~何で連絡せんのね」平謝る澄人、頭を何度も下げて会話する。
 「ふ~そうか、じゃ何とか出来るんか早く来んかね、こっちも話がある」
「ハイ直ぐに・・」「今から出て来い・・」「ええ、今からですか・・」
「ああ、命令じゃが、今夜迄来い、良いな・・」
そう言われて勝手に電話を切られる。
「・・、・・」一番苦手で怖い女性、でも最高に慕う自分が居る。
直ぐに出ないと夜に到着できない、本当に、慌てて、メモを残して澄人は
一週間滞在していた谷を出る事に為った。
 九月十七日、午後六時半、懸命に飛ばして、熱川の旅館に到着、
何も告げずに仲居さんに風呂と言い、大風呂に入って一休み、
思えば来る途中、考えることが出来た時間、本当に有意義な運転時間だ。
 汗を流すと、浴衣に着替えて、広間に出た。
「こっち・・」おかみさんが言われて、ロビ-のソファ-で待つ玲華さん
に頭を下げて座る。
「半月以上、放りっぱなしかね・・」「済みません、忙しくて・・」
「其処を聞かせろ・・」「え・・」「待って居た、早く聞かせてくれ」
いきなりそう言われるが、何から話せるかと考えていると・・、
「御免なさいよ・・」「・・、・・、え、え、え~~~嘘嘘だ・・」
何と、見覚えがある男性二人が来て居られ、見上げる澄人の顔が強張る。
「内緒で来ていたんだ、許してもらえんかね・・」
「え、其れは良いですけど、何で此処に・・」
「聞いてな、調べて、遠藤さんが信じる相手の女性に会いたくてな・・」
「でも如何して此処が・・」「判らんかね・・」
座られて話しをするが其処が見えなかった。
「・・、ああ~尚美さん・・、でも此処は知らない筈だけど・・」
「阿保じゃね、有名な女性じゃないね、尚美さんの会社は何処よ・・」
「あ、そうかじゃ調べられたんだ・・」漸く繋がりが理解出来たが、
此処に来られている事は未だ理解出来ていなかった。
 「ご用意出来ましたけど・・」
仲居さんが来られると、澄人もおじさん達も従う。
宴会場、既に用意が整い、玲華さんも座られる。
何も知らずに乾杯にと、澄人は未だ理解は出来ていなかった。
「あんたね、独りで楽しい事占領かね・・」「え、玲華さん・・」
「聞いたがね、あの飛騨が其処まで進んでいたとは・・」「え、では・・」
「そうよ、この方達が来て、話を聞いて居ると、驚いたが、もう其処まで
進んでいるとは知らんからね・・」「では・・」
「ああ、中身はまだ知らされていないぞ、此処に居られるお二人も其処が
知りたいと待たれていたんだ」「ええ、じゃ何時から此処に・・」
「既に六日滞在されて、旅館では大事なお客様よ」「女将さん・・」
玲華さんと菜摘女将を相手に、澄人は酒に酔うどころの騒ぎじゃ無かった。
 其処から他の人は酒を飲みながら澄人の話を聞かれるが、
当の本人は酒どころじゃない、汗だくで経緯を話して行く。
「ほう、益々進んで行くね、義雄、此れは相乗りせんと楽しみが此処だけ
に終わるぞ・・」「ええ、今そう考えていた、此処も素敵だが、名古屋と
飛騨、其処が良いね」「だろう、流石にわしの娘じゃ、良い男に合わせて
くれたがね」「言えます、此処も快適だし、ゴルフが出来るから尚良い」
呆れておじさん達の会話を聞かされた。
 「あんた、玲華も加えてよね、良いね命令よ」「ええ・・」
「ええもくそも無い、澄人が動く道は玲華が必ずいるからね・・」
「玲華さん・・」「良いね、あんたの弟が導いているのよ、判った・・」
「・・、はい、そうなるんですか・・」
「ええ、必ずそうなって来ているじゃないね、此処もそうよ・・」
「聞いたが、澄人さん、あんた人助けして、凄いと感銘している・・」
「義雄おじさん、其処は・・」「ああ、聞いて涙が出たぞ、ましてや子供
がめんこいぞ・・」「ええ、会われたんですか・・」
「ああ、可愛いからな、昨日はゴルフ場まで連れてった・・」
「うぎゃ~・・」澄人が仰け反るから、大笑いされる。
満が良いのか悪いのか、行き成り宴会場の襖が開けられると突進して来る、
見た瞬間舞と知り飛び込む舞を受けて、会いたかったと互いが言う。
ほほえましいから、皆が頷いてみる。
其処から何で会えないのかと言われる中、
舞は澄人の膝上で逃げてくれなかった。
 そんな中、色々とあの飛騨の里の事を聞かれ話していた。
「では名古屋の店は帰ると捜そうかね・・」「え、おじさん・・」
「わしらあんたの後見人として同盟を既に結んでいるんだ、ね~玲華さん」
「れ、玲華さん・ですか・・」「あ、そう呼ばないと返事が無いからな」
呆れて玲華さんを見た。
 宴会場では何とか今までの話しの経緯が説明できた。
「良いじゃない、上出来ね、じゃアソコは仕組みは出来つつあるんだ・・」
「はい・・」「では稲刈が終わる頃、連れてってね・・」
「え、行かれますか・・」「当たり前じゃない、現場を踏む事が一番大事、
それでね、あんた総てに金を出すんじゃないよ、此れからは、此処で居る
おじさん達と玲華と、あんたと三分割・・」「ええ、三分割、では・・」
「そう、あんたに感動しているからね、乗る、うふっ楽しそうだしね・・、
ね~敬之さんと義雄さん・・」『はいっ・・』
同時に返事されるから呆れかえった。
 一応話が片付くと、なんと芸者さんが宴会場に来られた。
「往々、昨日より今夜は一段と良いぞ・・」「ええ、義雄おじさん・・」
「うふっ、お目当てが居るのよ、敬之さんも、ほら美人な年増・・」
「・・」呆れる前の芸者さんを見て仕舞う。
(そうか、此れも有りなんだ)そう思うと少し肩の荷が下りた感じがする。
 「今夜は報告有るんでしょうね・・」
「ええ、沢山ありますからね覚悟してて下さいよ・・」
‹え、嫌だ、其れこそ分割できないの・・›
「駄目です、早く伝えたいしね、貴女の体にですよ」「嫌だ~~」
玲華の素っ頓狂な声に驚く場、でも其れは一瞬、
舞も芸者さんの踊りをまねて踊るから、場は賑やかだった。

         つづく・・・・。













望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・49》

 急に家は賑やかになる、専ら澄人は今は蚊帳の外、話題が谷の事なので
聞いて居るだけ、でも賑やかでも此処は燃え盛る火そのものだった。
「ええ、じゃ後で来られるだぎゃ・・」
「ええ、わしだけじゃ大変な議題、主な人物を集める、お前は直ぐ向えと、
後で貴子さんの家で集合、台所も手伝えやと言われていると、
其処で澄人が驚いていた。
「あんた、聞いた・・」「あ、じゃじゃ、酒も足りんだろう、中村屋に」
「うふっ、任せて既に手を打って廻っている、手伝いも四人来させるがね」
「ま~、何時もテキパキね、頭が下がる」貴子さんが言われた。
「では・・」「今夜で決着がつくがね、大元は総て寄合いで此処に・・」
そう言われると、益々澄人は身がチジム思いに為る。
「さてと、忙しいぞ、早う来んかね皆・・」
「うふっ、相変らずセカらしいよね貴子さん」「昔からだぎゃ・・」
笑われて居る内に四人の婦人が家に来られる。
澄人は益々部屋の隅に追いやられるし、賑やかこの上ない家に為った。
 中村屋のおばさんも軽で荷物運んで来てそのまま居座り手伝いに廻られ、
その姿見て、田舎の結力は凄いと感心させられた。
差配は既に誰もが煩い程、此れは私がこっちはわしじゃと、もう狭い台所
はてんわやんわ、呆れる程賑やかだった。
 午後六時、漸く婦人達の仕事もひと段落、すると今度は澄人を捕まえて
大騒ぎ、何れの方も薄々はご存知と思える唇、笑いながら囃立て大騒ぎ。
 「おう~賑やかじゃね」「もう遅いが、遠藤さんが血祭りにあげられて
困っておりんさろうがね、早く上がりんさい・・」
婦人の中でも若い女性が、仕切られている。
 揃われた男性が四人、しかも皆田舎で正装の部類か背広を着られている、
其処が可笑しいのか貴子さんが、揶揄うから、又も家の中は喧騒、
何とか挨拶を終えると、男性は座られた。
 「此れ見させてもろうたが、本当かね・・」
沙代里さんのお父さん、康太さんが言われる。
「はい、其の計画書は私が作成しているのと同じ、手に渡りましたか」
「娘が戻り急いで清書して、渡され、早くみんなに聞いてと急かすから、
でもこれが叶うなら集める程の話題だと思ってな・・」
そう言われると、並ぶ男性が頷かれる。
 だが、流石政治をつかさどる里の男衆、基本の資本金やら、
どんな計画の中身かを知りたいと言われた。
其れから、澄人は計画している中身を具に話を始めると、
其処でストップ懸けられ、夫人が膳を運んで来られ、「男だけ聞かせても
この谷は為り行かんぞ、まてや、配膳が終わるとわしらも参加する」
中村屋のおばさんが言われると、そうだなと男衆は待たれていた。
 「遅くなって・・」「往々、来たかね待ちかねたぞ、始りを止めている、
座れや・・」ここも中村屋のおばさんが仕切られる。
来てくれたのはあの谷の牛飼いの家族、母の雅子さん、愛菜さん雅己さん
姉妹、此れで役者が揃った。
 乾杯から始まり、美味しい飛騨牛のステ-キをみんなで食べる、
其れから、澄人が話をする段取りと聞いて居る。
 漸く澄人が話を始めると録音やメモを取られる男性と、頷いて聞かれる
ご婦人達、其処で時々驚きの秘め利が挙がる中、話は続いて行く。
 「何と、会社かね、じゃ此処は・・」
「ハイ、郷の皆さんで取り仕切り、牧場を立て上げ雅子さん親子を主体に、
牛を多く飼い、手分けして預かる、其処で牧草やトウモロコシなどを作る
家族や、牛の世話をする団体とに分けて、計画をお願いします」
「じゃ、牛は何頭に為る、会社の資本金は、わしらの手間賃は如何なる」
伊東と言われる男性から聞かれる。
「資本金は五千万円、会社の名は飛騨中山新興ファ-ムと設立、其れから、
牛は年々増やし続け、三年後は此処で多額の金が落ちる事にし、牛も種牛
を育て、ブランドを守り、行く行くは此処で年間五百頭を目的にしている。
やがては名古屋のリニア駅が出来る、其処には権利が有るので出店出来る、
そうなると、外国人も来られる中、既に八か国語を話せる人も決めてます、
此れから、此処で育つ牛の前途は明るい、他人が入り込むのではなく、
地元で運営し、最初は五頭以上の種牛を持ち、独自の育成をブランドにし、
会社を皆さんで盛り上げて下さい、無論生き物を扱う重要な仕事、疫病等
に襲われるかもしれないけど、其処は保険でカバ-して頑張りましょう。
此処の中身は皆さんで考えて決めて下さい、僕は口出しは致しません、
でもこの里の責任者は指名します、其れは沙代里さんにお願いしたい、
生産部門は総て雅子さん親子に従って貰います。会社の設立は、この谷の
方々で名を連ねて下さい、僕は部外者の取締役でお願いします」
「ええ、其れでは拙かろうが、頭は沙代里で良いがあんたは中心じゃが」
「そう言われても其処だけは譲れません、ですから今度の会社は資本金
五千万ですが、後々伸ばす意味で先は二億を考えています。今始める株式
を役員の方には、二十万円の持ち株にします、他の方々も、参加される
なら十万円の株を持って頂きます。無論そのお金は僕が無利子で用立て
します、何時でも良いですから数年後には返して頂けるようにお願い」
「・・、・・」とんでもない話を突然聞かされる人も居られる。
 話が終わると一瞬静寂になったが・・、急に蝉と蛙の合唱見たいな
ざわついた部屋に様変わり、部屋二つをぶち抜いての宴会場、其れから
銘々が話を始められる中、澄人は酒を飲みながら周りを見渡した。
 ニ十分後、康太さんが立ち上がられて、皆が静かになった。
「聞かれたかね、とんでもない良い話が舞い込んで来た、此処はやがて
消える谷と覚悟していた、俺は歯痒い日々を送っているが、今の話しで
頬を引っ叩かれた思いだ、如何かな、この話全面的に受けんか、資金が
有るなら、動ける、其れもひも付きじゃ無いぞ、この方が思う今後の計画
に参加し様じゃ無いか、行く先は名古屋のリニア駅での出店とは愉快じゃ
無いか、世界に飛騨牛此処に有りとで行こうか・・」
その勇ましい掛け声に皆が賛同、拍手が鳴りやまなかった。
 其処から大変、皆が並んで待つ相手は澄人、酒に弱い男ながらも受け
なくては不味い杯、本当に入れ代わり立ち代わりで眩暈がして来た。
「ま~、酒は弱いのう・・」みんなが笑う中、横に倒れている澄人。
其処からは谷の人が輪に為り、どれを誰が仕切れるかと話をされ出す。
資金が有るなら其処は遣りたいと手を挙げる人や、俺は運ぶ方の部門を
したいとまで言われる男性家族、牧草は、今捨て置かれている田畑で
賄えると、皆が頷いている、特に雅子さん家族には人が集まり、
何とか頑張ろう手伝うと、心強く言われていた、
貴子は泣いている最初から最後まで涙が途切れる事は無かった。

         つづく・・・・。









望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・48》

 午前十時前、二人は旅館を出た、車内では熱い眼差しを送る沙代里、
澄人は昨夜からとんでもない労力を使い果たしていた。
総て、最初からの喜悦と往く事の道を造ってやる、其処を走るのは沙代里の
体、其れが教えながら続くので溜まったものじゃ無い、習う沙代里は本気、
益々肉が喜ぶのが判る動きに、貪欲に習おうとするから、
両方とも重大な努力と、動きをせてしまう。
そんな中でも、ちゃっかり今度の仕事の骨組みを裸の沙代里に叩き込こみ、
植え付ける役目も果たした。
 午後一時過ぎ、漸く里の谷に戻れる、喫茶店を通りす後し、沙代里の自宅
まで送るが、其処で寄ってと頼まれるが、其処は総て話しをして、沙代里の
家の方の考えを聞かせてくれとだけ言い残し、澄人は家には入らなかった。
 一度上がってみたかった、郷の真ん中にある小山、此処は昔大きな山が
有ったと聞いて居る、然しその山は活火山、随分と大昔に二度三度と爆発を
起こして、今有る谷はその跡地だと聞かされている。
車で登れる場所まで何とか向い、後は二百メ-トル登らなくてはならない、
疲れた体を引きずる様に上がって行く。
 何とか頂上に到着、すると思いがけずに最高な景色を見る事が出来た。
(なんと・・、此処は・・、凄いぞ全部里が見渡せるが・・)
其れも其の筈、此処はあの九州の阿蘇山の小型と思えば理解出来る。
然もこの小山が最後の火山口の残りと知る。
(良いぞ~・・、此処ではすべてが見渡せるが・・)
感慨無量、写真を撮りまくり、体を廻して眺め景色を脳裏に焼き付けた。
 「あ・・」何と小山の後ろ側に為る場所を見た瞬間驚いた、
あの蛍を見た谷は、この山裾に為っているし、広さも判る。
少し目を動かすと同じような谷が数か所見えたのだ。
(なんと、良いぞ皆見えるし、使えそうだ、此処は最高な放牧地に為れる)
そう確信すると身体が震えた。
 一時間ばかり呆然と、其処に座り眼下の谷を眺め、飽きない、
其れほど谷の使いようで何とかなると確信が、自信にと変わる。
 谷を降りて、もう行く先は決まっている、貴子さんの家にと車は向かう。
「ええ、あんた探してたがね・・」「御免、色々と在ってな・・」
入り口で家の母親貴子さんに捕まったのだ。
「ま~あんた・・」「ええ、何で来ていたんだぎゃ・・」
「数日前からよ、もう真美が煩くてね、其れで話を聞いて此処に・・」
「じゃじゃ・・」「ええ、総て話しをした・・」
「何と、手際が良いぞ、そうか、じゃ貴子さん・・」
「あなた次第だって、上がって・・」名古屋の悦子さんが来て居られる。
其処は本当に都合がよかった、真美が先走り、本命を落とすために悦子が
来ているとは判った。
 「ふ~、あんたね、女を如何使うんだぎゃね、本当に信じられんだが」
「貴子さん、其処は話そうと来た、無理示威はせん、話を聞いて・・」
「遅いわ・・」「え、拙いの・・」
「ああ、拙いも拙い、あんたを恨んでいるぞ」「うひゃ~・・」
本等に顔を見るとそう思えた。
 話を受けて頂かないと、この計画は半端になる、店も大事な部門を
出来なくなるからだ、あの伊勢の賢島の件は、頭を悩ませる計画なのだ。
「貴子さん・・」「まてや、今夜話してくれんか、聞いたが中身がどれほど
かのう・・」「夜でなくても今話せる」膝を詰め寄り澄人は話しを迫る。
 其処から澄人が描く中身を総て貴子さんと悦子さんには話す、
最初にそうしようと考えていたし、此処はこの家が立ち上がらないと出来
ない仕事、どうしても親子を陥落させないと駄目と腹を括った。
 一時間半、澄人が一人でしゃべり続け、聞いて居る親子も真剣に聞いた。
「じゃ何か、あんたが絵がいているのは、直ぐにでも店が出来るんだぎゃ」
「ああ、この家次第です」「家次第って、わしだけの問題だろうがね」
「いえ、家諸共です、悦子さんは店の女将さん、佳恵さんは料理の責任者、
総てその二人を囲んで運営します」
「え、きいとらんが、じゃ何か家の者総てが其処に向かうのかね・・」
「ええ、最高に繁盛させましょう、其れには海鮮が弱いんです」
「何聞かせてくれんかね、全貌を・・」そこから店の中身と、行く末は、
駅前のビルの中に店を出す、そのモデルを今すぐに作りたいと、
其処まで話しをした。
「・・、・・」親子は顔を見合わせて、体を震えさせる。
「悦子・・」「うん、覚悟している、家の名に恥じないように頑張る」
「お前・・」「お母さんもお願い、月に半分だけでも行けば良いじゃない、
此処は親戚に預けても出様よ、名古屋と、此処と、あの賢島往復ね」
「あはっ、忙しいぞ・・」笑われる。
「でな、あの賢島の男、どんな男ね・・」
「御免、僕未だ会っていなし、其処は悦子さんの義理の娘さんが御存知」
「ええ、あんた、相手がクマみたいな男でも行けと・・」
「海際ですよ、クマは居ないけど、トドなら」「ええ、もう澄人・・」
名を呼び捨てにされ、親子で大笑いされる。
 何とか其処までは漕ぎ付けた、此れからはあの沙代里さんの家の中身次第、
其処も話を始めると、親子で紹介が省けたと大笑い、中身も聞かないでも
判るとまで言われる始末、後は吉報を纏うと、暢気に構えられるが、
澄人は落ち着けないで居る。
 夕食を支度をと動き始めていると・・、「ごめん下さい・・」
「はい・・、ま~冴子おばちゃん・・」
「うふっ、もう気がせいてな、来たが悪いかのう・・」
「とんでもない大歓迎よ、お母さん、大変・・」
「なんじゃわしも大変じゃがね、・・、アあ冴子・・」
「ご無沙汰しています・・」
「反対じゃがね、もう頭下げたら駄目だぎゃ、アンタよう来てくれたね、
此方から頭下げて向かうのが筋じゃ・・」
「其処は如何でも良事、大変ですね」「そうじゃがね、あの中村屋が・・」
「あら、親戚じゃないね、あのう、肉・・」
「往々、見事な色じゃがね、何処で・・」
「今娘がアの家に行っているの、送った戻りに此れって渡されたんだぎゃ」
「ええ、じゃじゃ、牛飼いの家かね」
「もう娘は半狂乱で、お父ちゃんも踊らされ、騒がしい家に為っている」
「じゃ、何とか動けるんか、無理は駄目じゃぞ・・」
「そう言われると思い先に来た、総て娘の差配でね・・」
 こうして澄人が動いて集める人々が既に輪の中に入られて動かれると、
思うと、感謝する、相手は無論沙代里もこの家の貴子親子もだった。

              つづく・・・・。


















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・47》

 なんとなんと、こんな事も有りかと、満悦な澄人、相手の沙代里さんは、
一気に変化、いいや成長えの脱皮を果たされた。
その姿は極上、何とも言えない程綺麗な姿態、日本人離れの均整がとれた
肉体は、いろんな姿で魅せ付けられている。
教え乍ら、従われる様は芯から楽しめる男冥利に尽きる。
棒をしゃぶらせるために教える時など、笑えた、でも相手は真剣、
澄人が沙代里さんの手の指を口に入れて、しゃぶり方を教える時など、
互いが笑うほど滑稽、其れでも習う姿は真面目、
其の格差が何とも言えない楽しさを産んで行く。
 習う沙代里も、本気、三十路迄遠い道のりを一人で歩んで来た、わが身、
縁が無いと言えども無さ過ぎている。
色んな思いが動いている最中に脳裏に浮かんで来る沙代里、今はどんな事
をしてでも新鮮、相手が馬鹿でかい物を持つ事が、異様に其処の舞台に
立たせていたのだ。
誰が見ても滑稽、三十過ぎの女性が、今更愛撫の手習い、笑えるが当人は
此れから此処が大事と弁えているから、本気で習う姿、其処を見る澄人も
今じゃ、熟されている体、しかも素晴らしい肉体、其れが何と幼稚園擬き
のセックスの技巧の手習い中、互いに少しづつ、其の気に為りながら、
澄人も間に相手に愛撫攻撃を開始、受ける沙代里は目ん玉マジで大開いて
驚愕、膣を攻撃され出すと、嘘だ嘘でしょう~嫌や~気が気が恥ずかしい
け~とのた打ち回りながら、自分の体が、歓喜に侵されて行くのを味わい
最高と泣き喚くほどの成長、今度は澄人が台で愛撫を男にする動きを教え
るが、其処は直ぐに会得、言われる以上に技は上達、其れが楽しいのか、
汗を体から滲ませながら沙代里は奮闘、あの愛撫をされた時の体の感度は
抜群と褒められたから、愛撫される時の応じ方は、誰が見ても初めてとは
思わない、其れほど応じて感じている姿だった。
 手習いは続く、呆れるほど時間の経過が早い、中でも裸同士の皮膚から
噴き出る汗は互いの密着度を爆上げ、本当にセックスの前戯ノ教えに全う
できる相手には感服、これ程夢中になれる相手なら、今度の仕事も総て
任せられると確信できる。
 「休もうか・・」「え、そう、最高に楽しいし、体が嘘みたいに感じて
来た、何処までも行けるみたいな気がする」
「ああ、判るよ、本当に真面目な気と体だよ」「あら、駄目なの・・」
漸くものが言える程に理解出来たのか、顔つきも変化されていた。
「今度は何処から・・」「此れからは、僕が愛撫する、・・」
「ええ、其れからは・・」「流れを挿入に進めるが良いか・・」
「ええ、教授様、どうぞされる儘にお進みくださいませ・・」
「阿保か、こいつ・・」大笑いする二人だった。
 すると、澄人が沙代里を抱き上げて浴室にと向かう、其処で丁寧に体を
洗われる沙代里は又も感動して泣いてしまう、其れほど感受性が強い証拠、
愛撫擬きの洗いは拷問に等しい、何度も其処で昇り詰める自分の体に今更
ながら変われた証だと感動、受ける側がそうだから、事は動くたびに相手
から泣き叫ぶ声が出だして居る。
そうなるともう、つべこべ言わずに事を最高な踊れる舞台に上がらせて、
楽しむだけ、澄人はそう決めた。
 午後十一時、部屋の浴室からまたも沙代里を抱えて出て来た澄人、
素っ裸の肉体は、研磨された今、最高に仕上げられている。
その体を奥の部屋のベットの上に寝かせて、真上から極味ノ沙代里の体を
見詰めた。
「・・」其れを知る沙代里は何と見られているだけで感じて行く、其れほど
敏感な肉と心、本当にわずかな時間でこうも変われる事に驚き嬉しくも有る、
三十過ぎまでは知らない世界だし、自分の体さえもこう慣れることすら、
信じられていない、わが身の良さを噛み締める沙代里は、
今が本当の女の幸せな時だと知らされた。
 午後十一時半、遂に長い愛撫に絆され続けた肉は、最高な味を醸し出す
頃に為った。
澄人は断る事もなしで、既に我慢の限界見事な肉に早く溶け込みたい、
願望がダムの堰止めの破壊の時が来たと知る。
 午後十一時四十五分、遂に澄人が、沙代里の肉にと挿入開始、
迎える沙代里は今は天で彷徨う喜悦の肉を味わって居た瞬間だった。
「・・、うん・・」戸惑う澄人、なんと挿入しようと向かうが、入り口で
入れない、穴が窮屈で亀頭が押し戻されている・・。
「何と、そうか其処かね・・、なな、沙代里、何とか入れさせてくれんか、
入れないが・・」夢遊状態の中言われるが、処理は理解出来ない。
「あのな、穴の入り口で拒否されているんだ・・」
「・・、え意味が判らんがね、何で来て・・」
「心から入って来てと願ってくれんかね・・」「ええ、しているけど・・」
「其処が駄目じゃ、大好きな物を早く来てと思い込め・・」
「うん・・、待って・・」直ぐに反応が亀頭に伝わる。
 「うひゃ~、行けるぞ、凄いが・・、ええ~何じゃこの穴が凄いが・・、
良いぞ良いが動いて奥にと迎えてくれるが、最高・・」
「煩いがね、大変なんよ其処が、とんでもなく張り裂けるように感じるが、
あんた最初はゆっくりよ、お願い・・」
「任せや、凄いぞ儲けたがこの穴最高じゃが~、あ~迎えたぞ・・、
奥にとゴリゴリと運んでくれるが、凄い~~」
とんでもなくでかい声で叫んでいる澄人、其れほど特殊な穴と知らされた。
受けている沙代里はそんな場合じゃない、イガリ手繰る程強烈に膣穴が膨張、
周りの内臓や肉が押し攻められるのが判るほどデカかった。
 だが、その感じはもう何もない、其れほど迎えた膣は驚愕の中でも歓迎を
してくれて様に思える、其処は入れる側も迎える側も同時に知らされていた。
 「フンギュ~、あ、あ、あ、あんたああああ~来た来たが~奥よ・・、
く~ずっと奥くに来た、へそが臍が退かされているがね~、あんた凄い凄い、
中が大変、始めてよアンタ、動いて見て感じるから、お願い凄い事になった、
あんた~・・」GOサインが出た、澄人は最高にきつい中で棒が奮闘開始、
埋めている沙代里は未だ何か叫びつつ中で暴れ出す大物の感触を芯から
味わおうと決める。
 其れだから受ける身の体の反応は呆れる程凄い反応、失点抜刀しながら
も受続ける身は、自分でも驚く、反応の威力を伝える脳が破裂しそうだ。
とんでもない境地、何もかもが初めての事、沙代里は泣きわめいて最高・
凄い~貴方~の連呼の中、三十過ぎ初めて昇天を味わいに飛されて行く。
其れが往くという事すら知らない身、とんでもなく体の異変が痙攣で表し、
上り詰める時の身は頭と足先で自分の体諸共澄人を乗せた侭腰が浮いて上
で大痙攣、わめき散らす声も失せて、身が震え中で動いている棒に最高な
膣壁の連動をこれでもかと味合わせていた。
(く~初めてだぞ、今迄無い穴だがね、凄いぞこれは儲けた・・)
膣中も大変な騒動、外では目が飛んだ顔で痙攣され続ける姿、穴は既に一人
で動き捲る、有得ない程凄過ぎた膣だ、いいや持つ体も最高、汗がほ迸る
体は、既にドスンと音を立てて落ちる二体、落ちても繋がっている。
又も澄人の腰が動くと、蘇り目を白黒、泣き喚いて縋付いて大泣きされる。
 「初めて感じた、此れね、最高よ、あんた~また飛ばしてねね・・」
可愛かった。
リクエストがある限り、澄人もこの穴から出たくない、返事の代わりに腰を
動かすと、またまた始まる雄叫びは、以前とは雲泥の差、
其れほど上達をされて行く姿だった。
腰の動きもいつの間にか澄人に合わせ、迎えてくれる、最高な時往くよ~と
知らせて痙攣と泣き叫び、其処も少し変化が見える程、凄い肉が躍る中、
今迄の怠りていた、男女の抱き合いを此処で総て賄うと決める程、
沙代里は貪欲に、往かされながらも直ぐに戻されるとまたもエンドレスの
歓喜、とんでもないおぞましい味を肉と脳裏に植え付けられていった。
 一時間は優に過ぎているが、とんでもないカップル、未だ穴から一度も
外に出してもらえない棒はふやける程、中で滞在させられた。
だが、其れが良いと思う二人だから何おかいわん、互いの体が滑る中、
抱合いながらキス三昧、その間でも澄人の腰は沙代里の奥にと迎えさせる
動きが止まなかった。
 初めての経験が何もかも吹き飛ばして、沙代里は泣いているが、
此処は以前の泣きとは大違い喜びの汁が涙に変わり出ていると思える。
 一時間半後、部屋は漸くおとなしくなり、聞こえるのは互いの腹式呼吸
の鼻から出る音のみだった。
 最高、手習う相手も最高な生徒だった。
その証拠に、動きは止まるが、棒は外には出ていない、未だ合体の侭だ。

          つづく・・・・。









望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・46》

 中々心が落ち着かなくなる沙代里、此処までは来たけれど、此れからの事
はどう考えても今までの姿ではおれない事情があった。
「ね~、あんた、如何するの・・」「え、何が・・」
「だって、此れから如何進めるの・・」「ええ、今更何・・」
「だってね、告白するけど、沙代里は経験が乏しいのよ、強がりで今迄過ご
して来たけど、あれは一人の男性としかした事無いし、恥ずかしいけど大学
時代だけよ、でも其れも半年、数度抱かれただけなのよ・・」「・・」
いきなり何をと聞いたけど、中身が予想を遥かに超えている、この姿かたち
とあの人を引き付ける威力の目と心、どれをとっても格上、その女性が何と
ひ弱く一瞬見えた事か芝居かと疑うほど、今迄に接した女性じゃない、
呆れて返事が返せない澄人が居た。
「ねね、聞いて居るの・・」「「・・、え、ああ~聞いて居る」
「で、如何なのよ・・」「え、如何って何が・・」「もう嫌、虐めないで」
「ええ、其処もなんで・・」「もう良いわ、こんな年で恥ずかしいじゃない、
一度、いいや一人の男しか知らないし、其れから十年以上経過してるのよ、
怖いのよあんたが・・」「怖いのか、じゃ止そう、其のままで良いのなら
良いじゃないか・・」「え、あんた・・」
「仕事さえ受けてくれるなら、其処は構わないけどな・・」「本当・・」
「ああ、本当だ・・」「・・」返事が戻らないけど、其処は澄人が一枚
上みたい、相手の動揺が手に取る様に判る。
「あんた・・」「何・・」「良いの、良いのよね、しなくても・・」
「ああ、良いよ」「・・」其れでも座ってはくれない、立ったまま何か体が
震えているみたいで浴衣が揺れていた。
三十路の女性で経験が薄いとこうなるのかと思える、今迄の鼻息は何処え、
そう思える程困惑されていた。
「良いから座れば、其処は如何でも良いがね・・」
「・・」返事はされないが座られた。
 澄人が気直しに冷蔵庫からビ‐ルを取り出して二度目の乾杯をする。
「・・」グラスを持つ手が震える中、作り笑いが顔を引きつる。
「く~上手い・・、風呂上がりにもう一度飲もうかな・・」「・・」
嫌未が少し混じる言い方で飲み干す。「風呂に入るわ・・」「・・」
返事が無いまま、澄人は部屋の風呂にと消える。
 「・・、如何し様、此の侭で良いと言れたけど其処は・・、もう此れから
如何するのよ、同じ女性でも今回の仕事に関係する人は、この男に抱かれる
と思っている、普通なら其処迄決めつけないが、あの谷に木霊した、女性の
歓喜の泣き叫びは有名、店でお客が来ても、聞いて居ないぞと悔しがられて
いる人も居るからだ、あの声は尋常じゃ無いがと言われるまま聞いて居た、
沙代里、其れがどんな事されて出るのかも知らない体だった。
然も長い間泣き叫びは聞こえたとも言われてる中、どんな事してそんな時間
居たのかと、其処も気に為る、総て数少ない一人の男だけの経験は、
そんな事すら理解出来ていないのだ。
しかも別れる時相手の男が言い放った。
「沙代里ちゃんは僕に会わない、なんか中が窮屈で直ぐに果てしまうんだ、
他じゃそうじゃ無いけど、三分しか持たんが・・」
「ええ、何其れ、他の女性って何よ・・」「ああ、御免昔だがね」
「昔何時よ・・」二年前、郷でな・・」
「いやらしい、もう寄りつかないでよね、何狭いって何が狭いのよ・・」
「・・」遂に、其処から相手は黙ってしまった、其れを今思い出して、
困惑する。
  此処に来て年甲斐もなく動けない自分が情けなく感じる。
今更此処で立ち止まっても先には良い事等無い、三十路の体をどうって事は
無い筈、しかも経験不足を箍に背負う自分が、最高な話で表舞台に立てると
知っているから、此処は動く事には是非もなかった。
 だがだが、現実は、動けない、焦る思いが募って来てこんな場面は一度も
無い我が身、既に相手は部屋の風呂に入られて居る筈、益々動き様が見えて
は来なかった。
泣きたい、いいや泣けるほど憎い自分の行動、動けないのは何かを考えよう
とするが、其処はまともに思っても野暮の一言、いい年をしてて、
この有様に本当に泣けてきた、その涙は自分を呪う涙か、
其れとも歯痒い中で動けない我が身なのか、理解し難いが、
今は泣いてしまっていた。
 其処にマンが悪く、澄人が部屋に戻る。
バスタオルを体に巻いて頭をタオルで拭きながら出て来た。
 「え、ええ~、何で泣いているの・・」澄人を座り見上げる顔は涙で濡れ
ている顔、驚いて前に座った、澄人、其れが悪い方向にと向かわせる。
「わ~~ん・・」「えっ・・」
突然しがみ付かれ鳴き声で言葉が理解出来なかった。「
おい、如何したんだ、泣くな何で泣く・・」
そうとしか言えない、意味不明の姿に、流石に澄人は困惑する。
「もう泣くのは駄目、嫌ならしなくていいが、な、泣くのは不味いだろう」
「わ~~ん・・」其れでも酷くなる鳴き声、如何する事も出来ない状態、
澄人は沙代里を抱いたまま泣かせていた。
 暫く、泣き止まなかったが、十分後、相手は自分の手のひらで顔を拭い、
未だ涙で光る目が、抱いている澄人を見詰めた。
何も言わずに見返す、「御免なさいね、もうどうしようもなく、自分が嫌に
なっていた、こんな時戸惑うなんて歯がゆくてね、でも其処は理由が有る、
泣いて我慢していたの・・」
「ええ、意味が判らんが、泣いた理由があるなら其れで良いじゃないか」
「え、良かないから泣いたんだ・・」「ええ・・」
呆れる澄人を見ると、沙代里は急に泣き止んでしまう。
「もう泣いてすっきりした、此れから教えて貰う、此ればかりは動き方
さえしらない、風呂場に向かおうとすると動けなくなり、へたり込んでいる
と突然涙が出て、其れから、見たでしょう・・」
「ああ、そこはな」「でも中身は他愛無い事なの・・」「えっ・・」
「だって、身を委ねる事しか出来ないと今理解出来た、此処も何とか動いて
喜んで貰おうと考えたら、動きなど何も分らないのを知らされたのよ・・、
其の私が歯痒くて泣いた」「・・」
「それで抱かれた事等はるか昔よ、何も知らない学生時代、その後は無い、
だから動きが怖くて、動けば相手が如何思うかとか考えると動けなかった」
「・・」「それで、今になるの、もう覚悟どころか、今迄の自分と決別する、
教えて、どう動けば良いの、習うからねね、何も知らないから、お願い・・」
「ええ、沙代里さん・・」「もう恥ずかしいから、どんどん命令してよね、
応じる、必ず、ね、如何すれば良いの・・」「ええ、まじか・・」
「お願い早く・・」こんな展開など努々思わない呆れるが真剣な顔つき、
考えるいとまもない今、如何したら良いと聞かれていたのだ。
「良いよ、じゃ立って浴衣落とせ・・」「ええ~、裸になるの・・」
「阿呆、聞いて来たんは沙代里さんじゃぞ、良いから立てよ、帯解き落とせ、
動きは其れからだぞ・・」「・・、はいっ・・」勢い良く立たれた。
「・・」澄人の顔前ではらりと浴衣が畳に重なって落ちた。
「なんだ、ブラも、下も自分で外せ・・」「・・、はい・・」
本当に言われるままにされて行く。
こうなると、今迄心配していた事を忘れて、成り行きが楽しいと思え出す。
 「いいぞ、良い子だ、今度は前を向いて相手に姿を見て貰うんだ・・」
「はい・・」今度は直ぐに返事が戻った。
「うひゃ~良い体だぞ、凄いぞ最高、なな、体を廻して見せてくれ、・・、
良いが良いぞ腰の括れや、足の長さも・・、其れに・・、髪を束ねて・・、
そうそう結べ・・」従い、バックから紐を出すと歯で紐を噛んだまま髪を
束ねて結われる。
「く~、素敵だがね、断然いいよ、沙代里・・」「あんた、出来た・・」
「ああ、良いぞ、そうか、じゃ僕のバスタオル外せ・・」
「はい・・、ア、あ、え、ええええ~~~~~嫌だソコソコが嫌だ~~~
なになにそこなんでよう~~~」
興奮をし出したアソコはグングンと鎌首を斜め上に聳えさせていた。
「怖いか、此れが沙代里を狂わせて行く一物迎えるなら従え、嫌なら部屋
を出て行け・・」未だへたり込んで体を手が支えているが、震えている。
(これ、見た事無いがね、一度しか男の物を見ていない、でもでかい・・)
そう思うようにまでは為っている沙代里、
体を支える両手がガクガクと震えて止められなかった。

