異淫小説102弾《獣を潜ませ生きる・・68》

 またまた、翔太は宿の中での騒々しさに起こされる。
「貴方、お客様が・・」「誰・・」「私たちが訪問した造園の会社」
「うひゃ~、なんと来られているのか、大変だ起きる」
慌てて支度をし居間にと出る。
挨拶を交わす相手は伯備の造園会社の人と娘さんだった。
未だ起きて間もないが、翔太はコ-ヒ-を飲みながら昨日の事を相手から
聞かされている。
松本造園という会社で、松本芳雄さんと娘の珠美さん、会社案内のパンフを
見ながら翔太は話しを聞いていた。
「なんと、では出来ますね」「はい、其れで挨拶がてらに」そう会話する。
「あのう、一つ聞きたいんですが、移植は秋が良いと聞いているんですが、
早い春では駄目ですか・・」「え、そうなりますが、其処は色々と工夫が有り
まして、駄目とは言えないです」「では可能なんですか・・」
「何とかは出来ますが」そこを聞いたら翔太はそれから一人で喋り出した。
 「其処ですか、聞いたか珠美、大変だぞ此れから・・」
「はい、良いですね、じゃ此処はそんな風な場所にと思われているんですね」
「はい、此処はお年寄りが主役の場所ですから、力仕事はあんまり良くない、
見回り育つのを世話して頂く程度と考えると、此処は薬味や香辛料関係の事
を遣りたいんです。序に既に成長している物を過疎地から買い此処に移植させ
たい、無論、銀杏の木や、山椒の木、柚子もです、大木でもなんでもあれば
此処に移植させ、此処でも苗木を沢山植えます。既にワサビは谷を流れる小川
を利用して段取りは考えているんです。ショウガや、唐辛子、コショウ等も
加えてと思ってます」「・・」
その話を初めて聞く里美と美樹は唖然呆然、尚更聞く松本さんは顔を真っ赤に
されていた。
「無論、未だ色々と在ると思うのですが、追々とそれら一切を含め此処は全部
その関係の栽培を出来るかなと」「田中さん、其れ良いですよ、此処は既に
果物関係はソコソコ成長して来ています、でもそれ以外が何とも、此処でその
言われる事が可能なら最高です」「出来ますか・・」
「其処は全力でお手伝いさせて頂きます」強い言葉でそう言われる。
 其処から、今度は美樹と珠美とが、話の中身をPCに打ち込み聞いていた。
里美は体が震え続け感動しまくる。
 漸く此処で何を興すかが見え、宿の親子は又も電話で人を呼んでいる。
昼過ぎ昨日顔を合わせた菜摘と冴香と哲夫さんが揃われ、
遅くには上田親子も来られる。
「夕べそのまま泊れば良かったが」と大笑いされた。
今までの経緯を美樹から聞く集合者、翔太はその場から離れ、
造園会社の松本さんと話を進めていた。
 「なんと素敵、そうか香辛料関係ね、良いわ此処で其れを凄いね冴香」
一番興奮されたのが菜摘さんだった。
此処では温泉の熱も使える、最高な場所、香辛料でも葉物が多い、
温室を作り育てると言い出された。
「最高、何でもそこの関係では出来そうね、じゃじゃ、此れから参加される方々
にも振り分けできるね」話が益々エスカレ-トする中、
翔太と社長は現場確認にと外に出る。
 雪に陽が当たり眩しい中、二人は色々な話をし,工事途中の盆地を散策、
「良いですね、此処は最高じゃないですか、広いし、夢が落ちているだけ、
其れを拾いましょう」笑われる。
一番、感激されたのは、小川の工事、途中だが説明は要らない、見れば其処が
どんなふうに出来上がるのかは仕事柄一目瞭然、翔太の手を握り感嘆された。
 一時間半程度で寒いから宿に逃げ帰る。
「ええ・・」二人が外に出ている間に、囲炉裏間には大勢の人の顔が見渡せた。
里美が興奮して報告するから、翔太と社長は苦笑いする。
「おい、車運転者は駄目だが、宴会仕様じゃないか・・」
「おいおい、其処は酒が醒めるまで泊まれば良い事じゃないか、差別だぞ」
六人ほどの男性が集まり、その奥さんか見知らぬ女性が六人居られる。
「あのう、わしの仲間と、此れは上田さんの親戚の人じゃ」
其処から自己紹介を受けるが、直ぐには名前など覚えられない、
でも挨拶を交わす相手は笑顔だった。
 総勢二十数名が揃われていたのだ。
急遽、此処のネ-ミングが翔太の一言で【落合ファ-ム】に決まる。
最初から担当を決めようと意気込まれ、其処から地元の人に任せる事にする。
翔太は宴会が始まると人に囲まれるし、飲まされる。
瞬く間に酒に弱い翔太が一番先に倒れ込んだ。
 座は益々賑やかに為り出す、女性陣はこぞって湯に入ろうと消えるが、
残る男たちは意気盛ん、担当を決める話がまだ続いていた。
無論松本さん親子も居残り、話の輪に加わり専門的なアドバイスをされて
いるが、其処は倒れた翔太が知る事は無かった。
 なんと翔太はそのまま寝込んでしまい目が覚めた時が午後十時過ぎ今度は
反対に、今迄話をしていた人達は翔太が起きる頃は熟睡状態、
独り起きるとお腹が空いて厨房に向かう。
 「あら、おきんさったん」「おう、冴香ちゃん、御腹がな・・」
「はいはい、美樹ちゃんが用意して居りんさるから出すね」「有難い」
二人きり、仲が良いから会話は必要ない、食事しながら互いを見合い笑う。
「此処如何思う・・」「うふっ、ドリ-ムじゃないね、あんたが絵がいて
いた事の全貌が浮かんで来たけ、良いわ凄く良い」「本当か・・」
「ええ、先が明るいしね」「まじか・・」「太鼓伴押す」
「く~冴香ちゃんにそう言われると出来そうな気に為るが、不思議だ」
「私もあんたに会えてから朝が楽しみだけ~」「ええ、何で朝か・・」
「そう、朝に為ると直ぐにあんたを頭に浮かべるとバックの光景が判る、
曇り晴れ最高な晴天下等よ」「なんとそうか、じゃ明日は・・」
「阿呆、未だ明日は見えないがね」大笑いされる。
御腹が膨らんで来ている身、既に四月は生まれそうと聞いていた。
 思えば此処に気を入れたのが、菜摘親子、其れが今は翔太の子を宿し
春先には生まれるのだ。
 二人で居ると至福、何も他に要らない、そんな関係は誰しもが作りたい
がそうたやすくはその域には辿り着けない。
此れからここでもいろんなことが起きそうだが、其処は其処、
苦しみながらいい方向に進めば良いと二人は同時にそう思っていた。

                つづく・・・・。



























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