熟喜小説≪ 開かずの小箱-5 ≫

 「如何だ、女の体・・」「初めてで、徳田さんみたいには出来ませんでした」
「良いんだ、あれで相当だよ。でもな溺れるな、女の肉体は狂わす。
其れで何人も沈んで行く、俺も沈んだ事が在る。でも這い上がり此処まで
来たが、君は其れを肝に銘じて生きるんだぞ・・」「はい・・、必ず・・」
「そうか、では存分に味わいなさい」「徳田さんは凄い人ですね・・」
「何・・、此れも女に教わった。全てな・・、女性は凄いぞ、頭とアソコの穴で
物事を判断する。男は単純、自分の欲望に負ける・・」「・・・」
「だが、其れを反対に利用も出来る。其れは男として如何が、其れも人生。
どうしてもなら其の化け物を使え。此れから先どんな道を歩むか知らないが、
困った時は其れを使い生きろ・・」「・・・」
「判らないかもしれないが、君は大変な武器を持っている。上手く使え・・」
酒を飲みながら言われる。
 「私達も喉が・・」「往々・・、のもう・・」
其処に二人の女性が来られ、楓さんは足元がふら付いて苦笑いしながら
洋介の横に座られる。
「楓らしくなかったな・・、様は無いぞ・・」
「だって・・、貴方の姿を見せられ、其の後がこの子よ、とんでもない世界に
放り込まれたわ・・」「そうか、凄かったな・・」
「凄い・・、そんな半端な言葉では無い」「女では無いから判らんが、凄いか」
「壮絶極まりないわ・・、アノでかい棒が・・、アア~思うと・・、いやだ~・・」
其処で洋介を除く三人は笑われた。
「でも此れから此の侭では拙いだろ・・」
「そうなの・・、店が・・、気が其方に向かなくては・・、でも・・」「何・・」
「この子、逃がしたくないし・・」
「アハッ、付き合えば良いだろう・・。仕事に影響無い位で・・」
「其処よ、女は悲しいわね・・」「君らしくないぞ・・」
「ええ~・・、其れは・・、でも割り切る」
「当たり前だ。水商売で居来る女はそうでなくては・・」
「そうよね・・。私翻弄されている。其れは其れね・・」
「そうだぞ、君は新しい店のママ,其処だけは間違えるな・・」
そんな話しをされている。
「俺も、こんな男とは知らず、遊びの道具を連れて来たなと思っていた」
「私も最初はそうよ・・。こんな若い男など会えないから・・」
「そうだな、店には爺ばかりか・・」「・・・」笑いながら言われる。
 洋介は未だ棒がイキリ立ち、股座を押さえている。
果てていないからアノ素晴らしい穴に入りたいと今でも息づいている。
生温かい穴、柔らかく包んでくれる穴、ゾリゾリ感触が今でも在る。
皆の会話も上の空、洋介は楓さんの体を思い出すと一層棒が聳え痛い。
浴衣に包まれた体、先ほど抱いている体、思えば若い身で今にも
振るい付きたくなる素晴らしい肉体が横に居る。
洋介の心は千路に乱れ、早くアノ穴に、そんな思いが頭を占領していた。
だが大人の他の人達は・・、洋介のそんな思いなど判らないとでも
言いたそうに他の話しをされている。
飢えて居ない人、其れが洋介とは違う、姿には今までそんな修羅場に
居たとは思えない冷静さが在る。
(大人なんだな・・、其れに俺は・・)
未だに其の世界から出ていない洋介、一人取り残されていた。
 「洋介、仕事は・・」「はい、何とか・・仕様と・・」
「如何だ、俺の知り合いの設計事務所を手伝わんか、やがて思う仕事が
見つかるまで・・」「はい・・、其れは在り難いですが・・、良いんですか・・」
「良いよ、小さな事務所でな・・、でも仕事は有り余る、凄腕の奴だ」
「では、紹介を・・」「良いよ、戻ったら聞いてみる」そう言われた。
洋介も其れには在り難い、今まで悩んでいたが、設計なら自信が在る、
徳田さんの話に乗ろうと考えていた。
 暫くして洋介と楓さんは自分の部屋に戻る。
話しが進まず、お互いが何か意識している。
「寝ようか・・」「はい・・」寝室はツインベット、別々に入る・・。
だが洋介は寝付かれない、アノ棒が未だギンギンに息づいている。
しかし、楓さんは動かれない、今呼ばれるかと待っているが・・、
其れは虚しい思いだった。
味わい足りない思いが洋介を襲う、けれど肝心な相手が・・、
悶々としてベットに横に成っていた。
遂に朝までお呼びが無い、洋介は眠い目で起きた。
 こうして夢の様な旅行は終わる、呆気無く終わった。
女性が理解出来ない、あの様に善がり挙げた楓さん、その後も連絡は無い。
 十一月、十二月と洋介は相変わらず大学に行ったり、
アルバイトの日々を過している。
あの時は何・・、本当に遊びなのか・・。
未だ純真な洋介には事の理解が出来ていない・・。