           つづく・・・・。


























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・45》

下呂名物、真っ赤な橋を渡り、落ち着きのある日本家風の温泉宿が予約なし
でも受け入れて頂いた。
 二人は、今は暇のこの界隈、農作業が既に煩雑期に入っているのか、
お客も少ない様子。
奥の最高な部屋に通された二人、窓から眼下の川の潺が心地良い音に変えて
聞こえて来る。
「あんた・・」「良かったが、此処は有名な旅館だ、夕食が楽しみ・・」
「大風呂に行かない・・」「良いね、さっそく着替えて行こう・・」
二人はまるで恋人素振り、傍が見てもそうにしか見えない様子、
廊下を歩く浴衣姿が消えるまで・・、残暑の熱闘は夜に為れば判る。
 風呂を出た二人は又も手を繋いで部屋にと戻る。
「いい湯・・、気持ちが良いがね」「そうだな、名湯とは此れだな・・」
二人は和室に座り、お茶を飲んだ。
「ね・・、アのお話、聞いただけでは忘れるが、メモしても良い・・」
「どうぞ、PC有るから其処に打てば・・」
「有るの、じゃメモリ-にして、戻れば汚い字じゃないから読む事が出来る」
笑いながら言われる、澄人は駐車場でPCをもって、部屋に戻る。
「チップは・・」「有るよ・・」「じゃ貸してね・・」
そこでPCに向かい、今まで聞いて居た事を大まかに表題として打ち込んだ。
 「名前如何し様か・・」「え・・」「此のプロジェクト・・」
「あ、其処は何でも良いけど・・、地元だし、飛騨中山新興ファ-ム設立に
感して、では如何・・」「ま~良いじゃない、決まりよ、素敵・・」
喜んでPCに打ち込まれる。
「ね、後は聞いて居る分でも打ちたいけど・・」
「良いよ、どんどん打ち込んで下さい、僕はビ‐ルでも飲んでいる」
「はい、じゃ進めるね」温泉に来ているが、卑猥な思いは今は無い、
澄人もそうだが、沙代里は特に話を聞いて来て大感動の真只中、
指が躍る様にPCの盤の上で踊って行く。
 三十分、部屋は静寂其の物、音が聞こえるのは微かなPCを叩く音と、
小川からのせせらぎの音が残暑を弾き飛ばしているだけだった。
「出来たわ、見て・・」「ほう早いね、どれどれ・・」
並んで座り、画面を見る澄人・・。
 「う~ん、良いぞこれなら誰にも判り易いが、凄いぞ・・」
「此処からは未だ聞いて居ない部分が入るのよ、お願いね」
「はい、了解です」本当に素晴らしい文言が並び、誰が見ても、此れからの
谷の行く末が、読み取れる優しい言葉が並んでいた。
「もう夕食を待つだけね・・」「そうだ、ビ‐ルでも飲んでユックリしてて」
「そうするね」並んだまま、沙代里はビ‐ルを受けて喉に流し込む。
直ぐに横に居る澄人を見てニッコリとされる。
 食事が運ばれている中でも、今度の事の話が、窓際で話されて居て、
聞くのは沙代里、驚きの顔で聞き入る。
食事が用意できると、今度は無言、時々美味しいと声が聞こえるだけ、
そんな二人だった。
 食事が終わると、仄かに赤い顔に目だけがリンリンと光る二人、
既に話が其処で始まっていた。
「ま~、じゃ、何ね、貴子さん親子は、名古屋の店・・」
「いや正確には違うけどね」「如何違うのよ・・」「・・」
「ねね、何でも包み隠さないで、知った事は不味ければ人には言わないし、
中身隠されてては動きが間違う事も出て来るじゃないね」
「・・、そうだね、良いわ、じゃ総ての成行きとこれからの目論見は話を
するが、貴子さんの事だけはまだ先が見えていないけど・・」
「良いわ教えて・・」
 なんとなんと、澄人は今までの事からなんでも話を始める、其処は相手が
信頼されていると思わせる珠にも必要と考えての事。
 「うひゃ~、何々、アンタ、凄いがね、事実なの其処・・」
「ああ、嘘も隠しも無い、此れからは何でも言い合える間に為りたいからな、
無論向こう側にも沙代里さんとの事も話すぞ・・」
「うん、良いわ、でも凄いねあんた、考えられないけど、郷で漏れた悲鳴は
其処かと皆が思う中、事実だったんだ、じゃ沙代里は・・」
「同じ事に為るが良いか・・」
「・・、良いわ覚悟しているし、いいや覚悟じゃない、抱かれたい事は本当、
聞いた話で躊躇う事は無い、今後もそう、谷が様変わりするなら何でもする」
「有難う、でも犠牲と考えるなら先に失敗するぞ・・」
「あはっ、私の胸の中よ、どう考えても此れだけは変更無し、あんたに縋り
ついて泣いて見たいしね」「言いますね・・」「遣りますねあんた・・」
二人は大笑いした。
 何ともこんな場面でも相手は驚かれないし根性が座っている、
其れほど今回の事はやり遂げてくれると確信する。
「じゃ、貴子さんはまだ先の事に為るの・・」
「そうでも無いぞ、其処は名古屋の店では肝心な事だろうが、店を盛上げる
役目は貴子さんなら理解してくれる、其れが家族の繁栄にと結びつくなら、
沙代里さんなら如何します」
「・・、考える間でも無い事、今回の私より、少し可哀そうだけど、其処は
あの貴子さんならやり遂げることが出来る人よ、家族が総て今回の店に参加
できるんだもの、素敵な話じゃないね」そう言われた。
 それから少しの間PCに叩き加えて話を一時間後漸く終える事が出来た。
 「・・」「・・」少しの間が出来た、「風呂入ろう」「大風呂なの・・」
「え、駄目か・・」「あそこは朝方で良い、此処の部屋のお風呂入ろうよ」
「え、あそうか、良いぞそうしようそうしましょう・・」
「馬鹿ね、お湯入れて来る」部屋を出て行かれる後ろ姿、今度は女性と思い
確りと見る事が出来ていた。
 用意された後、部屋に戻り沙代里はビ‐ルを流込むと、澄人を見詰める。
「何か・・」「あんたね、誰もかもがそうじゃ無いよ、でも今回は本当に
凄い事始めたね」「そうなるのか、出会いでそうなりつつあるんだ」
「だから凄い事と言ったの、其れで相手家族もろともかね、其処が不思議
なんだけどな・・」「じゃ確かめる為にも今夜は抱くよ」「・・」
返事はされないが睨まれていた。
 沙代里は今迄考えていた事を思い返す、(何でこの人が其処まで出来る
のかが不思議なんだけどね、何処にもいる男としか見えて来ない今までの
自分、何でか・・)それが正直な思い、沙代里は男を知らない体じゃない、
郷を一時期離れていた事が有った、当時まだ二十一歳の頃、大学で交際
していた同級生と付き合いが有る、無論付き合って間も無く男女の関係
には為れているが、其れが長続きしていない、どうしてかと悩んだ頃を
思い出す。
その原因は未だに判ってはいないが、都会に疲れた事も有る所為か、
二十七で里に戻り、暫く家でぶらぶらしながら、旅はふた月に一度出て、
家は生活には困らない程度の家、その所為か出て行く姿は煩雑になって
行くが、色恋はあの学生時代からとんと縁が無い、其処は沙代里の男を
見る目が厳しくなりつつあったことかもと思えるが、其処も自分では
そうだと言い切れない不安が残っているのだ。
 三十を超えても其処だけは確かな判断が出来ず仕舞、何やあれやで年
は瞬く間に三十三歳になってしまう。
「此れが二度目の挑戦、長い間体使ってない、如何し様怖くなった・・、
今更知らない等とうそぶくのも拙い、相手が正直な男だし、此れから
あわよくばとんでもない世界に釣り上げてくれる男、どうでも離したく
ない男でもあるわ・・」
其れが本当の自分の心根、相手には知られたくないし、こんな年で一人
の男としか経験が無い身、しかも半年という僅かな時、男と付き合った、
それ以後は無い、其れほど経験が乏しい事が今の年では恥ずかしいと
さえ思えるから益々そこの道には踏み込めていなかったのだ。

              つづく・・・・。





















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・44》

 田舎の道傍の喫茶店、店の中は二人だけ、話は出来る状態だった。
直ぐに中身に入り澄人はこの人だけは落そうと構えて来ている、
其れが出来ないと計画は白紙、元から遣り直さなくてはいけないとまで
決め込んで来ているのだ。
 「ええ~じゃじゃ、そんなにか、アンタ凄いぞ此れ・・」「出来るかね」
「そんな問題じゃ無いがね、大変な事になるよ」
「其処な、此処は何も知らん、其れであんたに先導と勝手に決込んで来た」
「あんた、でも貴子さんの家は、其処が問題じゃがね」
「ああ、其処はもう考えているよ、此処には何時もとは居れなくなる・・」
「意味が分からんがね」「な、今から店閉めんか・・」
「え、あんた・・、如何するの・・」
「阿呆、話がしたいだけじゃが、腹を括らんと進めない話だぎゃ」
「あんた、其処まで言う・・」「そう決めて来ているが拙いか、出来ない
なら最初から言ってくれんか・・」「駄目ならどうなるの此処・・」
「暫くはそのまま状態になるだけ・・」「脅すの・・」
「あ、其れも有かと、いかんせん此の地のでかい山を征服せんと出来ない
話と思えたんだ」「でかい山・・」「あんただ・・」
「うひゃ~何ゆうの、何で私かね・・」「嫌なら、直ぐに帰る・・」
「え、あんた卑怯よ」「ああ何とでも言って、事実だしな・・」「・・」
返事が戻って来なかった、だが執拗に引き下がらずに話を進める。
「待って、もうそんな話なら、此処じゃ心底聞けんがね、困る・・」
「店閉めろ」「あんた無理、そうだお母ちゃんに電話する待って・・」
澄人は大きな山が動きそうと思え出す。
 五分後、軽が空き地に入る。
「何よ、行き成り如何したんだぎゃ・・」
「お母ちゃん、ほら言っていたでしょうがね、貴子さんの家に来ていた男」
「ま~そうか、で店・・」「お願い、沙代里の一生のお願い、留守番頼む」
「あはっ、わしに出来るかねそんな事、え、でも何でじゃ・・」
「あのね、此処の事頼まれているのよ」「何おじゃ・・」
それからかいつまみ話す娘、聞く側は少しご存じか話が軽妙に進んで行く。
「ああ、其れかね、ここ等じゃ噂で持切りになっている、本家じゃ其処は
大事だと煩いがね」「あ、そうゃ、あんた良い事ある、ねね此処起こす
ならお母ちゃんの本家が一番よ、其処が動けば此処は何も問題が無いが」
「ええ、意味が・・」そこから聞かされる話に澄人は驚いた。
 「うひゃ~、じゃ本家は町会議員かねしかも大元なんだ」
「そう言われているがだから」「其れなら尚更、今迄の動きを話して置く、
時間をください・・」「え」「意味がよう判らんが、アンタ、娘を・・」
「ええ、此れから此処を動かす元締めにとお願いに来ているんです」
「動かす、ああ、貴子の家、いいや牛かね・・」「はい、其処です」
「ま~じゃ噂は本当かね、沙代里・・」
「そうなりつつあるのよ、だから困っている」
「・・、そうかね、ふ~あんたがね・・」じろじろと澄人を見られる。
「お母さん、決して悪い話じゃない、此処で話そうとしたが、中身が、
他のお客が来ると・・」「そうかね、じゃ家に来て話せば良いじゃない」
「其処が未だ心を掴んでいないから拙いかと・・」「え、心・・」
「え、此処は様変わりします、いやしたい、だからその先頭を娘さん」
「貴子が居るじゃないね」「其処は別にともう決めているんですよ」
「別・・」「ええ、他の役目が出来たんですし、アソコの家族は此れから
忙しくなる、地元は娘さんが仕切って頂く、資金も出すし、口は挟まない、
だから心底此処を如何にかしたいと思う娘さんを頭にとお願いに来ている」
「・・、あんた本気かね、金大丈夫かね」
「此処に使うには大丈夫ですし、娘さんには話すけど後で聞いて下さい」
「沙代里、行け・・」「え、お母ちゃん」
「あのな、此処にっちもさっちも行かんようになりつつある、だから此処
で出来るなら遣れ・・」「ええ、本気か・・」
「本家も頭を抱えている状態じゃ、其処をお前がと言われるなら動け、
後は尻拭いはするぞ」「お母ちゃん・・」
少し年は行かれているが、陽に灼けた顔は未だ精気が有った。
 「じゃ、従うわ、もともと気に入っているあんただしね」
「え、沙代里・・」「あはっ、ここ等じゃ探しても捕まらん男、逃がさん
だぎゃ、覚悟しててよ」「え、お前・・」「お母さん、餌食に為りますね」
「ええ、あんた迄・・」意味が読めん分驚かれる。
 こうして何とか外に出すことが出来た、
車で待つ間親子で何か話をされているが、待った。
「頼むよ、聞いたがあんたは此処を変えると、娘も変えてくれんかね・・」
「ええ、お母さん・・」「後は頼むよ、沙代里・・」「うん、任せて・・」
意味が分からないが、母から頼まれた事は事実、沙代里を乗せ車は発進。
 「何処に行くん・・」「少し時間がが懸るし、その間今迄の流れ教える
が良いか・・」「良いけど、遠くなの・・」
「あ、明日迄は離さんぞ・・」「え、嫌だ、化粧品も無いが、下着もよ」
「途中で買え、良いか話すぞ・・」「・・」
返事は無いが、車を動かしながら澄人の独言のような話し方は続いて行く。
 「ええ~~~、じゃじゃ、もう名古屋で店を計画しているの・・」
「だから後退りは出来んぞ、此処はあんたが仕切れ、牛も相当数持ってな、
あの家族が主役であんたが差配するんだ、親戚も総てひっくるめてじゃぞ」
「ええ~・・」驚愕する顔を横目で見ながら話は続いた。
「ふ~凄い事に為りそう・・」「嫌か・・」「自信が無いけ、無理かも・・」
「今はそうでもする事に為る、あんたしか居らんぞ」「佳恵さんは・・」
「其処は別、あの人もやがて此処を離れる事に為る」「え、何でよ・・」
「仕事を名古屋でするからな・・」「・・、アあえ、若しかしてお店・・」
「調理は任せようと考えている」
「何と、そうか総て計算されていたんだ、じゃ貴子さんは・・」
「其処も後で話すが、まだ確認はしていないからな・・」
そんな会話をしていると・・。
 「あ、ああ~ま~あんた下呂なの・・」
「正解、湯に浸り、今後の事を話そうと・・」
「嫌だ、其処まで道が出来ているんだ、あんたは相当ね」「駄目か・・」
「馬鹿ね、仕事の責任を押し付けるお詫びとして考えるが・・」
「有難う・・」「本当に憎らしいけえね」
「言えますね、あ、其処の店如何・・、金わたす、此れ・・」
「良いわ、従うし、買って来る」
車を止めると店に懸け込まれた。
(流石理解が早いわ、此れから、沙代里さん次第で、アソコは伸びるぞ、
そうしないと責任が・・)そんな思いをしていると、車に戻られた。
 「良いわ行って・・」車が一路下呂にと向かって行く。

           つづく・・・・。













望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・43》

夕食が始まると、澄人に飲めと勧められる、其処はクルマだと丁重に断るが、
尚も泊れば良いじゃないかとさえ言われている。
だが、此処は澄人も腹を括り初対面ですからと断り続けた。
それが一段と人間性を見られたのか、お父さんはご満悦の顔、
娘二人は泊まればと言われるが、又も頑なに断った。
 ほうほうの態で豪邸を後にして名古屋にと車は走る。
(く~世の中広いがね、とんでもない家だったな・・)
事実、心底そう思えるほどの家と家族、聞いてはいないが、其処は昔からの
住人で、元は百姓、其れが、お爺さんの代とおもえるが、上手く引き継がれ
た現在の家族、本当に色々と考えさせられた、今思えばあの待合わせの時の
自分の態度を思い出すと、ヒア汗を掻く、尚美さんの家庭の事情も知らずに
贈り物をして悦に入っていた自分が恥ずかしかった。
 漸く部屋に戻ると、倒れ込んでしまう、其処で今後は何処が先にか思案。
寝付かれなかった深夜だが、いつの間にか寝ている、起きると既に昼前、
身支度を早々と整えると、澄人は部屋を飛び出る。
車に乗り込むと何処かに出て行った。
 一方、高蔵寺では澄人が帰った後、話が続いていたのだ。
「じゃ何か、遠藤君はその方に伺いを立てたいと思っているんだな・・」
「そうみたい、聞いたらとんでもない女性・・」「マテ、女性だと・・」
「おじさん、最後まで聞いててね」「すまん・・」
そこから尚美が話す中身に驚かれる家族とおじさんだった。
 「何とそうなのか、凄い女性じゃ無いか、で、リ-マンショックは如何
して居られたんだ」「其処も支店長から聞いて居る・・」
尚美の話が続けられた。
 「え、では暴落した株は・・」「どなたかの情報でいち早く売り逃げ、
凄く早かったと聞いた」「じゃ、被害は・・」
「多少に済ませているとも聞いたし、その後が凄いのよ・・」
又も話が続く。
「うひゃ~、なんとそうか、誠其れならとんでもない女性だぞ、敬之・・」
「うん、見事だな、で其れからが聞きたい・・」
「其処から暫く動かなかったそうよ、一年半後、今度は底値で彷徨う株を
買い漁ったそうよ、未だ世間は今後の見通しが立たない内に・・」
「え、じゃ底値なのか当時・・」「そうなるわ、多少値動きは見えたけど、
私が入る前だし、でも聞くとすさまじかったと支店長が、その方の御陰で
成績が上がった支店長は名古屋支店に栄転に為られた」
「何とそうか、資金・・」「有るそうよ、なんせ二十年間当時でも十二年
の計算になるじゃないね・・」「そうなるな、大した人じゃ無いか・・、
世間では此れから如何なるのかと思って居た時だぞ考えられん・・、
でも遣られたんだよな・・」
「うん、其処を凄いと皆が、だから伝説の女性相場師・・」
「言えるわ、俺達とは大違いじゃがね、な敬之・・」
「言えるな、世間は広い」「な、此の侭で良いのか・・」「何がよ・・」
「何がって、なんか血が騒ぐが・・」
「あはっ、その年で今は一人もんじゃないかね、今後のお前の事をを考える
方が先じゃ無いか、義雄」「・・、言えるわ・・」みんなが大笑いする。
 「おい、その女性に合いたいな・・」「会って如何するんだ・・」
「今後の為に合いたいだけじゃ、でも何か会う術はないのかね」
「え、尚美・・」「そうか、相手がどんな方かも尚美は知らないし、支店長
なら御存知よ、当たり障りが無い程度で聞いて見ようか・・」
「ええ、尚美・・」「おじさん、考え違いしないでね、其処は尚美の今後も
懸っているし、嫌な動きするなら教えないからね」「はいはい・・」
「尚美、早く聞いてくれんか、俺は会いに出かけるぞ、遠藤君を見たら、
動けと心が催促を始めているしな、お前・・」
「うふっ、そう見たいね、良いじゃないどんな人なのかを見極めるには会う
しか無いわね、さっきもそうじゃ無いね、尚美が連れ込んだ男は我が家に
風を吹き込んで帰られたわ・・」「だな、良いのか・・」
「ええ、家で将棋ばかりじゃ耽るだけ、義雄さんと二人で東海道中膝栗毛で
如何、良い相手じゃないね、な~尚美・・」
「うふっ、笑えるね、でも其処も良いかも、なんか切っ懸りが無いと動け
ないじゃない、行けば、温泉巡りかねて・・」
「おう、そうじゃが、アソコらは温泉が、なな行こうや・・」
「だな、じゃお前が宿の宿泊費持て、俺は交通費と他の諸物を持つ・・」
「ええ、そうなるんか・・」「ああ、交通費も高速代も総て持つがね・・」
「ええ、じゃじゃ肝心なあれは・・」「あれ、何・・」
「もう言わせるのか、此処じゃ拙いじゃろうがね」
「おじさん、既に頭の中はお見通しよ、ね~ママ・・」
「うふっ、芸者遊びですよね、良いじゃないですかして来たら如何・・」
「く~見られているが,敬之・・」「阿呆・・」大笑いだった。
「じゃ悪いが、尚美それとなくどこに行けば良いのか教えてくれや・・」
「良いわ、聞いて見る、支店長なら、少しは解って居られるしね」
この家ではそんな成り行きに為っていた。
 其の頃、澄人は既に高速を降りて、地道を走っていた。
此れから進むにつけて、どうしてもする事が出来た、其れを確かめる為
にと車は向かった。
 高速を降りてから二十分、車は、喫茶店の前で止まる。
「良いですか・・」ドアを開け澄人はそう言った。
「・・、え、あ~あはっ、此処は喫茶店よ、良いですかは無いでしょう
がね、笑えるけ、どうぞ、遅いじゃないね」
「うん、色々と在った、だから遅くなったが、此処は如何ね・・」
「変わり映えが無い地域よ、でもアンタがかき混ぜてしまうから、此処
は賑やかには為れたね」「ええ、嫌味かね・・」
「其れも混じっている、コ-ヒ-よね」
カウンタ-に入られ、うす笑うを浮かべ何度も澄人を見られた。
 コーヒ-を運ぶと、前の席に座られる。
「どうなっているのよ・・」「其処を相談に来ている」
「え、じゃ逃げたんじゃ無いのね・・」
「ああ、色々と詰める事が有ってで此処が遅れたが、思いは変わらんぞ」
「キャ~、そうね、じゃ沙代里は・・」「此処の元締めで動いてもらう」
「ええ、嫌だ、其処は貴子さんが居るじゃないね」
「其処考えての事、家族だけじゃ詰まらん、谷総てを使う仕切れるのは
あんただけじゃ、僕は受けてくれないなら、此の侭帰るぞ」
「ええ~、あんた脅しかね,中身が見えんし返事出来ないが・・」
「此れから話す・・」そんな会話をした。
 澄人は此処に来るまで色々な方法を考えていたが、
此処はこの女性が一番適格の人と思えた。

             つづく・・・・。


































望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・42》

 いやはや話が続いて行く、とんでもない人だった。
「部屋は二つ分借りなさいよ・・」「ええ、無理無理・・」
「何でですの、資金でしょうか・・」
「其れも有るけど其処は何とか協力できる方を説得かな・・」
「じゃ居られるのね・・」「まだ定かじゃ無いけど、何とかなりそうだとは
思うけど、其れで先に先方に伺いを立てようと決めているんです」
「その方名古屋ですの・・」「いいえ、伊豆ですが・・」
「・・、ア、あ、ああ~じゃじゃ北条様ですの・・」「・・」
「当たりね、そうかその方なら間違いないと思うけど、そうなの・・」
急に気が落ちた様な返事をされる。
「未だ話して居ないし、如何かなとは考えていたんですよ」
「その方なら乗られると思いますけど・・」「え、佐々木さん・・」
「だって、紹介されたのは北条様でしょう、会社では凄い関係だと噂が出て
いるんです」「参りました・・」「其処は良いけど、計画が変更に為れば
膨れますよね、資金・・」「そうなるんですよね、未だ賃貸の金額が出て居
ないし、どれくらいに為るかさえも知らないから、大きく広げれば、債務も
でかくなる」「ですよね、でも当たれば凄いわ」「そうなんですけど」
「じゃじゃ、先にモデル店作れば良いじゃないね、リニアは随分と先の話し
じゃないね」「そうなりますけど、先にとは・・」
「経験とモデルよ、アソコが進出するなら間違いないと、世間に知らしめる
ためにも先に店で、自信をつけて乗り込むと良いわ・・」
「何と、其処が有ったぞ、そうか其れなら良いか悪いかは判断出来るし、
待つまでも無く実績も積むことが出来る」「でしょう、そうしなさいよ」
「佐々木さん、素晴らしいですよ」「出しゃばって御免なさいね、もう尚美
も浮足立って・・」「いいえ、凄い案ですよ、其れなら直ぐでも計画は実行
出来るし、迎えてくれる開発公社に信用は出来ますよね」
「ええ、其処が肝心ですよ」そう言われる。
「そうか、その手が有ったぞ、じゃ案ずる事も無い、出来るぞ」「・・」
小躍りする姿を尚美は見ていた。
「あのう電話したいけど良いですよね・・」「ハイどうぞ・・」
澄人は思いが現実に近くなると顔が紅潮し出した。
 「あ、私、碧あんたね、ママに言ってお食事用意しててよ、パパは・・、
そう、じゃ家に居と、ま良いか逃がさないでよね、大事な用事が出来たんだ
御客様連れて戻るし・・、え、馬鹿ねそんなんじゃ無いけど今となれば
大事な人かな、其処は良いわ、頼んだわょ・・、え、そうね一時間後くらい
かな・・、頼むね」電話を切られたが、中身に驚かされる。
 「佐々木さん・・」「御免、興奮してね、先に頼んでおけば良かったけど、
パパが居るかどうか判らなかったし、先に電話してしまったの」
「え、じゃ連れて行くのは僕・・」
「そうよ、貴方しかいないし、お願い同行してよ、出ないと走り出した尚美
が困る、お願い・・」「・・」何と、勝手に同行と決められている。
 どこでも強引さは女性が多いいのかと、疑うほど澄人の廻には女性の豪傑が
居られた。
「家に行かれるんですか・・」「御免そうなったの・・」「・・」
呆れるが嫌とは言えない澄人、其処は此の話とのつながりがあるのかと少しは
期待するが、今聞かれただけでそうは出来ないと、思込み同行をする事に為る。
 急かされて、澄人はクルマを出して、行く先も聞かずに走り出す。
「あ、場所場所・・」「ま、大変、御免なさい、高蔵寺、遠くて済みません」
「え、じゃ国道四十一号線ですね、岐阜との境近くかな一度行った事が有る」
「じゃ道は手前までお願い、後は教えるし・・」そう言われた侭走り出す。
場所的に車では中途半端、中央道を使えば丁度中津川と手前のインタ-との
中間、国道を走る事にする、幸い土曜日で夕方、車は案外空いている。
 御陰で一時間で到着出来た。
「来ましたけど、タウンに入りますか・・」「真ん中の道を上がって下さい」
「うひゃ~、凄い事に為っているぞ、来たのは子供の頃だった、母の知合いの
家、いいやマンションが有ったけど、ここ等は凄い豪邸ばかり、
「何で違うのかな・・」「此処は優先権の敷地、もともと住んでいた人達が
多く居るの、反対側には家は沢山有るけど開発住宅地・・」
「成程な、そう言えば家並みが違い過ぎる・・」
本当に急な坂を上がると景色は一変、目を見張る家並みだった。
「あ、其処の道右よ、真直ぐ百メ-トルで到着・・」そう言われ従った。
 「此処です・・」「・・、・・」澄人は返事が出来なかった、高い石垣に、
垣根が山茶花、石垣をくりぬいたような車庫に入らされる。
車から出ても声が出ない、あの育った鉛筆ビルとは雲泥の差、
ここ等は以前はなだらかな丘陵地、大開発を公社がすると、たちまち昭和の
東海地区の一大ベットタウンと様変わりしている。
階段を上がるとうす暗い中で揉庭が浮き出ている、日本風の庭園、
しかも其処を灯篭から漏れる灯りが青さを際立たせていた。
樹木も相当でかい、中には桜も有るのかと思って見詰めていた。
「どうぞ・・」催促され玄関に向かう。
 「ま~よう来られましたね、どうぞは入って下さいね」
母親か丁寧に迎えられる。
玄関口でもう一人の女性が出迎えてくれる、其れは電話で話していた妹さん
と思えた、息を飲むほどの美人、背も高い聡明な顔は群を抜いて際立つ。
 和風の居間に通され、でかいテ‐ブルに向かい座る。
「待っててね、パパ呼んで来る、今お友達と将棋なのよ」
「え、じゃ今は不味いでしょう、良いですよ、直ぐにとは望んで居ないし、
気を使わないで下さい・・」「でも・・」
「良いです、将棋はそうか辞めるかとは行かないんです、互いに責めぐ
のが凄味が有る、其処を無下にしてはいけません」「え、遠藤さん・・」
「良いから落着くまで待ちます、何で連れて来られたのか知らないけど、
僕は時間は有りますからね」「有難う、じゃそう伝えて来るね」
部屋を出られる、代わりに妹が入って来られた。
「初めまして、妹の碧です、古臭い名前でしょう」
「ええ、そうじゃ無いがね、似合う名前ですよ」「え・・」
「だって姿かたちは碧その者、健康的で凄く美人です、如何見ても名前
負けはしていません、むしろ勝っていますよ」
「ええ、有難う初めて名前褒められたがね、嬉しい、ママ~~」
「はいはい聞こえましたよ、パパに感謝ね」
「え、其処は違うと思うけどな、パパの初恋の人の名前でしょう,破れた
腹いせに付けたんでしょうがね」「もう、お客様の前ですよ、なんて事、
すみませんね」お茶を出されながら苦笑いされる。
 だが、肝心の尚美さんは部屋に戻っては来れない、代わりに母親が、
相手して頂くが、なんせ肩ぐるしくて適わない、其れほど澄人が居る
位置はそうなっていた。
 世間話をしていると、なんと男性が二人部屋に入って来られた、
どちらが父親かは直ぐに見分けがつける、頭を下げて名乗り挨拶を
交わす、同伴された男も紹介された。
後ろから尚美さんが現れて澄人の横に座られた。
「・・、・・」何と広いテ‐ブルに計画書と図面が広げられた。
「義雄、如何・・」「凄い事に為りますな、でも其処まで俺達生きている
のか・・」「あはっ、運が良ければ叶う、十年手前まで待つと見れるが、
其れより出来上がる前が楽しみじゃ、リニアに乗ってから死のうな・・」
そんな会話をされる。
 其処からとんでもない程危険な遣りが飛んで来た、説明するにも大汗を
掻くほど凛とされた二人の男性が、話を聞き入られ、気が抜けない中、
何とか話をする。
 「ほう、じゃ優先権は有るんだ、そうかじゃ計画は空言じゃ無いな・・」
「パパ、失礼よ、澄人さんはそんな人じゃ無い、あのね、計画は無理やり
尚美が聞いたの、其処でパパに合わそうとお連れしただけ、何そんな態度、
相手に失礼ですよ、義雄おじさんもなんですか・・」
「御免、尚美ちゃん、そうなの、じゃ此処に相談で来たんじゃないのかね」
「ええ、既に資金は計画の中に入っているし、其処で尚美が要らん事を話し
たから、計画が許せるなら膨らまそうと・・」
「おう、其の膨らませ方が聞きたいな・・」
「良い、パパもおじさんも聞いて尚美が話する、感動してるから言いたい」
そこから尚美さんの独断場に為った、質問をしたいと言われるが後でと遮断
して、澄人の部屋で話した通り、凄い計画を難なく話されて行く。
 「うひゃ~凄い素敵じゃないね、其処に外国の方も来れるじゃない、
最高お姉ちゃん・・」「あんたも早く結婚して子供を三人くらい造り、
子育てが落ち着く頃、リニアが完成する、其処でフロアマスタ-をしたら
いい、あんたが得意な外語を発揮出来るじゃないね」
「あ、ああそうか、じゃ早く子供作るわ、素敵じゃないね、ねね約束して
下さい遠藤さん・・」「ええ、妹さん、外語出来るんですね」
「ええ、七か国語、此れからロシア語で八か国出来るよ」「凄い~~」
澄人が大袈裟に感動するから、皆が笑われた、だが、其処は本当に感動する
ほど凄い事なのだ、後で聞いたが、飛行機で世界を飛んでいると知ると、
成程と知らされ、其処から、計画の前の事を又も尚美さんから話され出す。
「ええ、じゃ先に店をだぎゃ、なんと考えたな、じゃ名古屋の何処でするの
かね・・」「おじさん計画は即実行、何時も言っているから、尚美が先走り
して、遠藤さんの尻を叩いたのよ、其れで御連れしたの・・」
「そうか、良いぞ、其処は理解出来たが、遠藤君に聞くが、肉は何処から
仕入れるんだ、仲買か・・」「いいえ、其処も既に計画が有ります」
「聞かせてくれんかね、おい、夕食は・・」
「もう何時でも、但し、出前が未だ」「ええ、何じゃそうなるのか・・」
「だって尚美が急に電話で、でもお寿司と上等なお刺身ですよ」
「上等は余計な事じゃ要らん、そうか、じゃ話を聞かせてくれんかね」
今度は澄人が話を始め、其処は尚美も知らない区域、
身を乗り出して聞いて居た。
 「え~凄いじゃがね、飛騨牛を牧場で育てるんだ、凄い凄い、じゃ肉は
飛騨専門店ね、じゃお魚は・・」妹さんが話に割り込まれる。
「はい、其処も追々と叶うように動きます、宛は伊勢の賢島です、其処に
知合いの仲間の友達が居るからと道を造ってくれて、何とか専門でと
考えています」「・・」「パパ・・」
「マテ、考えている、そうか牧場を持てるのかね」
「え、其処までは出来たらそうしたい、相手も今は細々と手助けしたいと、
此れから向かうんですが、既に根廻しは出来上がっているんです・・、
地区総絡みでひっくるめて抱えようかと・・」
「なんと、そうなると、頭数は如何なる・・」
「今からでは一軒の店だけですから間に合います、其処はおいおいと行く末
は種牛を三頭~五頭ぐらい抱えて見たいです」「おう、幾らするのかね・・」
「調べると、血統で値段が違うけど、300~500かと、種牛で出来た子供の
牡を手元に抱えれば三年から五年で持つ事が出来ますが、地域の人の動きが
無いと其処は敵いません、ですからこれから其処を揺り動かして、谷総てを
其れにと向かわせたいと・・」
「良い、君は夢を育てる力が有るみたいだが、良いじゃないか敬之・・」
「・・、ああ聞いて居る、なんぼ金が要るんだね」
「今のところ賄えます、飛騨の部落は既に其の方向で進めますが、
今日尚美さんから言われた店は今皆目場所が見えて居ません、ソコソコの
場所で無いと、計画は如何かと・・」
「だな、名古屋でも錦は如何かね歓楽地だが・・」
「考えましたが、足場が遠くなりつつあるんです、今は駅前周辺ですかね、
でも場所がらもう直ぐ工事が始まると景観が芳しく無く、食事は如何かと」
「じゃ何処かね」「ハイ、尚美さんから言われて考えるに、今若者や
サラリ-マンから会社の接待に脚光を浴びてる場所、白川公園付近です、
市場調査して其処なら考えている店が出来そうと思われるんです」
「・・」「・・」居並ぶ人たちが言葉も出せず澄人の話を聞き入る。

