望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・28》

 いやはやとんでもない肉体、総てが感じる肉体に変化されている。
澄人も初めてだが、こんな事聞いた事も無い、だが本人が泣き喚き
知らせるから、其処は本当だと思える。
 挑みかかり一時間半、愛撫も交えるが、実際相手の肉中で暴れる時間も
相当、其れでもしがみ付かれ震えながらも迎えてくれる。
最高な肉を味合うことが出来た。
 思えば、この家は弟が出会っていた、未だ一横で倒れた侭思い出す様に体
を震わせる相手は、弟が付き合っていた娘の母親、其処が意味深・・、
親子で同時は既に飛騨で味わってはいるが、なんと此処では娘は弟、
母親は兄が抱いてしまう。
世の中では可笑しな組み合わせには成るだろう、それにしても考えられない
肉体を持たれていたのだ。
 「大丈夫ですか・・」「・・、あんたね見てよ、大丈夫な訳無いでしょう、
最高過ぎて怖いわ・・」最後は笑い顔で我が身を撫でまわし、
その都度体がヒックヒックと跳ねていた。
 「あんた、喉が渇いた・・」「あいよ、持ってくる」
澄人の後姿を見上げ苦笑いする玲華、本当に凄い男と認めざるを得なかった。
裸のまま横たわる二人、手は確りと繋がれたまま、其れが何を意味するのか
互いは考えは違うだろうが同じ舞台の上だと思えた。
 夜に為り漸く大我が身が戻る、玲華は何度も凄かった、
経験が無いし知らんから慌てたと未だ言われる。
其処から明日の企みを澄人は黙って聞いて居る。
「ねね、判ったの・・」「え、ああ、お風呂入るんですよね・・」
「そうよ、其処で洗い合い愛撫をするからね」「ええ・・、じゃ・・」
「そうよ、後輩だし、簡単に其処は進められる」「玲華さん・・」
「良いわね、私も抱いてよね、あの恍惚は誰もじゃ出来ないし、あんたの世界
なんだからね」「はい、肝に銘じて頑張ります」
「嫌だ、ソコソコよ、あんまり頑張らないでよ、壊れるし・・」
「じゃそこそこに・・」「其れも嫌だ、ね如何すれば良いの・・」
「ええ、理解出来ないですよ、ソコソコも駄目なんですよね」「そうよ・・」
「じゃ中くらいかな・・」「其処も駄目・・」「ええ、もう如何すれば・・」
「今日したようにしてよ・・」「あはっ、了解判り易いですね」
「あんた~・・」キスをせがまれて寄りかかり、何度も自分からされていた。
「ね、此れ良いわ素敵、他人が加わればどうなるのかしら・・」「ええ・・」
「だって二人で此れよ、其処に競争相手が加われば最高じゃない、ねね・・」
「うふっ、死にますよ狂い死に・・」
「ええ、でも其処も有りかな、誰もが経験できない場所なら良い」
とんでもない女性だった。
 人は奥深く入り込まないと理解出来ない部分がある、でも今回は其処を通り
越したみたい、其れだけ肌も何もかもが合う相手、
とんでもない女性に巡り合えたのだ。
 「あんた、風呂湧いたよ、入る・・」「一緒なら入ろうかな・・」
「じゃ、来てよ」何と又始まりそうに思えた。
 一時間後、浴室で総てが起きた、夕方より酷い姿態、とんでもなく二人は
舞い上がり上から降りて来れない。
折角洗った体が滑り、澄人は再度玲華の体を丁寧に洗う、其れほどする値打ち
がある体、終えるとよろけながらも澄人の体を洗ってくれる可愛い女性、
なんと二時間経て居間に戻れる。
 頃を見計らったのか可愛い舞ちゃんから電話が来る、
今日の出来事を聞かされる澄人うんうんと頷いて聞いて居た。
交代で美咲ちゃんが電話に出ると母と交代、其処は抱合った事は話しては
