異淫小説102弾《獣を潜ませ生きる・・45》

 そうと決まれば翔太は早い流れで進んだ。
既にこのことは落合の冴香と大阪の恵には携帯で連絡していた。
特に冴香は其れ良いよ、その家先が明るいし、あんた良かったねと言われた。
恵も大賛成、雪が無くなれば行くと言う。
(よし決まったな、此れで良いぞ・・)
 朝が来ると翔太と幸子はその買う家にと向かう。
「有難う御座います」なんと入り口の土間で親子が頭を下げられている。
またまた驚かされる、なんとその娘と来たら、今時のアイドル顔負け、
翔太を見ると笑顔、その顔たるや何おかいわん、こいつ化け物か・・、
化け物の本人が呆れる程、男心を掴んでいる。
本当にこの娘は底知れぬ魔力をひそめていると思えた。
今まで多くの女性を見て来たが、これほどショックを受けていない、
慌てて挨拶をして部屋に上がる。
「如何ね・・」「うん、凄いぞ綺麗だし、縁側に出て良いか・・」
「どうぞ・・」「・・」
「なんとなんと美しい、とんでもなく綺麗じゃが、雪で覆われた樹木や、
山並み、息を呑むぞ」翔太はそう叫んだ。
コ-ヒ-を頂く間、翔太には兄弟がいなかった、
其れで何か此処の娘は気に為る。
「君・・」「あのう玲奈ですけど・・」
「御免、玲奈ちゃん、就職おめでとう」「有難う・・」
「え、何か嬉しくないんか・・」「え、そうじゃ無いけど・・」
「何・・」「ううん、何でもない」何か其処に引っかかる翔太だった。
玲奈が友達に会うと出掛ける。
 「叔母さん・・」「何じゃ」其処から翔太が幸子と話をする。
頷いて、今度は幸子とこの家の沙織さんが炬燵で話をされている。
その間、家の中を見て回る、整理され綺麗だし、此処の仏間で手を合わせ
翔太は目を瞑る。
 居間に戻ると「翔太、流石じゃ気に為る事が見えたぞ」「何・・」
「玲奈は就職嬉しくないのは遣りたい事が有ったんだってよ」「何其れ」
「うん、デザインに進みたいと、暫く駄々こねて居たそうじゃ」
「成程、其処か、じゃ進めば良いじゃないか」
「お前な、簡単にゆうな、家の事情が有ろうが」
「其処か、沙織さんは此の侭で良いんか・・」
「良い訳無いけど其処は仕方が無いけ~」「何で・・」
「あのね、内は借金がある、里だけど其処は後で良いかと思えるんだけど、
娘が此処で返してと」「そうか、じゃ返せば良いじゃないかこの際綺麗に」
「そう娘がゆうけそうしようと、でも其れじゃ娘はと聞くと」
「就職するから良いと」「なんとそうか、じゃ決めたんか」
「夕べ話してそう為りました」「・・」
これ以上何も言えない翔太、挨拶してその家から出る。
幸子さんの家で翔太は長い電話をする。
 (色々有るな人生は・・)天井を睨んで翔太はしばらく目を瞑る。
 朝が来た、とんでもない程快晴、外を見ると目が眩しい、
其れほど雪景色がキラキラと光っていた。
翔太は外に出て写メ三昧、寒くなり戻り炬燵に入り込むが、
其処でも考えていた。
 夕方まで美恵さんが来られて幸子さんと色々話をされている。
午後五時過ぎ、外は既に真っ暗、そんな時誰かが来た。
「ごめん下さい・・」「はい・・」幸子が出る。
「実は・・」玄関先で話声が聞こえた。
「うひゃ~何とたまげたぞ、これ~翔太大変じゃがお前~」
「何ね、驚くが何誰・・」「お前大変じゃぞ」「だから何よ」
「見んさいきんさいや早く・・」
炬燵に入り込んでいた翔太を引きずり出すと玄関まで連れて行く。
 「・・、ええ~何と・・、あはっ、早いがね」
「もうこの子が急がせるから慌てて来たんよ」
「ご苦労様でした、さ早く上がりんさい、恵有難う」
「良いわ、良いね雪が沢山・・」「明日朝綺麗だぞ」
「うん、楽しみ・・」未だに泡を食う幸子、なんと綺麗な親子だと、
又其処でも驚いている。
「叔母さん・・」「え、何、ああそうだねお茶か・・」慌てて立ち上がる。
炬燵で、翔太と小百合と恵が話し込んでいる。
 「そうね、良いわ会いたいし」「だな、叔母さん」
「聞いていたよ、あんた達それできんさったんか」
「ええお兄ちゃんが慌てているし、此処は来た方が早いかなと」
「なんとよう来ちゃんさったな、そんでお前・・」
「あのね、相手呼んでくれないか」
「あそうか、良いぞ、いや待て、電話するが、向こうに行くほうが良いぞ」
「あ、そうか家を見て欲しいしね、聞いてみて・・」
話は早い、行くと決まる。
 先方では待たれていた。
直ぐにあいさつを終えると、なんと恵は娘を連れてスト-ブ傍に陣取る。
後は炬燵を囲んでいた。
酒が出され、皆はに身乍ら炬燵は炬燵で、スト-ブそばでは娘が二人何か
話し込んでいた。
 「良いわ、決まりね、叔母ちゃん」「なあに・・」
「決まったよ、この玲奈ちゃん大阪で預かるし」「ええ~何でです」
一番驚かれる沙織さん、目を見開き固まる。
「お母ちゃん、お願い頑張るし」「お・お、お前・・」
あとは声が出なかった。
恵が玲奈の肩を抱いて何度も頷いている。
「如何しましょう」「うふっ、もうね此処に来る前決めているみたいだった
任せて、大阪で預かる」「小百合様・・」
「嫌だ、小百合だけで良いし、困る、恵に任せている」そう言う。
「じゃ大阪でか良い、頼むな」「お兄ちゃん、任せて良いよ素質が見える」
「良し、そうなれば話を詳しくお母さんにいんさい」
「良いわ、玲奈ちゃん行こう」なんと母を連れて別の部屋に向う。
 「小百合さんたまげたが・・」「うふっ、何時もの事なのよね~翔太さん」
「・・」面喰らう程艶やかな小百合さん、だが一方で目を白黒させ睨む女性、
叔母だった。
 暫くして三人は部屋に戻るが、娘と母親の目は真っ赤、恵も少し赤かった。
「良いわ、この親子は最高、お兄ちゃん任せてね」
「うん、信じているし」其れで決まりだった。
 思えばそうなる道か定めか、翔太はこれで良いと思える。
傍で何時もにこやかな小百合さん、世間がどうなろうと動こうとお構いなし、
本当に心が読めない女性だった。

                 つづく・・・・。