             つづく・・・・。





























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・41》

 九月に入る、数日前に真美ちゃんから書類を手渡され熟読して今日が来た。
仕事柄と言えど大した物、本当に感心し感動もしていたのだ。
「ふ~・・、何とか理解出来て来たな、此れからだぞ・・」
そんな思いで部屋も散らかり放題、でも自分の部屋だし其処は気にして
いなかった。
「さてと、此れからだな、如何運ぼうか・・」
思案していた午前十時、携帯が鳴った。
「はい・・」出ると一瞬息が止まる、其処は嬉しかったからだと思えるが、
相手はあの佐々木尚美さんからだった。
 お礼が言いたかったと言われ、「今はどちらですの・・」
「え、はい部屋に居ますけど・・」「住所通りですの・・」
「え、あ~そうですが・・」「じゃ、直ぐ傍だしお礼に伺いたい・・」
「ええ、今ですか、部屋が見れない程散らかっているんですよ」
「あらら、じゃかたづけにお伺いしますね」「ええ、ああ、あ、ああ・・」
勝手に電話を切られて、澄人は大慌て、散らかる衣服と出前の什器、
紙袋や色々なものが所狭しと散らかって有る。
汗を掻くが冷や汗と混じるから大変、掃除が済んで居ればシャワ-でもと
時間は有るが、直ぐ傍なら何処かと考える間も無く、ドアホンが鳴った。
「はい、え、え~もうですか・・」「お片づけ致しますから開けて下さい」
強引だった、諦めてロックを外して待った。
 直ぐに来られて、汗を掻きながら迎えてしまう。
「どうぞ、本当に散らかっているんです・・」
「・・、まそうでも無い、弟の部屋なんか足場も無いくらいですのよ」
笑われながらバックと箱をソファ-に置かれると袖をまくり上げて、
澄人を見て笑われる。
「貴方は、テラスでのんびりとしてて下さい、掃除機などの場所を教えて」
言われるまま案内をする姿に相手は苦笑いされる。
何とか追い出されてテラスの椅子に座り、残暑の中で名古屋城を眺める。
部屋では小気味いい程動かれる姿、本当に馴れておられるのかテキパキと
片付けが進んで行った。
 「ええ、キッチンは頼んでいないぞ・・」
相手は其処も動かれ続け、果は洗濯機が音を立てて回り始める、
またまたヒア汗がほとばしり出る中、澄人は気が滅入りそうな面持ちだ。
 三十分後、「お待たせどうぞ・・」部屋に入る事を許される。
「どうぞ、勝手に探して・・」「ああ、なんとコ-ヒ-迄、頂きます」
最近はこの部屋には悦子さんだけが来られているが、今は何でか暫く顔が
見えていない、其処に佐々木さんが現れていた。
 テーブルの上に整理され積まれる書類、其処に尚美の目が行く。
「あら~、この会社は桜通りに有るけど大手よね・・」
「ハイ貴社の並びに有りますね」「何か参考資料ですの・・」
「あ、そう言えばそうなりますかね・・」
「え、じゃ何か情報を掴んでおられるのですか、どこかで大きなお仕事、
アソコは有名な優良会社ですから・・」「え、其処は知らないけど・・」
「え、じゃ参考資料じゃ無いの・・」
「え、ああ~株か、そうじゃ無いんです、気に為るから頼んで資料作成」
「え、意味が株と関係が無いの・・」「今はそうなりますけど・・」
何とも歯痒い返事ばかりしていた。
 「コ-ヒ-美味しいですね、趣味が良いわ・・」「其処も店任せですよ」
互いに笑う。
「あのう、お仕事は良いんですか・・」「え、ま~、今日は土曜日ですよ」
「あ、仕舞った、忘れている、決まりが無い生活ですから、曜日が、そうか
そうなるな・・」又も二人は笑うしかなかった。
遅れたと断り、箱を澄人に渡される、後で見てねと言われた。
 「まだ暑いよね・・」「「今年も酷い夏ですね、まだ続くんでしょう」
「十日までは我慢しましょう」
何とも落ち着いた口ぶり、澄人も従い敬語三昧だった。
「今日のご予定は・・」「あ、もう揶揄わないで下さいよ、アッて無い様な
事ばかりとばかり、今日は如何して過ごそうかと、其れが悩みですよ」
今度は澄人だけが笑う。
 時々その気に為るのかでかい封書を見られる。
「気に為りますか退かしましょう・・」
「え、良いのよ、どんな関係かと気に為っているのは確かですけど、人様の
事ですし、聞けなくて・・」「え、気に為るんですか・・」
「はい、大手なら特に・・」そう返答される。
 暫くすると、「あのう重要書類なんですの・・」
「其れですか、そうでも無いけど」「中身は聞いても良いでしょうか・・」
「ええ、聞いても参考にはなり得ませんと思いますが、リニア開発の関係の
書類ですよ」「・・、ええ~ま~じゃ駅前再開発ですの・・」
「そうみたいですが、未だ世間には知れ渡ってない部分ですかね、まだまだ
先の事ですよ」「でも中身は既に動いていると聞いて居ますけど・・」
「其処はそうなるんですかね、僕もそう聞いて居るんです」
「じゃ、中に何か・・」「何とお仕事ですか・・」
「そうじゃ無くて、何で遠藤さんがと、其の繋がりが気に為るんですけど、
余計な事気にして御免なさい」「良いですけど、其処は些か考えが有り、
頼んでいるんですけど・・」「・・」今度は言葉が返ってこなかった。
 「じゃ僕一度シャワ-を浴びてどこかに出掛けましょうか、その間見てて
も良いですよ」「え、では・・、どうぞごゆっくり」
返事が出来ないほど呆れた。
(仕事絡みか・・、そうだよな・・)
此処に来られたのも先々の仕事の付き合いを念じての事と悟った。
そうと判ると少し気が楽になる、シャワ-も早くは済ませない、
何時も通りに時間を費やして出た。
 部屋に入ると、図面を持たれる手が震えていた。
「出掛けましょうか・・」「「え、どちらに・・」
「食事でもどうかと・・、時間有りますか・・」
「ええ、其れは良いですけど、未だ早くありませんか・・」
「そうか、夕食には早いぞ、店が開いて居ないかも、慌てているんです」
「うふっ、此方もよ、とんでもない計画図ですよね」
「え、拙いんでしょうか・・」「あ、違います真反対です、凄過ぎて手が、
ほら震えているんですよ」そう言われる。
「中身は理解出来ましたか・・」「はい、何で開発の中で入れるの・・」
「其処は立ち退きで・・」「ああ、そうだわ、忘れていた、そうよ早々、
遠藤魚店でしたね」「はい・・」「そうですか、じゃ優先権で・・」
「よくご存じですね」「今居る会社も、やがてそちらにと既に手は出して
いるんです、其の頃は尚美は居ませんけどね、そうでしたか素晴らしい、
なんといっても中身が素敵です」「・・」
「それが、大海と草原の間と別れているんですね」
「そうなるみたいですけど、其処も良いのか悪いのか調べないと・・」
「良いと思いますけど、中には両方が良いと思われる方もいると思う」
「其処なんですよ、悩んでいるのは・・」
「じゃじゃスぺ-スが有るなら中心部分を合体にされては如何なの・・」
「合体・・」「ええ、大海と草原、其処は肉類とお魚ですよね・・」
「ええ、そうです」「じゃじゃ、いっそ、日本と世界に区分けされたら
如何ですの・・」「ええ、日本と世界にですか・・」
「そう、ジャパンオンリ-とワ-ルドオ-ル・・」
「・・、ああ~・・」絶句する。
「そうすれば、日本の会食や地方の名だたる食事も出せるでしょう・・」
「・・、なんと其処まで伸ばせるんだ・・」感心させられた。
 一目見ただけなのに、其処まで思いが発展されるとは流石に澄人も感服
せざるを得なかった。
 「驚きました、そうか、其処まで伸ばせるのか、じゃこれからが大変だ」
「各部署に責任者が座れば適うと思いますけど、其れに仕込みが凄いわ、
魚のお部屋の半分の壁が、水槽、牛肉専門なら草原仕立て、そのどちらも
天井には時間を経過する毎に空の色や雲が流れ、夜は満天の星空ですのね、
素敵・・」そう感歎された。
 中々外に出れそうにもない雰囲気だが、其処は澄人が驚くほどの推察力
を垣間見れて驚かされる。

           つづく・・・・。





























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・40》

 立ち上がった後、暫く驚いた顔をしていたが、何か気が付いてまた座る。
「あはっ、もうたわけじゃね、何で気が付かなかったんだ、阿保じゃわ」
独り言を言いながら、コ-ヒ-の残りを啜り、大きく息をする。
 今までの経緯を思出すと、戯けと叫んだ中身が漸く鮮明に見えだす。
其れは本当に現実離れの戯言見たいな事、リニアはまだ先の先の事の・・、
七年以上も先の事を恰も直に始まると思い込んでいた自分が可笑しいし、
嘆いているのだ。
今更そうと判ると、この二日間は何だったのか、可笑しいくらいに慌てて
いた自分が、今こうして思うと笑えた。
(待てよ、じゃ・・)又も真剣な顔つきになる、可笑しな男だった。
 其れまで自分は何をするんだ、開発が終わる頃は既に年が・・、
拙いぞ此れじゃ・・。
リニアのきっかけで漸く自分の立場が見えだす、其処には呆けた顔つきの
澄人が浮かんで来る。
拙いと思い始めた、旅行は何のため計画していたんだとも思うと、
何ともやりきれない面持ち、世間ではこんな暢気な男は少ない筈、
今更ながら浮かれている自分を怒りたくなった。
じゃ今から何が出来るんだろう、其処を考えると先が真っ暗、
何も見えないし浮かんでは来なかった。
 なにも動けない何したくない、無い無いずくしで呆然と外の城を眺める。
一城の主には程遠いいな、参ったが・・、此れから如何するんだ・・。
心で張り裂けるほど叫びたい、愚かを絵で描いたような男と知らされた。
自分が得た金は総て家族の亡くなった後の金、保証金と慰謝料と保険金、
何も澄人が稼いで来た金じゃない、其れも知らずに来ていた事を悔やんで
いる今、(何とかしないと此れこそ駄目に為るぞ・・)再度心内でそう思う。
 だがだが、今の澄人じゃどうにもこうにも出来そうには無い、
総て他人に依り動かされている身、其れが嫌ほど知る羽目に為った。
 (・・、・・)長い時間部屋で考える澄人、何もかもが夢散、
旅行で華やかな思いでは出来たが、其処も思うと総て家族が残してくれた
金ばかり、其処を忘れていた事が情けない、そんな男に為り下がったのか
と我が身を虚仮落す。
 その日は部屋から出ずに篭り、此れから如何するか考える時間に充てた。
閃きは湧いては来ない、今迄そんな事を考えた事すら無い、其れが実状、
情けない男なのだ。
「ああ~~、なんとそうか・・」意味不明だが、そう言うしかない今、
遣る瀬無さが襲い来ている澄人の心、生欠伸をしながらも何かに耐える様に
目だけは死んでは居なかった。
 いつの間にか部屋で寝てしまう、夜が明けても起きる事は無かった。
午前十時過ぎ、電話が鳴る、「はい・・」
「桜通りの○○証券で御座います,おはようございます」
「あ、おはようございます、何か・・」
「はい、お申しつけの件今無事に済ませました、ご報告です」
「え、あ・ああ~じゃ買えたんですか・・」「優先権です、買えました」
「で幾らに今なっているんです・・」
「ハイ初値は予想より高いですね、基本二千円ですが、相場上では今、
三千二百円ですよ」「え、本当ですか、今日と知らなかったから見て無い」
「じゃPCでご覧になれば楽しいですよ」「え、そうなるんですかね」
「え、良い事為さいましたね」「有難う、お世話になってばかりで・・、
何かしたいんですが、何が良いのか皆目木偶の棒で判らないんですよ」
「お心使いは無用です、仕事ですからね」
「それでも世話になっている事は間違いないんでしょう」
「そうなりますの・・」「え、そうなります、何か買いましょうか・・」
「え、うふっ、其処はお断り致しますけど・・」「けど、なんです・・」
「食事位ならお付き合い出来ますけど・・」
「なんと、じゃじゃ早速如何ですか・・」「あらら、気が早い事・・」
電話口で軽い笑い声が聞こえる。
「是非、なんでも良いですよ、お礼を兼ねて食事でも・・」
何と執拗に食い下がる澄人だった。
 だが、食事は成功、今日午後だったら良いと返事が貰えた。
丁寧にお礼を言いながら電話を切ると、澄人は手を叩いた。
「遣ったぞ、株もそうだが、食事に誘えたがね・・」
其れの反応で手を叩いたのだった。
昨日からの思い気持ちが少し腫れた感じがする、其れほど担当者の女性は
姿かたちも優良だし、声も素敵、相手を見る目も素敵、戯けを通越した男、
昨日から悩んだ事は既に忘れたのかと疑いたくなるほど舞い上がる姿、
とんでもなく戯けを絵にかいたような男なのだ。
 午後六時、名古屋駅のロ-タリ-横の高島屋入り口付近で待ち合わせ、
相手も時間通りに来てくれた。挨拶を終えると、自然とデパ-ト内に入る。
「最初に、聞きます、嫌でも聞きますよ」「え、何も言って無いですけど」
「あはっ、そうなりますよね、断られるのが怖いから先に楔打ちですよ」
「あらら・・」笑う顔が素敵で背も高い、二人が並んで歩くと似合いそう
と澄人は思えた。
「まず、今欲しいのは、靴かカバンか洋服かその三つでご返事ください」
「ええ、良いですよ」「良かない、此れは礼儀です、賄賂じゃないからね」
「うふっ、そうなるんですか・・」
「ええ、そうなりますよ、最高な女性と食事でしょう、そう思っています、
其処は自分勝手ですけどね」昨日と大反対の行動と喋り方、
呆れる程落差が有った。
「どれです・・」「・・」返事はされないが満更嫌と言われない分期待。
「じゃ殿方と御一緒で衣服は選ぶに時間が、カバンか靴なら早いと思い
ますけど・・」「では其れで行きましょうか、何階ですかね・・」
「こちらだと思いますけど・・」「従います、先導して下さい・・」
何と話は出来たし、買い物は既に決めて居る事、其処は伊豆の玲華さん
からも聞かされている。
「担当者は大事にしなさいよ、情報が洩れる時は其処だからね」
そう聞かされていた。
その時の会話は覚えてる、「女性は着るものと身に着ける装飾品が良い、
化粧品などは男が付いて行く場所じゃ無いしね」と言われていたのだ。
 靴売り場に先に向かわれる、澄人は其処のソファ-に座っている、
傍に居ると選ぶに悪いと察しているからだ。
 五分後、尚美さんが澄人を振り返られた。
直ぐに呼応して傍に行く。
「これ如何かしら、茶色だけど無いし衣服が合うのが三点くらいあるの」
「じゃ其れで・・」あとは澄人が進んで会計を済ませる。
「無理言ってごめんなさいね」「あはっ、反対です、言ったは僕ですから、
次はカバンですね」「ええ、靴だけで良いです」
「そうは行かないよ、靴に合うカバンが欲しいな僕ならね」「遠藤さん」
「行きましょう何処ですか・・」「え、本当に・・」「場所は何処・・」
「こっちですけど・・」案内を催促して進む。
カバン売り場も並んで有る、ブランド名から先に選ぶ、其処も茶色系の物を
選ばれているが、動きが鈍い、それっを察して澄人が動いた。
「茶色の靴と似合う物が良いと思うんですけどお勧めはどれがいい」
店員さんに問いかける。
「そうなりますとこれと此方が良いです、色は濃目が宜しいでしょうかと」
今度は女性に聞かれる。
すると手でバックを持ち比べられ、尚美さんは澄人を見られていた。
「こっちは如何・・」「高価じゃ無い無理よ」「でも良いですね」
「そりゃ~そうだけど・・」「此れお願いします」
高価の方を澄人は店天員に渡した。
「遠藤さん・・」「良いじゃないですか、何時もじゃ無いし、今回は御礼」
「・・」何も言わずに頭を下げられる。
 疲れる、女性同伴の買い物は気を遣うし、思えば初めてかなと思うほど
こんな事は思いには無かった。
デパ-とを出ると、既に空は薄い茜色の雲が流れていた。
名古屋駅の向かい側のトヨタビルに入り、エレベ-タ-で上がると、
名が知れたレストランが有る、其処に二人は入った。
 オーダ-は澄人が率先して選ぶ、先に肉か魚類かと聞いて居るし、
どちらでもと返事を貰っている。
 オーダ-を済ませると、再度お礼を言われる。
そんな中でワインが来ると乾杯、其処から料理が来るまで話しをする、
専ら、あの伊豆の玲華さんの事を相手から聞かれる。
ソコソコに返事するが、なんと相手が相当な情報を持っておられた。
 「ええ、じゃ玲華さんは、あ失礼、北条さんはそんなに株を・・」
「え、ご存じないの、相当有名なお方なんです、今の店長もその方の御陰
で栄転ですからね」「あらら、そうなるんですか・・」
「相当なお方です、既に株は二十年間、とんでもないと噂が出ています」
「何とそうでしたか、知らないから・・」「え・・」
「あの方は弟が婿に入る予定の家でした、でも事故で・・」
「あ、そうなんですか、じゃ遠藤さん御自身とは・・」「弟繋がりです」
「そうでしたの、てっきり会社で関係があると決め込んでいるんですよ」
「あら、そうなるんですか・・」
そんな会話の中料理が運ばれ、二人は食事開始・・。
フランス料理だから時間が懸る中、会話は時々出来た。
一時間半で其処を出ると、既に外はネオンで煌びやかな道、まだ先が有る
と思えたが、最初の誘いだし、タクシ-に尚美さんを乗せると別れた。
 心地良い酔いは未だ暑い中、澄人を少し解放してくれる。
澄人も昨日の事で疲れている身、タクシ-で部屋にと帰った。

            つづく・・・・。





























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・39》

 いやはやとんでもない女性、根性も気迫も有る、
しかも決めたら突き進むなどは到底今までの女性とは違っていた。
「な~、そんな積りじゃ無いが、怒るな・・」
「女性を否定された侭仕事を一緒にとは真美は出来ませんからね一緒、
他の女性はいざ知らず、義母や里の女性と出来て真美は駄目なんでしょう」
「駄目じゃない、でも大切に思って居るんだ」
「じゃ大切に思わない女性なら抱いてくれるの・・」「え、其処は・・」
「何処よ其処って・・」「おいおい、絡むなよ困るが・・」
「こっちが困っているがね、何で私だけが除者なのよ、其処が判らないと
動きません・・」「真美・・」「何よ・・」
「其処は嬉しいけど聞くが何で僕と、其処は出会いから金なのか、世話に
なっている事でか如何だ・・」
「なんだ、其処か、金も世話も有難く思ってる、だけど金では転ばないし、
転ぶなら人身御供だけ、割り切れるからね」
「・・」「でも、本当に大好きなんだから、義母とも里の女生徒も出来て
いる事は承知よ、其れでも好きなんだから仕方ないじゃない、こんな思い
を殺してまでも生きたくない、今迄こんな思いは無いし知らなかった、
澄人さんでもう爆発、如何してくれるの、このままじゃ本当に駄目になる」
「ええ・・」「だから真美から告白しているんじゃないね」「真美・・」
「・・」返事がもう戻っては来なかった。
 暫く静寂が部屋を覆う・・。
「判った、でもな未だ仕事が決まった訳じゃ無いんだ、僕の資金だけでは
心もとないからな、其れである人に相談してからと考えている、郷の事は
直ぐにでも動けるが、この計画は凄い話だ、其れで用意をしないと駄目だ」
「あのね、思い違いしていない・・」「え、何処を・・」「総てよ」
「ええ・・、総てか・・」「そうよ、あんたね、何考えているのよ、直ぐに
出来る事じゃ無いがね、リニアはまだ先じゃないね、そんな事で急いでも
どうにもならない事、此処は駅前のビル群に入れることだけでしょうがね」
「ああ、そうだ、そうだったが、なんと随分先に為るがね・・」
「そう、だから計画は出来るし、申込だけ済ませれば良い事よ」
「なんとそうか、迂闊じゃがね」「呆れた人、でも其れも良いかな・・」
「えっ・・」「可愛いじゃないね」「うひゃ~、言われた・・」
「だから、此処は早く会社設立だけ急ぐのよ、二億無くても構わないし、
最初は一億で立ち上げれば後は増資で加えれば良い事・・」
「何とそうなるのか、知らんからな・・」
「定款で其処も歌っておけば良いの、そうして手広く広げるために多くの
職種を書き加えて居れば済む事よ」「成程な・・」
「だから、此処は計画書だけ早急に仕上げると考えていたの、澄人さんが
あんなことをゆうから泣いたがね」「すまん、本当に大事に思っている」
「じゃ、体に其処を植え付けてよね、其処だけが不安なの、結婚してとは
言わないけど、真美の男に為っててよ」「真美・・」
「そうなれば安心して進めるじゃないね、お願い抱いて・・」
とんでもなく考えられないほど強烈な女性、澄人もさすがについて行けない
相手と思えた。
 だが、思うと有難い、こんな心臓が強い女性など今までは知らない、
あの伊豆の玲華さんに負けない女性だと思える。
「了解だけしてよね・・」「え、了解か・・」「うん、其れだけで待つ」
「そうか、嫌いじゃない、いいや大好きだから大事にと考えていたんだ」
「其処は相手には間違いで伝わるし、真美はそう取れないからね」
「はいはい・・」「もう何よその返事・・」
「待て、じゃ、今気に為る事を解決出来たら、抱きたい、いや抱かせてくれ」
「何、其の気に為る事・・」「うん、詳しくは後でするけど大事な人が有る、
その人に話を持ち掛けようとしているんだ、だから計画書が欲しい、其れと
リニア駅周辺の開発図面が手に入れば尚良いけどな・・」
「判った、二・三日待って用意できる」「ええ、まじか、早くないか・・」
「計画は出来ているし、開発図面は既にあるよ」
「有難い、助けてくれ、そうなると話が早い」なんと、そう話が進んで行く。
 漸く真美と別れることが出来た。
落ち着くとコ-ヒ-を飲みながら考えた。
(そうか、リニアな・・、権利は有ると判ったけど・・、ア・ああ~~何と・
そうか迂闊だったぞ・・阿保じゃ俺は・・)
澄人は立ち上がり唖然とする、その姿は本当に突然だった。

          つづく・・・・。








望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・38》

 その夜は澄人は酒にも酔っていたし、悦子と舞の傍で寝るが動かなかった、
いいや動くより、今回の話しで興奮をしていたせいかもしれなかった。
 朝が来ると、真美に何か話をして一緒に家を出る。
其の脚で連絡していたお世話になっている弁護士にと会いに向かう。
 その方は親父との尻市で随分と立ち退きやら、家族の事故死に奔走をして
頂いている方だった。
事務所は駅前のビルの中、会うとお礼を言いかてに参考にと色々聞いて行く。
「おう、じゃ澄人君は其れがしたいのかね・・」「拙いでしょうか・・」
「え、ああ其処かね、そうじゃ無いが中身が見えんしね・・」
そこから一応の経緯を話した。
 「ほほう、じゃ何かスタッフは揃うのかね」又も詳しく説明をする。
「・・」何も言われずに考えて居られた。
「駄目ですか・・、入れませんか・・」
「中身に寄るが、入れない事は無いよ、此処にもいくつかの事を相談に来ら
れているしね、そうだ、息子を紹介するよ・・」
部屋に来られたのか息子さんの清水健一さんだった、子供の時から多少有名
な人で知っていたが、この事務所で弁護士をされていると聞いた。
「良いですね、じゃ遠藤さんは、資金と会社設立のための発起人を揃える方
が先です、開発振興事務所は一度伺いを立てて置きます」そう快諾された。
 一時間半後部屋を出ると大きにため息をつく、其れほど将来の為の道かと
思うほど重大なのだ。
部屋に戻ると、倒れて考え事をする。
昨夜の話がいかに唐突だったのか、でも有り得ない事じゃないから話を聞い
て行く内にとんでもない罠に嵌った感じになる。
だけど、其れが悪くないから何おかいわん、あの真美ならやり切れるかもと
思い始める。
 部屋で暫く考えていると電話が来た、悦子からだった、
今じゃ呼び捨てできるが、年上の女性なのだ。
 部屋に来るのは久し振り慌てて飛び込まれる、なぜ来たのかは言わないが
既に何事にも覚悟が出来ている悦子、澄人が一番心を許せる相手かも
知れなかった。
直ぐ部屋に入ると澄人の胸に飛込んで震える、その後が如何進むかは判る年、
部屋で二度目の合体が起こるだろうと期待して来た悦子は、澄人に従い、
生涯忘れないだろう程抱かれ泣き叫び総ての威力で澄人を喜ばせて行く。
初回で凄い体だと知っているから、澄人は心置きなく悦子にはすべて任せて
出来得る相手、中に挿入しさえすれば後は流れ、悦子が上で泣きじゃくり
暴れる様をしたから堪能できる相手でもある。しこたま堪能した悦子を横に
寝かせ、此れからの行程を話す。
「何とか進めるが、悦子も今回は動け、真美に任せるのではなくて、悦子が
動いて真美がホロ-の形で進めろ、僕は直ぐに相談する相手先に向かう、
悦子は里に向かい、事の経緯を話しでお母さんに頼んでみなさい、伊豆から
いい返事がもらえたら、僕も里に向かうし・・」「貴方、頑張る・・」
其れだけ伝えると涙が零れ出た。
其れほど感動と興奮をする悦子は既に澄人命と思い込んでいる。
 其の後もう一度抱合い、澄人は悦子に遠慮なく精子が放出出来る相手だ。
三時間後、悦子は部屋を出た、残る澄人は何か考えをしながらソフア-に
座り天井を見詰めていた。
(これが俺の生きる道なのか、本当にそうだろうか・・)考えていた。
 するといつの間にか暑い所為か転寝をしてしまう、其れほど昼間の悦子
との抱合いが壮絶だった証かも知れなかった。
 四時半過ぎ電話が鳴る、相手は真美、会いたいと言われ食事を約束する。
中身は言わないがあいつの事だ、どうせ今回の企画の話しだろうと思い、
国際ホテルの二階の鉄板焼きの店で会うと約束する。
 約束の時間、午後六時には既に真美は来ていた、直ぐ肉と海鮮を頼んで
ワインを飲みながら話を聞き始めた。
だが肝心の事は言わない、何でかと訝るが此処じゃ拙いとウインクされる。
用心深さもそうだけど、何か強かな思いを其処で知る。
一時間後、今度は真美を連れて部屋にと戻った。
 「ま~素敵ね、義母から聞いてはいたけど凄いわ・・」
感歎しながら窓からテラスに出て青白い名古屋城を眺めていた。
「話は・・」「はい・・」部屋に戻ると、其処から真美が一人で話を始め、
澄人は聞くだけ、頷きながら聞いて行く。
「ふ~・・、そうか出来るのか・・」「そっちは如何・・」
「うん、朝方な弁護士に合った・・」其れから今度は澄人が話し始める、
メモを取りながら聞いてくれる。
 「ま~じゃ出来るかもね後は資金か幾ら集めたら良いの・・」
「ええ、真美・・」「だって総て縋る事出来ないじゃないね」
「何・・、何か考え有るんか・・」「足らない部分は作ろうと悩んでいた、
だから幾ら集めたら良いのか其れが聞きたかった」
「おいおい、集められるのか・・」
「うふっ、人身御供よ、何とか一億くらいなら出せるかも・・」
「ええ、真美・・」「良いね呼び捨て素敵よ」
「阿呆、其処じゃ無いだろう人身御供って真美・・」「良いから任せて」
「阿呆、其処が肝心だろうが任せられるか不安だ」「良いのよ・・」
「良かないぞ、真美はそんな事考えておらずに計画だけ頼むわ・・」
「其処も任せてよね、もう一応部長には話を通している、仕事の合間に
動けと言われた、会社は大歓迎と」「何とそうかじゃ進めるか・・」
「だからお金・・」「またゆうか、任せろ、其れでな今後一切そんな思い
はするなすれば僕は参加せんぞ」「ええ、何でよ・・」
「考えて見ろ、其処までするほど値打ちは無いが、お前の体は大事にしろ、
今後もだ・・」「ええ、じゃ澄人さんとは・・」
「無い無い、仕事関係だけにする、怖いわお前は」「え~、もう何でよ」
「何でもかんでも無いがね、真美は仕事とだけの付き合いでと考えている、
他は無い・・」「・・」項垂れてしまう真美、其処が無いと言われたのだ。
 だが次第に真美の顔色が変化、すると大きな目から涙が零れ出して来た。
「おい、如何したんだ泣いて居るのか・・」
返事も帰らない中、本当に泣いていた。
「ええ、真美如何したんだ・・」「・・」
返事の代わりに泣いた顔が澄人を睨む。
「・・」その形相に圧倒される。
「あんたね、これ程思う女心踏みにじられて笑う女が居るの、可笑しいで
しょうが、何で真美が動いて頑張れるの、仕事だけならやってられないが」
「ええ・・」「だって、出会ったのは真美よ・・」
「だから大事にしているじゃないか・・」
「その大事の仕方が好かん、女で扱ってよ、此れだけは譲れんから今後動く
糧が無い女等成り切れんからね、真美は心底大事に思っている、澄人さんと
なら何処までも進めると思い込んでいるのよ」「おいおい・・」
「だから無いと言われたら真美は動けない、もう死んでやる」「え~・・」
本当に迫力ある攻め方に澄人は押され続けた。
「だから無いとは言わせないからね、お金作る必要が無いなら澄人さんが
真美の心に肉も連れて入って来てよね」「ええ真美・・」
「だから此れだけは承知してくれないと動かないし降りるわ・・」
そう告げられた。
顔はまともな顔には到底まだなってはくれて居ないし、仕事をしないとまで
言われてしまう、困った澄人が其処に居た。

            つづく・・・・。




















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・37》

思いもしなかった話を聞かされると、なんか興奮して寝付かれない・・。
そんな事を察しているのか、真美と悦子は並んで澄人と寝て話をする。
 「じゃ何か、真美ちゃんは其処は心得ているよな・・」
「ええ、仕事柄其処は・・」「詳しく知らないが仕事は何、PCは触ってる
と聞いたが・・」「そう、大手の建設会社の企画部・・」
「え、どんな仕事している・・」又もそれから真美の話を聞く羽目に為るが、
聞いて行く内に恐ろしくなった。
 「うひゃ~じゃじゃ、現場はおろか中身まで計画するのか・・」
「其処だけじゃ無いし、テナントも相談を受けると請け負うよ」
「何と、凄いぞ・・」「だから、今度のリニアは当たるよ」「・・」
声が出ない程驚愕する、こんな小娘が今じゃ先端を走っているんだと判ると、
今迄の話は満更浮ついた話と違うと思い知る。
「でもまだ先だぞ・・」「うふっ、形が見えるのは先だけど、中身は今盛り、
湧いているわよ」「・・、そうなんだ、驚いたなでも入れるかな・・」
「入れる、必ずうちの会社が後押しする」「真美ちゃん・・」
「内装はうちの会社よ」「はいはい・・」「じゃ、決まるよ」
「真美ちゃん、聞くけど予算はどれ位か・・」
「そうね、資本金二億なら絶対入れる」「二億か・・」
「澄人さん現実には一億有れば適うし・・」「何で・・」
「あのね、会社設立時に二億有れば良いだけよ、後は開設資金に使えば良い
事じゃない・・」「成程な、其処らが疎いし・・」
「教えるから勉強してよ、此れから有るかも・・」「有るのか・・」
「支店が出せるくらい繁盛させるし手伝ってよ」「真美ちゃん恐ろしいわ」
「其れって培返しよ、澄人さんの威力は女の思いを破滅させる威力が有る
からね、殺されないようにしててよ」「うひゃ~、桑原桑原・・」
寝て居ながら三人は大笑いする。
 悦子が加わると、郷の母の事を話しをされ出す。
「何とじゃ、今度の話し・・」「ええ、子供が参加するのよ、しかも里毎
ひっくるめて出し、母は貴方の誘いに必ず乗るよ」「悦子さん・・」
「だから通い妻で良いじゃないね、一月に半分滞在し、後は名古屋か里で
居れば良いじゃない、其れくらいは真美が相手の娘さんと話を決めるし」
「何と、家族ぐるみでか、恐ろしいわ・・」
澄人は聞きながら其処は本当にそう思えて来出した。
「じゃ、一度賢島に向かう」「何時でも良いけど、今は忙しくないか・・」
「もう夏休も直に終わる、海は既にクラゲが出て居る筈ひと段落している」
「そっか、じゃ郷の貴子さんが先決だね」
「そう、郷もそうだけどあの喫茶店仲間に入れなさい、郷を仕切らせると
面白いことが出来そうよ」「面白い事・・」
「ええ、相手は農業と酪農、其処を仕切らせると、沙代里ならどんな事して
でも膨らませるよ」「例えば・・」
其れからの話は里オンリ-、とんでもなく愉快な話を交えつつ悦子と交代で
話を薦めた。
 「だからあなたが何とかねじ伏せてよ」「ええ、其処もか・・」
「だって、ブレ-ンの中心はそのほうが絆が強い、ねね・・」
「・・」返事は出来なかった。
「そうよ、だから真美も抱かれる権利は生じるよ」「うひゃ~・・」
「もう逃げるな・・、真美も義母さんも既にあんた次第なんだからね、
前回は遅れたけど、郷でそうなれば良いかなと思っていたのよ」
「真美ちゃん、策士じゃから、良いけど他では通用しないぞ」
「其処は承知よ、此処だけは澄人さんが親玉じゃし、其れが獣だからね
通用しているよ」「負けました、でも賢島は・・」
「郷で口説いてよ、相手と話をし繋げる、そうだ、澄人さんも娘と・・」
「ええ、もうよせ俺は其処だけか・・」
「一番肝心じゃね、其処がおろそかだから仕事も何もかも大変になるのよ」
「そうなるのか・・」「今じゃ薄情な連中ばかり、今度は其処を真っ先に
地固めで動くね、義母さん・・」
「そうね、其れが良いかも、とんでもない事だけど、相手が澄人さんなら
有り得るし、安心している」「うふっ、序に種牛の役目も引き受けると、
とんでもない子牛が出て来るよ」「阿保か~~」
大笑いしながら澄人は阪神起きて笑った。
 「如何、義母さんと二人きりじゃ無いと出来ないの・・」
「え、ええ~真美・・」「だって烙印頂いて居ないから不安なのよ」
「阿保じゃ、其処は考えるな、そうですかとは行くか・・」「ええ・・」
「煩いぞ、其処は差配しては駄目、成り行きで考える、其れくらいの権利は
渡せよ」「澄人さん・・」「種牛に為りそうだったぞ・・」
「御免、でも真美は抱いて欲しいから・・」
「其処も成行、はいそうですかとは行かんと言った矢先だぞ・・」
「はい、じゃ待つ・・」「・・」本当に負けそうな娘だった。
 「じゃ計画だけは進めるね、会社で色々なサンプルが有る、いいとこ取り
で作成してみる、広さも任せてくれる、場所は相談するし、其れと弁護士を
伴い一度、開発関係の役所に出向いて見て、こちらからも後で話を進める
手筈にするね」「出来るのか・・」「任せて仕事よ」「ようし乗るか・・」
「え、まじで、じゃ上に乗ろうか、した事無いけど一度・・」「阿呆~~」
頭を叩いてしまう。
こんな女性だったのかと今更驚かされる真美、此れじゃまともな男は逃げ出す
はずと思えた。
 「貴方、何から何まで、死ぬほど嬉しい・・」
「ああ、出たぞ、此れが男を狂わす手、習うわ、義母さん・・」
「馬鹿ね、習って出来たら苦労しないわよ、其処は心底そうなりたいと思えば
出来る道なのよ」「じゃ、出来るね」
「何時かは抱いて頂けるよ、きっと、美味しい相手は見逃さない澄人さんです
からね・・」「何と、じゃ余計なもんも食べられるんだ・・」「え・・」
「郷よ・・」「うふっ。今度電話で知らせとくよ、娘がそう言っているとね」
「もう酷い、此処だけの話しじゃないね」
「あんたは喋り過ぎよ、男が寄りつかない部分が其処のようね」
「はいはい、以後気を付けます」義理の親子の会話が楽しかった。
 その夜は珍しく澄人も動かない、いいや動けなかったのが正解かも・・、
とんでもない娘が此処に居る、其れが災いかと苦笑いして目を瞑った。

