異淫小説102弾《獣を潜ませ生きる・・53》

 二月四日、節分のバカ騒ぎを樟葉の家でし、少し疲れた体で沙織さんを
乗せた車が樟葉を離れた。
「あんた・・」「うん、御免な・・」
「ううん、夕べ玲奈と寝てて話したんよ、其れで娘の考えも聞かされた、
沙織は何か考え違いしていた」「何で・・」
「だってどうせ体を求めるだろうと其れは覚悟していた」「「で・・」
「ええ、でって、あのね私は女よ、どうせ里じゃ体売りんさったと噂が出て
居る筈」「それで・・」「・・」呆れた顔で翔太の横顔を見られる。
「じゃさ、どうせならそうです、其れが悪いのかというような姿で暮らせば
いいじゃんか」「ええ~あんた」
「だって、どうせそう思われるなら逆らっても里じゃ変わらんと思うよ。
沙織さんは綺麗だしな、其れにあの髭爺様の事も僕は里で聞いているし」
「・・」「じゃ、そうよと言えるようになりんさいや、たとえ僕と
そんな関係が無くても其処は有る様にすれば、息がし易い、其れに今度の
仕事は考えれば僕が田舎で足止めされたのは、少なからずあんた達親子が
関係する」「え・・」
「そうなろうがね、事実そうだ、家や田畑を引き受けたんだぞ」
「そうなるけど・・」「なな、此れからは胸を張り歩こうよ、聞いた
通り僕は獣じゃ、でも獣でも関係する女性は尽くす、何か必要なら出来る
だけする」「・・」「立位置と考える、この思いは押売りだけどね」
「押し売り」「あ、帰りに連れて行くけど里に来んさった菜摘さん」
「あ、綺麗な人ね」「それと今あんたが居る家の小百合さん・・」
「聞いた・・」「え、聞かれたんか」
「ええ、付き合うなら隠し事は嫌と言われてね」
「なんと、そうか其れ早くいんさいや」「ええ・・」
「もうそうかじゃ流は理解出来ているよね」「流れ・・」
「ああ、僕は仕事を作るだけ、後は関わる人が頑張って欲しい」
「ええ、意味が判らんがね、仕事を作るだけ」
「そうだよ、大阪の会社、岡山の落合の奥の谷、里でも仕事もそう」
「じゃ、里には腰を落ち着かせないんかね」
「出来そうも無いが、其処は叔母と沙織さんと雅美さんに任せるつもり」
「え~聞いていないがね」「今聞かせたろう」「あんた~・・」
「おい、運転中だぞ」「御免なさい驚いて、でもそのお話本当なの」
「ああ、僕は身軽で悪さして歩きたいんだ」「悪さ、あ~女性かね」
「其処も有るけどね」「嫌だ、其処だけでしょうが」「言えるな」
「馬鹿ね・・」そう言われる。
 名神高速の京都東口から車は乗り入れそれから東名高速を走り、
一宮ジャンクションから中央道にと走る。
「お腹空かないか・・」「多少、何か食べます」
「如何するかな、サ‐ビスエリアで食べるか」
「何処でも良い急ぎなの」「そうじゃ無いけど一宮で電気屋で買物」
「あ、カメラね」「そう、良いか」「良いですよ、従いますから・・」
「そう決めたら走ろう」
 車は快適に走る、大阪の樟葉の家を出てから三時間半、
車は愛知県の一宮インタ-を降りた。
其処で最初に家電店に入り、店員に説明し器具を買い求めるが、
其処で説明は沙織さんが受けるようになる。
「大変、難しそう」「簡単じゃ写す物にレンズを向けるとピントが揃う、
後は回すだけ声も拾う」「だけど・・」「良いわ、現場で教える」
「お腹何か入れようか」「うん・・」
国道筋の電化店を出ると直ぐ近くに色んな店が並ぶ、其れも大型店、
その中のしゃぶしゃぶ木曽路にと向かった。
 其処でしゃぶしゃぶ鍋を二人はつつく、沙織さんだけビ‐ルを進めて
美味しいと食べてくれる。
