喜淫小説101弾≪ 弧獣一路・・23 ≫

 祥子ちゃんは幼い時から可愛い子で田舎では際立っていた。
母も綺麗な美人で有名だし、翔馬と祥子は六歳も離れていたが、
此処を出る頃は中学生、其れでも知っているほど可愛い顔をしてた。
美咲の話を聞きながら母親と共に酒を飲んでいる。
 「ええ~じゃ広島でスカウトされたんか、スゲ~・・」
「それがね、今はそうじゃないけ~」「何で・・」
「其処に騙されんさった」「あ・じゃ・・」
「そうなるけ~、金をむしり取られんさった」「それで・・」
「睦子さんは広島で働いて居りんさって、なけなしの金なぞ直ぐに
底をつくがね」「だな・・」「そんで借金を重ね」「カ-ドか・・」
「其処も僅か・・」「え、では・・」「そう此処の土地など担保じゃ
知れているけ」「だな・・」「そんで町金・・」
「く~良くある話じゃないか・・、省吾さんは・・」
「逃げんさったが・・」「あ・・」
「そう、今じゃにっちもさっちもいかんそうよ」「なんと・・」
思えば憧れの家族、母と言えどもまだ若い筈、何処にでもある話
だが、こんな田舎じゃ珍しい、其れほど際立つ親子なのだ。
 此処でも色々とあるなと翔馬は思うが、祥子ちゃんはいざ知らず
母親はハッキリと覚えている。
この谷とは少し離れているが、今じゃ同じ町に為っていた。
合併を何度も繰り返し馬鹿広い街だが、元は数多くの村が寄合を
重ね人口減少の所為でこんな形にはなっている。
 「そんでどうなっている」「戻りんさってもどうにもならんけ~、
親戚も最初は集り応援して居りんさったが、今じゃ誰も寄り付かん」
「そうなるわな、で親子は・・」「やがて逃げ出すだろうと・・」
「そうなるのか・・」翔馬は考えさせられる。
こんな話は何処にでもある、しかも美しい姿なら何おかいわん、
思いを募らせそんな世界に向かうのも仕方がない事、上手く行けば
今では祥子はアイドル、そんな思いをしながら聞いていた。
 「借金は幾らくらい・・」「判らんけど知れていると思うよ」
「どれくらいかな・・」「五百万はいかんと聞いたけど」
「え、佐代子さん・・」「あの母親は私の後輩、と言っても年が
離れているけどね、仲良しだった」「そう、随分と離れているけど」
「うふっ、省吾さんは謂れが有るしね」「ああ~・・」
「想像に任せるけど聞いている」薄笑いを浮かべる佐代子。
「どうなるんか・・」「どうにもならん、何れ逃げるしかないと
聞いているが・・」母もそういった。
「妙子さんがようしっとりんさる」「何で・・」「だって親戚じゃろうが」
「・・、ああ~そう言えばおじさんが・・」「だろう」
そんな話をしながらも佐代子の胸は開け出て、美咲が嫌な顔を
する中翔馬に抱き付いている。
「お母ちゃん・・」「みんさんなや嫌なら、わしはもう壊れている」
「呆れる・・」そういいながら台所に向かう美咲、その後またも
母のいがり泣きを聞かされる美咲は、部屋にこもってしまう。
夜中に家に戻る、其処でも田舎でも色々とあるんだとつくずく
知らされていた。
 「おはよう、今日は世話できんぞ」「え・・」
「あのな親戚のごたごたじゃ」「・・、睦子さんか・・」
「え~何で知っとりんさる」「夕べ聞いたが・・」
「そうなんじゃ、遣れんが逃げるかと思うけど、親戚じゃろうが
聞かんと行けんしのう後の事も有る」「そうか行けば・・」
「お前・・」「なあに・・」「摘まむか・・」「・・、・・」
「良い女じゃぞ・・」「若いしな・・」「あはっ、そうなるのう、
娘も良いが母親が今は最高な肉じゃがね」「・・、・・」
「お前も悪じゃのう」「何とか話が付くんか・・」
「無理じゃろう親戚も腫れものを触る状態じゃけ~」
「そうなるわな・・」「じゃ行くけ~」妙子さんは重い腰を上げて
家を出られる。
代わりに大工さんが三人来られ、翔馬の指図で仕事を始められる。
台所や、トイレ風呂場と大きな音を立てながら工事が始まる。
五月のさわやかな風が頬を撫でる中、色々と考えさせられた。
昼過ぎに電話が来た、妙子さんから今すぐに来てとだけ聞く。
 車で出かけると向かう先は無論妙子さんが居る睦子さんの
家だった。
 「今日は・・」「あら~大人になりんさって」「ご存知ですか・・」
「ええ~妙子さんから聞いているし、立派よ」