           つづく・・・・。















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・36》

 漸く腰を落ち着ける名古屋、其処でも新しく出来た親戚みたいなこの家、
あの桜通りで出会った真美、其処から意外な家の事情を聴かされた後、
今が有るのだ。
「ねね、聞いたけど、飛騨では大変ね・・」「え、真美ちゃん・・」
「うふっ、既に全て聞いて居るし、もう逃げられないだぎゃね」
「そうなるね」「澄人さんは凄い男ね、親子も兄弟もかね」
「其処は言わんでよ」「いいや、其処だけは人よりずば抜けているし、
信じられんがね」「言えるな・・」
ここでは既に其処まで気が浸透出来ている証拠、家風かはたまたあの里の
気風か、此処は普通の感覚じゃ無かった。
「あんまり脅さないでよね、逃げたら困るからね」「え、どっちよ・・」
「どっちって何がよ」「あのね、男としてか資金援助かどっちね」
「阿保じゃね、両方だし、其れに今まで知らない程の男よ、何処で居るかね
こんな人・・」「其処か~・・」大笑いする真美は澄人を見て笑われ其れが
暫く止まない仲、義母の悦子は甲斐甲斐しく澄人の世話をしながらビ‐ルを
飲んでいた。
「ねね、郷、此れから行くん・・」「そうなるかな・・」
「じゃじゃおかあちゃんの友達の喫茶店寄りなさいよ」「え・・」
「聞いて居るけど、沙代里さんは強かよ」「うん、会ってそう感じた・・」
「だからあそこは既に澄人さんの手の内よ」「え、意味が・・」
「だって大御所を掴んでるし、其れに里の婆ちゃんも手籠めしたんだからね」
「ええ・・」頭を掻いて苦笑いするだけ、既に真美に肝を掴まれていたのだ。
「ねね、澄人さん、ここ等で手広く暴れない・・」「ええ・・」
呆れる程嗾けられる中、嫌じゃ無いから困った。
「真美・・」「良いじゃないね、此れからの事も有る、こんな大胆な男滅多
にいないし、傍に居りたい、居れば何かしでかすから興味が有るし、
出来れば仕事が在れば尚良いかな・・」「仕事・・」
「そうよ、お母ちゃんもここ等で最後の粋を見せんと耽るばかりよ・・」
「あんたね・・」そこが気に為るのか悦子も顔色が変わる。
「だって、見てよ、郷はあのままじゃないね、其処から何が産めるのよ、
何もあのままじゃ廃るばかり、じゃ如何すると考えると簡単に先が見える」
「え、お前・・」「だって、考えてみれば簡単よ、此処では条件が揃うから」
「揃うって何・・」「あのね、ここ等で何か興したらと考えていたんだ」
「真美・・」「聞いて・・」何と其処から娘の真美が娘でも義理になる関係
の悦子と真美、だが気心に惚れる悦子は此処は真美の名前の間に奈を入れる
程の凝りよう、其れだから真美の話を傍で聞いて感動するのだ。
「ええ、じゃじゃ、あんた其処まで考えていたんだぎゃ・・」
「そうよ、都合よく集まれるじゃないね、其れとね澄人さんの実家の本業は
魚屋さんじゃないね、其れと真美のお友達が伊勢の賢島なのよ」
「それが何・・」「疎いわね義母さん・・」「良いから何でと聞いとるのよ」
「其処は如何かな、澄人さんの実家の権利はまだ少し残っているし・・」
「え、僕に関係するんか・・」「そう、貴方が居るからこんな思いが生まれ
たのよ・・」又も其処から真美の弁舌が冴え渡る。
 「ま~じゃじゃ、澄人さん其れ有りますの・・」
「・・、ああ~有るぞ有ったが土地明け渡しの契約書に何か書いてあったな」
「そうでしょう、真美は既に何軒かから相談を受けている関係上、澄人さん
の実家もそうかなと」「有る、でも忘れているが僕は其処に興味が無いから」
「だから其処を掘り込んでみようよ」「どう考えているんか・・」
遂に澄人が真美に問い質す。
 其処から真美の弁舌が炸裂を始める;
「え、では其処を・・」「そう、其処が大問題じゃないね、優先的に入れる
なら利用して・・」「でも魚屋だぞ・・」「其処よ、魚と肉」「肉・・」
「そう飛騨牛よ」「ええ~真美ちゃん・・」又も澄人は話を聞く側に為る。
「何とじゃ、其処は魚と肉かね」「そう、日本だけじゃないからね、再開発
をされた広場を囲むビル群、其処に入り込めたら最高じゃないね、誰もが
入りたい場所なのよ」「そうだけど・・」
「じゃ、肉は里を嗾ければ良いだけ、魚は考えが有るんだ」
「え・・、僕も多少は知っているけど・・」「それは仲買人でしょうがね」
「そうだ・・」「じゃ生産地を作ろうよ・・」「ええ~、居ないが・・」
「それが居るのよ、伊勢の賢島に・・」「本当か・・」
「そうだから進めているんじゃないね」「真美ちゃん・・」
澄人との話を聞かされ続ける悦子、固まってビ‐ルも飲んではいなかった。
「じゃ、其処はどんな関係なの・・」澄人が問いただすと真美は話を始めた。
「ええ~、じゃ友達の家は元網元なのかね」「そう昔はね、お母さんが亡く
なられてから里に戻っているけど仲良し」「じゃ話は何とかなるのか・・」
「其処も問題だけど、此処は澄人さんの出番かな・・」「え、何で・・」
「あのね、仲良しの子は凄く良い女性だしね、其処にお父さんが・・」
「だから・・」疎いわね、其処を掴むにはどうすれば良いのよ」
「え、僕に其処聞くんか・・」「そう、其処は相談しよう、後で良いから」
「大丈夫なんかね」「任せて、それでね、料理・・」
「あ、其処が大問題じゃないかね、もう忘れていたぞ・・」
「其処はね義母さん・・」「え、私かね、出来ないよそんな事・・」
「義母さんじゃ無いがね居るよ」「え、何処に・・、え、あ、あ、ああ・
あ~~~居た居た居たがね」「でしょう」「おいおい、話が見えんぞ・・」
「貴方が抱いているじゃないね、最高だと聞かされているけど・・」
「ええ、あ、あ、ああ~里か・・、なんと免許皆伝者が居るがね」
「でしょう・・」「真美ちゃん負ける、凄いぞ其処まで考えていたんだ・・」
「そうなるけど、此れからは真美じゃ無理よ、澄人さんの出番になるからね」
そう言われる。
 思えば何でこうなるんかと不思議だが真美に寄り、揃う事は揃うと思えた、
其れで計画を運んでいたんだと知らされた。
「じゃ、計画は出来るな・・」「だから、澄人さんの決断次第よ、柔なお金
じゃないからね」「そうなるよな、じゃ僕だけじゃ拙いかも一杯だしな・・」
「ですから誰か仲間にと其処も考えている」「よそ者は不味かろうが・・」
「仲間に入れれば良い事よ、アソコで・・」「アソコ・・」
「そうよ、澄人さんの持ち物・・」「阿保か~・・」
苦笑いするのは澄人だけ義理の親子は大笑いする。
 だけど既に脳裏には有る人物が浮かんでいる、出来ることは出来るが資金が
どう考えても手一杯、其処を案じていた。
「じゃ伊勢は・・」「其処を相談しようと・・」「如何するん・・」
「そこも男と女じゃ如何かなと」「ええ・・」「だから、あのね里の母・・」
「あ、なんとそれが何・・」「疎いね、澄人さんが抱いているじゃないね、
寝床で口説いてよ」「ええ、親子だろうあんたら・・」
「弱いわよ、其処を何とか芝居で伊勢に向かわせるのよ」
「うひゃ~、じゃ何か其処を・・、く~恐ろしいわ真美ちゃんは、
何でそう考えたん・・、信じられんが・・」
「そこは未だ女と知らされたじゃないね、相手は妻は亡くなられているし、
お母ちゃんなら何とかするよきっと・・」「参りました策士殿・・」
嫌だ~と言われるがその後三人は大笑いする。
 「良いぞ、じゃ弁護士連れて相談に向かうわ、話は出来るなら進めるか」
「良いわ、頑張ってよね、此処は総て澄人さん次第だからね、悦子も娘もよ」
「ええ・・」「もう既に覚悟どころか待ち侘びているのよ・・」「・・」
言葉が出て来なかった、強かな娘と今日は嫌ほど知らされた。
この先どんなに先が研ぎ澄まされた策士にと・・、
成長するのか楽しみと怖さが澄人には湧いて来る。

           つづく・・・・。

















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・35》

 極味を心底堪能した、澄人と美佳はラブホを出ると車で帰路、
その間澄人の左手は離さない、其れほど男として認める姿は感極まるほど
嬉しかった。
美佳は最高に幸せを身に染めて知らされる。
今迄とは雲泥の差のセックスもそうだが、別が大きい衝撃を浴びている。
あの日本海での出会いは想定外、其の中継ぎは娘の舞、何と引きずられる
ように付いて行き、温泉宿で有り余る厚遇を受けている。
おまけにその旅はトロッコで日本最大の黒部ダムを見学し、麓の温泉で一泊、
時間を重ねる都度思いは蓄積し続け、自分から身を寄せるほどまでになって
いたが、其処から先が望めていない、相手が手を出さない限り無いと知る。
富士を見上げて其処でも温泉宿巡り、娘も懐いて仕舞い、
親子で澄人を思うまでになりつつあった。
 処が、話や流れで仕事まで紹介すると聞かされると、どんな事してでも
従おうと何時もの悪い弱い癖が芽生えていた。
諦めで付いて伊豆まで来てしまう、だが其処は予想よりはるかに歓迎され
職場を見ると思いは真反対、迎えてくれる親子は最高な人、
娘も喜ぶほどいい女性だった。
あれやこれやで世話になった男、漸く先ほど抱かれたのだが、
死ぬほど驚愕する、男は心もそうだが、体が考えられない程極上、
とんでもない男だった。
 三時間過ぎても未だ体はあの衝撃から離れてくれない、其れほど強烈な
刺激を全身と心が浴びていたのだ。
 此れからの事も聞きたいけど今は聞く事さえ出来ないでいる。
美佳は此れから如何なるのかは薄々知らされてはいるが、なんとこの男は
紹介された家族と親戚に為る筈だったと聞くと、其処でも驚かされている。
あれやこれやで美佳は既に男のゆうがまま動くままに為った。
 「あんた・・」「うん・・」車の中で美佳が声を出す。
「此れから有りますの・・」「駄目ですか・・」「ええ、反対ですけど」
「じゃ此の侭で良いでしょうか・・」「はい、お願いします」
其れだけの会話で、美佳が望む事はつかめる。
「じゃ、何時までも待ちたいけど、邪魔ですか・・」
「そんな言い方は好かん、離しません、最高な女性の心と体大事にします」
「・・」「でも、美佳さんだけじゃ無いし其処は・・」
「判っています、美佳は待つだけで良いの・・」
「済みません、大事にします、舞ちゃんの成長も楽しみだ、遠慮なく聞き
ますけど、仕事は如何ですか・・」
「ええ、其処は夢みたいなんです、怖いくらい最高過ぎて・・」
「じゃ、落ち着けますね」「ハイ必ず・・」
そんな会話をしている間に小田原に到着、車を止め舞ちゃんの靴を二人で
選んで買い、渡して別れた。
 「く~、もう今晩も抱きたいが、最高な人だ・・」本当にそう思えた。
車は小田原を出て熱海を過ぎ熱川を通り越して白浜の家に到着、
其処で待つ玲華さんが笑い顔で迎えられる。
「戻ったね、如何・・」「只今・・」「・・、え、ええ~・・」
返事をした後、玲華を軽々と抱えると、いきなり寝室に向かう、
有無言わさずに衣服をはぎ取ると、もうとんでもない攻撃が玲華の体
に強襲、受ける玲華は目を白黒、本当に豪快に抱かれ挑まれるから受ける
玲華は一溜りも無い、なんと直ぐにオルガスム行き直行、とんでもなく
いがり泣き叫ぶ中、最高な仕打ちを体がもろに受ける。
何度どなく最高を味わうと、もう体がゆう事を聞かない程往き続ける、
仕打ちは凄過ぎる。
受けながら聞かされた言葉を思い浮かべる・・。
「他の女性を抱いても良いけど、其の後は覚悟してて下さい、此れだけは
譲れない約束ですよ・・」思いだすと此れか~と叫びたかった。
 しこたま善がりを味わうと遂に見知らぬ場所に飛され暫く戻れない。
澄人は寝室を出て、メモを書きテ-ブルに置く寝室に向かいお辞儀する。
居残れば別れが辛いし、今は自分は必要ないと思うと、
澄人は一度名古屋にと帰ろうと決めていたのだ。
熱川の女将さんは気残りが有るが、今はそっと育て後でと笑いながら思う。
 そうなると行動は早い、車に乗込み白浜の豪邸から逃げる様に車は発進、
国道を走り、伊豆スカイラインに上がると清水目掛けて走った。
出てくる前のダブルヘッタ-はきついが、其処は思いで頑張り、
夜中に東名に上がると一目さんで名古屋にと向かう。
 朝方到着すると部屋に入り倒れ込む、其れほど疲れた体だった。
 寝たネタ、どれほどかと時計を見るが優に時計は二回転、
二十四時間は懸っていた。
苦笑いの中、お腹が空いたので外に出ようとマンションを出た。
行きつけの焼き肉屋で一人爆食、呆れるほど食べるとまた睡魔に襲われる、
部屋に直行し、またまた倒れ込んで爆睡・・。
 八月のお盆前、澄人は流石に起きて支度し、お寺にと向かう、
其処で供養お願いし、半日潰す。
車に乗ると、はやかと思えたが、名古屋で行く所が出来ている・・。
 「今日は・・」「は~い・・、ああ~貴方~~」
御器所の家の玄関で相手が驚かれる中、部屋に上ってと言われ従う。
「あのう・・」「真美かね・・」「ええ、違いますよ悦子さん・・」
「ええ、貴方名前、実名よ」「駄目ですか・・」
「そうじゃ無いけど、今までどこに・・」「後で言います、食事・・」
「大変、何も軽い物は有るけど・・」「お寿司頼んで下さい・・」
「ハイ直ぐに・・」足元がおぼつかない悦子、其れも其の筈里から何度も
居るのかと聞かれているのだ。
 出前を頼んだ後、部屋に座り、悦子は問いただす。
「其処は、聞いておられるでしょう」「本人から聞きたいの、如何・・」
「最高ですよ、其処は本当です」「聞いたけど貴方は凄い方ね」
そんな話も気はそぞろ、既に身を割かれている悦子、
本当に待ち焦がれていた男なのだ。
「真美さんは・・」「仕事、夕方戻る、でも帰るとあの人の連絡はと、
いつも同じ事を聞かれるのよ」笑われる。
 名古屋を出てから二十三日目、思えば本当に長い旅、
其れがアッと言う間に過ぎて居る事を知る。
 「今回は名古屋に暫く居るんでしょう」
「判らないけど、お盆過ぎれば如何かな・・」「ええ、貴方・・」
呆れられた。
寿司が届くと、其処は宴会状態、娘の戻りなど待てない程澄人は
お腹を空かしていた。
 午後八時前、真美ちゃんが戻られるともう大変、寿司を食べている中で
質問攻め、笑い逃げたいと言うと腕を掴まれ離さないとしがみ付かれる。
其れほど娘にしては恩が在る男、いいやこの家には大事な男に為ってた。
「澄人さん、暫くて居なさいよ」「ええ・・」
「だって、真美は待って居たんだからね・・」
意味深な顔をされ親子で見合う顔は流石に二人とも綺麗だと今更知る。

          つづく・・・・。

























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・34》

 何度も泣き叫び縋りついて上り詰めてくれる相手は本当に可愛い女性、
小柄な体はアクロバット状態でひん曲がり唸り上げる。
 漸くひと段落して、体を洗い美佳さんを湯船に浸すと、
抱きあげて濡れたままでベットに運ぶ。
其処で互いに横たえて動かない、澄人は此処からは相手次第にと考えてる。
其処は相手は今迄男のされる儘ゆうままにしか動かれて居ないと聞かされて
いるからだった」「ね、貴方・・、お願い・・」「え・・」
「だって抱いてくれていない、もう悲しい、お風呂じゃそうじゃないのに、
変・・」そうか、じゃ動けば良いのか・・」「え、何でその言い方酷い・・」
「あ、そうなるのか御免、でもな此処では僕は動かない」「え・・」
「だから動けないんだ・・」「・・、・・」
「あのね、美佳さんは今迄相手次第に応じるだけでしょうが・・」
「そうだけど女だし・・」「其処が駄目、此処は貴方が主役、遣りたい放題で
動けば良い・・」「ええ、出来ないしした事無いけど無理・・」
「じゃ動かないで休もうね」「・・、え~貴方・・」
「その考えじゃもう成長は其処までかな、浴室の美佳さんが大好き、最高に
応じてくれたけど、其処は別と考えてくれないかな・・」「・・」
「今度は自分から動けば違うセックスの味が美佳さんに来る」
「え、意味が・・」「自分で動いたら、考えていた事やしてみたかった事、
そうして男の上で暴れる姿も僕は見たいけどな・・」「ええ~・・」
本当に驚かれた。
「男に先導されるのじゃ無くて美佳さんが自分から動けば楽しいよ、自分
だから感じる場所はご存じのはず、其処を育てて行けば恐ろしい程の快感
が判るし、浴びれる、其処を求めても不思議じゃ無いけど・・」「・・」
「だから、このままでも動かれても良い、僕は此処では新しい美佳さんを
発見したいんだ」「・・、貴方・・」
「話は其処までです、此れも強要じゃ無いし、間違えないでね、動けば景色
も何もかもが変わるよ・・」そう言って澄人は本当に動かなかった。 
 暫くすると、相手はため息をつかれ、だが澄人は動きも会話もしていない。
 「貴方・・」「・・」「もう、如何すれば良いの・・」「・・」
「何もおっしゃらないのね・・」「言いましたが、総て・・」「え・・」
「だから、このままじゃ貴方の凄さが出て来ないんです、最高な体をされて
いるのに勿体ない、此処では今までの事は総て忘れて新しい美佳で挑んで
下さい、どんな事でも構わないし、慣れるまでは仕方が無いけど、男と女は
交互に味わう権利が有るし、肉も違った喜びを貰える、其処を突き進んで
下さい、なんでも良いじゃないですか、男を弄ぶくらいの思いで懸れば凄い
事に会いますよ」「貴方、経験が無いから・・」
「此処で経験で、もう話は良いでしょう、何時出も其の気に為れば動いて
下さいね・・」仰向けのまま話をしていた。
 だが、そう言われても、そうかとは行かないようだ、長い時間横で添い寝
される美佳さん、動こうと思っても経験がない分、動きが出来ずに悶々と
されている。
其処で、澄人は意外にもキスを仕掛ける、
其れで反応されれば待とうと考えていたのだ。
 しかし其れでもキスをしたまま受けているだけ、本当に今までは受身だけ
のセックスだと知らされる。
 突然、澄人は美佳を転がす様にベットの上で反対側に身体をむかわせ、
なんと澄人の股座付近に美佳の顔が往く事となった。
小柄な美佳の方は、澄人の顔辺り既に太腿を通り越し脚の膝が見えていた、
其れほど身長差がある。
 其処ではもう動く事はしない、総て此の侭、終りでも良いかとも思うほど
澄人は相手の先導を心待ちしていた。
「・・、うん・・」何と目を瞑っていると、震える手が澄人の股座をなぞり
動いて来た、其の動きも苦笑いするほど怯えているのか手先が震えて、
其れが良いのか待つ住むとのアソコがむくむくと鎌首を上にと向かわせる。
其れを知るのか美佳は、その場所に手が向かうと、急にムンズと握り、
益々手が震えてやまなかった。
 「良いよ、最高、どんどん思うままに進めて来て待って居る」
そういう中、手の力は増してくる、そうして美佳の体が起きると・・、
聳え立つ澄人の物を指の力で搾り上げられる。
「あう~・・、く~強烈だが、凄いぞ美佳さん進んで来て~・・」
催促のシグナルを相手に伝える中、期待が膨らんで来る。
 「え・・」今度は澄人から反応が出る、なんと美佳さんが澄人の物を
手慰みから口にと変わった。
「良いぞ、良い柔らかい口、なんと良いぞ、早く登って来て・・」
又も気を挙げる為叫んだ。
「・・、・・」今度は声すら出て来ない澄人、相手が何と柔らかな唇と、
動く舌の舌技はとんでもなく男を駆り立てて来た。
ええ~と思う間が無い、美佳の手が筋肉質の澄人の尻をはい回り、
指がアナルを探し始める。
体を預ける澄人は為すがままされる儘で受けている。
 また時々反応を大袈裟に身体で伝える澄人、受けて美佳はとんでもない
程狂い始める、其処は今迄とは大違い、受ける側じゃない仕掛ける立場、
相手は男、しかも恩が在る相手だ、持物は化物クラス、美佳はもうどう
しようもなく気が高ぶり上に舞い上がったまま降りたく無くなる。
其処からもう美佳は狂いが生じる、今迄アソコは如何かなとか男は何処が
良いのかと考えていたが、今は其れを確かめる事が出来る立場に為ってた。
 「ああんた~~~、狂うよ狂ったげる」
「良いぞ、其処を待って居たんだ、行け進んで・・」
そう呼応されたら、美佳は大豹変、もうシッチャかメッチャか、澄人を
転がして、片足を上にかざすと、股の付け根に顔が埋まる、
澄人の掲げられた片足は何と美佳の体を挟むようにされる。
その足が何を意味するのか解り始めた澄人、今度は美佳の股を覗くように
顔をずらして向かう。
 こうなるともう舞台は戦場に変化、美佳が果敢に攻撃開始、
なんと思いもよらない事が澄人を喜ばせて行く。
澄人の脚を落とすと、其処から美佳が反対の形の体を上に乗せ、
澄人の口が膣に向かえるように体を動かすと、今度はも売れるに澄人の物
をしゃぶり始める。
とんでもない恍惚は澄人を舞い上がらせる。舌使いや唇で攻撃される棒は
既に最高潮、エズキながらも美佳はしゃぶり腰は澄人の顔に押付けた。
時たま感度が良いのか顔を上にあげて喚いて、またしゃぶりが続く。
 「美佳さん~良いよ良いぞ凄い事になるよ~・・」
「なって下さい私も凄い事に為っているのよ、あんた~」遂に箍が切れた。
いつの間にそれがまともな向合いに変わると、今度は何と美佳が上で、
最高に聳える馬鹿でかい物を手で自分の股座に誘ってくれる。
そうなると、美佳は狂いたつ、とんでもないでかさの物を迎えた小柄な体が、
のけぞり震える、其れはあたかも穴にくさびを打ち込まれた様にが窮屈に
ひん曲がる中、震える体だけで棒が締め付けられ捏ねられて行く、
其れが最高な刺激、澄人は思わず、腰を上げて上に乗せる美佳をゆすると、
今度は身体を戻すと、馬乗り姿勢で腰を器用にくねらせ前後左右に爆発の
如き動かれる。
最高、何とも言えない快感が増してくる中澄人は受け身で向開ける。
その間、いがり泣き叫ぶ美佳、とんでもない境地に立たされ続け、
今まで知らなかった境地に飛ばされていた。
 その快感が醒めない中気が戻ると、又も狂喜乱舞、狂い踊る姿は壮絶、
下から見る姿は男を泣かせるほどの動きと叫びと顔、夜叉顔で向かう顔は
絶品,何度も往くが往くよ往けるが~、凄いあんた往くが気が狂った~と
とんでもない程上で暴れ続け、クリトリスが感度が良いのか、往く寸前は
腰を擦り付けてクリトリスに刺激を与えると美佳は大痙攣、
其れが何度も続けられる力がこの小柄な肉体には有った。
 最高だった、澄人も知らぬ間に二度も精子を絞り出されている。
しかも抜かずに中で蘇らせ、聳えるとまたも猛烈な腰の動きが来る。
何処まで続くのか、相当な時間が経過しているのに二人は接結したまま、
上には未だ美佳が乗っ懸っていた。

                つづく・・・・。






































望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・33》

 「・・、・・」とんでもない女性が浴槽に来られた。
そうとしか表現が出来ないほどの凄い体、今迄とは雲泥の差が其処に見えた。
例えれば、玲華さんは身長が160少し、体重も五十は有るし、
最高な肉体を持たれている。
今、目に飛び込んだ女性はなんと150少しの身長で、小柄だけど目を見張る
ほどの均整は玲華さんにも負けてはいないし、其処は違う次元だと思った。
玲華さんはレジェンド好みの高級車、今見えるのは最高級のスポ-ツカ-と
例える程の素晴しさなのだ。
身体を手入されて居ない分野生を感じ、其処も玲華さんと真反対にも思える。
(なんと・・、凄い・・)浴室に入るなり、澄人の前でシャワ-を浴びられて
いる、悲しいかなこの女性と五日間旅を共にしてきたが今迄抱付かなかった
のかと、後悔と理由が悔しい、其れほどの魅力は身体から溢れ出ていた。
「洗いましょうか・・」「え、良いですよ、此処は気を使わないで気ままに
動いてて下さい、眺めているだけでも僕は幸せなんです」「え、意味が・・」
「僕が感動している今が意味が必要ですか、こんな衝撃は今迄には無かった」
「ま~、益々意味が読めないんですけど・・」
「あはっ、済みません動揺しまくりで、言う本人がよく理解出来ていません」
「面白い方ね、もう子供を産んでから随分と経過している、肉も恥ずかしい」
「ええ、とんでもない、今が最高です」「お世辞は良いわ、如何しますの」
「あのう其処が変・・」「え、なぜ・・」
「だって、言われて居る事が可笑しいです」「何でですの変なの・・」
「ええ、お互い裸でも、此処では平等、何かする事が使命みたいに思える」
そうなるのでしょう、理屈は判らないから嫌・・」
「そうじゃ無いんです、此処は平等に進めたい、するさせるは意味が違う」
「あら、じゃ美佳は如何すれば良いの、今迄は誘われて嫌々ながらも先の事
を考えるといつの間にか従って、嫌従わされて来ているの、今違う立場でと
言われても如何すれば良いのかも判らないんです」「え、では今迄・・」
「はい、可笑しい事に今迄は相手次第に流され連れられて来た・・、でも
可笑しいのは美佳かも知れない、今はどうかと思い出すと、変なんです、
今は何と自分から望んでいると確信させられました、何で此処について来た
かも不思議だけど、本心は願っていたみたいですの・・」「美佳さん・・」
笑えるほど浴室で互いの裸のままシャワ-が出ずっぱりの中での会話だ。
「今思えるのは今までの美佳では無い事だけは確実、だって進んで望んで
付いて来ています」「えっ・・」「ですから今迄の美佳じゃ無い事に為る」
「美佳さん・・」「お願い、美佳は此れだけ、望んでいた事がはっきりと
見えたの、今後も其処だけは不変、ですから何時でも来て頂けると嬉しい、
娘もそう望んでいるし、貴方が居なければ今が無い親子なんです」
「其処とつなげるから可笑しくなるんですよ、そうなると相手は如何し様
とか、相手が其処に入り込まれると従う、同じ事は駄目・・」
「でも知らないから」「だから変わりましょう、重く考えずに肉が求める
場所に向かうだけで良いじゃないですか・・」「軽く言われるのね・・」
「ええ、此処は軽い方が良い、そうでないと先が望めなくなる・・」
「え、どうして・・」「だから其処なんですよ、世話になったとか恩が在る
とか、仕事を探してくれたとかは今要らない・・」「貴方・・」
「そうじゃ無いと本当の喜びや望みは満たされませんよ、此処は何も柵は
捨てて、今の姿そのもので素っ裸で接したら変われます」「貴方・・」
「今に為ってこんな事言うのは野暮ですが、其れを承知で言います・・。
今からは総て今までの繋がりは忘れて下さい、そうならないと最高な場所
には到達できないし、芯から抱かれたい入って欲しいとせがむほど相手を
考えて、繋がりではなくて、喜びだけを求めるあなたに為れるなら、最高に
大事にします」「貴方・・」
「だから、今迄機会が有ったけど抱けない部分は其処なんですよ、弱みに
付け込む姿に為りますしね、でも心内では抱きたかった」「貴方・・」
「ですから、総てを脱ぎ、自分の裸には何もつけていない様に、心もそう
して下さい、お願いします、心から其処はそうして下さいませんか・・」
「・・、じゃ、美佳は・・」
「ハイ、抱合いを楽しもう、此れから頑張れる気持ちを見出そうと思うだけ
で良いんです」「はい・・」「え・・」
「はい、と申しました、必ずそこの位置であなたを待ちます」「美佳さん」
「初めてですわ、浴室で未だ始まらない事・・」
「其処は謝ります、此れから誰もが到達出来ない場所に行きたいだけ」
「連れてってください・・」「其処も駄目、自分で上がれるなら良い、
連れてはいけないから・・」「ええ・・」
「自分で這い上がり、逆上せ踏ん張り味わいながら自然と其処に立つのが
理想、ですからお互い、もうこんな話は抜きにして肉が喜ぶ舞台に早く
上がりませんか・・」「はい・・」
遂に、二人は意味が判らない間合いで何とか繋がりを保てていた。
「御出で・・」「・・」頷かれて、マットを敷いた洗い場に横たえられた。
其処から澄人の手が動き、オイルを体に垂らすとまんべんなく伸ばし、
其れが相手が感じる程度で指が動く中で、いよいよ始まった。
「あ、あ、あ良いわ、良い、貴方、優しいわ・・、良いの其処が貴方其処が
最高なのよ、嫌だ貴方・・、気が気が変狂いそう良いの狂うわよ・・」
「・・」「貴方何か言って、貴方の手が動くらか可笑しくなる貴方・・、
ソコソコが・・、良い嘘や貴方其処駄目~~~~」「・・」
「貴方、未だなの気が可笑しいから息が駄目になりそうよ、貴方・・」
澄人は一言もしゃべっては居ない、其処は相手が言いたい事を吐き出させる
ことが肝心だと思えた。
 愛撫が濃厚に為り出すと、一段と美佳の声が独り歩き、其れが何と心地が
良いのか、言葉は総て自分の体の変化を相手に伝えてくれる。
判り易い、其れで澄人は愛撫攻勢を濃密に仕出す。
 「嫌嫌いやあああ~、何々気が気が可笑しくなるから駄目~、辞めて其処
が駄目、・・・・往きそう往くのよ貴方往くから駄目~・・往くから本当よ
往きそう嫌だ可笑しい・・、ええ、なにかなにかでるでそうよあなた~、
いやだ~~~ううう・・ぐううっ・・つ~~~」
クリトリス攻撃で漸く相手が鳴き声で言葉を出される。
 遂に舞台が見えだす、澄人の愛撫は最高潮、小柄な体は反応で飛跳ねる中、
念願の失禁が・・、声も出されずに其処だけは無言、代わりに身体が反応し
続け、飛び跳ねる都度噴水が小山を描いて飛び出る、しかも幾度となく出て
来る、目が白目で既に自分では理解出来ないのか失神をされていた。
(行けるぞこの体で、最高だが・・、く~溜まらんぞ往かせて魅せる、
未だ知らない場所に向かって・・)そう確信できるほどの往き様だった。

             つづく・・・・。




















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・32》

 八月十日、午後一時過ぎ、車で玲華と二人小田原の改築中の店にと向かう。
「ま~来たわね、あんた頼むからね・・」「え~美咲ちゃんまでもか・・」
「何よ、大事な事じゃないね頼むからね」「はいはい・・」
「いやだ~嬉しそうじゃないね」「こら・・」
苦笑いしながら内装を見る前に驚かされる。
 「うひゃ~凄いぞ何これ」道に面する表は総ガラス張、しかもステント
でクリスタルの刻みが綺麗にダイヤの形で刻み込まれているから
中身はぼやけるが、其処が最高に良いと感動する。
「良いじゃないか、凄いセンスだね」中に入ると、此処も目を釘付けにする
様相、とんでもなく粋で綺麗な店内、既に八割がた出来ていると思う。
「良いね良いわ・・」「店は後回しよ、ねねお兄ちゃん御願いよ,くさび」
「美咲ちゃんに言われてもな」「何よ、今後の事お兄ちゃんに懸っている
からね御願いよ」「・・」呆れるほどの親子、二人を並べるとそう思えた。
「ああ~お兄ちゃんだぞ、もう寂しかったがね、あかんからねほったらかし
駄目やんか」「はいはい、御免なさいね」抱きあげると破顔で喜ぶ舞ちゃん、
傍で微笑む女三人が居た。
「ママ・・、聞いたけどワニって動物でしょう、でかいし口が大きいのよね」
「そうだぞ、行くか暑いけど・・」「構わんし、日傘持って来た・・」
「はいはい持参いたして居ますよ」「いやだ~、ママって何時も可笑しいね」
「え、ママか・・」「そうよ、お母ちゃん二人いる、綺麗なママにしたの」
「何と、そうか良い子だぞ舞ちゃん・・」「お兄ちゃんとは何時遊べるん」
「こんどな」「約束よ」そんな会話をする中でも美佳は笑えていなかった。
 玲華さんは直ぐに舞ちゃんを連れてタクシ-に乗られる。
「あんた、見た・・」「ああ、凄く良い店ですね」
「此れ最高、夢のようだけど怖くなる」「大丈夫です、美佳さんなら出来る、
此処に怖い美咲ちゃんが居るしね」「こら・・」笑われる。
 マンが良いのか悪いのか、其処に業者が数人来られる。
「お兄ちゃん邪魔、美佳さん連れて出てよ、どこかで食事でもして美佳さん、
もう今日は良いからね、明日は椅子が搬入されるから頼みますね」
「え、はい、其処は良いけど此れからは・・」
「骨休め、舞ちゃんは夕方遅くに戻すからね・・」「え、はい其処は・・」
「お兄ちゃん連れ出してよ、邪魔・・」「はいはい、承知致しました・・」
笑いながら自然と美佳の手を引いて店を出る。
「何処か行きましょうか・・」「・・」返事は戻らないが嫌とは言われない。
 自然と澄人の車に向かう、乗り込むと直ぐに発進、車は海際の道を走る。
「あのう、夕方まで時間頂けますか・・」
「夕方までですの、随分と時間が在るけど・・」「はい、駄目ですか・・」
「・・」返事は戻らないが、澄人は了解と受ける。
 沈黙は何を意味するのか二人は車内で外を眺める美佳と運転する澄人が、
互いを意識しながら黙っていた。
『あのう・・』「何か・・」「何処に・・、玲華さんの家ですの・・」
「違います、別・・」「・・」又も沈黙が覆う車内、車は海際の綺麗な通り
にと出た。
 「ま~綺麗・・」「本当だ、じゃここらで探しますね」「え・・」
「誰にも遠慮が無い場所に向かいますよ」「・・」そこも返事が無かった。
車は急に海際の細道に入ると海にダイブするような道、グングンと迫る海面、
とそうなる筈が急に横にそれると目の前に派手な建物が居飛び込んで来た。
「・・、・・」言葉の代わり、美佳は項垂れてしまう。
そんな事は関係なく車は建物の一つのガレ-ジにと突っ込んだ。
「降りましょうか・・」「・・」返事は無いけど身を動かされる。
澄人は先に出て相手を待つと手を握り横の階段を上がる。
既に其処は何かは美佳と手判る建物だった。
 「御免、了解なしで来てしまいました・・」「・・」
「お願い何か言って下さいよ」「・・、何か、何を言いますの・・」
「え・・」「だって、もう美佳は来ていますのよ」「美佳さん・・」
「もう既に美佳は覚悟していたんです。どうなるのかと、でも其処は微塵も
見えなかったし、、旅の途中でも何度も時間は有った、でもなかった・・」
「美佳さん・・」「此処に来て驚いたけど別の美佳が安堵しているんです」
「え・・」階段を上がる途中で聞かされる言葉に入り口の前で立ち止まる。
「遅い、もう無いかと・・」「美佳さん・・」
「こんな私じゃ無理かなと諦めていました」「ええ~・・」
「だって、娘も私も大変な迷惑をかけて来ている、お礼が出来ない今はもう
如何し様かと・・」「美佳さん、今のままでは駄目ですか、働くのが嫌なら
言って下さい・・」「そうじゃ無いわ、最高な方々よ、泣けるほど嬉しいの、
娘も明るく成れたし、総て貴方の御陰なんですよ」「・・」
そう言われる中、未だ二人はドアを開けてはいなかった。
 「有難い、でも今はこんなところに連れて来た・・」
「其処は良い、中に入りましょうか・・」「え、ハイ」二人は漸く中に入る。
既に電話が鳴る中、急いで澄人は出て応対、仕組みを聞いて直ぐに返事する。
部屋の隅のエアシュ-タ-に金を入れて送る。
 何とその間美佳は浴槽に行き湯を入れ出された。
(そうか、心配していたけど・・)動かれる姿を見て胸を撫で下ろす。
 部屋に戻ると、小さなテ‐ブルに二人は座り、備え付けのコ-ヒ-を造り、
美佳は其れを二人で飲む。
『あのう、今後も有りますの・・』「え・・、其処は・・」「無いの・・」
「え、其処は美佳さん次第だと思うんですが・・」
「じゃ続ける事は出来ますね」「ええ、では・・」
「最初の夜にもう覚悟できていました、だけど望みは消えかかり、最近は
諦めていたんです」「美佳さん・・」「でも、今は来てる、美佳は此のこと
が一番心配だった」「ええ・・」「だって、路頭に迷う親子を拾い、あの時
は何でも相手は出来た筈、抱いて遊ばれても仕方が無い事情、でも其れが
無かったし、しかも旅は豪快、果は仕事まで紹介された身なんですよ、
お礼のしようがじゃ無いですか」「美佳さん、其処だけは違うと思うけど」
「何処です・・」「仕事と関連は無いですからね」
「え、じゃ、嫌だ、其処は嘘でしょう、だって貴方女性には不自由はして
おられないし、既に玲華さんとは出来ている・・」「ええ・・」
「女の感は凄いのよ、でも娘さんは其処を見こされて居ます。なんで素敵な
娘さんじゃ無いのかな、でも母親の玲華さんは女性として素敵な方ですから
其処かなと考えていたんです」
何と部屋に入るなり、相手は饒舌、澄人は聞くだけだけど、
相手の心情がそれで理解できていた。
 「時間は夕方までですの・・」「え・・」「遅くなっても良いけど・・」
「ええ、美佳さん・・」「もう待って居た、娘は遅くなっても待つ子です」
「美佳さん・・」「貴方は此れっきりでも、美佳は此処での事は生涯抱いて
仕事に励むね」「美佳さん・・」「もうお風呂良いですよ」
「え、そうかじゃ先に・・」「洗いましょうか・・」
「え、恥ずかしいけど出来るなら期待するけど」「うふっ、行っててね」
送り出される。
 (フ~・・、何とか此処までは来たぞ、初めてかな・・)
誘いこんな場所に来るなど、今迄ない筈だと過去を思い出す。
 裸に為り、浴室に入る澄人、いよいよ始まる思いは何時もとは少し違う、
五日間旅行を重ねて来た相手、其れが今同じ部屋に居られるのだ、
感慨無量以外何も無い、其れほど手を出しにくい仲が今は違うのだ・・。