居られない、今後の事を話し合われている。
「ね、向こうも何とか出来そうよ、あんた感謝、最高よ」
そう言われつつ、ワインを二人は飲んで行く。
 其れから澄人はPCに向かい明日来られる菜摘さんに計画書を作成始める。
其れを横で見ている玲華、澄人が思うままにキ-を叩いて行った。
 「ま~何と凄いじゃないね、じゃじゃアソコはあの旅館だけじゃ無いのね」
「そうするほうが手広く馴染みが作れ、この計画は一つの旅館では知れてる。
此処で熱川の旅館組合を動かせるほうが得策、気が向かないなら一軒で起こ
せば良い、其れなら計画は練り直す」
「ま、良いじゃないね、そうか全体で遣るとなると相当なコンペに為るね」
「そう、其処をメインに広げるんです、ゴルフ場も潤うなら賛成されるし、
旅館組合が相手なら割引も相当できる」「なんと凄いわ・・」
「それから、此処は組み分けをしたい・・」「え、意味が・・」
其処から澄人の話を聞く玲華益々凄い男と再度見直す。
「ま~じゃ、男性と女性と分けるの、其れに六十以上と、では三回有るの」
「毎月ですよ、八月と一月二月は休みにし、年末年始はそうは行かないけど、
一度参加されたご家族は熱川に来られれば毎度割引が出来る事を上手みに
してはどうかと・・」「大賛成よ、素敵じゃないね・・」
澄人はあらかじめの事を書いて、何とかコンペの商品や、終了時の大会報告を
旅館で行う事まで書いた。
 「ふ~、最初は此れで賛同を得ることが出来ればの話になるけどね、他に
何か有れば加える、ゴルフだけじゃ無いと思えるんだ」
「成程ね、そうなると色々と考えが湧いて出るよきっと」そう言われる。
「ねね、アソコ何時向かえる・・」「え、ああ、あはっ、何時でも良いけど
此処が何とか出来るまでは無理でしょう」
「ですよね、良かった、娘が熱海の部屋に居ると此処はあんたと二人・・」
「そうなるんですか・・」「そうなる、でも菜摘も時間開けさせないとね、
く~楽しくなる」縋りついて甘えた声で言われた。
 翌日、なんと午前十時半には菜摘さんが来られた。
澄人は未だ寝たふりして布団の中、だがその間玲華の役目は有る。
PCを見せて説明をする玲華、聞いてPCを見詰める菜摘、次第に甲高い声が
混じり出し、「此れは大変な事になるわ,熱川杯に為る」
「良いじゃない、だけどメインは何時までもあんただよ、其処は譲るな、
ゴルフ精通しているから細かい事は任せる」
 「凄い、頑張る無理でも押し付ける」
「其処は如何かな、最初は有志連合で良いじゃない、大会が繁盛すれば参加
は増える、ましてあまたのゴルフ場も潤うし賑わうわ・・」
「そうなるように頑張る、あの人凄いわね」「うふっ、別の意味でもいえる」
「え・・」怪訝そうな顔をされるが玲華は其処は深堀しない。
「ね、改装は・・」「あ、其処ね既に話し合いは出来ているの、最高だと皆が
大賛成、あの水平線とマッチ出来る露天風呂が直ぐに賛成を受けたわ、其れと
下の岩風呂はそのままにして、会員の混浴も賛成された」「じゃ予算・・」
「其処なの、まだ定かじゃ無いけど、設計士から一千万円くらいかと言われた」
「良いわ、見積書を取りなさい、金は用意する」「お姉さん・・」
「任せ、あんたも良いわね」
「あ、其処は既に決めて来ているし今日は当たりかも・・」
「ようし頑張ろう・・」「え・・」「ま良いから、風呂に行こうか・・」
「え、あの人は・・」「「寝かせておけばいい、風呂で話も有るし入ろう」
「ま、良いわ行こう・・」
 寝室で総て聞いて居た澄人、苦笑いしながらチャンスを寝て待った。