来ない連絡を毎日待つ日が重なっていた。
仕事は紹介された大江建築事務所に決まっている、
中区の丸の内二丁目のビルに在る。
繊細な人で、あの徳田さんとは大違い、大江幸則さんはまじめな人だった。
 年末岐阜に戻り、正月を里で過す。
其処は懐かしい所、今でも子供の時遊んだ景色は其の侭残っている。
そんな中で正月を迎えたのだ・・。
正月二日、同窓会が在り、洋介も顔を出す。其処に既に結婚した人も居た。
懐かしい面々の顔、中でも初恋の人は、今年結婚されると聞いて、
洋介は複雑な気持ちで居た。
「洋介、お前仕事決まったか・・」小笠原が聞いた。
「うん、何とかな・・、お前は此処か・・」
「そうだ、逃げられないよ。嫁さんも来ないわ・・」
高校を出て其の侭農業を継いだ小笠原、皆の道も其々違う道を歩んでいる。
 「洋ちゃん、久し振り・・」「え・え・君は・・、さっきから誰だと・・」
「ま~・・、ご挨拶ね。郁子よ」「ええ~、あの郁ちゃん・・か。判らんかった」
それほど様変わりしている姿、顔も綺麗に成って、着る物が派手で
一際浮いていた。
「何処に居るんだ・・」「見たら判るでしょう・・、水商売・・」
「ええ~・・、何処の・・」「名古屋よ、錦・・」
「げ~・・、本当かよ。綺麗に成った筈だ・・、判らんかった・・」「有難う・・」
酒を注ぎながら言う。
「クラブか・・」「そう、やっと入れた。表舞台よ」「そうか、良かったな・・」
「其れが年末開店した店、大繁盛よ、忙しくて大変・・」「そうか・・」
「其れに私・・、今ではお抱え・・」「お抱え・・、何・・」「愛人よ、驚いた・・」
「驚くよ、良いのか其れで・・」「今はね、お金も欲しいから・・」
「そうか・・」時代に沿った女に成り切り、はちきれる体が今を予想していた。
するとあの楓さんが蘇る、あの時以来会っていない、いや会って貰えない。
徳田さんには一度会食をしているが、其の時も楓さんの話は聞けなかった。
嫌われたのかと諦めていた・・。
 「ね~・・、うちのママ最高に綺麗よ。女の私でも憧れる人よ」
「そう・・、そんなに綺麗なんだ」「そう、顔も心も・・最高。私惚れているの・・」
「そう・・」「でもね、一つ嫌な事が・・」「何・・」「宛がわれるの・・」
「何を・・」「お客さんとのお付き合い・・」「仕方が無いだろう・・其れ・・」
「ウウン、そうだけど、違うの・・」「何が・・」「寝るのよ・・」「ええ~寝る・・」
「そう・・、お金が入る寝方・・」「・・・」「其れも五十万もよ」「ええ~・・・」
洋介は金額に驚いた、金が舞う世界とは聞いているが・・、五十万とは・・。
「未だ百万やダイヤも在るわ,私は精々五十万クラス・・」
「げ~・・、本当か・・」
「年寄りに抱かれるのよ、嫌だけどお金ね。貯めて貯めて・・行くわ・・」
「そうか、大変だな・・」そんな会話をしていた。
 夕方散会して友達と小笠原の家で二次会をする。
「おい、郁子、美人に成っていたな・・」小笠原が言う。
「お前、惚れていたんだろう・・」野田が囃す。
「あの時とは雲泥の差、今は高値だな・・」
「そうよ、金を積まないと無理、お前は精々土を積む程度・・」
「アハッ,いえてる・・」其処で大笑いする。
「マァマ~、賑やかね・・」其処に小笠原のお姉さんが酒を持って入られる。
四歳上で、小さい時からお姉ちゃんと言いながら相手をしてくれていた人。
今では名古屋に嫁がれ綺麗な奥さんに変わられている。
「洋ちゃん名古屋ね。仕事は・・」「設計事務所です・・」
「良いわね、今は花形ね。北区に居るから遊びに来て・・」
「北区の何処ですか・・」「清水町・・」「ええ~僕と同じだ・・」
「あんた何処・・」「二丁目・・」「ま~隣ね・・。市営住宅在るでしょう」
「はい・・」「其処の五号棟よ」「げ~マジ・・」「そう、七階の三号室」
「そうでしたか、こいつ言わないから・・、近くですね・・」
「あんたは二丁目の何処・・」「ボロアパ-ト、公園近くの・・」
「そう・・、何階・・」「二階の奥と言っても四個しかないから・・」
「そう・・」そんな会話をしていた。
見てくれは楓さんには及ばないが、何かしっとりした趣が出て、
奥さんらしい人に成られていた。
夜中まで騒いで家に戻るが何か侘しい気持ちに襲われていた。
昭和六十四年が来ていた。

               つづく・・・・。






















































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