     つづく・・・・。




















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・31》

 澄人はもう此処には暫く滞在は考え物だと思い始める。
熱川の旅館は今は学校が夏休み期間中、宿は大忙しと聞いて居る、
工事は既にお客様の差しさわりが無い場所から始まってると報告を受ける。
 宿では今大騒ぎだとも聞かされ、今は働く人達がこぞってアイデアを
出し合い喧騒だと菜摘さんが苦笑いされた。
(頃合いかな・・)「あんた・・」「おう帰られたのか、暑いね・・」
「ふ~大変」本当に暑い最中、玲華が仕事を手配すると、駆け戻っている、
今迄は有り得ない事を今はそうなる、みんなこの男の所為と睨むが、
その顔は直ぐに崩れ、澄人オンリ-になってしまう玲華が其処に居た。
「な~、考えたんだが、今僕は邪魔だしな・・」「ええ、何でよ・・」
「だって考えて見ろ、此処も熱川も今は未だ僕が居ても何も出来ない」
「嫌だ、あんたは何もせんでも良いじゃないね、玲華が居るよ」
「其処なんだがな、心配は一つある」「え、何何・・」
そこから澄人が独り言のように話を始めた。
 「え~、じゃじゃあの子、成程な有り得るよ」「ええ・・」
「だって、華も玲華も経験有るし、危ないかもね、今は仕事に夢中だけど、
一度仕事の流れに馴れると女は如何ね、考えるともう仕事以外にと目が
向けられ始める」「なんと、そうか・・」
「そうよ、特にこの仕事は其処が危険、だって仕事は女性相手じゃないね、
然も綺麗になりたい方ばかりよ、其処に男が嵌るのよ」「嵌る・・」
「ああ、内の店も何度もそいつらに嵌められている」「嵌められる・・」
「そう、出入り業者の連中よ」「業者か・・」
「そう化粧品や、付属品などを売りに来る販売員・・」「ええ~・・」
そこから意外な事を聞かされる。
仕事柄男と接する事は食事や飲む事以外には少ない業種、其処に手ごろな
男が仕事に関連する商品を販売に来る、出入り業者の社員だ。
「有るんか・・」有るよ、大有、この業界は其れで頭を悩ましているのよ、
中途半端に手を広げると目が行き届かなくなる、その隙間を搔い潜り突撃」
「突撃・・」「女の肉体に飛び込んで来る」「あはっ、ラグビ-じゃね」
「笑い事じゃ無いし、煮え湯を何度も飲まされているよ」「・・」
もう冗談は言えない話になる。
 「そう、美佳ちゃん可愛いしなんか女性が見ててもか弱そう、でも男は
其処を見逃さないわね」「だろう・・」
「ま~あんた、何で今迄に抱いてしまわなかったん、アンタのアソコなら
何時までも相手の女性なら待てるよ」「・・」
「ねね、もう其処だけは駄目、あの子を逃がしたくないし、娘が惚れ込んで
いるのよ」「そうだけどな、じゃ今は其処には気が往けない筈じゃけど」
「其処は普通ならね、でも突撃は何かの理由で興り得るわ・・」
「ええ~・・」「だって男女の仲よ、玲華が良い例よ、あんた・・」
「うへ~、そうなるんか・・」「ええ、あんたが一番悪い、でも捕まった、
最高なのよ」変な言い回しだった。
「そうなのか、仕事柄其処が有ったね」「あんた嵌め込んで、雁字搦めに
してうちの仕事見てよ」「ええ、玲華正気か・・」
「正気よ、内らじゃ其処は歯止めが利かないしね、男と女じゃ入れないじゃ
ないね、一度売り上げを持ち逃げされた事も有るんだ」「なんと・・」
そう聞かされると、あの美佳さんとはそんな気持ちの時で会って居たんだと
今更思い知らされた。
「如何する・・」「あんたのアソコで封印してよ」「ええ~玲華・・」
「其れしか無い、あの子は欲しい、店だけじゃないあの子の子供も大好き」
「玲華・・」「なんでもする叶えるし、あんたの御陰で生きていて最高に
嬉しかった、だって「そうね、抱かれている時は死んでも良い、今死にたい
と思うほど凄いから・・」「玲華・・」「ねね、毒喰らわば皿までよ・・」
「うへ~正気か・・」「あんたにはでかい栓が有るじゃないね、あの子も
あんたを見る目が異様よ」「・・」そこを言われれば返答できない。
「ね、だから、工事が始まると菜摘と私は暇を造る、菜摘は今は忙しいから
無理、其れに今は子を孕めない時期」「・・」「ねね、何とかお願いする」
「如何する・・」「此処じゃ嫌がられるし、如何呼び出してモ‐テル直行」
「ええ~玲華・・」「子供は預かるし、早く嵌めて落ち着かせてくれない、
気が気じゃ無いのよ」「玲華・・」
「なんでもする、お願い娘がそうなれば気落ちするじゃないね」「・・」
切ないほど懇願される。
 其れほど此の業界の悩みの種と思えるし、有り得る事も理解出来た。
「あんた・・」「じゃ約束しろ・・」「何・・」
「抱くけど、其処は抱いたらその分だけ玲華が受けるんだぞ、そうしない
とやり切れんがね」「え、意味が判らんけど・・」
「あのな、他の女性を抱いた後はお前が僕を迎えるんだ、今後総てだ・・」
「ええ~うそっ・・」「嘘なら言わんが・・」
「え、え、じゃじゃ他の女性と抱き合うと後は玲華なの・・」
「そうだ、其処はスル-は駄目だぞ」
「うひゃ~素敵よ最高、良いわ望む処、あんた凄いわ其れ約束してよね」
「こっちが頼んでいるんだぞ」「嬉しい~、ねね此れからもそうなの・・」
「ああ、約束じゃろうが」素敵~~~あんた最高、じゃんじゃん抱いてよ」
「阿保か・・」笑うほど其処はやきもちなど微塵も感じない姿に、
呆れる澄人が其処に居た。
「あんた庭散歩しててね・・」「・・」追い出される儘に浜に出た。
振り返るとこかに電話をしている玲華、途中で手を振る姿に益々呆れ果てる。
 浜で座り海を眺めていると横に座り、アイスコ-ヒ-を手渡して頷かれる。
「えっ・・」「あんた歯止めの楔ね」「ええ、じゃ・・」
「ああ、今娘に話しを済ませた・・」「ええ~・・」
「それで大賛成と直ぐに果たせと・・」「うひゃ~酷いぞ・・」
「酷いのは何方かな玲華じゃ無いと思うけどな・・」「こいつ・・」
横に座る玲華を倒し熱いキスをすると、直ぐに応じてくれる。
 終えると、「続きは後じゃろうが・・」
「ひや~あんた待って居る、そうだ舞ちゃん誘ってワニ公園でも行こう・・」
「良いね、じゃ進めるのか・・」「善は急げよ」
笑われる中で、また部屋に懸け込んで電話されていた。
 「あんた~、三十分後よ、早く仕度・・」
急かされ苦笑いしながら部屋にと向かう姿は笑えた。

            つづく・・・・。























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・30》

 誰が何と言おうが最高な女性だとつくづく知らされる澄人、
未だあそこには最高な穴で暴れた残像が残されている。
「あんた、聞いたろう・・」「え、何・・」
「もう菜摘よ、覚悟できているし是非と・・」「あ、其処か・・、困ったぞ」
「何でよ拙いの・・」「拙かないけどな、そうなると此れからが問題と考え
ているんだ・・」「だから、子供が欲しいだけじゃないね、其れにあんたの
種なら玲華も賛成よ」「其処じゃがね・・」
座り直して、此処から澄人の心配事を二人に話し始めた。
 「ええ、じゃじゃ、其処は・・」
「ああ、そうなると、大変なのは菜摘さんじゃろうがね、旅館の事も今後は
難しい立場に為る筈、計画を進めるにも責任が有るぞ、途中で思わしく無く
なれば全ての責任は菜摘さんに降りかかるぞ、其処で身篭り、子供も出来る、
そうなると仲間達はどう考えるだろうか・・」「あんた・・」
「うん、まだ先が有る・・」そこからも澄人の話が進んで行く。
 「ええ、じゃそうなるの・・」「だろうがね、経営者の玲華さんも其処は
判る筈、そうなると身動きが出来なくなる」「あんた・・」
「嬉しいわ、其処まで考えて下さっていると知ると泣ける」
「菜摘、今は如何なん・・」「そういわれれば、二足の草鞋は難しいかな」
「ですよね、だから考えを聞いて居るんだ」「じゃ如何すればいいんかね」
「其処じゃがな、如何かなあのゴルフ計画は後回しにすれば何とかなりそう
だけど・・」「じゃ、旅館は・・」
「其処は進めたら良いじゃない、あの混浴は当たるぞ、海を眺めての場面を
想像してみろ・・」「・・」「だから、此処は研究はしててもあのコンペの
計画は後回しなら、子供は作れる」「あんた、凄いわ、なな、菜摘如何・・」
「嬉しくて泣ける」「ですが、混浴も誰もじゃ拙い、此処は今までのお客様
に知らせてからでは如何かな、賛同が出れば会員システムで進めたら良い」
「あんた凄いが、でも中身もう少し詳しく聞かせてくれない・・」
そこから混浴のシステムを思い浮かべた通り話しをした。
 「ま~・・、素敵じゃ、其れなら遠慮は無いし気心が知れた常連さん達、
澄人さん是非其れを此処で行わせてください」
「菜摘さん、此処は次第にお客さんから知れ渡る、その後の受方を間違わない
なら、この計画は当たるよ」「澄人さん素敵」本当に菜摘は心から喜んでいた。
「良い、あんた凄いがね、男と女の隠れた欲望は際限が無い、此処で僅かでも
春を蘇らせる場所にでもで使って頂ければ良い事じゃない、菜摘良かったね」
「はい、最高です」そんな話をしていた。
 「じゃ、此処は今まで通り計画は実行ね、資金は足りるの・・」
「ああ、計画なら大丈夫だ、だがな、混浴に向かう通路と、普通の廊下は別に
しよう、其れで充分」「良い、菜摘開始よ」「はい、嬉しくて興奮している」
「うふっ、そうなると出来るね」「もう先輩の意地悪」はにかむ顔が美しい。
「あんた、そうなれば・・」「あはっ、おいおい其処は直ぐにとは駄目じゃ」
「え、何でよ・・」「あのな、此れ抱合う中で最高な事、其れが流れで出来た
子なら如何かな、僕は最高に抱きたい相手が玲華さんと菜摘さん、子供を造る
なら最高な場面で造りたい、なな、お願い聞いてくれんか・・」
「ええ、如何するの・・」「此処じゃ駄目・・」「何で・・」
「此処は玲華さんの城じゃがね」「え、あんた・・」
「だからじゃ、如何かな、菜摘さん、旅館暫く休んで大改造する。その事は
番頭さんや従業員に詳しく話をし工事を進めようよ、全員覚悟を持たせる事
も大事だ、休業中も給料を支払えば良い事、そうなるとモチベ‐ションが半端
ない事に為る筈・・」「あんた・・」「如何、菜摘さんと玲華さん・・」
「ええ、私もかね」「ああ、今から同じ船に乗ろうかね」「あんた素敵すぎ」
傍で感激してか泣いている菜摘さんが益々美しく見えだした。
 「じゃ、直ぐに、会議よね」「まず最初に設計士から初めて、計画は既に
皆に知らせて混浴で何か付加価値が在れば意見を聞いて下さい、その場には
玲華さんもオブザ-バ-で参加して下さい、資本金を出す人だしね」
「あんたもよ・・」「僕は今は出ないほうが良い、此処は地元で何かしたい
と言って進めて下さい」「あんた・・」「菜摘さん・・」
「総て従います」これで決まった。
 事が事だけに直ぐにとは進めない、計画は出来たが実行は地元に任せる方
が良いと判断する、澄人は此れは敵うと信じている。
急ぎ菜摘さんをその件で帰らせ、夜に此処で会うと決めると話合いは終わる。
 「あんた・・」「そうだぞ舞ちゃん・・」「うふっ、其処は既に進行中よ」
「えっ・・」「幼稚園も決まったし部屋もお店の直ぐ傍、美咲が煩いくらい
昂奮してね、お兄ちゃんの面倒を見ててと頼まれているのよ」
「うひゃ~、じゃ叶うんだ・・」「こちらが頼んでいるんだしね最高な人」
これが何よりうれしかった、澄人は感激して庭先の庭に出て深呼吸をする。
 真っ白い砂浜に打ち寄せるさざ波、足を入れて歩いて居た。
「あんた~電話よ・・」急いで戻ると、相手は美咲ちゃんだった。 
今回の事は既に母の玲華さんから聞いてて、凄いと何度も褒められながら、
舞ちゃんとお母さんは任せてと言われる中、抱いても良いよとれる始末、
笑いながら其処は逃げるが、美咲ちゃんなら良いかもと冗談が言えた。
だが相手は強か、良いわよどうせお母ちゃんの後釜でしょうと言われる始末、
苦笑いして長い付き合いをしようねと最後はそう言われてしまう。
 「ふ~、玲華さんと親子じゃね」
「うふっ、丼如何ね、味は良いと思うけどね」
「あはっ、負ける、弟が生きていればよかったのにな・・」
「そうかな、弟がこんな風にしてくれていると思うけど・・」
「言えるかも、大した奴じゃがね」
そんな会話も今じゃ出来る相手だった。
 夕方思わぬお客が家に来た、其れは今度の旅館の改築工事の設計士、
名前は清水貞一と言われる五十過ぎの人、感動され是非と言われ計画を
聞きに来たと言われた。
其処から澄人と玲華を交え話が進み、直ぐに計画書を作成し、
期日は何時かと聞かれる始末、其れほど此処を大事に思われていると知る。
 色々な話を薦めた後、二時間後帰られる。
「あんた・・」「うん、出来るなこれは良いぞ・・」「あんた、最高・・」
「其処は総て玲華に返すよ」「ひや~敵わんがね」
「良いじゃないか、此処は玲華さんと菜摘さんが表で暴れたら良いがね」
そう言う。
 二人で冷やしそばを啜り、縁側でビ‐ルを飲む、静かな砂浜には未だ
さざ波の音が聞こえてくる中、最高なシュチュエ-ションに誘われて男女は
寄添い、昼からの出来事を脳裏に蘇らせて手を握る。
空には満天の星がきらめく中、海から奏で来るさざ波の伴奏が男と女の中を
蜜に仕立て上げて行く。

            つづく・・・・。























★再開★望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・29》

 案の定、浴室から玲華さんの声が聞こえた、だが可笑しい事に澄人は動く
気配が全くない、話では玲華さんが呼ぶと其処に向かう段取りだった。
動こうとしない澄人、焦れを感じて、素っ裸で居間に来る玲華、
「あんた早く・・、もう来てよね・・」「・・、アそうか・・」
「ま~、そうかじゃ無いがね」「済みません、でも行けないから・・」
「え、何でよ話が違うじゃないね」「そうなりますね」「あんたね・・」
呆れかえり玲華は素っ裸の侭立ちすくす。
 「・・、え、ああ~~~」
なんと立っている玲華の手を寝たまま引っ張り、倒した。
直ぐに興奮冷めやまない中の玲華、体は十分解されている、
斃されるとすかさず澄人の愛撫攻撃が始まった。
「・・、・・」言葉に為らない変な声と単語、其処は流石に動転し捲る玲華、
される儘に応じる我が身、其処が好きだと思う、既に玲華は素晴らしい体を
捩じらせて善がり狂いだす。
 待っても来ない二人を、菜摘は可笑しいと感じると、浴槽から出て、
声がする方に夢遊病者如きの歩みをもどかしそうに居間に向かう。
既に絶叫の最中、何で遠慮なしで来たのかと疑う間も無い、
部屋では男女の惨い姿、麗華は素裸で居るが相手の男は下半身だけが見える。
其れが何と凄まじい愛撫攻勢、誰が見ても目を覆いたくなる現場だが、
菜摘は何故かそうは為らなかった。
今迄風呂場で聞かされた侭その筋道を歩もうと決めている我が身、
其れは来ないからと玲華が連れに行くのは見ている。
だから今に来たのだ。
 「・・、・・」言葉も出ないまま、部屋の隅にへたり込んでしまう、
今更逃げ出しても遅いし拙い、居た堪れ無いが逃げようにも腰が砕けていた。
目の前では壮絶な愛撫を仕掛け合う二人、その姿たるやとんでもない姿態、
特に澄人が持つアソコの偉大さに驚愕、其処は見逃せない女の興味、
菜摘は震えながら、男女の弄り合いを見て仕舞う。
 「あんた~、待てないよう~来て来てよお願いあんた早く~・・」
せがむ玲華の声に菜摘は怯える、その声は女なら誰しもが判る程度の音色、
懇願する身を切なく訴える声色だった。
 体を捩り忙しく手が動き男をと構えると縋り付いて再度懇願される。
菜摘はもう部屋の片隅から動けずに、声を嫌ほど聞かされて、
身がよじれ自分が可笑しく為り出した。
「行くぞ~、お前の体は何処でも抱ける、他と比べられない最高だ」
「あんた~・・」もうこうなると互いが止まれない、澄人は上半身の衣服
を脱ぎ捨てると横たえて待つ玲華の上に被さった。
 其れをまともに見る菜摘、おぞましいを程でかい物が聳え立つアソコは
玲華の股座目指して沈んでいった。
「・・、ああ、あうううう~来て来た来たようあんた最高此れよこれ~が~
~~、あああうううっ、うグウウ~~~」迎え撃つ腰は弓なりに上がり、
上でまともに迎えると痙攣を起こし揺れる肉体、其処から目を見張る動きが
互いから生じる。
ドスンバタンは並、其処では膣から喜悦の音が聞こえだして来た。
其処は何とも理解はしかねるが、あの大物が食い込んでいて動き始めると、
当事者ではない菜摘と手其処は理解出来る。
其れほど具合が良いのか玲華の声は益々掠れ声で迎える喜びを男に伝授、
聞きながら応じる澄人も凄いが摘み取同性の玲華の喜びは考えられないほど
卑猥で美しかった。
見事な姿態が、小躍りする中で持ち主の玲華の歓喜は幾何か、想像すら出来
ないほどの抱き合いは菜摘は経験が無いのだ。
 だから今は興味が在る、しかも抱かれているのは昔から姉と慕う人、
より以上に我が身を捩らせ、歓喜に震える先輩の体を見詰めてしまう。
 だけど可笑しい、何度も飛ばされながら戻され応じる玲華はさて置いても
男が頂点を征服していない、その理由は往かされていないからだ、
何でいけないのかと菜摘は思う、あれほど強烈に動き最高だと男は吠えて
いるのに頂点がまだ見えては来ないのだ。
菜摘は時間を考えれば既に終えたのかと思うが、その動きはまだ見えて無い、
幾ら何でも女なら男が果てる事ぐらいは判る、だがそれが見えないから、
可笑しいと菜摘は思えた。
自分だけの経験では理解し難い事、五分続けば最高と知り合いから聞かされ、
自分でも其処を目標に相手を誘導して来たが、今は如何、とんでもない時間
男が動き続けて居る、まさかと何度も思うが現実そう、果てていない様子。
呆れ乍ら本当かどうか確かめたい気が勝り、抱合う二人の入れ替わる姿まで
も見逃さない、「菜摘~見ててよ、凄い男を迎えると狂うわよ、メロメロよ」
そうかなぎり声で叫びながら上に跨ると、見事な腰の動きを菜摘に披露する
玲華、最高な面持ちで今は玲華の天下、この征服も直に負けて落ちる、
其れでも蘇るとp又もせがむ体を叱咤し向かうのだ。
 三十分経過の頃、漸く玲華が横たえて痙攣三昧、
其れを見て澄人が体を擦り上げる。
其れで呼応されたのか玲華の体が一段と痙攣を引き連れ、
猪狩上げて転がり逃げまくる。
追いかける澄人、麗華は全身が性感帯に為れると気と聞かされているから、
其処は逃がさない、棒でしこたま体を其処に向かわされた後の相手の手の
動きで総ての体の部分hが性感体と聞いて居るから最後の仕上げはそうして
みようと決めていたのだ。
「ま~嘘・・」何と逃げ惑う玲華の体の後はナメクジが這った後の様に
濡れている、菜摘はとんでもない事を目にする。
 其処は玲華が出しているのだ、喜悦に苛まわされた体から出て来る水は
小水立った、其れほどまだ今も歓喜に踊らされる肉体が意気をしていた証拠、
初めて目にする菜摘はもう息すら出来ない、其れほど有り得ない場所に二人
は居るのだと知らされた。
 「菜摘・・、喉が・・」「・・、えあ、はい直ぐに・・」
這いつくばりながら廊下に出る姿を玲華が見て笑う。
「あんた・・」「上出来だが、此れで良いぞ・・」
「癖に為りそう触られると燃え方がまるで違うんよ・・」
「判るわ、僕もそうなった・・」
そんな会話をする中で流石に裸じゃと思うのかバスタオルを体に巻いて、
ビ‐ルを持って来た菜摘、受ける二人は美味しそうに飲んで行く。
 「見たわよね・・」「・・、ええ・・」
「最高なんて代物じゃ無いわよ、凄過ぎて困るほど」「判るわ、見たし」
「如何・・」「今の菜摘じゃ考えられない、先輩凄かった・・」
「恥も見栄も無いのよ、有るのは誰もが出来ない場所まで這いつくばり昇り
詰める意欲よ、其れをさせてくれるのが澄人さん、最高、もう肉が喜ぶのが
判るのよ」「ええ・・、見てたし・・」「それでね、あんたも如何・・」
「壊れる」「良いじゃない壊れても総てが壊れる訳じゃ無いし、此処だけで
壊れたら良いのよ、そうなろうと思わないといけない場所なのよ」
「そうなの・・」「ああ、恥じらいを捨てて裸で迎えるとご褒美がわんさか
と来てくれる」「ま・・」「馬鹿に為れる、そうしたくなる相手よ・・、
見たでしょう失禁・・」「え、あはい・・」其れが証拠・・」
友達でそんな話が進む中、澄人だけは居間を出て行く。
「ねね、今日は良いか・・」「・・」「そうじゃ男が欲しいのか女か・・」
「え、ソコはどちらでも・・」「そうか考えようね・・」「先輩・・」
「任せなさい、男が良いよね最初は・・」「・・」
返事は出来ないが、菜摘は有れば良いなと思っているのは確かだった。

             つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・28》

 いやはやとんでもない肉体、総てが感じる肉体に変化されている。
澄人も初めてだが、こんな事聞いた事も無い、だが本人が泣き喚き
知らせるから、其処は本当だと思える。
 挑みかかり一時間半、愛撫も交えるが、実際相手の肉中で暴れる時間も
相当、其れでもしがみ付かれ震えながらも迎えてくれる。
最高な肉を味合うことが出来た。
 思えば、この家は弟が出会っていた、未だ一横で倒れた侭思い出す様に体
を震わせる相手は、弟が付き合っていた娘の母親、其処が意味深・・、
親子で同時は既に飛騨で味わってはいるが、なんと此処では娘は弟、
母親は兄が抱いてしまう。
世の中では可笑しな組み合わせには成るだろう、それにしても考えられない
肉体を持たれていたのだ。
 「大丈夫ですか・・」「・・、あんたね見てよ、大丈夫な訳無いでしょう、
最高過ぎて怖いわ・・」最後は笑い顔で我が身を撫でまわし、
その都度体がヒックヒックと跳ねていた。
 「あんた、喉が渇いた・・」「あいよ、持ってくる」
澄人の後姿を見上げ苦笑いする玲華、本当に凄い男と認めざるを得なかった。
裸のまま横たわる二人、手は確りと繋がれたまま、其れが何を意味するのか
互いは考えは違うだろうが同じ舞台の上だと思えた。
 夜に為り漸く大我が身が戻る、玲華は何度も凄かった、
経験が無いし知らんから慌てたと未だ言われる。
其処から明日の企みを澄人は黙って聞いて居る。
「ねね、判ったの・・」「え、ああ、お風呂入るんですよね・・」
「そうよ、其処で洗い合い愛撫をするからね」「ええ・・、じゃ・・」
「そうよ、後輩だし、簡単に其処は進められる」「玲華さん・・」
「良いわね、私も抱いてよね、あの恍惚は誰もじゃ出来ないし、あんたの世界
なんだからね」「はい、肝に銘じて頑張ります」
「嫌だ、ソコソコよ、あんまり頑張らないでよ、壊れるし・・」
「じゃそこそこに・・」「其れも嫌だ、ね如何すれば良いの・・」
「ええ、理解出来ないですよ、ソコソコも駄目なんですよね」「そうよ・・」
「じゃ中くらいかな・・」「其処も駄目・・」「ええ、もう如何すれば・・」
「今日したようにしてよ・・」「あはっ、了解判り易いですね」
「あんた~・・」キスをせがまれて寄りかかり、何度も自分からされていた。
「ね、此れ良いわ素敵、他人が加わればどうなるのかしら・・」「ええ・・」
「だって二人で此れよ、其処に競争相手が加われば最高じゃない、ねね・・」
「うふっ、死にますよ狂い死に・・」
「ええ、でも其処も有りかな、誰もが経験できない場所なら良い」
とんでもない女性だった。
 人は奥深く入り込まないと理解出来ない部分がある、でも今回は其処を通り
越したみたい、其れだけ肌も何もかもが合う相手、
とんでもない女性に巡り合えたのだ。
 「あんた、風呂湧いたよ、入る・・」「一緒なら入ろうかな・・」
「じゃ、来てよ」何と又始まりそうに思えた。
 一時間後、浴室で総てが起きた、夕方より酷い姿態、とんでもなく二人は
舞い上がり上から降りて来れない。
折角洗った体が滑り、澄人は再度玲華の体を丁寧に洗う、其れほどする値打ち
がある体、終えるとよろけながらも澄人の体を洗ってくれる可愛い女性、
なんと二時間経て居間に戻れる。
 頃を見計らったのか可愛い舞ちゃんから電話が来る、
今日の出来事を聞かされる澄人うんうんと頷いて聞いて居た。
交代で美咲ちゃんが電話に出ると母と交代、其処は抱合った事は話しては
居られない、今後の事を話し合われている。
「ね、向こうも何とか出来そうよ、あんた感謝、最高よ」
そう言われつつ、ワインを二人は飲んで行く。
 其れから澄人はPCに向かい明日来られる菜摘さんに計画書を作成始める。
其れを横で見ている玲華、澄人が思うままにキ-を叩いて行った。
 「ま~何と凄いじゃないね、じゃじゃアソコはあの旅館だけじゃ無いのね」
「そうするほうが手広く馴染みが作れ、この計画は一つの旅館では知れてる。
此処で熱川の旅館組合を動かせるほうが得策、気が向かないなら一軒で起こ
せば良い、其れなら計画は練り直す」
「ま、良いじゃないね、そうか全体で遣るとなると相当なコンペに為るね」
「そう、其処をメインに広げるんです、ゴルフ場も潤うなら賛成されるし、
旅館組合が相手なら割引も相当できる」「なんと凄いわ・・」
「それから、此処は組み分けをしたい・・」「え、意味が・・」
其処から澄人の話を聞く玲華益々凄い男と再度見直す。
「ま~じゃ、男性と女性と分けるの、其れに六十以上と、では三回有るの」
「毎月ですよ、八月と一月二月は休みにし、年末年始はそうは行かないけど、
一度参加されたご家族は熱川に来られれば毎度割引が出来る事を上手みに
してはどうかと・・」「大賛成よ、素敵じゃないね・・」
澄人はあらかじめの事を書いて、何とかコンペの商品や、終了時の大会報告を
旅館で行う事まで書いた。
 「ふ~、最初は此れで賛同を得ることが出来ればの話になるけどね、他に
何か有れば加える、ゴルフだけじゃ無いと思えるんだ」
「成程ね、そうなると色々と考えが湧いて出るよきっと」そう言われる。
「ねね、アソコ何時向かえる・・」「え、ああ、あはっ、何時でも良いけど
此処が何とか出来るまでは無理でしょう」
「ですよね、良かった、娘が熱海の部屋に居ると此処はあんたと二人・・」
「そうなるんですか・・」「そうなる、でも菜摘も時間開けさせないとね、
く~楽しくなる」縋りついて甘えた声で言われた。
 翌日、なんと午前十時半には菜摘さんが来られた。
澄人は未だ寝たふりして布団の中、だがその間玲華の役目は有る。
PCを見せて説明をする玲華、聞いてPCを見詰める菜摘、次第に甲高い声が
混じり出し、「此れは大変な事になるわ,熱川杯に為る」
「良いじゃない、だけどメインは何時までもあんただよ、其処は譲るな、
ゴルフ精通しているから細かい事は任せる」
 「凄い、頑張る無理でも押し付ける」
「其処は如何かな、最初は有志連合で良いじゃない、大会が繁盛すれば参加
は増える、ましてあまたのゴルフ場も潤うし賑わうわ・・」
「そうなるように頑張る、あの人凄いわね」「うふっ、別の意味でもいえる」
「え・・」怪訝そうな顔をされるが玲華は其処は深堀しない。
「ね、改装は・・」「あ、其処ね既に話し合いは出来ているの、最高だと皆が
大賛成、あの水平線とマッチ出来る露天風呂が直ぐに賛成を受けたわ、其れと
下の岩風呂はそのままにして、会員の混浴も賛成された」「じゃ予算・・」
「其処なの、まだ定かじゃ無いけど、設計士から一千万円くらいかと言われた」
「良いわ、見積書を取りなさい、金は用意する」「お姉さん・・」
「任せ、あんたも良いわね」
「あ、其処は既に決めて来ているし今日は当たりかも・・」
「ようし頑張ろう・・」「え・・」「ま良いから、風呂に行こうか・・」
「え、あの人は・・」「「寝かせておけばいい、風呂で話も有るし入ろう」
「ま、良いわ行こう・・」
 寝室で総て聞いて居た澄人、苦笑いしながらチャンスを寝て待った。