              つづく・・・・。

体調不良のため、暫く投稿を休みます。
真に申し訳ありません、ご了承賜ります。必ず続きを投稿いたします・・。

















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・27》

 最高至悦、極味、大胆、キスの受け身も男冥利に尽きる、
本当に咄嗟の事で澄人も自分が驚いていた。
何と思いがけない行動に出た自分が心底驚かされているのだ。
だが相手はキスを受けたままの姿勢で動かれない、
此れは本気に為れる人かと思い始める澄人。
 そのまま唇を離すと抱き抱え浴室にと脚を進める、
その間抱かれながら何も言われず、身をしな垂れ落し脚が揺れる中、
手は澄人の首を両手で廻して居られる。
自然とは此れかと疑うが、多少お互にそんな気が無ければ叶う姿じゃ無い筈、
其処が大人なのか、年が一回り以上上の女性だけど、其処も普通とは大違い、
如何見ても三十半ばしか見られない、其れほど綺麗で洗練された体と姿だ。
 浴室に向かう時も脱衣場で衣服を脱がされる間も声一つ出されて居ない、
聞こえるのはため息交じりの息使いだけ。
素っ裸にされた侭突っ立っておられ、急いで澄人は衣服を剥がして丸裸、
其処からまたも抱いて浴室にと入る。
 湯船は湯は無い、シャワ-で二人の体を浸し洗う、玲華の体を洗い流すと、
今度は言葉も無く動きが玲華に伝わった。
慌てて澄人の体を洗うが、途中で手が止まる、無論その場所こそ澄人と
言う由縁の場所、其処も声も出さずに丁寧にの洗われる。
しゃがみ込まれた侭洗われる手を澄人がが引っ張り、自分の物にと導いた。
 其処から異変が生じる、なんと玲華の口が直ぐにあそこにと向かい、
口にほうばると、手が澄人の尻にとはわせ、ゴボッグズチュバチュボツル
チュルチュルズゴズリリ~・・、・・、
「おおおいしいいわ~あんたんあんた~た凄い凄いあんた~・・」
「喰らえや、あんたの物じゃろうが、此れ大事にしてくださいよ」
「うん、判った、若い子なら良かったのにね、御免・・」
「煩いぞ、味わって楽しんでね、玲華さん最高夢ですよ」
「あんた~~~」最高に感激、玲華は我を忘れてしゃぶり倒す。
其れが災いか、十分とは行かないが相当な時間しゃぶり続ける。
 其処から、洗い場に倒れた二人、シャワ-が降り注ぐ中で妖艶極まり
ない女性と今が盛りの男、しかもでっかい物が聳え立つ中で狂い始めた
男女、誰が何と言おうが、もう止められない極地にと二人は邁進、
既に二度三度と転がり、交代の攻撃は半端じゃ無かった、澄人が経験
してきた中では味わえないほどの恍惚を与えてくれる相手の肉体は、
夢遊病者如くに舞い上がり吠え捲る、女の善がり泣きと男の吠え捲る
遠ぼえ、交差する中で何時解れず転がり愛撫は続いた。
 「あんた~殺して~~~な~あんたあんた~~」
「良し心得た覚悟しんさいや・・」「あんた~~~」
泣き叫んで呼ぶ声は男をそそる声に変化していた。
 濡れたと身体の侭澄人は玲華を抱き上げると、庭が見える居間にと
抱いて行く、其処で転がすと、澄人の壮絶な愛撫が炸裂開始。
脚を震えさせ感じる玲華、とんでもなく最高だと何度も思いつつ、
善がりさえ忘れて強烈な刺激をまともに受けだした。
「あんた来て来て様、突いて来て構わんし来てお願いあんたああぁ~」
とんでもない招き声、澄人は頃は良いと察し両足を掲げると股にと向かう
化け物が反り立って突進・・。「う。う、ううヌウうううんんぎゃあぁ・
あ・あ・・あ・ぁぁ~~~~来た来た入るがあんたすふぉいがあんた~」
凄まじい痙攣が起き出した、麗華はもうとんでもない事に為りつつある
我が身、迎え撃るどころの騒ぎじゃない、割入れた物がでかすぎるし