本当に変わられていない、いいや前よりなんか綺麗になられている。
「座りんさいや・・」縁側から部屋に入る。
 「実はのう・・」多恵子さんが苦しそうな顔で話し始められた。
「そうなるんか,でも何とかならんの・・」「其処じゃが無理といんさる」
「だって金は働いて返す方が良いじゃない」「疲れたといんさる」
「そうだけど、一遍に返されんがそこそこ少しずつでいいやんか」
「先方がね、無理と・・」「何で・・」「早く返せと煩いがね」
「それは相手がそう言うだけ、少しでも返済すれば、法的には如何
にでもなるが」「働くにも、此処じゃ無理」
「じゃ広島、其処が嫌なら大阪でも良いじゃろうが」
「そうだけど、睦子・・」「疲れたが、娘も如何でも良いと言うし」
「そうじゃろうな、可愛そうに・・」
多恵子さんも如何する事も出来ない状態みたいだった。
「返そうよ、少しずつ、時間を稼いで此れからの事を考えると良いが」
「お前・・」「そうした方がええ、わしも妙子さんに頼まれるなら協力
するが・・」「お前、本気か・・」
「話を詳しく聞かせてくれんね、借金もじゃ」
其処から相手は妙子さん相手に話をされ出す、横で翔馬が聞く。
 「ええ~では利子の代わりに身体か、其れほんまか」
「ええ、恥ずかしいけど・・」「何でそうなるん」
「其処は最初から体が目当てだと聞いているけ」「なんと・・」
其処で翔馬が間を開ける。
く 「では他わ・・」「僅かです、でも合わせると・・」
「そうかでも何とかせんと拙いじゃろう」「最初の町金からの紹介」
「え・・、では其処でもか・・」「もう嫌になる、どいつもこいつも」
「そうか、あはっ此れは面白いぞ」「え~翔馬笑い事じゃないがね」
「其処じゃが、笑いごとで済ませるようにすれば良いじゃないか」
「如何するん・・」「聞くけど嫌な事も話してくれんさいや」
「ハイ・・」「じゃじゃ、其の会う時の連絡は如何していたん」
「メ-ル」「それ残っているか・・」「え、消していないけど」
「見せてくれんさい」「ええ~・・」
「だから大事な事じゃ、見んと考えが固まらんが」「でも・・」
「此れ見せろ」「おばちゃん・・」いやいやながら携帯を渡される。
 暫くそのメ-ルを見た翔馬は頷いていた。
「如何ね・・」「これは使えるぞ、でもなんとおおいが何人有るん」
「四人・・」「く~遣り居るわい」「翔馬・・」
「済みません、妙子さん、何とかする」「え・・、お前・・」
「弁護士じゃないが、僕も大学では経済を専攻していた、民法も
少しは判る、使えるぞ」「お前・・」「本当ですか・・」
「ご丁寧にあんたとの抱合いの写真が送られ脅されて来ているが」
「もう恥ずかしいが」「其処も使う、此れは何とかなりそうじゃが」
「翔馬危険じゃない」「危険でもこれは許さん、僕も色々と悪い事
しているが、此処までは・・」「翔馬さん・・」
「任せてくれんさいや」そう言い切る。
 その場で翔馬は大阪に電話していた。
相手は長年体を合わせている女性、その方の兄が弁護士をされて
いるのを知っているからだ。
「 「では何か在ればお願いしますね」長い電話だが、最後にそう
言って電話を切った。
 その後返済の跡と契約書を見せてもらう。
「では何とかする、でもね此れで総て返せなくてもいいとは思えない、
其処は任せてくれますか」「是非なんでも従います」
「また、其処が一番いけない事ですよ」「済みません」
「妙子さん、一度広島に出ます」「そうか危ない事はいけんけ~」
「何とかしたいし、綺麗な女性が困るのを見て居れん」
「こいつめ・・」笑われた。
 大阪で働いている間、翔馬は色々な事を聞いて来ている、
店でも借金を重ね遊ばれる女性もいるには居た、だからそんな話を
参考に翔馬は出来ると確信する、裏道は為れている身、こんな事は
初めてだが、同じ部類と決め込んだ。
 二日後、翔馬は広島に出る、最初に電気屋に向かい必要な器具を
買い求め、スッキリした空の下で目指す事務所に向かう。

                つづく・・・・。





 




















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