              つづく・・・・。

体調不良のため、暫く投稿を休みます。
真に申し訳ありません、ご了承賜ります。必ず続きを投稿いたします・・。

















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・27》

 最高至悦、極味、大胆、キスの受け身も男冥利に尽きる、
本当に咄嗟の事で澄人も自分が驚いていた。
何と思いがけない行動に出た自分が心底驚かされているのだ。
だが相手はキスを受けたままの姿勢で動かれない、
此れは本気に為れる人かと思い始める澄人。
 そのまま唇を離すと抱き抱え浴室にと脚を進める、
その間抱かれながら何も言われず、身をしな垂れ落し脚が揺れる中、
手は澄人の首を両手で廻して居られる。
自然とは此れかと疑うが、多少お互にそんな気が無ければ叶う姿じゃ無い筈、
其処が大人なのか、年が一回り以上上の女性だけど、其処も普通とは大違い、
如何見ても三十半ばしか見られない、其れほど綺麗で洗練された体と姿だ。
 浴室に向かう時も脱衣場で衣服を脱がされる間も声一つ出されて居ない、
聞こえるのはため息交じりの息使いだけ。
素っ裸にされた侭突っ立っておられ、急いで澄人は衣服を剥がして丸裸、
其処からまたも抱いて浴室にと入る。
 湯船は湯は無い、シャワ-で二人の体を浸し洗う、玲華の体を洗い流すと、
今度は言葉も無く動きが玲華に伝わった。
慌てて澄人の体を洗うが、途中で手が止まる、無論その場所こそ澄人と
言う由縁の場所、其処も声も出さずに丁寧にの洗われる。
しゃがみ込まれた侭洗われる手を澄人がが引っ張り、自分の物にと導いた。
 其処から異変が生じる、なんと玲華の口が直ぐにあそこにと向かい、
口にほうばると、手が澄人の尻にとはわせ、ゴボッグズチュバチュボツル
チュルチュルズゴズリリ~・・、・・、
「おおおいしいいわ~あんたんあんた~た凄い凄いあんた~・・」
「喰らえや、あんたの物じゃろうが、此れ大事にしてくださいよ」
「うん、判った、若い子なら良かったのにね、御免・・」
「煩いぞ、味わって楽しんでね、玲華さん最高夢ですよ」
「あんた~~~」最高に感激、玲華は我を忘れてしゃぶり倒す。
其れが災いか、十分とは行かないが相当な時間しゃぶり続ける。
 其処から、洗い場に倒れた二人、シャワ-が降り注ぐ中で妖艶極まり
ない女性と今が盛りの男、しかもでっかい物が聳え立つ中で狂い始めた
男女、誰が何と言おうが、もう止められない極地にと二人は邁進、
既に二度三度と転がり、交代の攻撃は半端じゃ無かった、澄人が経験
してきた中では味わえないほどの恍惚を与えてくれる相手の肉体は、
夢遊病者如くに舞い上がり吠え捲る、女の善がり泣きと男の吠え捲る
遠ぼえ、交差する中で何時解れず転がり愛撫は続いた。
 「あんた~殺して~~~な~あんたあんた~~」
「良し心得た覚悟しんさいや・・」「あんた~~~」
泣き叫んで呼ぶ声は男をそそる声に変化していた。
 濡れたと身体の侭澄人は玲華を抱き上げると、庭が見える居間にと
抱いて行く、其処で転がすと、澄人の壮絶な愛撫が炸裂開始。
脚を震えさせ感じる玲華、とんでもなく最高だと何度も思いつつ、
善がりさえ忘れて強烈な刺激をまともに受けだした。
「あんた来て来て様、突いて来て構わんし来てお願いあんたああぁ~」
とんでもない招き声、澄人は頃は良いと察し両足を掲げると股にと向かう
化け物が反り立って突進・・。「う。う、ううヌウうううんんぎゃあぁ・
あ・あ・・あ・ぁぁ~~~~来た来た入るがあんたすふぉいがあんた~」
凄まじい痙攣が起き出した、麗華はもうとんでもない事に為りつつある
我が身、迎え撃るどころの騒ぎじゃない、割入れた物がでかすぎるし
強靭、受ける我身が慄く中、身は既に味を占めたのか呼応し始めた。
 突いた突かれる、戻される、又も突き刺さる、奥底まで棒は遠慮なく
入り込められた。
幾度往ったのかさえ覚えては居ない、覚えているのは又来るが~とのた
打ち回る我が身だけ、その後は声すら出ない程恍惚三昧、女冥利に尽き
る往き様は美しくも有るが恐怖すら覚える肉に、容赦ない攻めが、
まだまだ続いて行く。
 時間さえ過ぎている事も知らないが、判るのは玲華の体に異変が生じて
来ていた。
其れは今まで経験が無い事、なんと数度往かされ続けると有る身が大変化、
玲華が知らない事が我が身に起こってしまう。
(いやだ~、何何これ嫌だ感じちゃうがあんた、其処も何処もかしこも変、
あんた何で感じるが・嘘だ・・)声は出せないが異変を知らされた。
「あんた、待って、大変大変、変になる~」「え・・」
「ねね、如何し様何処もかしこも変なのよ、触られるだけで感じるし電気
が走るのよ、どうしてなの、可笑しいけどそれが凄いから大変なのよ」
「え、意味が・・」「ねね、体擦ってみて・・、アソコも其処も変、
痺れるが、アンタ背中もああ、あう其処も同じよあんた凄い事に為って
いるが往くが其処擦るだけで往かされる~変になっている~くるうが~、
あんたあんたあああ・・・全身が秘部よいいやクリトリス化している~
ダメ~触らないで飛び続けちゃうがねあんた、本当だよ、全部秘部に・・
なっている~くるうが~あんたあんたあああ・・・」
凄まじい痙攣が全身に湧き出て来た・・。
「うほう、なんと凄い体だぞ儲けたぞ・・」
意地悪な男、感じると泣き叫ぶ中体を弄り回す。
受ける玲華は転げまわり往く往くが来たまただ~と喚き泣いた。
それが本当なら最高な肉だと澄人は思えた、我が物はまだ元気、
突き上げて歓喜の中にと玲華を連れて入る。
 其処でもまた同じ定め、玲華は舞い上がる中で泣き叫んでまただ~と
叫んでしがみ付き震えるだけ、
後は又肌を擦られるだけで何度も往ける身、其れを確かめる為に戻される。
「あんた、物凄い事に為った、最高」「未だだぞ」「え~嘘でしょうが」
「人を起こしたまま放られるのが嫌なんだぞ、此れからだがね・・」
「ええ、あんた普通じゃ無いがね」「玲華の体も普通じゃ無いぞ・・」
「今知らされたんよ、もう死んでもいい」
「死なせるか勿体無いが、感じてくれるんだぞ、でも往くのが早過ぎ」
「仕方ないが、最高なんだから」「見ろ・・」「ま~大変怒ったままね」
「如何するんだ・・」「ねね、明日まで待ってよ」「え・・」
「だって玲華一人じゃ持たないがね、ねね菜摘誘う、明日よ明日にね」
「ええ・・」「良いから今回はしゃぶって宥めるし・・」
「阿呆、俺は良いが、玲華さんもう要らないのか・・」
「ええ、欲しいけど・・」「じゃ気が失うまで動くぞ」
「もう何度も失っているんだけど・・」「要らんのか・・」
「いる欲しい・・」「じゃ向かうぞ・・」
「あんた~、おう・あんた~そこそそこが良いが其処も何処も良いが~」
失点抜刀の動きの玲華、既に我身から離れた世界でのた打回るだけだ。
 夕方までオオカミの遠ぼえ如きの善がり泣きは、
砂浜を駆け巡り大海にと声は飛んで往った。

        つづく・・・・。














望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・26》

 七月八日、七夕は大雨、その続きが今日の本降り、伊豆に来て三日目、
既にあの親子は小田原に行かれている。
地元の不動産屋が、何から何までしてくれていると聞く、部屋も店が出来る
傍に決まり、今日から其処に引っ越し、何も道具類は無い、
笑いながら美咲ちゃんが率先して動かれる。
其れが楽しいのか結婚までの予行練習よと、楽しまれている。
費用を出そうとすると玲華さんに怒られる。
此処はうちらがするからと聞いてくれない、其れほど美佳さんを気に居られ
た証拠、何とかなりそうで胸を撫で下ろす。
 「起きた・・」何とこの家では玲華さんと澄人だけ、無論美咲ちゃんは
熱海に部屋が有るし、其処に寝泊まりする美佳と舞、今はそうなっていた。
朝食は二人きり、朝はパンとコ-ヒ-とエッグ、二人は食べながら色々と
今日まで話をしている。
「ねね、此処もそうだけど、アソコ何時向かう・・」「アソコ・・」
「そう飛騨よ・・」「ええ~まだ言うの・・」
「だって、そのままでしょうがね、なんか見えなかったの・・」
「見えたけど普通だぞ」「だから良いじゃないね、もう出来ている場所なら
入る余地は無いわ、でもアソコある・・」「ええ、まじですか・・」
「そうよ、もう何とか考えてよね、何時でも良いけど熱川如何する」
「もう急かさないで下さいよ」「はいはい・・」
「はいは一度だけでしょうがね」「はいはい・・」「・・」
苦笑いするしかなかった。
 其処から熱川の話になる。
「如何、何か有るんかね」「・・」「ね、あんた・・」「・・」
「何よ、返事は・・」「・・」「あんた、あ、御免、澄人さん・・」
「はい考えています、此れから電話しまくります」
「え、じゃ何か有るの・・」「其処が如何かを電話しようと・・」
「何々、教えて・・」「ええ~・・」
「だって気に為るじゃないね、話を聞くとなんか手伝えることも有るかも」
「あ、そうですね、じゃ誰かゴルフに通じている方知りませんか、其れと
大手の旅行会社なども知り合いが居るなら、其処から入れば早いですけど」
「だから何かを聞かせてよね」「じゃ、後で話をしましょうか・・」
「良いわよ、そう来ないとね、早く食べてよ」
「ええ・・」呆れ顔で睨んでしまう。
 食事が終わると霧に包まれた砂浜を見れる部屋で二人は話を始めて行く。
「なんと、じゃじゃアソコが・・、良いじゃないね、ねね、其れ如何進める」
「だから、考えているんです、ゴルフは疎いから難しいかと思ったんですが、
麗華さんから聞くとプレ-される人は若い年代に伸びて来たと聞かされる、
其れなら旅行会社と組んでツア-を造ろうかと・・」
「何と良いわ良いよ、其れ、でも其れが何で旅館と繋がるん・・」
「だから、アソコで集合、車や電車で来られる方が、其処が集合場所、
其処からバスを出すんですよ、ゴルフ場は伊豆には沢山有ります、毎度違う
場所でプレ-出来て、試合形式に運べば人気が出ます、総て其処を仕切る人
が居れば無い良いですけど・・」「うふっ、あんた目が悪いのかね」
「良いですよ」「あのね、菜摘ゴルフが上手い、アマチアではここ等じゃ
有名ですよ」「何と聞いて居ないから・・」「聞かれても居ないしね」
「あはっ、そうですね、でも・・」
「良いじゃない、何から何まであんたがする事は無い、計画を実行するには
地元が一番、多くのゴルフ場を使うなら尚更地元よ。あの沢山のゴルフ場は
元は地元の人が持つ山だったのよ、今は見ての通り様変わり、どんな所から
でも手が出せるわよ地元は・・」
「何と、そうですよね、じゃ其処は後回しで、今度は旅館・・」「え・・」
そこからも澄人が思いつくことを話し始めた。
 「ええ、じゃじゃコンペの発表会もゴルフ場じゃ無くて旅館でかね、流石
考えたわね、良いよ最高じゃないね、良いね其れ其れよあんた」
「未だです、旅館改造加えませんか・・」「え、何処をどうするん・・」
又も其処から澄人が話し始める。
「いやだ~、なんとそうかね、有るよねそんな素晴らしい景観の旅館が・・、
そうか水平線と同じ位置から見れるんだ、じゃ温泉が全部海と思えるよね、
何かで見た事ある」そう感歎された。
「それと、其処は違う場所では混浴も出来る、聞くと既に庭から降りると
岩風呂の露天風呂が有ると聞かされた」
「有るよ、有る、じゃ其処は・・、なんと良いわ良いわよ、会員なら信用が
置けるし金も入る。あんた良いがね最高よ益々逃がさないからねあんた」
「あんた・・」「あ、澄人さん・・」舌を出された顔が最高だった。
 「待ってよ、其れじゃ澄人さんは計画だけにしなさい」「えっ・・」
「だって、アソコは今は如何でも過去は老舗よ、今迄の人脈は相当ある、
其処からこの計画を進める方が良いと思える、遣るのは自分達よ、
伝を伝えば何でも適うわよ、未だあそこは力が有るし・・」
「何と、そうですよね、じゃこれ・・」
「今から電話する、昼から三時迄は暇よ、呼びつけるね」「ええ・・」
「良いから任せて・・」電話をされた。
 コーヒ-を飲んでいると車が来た。
「ま~早いがね・・」「お姉さんが大変だと聞いたから飛んで来た」
息を切らせて来られる。
 其処から澄人は何も話をしない、総て玲華さんが話をされる、
だが其処を聞いて居る内に相手の表情が変わり出す。
「なんと、そうね、其処かゴルフか、良いわ今は女性も多いいし、
ここ等はゴルフ場だらけね、会員も沢山地元の方が居られるし・・、
なんか話は出来そうよ」
「だから、其処からは集めた人に余韻を残すためにも露天風呂・・」
「はい、其処は以前計画していたんですけど、景気が戻らずに・・」
「じゃ其処進めるか、金は出すよ」「え、お姉さん・・」
「阿保じゃね、金迄心配すると集まる人がしり込みさせられるがね、
此処は踏ん張って、自分でしなさい」「お姉さん・・」
「任せてよね、半分は澄人さんに出させるね」「ええ、聞いて居ないぞ」
「出せないの・・」「出すけど・・」「けど何よ・・」
「もう僕の立場が無いがね」「無くて良いの、あんたは影の男で良いじゃ
ないね、表は菜摘だけよ」「成程、そうか其処ね良いね、じゃ乗る」
「阿保くさ、何であんたは鈍感かね」「あんた、誰です・・」
「もう面倒くさい男、澄人さんがあんたよ」「へ、そうなるんですか・・」
「阿呆・・」頭を叩かれた。
 和服が似合う女性、本当に今目の前に居られる菜摘さんがそうだった。
涼しそうな着物が庭から入る風に裾が靡いていた。
「そう言う事で段取りはそちらで出来ますよね、計画はPCで作成します」
「お願い出来ます、今回は大変な事を頼んで申し訳ありません、これからも
宜しくお願いします」頭を下げられ、澄人は辞めてと止めた。
 二時間おられて感動され、何度も頭を下げながら帰られた。
「ふ~、帰ったね、あんた何時でも倒せるよ」「え・・、拙いでしょう・・」
「何が拙いか、此れからあの子も働く糧が無いと困る、あんたが其処を埋める
んだ・・」「え、僕がか・・」「誰かほかに居るんかね」「・・」
「あんたも澄人さんと呼ばすな、あんたで良いじゃないか、あんたと私の仲
だろうがね」「ええ、そんな・・」「駄目か・・」
「駄目じゃ無いけど面白くない・・」
「あはっ、拗ねるな、なな肌がジメジメするね、海際は此れだから困る、
車も長持ちしないしね」「塩害か・・」「そう、お風呂入ろうかね」
「え、入れば・・」「あんたも一緒じゃ・・」「ええ、僕もか・・」
「肌がジメジメしているがね、風呂上がりでビ-ル如何・・」
「其処は良いけど、一緒にですか・・」
「此れからの事も有るし、面倒くさいのは好かん、一緒で構わんだろうがね、
洗うよ、」「ひゃ~・・、逃げよう・・」「こら待て、許さんぞ・・」
追いかけまわしながら笑われる、頃が良い時捉まる。
 「もう阿保じゃね、あん・・あ・あ・あう~~~」
捕まったまま澄人が振り返り玲華にキスを仕掛けた。
 長い長い時間、抱き合ったまま二人は動かない、動くのは忙しい息使いの
為に肩が動く程度、キスはそのまましっぱなしだった。

            つづく・・・・。





















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・25》

 (うふっ、此れが上手く行けば良いけどな、あの親子も頑張れるよな・・)
そんな事を思いながら砂浜で寝転ぶ、最高な瞬間はいつの間にか目を瞑り、
さざ波の音が心地良く眠りにと導いてくれる。
 「お兄ちゃん・・」「え、ああ~舞ちゃん、戻ったんか・・」
「うん、お兄ちゃんが心配でな」「あはっ、言えるがね、一人ぼっちじゃぞ」
「だから、可愛そうに遊ぼうか・・」「ううん、此処で寝て見ろ最高だぞ」
「嫌だ、汚れるがね」「そうか綺麗な服じゃね、可愛いよ」
そんなやり取りが今一番望まれる澄人、起きると既に車は車庫に有った。
 「如何でした・・」「見ての通り、置いて来た・・」「え。では・・」
「そうなのよ、店が忙しいから手伝うと言ってくれた」
そう母の玲華さんが笑顔で報告される。
「ねね、あんたは此れから出掛けようよ」「え、何処に・・」
「良いから付いて来て、舞ちゃん出掛けるよ」「え、又・・」
そんな返事をしながら三人は車で家を出る。
「どちらに・・」真っ赤なアウデイが似合う婦人、
「そうね、今から向かう先は色々と問題がある所」「ええ・・」
「だからあんたを連れて行くの、其処は女学校時代の後輩よ、と言っても年
は向こうが随分と若い・・」「・・」「それでね、あんたを紹介しようと
夕べ思いついたんよ」「思いついた、ですか・・」
「そうなるわ、此処で一人じゃ暇でしょうが、直ぐに出て行くのも気がかり
でしょう、見ていると、何とか遣れそうよ、美佳さん、仕事振りテキパキと
動かれるし、最高・・」「良かった・・」
「ええ、内も最高、人は総居ないわよ、しかも熟練でしょう、泣けるほど
ありがたいのよ」そんな会話をしていた。
 「え、ここ等は熱川・・ですよね」「そう、此処に合わせたい人が居るわ」
車は国道を走り、進む。
「ああ・・」「見えた、素晴らしい場所よ・・」
何と車が向かう所に瀟洒な旅館が目に飛び込んで来た。
その玄関に車は横付け、直ぐに仲居さんが駆け寄り、三人は車を降りる。
「ま~玲華さん・・」「菜摘、連れて来たよ」
「え、ああ~もう忘れていたわ・・」苦笑いされて中に入る。
 「・・、・・」絶句するほどの景観が目に飛込んで、海を一望できる、
しかも水平線に浮かぶ島が数島見え隠れしていた。
「此処でお茶を頂こうね・・」玄関を上がる先のフロアがお茶を飲む場所と
思える、其処には絶景が窓枠に仕切られて、まるで絵画を見ているような
現象を受けた。
「良いですね、此処は」「そう、三台先の先代が此処に惚れられたの・・」
「判るわ、最高じゃ無いですか・・」「そうなんだけどね・・」
そこから話が途切れる、お茶が出され其れを頂きながら目は爽快な自然を
見詰め離さなかった。
「お部屋に・・」仲居さんが案内をしてくれる。
 「キャ~素敵ね、ねお兄ちゃん凄い・・」「そうだな、海が綺麗・・」
部屋からも望めた。
仲居さんが下がられると、舞は庭に出て海を眺めていた。
「あのね、問題は二つある」「何か・・」「此処の先行きと女将さん・・」
「・・」「それでね、以前から相談を受けていたのよ」「え、じゃ・・」
「そうなの経営がはかばかしくないからね、景観だけじゃお客はね、代わり
映えが今じゃしない宿に為っているの・・」「・・」
「それとね、問題は女将さんよ」「え・・」「一人者よ」
「何と、じゃ旦那さんは亡くなられたんですか・・」
「もともといないしね、其処は違う、でも跡取りが欲しいと・・」「・・」
何か話が其処に向かうと察した。
この聞きたくもない話が勝手に玲華さんの口から出だす。
「ね~、聞いて居るの・・」「はい・・」「じゃ何か言いなさいよ」
「え、僕がですか・・」「他に誰が居るのよ、舞ちゃんだけじゃないね、
だから、考えてよね」「何をどこを教えて下さいよ」
「もうだからね、此処を何とかしたい事と跡取りよ」「ええ、二つも・・」
「そうなる、ね考えてよ」「玲華さん・・」「あんたで良いと思えたんだ」
「何でです・・」「だって、決めたら凄いけど、決めるまでは歯痒い、でも
其処は良いかと先走りが無いし、安全だしねえ・・」
「だって此処は手放したくない、私が買えれば良いけどお客商売はこりごり
だしね、其れで相談を受けていたんだけど解決出来ずにズルズルと・・」
「・・」「それで、あんたが来て、良いかなと此処に案内したんだ・・」
「余計ですね」「あはっ、そう言わずに、相手は最高な女性よ」
「ですから益々拙いと思うけど・・」「何で・・」
「あのね・・、ま良いや、そうですか・・」「あらら、投げやりね」
「聞いた最中ですよ、こっちも考えが有りますからね」「はい、御免なさい」
「変な謝り方ですね」「御免」何とも言えない相手、本当に扱い辛い相手だ。
 其処に女将さんが来られる。
(なんと言われる通り素晴らしい女性じゃ無いか、何で男がいないのか)
澄人は素直にそう思えた。
「少しは話したよ」「え、ではこの方が・・」「如何かなとお連れした・・」
「お姉さまとのご関係は・・」其れから麗華さんが経緯を話しをされ出す、
良い機会と庭に出て舞と景色を眺めていた。
「澄人さん、来て・・」呼ばれて部屋に戻る。
『お聞きしましたけど、大学は経営学とか・・』「成り行きでそうですが」
「そうですか、弟さん残念ですね」「ええ、其処は既に諦めているんですが、
なんと引きずりこうして関係が消せなくて・・」「あら、嫌味かね」
「玲華さん・・」「はいはい・・」「あらら。楽しそうね」
「うふっ、この人とは遠慮が無いしね、今は同じ馬の上で並んで乗っている
んですよ、落ちるのも一緒かな・・」「ええ、僕は落ちるの嫌だし・・」
「だから、捕まえているんじゃないね、あんたは同じ馬の上で居るの、判る」
「判りたく無いけど・・」「行けずな男ね聞かれた・・」
「ええ、仲がお宜しいね・・」「そうかな・・」
「舞ちゃん、お庭で遊んでてね」「はい・・」出て行く。
 「ところで、此れから此処を活かすには何が必要かと悩んでいます」
「今お部屋の活動はどれ位です・・」「五十を切ります、週末だけで何とか
凌いでいるんですけど平日が、此処は熱海と下田の中間でしょう、
しれているんですよ」「・・」
「それと、最近は行楽より趣味での旅行が多くて」「中身は其処ですよね」
「ええ、でも解決は難しいですよね」「其処か、何とか考える余地は有るぞ」
「ええ、あんた・・」「お母さん・・」「嫌だ、そう呼ばない約束よ」
「だったらあんた呼ばわりも駄目でしょう」「あらら、はい、澄人さん」
「はい、麗華さん・・」「いやだ~二人とも漫才じゃね」大笑いされる。
 「考えたけど、大事な問題です、直ぐとは行かないかも・・」
「ええ、其処は理解しています、此れからお付き合いもかねて、此処に来て
ください」「え、・・」「あんた、いいや澄人さん、来てと言われているのよ、
返事は其れだけ・・」「あ、其処は言い忘れました、今後とも宜しく・・」
「言えたじゃないね」「玲華さん・・」「はいはい」首をすくめて笑われる。
 澄人は一人で、旅館内を歩いた、本日も少ないお客と見えて、
忙しさは感じられなかった。
浴槽から宴会場、そうして一番のメインの玄関回りを見て回る。
一時間みっちりと廻り部屋に戻ると舞は寝ていた。
 添い寝される玲華さん、本当に四十過ぎとは思えない若さ、肌もそうだし
仕事柄そうなるのかと見惚れていた。
 其処に女将さんが来られる。
「あのう部屋の見取り図を頂いても良いでしょうか・・」
「是非、其れと私の電話番号も添えて置きますね、嫌でしょうか・・」
「いいえ、感激です」「あらら、じゃお渡ししますね」
メモを手に握らされた。
「では暫く考えてみますね」「お願いしますけど、無理な事なら良いです、
もう此処は諦めようかと・・」「ええ・・」
「だって辛いし励みが少ないでしょう」そう言われ、聞いて居ると、
本当に何とかしないと大変だと身に詰まされた。
「ではそういう事で・・」「約束は出来ませんの・・」「え、貴方・・」
「菜摘です」「じゃ、その事は・・」「お聞きして覚悟は出来ているんです、
旅館は後でもと・・」「菜摘さん・・」「はい・・」「・・」
澄人は何でこうもすんなりと向かわれるのかはっきりと読めて居なかった。

                 つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・24》

 夕方まで澄人は舞と砂浜で遊んでいる、家の中は既に母親の玲華さんが
戻られ、娘の美咲さんから話を聞きながら、チャッカリ玲華は美佳の品定め、
いつの間にか玲華が話を横取りし、美佳と話し込んで行く。
 家を飛び出して、美咲は今度は娘の舞と砂浜で戯れる。
横で笑いながら澄人が居た。
「良いわ、最高よ、お兄ちゃん、良い人見つけてくれたね」「え、では・・」
「大合格、逃がさないわよ、後は任せて」「頼むわ、良かったな舞ちゃん」
「良い事なんか・・」「ああ、親子で暮らせるぞ、仕事先が出来たんだ・・」
「うひゃ~ほんまか、お母ちゃんと一緒に住めるんか・・」「ああ、そうだ」
「うれちい~~」飛び込んで澄人に縋りついた。
 浜で座り、澄人は美咲から今迄の事を聞いている、家の部屋では未だ美佳と
玲華は話を続けていた。
『あのね、十年以上のベテランだし、技術は大阪で仕込まれているし、気が
良いのよ本当に助かる」「そうなるか嫌なら良いぞ」「嫌ならどうなるん」
「連れて戻るだけ」「え、じゃお兄ちゃん関係有るんか、聞いたら無いと」
「無いが、其処は別」「同じと思うけど、抱けば・・」「おいおい・・」
「うふっ、其処は嘉人さんと大違いよ」「ええ・・」
「だって、手が早かったわ・・」「あはっ、そうか・・」
そんな会話も今じゃ遠慮なく出来る間、弟の婚約者の美咲は快活な女性だ。
 漸く家の中に戻る三人、既に食事は運ばれて来ている。
皆でテ‐ブルを囲んで夕食、其処も賑わいは止まない、特に母親の玲華さん
が美佳を褒め称え、着付けや結婚式も賄えると大喜びされる。
「ねね、澄人さん、お願い預かる」「良いんですか、僕は大賛成だけど・・」
「じゃじゃ、小田原に店を出す、今手ごろな場所が開くのよ、手が足りない
から地団太踏んで見逃そうと考えていたの・・」「え・・」
「そうなのよ、腕は確かそうだし、なんといっても人間性が素敵よ、一度で
惚れたわ」そう言われる。
「じゃ、ママ、小田原・・」「ああ、出すよ、お前と美佳さんで仕切れや、
お前は熱海が有るから毎度とは行かない、面倒を見て二人でのし上がれ」
「ええ、他人事見たい・・」「ああ、此れからはそうなるよ・・」
「え、意味が・・」「あのな、店は既にお前の代じゃ、此れからは優秀な人
を頭にして、どんどん進め、結婚式場も出入りできるぞ」
「あ、そうね、じゃ美佳さん頑張ろう・・」
手を握り合い感激する美佳、泣いていた。
傍で寄り添う舞を見て皆も泣いてしまうもほろ苦いワインを飲んで行く。
 午後十時、舞が寝ると、今度は大人だけの宴会、其処でも話は小田原の
店の事、既に美佳は此処の人に可愛がられている。
「そうだ、あんたね、アソコどうなったん・・」「え、どこです・・」
「もう飛騨よ・・」「ああ、其処は報告していた通りですが・・」
「ええ、じゃ何も決めて来なかったん・・」
「だって、そのまま一度離れろと言われましたが・・」
「あはっ、もう聞いたかね美咲、弟と偉い違うが・・」
「本当ね、嘉人さんは後報告だけ、お兄ちゃんは仕上げもせずにか・・」
「言えるけど、そのほうが気に為るから良いかも此れからも造る、其処を
少し使おうかな・・」「良いわね、ママが仲間に入れば良いじゃないね」
「そう考えてたんだけど、こいつが此処に来るから計画が駄目になった」
「ええ・・」「そうか、旅行できなくなったね」
「そう、もう仕事手分けしていたの、相手の気持ちを探りもせずにこの男」
「え、無理ですよ、聞いて居ないし、そんな瞑りなら先に教えて下さいよ」
「だね、だね、今回はママが先走りかも、お兄ちゃんは悪くないわよ」
「だろう、吃驚するわ・・」四人で笑いながら酒が進む家の中だった。
 しかし、部屋ではこの話が終わる事は無い、此れからの動きは玲華が考え
ていた通りとは行かないが、澄人が回る先の出来事を詳しく、此処で話す
羽目に為る。
「駄目、総て言いなさい、此れから出会うに其処を知って置かないと拙いわ」
「良いですよ、僕が一人で回るし、アソコも戻るかどうか判らないし・・」
「駄目~、もう勝手は駄目よ、麗華が居るし、此れからは何処までも繋がり
は持つからね」「ええ、お母さん・・」
「あんたね、其のお母さんって玲華の事かね」「はい・・」
「ええ~、もう酷くないかしら、ね~美佳さん・・」
「え、私に・・、そうですね、お母さんは可哀そう」
「だろう、そんなのにこいつは何時までもそう呼ぶんだから・・」
「仕方ないでしょう、弟の婿入り先が此処だったんだ、其処の主がお母さん
でしょうがね」「理屈は良い、今後お母さん呼ばわりは禁句、麗華で統一」
「・・」呆れる澄人の顔を見て、美佳と美咲は大笑いする。
 だが此処での話はさて置いても、澄人は最高な人に出会えたと感激、
弟が世話になっていた家族だけど、今はその弟がこの世に居ない、
だからこんな形で再会、しかも今じゃ、弟と違う立ち位置、株を買わされて
いるし、今度は女性の働く口が此処と決まった。
そんな繋がりは弟とはまるで違うと結果は同じでも其処は認めたかった。
 夜中遅くまで家から漏れる明かりは前の白い砂を色付したまま時間は経過
して行く。
漸く寝付いたのが午前二時過ぎ、片づける間も無く四人は倒れ込んでいた。
「いやだ~、お母ちゃん」「え・・、アま~寝た侭かね、大変、台所・・」
美佳が起きて顔を洗うと台所に立つ、人の家だから道具を探すのが大変、
何とか朝食をと頑張る、其れを見る舞も手伝ってくれた。
 午前八時、舞が寝た大人を片っ端から起こし、苦笑いされる中、
並んで洗面所、笑う顔が見えた。
其れから遅い朝食、驚きながら玲華は感激、みそ汁や卵焼きや、
魚の焼き物だけだが、其れが結構お良いしいから、美咲も大感激、
一番は澄人が驚いた。
(成程母親だわ・・、しかしこの家の母親は・・)
横目で見るが、其処は偉い違うと見た。
 この家の母親は家に閉じこもる女性じゃ無いとはっきりと見定める、
其れは良い事か悪い事か判断できないが、仕事柄そうなっているんだと
思うしかない、でも豪快さは認めざるを得なかった。
 楽しい朝食を終えると、なんと美佳を連れて家を出られる、
無論舞も同行、残された澄人一人、呆れる程残された姿が笑えた。
 「あはっ、余計もんか・・」苦笑いするしかない、今回は親子の住む町に
と為ろう、此処も自ずから通う事なる筈の家、此れからの舞ちゃんの成長が
見れる場所に為ると思うと、一人残されても文句は言えなかった。

               つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・23》

 朝早く旅館を出て、目当ての富士巡り、支笏湖方河口湖で遊覧船、
昼食と熟すと、又車で富士を後にし、伊豆スカイラインを走り行く。
強行な走行にも舞ちゃんは元気そのもの、流石に澄人も美佳さんの疲れ気味、
予定の車での宿泊はしようと伊豆半島の高原を走る道に感動しつつ走った。
「あのう・・」「何か・・」「何処で・・、グザイは買っているけど・・」
「そう、何処かキャンプ地を探しましょうか、この道筋に有る筈ですよ」
そんな会話をしつつ、車は既に伊豆半島の中間地にと来ていた。
「休みましょうか・・」「キャンプ地は・・」「其処まで行きますか・・」
頷かれて走る。
 漸く、キャンプ地にと到着、広場はクルマは少なかった。
車から降りて、買い物を出し、道具を始めて取り出す。
傍で舞ちゃんが得Mずらしそうに見ている中で大人二人は奮闘、何とか用意は
出来て、其処から今度は舞が主役、大騒ぎでバ-ベ-キュ-を支度した。
 「良いですね・・」「ま~素敵、舞・・」
「凄い凄い、お母ちゃん初めてよ」本当に喜んでくれた。
日が落ちて来て、用意を整えるとさっそく開始、多少疲れるが楽しい時間、
焼ける肉や貝類、野菜、其れを舞の皿に運ぶ澄人、横で見る美佳は最高に
幸せなひと時に為る。
一時間半余り楽しく食べて騒ぐ、すると早くも舞が眠いと言うから、
車の中を整理して、舞を寝かせる。
「貴方・・、有難う」そう言われる。
二人は後片付けをしながら、テントは張らずに車でと言われ、澄人は従う。
 午後八時過ぎ、空は梅雨前の晴れた天気、山の上だから星が綺麗に瞬く中、
二人は舞を寝かせ横で寝転んで静寂の中、言葉も出せず窓から夜空を見詰る。
「幸せ、もうこんな事無いわね」「作りましょう・・」「え、貴方・・」
「だから、今後は頑張って、行きましょうよ」「貴方・・」
「舞ちゃんの成長を楽しめば良いじゃないですか・・」「・・」
返事はされないが、澄人は芯からそう思えた。
「貴方との約束・・」「え・・」「もう知らない・・」「ああ、裸・・」
「もうデリカシイが無い人」「あはっ、そうですよね、御免」
「何時機会あるの・・」「え・・」「約束よ」「其処は既に過ぎました」
「ええ・・」「あのね、僕は考えたんですよ、行きずりなら其れも有かと
思ったけど、舞ちゃんを見ていると、まだ先が見たいと思うようになってね」
「え、じゃ・・」「はい、其処は見過ごしましょう、今後は約束は出来ない
けど、有れば逃さない・・」「有るの・・」
「如何かな、有れば良いけど無いかも・・」「・・」返事は戻らなかった。
 「此れからは美佳さんは仕事が適えば頑張って舞ちゃんの成長を楽しんで、
出来れば僕も協力したい・・」「貴方・・」
「僕は考えたんですが、美佳さん男に押され気味、自分を大切にして・・、
必ず良い事が来ます、でも嫌なら嫌と表現はした方が良い、男は弱みに付け
込むんです」「え・・」「貴方は、シャイだから嫌と言えず男に押される
タイプと見ています、だから此れからは其処は自分で決めて行動してね」
「・・」「要らん事言いましたが、気にしないで下さいね、僕は今の親子が
大好きですよ」「・・」返事は帰らなくなり出す。其れでも澄人は意の事を
言い続けて行く。
今後の事や、自分を大事にして欲しい事や、此れから何か困った事が有れば
知らせてと、最後はそう伝えた。
 (え・・)知らない間に横に寝ている二人の手が繋がっていた。
力なく握り返される手は暖かく粘っこい汗をにじませて繋がる。
「貴方・・」「何・・」「有難う」「それ何度も聞きましたが・・」
「言いたいの・・」そう言われ手に力がこもり握られる。
「僕も、先は判らないが、親子は大事に見守りますね」
「有り得ないけど、有った、あの時の気持ちが嘘の様に・・」
「此れからですよ・・」そう伝える。
 暫くすると、疲れたのか目を瞑り、会話は途絶えて、
車内は澄人の鼾が聞こえだす。
 朝になると、真っ先に舞が起きて、二人は叩き起こされた。
車は山を下り海が迫る景色を降り降りた場所は河津、熱川を過ぎた場所、
国道を伊豆下田にと向かう。
 途中で朝食を兼ねた食事をする、その間携帯で相手に電話した。
「あらま~、傍に来ているのね」「気がせいて、紹介したいしどうかと」
「良いわ、大歓迎よ、其処河津よね、じゃその道伊豆に向かい来て、途中
で白浜と言う場所が有る、其処に家が在る直行して、美咲を向わせる」
「え、良いですよ、忙しんでしょう」「何よ、あんたが来てくれたんだし、
良いからそうして」住所教えると言われ、慌ててメモを取り、
一時間程度かかると聞いて了解する。
 「連絡付きました、食事の後向かいましょう、僕も家は初めて伺うんです」
「・・」驚かれた顔をされるが、大丈夫と伝え、食後又車は走り出す。
左手は海、既に熱海、熱川を超えているから、もう直ぐ伊豆かと思われた。
「え、ここ等かな」「え・・」「そうなんです、白浜ならここ等だけど」
道に従い走りながら、住所番地は聞いたが、其処が何処かとナビに住所を
打ち込んだ。
「目的地はもう直ぐです、この道を走って下さい」「あはっ、聞こえた」
舞が笑う中、車をユックリ走らせる。
 「間も無く目的地に到着します」「聞こえた舞ちゃん・・」
「うん、もう直ぐだって・・」車はそのまま道を話った。
 「ええ~・・、嘘・・」何と車の前方の道に手を振る女性が見える。
「ああ~。美咲ちゃんだ~~」澄人の声で驚く舞と美佳、道の左側で手を
振る女性の前で車が止まった。
 「来たわね、間に合った、前もって知らせてよね」
「御免なさい、急に真っすぐ此処にと・・」
「あらま~、可愛い女の子、お名前は何かな・・」「舞、お姉ちゃん誰ね」
「美咲お姉ちゃんよ、まお母様・・」外に出た美佳を捕まえて驚く。
「此れは、美佳と申します」「はい、聞いておりますけど、美しいわ、
素敵よ、ねねお兄ちゃん、最高じゃない、一目ぼれよ」「え、じゃ・・」
「ええ、大大合格、ママが見てもそう思うし逃がさないわよ」
大歓迎され、なんと家は直ぐ有った。
 「・・、・・」言葉が出ない程最高な場所,家の庭が海に面して居る
みたい、間を遮るのは真っ白い砂浜、白浜とはよく付けた名だと感激。
屋敷も相当、声が出せない程呆れる、弟から聞いて居たが、
最高な家だとは知らされているが、現実は遥かに想像を超えていたのだ。

