乱生小説104弾《日陰の荒道を歩む・・11》

 話を聞いて居ると尼崎は大阪府じゃ無かった、其処は兵庫県、と知る。
電車は大きな川を渡り大坂にと入る、そうして梅田駅に到着、
降りて外に出るとこれまた腰を抜かすほど乱立する高層ビル群に唖然。
「ねね、お姉ちゃん、此れ凄いが・・」
「そうよ、大阪は今じゃ第二の都市だしね、観光客も外国人ばっかりよ、
気を点けなさい」
着いて歩くも疲れる、人込みなど経験がない身、よけるにも一苦労だ。
 JRの大阪駅に入り、環状線に乗り換えする。
何もかもが初めての事、思わず冴美さんの手を求めて握る、
汗が滲んで居る手は確りと握られていた。
「降りるよ・・」駅名は森ノ宮と書かれていた。
外に出ると何とか歩ける、人込みは既に其処には無い、本当に強弱が
激しい所と見える。
「静だね・・」「うん、ここ等は学区出し、其れに木々が仰山有るしね、
暮すにも治安が良いし、何処に向かうにも便利なんよ」
「じゃ、頑張ってこんな場所に住もう」「そうしなさい、もう直ぐよ」
「うん・・」何とか元気が回復、並んで歩いた。
 「此処よ・・」「え、都市でビルみたいだよ」「そうマンション」
「マンションって、ああじゃビルの中がそうなの住めるんだ」
返事が無い、其れはエントランスに入ると警備員さんが居られる、
恥ずかしいのか冴美はすたすたと歩いてエレべ-タ-に乗り込み努に
入れと目で合図する。
何から何まで本当に驚かされる、ホテルはこの間宿泊しているが、
マンション等初めての事、南海に降りたのかさえ判らず、後に従う。
「どうぞ・・」「・・」声を失う、廊下を歩いて入る部屋には脚が竦む
ほど綺麗だし、何とも言えない匂いが鼻をくすぐる。
「お姉ちゃん、此処に住んでいるの・・」「そう、狭いけどね」
「狭い、部屋数は・・」「見たら判る、さ寛いでね」ソファ~に沈む。
「コ-ヒ-点てるね」部屋続きのキッチンにも驚く努、
だが一番は窓から見える景色だった、小さなバルコニ-に出ると眩い
ばかりのネオンと高層マンションの姿、前は何か公園見たいな場所と
思えるが、至る所に灯る街灯と走る車のライト、
とんでもなく想像以上の街だった。
 「どうぞ、疲れてでしょう・・」「・・、お姉ちゃん・・」
「え、何よ何で正座するん・・」「有難う御座いました、お姉ちゃんの
御陰で大阪に出ることが出来た、何も知らない僕だけど、頑張る、
生きて見せるけ~」「もう良い、男が正座して頭を下げるのは駄目」
「お姉ちゃんにだけは本当に感謝しています、有難うございました」
深々と頭を下げる努を見て冴美は何か感動してくる。
「良いから飲もうね」コ-ヒ-をお互いが飲み始める。
 「じゃ尼崎は隣なのか・・」「そう、新幹線からも近く出し、場所は
兵庫県だけど大阪圏に入るしね、其れに物価が安いし、色々な人種が
住んでいる、世間を知るには良い場所よ」「そうなんだ・・」
「じゃ、明日から何する」「お姉ちゃんは良いよ仕事が有ろうがね」
「明日迄休み取っているし、今は学校も休みだしね」
「そうだ、お姉ちゃんの勤める学校はどこらなんか・・」
「電車で行くと有る、天満、と言っても今は判らないと思うけどね、
神社が有名よ」色々聞かれるから冴美も呆れ顔、
其れを見て頭を掻きながら詫びた。
「良い、興味が有るし知らないんだものね」「そうだが、田舎しか知らん」
「此れから判る様に為れる、でもアルバイトは何処ね」
「え、そうか其れが肝心か、何かね都島と・・」
「都島のどこら当たり何・・」「うん、三丁目と聞いたけど遠いいの・・」
「そうね、あんたが住む場所からは遠くに為るのかな、此処からだと直ぐ」
「なんとそうか大変、電話してみる明日にでも・・」
「そうしなさい、どうしても行くなら通う事に為るし大学から反対方向よ」
「そうなるんか、大変だ、断るにも、ま良いか明日何とか電話するわ、」
「疲れたでしょうお風呂どうぞ」「え、有るの凄い・・」
