望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・21》

 七月一日、今日は多少曇り空だが、雨は落ちてはいない、
朝、舞ちゃんに起こされ朝風呂を頂き、朝食を食べると宇奈月温泉街を出る。
相変らずテンションが高いのは舞ちゃんだけ、澄人と美佳は昨夜の話が
残っているのか会話は弾まない、だけど車が何処に向かうかとは聞かれない、
舞ちゃんが喜ぶ中、母親の美佳は後部座席で外を見て居られた。
「ねね、今日は何処や・・」「うん、舞ちゃん富士山知っているか・・」
「ええ~舞は馬鹿じゃないよ、高いお山でしょう」
「おう、そうだぎゃ、其の富士山が見れるからな・・」「ほんまか・・」
そんな会話をしながら一度後部座席の美佳さんに話しかけた。
「狭い道じゃ、舞ちゃん車酔いするかもしれないから、一度日本海まで戻り、
其処で高速に乗り、遠回りだけど時間はそのほうが早いし良いですよね」
「はい、どうぞ・・」なんか冷たい感じだが、澄人は其処を掘り込まずに
舞ちゃんと会話を楽しむ。
 車は一度八号線に戻り、北陸道に上がり走る、新潟方面に向けて走り、
長野道だに入り暫くすると中央道に合流、其処で一休みをし三十分後又走る。
 昼前には何とか中央道から中部横断自動車道に入り走った。
途中で景色が良い場所で休憩と食事をする、ほとんど寝ていない舞も流石に
目がトロンとしてくる。
 午後二時頃は車内は静か、澄人は美佳さんと話がしたいが、
舞が寝ているために其処は我慢する。
旅に為れていない舞を気遣い、ゆっくりと走る中、何とか目的地と目指す。
 午後四時前、何とか富士山が見える場所に到着、
そうして下部温泉インタ-で一度高速を降りる。
「美佳さん、今日は早めに宿に行きましょうか・・」「え・・」
「明日は早くから富士巡りに為りますから・・」「そうですの・・」
「良いですよね」「・・」返事は戻らないがミラ-に頷かれる顔が見える。
 何とか車で探しながら走っていると、温泉街に入れた。
今回は自分で探そうときょろきょろするから、美佳さんが、
「危ないわよ、探すの任せて・・」「有難い、お願いします」
そう返事して車を動かせていた。
 「あ、此処は如何かしら・・」「古そうですね・・」
「でも玄関も素敵だし、年代でも格式は有りそうよ」
「そうですか、じゃ聞いてきますね」玄関に入り部屋があるかと聞いた。
 車に戻り、「流石、最高な宿ですよ」「良かったけど良いの・・」
「行きましょう、舞ちゃん寝ているから抱いて行きます」「貴方・・」
「行きましょう」何とか宿は取れた、早く部屋で倒れたいと思えて来た。
案内される部屋は庭が望める素敵な和室、本当に落着ける宿だった。
「わ~、何起こしてよ・・」「あはっ、良い顔で寝ていたからな・・」
「此処で泊まるんか・・」「ああ、明日は富士山だぞ」
「うん・・」喜んでくれる。
 流石に疲れた澄人、風呂も入らずに倒れてしまう。
「お兄ちゃん・・」「寝かせてくれ、食事時は起こしてな・・」
「うん、良いわよ」許してくれた。
湯に入りに出た親子、静かな部屋で直ぐに眠れることが出来た。
 どれくらい寝たのか、起こされて、いったんどこと思うほど疲れて
寝ていた事になる。
夕食を三人で食べるが又も舞が甲斐甲斐しく世話をしてくれる、
其れが最高に良い、澄人は最高だと舞を褒めて一緒に食事をする。
 食べ終わると、庭に出て夜空を満喫、星が綺麗だから舞と並んで見た。
疲れも癒される相手、本当に合って間も無いが長い付き合いと思うほど
懐いてくれる舞、澄人はどれほど癒されているか感謝するほどだった。
テレビの漫画を見ていつの間にか寝ている舞、手が懸らない女の子、
寝室に運んで寝かせる。
 「貴方・・」「はい・・」「夕べは御免なさい」
「ええ、其処は反対でしょうが、僕が謝らないと・・」
「ううん、考えたの、そうしたらね従うほうが良いかなと・・」
「あらら、じゃ元の貴女に帰りますね・・」「えっ・・」
「そうじゃ無い、従っていく内に何か息苦しくなり、今度はストレスが
溜まって我慢の限界でしょう・・」「それは・・」
「僕は好かん、貴方の意思で動いて下さい、言われ従うと良いと思うけど、
其処は自分でそんな場所に向かうとは違いますよ」「そうなりますの・・」
「そうじゃ無いんですか・・」「今まではそうかな、でも今は違うと思う」
「ええ・・」「ですから、昨夜の事謝っています」「ええ・・」
「だから、其処は言われて其れも有かと・・」「何と、美佳さん・・」
「それで車の中で考えていました」「あらら・・」
「ですから従いたいんです、今回は自分から進もうと・・」
「美佳さん、無理は駄目」「いいえ、其処はそうじゃ無いし、ねね、案内
を見てたら此処家族風呂有るのよ」「え・・」「見て来れ・・」
「ああ、有る」「だからいきなり裸じゃ拙い、家族風呂なら自然じゃない、
お願い最初は其処で見てて・・」「ええ」「お願い・・」「美佳さん・・」
 澄人は驚いた、なんと自分から其処を言われたのだ。
「でも・・」「何よ、貴方が言った事よ」「そうですが、其れは酒が・・」
「ま~酷い・・」「済みません、見たいけど無理やりになりませんか・・」
「なるわよ、でも美佳がそうすると決めたの・・」「・・」
声が出ない程感動、其処まで進めるんだと尚も疑う自分が可笑しかった。
「じゃ、貸し切り時間聞いて見ましょうか・・」
「お願いします、遅い方がいい、舞も起こさないと・・」
「あ、そうかじゃ聞いて待つ間ワインでも・・」「ワインですの・・」
「嫌いですか・・」「大好きです」笑われる。
貸し切りの時間を聞いた序にワインを頼んだ。
「じゃ乾杯」「え、何にですの・・」「え、あ、そうだ互いの裸にです」
「いやだ~貴方・・」そう言われながらも乾杯された。
 ワインを飲みながら不思議な縁だとつくづく感じた。
舞ちゃんが寝ていた自分を覗かなければこの出会いは無い、あの砂浜での
事は、はじまりの最初の出来事に為っている。
思うと、そうなる道かと思うけど、其処は互いが何か惹かれないと出来
得ない事、澄人は一人旅、相手は路頭に迷い死ぬことまで考えて居られた。
何から何まで突き進むと其処の其処の出会いから始まって来た。
二、三杯ワインを飲むと体が温かくなる。
「ね、何考えていたん・・」「え、裸じゃ在りませんからね」
「ま厭味ね、良いですよ」「今思い出したのは不思議な出会いだと・・」
「そうね、本当に・・」「だから、天に感謝して今乾杯をしたところです」
「嘘や其処は・・」「当たり「、でも感謝は本当だぞ」
「如何かな、裸見て失望されるわ」「しないしない、今でもしていないし」
「ええ、意味が・・」「しまった、本音です」「呆れた人ね・・」
斜め顔で睨まれ、つややかで最高な仕草に秒殺する。
 本当に裸が・・、そう思うとワインが肉に染み込んで来てほろ酔い・・。

             つづく・・・・。
























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