               つづく・・・・。
























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・22》

 軽い口を叩いて言葉遊びをしていた二人だが、互いに時間が気に為出した。
家族風呂は午後十時から十二時の予約、その時間が迫って来る。
『あのう・・』「え、ああ~時間に為りますね」「そうなるけど・・」
「嫌なら止めましょう・・」「ええ、貴方・・」
「だって、そんな気持ちなら楽しくないし、僕も今となって如何でもよく為り
出した・・」「ええ・・」「・・」「貴方、そうじゃ無いの・・」「え・・」
「あのね、時間が来るから胸が苦しく為り出したの・・」「嘘・・」
「ま~~酷い、本当だから・・」「そうかな、嫌に為られていると思えた・・」
「何で・・」「だって時間が気に為り出されていたし・・」
「それは娘を起こそうか如何し様かと・・」「え・・」
「この子私がいなくても寝ていますのよ、朝になると起きるけど、起きるけど、
寝着いた頃は起きないから・・」「あ、其れじゃ家族風呂・・」
「そうなんよ、連れて行こうか如何し様かと・・」「起きないんですか・・」
「今まではね、だから三十分くらいなら・・」「位なら・・」
「連れて行くほうが酷かと・・」「そうなるんですか・・」「ええ、今迄はね」
「じゅあ一時間は・・」「ええ、其処までは大丈夫かしら、判らないけど・・」
「・・」「何で、一時間も入って居れますの・・」
「其処は、如何かな、でも其処で酒を飲んだり寝そべり話もしたい・・」
「貴方・・」「だから色々と考えてて興奮して居ました」
「ま~、正直ね、聞く相手の気にもなって下さい、如何お答えすれば良いの」
「思うままが良いです、こんな事で嘘やしょうがないかと思うなら進まないで
おきましょう」「え・・」「そうじゃ無いかな、二人で居るだけなら未だ良い
けど、裸に為るんですよ」「あ、そうなるわね」
そんな会話をするが、総て虚しい、時間が経過する中で余計な話をしてしまう。
 「ねね、裸魅せた後は・・」「ええ、美佳さん・・」
「お聞きしたいのよ、貴方の本音」「あらら、其処までは・・」
「聞けないの・・」「勘弁して下さい・・」「じゃ、抱かれる事は有なの・・」
「え、其処も・・」「其処も、なんですの・・」「無いかも有かも・・」
「ま~成行ですよね」「そうなるけど、向かう前からこんな話有ですか・・」
「だって、美佳は決めているから・・」「どっちです」「どっちかな・・」
「ええ・・」「焦らしたいけど、其処は見透かれて居るみたい・・」「・・」
「そうでしょう・・」「其処か、痛い所だけど、今は挑む気が無くなりつつ
あるかな」「ええ」「そうなんです、最初は本当に其処までと色々考えて
いました」「貴方・・」「でも今は自分に正直に聞けば返事は最初の時より
変化しています」「変化・・」「行きずりの男女、その結末は抱合い、とね、
でも今はそうは思わなくなりました」「何でですの、魅力ないから・・」
「其処は有り過ぎですよ」「可笑しな事・・」
「可笑しいいんです、考えると益々そこの舞台に上れなくなります」「・・」
「何でかと今迄考えていたんですが、漸く見えました」「え、見えたの・・」
「行きずりではなく、今後も色々と付合い、舞ちゃんの成長を見たくなった」
「え、貴方」「仕事も伊豆でどんな話になるかは判らないけど、僕は自信が
有る、必ず、相手が貴方を求めますよ、其処は保証、だから今後の事には、
今夜の家族風呂は要らんかなと・・」「貴方・・」
「予約は良いじゃないですか、入らなくても良い、誰にも迷惑は懸らない」
「貴方、本気なの・・」「出来ればそのほうが良い、このまま旅して伊豆に
向かうほうが良いかと・・」「・・」返事は戻っては来なかったが、
気にしていた事が言えた澄人、ワインを一飲みして自分自身に頷いて居る。
 少しの時間、会話が途切れるが、其れも有かと気に為る時間を、
澄人はその姿で見送る様に時間の経過を過ごす。
 午後十時に為った。
「貴方・・」「え、ア時間か・・」「・・」「見過ごしましょう・・」
「・・」返事は又も帰ってこなかった。
ワインを飲むにつれ、この親子が本当に気に為っている事に気付かされる。
「あのう、此れから三十分、僕が話をします、その時間頂けますか・・」
「何か・・」「僕の事殆どご存じない、今話して置きます。もうこんな機会
は無いかと思われ、今だと決めた。今から話す事は、僕の旅に出た理由と、
此れからの事と加え聞いて欲しい」「心してお聞きする」そう返事をくれた。
 遂に澄人は話を切り出す。
一年前の家族の交通事故からその後の一年間の生活や、如何して旅に出よう
と決めたのかも、其れにアソコで出会う前に飛騨での事も包み隠さずに話を
し、飛騨に向かった理由も名古屋での事を追加で話、一息入れる。
「なんと・・、そうでしたの、知らないから、暢気に旅か、良いなと・・、
そんな事で一年間、辛かったと思います」「では続き・・」
そうして話は弟の交際相手の家族の話を始める、其れは美佳にも聞いて置き
たい事、澄人はなるべく詳しく話をする。
 「ええ~では、貴方・・株・・、大金じゃない・・」
「其処も家族が事故で無くなったための金、大事に育てて何かに使おうと」
そこからまた話を続けた。
 「ええ、では、ま~、名古屋で援けた家族のあの里・・、ま~有り得ない
けど有ったんだ・・」「ええ、親子ですよ・・」「・・」
そこは無視されて、澄人を睨まれる。
 また勝手に話を進める。
「待って、じゃその株話は、伊豆のお母様からなのね」
「ええ、だから、今だに弟と交代でお世話になっているんです」
「大金じゃない・・」「信じているんです、僕の金みたいだけど中身はそう
じゃ無いし、此れを如何するか悩んでいた矢先ですよ」「幾ら位なの・・」
「総ては言えないけど相当。株には半分以下しか今は出して居ません」
「ええ、なんと、本当なの・・」
「ええ、嘘みたいだけど、家族三人がしか亡くなったんですよ、保険や相手
からの慰謝料や諸々、相手は大手の会社のトラック、弁護士がしてくれた」
「・・」返事が戻れないほど驚かれる。
 「だから、今から向かう伊豆は大事な相手なんです」
「そうなるわね、そうね、関係を知らないから・・」
そう言われながらワインを負けずと飲まれる。
 「今度は僕の夢と趣味・・」「・・」
「僕は今回の旅は決まりが出来ていたんです、でも今は其れも破っています」
「ええ・・」「実は今から向かう母親と話しが出来ていて、旅も其のお母さん
から勧められたんです。必ず民家に泊まりなさい、ホテルや旅館は週に一度に
して、民家に泊って色々な話を聞いて、勉強してと・・」「あらら・・」
「それで旅に出た、だから車にはテントや寝袋、其れに野外で食事を作る道具
も多少積み込んでいるんです」「ああ、じゃ、車に箱が四個有ったけど・・」
「其れなんです・・」「じゃ私達の為に決まりを破った訳ね、御免なさい」
「いいえ、そうじゃ無くて言いたいのは、舞ちゃん」「え、娘が何か・・」
 そこから澄人の願望を話し始めた。
「ひや~、じゃ野外経験、いいや楽しいじゃないね、ねね、それ出来るの」
「ええ、何とか出来ます、野外でバ-ベキュウ-や、車で泊まる・・」
「素敵、あの子喜ぶ、ねねお願い旅館は此処だけにして、ね、車で寝よう」
「美佳さん・・」「そんな経験は舞には必要かも、お願い・・」
手を合わされる。
「では、明日富士山を見て回り、その後はそうしましょうか・・」
「はい・・、素敵よ・・」
 其処で話は合致・・。
「じゃ美佳の事も・・」「待って、其処は今は良いです。今の侭が最高、
過去は過去、何れ聞きたくなると聞かせてください・・」「貴方・・」
そう言いつつ、本音は聞きたかった。

            つづく・・・・。























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・21》

 七月一日、今日は多少曇り空だが、雨は落ちてはいない、
朝、舞ちゃんに起こされ朝風呂を頂き、朝食を食べると宇奈月温泉街を出る。
相変らずテンションが高いのは舞ちゃんだけ、澄人と美佳は昨夜の話が
残っているのか会話は弾まない、だけど車が何処に向かうかとは聞かれない、
舞ちゃんが喜ぶ中、母親の美佳は後部座席で外を見て居られた。
「ねね、今日は何処や・・」「うん、舞ちゃん富士山知っているか・・」
「ええ~舞は馬鹿じゃないよ、高いお山でしょう」
「おう、そうだぎゃ、其の富士山が見れるからな・・」「ほんまか・・」
そんな会話をしながら一度後部座席の美佳さんに話しかけた。
「狭い道じゃ、舞ちゃん車酔いするかもしれないから、一度日本海まで戻り、
其処で高速に乗り、遠回りだけど時間はそのほうが早いし良いですよね」
「はい、どうぞ・・」なんか冷たい感じだが、澄人は其処を掘り込まずに
舞ちゃんと会話を楽しむ。
 車は一度八号線に戻り、北陸道に上がり走る、新潟方面に向けて走り、
長野道だに入り暫くすると中央道に合流、其処で一休みをし三十分後又走る。
 昼前には何とか中央道から中部横断自動車道に入り走った。
途中で景色が良い場所で休憩と食事をする、ほとんど寝ていない舞も流石に
目がトロンとしてくる。
 午後二時頃は車内は静か、澄人は美佳さんと話がしたいが、
舞が寝ているために其処は我慢する。
旅に為れていない舞を気遣い、ゆっくりと走る中、何とか目的地と目指す。
 午後四時前、何とか富士山が見える場所に到着、
そうして下部温泉インタ-で一度高速を降りる。
「美佳さん、今日は早めに宿に行きましょうか・・」「え・・」
「明日は早くから富士巡りに為りますから・・」「そうですの・・」
「良いですよね」「・・」返事は戻らないがミラ-に頷かれる顔が見える。
 何とか車で探しながら走っていると、温泉街に入れた。
今回は自分で探そうときょろきょろするから、美佳さんが、
「危ないわよ、探すの任せて・・」「有難い、お願いします」
そう返事して車を動かせていた。
 「あ、此処は如何かしら・・」「古そうですね・・」
「でも玄関も素敵だし、年代でも格式は有りそうよ」
「そうですか、じゃ聞いてきますね」玄関に入り部屋があるかと聞いた。
 車に戻り、「流石、最高な宿ですよ」「良かったけど良いの・・」
「行きましょう、舞ちゃん寝ているから抱いて行きます」「貴方・・」
「行きましょう」何とか宿は取れた、早く部屋で倒れたいと思えて来た。
案内される部屋は庭が望める素敵な和室、本当に落着ける宿だった。
「わ~、何起こしてよ・・」「あはっ、良い顔で寝ていたからな・・」
「此処で泊まるんか・・」「ああ、明日は富士山だぞ」
「うん・・」喜んでくれる。
 流石に疲れた澄人、風呂も入らずに倒れてしまう。
「お兄ちゃん・・」「寝かせてくれ、食事時は起こしてな・・」
「うん、良いわよ」許してくれた。
湯に入りに出た親子、静かな部屋で直ぐに眠れることが出来た。
 どれくらい寝たのか、起こされて、いったんどこと思うほど疲れて
寝ていた事になる。
夕食を三人で食べるが又も舞が甲斐甲斐しく世話をしてくれる、
其れが最高に良い、澄人は最高だと舞を褒めて一緒に食事をする。
 食べ終わると、庭に出て夜空を満喫、星が綺麗だから舞と並んで見た。
疲れも癒される相手、本当に合って間も無いが長い付き合いと思うほど
懐いてくれる舞、澄人はどれほど癒されているか感謝するほどだった。
テレビの漫画を見ていつの間にか寝ている舞、手が懸らない女の子、
寝室に運んで寝かせる。
 「貴方・・」「はい・・」「夕べは御免なさい」
「ええ、其処は反対でしょうが、僕が謝らないと・・」
「ううん、考えたの、そうしたらね従うほうが良いかなと・・」
「あらら、じゃ元の貴女に帰りますね・・」「えっ・・」
「そうじゃ無い、従っていく内に何か息苦しくなり、今度はストレスが
溜まって我慢の限界でしょう・・」「それは・・」
「僕は好かん、貴方の意思で動いて下さい、言われ従うと良いと思うけど、
其処は自分でそんな場所に向かうとは違いますよ」「そうなりますの・・」
「そうじゃ無いんですか・・」「今まではそうかな、でも今は違うと思う」
「ええ・・」「ですから、昨夜の事謝っています」「ええ・・」
「だから、其処は言われて其れも有かと・・」「何と、美佳さん・・」
「それで車の中で考えていました」「あらら・・」
「ですから従いたいんです、今回は自分から進もうと・・」
「美佳さん、無理は駄目」「いいえ、其処はそうじゃ無いし、ねね、案内
を見てたら此処家族風呂有るのよ」「え・・」「見て来れ・・」
「ああ、有る」「だからいきなり裸じゃ拙い、家族風呂なら自然じゃない、
お願い最初は其処で見てて・・」「ええ」「お願い・・」「美佳さん・・」
 澄人は驚いた、なんと自分から其処を言われたのだ。
「でも・・」「何よ、貴方が言った事よ」「そうですが、其れは酒が・・」
「ま~酷い・・」「済みません、見たいけど無理やりになりませんか・・」
「なるわよ、でも美佳がそうすると決めたの・・」「・・」
声が出ない程感動、其処まで進めるんだと尚も疑う自分が可笑しかった。
「じゃ、貸し切り時間聞いて見ましょうか・・」
「お願いします、遅い方がいい、舞も起こさないと・・」
「あ、そうかじゃ聞いて待つ間ワインでも・・」「ワインですの・・」
「嫌いですか・・」「大好きです」笑われる。
貸し切りの時間を聞いた序にワインを頼んだ。
「じゃ乾杯」「え、何にですの・・」「え、あ、そうだ互いの裸にです」
「いやだ~貴方・・」そう言われながらも乾杯された。
 ワインを飲みながら不思議な縁だとつくづく感じた。
舞ちゃんが寝ていた自分を覗かなければこの出会いは無い、あの砂浜での
事は、はじまりの最初の出来事に為っている。
思うと、そうなる道かと思うけど、其処は互いが何か惹かれないと出来
得ない事、澄人は一人旅、相手は路頭に迷い死ぬことまで考えて居られた。
何から何まで突き進むと其処の其処の出会いから始まって来た。
二、三杯ワインを飲むと体が温かくなる。
「ね、何考えていたん・・」「え、裸じゃ在りませんからね」
「ま厭味ね、良いですよ」「今思い出したのは不思議な出会いだと・・」
「そうね、本当に・・」「だから、天に感謝して今乾杯をしたところです」
「嘘や其処は・・」「当たり「、でも感謝は本当だぞ」
「如何かな、裸見て失望されるわ」「しないしない、今でもしていないし」
「ええ、意味が・・」「しまった、本音です」「呆れた人ね・・」
斜め顔で睨まれ、つややかで最高な仕草に秒殺する。
 本当に裸が・・、そう思うとワインが肉に染み込んで来てほろ酔い・・。

             つづく・・・・。
























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・20》

 だが今夜は少し違う、美佳さんはビ‐ルこそ飲まれるが顔は未だまとも、
話も筋が通る。
「ねね、このままだと困る」「え・・」「だって娘も居るし、金は嵩むわ、
だからね、如何すれば良い・・」「もう、何も無いし要らん」
「ええ、貴方、嘘は駄目、汚れているから・・」「ええ・・」
「そうとしか思えない、こんなにして頂いて、美佳は如何にも出来ない」
「良いじゃないですか、考え過ぎですよ」「辛い・・」「え・・」
「もう辛いわ、いっそ抱いて・・」「・・」「ね、貴方辛いから・・」
「駄目でしょう、そんな考えで抱かれても虚しいだけですよ」
「それでも救われる、お礼が返せないし・・」
「其処が嫌だな、何事も見返りですか、相手次第でしょうけど僕はそんな
考えでは求めたくないし・・」「貴方、でも事情が・・」「其処も嫌です」
「・・」騙られる。
 思えばズバリ的中かも知れないが、此処は真反対の事を口にする、
其れで自分にブレ-キを懸けようとしていた。
「旅の空、あなた次第で美佳も多少気持ちが、このままじゃ娘を大事に
してくれる貴方に、苦しい」「・・」「ね、何か言って下さいな・・」
「何を言えばいいんです・・」「え、貴方酷い・・」
「酷いですか、じゃそうしておきますか・・」「貴方~・・」
目に涙を浮かべられ睨まれた。
 「では何か求めれば良いんですね」「そうなりますけど・・」
「そっか、じゃ夢でも良いですか・・」「良いけど、どんな夢・・」
「夢は夢、適うなんて思いもしない事」「え、其れどんな夢・・」
「言えないから夢なんです」「もう、言葉遊びは堪忍して下さい、辛いし、
夢って美佳で叶えられますの・・」「え、そうなります」「何かしら」
「無理でしょうから良いですよ」「ま、未だ聞かせて頂いて居ませんけど、
何・・」「・・」「ね、何か言って叶えられるならする」「無理ですよ」
「するから・・」何とも言えない程二人は強情、其処は澄人は負けている
けど、話を終わらせたくなかった。
夢は夢、憧れは夢と同じ、だから言ったまでだが今は敵うかと思い始める。
「何か、言わないとご返事が出来ない・・」
「じゃ、此れから数日間、旅をして伊豆に入りましょうか、此処から何処
かに寄り、そうして向かう先は伊豆で如何です」「良いけど、又お金が」
「其処は無視で良いじゃないですか、こうして他愛無い事で言い合うのも
最高・・」「いけずね、女性を困らせるのね」「そうなるんですか・・」
「ええ・・」「じゃ困らせ序にお願いが有ります」「何か・・」
「今夜は良いけど、次泊まる場所ではお願いしたい事が有ります」
「何・・」「其処は後で今はとてもじゃ無いけど言えない」
「ええ、そうなの言え無い事、美佳に対してですか・・」「はい・・」
「あら、言えない事、何かしら・・」
「考えて居て下さい、僕は一度風呂に行きます」「え・・」「御免・・」
何と一人で部屋を出た。進めない問答に疲れた身を湯に浸らせて、
思い浮かべるのは美佳さんの姿だった。
 どこまでも体たらくな男澄人、でも本音は言わない卑怯者、
そんな思いはしていた。
 部屋に戻ると、美佳さんは横に為られている、隣の部屋には三枚の布団が
並べられている、其処を見て部屋に戻るとビ‐ルを飲み、
窓からテラスに出て川の潺と蛙の合唱を耳にして、最高な夜風に身を預ける。
 手すりに縋り、川音を楽しんでいた。
「貴方・・」「あ、美佳さん、起こしたの・・」
「ううん、寝て居ないし、此処良いわね」
「ですね、最高ですよ、お風呂も良かった・・」「一人でね・・」
「ええ、嫌味ですか・・」「そうよ、言わないとお返しが・・」
「あはっ、飲みますか・・」「持ってくるね」
場所はテラスに変わるが、二人は又も缶ビ‐ルを握り夜風に当たる。
「ねね、顔を見ないから、先ほどの話決着点けましょう」「ええ・・」
「ね、お願い、なんか楽しくなりそうよ」「ええ・・」驚いて顔を見た。
「だって、何かとワクワクしているのよ、こんな私でも抱いて下さるのか
なとも・・」「ええ~・・」「そう思うのは美佳の勝手でしょう」
「そうだけど美佳さん・・」「こんな旅はした事無いし、数日前の私からは
考えも出来ない事、この先はどうなるのかと悩んで彷徨ってたのにね」
「・・」「それが如何、今ワクワク感が増して来た、美佳を美佳を抱いてと
叫びたいのよ」「・・」「でも相手は其処を言われないまま、何か夢がある
とだけ、何かと考えるじゃないね、抱くなら構わないし、喜びがあるなら
尚良いけど、欲張りよね美佳は・・」「・・」
「ああ~言っちゃった、胸に痞えていたんよ、此れで気が楽に為れる、
こんな体惜しくも無いけど、其れじゃ相手に失礼でしょう、今回は心底相手
に喜んで貰う積り、気を入れて縋りついて、其れから、ああもう大変・・」
「・・」そんな事まで話しをされる、酒と旅先だからか、そう言われた。
 「気持ちが良い風ですね、明日も天気かな・・」「貴方・・」
「如何です、明日は何処に向かいますか・・」「え、貴方・・」
「明日は、大町から長野を通り、中央高速に乗りましょうか、其れとも山梨
から富士山も良い、其れなら箱根からが良いけど其処は翌日にしますか・・」
「ええ~、貴方・・」「駄目ですか・・」「貴方、其れ本気・・」
「ええ、嫌ですか舞ちゃんが喜ぶと思うけどな・・」「貴方・・」
感極まる美佳、突然澄人に縋りついた、狭いテラスで逃げ場が無い、
澄人は受け止めた侭動かなかった。
「貴方、最高よ、美佳を焦らして弄んで、女の気を狂わせて知らん顔・・、
憎たらしいけど最高よ」しがみついたままそう呟かれる。
横からしがみ付かれているから左手が諸に相手の胸の谷間に挟まれていた。
「美佳さん、何も言わずに其処も考えずに、のんびり伊豆に向かいましょう」
「貴方は其れで良いかも、こんなにしてくれて恩返しが返せないじゃない」
「返せなくても良いし其処は思っていない・・」「其処、何処ね」
「え、恩返しですけど」「良かった、じゃ美佳は女よね、如何そこだけは
ハッキリして下さいね」「ええ・・」「ねね、如何なん・・」
「女ですよ、最高にそう思いますけど・・」「本当・・」
「ええ、神に誓い断言します」「大袈裟ね・・」
笑われる、其処に澄人がビ-ルを渡すとグイグイと飲まれる。
 「じゃ、勢いよく夢の一番目、願えますか・・」「何・・」
「お願いです、其処で浴衣を落として下さい・・」「えっ」絶句された。
「無理でしょうね、じゃ夢は諦めます・・」「・・」
「そうだよな、何処の男がそんな事言うか、此処に馬鹿が一人いた・・」
「・・」「さ、そんな事でした、夢は無残に消えたから、寝ますか・・」
「・・」返事が無いから、澄人は布団の中に入り寝る。
 一人取り残された侭の美佳、動けない、抱くと言われれば縋りついてと
思っていたが、浴衣を落とせ、思っても居ない事を耳にすると体が固まる。
変態、其れともあそこがゆう事を効かない、其処かも・・。
そんな事を思うが、今迄こんなに慌てて驚いた事は無い、
事も有ろうか抱くより裸と言われたようなもの、其れが衝撃で未だに身体
が動かない、美佳は笑い事も怒る事も出来ないまま、テラスに未だ居る。
 (なんて事、酷い・・)そう思うが、もう美佳はあの縋り付いた気持ちは
萎えて脳裏には残ってなかった。

           つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・19》

 朝風呂に向かい、戻ると朝食、今朝からまたも舞ちゃんに踊らされ続ける
二人だった。
 食事を終えて、コ-ヒ-を飲みにラウンジに向かい、其処で話をするが、
いかんせん舞ちゃんが独占、其処を見て美佳さんが笑う。
「え・・、何か・・」「ううん、舞を見ていると可笑しくって・・」
「何でです・・」「だって母親と違うし、私は晩稲で何も知らなかった、
優しい男に言い寄られ、断る勇気もなかったし、ずるずると、相手の本性が
見れるまでは従ってきた、でも今は如何かな・・」「・・」
「此の子を見ていると、血は父親から来ている」「そうなんですか・・」
「ええ、でも性根は同じでないほうが良いけどね・・」苦笑いされた。
 旅館を出ると車に乗り込む、澄人が勝手に走り出すが、美佳さんは何も
言わない、娘が何処に行くんと聞いて来る。
「そうだね、此れからの事を考える旅にしようか・・」「考えるん・・」
「そう、舞ちゃんの将来もある事だしね」「え、将来って・・」
「先の事、舞ちゃんの夢が叶うようにね・・」「夢か・・」
「そう、大事だぞ・・」「先の事やんか・・」「でも大事・・」
「そうなんかお母ちゃん・・」「そうよ・・」そう返事される。
他愛無い会話だけど中身は重い、今の美佳には胸をつまされる言葉だ。
 「何処に行かれます・・」「良い機会だから観光でもしますか・・、
此れからの事は考え乍らで如何です」「貴方・・」
「出会いも何かの縁です、舞ちゃんの事も有るしね・・」「・・」
返事は戻らないが嫌だとは言われなかった。
 車は国道八号線を北上、砺波を通り過ごして富山方面にと進んだ。
「貴方・・」「はい、舞ちゃんにトロッコに乗せます」
「ええ、トロッコ、何其れ・・」そこから説明を始めながら走る。
 「ま~じゃ黒部峡谷ですの・・」「そう、駄目ですか・・」
「駄目じゃ無いけど行けるの・・」「ええ、ナビが有りますよ」「・・」
返事を返す代わりに拗ねられる。
舞ちゃんは既に助手席で間を見ながら感動、本当に良い子だった。
 昼過ぎ、何とか黒部ダムに近づいてきて、駅前で軽い食事をとりながら
舞ちゃんに此れからの事を話す。手を叩いて喜んでくれる。
トロッコに乗り込む、幸い梅雨真只中でも今日は快晴、
トロッコはガタンゴトンと走り出し、右側の渓谷を見下ろしながら
トンネルを何度も潜り、何とか、駅に降りて其処からトロリ-バスで又も
トンネルを走る。
 ダムに到着、其処で舞ちゃんが異様に興奮、大自然と、ダムのでかさに
驚愕、澄人も美佳も驚愕。
記念写真を撮りまくり、専ら観光案内者、其れでも良いとさえ思える親子。
 二時からの出発は計算違い、あまりにもダムで時間を過ごした所為で
宇奈月駅に戻れたのが五時手前、車に乗り込もうとすると・・、
「お兄ちゃん疲れた・・」「そうか、じゃ車は無理か・・」
「良いけど、何処に行くんくらくなるよ」「だな、じゃ又温泉に入ろうか」
「ええ、有んの・・」「ああ、此処は有名な温泉が有るよ」
「良いの、金有るん・・」「まかせとけ・・」
二人の会話を聞きながらも美佳は口出しなかった。
 此処は黒部川添いに温泉がある、有名だし一度は行っても良いかとは
考えていたのだ。
駅前で観光案内所で宿を探す、手ごろな部屋があると聞いて決めた。
直ぐに車を旅行客用の駐車場に止めると、三人は目の前の旅館にと入る。
 「ま~、今度は清流ね・・」「え、そうか湖じゃ無いし、川だ・・」
澄人は部屋の窓から見下ろす川を見ながら最高だと感嘆・・。
舞も母を連れて浴場に向かう、澄人も今回は同行、自然とそうなれる間
には為れた。
隣の女湯から舞の甲高い叫びが聞こえだす、誰かに遊んで貰えている。
「良いぞ、そうかこれからの事が・・」
考えると直ぐに脳裏にある人の姿が浮かんで来た。
 部屋に戻ると、夕食には少し早い、ビ‐ルを湯上りで飲み始める。
舞は又も澄人の膝上で座り甘えてくれる。
「済みません、又散財させた・・」「良いですよ、旅中、何れ出て行く金
ですから、気にしないで下さい、楽しんでね」「・・」頭を下げられる。
夕食を食べる中、舞は澄人の面倒を見てくれる、反対だと笑うが、
舞は構わず澄人の世話係り、それが可愛いから困る。
 何とか疲れたのか寝てくれた、「此れからは大人の時間ですね・・」
「・・」無論返事など帰らないが承知、ビ-ルを飲みながら二人は居た。
「あのう、私たちを如何されますの・・」「ええ、意味が・・」
「旅先ですよね」「え、そうなりますけど・・」
「じゃ、このご恩は如何返せば良いの・・」「ええ、其れこそ意味が・・」
「だって、金も大変な金額よ」「だから・・」「ええ、だからですの・・」
「ええ・・」「呆れた、私困る」「困りますか・・」「ええ・・」
そんな会話も長くは続かない、澄人が笑い飛ばすから相手も少しは安堵
されたのか、ビ‐ルを飲まれた。
 「お仕事の件・・」「ああ、其れは向こうに行ってから貴方が見て決めて
下さい・・」「ええ・・、何で・・」
「だって、仕事と舞ちゃんの事が大切なんですよ、だから何も言わずに
行きましょう、相手と話された後でも良いじゃないですか・・」
「其処が駄目なら・・」「それは其れ、又考えましょう」「え、貴方・・」
今度は呆れ顔で睨まれる。
 しかし昨夜とは少し様子が変っていた。
「貴方、美佳を如何したいの、もう如何でも良いからついて来たけど、
このまま放り出されても文句は言えない」「ええ・・」
「黙って聞いて下さい、美佳もう疲れていたんです、だからあの時合わない
とどうなっていたかははっきりしています。アソコで何処で死のうかと、
悩んでいたんです。私が不甲斐無いから子供まで、其処が引掛かり決断が」
「良いじゃないですか貴方が今現在生きている、其れだけで良いじゃない、
此れからはこれからですからね、今はのんびりと疲れを癒してて下さい」
「貴方・・」目に涙を浮かべて見詰められた。
 小顔で可愛い、いいや美しい顔、しかも浴衣から想像出来る姿は、
最高だろうと確信できる相手、此処迄なんで連れまわしたのかが疑問、
だが今はっきりと、自分が描く道を見え出してくる。
「仕事は伊豆に行ってから考えましょう、無理なら名古屋の僕の部屋で
少し休んでいてください・・」「ええ、貴方・・」「澄人ですよ」
「澄人さん・・」「はい・・」「貴方、・・、・・」「え・・」
「ううん、泣けてくる」「・・」今度は澄人が黙った。
「あのね、美佳はそんな値打ちなど無いし、其れに男に言い寄られ付いて
出る馬鹿な女ですよ」「・・」
「それを何ね、優しいからと言って、美佳を悩ますなど卑怯よ」「・・」
「ねね、何とか言って下さい、何を如何したら良いの美佳は・・」
「何も無いけど・・」「それが怖いのよ」「え・・」
「あのね、只より怖いものは無いでしょう・・」「ええ~・・」
「そう言われるでしょうがね、美佳は如何すれば良いかだけ聞かせて・・」
「伊豆に参りましょう・・」「え、其れだけ・・」
「ですが、何か・・」「・・」今度は美佳が黙る。
 おかしな会話はまだ続きそう、その理由は、美佳がビ‐ルを煽るように
飲み続ける姿に夕べもそうだったと知らされる。

                 つづく・・・・。


























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・18》

 浴場から戻る親子、其処は以前と変わられていた。
舞ちゃんが事のほか喜んでいるから母親もつられたのか笑顔で戻られる。
既に夕食が整って、料理を見る親子は又も喜ばれ、三人で夕食開始、
ビ‐ルをお互いが飲んで話も次第に出だす。
 舞ちゃんが食事を済ませると、澄人の膝に凭れ掛り居眠りを始めた。
「ま~この子、済みません・・」「良いですよ、可愛いし・・」「・・」
其れには何も言われず、ビ‐ルを飲まれる。
 暫くすると、澄人が聞いても居ないのに相手から話が出始めた。
 聞くと、名前は清水美佳二十七才、大阪で暮らしていたと言われ、
仕事は美容師で高校を出た後働いて来たと言われる。
御存知でしょうと、言いながら自分たち親子は逃げて来たと、
そう本人から言われた。その中身は言おうとされたが、
澄人は其処で話を断ち切る。
「良いじゃないですか、過去は過去、でもよくふん切れましたね」
「其処は何とか、気の良いおじさんが大阪で知合い、その人の薦めで逃げ
ようとそそのかれて、荷物を抱えて金沢まで・・」「何で金沢・・」
「なんか、おじさんの知り合いがいると・・」「なんと、其れで・・」
「昨夜は何とか娘と一緒で難を逃れたんですけど朝早く、私たちの落着く
先に行ってくると言われた」「・・」
「それで、可笑しいいと直ぐにホテルを出てしまった・・」
「じゃ、アソコは・・」「一度海を見て、後の事は考えようと・・」
「そうでしたか、じゃ僕の思いが多少当たっていましたね」
「済みません・・」「良いですよ、でもこれから如何します・・」
「働く場所を探し、美容師なら何とか出来る、子供が居るから其処が」
「じゃ、部屋を宛がわれたら働けますね」「そうなります・・」
そんな話まで出来だした。
『でもよく逃げ出せましたね』「昨夜の話の中で可笑しな事を言われ・・」
「え・・」「温泉宿でもとりあえず働こうかと・・」「えっ・・」
「それでどこらかと聞いたら芦原だと」「なんとでは既に向かう先は・・」
「決めていたみたいです、何度も電話をされていたし・・」そう聞いた。
 「じゃ、いっそ少し旅をして、考えましょうか・・」
「ええ、貴方、お仕事は・・」「今は無職、危ないですかね」
「危ないなんてものじゃ無いわ、無職ですの・・」
「ええ、未だ家族を失って一年、もう大変だし気が抜けています」
「ま・・」「でも、今回の旅で戻ると、我武者羅に働きます」
「・・」頷いてはくれなかった。
 だが、今度は澄人が自分の事を話し始めると、身を乗出し聞いてくれる。
「あら、じゃ旅も既に此処まで数日過ぎているのね」「はい」そう答えた。
 しかし、澄人の話し方は普通じゃない、相手が美容師だと聞いてから、
何とかしてあげたいと心から思い出した。
「え、では、今迄の旅は其処だけですの・・」「これ見て下さい・・」
スマホの画面を見せる。
「・・、ま~、じゃ旅は本当でしたのね、牛迄居ますね」
「ええ、良い人達でした・・」そこで二人はビ‐ルを飲む。
「ふ~、そうか、もう驚いて怖かった・・」「ええ、僕がですか・・」
「ええ、今は男は無理・・」「でしょうね、じゃ僕、、無害ですよ」
「自分で言います其処・・」少し笑われる。
浴衣がはだけるから、見て仕舞うほど艶やかな女性、
(これじゃ男はほっとけないな・・)澄人もそう思えた。
 「でも悪いわ、散財させた・・」
「構わないですよ、どうせ一人身、夜は外を徘徊かな」「え、怖い・・」
「安全ですよ、舞ちゃんがいます」「・・」何も言われなかった。
 「ねね、もう一度違う場面を見て下さい・・」「えっ・・」
スマホを出してメ-ル画面を出す。
「相手は伊豆や熱海で四店舗、しかも美容院・・」「ま~本当に・・」
「このメ-ルは娘さん、僕の弟の婚約者、此れは母親、やり手ですよ、
株もされているし、この間僕もやれと進められ、株を買いました・・」
「ま~・・」「ですから、旅してて、良ければ其処に如何ですか・・、
店は直ぐ出せるけど、一度落ち着いて今後を考えてみませんか・・」
「え、貴方・・」「僕が薦めるより、現地を見ませんか、僕も知らない」
「ええ・・」「だって、弟と関係がある家ですよ、知らない」
「・・」呆れた顔で見られた。
 「だから見学してからと思い言い出せなかった、でもね、相手は最高な
人達です、其処は保証します」「ええ、保証、頼り無いわね」
「済みません・・」「いやだ~・・」苦笑いされビ‐ルを飲まれる。
「此れから数日、行動を共にしません,行付く先は伊豆と考えて如何です」
「では・・」「見て気に入れば其処で腰を落ち着け考えるってどう・・」
「貴方ね、先様には未だご存じないでしょうに・・」
「ですから、此れから・・」「決まってないのに向かうの・・」
「そうなります」「計画性が無いわね」
「ええ、でも逃げたのとは違いますからね」「ええ、其処言います・・」
「あ・・」「うふっ、当たりだしね、そうか、美容院ね・・」
そう呟きながらビ‐ルを飲まれ、慌ててビ‐ルの追加を頼んだ。
 気を許されたのか、以前とはまるで違われる、一番は話しが止まない、
いろんなことを聞かれ出す、女性はどうかとか、今から何をしたいのか
とか家庭は何時もたれるのかとか・・。
「もう、少し間を開けてくれませんか、返事が・・」
「え、あ、そうね、御免」又ビ‐ルを飲まれ、澄人も従い飲んで行った。
午前一時過ぎ、漸く二人は倒込んでしまった、布団には脚だけが入る姿、
相手も舞の傍に辿り着けずに手前で横たわれた。
 朝、舞ちゃんに甲高い声で起こされるまで二人は寝ていた計算になる。