「え、もうこんな時間か」腕時計は午後二時半を指していた。
「如何する、先に向かい走るか」「え・・」
「ここ等で一休みして向かうかどちらにします」
「任せるけど、予定は何日考えているん」
「わからん、先方次第だし、調査も要る」「そうなるよね」
「行き当たりばったりで進もうか」「疲れていない」「未だ良いよ」
頷かれるから車を高速に乗り入れる。
 岐阜を過ぎて関、そうして中津川まで来ていた。
「ま~綺麗、田舎思い出すけ~」「あ、雪がそうか都会じゃないからな、
でもここ等は里みたいにドカ雪は無いね」「地形かね」
「そう、此れから向かう長野県は大きく見ればでかい盆地、北側に高い山々
が聳えているしな、長野までは雪が多くは流れこんが」
「成程ね、でも山々が綺麗よ」「それが後一時間すれば、最高だぞ」
「何で・・」「夕日」「あ~里で見ているわ、そうか陽が真っ白い物
を赤く染める」「そうじゃが」「なんと、じゃ長野に着くまで見れるんね」
「ああ、そうだ、勉強じゃ、カメラ窓から外を写してみんさい」
「そうね、良いの」「良いが均しじゃが」
そう言われて沙織は後ろの席に狭い中移動、荷物を解きカメラを取り出し、
「使えるかな・・」「あのね、僕に聞きんさるな、説明書で学んで
何処でも良いから写しててよ」「はい、楽しい」
窓にカメラを向けると覗かれる。
「ま~此処に映像が出る、なんと」「写す物が如何見えるかが分かるね」
「そうね」なんと快適な走りと共に、あまり擦り切れていない女性、
しかも里では一番綺麗と思える沙織さん、本当に連れて出て正解と思えた。
 流石に冬の陽は早く落ちる、諏訪に入る頃は既に暗闇に等しい、
翔太はこのまま走ると現地近くには午後七時過ぎに為ると考えた。
「え・・、何これ・・」「ああ、諏訪湖」
「え、湖なの、でもなんか光っておりんさる」
「え、ああ~其れは氷と思うけど」「ええ~じゃじゃ、湖が・・」
「総てかどうか、でも今年は寒いからそうかも」「え、でかいじゃない」
「そう、綺麗な湖だぞ」「見たい」
「そうか降りようか、このまま走ると中途半端じゃ」「・・」
「降りようか・・」「うん」返事を聞いて直ぐにインタ-から降りた。
「旅館が良いかホテルか」「此処はどっちが良いの」
「如何かな、あまり知らんが、聞こうか」「え、誰に」「近所じゃ、
待ちんさい何か見つける」車は国道を走る。
「あ、ガソリンスタンド、良いぞ行く」
其処でガソリンを入れる序に話を聞いた。
「有る、湖の傍が良いだろう、上から眺めるか横から眺めるかどっち」
「ええ、意味が」「ホテルなら上の階から湖が見れるし、旅館なら横から
見えるし出て歩ける、どっち」「あんたはどっちよ」「どっちでも良いけ」
「うふっ、どっちの廻しかね」笑われた。
 「ねね、贅沢言って良い」「良いよ」
「じゃ浴衣来て食事、その後外に出ても良いし、露天風呂は無いよね」
「此処じゃ無理じゃろう、明日はそんな場所でも泊ろうか」
「え、出来るの」「ああ、沙織さんとの記念旅行じゃが、良いぞ」
「あ~あんた・・」「良し、じゃ今夜はホテル明日は旅館でどうだ、
山間が良いね」「素敵、同行します」「畏まりました」
「馬鹿ね」気まりだった。
 諏訪湖の畔のホテルに泊まれた、今は観光客が多いいが、節分開けの今、
上の階が取れた。
夕食はバイキング料理、風呂に入り二階の広いレストランで食事する。
(良いぞ、此処まっでは予想以上だ、此れからが大事だぞ)
自分に言い聞かせながらワインを二人で飲んだ。

             つづく・・・・。