異淫小説102弾《獣を潜ませ生きる・・29》

 (((uдu*)ゥンゥン・・、翔太は気が付いた。
既に太陽は真上みたい、幾ら晩秋でも車内が熱く感じたのか目が覚める。
 此処に到着して時計を見ると六時間は寝ている勘定に為る。
「うん・・」寝ボケ眼でドアのガラスに張り紙を見た。
【お疲れの様ですので起こせない、起きられたら宿に来てくださいね、里美】
メモを見た、(うふっ、気を効かせてくれたんだ・・)
外に出て背伸びする、秋晴れの様子、本当に熟睡できたか定かでは無いが、
体は頗る調子は良さそうだった。
 「今日は・・」「は~い」あの心地良い返事が戻る。
「御免なさいね、起こそうかと思ったけど爆睡状態・・」
「あはっ。まさにそうでした、お風呂頂けませんか」「え、どうぞお食事は」
「其の後頂けますか」「お客様ですよね」
「いいえ、一月の居候、其処はお客扱いは無用です」「え、意味が」
「此処に逗留したい、一日二万円で一月分先払いします。しょっちゅう
出かけますが其れも混みでお願いします」「ええ、では滞在を」
「是非そう決めて来ましたし、周りを見てみたいし、先の相談も受ける」
「え、貴方様」「其処はおいおいとお願いできますか」「でも閉めようと」
「其れまででも良いです、食事は普通で同じ食事をお願いできますよね」
「貴方・・」「是非、そう決めて面倒でしょうがお願いします」
「まず、我儘、コ-ヒ-が飲みたいですが、お風呂を先に頂いた後お願い
できますか」「それは、でも」「上がりますね、お風呂は何処」
「露天風呂は其処から出られるけど、大風呂は階段を下ると突き当たりです」
「判りましたでは・・」大風呂を最初にと向かう。
 「上がれたぞ、此れからは成り行きでと・・」
大風呂に貸し切りで入るようなもの、滞在のお客は居ないみたいだし、
此処は今其れ処では無さそうだ。
「く~~良いな本当に湯が良いわ・・」
味わいながら肌を擦り、外の紅葉を満喫、下に流れる川の音が心地良い、
本当に癒される湯、翔太はのんびりと、外の景色を眺め色々な思いを巡らせ、
樟葉の小百合さんは怒られているだろうなと、顔に湯を当てブルブル。
 長湯に為る、翔太には珍しいが、本当に長湯そのものだった。
 持参して来たバックから下着を出し、衣服も替える。
「いい湯ですね」「・・」無言でコ-ヒ-を出される。
「上手いな~」「貴方・・」「はい・・」
「本気で逗留なさいますの」「その積りですが邪魔でしょうか・・」
「邪魔、そうじゃ無いけどいこの状態でお構いが出来かねますけど」
「構いません」「貴方」「じゃこうしませんか、貴方が出掛けられる時は
食事はインスタントにします」「ええ・・」
「それで気楽に、僕もそうします」「でも其れでは・・」
「構わない無理やりお願いしている身、そうしましょう」「・・」
呆れてものが言えない里美。
「え、娘さんは・・」「今落合の家です、連絡しますか」
「其処は良い、アソコには暫く此処に居る事は内緒に・・」
「それは出来ません、アソコに既に相当のご迷惑をおかけしているんです」
「え、じゃ何か変った事」其処から此処と落合関わりをを聞いた。
 「え、じゃじゃ、菜摘さんあんた達と・・」
「そうなの、強引よ、でも泣くほど嬉しい、此処はどうなるか其処だけが心配」
「じゃ此処の事は未だ・・」「菜摘さんが貴方の意向を聞いてからと仰って」
「そうですか、じゃ変化なしですね」「大ありですのよ、もうとんでもない程
大事にして頂いて、娘は泣いて有難いと、無論私もですけど」
「じゃ益々良いじゃないですか」「・・」変な顔をされる。
「食事、簡単なものですけど」「お願いします」相手は厨房に向かわれる。
 揚げ物と焼き魚、卵と色々、本当に簡単なものでは済まされないと思われた
のか、申し訳ないと良い筒美味しく食べる。
「あのう僕少し出掛けて来ますけど、大きな本屋など何処に行けば有りますか」
「本屋ですの、そうね大きいかは知らないけど国道311号線沿いに看板が
見えていたけど有るのかしら・・」「行ってみます」
「え、今から」「ハイ気を使わないで下さいね、此れ渡しておきます」
相手の手に無造作に六十万円が入った封筒を押し付けて、直ぐに宿を出た。
「ふ~何とか入り込めそうだな、ゆっくりと考えるかな・・」
車を走らせながら、衣服も買わないとと思い、本屋に最初に向かう。
 車は国道311号線に出る、其処から落合に向けて走る、
すると本当にでかい看板が見えた、一キロ先と懸れていた。
其の本屋に入り、農業関係の本と、果樹栽培や、薬味、香辛料などの本を数冊
抱えて買い求める。
おまけにノ-ト、ボ‐ルペン、メモ用紙、パソコン用の電池も買う。