         つづく・・・・。





















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・17》

 舞ちゃんがハンバ-グを食べたいとせがまれ、レストランにと入る。
三人で食事をするが、何か気まずさが漂う、相手に理由があるせいか、
重苦しい空気の中で、舞ちゃんだけが楽しそうにしてくれる。
横で世話する澄人は今は舞オンリ-、母親にはあまり話を向けずに、
専ら舞と話をしながら食べる。
 「美味しかった、有難うお兄ちゃん」「え、お兄ちゃんでええんか・・」
「うん、そうや・・」「え、言葉・・」「おかしんか・・」
「ううん、ここ等じゃないね・・」「そうやねん、大阪やった・・」
「・・」其れで少しは中身が垣間見れた。
 「あのう、嫌な事言わなくても良いけど・・、何で此処に・・」「・・」
言いたくないのか、食後のコ-ヒ-を飲まれる。
それ以上は深堀出来なかった。
「有難う御座いました」「いえ、食事位は、楽しくなかったですか・・」
「済みません・・」謝られるから話を其処で途切れる。
「これからどちらに・・、車でなら送りますけど・・」「え・・」
「良いね、お兄ちゃん乗せて」「良いよ、お母さんに頼んでご覧・・」
「ねね、聞いた・・」「行けません、お礼を言って別れましょう」
「ええ、嫌や・・」「無理言わないの・・」
「だって、何処に行くん、いくとこあれへんやんか大阪に戻れるんか・・」
「舞・・」「そうじゃ無い、金沢で其処でおじちゃんに何か言われてから
お母ちゃん、変・・」四歳の子に言われて、困惑する顔が見れる。
「じゃ、とりあえず車にねね、お母さん・・」「でも・・」
「良いじゃ在りませんか、駅までなら良いから」そこで少し頷かれた。
舞を車に乗せると、後ろの席に母を乗せた。
「何処か行きたい所無いの・・」「何が有るん知らんもん・・」
「そうか、じゃ金沢は如何・・」「駄目やんか出て来たもん」「え・・」
「じゃ・・」「あのう、駅のコインロッカ-に荷物が・・」
「あ、ハイ判りました向かいます」「済みません・・」
とりあえず駅にと向かい、ロッカ-から大きな荷物と半分くらいの大きさ
のトランクを出して、話もせずに車に乗せた。
相手は何も言われなかった、荷物を見ればおおよそ見当がついたのだ。
「じゃ、イルカショウ-でも見ようか・・」「え、イルカお魚のでっかい
奴なん・・」「そう、飛ぶよ」「え、嘘やん、見たい見たいねね何処や」
「うん、西に向かうと有ると思う・・」「思う、お兄ちゃん・・」
「ええや、行けば判るさナビが有る」「ナビ・・」何とこませな舞だった。
 母には聞かず勝手に車を国道八号線を西にと向かう。
旅に出る前、イルカの事は知っている、行けば見たいと思っていたのだ。
「あのう、其れってどちらなのです」「なんか能登半島の入り口に有ると」
「何処かしら・・」「其処は和倉温泉だと書いてありましたが・・」
「・・」返事は戻らいが、駄目とは言われなかった。
 向かうまでの時間、澄人は話をするが母親は話しに入っては来られない、
其れでも一時間半で何とか和倉温泉の街に入ることが出来た。
車を駐車場に入れて、三人はショウ-が見れる会場にと進む。
最高に喜ぶ舞、本当に無邪気そのものだった。イルカが水面方飛上がると
凄い凄いと手を叩き楽しむ姿、結構其処は来て良かったと安堵する。
 一時間楽しむと、もう四時過ぎ、澄人は喫茶店で母親話しをした。
「これからの事も聞きたいし、僕に出来る事なら言って下さい・・」
「え・・、何で層までしてくれるのです、可笑しいですよ」
「ええ、其処は可愛い舞ちゃんが居るからですが駄目ですか・・」
「駄目じゃ無いけど」「じゃお聞きしますけど、どちらに向かわれます」
「え、其処は」「言えないんでしょうか・・」「貴方に言う必要が無い」
「ですよね、でも聞きたいと迫れば如何します」「ええ、貴方・・」
「ねね、向かうにしても、話だけでも聞かせてくれませんか・・」
「何で其処まで・・」「僕は家族を一年前に亡くした、しかも交通事故、
弟が結婚を決めて、挨拶にと先方に向かう途中、父と母も同行、
東名高速の清水前でトラックに挟まれて」「ま~何と、そうでしたか」
「だから、今は天涯孤独、癒すために旅に出て来たんです」
「そうでしたか、知らないから・・、私、最近男恐怖症なんです・・」
「そうでしたか、じゃ無理も無いですね、僕は危険じゃ無いし・・」
「男は総言ううのよ」「あ、当たりかな・・」「ま~・・」睨まれる。
 漸く顔がまともに見れた、本当に綺麗、芸能人の誰かに似ているけど、
名前が浮かんで来ない、其処方面は疎い澄人なのだ。
「では、話を聞かせて頂けますよね」「聞いて如何なる事でも無いけど」
「話の中身によると思うけど・・」「貴方・・」
今度は少し眉を寄せられていた。
「御免なさい、舞ちゃん、どこかに行こうか・・」「ええ、暗くなるよ」
「あ、そうか、じゃホテルか温泉かどっちが良い・・」
「温泉、行った事無いもん、熱いんでしょう・・」
「あ、熱いぞ、でも我慢すれば快適に為れる」「嘘や~、熱いから無理」
本当に会話をするのが楽しい相手に為る舞だった。
「お母さん、今日一日だけ、舞ちゃんと居たいけど駄目ですか・・」
「え・・」「ねね、お母ちゃんお願い、ね~・・」
「これ無理でしょうが行けないし・・」「え、何で・・」
「贅沢は出来ません・・」「ええ~・・、聞いたお兄ちゃん・・」
「ああ、其処は無理じゃないとゆうだぎゃ・・」「え、何・・」
「あ、御免、温泉は任せてとお兄ちゃんが言うたとお母さんにね」
「あ、そうね、聞いた・・」「聞きました、でも無理、ビジネスホテルで
我慢しなさい・・」「ええ~・・」そう決まる。
 だが其処で引き下がらない澄人、何かこの親子は何か有ると睨んでいる
からだ、このまま別れると後で後悔するかもと思えた。
「じゃ、ビジネスは明日にでも、今夜は和倉に来ているし、温泉でも」
「貴方・・」「待って、聞いて来るね」
澄人は一人で会計をする店員に何か聞いて居る。
「お母ちゃん・・」「あんたね、無理は出来んのよ」
「うん、だからお兄ちゃんが任せと」「其処も駄目でしょうが」「だよね」
 「聞いてくれるって・・」「え・・」「まとう・・」「・・」
残りのコ-ヒ-を飲み干す。
 「あのう、大きな旅館は今日は満室だそうですけど・・」
「え、そうなの・・」「でも友達がいる宿は有るそうですけど・・」
「え、何処・・」この先の崖の上に有る良い旅館ですよ」
「何と良いね、頼んでくれる」「はい・・」
「聞かれました、有るそうです、とりあえずねね舞ちゃんの為にも・・」
返事は戻らないがそう決めた。
 また車で走り和倉温泉でも有名な加賀谷の手前の道を登る、
その道があの崖の上の温泉宿に通じると聞かされていたのだ。
直ぐに見えて、最高な場所、玄関も古風な和風造り、
多少「だよね」舞ちゃんの年齢では似合わないが、落ち着けそうな宿だ。
キャンセルが出て一部屋あると言われ、最高な部屋に通される。
角部屋で湖に面したテラスが良いし、部屋も最高に良いと感激する澄人。
舞ちゃんも喜んでくれていた。

                つづく・・・・。




























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・16》

 六月七日、澄人は牛を飼う家で三日滞在している、だが、
なんと此処では男女の仲は成り立っていない。
何故かそうならない、澄人が思う女性の枠中に親子は入っていたが、
其処は進んではいない。
何時でも出来そうな雰囲気は有る、だけど・・、色々考えている澄人、
此処は踏み切れない何かが存在する。
そう思うしか理解出来ない、毎日動かれる親子、話すと色々出て来るが、
どうしても男女の話しには向かえない、考えさせられる問題は山ほどある、
だが手を出そうとはしなかった。
 そんな三日目、メ-ルが来た、「あ・・」急いで電話する。
「あら~・・、今何処かしら・・」「はい、岐阜の飛騨ですが・・」
何と相手は伊豆の美咲ちゃんの母親からだった。
電話で色々話をされる中。「ねね、的中よ・・」「え・・」「株よ・・」
「ああ、何か有ったんですか・・」
「そうなの、有るかなと買っておいた株ね、増資なのよ」
「ええ・・、良いですね」「え、あんたに勧めたんだけど・・」
「え、ああ~じゃじゃ・・」「そう、未だ正確じゃ無いけどね、耳にした、
一月後には正式に発表があるわ」「何と・・、で僕は如何すれば・・」
「其のまま、株は増資だからやがて売買禁止の知らせが来る、待てば良い」
「なんと、そうなんですか、有難う御座います」「御礼は高くつくわよ」
「はい・・」「馬鹿ね、其処はええ~でしょうがね、旅は如何・・」
そこから現状を話す。
 「あらら、危険よ、一度そこから離れなさい、離れてもう一度考えれば
良いじゃないね」「そ、そうですね、今如何し様かと・・」
「うふっ、絡まれて動けなくなるからね、相手は聞いたら強かね」
「・・」そう言われる。
電話を切ると、座り込んで考える。
(今は何しても良いのか、今後は・・、此処は・・)頭を抱えて考えていた。
のんべんだらりと過ぎしている我が身、電話で話を聞いたら考えさせられた。
 昼前、家の中には誰も居ない、居るのは澄人だけ、急ぎメモを書いて
テ‐ブルに置くと、家を出る。
そうして澄人はあの貴子さんが居る家にも寄らずにインタ-に向かい走る。
「・・」だが、其処で車は止め、喫茶店に懸け込んだ。
 「・・、ええ~あんた・・」歓迎され驚かれる。
「聞いたけど、今度は雅己の家かね、遣るじゃないね」「え・・」
「夕べね集会、貴子さんと佳恵も来たが・・」「ええ、何処で・・」
「中村屋」「あ~~」苦笑いするしかない、何で集まれたのかは少しは解る。
「でね、あんた逃がさないと・・」「ええ、だから今逃げようと・・」
「あらら、何で白状するん・・」「なんか貴女には言いたかった」
そこは本音、誰かに話しておきたかった。
「じゃ此処は・・」「今何か動けば動けない家が出来るだろう」
「え、そうなるわね」「其処は駄目、其れでな色々考えるために一度此処を
離れようと・・」「成程ね、じゃ満更嫌で逃げるんじゃ無いんだぎゃ・・」
「そうなる・・」「信じてもええのか・・」「うん・・」
「そうか、良いよ、理解した、其処は皆知っているん・・」
「ううん、ここだけ・・」「ええ、あんた・・」
沙保里は驚いた顔で澄人を見る。
「だから此処は知ってて貰いたいんだ」「成程、了解、で此れから何処・・」
「うん、海が見たいしな・・」「・・、そうか・・」「じゃ行くよ・・」
「何時寄るんね・・」「日本海を見た後に為る」「良いわ、待って居る」
そう言われ、澄人は喫茶店を出た。
本音を言えば心残りは有る、未だ動ける幅は有った、だが此処で留まると、
旅する事が出来なくなりそうと思えたから一度旅をつづける事にしていた。
 「さてと、ひとまず海じゃが・・」
東海北陸道をひた走り、日本海目掛けて進む。
 一時間半で海が見え始め、意外と近いと知る、海はグングン迫り来る中、
砺波と言う場所に来た。
一度海にと車を走らせ、綺麗な砂浜に到着、万感な思い、
海は母だと言われるだけは有る、広い海は何事も包み隠してくれそうな感じ、
其れが母と言わしめる由縁かと納得。
「く~良いが、最高」打ち寄せる小波の音を聞きながら砂浜に寝っ転がる。
 思えば名古屋から出た後、悦子さんの家族としか抱合ってない事に気付く。
「あはっ、なんと三人だけじゃないか、多くと思えたが其れだけ・・、
考えた最初は其処だった。
梅雨前だけど爽やか、海から押し寄せる風も肌を潤す程度の湿り気を与えて
くれていた。
 「・・、・・」暫く目を瞑り味わう澄人、傍に駆け寄る音に気が付いた。
目を瞑っているが其処は気が付く。
「・・、うん、ええ~~」目を開くと何と可愛い女の子がしゃがみ込んで澄人
は顔のまじかで見て仕舞う。
「ああ、可愛いが・・」「なあんだ、生きているんだ・・」「ええ~~」
苦笑いしながら起きる。
「おう~、可愛いが幾つ・・」「お兄ちゃんは幾つよ・・」
「あはっ、年だぞ・・」「五十か・・」「ええ~・・」大笑いする。
「舞は四歳よ・・」「おう、そうか良いね、独りじゃ無いだろう・・」
「うん、お母ちゃんと来た・・」「何処に・・」
「アソコ、岩の向こう、泣いている・・」「ええ・・」
「そう、泣いているから逃げた」「・・」意味しんな事を四歳の子が言う。
「家は近くか・・」「近くかな、電車で来た、そうなるんか・・」
「そうなるかね」「変なの・・」笑われた。
 其れから色々と楽しい会話が始まるが・・、「なんや如何したん・・」
「おかあちゃんね、おじちゃんに叩かれたり蹴られたりしてしててね、
毎日泣く、舞は幼稚園には行けるけど、部屋では恐ろしいのよ・・」
「何と・・」「それでね、お母ちゃんが今朝早く起きて、舞を連れて電車」
「で此処か・・」「そうなる・・」子供だ正直に話をしてくれた。
 でも穏やかな話じゃない、母が岩陰で泣いていると聞くと、じっとして
居れないが、多少の中身を子供から聞き出そうと考えた。
 すると、その男は最近だと聞く、家に一緒には住んではいないと聞く。
「そっか、じゃお父ちゃんは・・」「知らん、見た事無いがね」
「そっか・・」子供から大体の様子ははかり知ることが出来た。
「お腹如何・・」「空いて居るよ、朝も食べて無いし・・」
「ようし、食べに行こうか・・」「ええ、駄目よ、お母ちゃんが・・」
「一緒なら良いだろう・・」「ええ、本当か、じゃじゃ呼んでくる」
「良いよ行くから・・」子供の手を引いて、砂浜の端に有る大きな岩が
並んでいた。
「お母ちゃん、ねねおじちゃんが・・」「ええ~・・」「今日は・・」
「あ、あ~・・、吃驚した、あんたねおじちゃんと呼ぶから驚いたがね」
「あ、其処違うおじちゃんよ・・」「だね、如何したの・・」
「舞がお腹空いていると聞かれたんだ、空いていると、じゃ食べに行こうと
誘われた・・」「ええ、あんたね、知らない人よ・・」
「仲良しに為れているもん、あのおじちゃんとは大違いよ」「舞・・」
「御免なさい・・」「良いじゃないですか、子供だしね~舞ちゃん・・」
「・・」黙って子供を引き寄せられる。
見るとまだ三十には行かない女性、子供が三歳と聞いて居るから、
おおよそ年は二十半ばを過ぎた頃かと思えた。
 良いですと何度も断られたが、澄人は子供を味方に迫り、
何とか食事だけはと許しを請うと、三人で車で栃波の繁華街にと向かう。

              つづく・・・・。



























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・15》

 いやはやとんでもない女性だった、話は真商売柄か上手い、
聞くとここ等は山賊や野武士の集りだと笑われる。
古くから、落ち武者や平家崩れの人が逃げ込んで来た地域と聞いた。
其れが今までも遺伝が残り豪快だとも聞かされる。
人口は高速道の反対側と合わせると二千五百前後、谷は至る所にあり、
正しくよく此処を選んだ事だと感心すらする。
「じゃ、此処の方々は意欲は有るんですか・・」
「有るから困る、此処は郡上、白川、果は高山と動くには良い場所に最近は
為った、それが災い今じゃ里を守る年寄りしかいなくなった」と言われた。
「其処は何処でも同じでしょう」「見た目はね、でもね内面は違うよ・・」
「如何違います・・」「自分の事しか考えん、でも中にはそうじゃ無い人も
多くなりつつある・・」「その意味は・・」
「血じゃが、血も長年経過すると他からの血が混じる、そうなると遺伝から
生まれる引き継ぐ中で血が混じり合い、今ではそうも言えない様になって
来たけど、未だ先祖からの遺伝は残されている、だから使いようでは此処は
変われるが、いかんせん、そんな事を導く人が出て来ない、其れで此処も
やがて誰も居なくなる運命、直ぐ傍に出れば食えるほどの仕事は有る、
其処が人間を柔くして行くんだぎゃ・・」「成程・・」
「だからじゃ、あんたが此処に足を踏込んだなら、利用すれば良いがね」
「ええ・・」「あのな、血気盛んな事は男だけじゃ無いがね」「ああ・・」
「そうだろう、血は男にも女にも在ろうがね、此処は他と違うのは其処と
見ている、だが其処を掘りこさないで来て居るんだ、悔しいじゃないか、
こんな地は日本では珍しいぞ、あの瀬戸内海の海賊、近江の人を押しのける
商売や、其処らの地域は少しでも残り育って来ている、じゃ此処はと言えば
情けないが未だ日の目を拝めていないだが、なな、何とかし様よ,沙保里を
使え・・」「ええ・・」
「良いね、名古屋に戻っても良いけど、此処が気に為るなら暴れて見てよ」
「貴方・・」「沙保里よ」「沙保里さん・・」
「良いね、あんた牛如何にかしようか・・」「え・・」
「私は此処らじゃ人脈があるのよ」「・・」
「だから、考え次第では力には為れるがね」
そうも言われ、二時間費やしてそんな話までしてしまう。
 (フ~・・、驚いた・・)其れだけしか言葉に為らない、色々聞かされたが、
総ては飲み込めていないけど、面白い話を聞いたのだ。
 車で、今度は当てもなく回りを廻る、高速道の反対側も走る、
言われた通り谷は至る所に存在、見た目は判らないが聞いて居る話をもとに
見ると、すたりつつある谷も見受けられるし、既に谷は見れるが、
其処に有る筈の民家は見当たらない場所も幾つか有る。
「なんと、言われる事が見える」二時間かけて回ると、お腹が空いて来る。
 午後四時、又も喫茶店に寄る。
「御免お腹が空いた・・」「あはっ、良いわカレ-なら有るけど夕ご飯前
じゃないね」「でも空いたぞ」「良いわ、少しにしなさいね」
笑いながら用意してくれる。
「結構広いねここ等・・」「え、あんた凄いじゃ、見て回ったんだぎゃ・・」
「うん、少しなでもこれって奥は如何なっているん・・」「奥、北かね・・」
「両方・・」「似たような谷があるけど、其処は目を覆うような現実」
「成程・・」「だから困っている」そう返事してカレ-を腹に詰め込む。
「あんた、待って、此れから如何するの・・」
「うん、招かれている家が在るんだ」「何処・・」「山根雅代さん・・」
「・・、あんた・・」「え・・」「凄いがね、もう見つけていたんか・・」
「ええ、そうじゃ無いが、昨夜来てな始めてだぞ」
「そう、じゃ良いぞあんた行けや、後で何とでも出来る、そう雅代さんか、
良いが其処人手も有るし、娘・・、あ~あんた~」「違う違うが・・」
「あはっ、そうかね、あんた凄いぞ、いいや凄いのは貴おばちゃんか、
遣るね、良いわソコ行け・・」「行け・・」
「ああ、良いぞアソコは、なんとそうかね、貴おばちゃん凄いが・・」
何度も頷かれた。
「じゃ、行くとアソコは肉か、ワインは電話して置くから店に寄ってね」
「え・・」「良いから、お土産考えている、良いわ後でね・・」
電話をどこかにされて、頷かれる。
 「明日は其処に居座ってて・・」「ええ・・」
「後の事は貴おばちゃんと相談する」「ええ~・・」
益々驚く澄人、だが何でか嫌な気が湧いて来なかった。
煮込まれたカレ-を頂く、「じゃ、戻る途中、中村屋よ・・」
「OK」手を振り店を出るが笑えた。
 「今日は・・」「往々、来たかね,あはっ、とらまったぎゃね、
此れ持ってけや・・」「え、もう用意できていたんね」
「ああ、アソコは魚を食べさせんと行けん、其れに料理もろくには出来ん
ほど忙しい仕事じゃが、中にレトルト類が入れて有る・・」「有難う・・」
「頑張れや・・」「ええ~・・」苦笑いして店を出た 。
 夕暮れ、未だ早いと思い、向かう道を家の前を通り越し、あの蛍の谷にと
向かう、未だうす暗く為り出した時間、車を止めて、少し考えた。
 「うん・・」何と車の窓傍に仄かに灯る物を見て起き上る。
「ええ~~~・・」既に暗くなった谷は、息を呑んだ。
何と車回りに飛び交う仄かな光の軍団、夢の中に舞い込んだように思える。
感激して車から降りずに、其の歓迎ぶりに感歎、最高に癒される瞬間だ。
小川から舞上がる蛍、本当に幻想、夢幻、絢爛、唯々魅入るだけ・・。
 どれくらいいたのか、其処を出る時は既に蛍の谷に為っている、
感激が収まらない内に其処を後にし道に出ると、目当ての家が直ぐだった。
「あ~遠藤さん、遅かったがね」「ええ・・」
「だって、電話が来てから随分と時間が・・」「ああ、ホタル観賞ですよ」
「ま~、じゃ・・」笑われ歓迎されて家に入る。
既に板間の「台には食事の用意が出来ている。
「澄人さん・・」「え、あんたは雅己ちゃんか・・」
「ハイ、よう来てくれたわ、牛臭いけど辛抱してね」そう言われる。
中村屋で別に用意してくれた、仏前に備物を持って仏間に向かう。
 「お母ちゃん・・」「うん、出来たお人じゃね・・」
親子で手を合わせ座る澄人の後姿に感激される。
 夕食は肉、当たった、でかい厚みのステ-キ、其れが飛騨牛だと聞かなく
ても分かる、本当に美味しい、肉が少し硬いが、其れが特質だと知っている、
噛んで行く内に肉味が増して来た。ワインを飲みながら三人で歓談、
此処も明るい家族、今は二人がだ、此処は四人家族、既に父親が五年前ガン
で亡くなられて居る事は聞いて居た。
 食事中で忘れていた封筒を出すと、笑われて受け取ってくれる。
何もかもが上手い、中村屋で聞いた、手が込んだ料理は出来ないと知って
たが、今夜はそんなことは無かった、余計迷惑をかけたと澄人は思う。
 話を聞くと此処では子牛を買い育てるだけと聞かされた。
「え、では親牛は・・」「お父ちゃんが死んでから居ないがね」「え・・」
「世話が大変・・」「では子牛は何処から・・」
「この奥にある家から買うんだ・・」「え、では未だ奥に有るん・・」
「うん、そこもやがてなくなるから心配しているんだが」「無くなる・・」
「ボヤカレテいるが、年もそこそこだし子供が出て戻らんと・・」
悲しそうな顔でそう言われる。
 急に白ワインの渋味が喉につっかえった。

           つづく・・・・。

















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・14》

 澄人と佳恵は午後八時半直ぐに家に戻る。「風呂入れるだぎゃ、行け」
母に言われて二人は風呂にと向かう。
(良い事じゃが、あいつら此の侭続くと良いがな・・)ワインを飲みながら、
前の田から聞こえる蛙の鳴きは、貴子を家の将来にと思いを向かせる。
 風呂から上がると、酒を飲む事に為る。
「ね、澄人さん・・、あんた此処を里と考えてくれんかね、聞くとご両親を
亡くされたと、だったら此処を・・」「お母さん・・」
「頼むけ、少しでもいいだぎゃ、考えてくれんね」「お母さん、有難う・・」
そんな会話も身に染みる、其れほど実は此処に気が置けている証拠だった。
 「ああ、まだ起きておりんさったか・・」
「ええ、ま~雅・・、ええ~雅己もかね、上がれ・・」
家に見た事は無いが、澄人は直ぐに察した。
(あの声は・・、雅・・、ああ~昨日聞いた声だぞ・・)
初めて見るが、其処は声で判断出来る、この家の貴子さんが澄人が寝ている傍
で話をされた相手、今夜は娘と来て居られる。
「雅己、久し振り・・「」「うふっ、元気そうね」「そう見える・・」
「ええ、なんか良い事有ったん・・」「いやだ、のもうワインか・・」
「どっちでもいいけど、この人・・」
「御免、家のお客様、名古屋の遠藤澄人さん、澄人さんこちらあの蛍の谷の
手前に住んでいる、雅代さんと娘の雅己ちゃん・・」
「これは、澄人です」「・・」返事をされずに頭を下げられた。
家の中は急に賑やかに為り出す。親と親、娘と娘、割り込めない程賑やか、
仕方が無いから縁側に出て夜風に浸る。
 居間から漏れ聞こえる話は、なんとステレオタイプ、親たちは少し低い声、
娘は甲高い声,だが中身は理解出来ないが、何度も親がこっちを見られるから
其処は気に為る。
「あんた・・、一度、雅の家ににも行ってくれんね」「え・・」
「あのな、雅の家は七頭の牛がいる、少し臭いぞ」
「少しじゃ無いけえね、相当臭いから、困っている」
娘がそう応えるが、家に行けと言われて驚いた。
返事はしない代わり笑う澄人、牛と聞いてはいるが、元来牛など育てている
場所など知らない身、興味は有るが興味程度、縁側で座り動かなかった。
 「そうかい、じゃ行けるな・・」「良いの・・」
「ああ、あいつも此処だけじゃ暇じゃ、良いぞ行かせるが・・、一万五千円
入るぞ、肉有るか・・」「冷凍庫に為ら有る」
「じゃじゃ其れ食べさせてやれや・・」そんな会話を聞いた。
 二時間後、酔われた姿で帰られる、無論此処には歩いて来たと、
酒を飲むからだと大笑いされた。
三日月のうす暗い夜道を親子は帰られる。
「あんた、良いぞアソコは何か問題がありそうだけど、其れでも行け・・」
「ええ・・」「あのな、あいつら親子は頑張り、今じゃ七頭だがな、其れは
まだ余力がある」「え、意味が・・」
「ここ等は何も無い、あいつの家は牛を育てて売る,だが余り儲からない、
高々七頭じゃ知れているしな、二年間も育てるんだぞ、考えれば判る事、
一年で三頭半分だけだがね」「そうなるんか・・」
「ああ、計算すればそうなる、だがな余力は有るよ」「余力か・・」
「アソコは子供がもう二人いる、男の子は一番下だが、白川で働いているし、
中の娘は高山だ、そいつらを戻せばアソコは働く力が加わる」「・・」
「そんでな、あいつを呼んでいたんだ、あんたは寝ていたけどな・・」
「え、ええ~じゃじゃ・・」「ほう、勘が鋭いぞ、そう写メ・・」
「うぎゃ~、何々・・」大げさに驚くから娘が吃驚する。
「アソコを倒せや、そうすると、ここ等も様変わりできる」「何で・・」
「牛じゃ、広げるには其処しか無いぞここ等は・・」「なんと・・」
「其処を広げればなんぼでも考えが生まれるがね」「牛の事は判らんし」
「だから二日くらい行け、あんたの目で見てからに為ろうがね・・」
「貴子さん・・」「なんの、来てと言われている、行けば良いだけだぎゃ、
見て梃子に合わないなら其れで良いじゃないかね」「貴子さん・・」
「あいつらは相当悩んで、このままじゃ駄目は理解してる、このままだと谷
を出る」「え・・」「そうなろうが、今迄似たような家を数多く見て来た、
子供の頃からな、嘆き悲しみ果ては此処を出てしまう、総てがそうじゃ無い
けどな、大方そんな事になって出てしまうんだ」そう言われ嘆かれた。
「お母さん、其処ね二年前から雅己から聞いて居る」「だろう・・」
「でも色々と考えてはいるのよ、ブランドが欲しいと・・」
「ブランドですか、何・・」澄人は娘の話を聞き返す。
「此処は飛騨牛でしょう」「あ、そうだ、此処もかね・・」
「周りはそうなる、でも其処には飛騨牛の認められた種が必要・・」
「種・・」「そう男の牛でも飛騨の血が入る事・・」
「なんと、そうかそうだよな、成程、でも種付けできるだろう」
「出来るけど金が・・」「え、あそうか値打ちか普通とどう違う・・」
「聞いた話だけど、二倍値段が違う」「何と幾ら・・」
「五万から六万・・」「え、其れで育てて売るんだろう」
「そうなる二年間・・」「でそこでは幾らくらいするん・・」
「ふつうなら六十万前後、ブランドでよでも良い牛なら八十はする・・」
「馬鹿言え、良い牛なら百万は超える」「ええ・・」
「だからじゃ、種付けで其処から売るまでの値段が決まるって事」
「なんと、じゃその雄の種・・」「そうなるがね」「・・」
考えさせられる、今迄牛など同じだと思っていたが、松坂牛を考えれば
理解出来る,血統なのだ。
「なんと、じゃ飛騨牛でもランクが有るんだ」
「大有りだぎゃ、だから高値でもブランド牛の種・・」
「あはっ、羨ましいが」「え~あんた~・・」そこで親子が大笑いする。
 そんな話をしながら、ワインを飲むが、何か味が変わる、
其処には今の話を聞いた後、色々と在るんだと知らされた。
 翌日、澄人は昼前に車で家を出る、「あら~、見た事ある顔だぎゃね」
「そうありますね、コ-ヒ-」何とあのインタ-傍の喫茶店に来ていた。
「あんた、寝心地良いんかね」「え・・」
「うふっ、だってすっきりした顔つきだぎゃ、何処に泊まっているん・・」
「内緒じゃ・・」「あはっ、そう返すかね」「当てようか・・」
「要らんが、怖いぞ・・」「うふっ、もうここ等じゃ噂じゃがね」
「え、嘘・・」「あんたね、幾ら田舎でも其処は窓位閉めて置かんと・・」
「えっ・・」「矢野貴子、及び佳恵・・」「・・」唖然として顔を見詰める。
コーヒ-を持つ手が震える。
「脅かすのは其処までよ、中村屋は気を付けんさいや・・」「ああ~・・」
「そう、私の本家じゃがね、だから聞いただけ、外には漏れていないよ」
「では口留め料幾ら・・」「笑えるがね、じゃその口に当ててくれるかね」
「当てる・・」「そうやが口を男の物で塞げばいい事・・」
「うひゃ~・・、笑えるが・・」大笑いする。
 「ねね、あんた名古屋からだろう・・」「うん・・」
「じゃ、此処に来たんは何でなんね」「え、其処は・・」
「あのね、私を味方にする方が良いぞ、私は気に為る方に傾くよ」「え・・」
「だから、何で此処に来たかと聞いて居るだがね」
「其処は言えません・・」「そうか、あんたは口が堅そうじゃね」「え・・」
「其れで良いが、良いぞ良い男じゃないか、あんたね、私は、中村沙代里、
三十三才、同級生には、矢野悦子・・」「・・、え、え、えええ~~~~」
「当たりかね、当りの筈じゃが、今朝電話したがね」「ええ、何処に・・」
「名古屋じゃが、悦子別名、真奈美じゃがね、同級生で仲良しじゃ・・」
「ああ、なんと、そうでしたか、驚いたが~」
胸を撫で下ろす姿が良いのか大笑いされる。
 話を聞くと、中村屋は叔母だと知る、其れで聞いてワインと絡み、
名古屋から来た男を合わせ、悦子に電話したと聞かされた。
其れもあの夜の泣き叫びは本当に聞こえたと言われる。
頭を掻きながら狭い田舎だとつくづく思い知らされた。
「良いのよ、こんな田舎は何も起こらないし出来ない、でもあんたはよそ者、
其れで良いじゃないね」「・・」
「ねね、此れからはもう遠慮は無いけいね、佳恵も妹みたいなんよ良い子よ、
でもね、聞いたら腰抜かした、今夜あたり家に向かおうと考えていたんだ」
「えっ・・」「あんたは化物だと、だから此処に向かわせたと悦子が・・」
「・・」「ねね、此れから沙代里を味方にせんだぎゃ、力に為れるぞ」
「・・」未だ驚きから解放されて居ないまま、澄人は相手を見ていた。
 「頼まれてもいる、今後の事もだが・・」「えっ・・」
「聞いた、ええ事したがね、悦子が困って居る事解決してくれたと聞いた」
「・・」そこまで知られていたのだ。
 真、蛇に睨まれている蛙同然の澄人の姿だった。

           つづく・・・・。













望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・13》

 煙草を買うと言って家を出る。
インタ-傍の唯一の信金ATMで五千円札十枚と、
後は一万円札を三度繰り返し出して車に乗り込む。
コンビニは無い、雑貨屋でタバコとお菓子と酒を買うと、店の主が不思議
そうに澄人を見られる。
「何か・・」「え、ああ、済みません、あんた見かけんが・・」
「そうなりますね、お客として訪れているんです」「え、そうか、何処ね」
「ええ・・」「何ね、沢山買ってくれるから、相手は女性じゃね」
「ええ~・・」「だって、あんた酒はワインとビ‐ル、ここ等じゃワイン
なんか買う人は一人だけだぎゃ・・」「・・」
「うふっ、矢張ね、じゃあそこの佳恵かね」「・・」
「良い子だぎゃ、ここ等で燻る子じゃない、勿体無いとみんなが言いよる」
「・・」「そうか、じゃあんた金有るなら、此れ持って行け」「え・・」
手渡さたのは、ロ-ル巻の卵が加わる名前は知らないけど見た事が有る。
「これな、佳恵が大好きなんだぎゃ、此れで落とせや」「ええ~・・」
「安くつくぞ・・」「おばさん・・」
「うふっ、其れとな、母親はワインだけどな、宛は此れに限るぞ・・」
出されたものはチ-ズを包んだ長方形のビスケットだろうか袋を三つ
篭に入れる。
「有難う、他に何か有りますか・・」
「だな、果物はバナナしか買わんが、メロンをいつも見ているが・・」
「其れも買うか・・」「はい・・」
本当に商売上手、苦笑いしながら篭が満載に為る。
「良いぞ、そんでな、あいつは頭が切れるから、娘を何とか外で倒せや」
「ええ~・・」「それは言える、娘は最高な子だぎゃ、ここ等で色んな子
が挑んでいたがのう、皆敵わずに負けたが、アンタ返り討ちにしてみたら」
「負けますよおばさんには・・」大笑いして見送られた。
(何とも言えない、アッケラカントした地域だな・・)
 戻ると、庭で待つ女性・・、「え~仕事は・・」「早く終えたの・・」
何と佳恵さんが待たれていた。
「お母さんは・・」「あら、すれ違いなの・・」「え・・」
「買物に出たがね」「・・」すれ違わないと思うけど行かれたんだと知る。
 「なあに~、何で沢山・・、ええ~嘘でしょう・・」
「あはっ、バレたか・・」「え・・、じゃこれは中村屋かね」
「そうなるな、だって店は其処しか無いぞ・・」
「呆れた、え~メロン・・、もうおばちゃん押付けたな・・」「判るか」
「ここ等は皆見通しが良いからこれだから困るのよ」
そう言われながら苦笑いされる。
 「なあ~、夕方には出掛けるよ」「え・・」「だって蛍・・」
「あ、そうか、じゃ時間を見計らい出掛けようね」「期待しているんだ」
縁側から台所に向かい大きな声で言う。
ここ等は田舎でも家はまばら、其れだから声も出せるし、
夜の行為の中での泣き叫びもそう遠くにまでは届かないと思えた。 
 暫くすると、貴子さんが大笑いして戻られる。
其処から娘を捕まえてお腹を抱えて笑われ、話はあの雑貨屋、家の物は何も
買わずに手ぶらで戻れたと