「有るわ、湯を入れて来るね」冴美を見送りまたテラスに出た。
いつまでも夜の街を見る事が出来る飽きない程色んな景色を見せてくれた。
 「どうぞ、入れるよ」「僕が最初は嫌だ、お姉ちゃんが先に入りんさいや」
「ええ、何で」「男は垢が出る」「お風呂だもん仕方ない、良いわよ」
「駄目、お姉ちゃんが先に入りんさいや」「何て子ね、どうしても先に」
「お願いじゃ、後でゆっくり入る」「そう、じゃ先に入ろうかな、覗くな」
「うひゃ~、覗こうかな・・」「追い出すよ」「逃げるからね」
「もう行け好かん子ね」「え・・」「良いの独り言・・」
冴美は風呂にと向かう。
 「一人暮らしか夢だったんだ・・」そんな思いでテレビを点ける、
なんと沢山のチャンネルが有ると今知る、驚くほど数が有った。
 三十分後、風呂上がりの冴美が部屋に戻る。
「お酒飲むね・・」「注ぎましょうか・・」「馬鹿ね、良いわよ」
ワインを出されてガウンを羽織り、最高な姿、其れを見たくても恥ずかし
くて見られない努。「何よ、何でチラ見するん、確り見れば良いじゃない、
少し知らない仲じゃ無いでしょうがね、家ではそうじゃ無いでしょう」
「ええ・・」「少し知っているんだ」
「何何を知っておりんさる、気に為るがね、お姉ちゃん「」
「言わないけど、あんたね自分の事胸に手を当てて考えて見なさい、今迄
何して来たか胸に手を当てて思い出しなさ思い出しなさい」
「ええ、お姉ちゃん・・」「うふっ、恥ずかしいんだ」
「恥ずかしい事していないし、もういい気分だったのに酷いぞ」
「そうね、でも其処は既に聞いて居るけどね」
「ええ・まじか誰にああ、婆ちゃんか、もうなんで大事な人に教えるんだ、
酷い婆ちゃんだぞ」「・・」「でも、其処は此処とは関係が無いです、
僕が進む道の為の訓練ですからね」
「へ~訓練ね、・言い方はそうなっても事は同じじゃないかな・・」
「違います、今後の僕の為ですからね」
「そうか、じゃ成果は上がっているんだ」「ええ・・」
「だって二年間も訓練して来たんんでしょう」「そうなる、そうです」
「そうか、大変だったね」「・・」もう先ほどの雰囲気が滅茶苦茶、
汗を掻きながらどこまで知っとりんさるのかと考えて惑う努。
「意地悪は其処までにしようね、早く風呂入りんさいや」
「変な訛りじゃがね、入ります」「どうぞ・・」
努が消えた後、大きくため息をつく冴美、一年半前に努の家に伺った時の
光景が浮かんできて苦笑いする冴美、風呂場では焦りながらシャワ-を
浴びている努が居た。
 此れから大阪と尼崎で暮らす事に為った、其処が今は如何、
何か知られて居るとは思えたが、其れがどこまでかが気に為って仕方が
無かったから上がると、リビングに戻る。
「頂きました・・」「え、着替え、あそうか荷物がまだ到着していないん
だったね、如何し様女物しかないし困ったね、あ・良いわ待ってて買物
してくる」「ええ・・、夜中ですよ」
「有る、二十四時間開けている店」「うひゃ~嘘でしょう、有るんか」
「うん、色々と揃うわ、・見に行こうか・・」
「今夜は良い、明日にでも行こうよ、着替え下着だけならバックに有る
から替えた」「そうかじゃ寝る時は下着のままで良いじゃないね」
「そうするしかないね」そんなやり取りをする。
 流石に今日一日は知らない事だらけで疲れた努、
ソファ-で眠そうになる。
「あら、じゃベットに行きなさい」「何処・・」「そこのドア開けるの」
「はい、おやすみなさい」「おやすみなさい」
努が寝室に向かうが、なんと其処は、禁断の園そのものだった。
(うへ~これは寝れんぞ、匂いが良いかおりじゃがね、大変だぞ・・」
でかいベットに倒れ込んで思いっきり匂いを腹いっぱいに吸い込んだ。

               つづく・・・・。





















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