外に出ると今度は何と似合わない店にと向かう、スイ-ツを買うと車に乗る。
携帯電話で菜摘に電話すると家に居た、直ぐに呼出し指定の喫茶店にと向かう。
「あんた~来てたんね」「おう、御免呼び出して・・」
そこから今迄の話をお互い言い合う。
「ま~じゃ本丸に入り込んだわけね、流石鬼じゃ」
「あはっ、其処は別だが、なんか考えないとな、それには現場が一番、
でもアソコ辞めるのは本当なのか」「其の気みたいだけど揺れている」
「そうか、菜摘は如何思う」「貴方こそ如何したいのよ」「うん・・」
 そこから漠然とだけど翔太の思いを大事な菜摘に話をする。
「え、ええ~本気なん」「ああ、会社も何とか抜け出せる、其処は既に
決めて来た」「え、なんと・・」
「それでな、アソコ何とか生かせることが出来れば僕は暫く滞在したい」
「あら、内は・・」「時々向かうけど邪魔か」
「馬鹿ね、判っているくせに」「でもアソコではまだ僕はお客部類」
「何とか其処から抜け出せばいいじゃん、時間は有る」
「あはっ、そう言うか」「そうよ、もう決めているくせに」「判る」
「おお分かり、既に冴香はそう言っている、だからあそこの親子は大事に
しているんよ」「有難う、流石菜摘さん」「もう大事にしててよ」
「しているが」「ううん、其処じゃない、此れからの事」
「お願いしますよ」「ええ、もう反対じゃないね」お互い大笑いする。
菜摘に話せば既に冴香にもわかる、あの子は見透かしが凄いからなんでも
翔太が思う事は阿吽の呼吸、だから菜摘にだけ話をしていたのだ。
 夕方、谷に戻る、既に里美も覚悟を決めたのか待っててくれた。
「今ね、冴香さんから電話が来たの」「ほう・・」
「それでね、義母さんから話を聞いて大賛成といんさる」「・・」
「ね~、此処どうなるん、私達はすでに匙投げたのよ」
「みたいだね、でもその匙僕が拾うかも」
「あんた無茶や、此処で何が出来るん、宿、其れも廃れた湯治場よ」
「其処が良い、僕が出る場所が有るんだ」「呆れる」
「出るなら出ても良いけど、僕は残るぞ」「え~何でよ、辞めて下さい」
「止めないよ、会社も身を引くんだ、此処で何かする」
「だから何すんのよ」「湯治場も活用かな、まだ決めてはいないけど、
此れからは参加してくれなくても良いけど、相談は乗って下さいね」
「何を相談なの、何も出来んがね」「其処は良いです、此処の事情などは
聞かないと判らないし、暫く此処に居て僕の相談相手に」
「呆れた、どうしようもない人ね、住んでいる私が逃げ出すくらいよ、
何が此処で出来るんよ、無理は嫌」「ですよね」「あんたね」
もう憤懣遣る方無い顔つきで睨まれる 里美にすればとんでもない事、
此処は良い機会だと逃げる事に娘と話し合って来た。
其れが突然男が来て、そうして落合に連れて行かれ、其処で驚くような女性
を紹介され、又も娘を其処に居らせる事に為ると、もう里美一人で歯何も
出来ない、逃げた後如何するかも決まっていない状態に今度は男が来て
居座られる。
自分たち親子で何とか出て頑張ろうと決めた矢先にこの有様、
どうしても出たい気が先は知る里美と此処で居て何かしたい男との考えの
ギャップは埋まりそうになかった。
夕方食事前、翔太は買い込んだ本を小川のせせらぎが聞こえる場所で本と
睨めっこしていた。
 「お食ですよ」「ハイ、行きます」「・・」
「おう~今日は煮魚と刺身、此れは・・」「岩魚・・」
「ああ、此処で見た魚か・・」
ほかにもいろいろな料理を見て、流石だと感心をさせられる。
「ねね、此れ一緒に食べてくれません、酒かビ‐ルどちらです」
「どちらでも構いませんけど私は遠慮します」
「ね、そう言わず二人きりですから一緒に、話もしましょうよ」
「もう、貴方変・・」「ですけど一緒に・・」「呆れる」
そう言いながらビ‐ルとコップ二つ持って来られた。
「乾杯・・」「・・」
何に乾杯なのと言いたかったが里美は我慢する。
「く~おいしいが、なんと此れが岩魚か」「・・」
「ねね、此れ釣れるの・・」「腕が良ければ釣れるわよ、でも魚も相手
見ているよ」「うへ~じゃ僕は水の下から見られているんだ」
「そうよ、こいつ素人だなと思えば簡単にえさだけ拝借」
「く~溜まらんぞ、そうなるんですか」「貴方、もう飲んでください」
「はいはい・・」呆れ顔で酌される。
「良いな。此処・・」「早く諦めて下さいね、私たちも人生が有るんです」
「・・」「貴方・・」「え、そうですよね」「・・」
話が続かない二人だった。




















ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック