喜淫小説101弾≪ 弧獣一路・・21 ≫

 大阪に戻った翔馬は今までとは雲泥の差、とことんアフタ-での
女性との付き合いを派手にする。
由美子も呆れる程、其れでも由美子は頑なに翔馬を陰で支える。
加奈子に子供が出来た事も加味して、今じゃ由美子は翔馬の
マネ-ジャ如きの姿だった。
美代も何とオクラばせながら、加奈子から告白された後、
美代も自分から望んで身籠っているのだ。
二人して、会うたびに互いのお腹を擦りながら、半年遅れの腹違い
の兄弟だと笑う。
婆様も其処は初めから知っているから動じない由美子に翔馬を
任せると、今度は生まれて来る子にと心を移す。
翔馬はと言うと大学は単位のみを取ろうと決める、
友人の美奈ちゃんだけは知らせていたのだ、
無論アルバイトの中身は知らない。
 こうして孤軍奮闘を重ね、大学も晴れて終えるといっそう北新地
での翔馬の動きは派手、既に仲間からも数人がそれを知り翔馬に
近づいて来た。
その仲間にもそこそこに宛がい、其の後で尻拭いをすると女性に
告げると、相手は喜んで承諾される。
此れは余禄が翔馬に来る、担当のお客様を翔馬に進んで宛がう
様になり、店そのものが翔馬を中心で動いて行く。
強かさを身に付けた田舎者の少年が、今では二十四歳に為ろうと
していたのだ。
「ふ~六年か・・、自分でも驚くな・・」
一戦交えた後朝靄が篭る街並みをを車で走りながら感慨無量、
あの大学のキャンパスで在った井上先輩の御陰と思えるが、
反面こんな道に入り込んだ少しの恨みも有るのは事実、
だが一旦入り込んでからは翔馬の思いがその道を進ませる、
桜井の由美子さんや加奈子さん、婆様は無論の事美代さんまでが
承知されている。
中でも加奈子さんの義母の由美子さんは今じゃマネ-ジャまがい
の事を承知され進んでされる。
人に言えない道だが、遂にもうそろそろと決めた年になってしまう。
此れからの道に計画は無いが、今一度自分を振り返りたいと
願ってはいた。
「婆様・・」「何じゃね・・」桜井の家で我が子が可愛い顔を
して寝ている傍で加奈子が添い寝する中、翔馬は傍の婆様に
話しかける。
「何とじゃお前・・、そうかそうじゃね、一度休憩かね」
「ううん、そうじゃないいんや、ここ等で方向転換・・」
「如何転換する」「今まで貰った金を如何使おうかと悩んでいる」
「ええ~お前、其処は未だ貯めれば良いじゃろうね」
「婆様、欲はソコソコに、今度は世の中の道を歩んでみたいやんか」
「あはっ、今更かね、戻れんだろう」「それを隠して戻る」
「え、なんとじゃお前・・」「都会の女性は卒業する、いいや今まで
の相手の方は受けたいと願えれば田舎から出て来る」
「ま~じゃ里かね」「うん、子供の最初は自然の中でとは思うけど
加奈子さんが如何いんさるか・・」「そりゃ~喜ぶぞ、美代もかね」
「相手次第ですが・・」「負けるわ、お前にはじゃ婆も行くぞ」
「うげ~此処は・・」「もう由美子一人で大丈夫、あいつも今じゃ
家の為に奮闘してくれるしな、願う事は何も無い」「じゃ・・」
「ああ~任せても大丈夫じゃが、一つ問題が在る」「何か・・」
「でかい注射が要る」「・・、あはっ、其処は考えています」
「うほう~じゃじゃ田舎良いぞ何時でも・・」
「少し時間が、田舎の家改造しないと・・」
「任せるぞ、じゃ半年交代で如何じゃね」
「良いですね、加奈子さんに聞いてみます」
「・・、あほじゃね、大きな声で内緒もないやんか」
婆様と加奈子さんが大笑いされるから娘が起きて泣いた。
 翔馬が抱きかかえて廊下を歩くと泣き止む、其れを微笑んで
見詰める加奈子、もう一人産もうかと考えているのだった。
 年が明ける、平成十九年五月、漸く三か月かかり相手する
女性と抱き合う中で色々な話をして来た。
相手する女性総てがいやいやながら承諾される、中には会いたい
と出掛けるとまで言われる始末、ふた月に一度大阪に出る事を
約束させられるが、其処も想定内、何とか付き合いが途絶える事
はなさそうだし、店は一番困られるが、其処は今までの翔馬の
働きで承諾するしかなかったのだ。
 田舎から出て六年余り、遂に又廃れた谷度に戻る事を決める。
 母が亡くなってから一年と九ヶ月、漸く落ち着いた里の景色を
見る事が出来た。
 「何考えている・・」「妙子さん・・」
「うふっ、もう叔母とは言わんのう、名前が良いぞ新鮮じゃがね」
笑われる。
「此処に腰降ろすわ、都会じゃ歯が立たんけ~」
「お前でもそうなるのかね、怖いな」
「うん、弁えた、自分ではそうのし上がれんけ~田舎で住もうと、
でも最初に妙子さんにだけは事実を言う」「何・・」
そこから自分を育ててくれた叔母に大阪での事を包み隠さずに話を
するが、途中で何度も驚かれ話が止められる中で、
ついに最後まで離すことが出来た。
 「・・、なんとなんとじゃじゃ、お前アソコが・・、あはっじゃ
上手く行ったじゃないかね、そうかそうかでかしたぞ、そんで相手が
喜んでくれたなら良いじゃないか、そうか遣っ付けんさったんか」
今度は大笑いされる。
 「此処でも妙子さん以外に・・」「先までいんさんなや、聞いている
喜んでいるんだ」「え・・、じゃ・・」
「あ~、姉さんが亡くなった後聞いた、わしが育てた事もいんさった
がね、今後もわしに従いたいとねごうて来たと・・」
「そんで如何返事したん」「いい事じゃ、あいつは戻れんかもしれんが
戻ると飛びついてやれと言ったがね、泣いたぞあいつ嬉しいと」
「・・、・・」「そうか、じゃ、此処で何したい、普通じゃ遣れん
じゃろうがね」「其処だけどおいおいと話をするけど良いか・・」
「是非とも聞きたいが、何でもしちゃる、お前の為なら何でも御座れ
じゃ、もう悪い事してもや泣く相手は上に行かれたし、今度は妙子
が親代わりじゃね」本当に凄い女性、翔馬が思うこと総てを先読み
されているのだ。
「そんでな、大阪でも婆様が居りんさる」
「ああ、奈良か・・、其処の話もう一度詳しくな、酒でも飲んで
聞くけ~待ちんさいや・・」部屋を出られた。
 その夜は遅くまで二人でビ‐ルを飲みながら話は途絶えない、
六年余りの時間は言い尽くせない、でも肝心な部分は理解
してくれる。
 「そうか、お前は人に恵まれているぞ」「僕もそう思う」
「じゃ、その人たちの行く末も心がけんとな」「そう思っている」
本当に一夜で妙子は翔馬が歩んできた道が理解出来た。

              つづく・・・・。























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