強靭、受ける我身が慄く中、身は既に味を占めたのか呼応し始めた。
 突いた突かれる、戻される、又も突き刺さる、奥底まで棒は遠慮なく
入り込められた。
幾度往ったのかさえ覚えては居ない、覚えているのは又来るが~とのた
打ち回る我が身だけ、その後は声すら出ない程恍惚三昧、女冥利に尽き
る往き様は美しくも有るが恐怖すら覚える肉に、容赦ない攻めが、
まだまだ続いて行く。
 時間さえ過ぎている事も知らないが、判るのは玲華の体に異変が生じて
来ていた。
其れは今まで経験が無い事、なんと数度往かされ続けると有る身が大変化、
玲華が知らない事が我が身に起こってしまう。
(いやだ~、何何これ嫌だ感じちゃうがあんた、其処も何処もかしこも変、
あんた何で感じるが・嘘だ・・)声は出せないが異変を知らされた。
「あんた、待って、大変大変、変になる~」「え・・」
「ねね、如何し様何処もかしこも変なのよ、触られるだけで感じるし電気
が走るのよ、どうしてなの、可笑しいけどそれが凄いから大変なのよ」
「え、意味が・・」「ねね、体擦ってみて・・、アソコも其処も変、
痺れるが、アンタ背中もああ、あう其処も同じよあんた凄い事に為って
いるが往くが其処擦るだけで往かされる~変になっている~くるうが~、
あんたあんたあああ・・・全身が秘部よいいやクリトリス化している~
ダメ~触らないで飛び続けちゃうがねあんた、本当だよ、全部秘部に・・
なっている~くるうが~あんたあんたあああ・・・」
凄まじい痙攣が全身に湧き出て来た・・。
「うほう、なんと凄い体だぞ儲けたぞ・・」
意地悪な男、感じると泣き叫ぶ中体を弄り回す。
受ける玲華は転げまわり往く往くが来たまただ~と喚き泣いた。
それが本当なら最高な肉だと澄人は思えた、我が物はまだ元気、
突き上げて歓喜の中にと玲華を連れて入る。
 其処でもまた同じ定め、玲華は舞い上がる中で泣き叫んでまただ~と
叫んでしがみ付き震えるだけ、
後は又肌を擦られるだけで何度も往ける身、其れを確かめる為に戻される。
「あんた、物凄い事に為った、最高」「未だだぞ」「え~嘘でしょうが」
「人を起こしたまま放られるのが嫌なんだぞ、此れからだがね・・」
「ええ、あんた普通じゃ無いがね」「玲華の体も普通じゃ無いぞ・・」
「今知らされたんよ、もう死んでもいい」
「死なせるか勿体無いが、感じてくれるんだぞ、でも往くのが早過ぎ」
「仕方ないが、最高なんだから」「見ろ・・」「ま~大変怒ったままね」
「如何するんだ・・」「ねね、明日まで待ってよ」「え・・」
「だって玲華一人じゃ持たないがね、ねね菜摘誘う、明日よ明日にね」
「ええ・・」「良いから今回はしゃぶって宥めるし・・」
「阿呆、俺は良いが、玲華さんもう要らないのか・・」
「ええ、欲しいけど・・」「じゃ気が失うまで動くぞ」
「もう何度も失っているんだけど・・」「要らんのか・・」
「いる欲しい・・」「じゃ向かうぞ・・」
「あんた~、おう・あんた~そこそそこが良いが其処も何処も良いが~」
失点抜刀の動きの玲華、既に我身から離れた世界でのた打回るだけだ。
 夕方までオオカミの遠ぼえ如きの善がり泣きは、
砂浜を駆け巡り大海にと声は飛んで往った。

        つづく・・・・。














望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・26》

 七月八日、七夕は大雨、その続きが今日の本降り、伊豆に来て三日目、
既にあの親子は小田原に行かれている。
地元の不動産屋が、何から何までしてくれていると聞く、部屋も店が出来る
傍に決まり、今日から其処に引っ越し、何も道具類は無い、
笑いながら美咲ちゃんが率先して動かれる。
其れが楽しいのか結婚までの予行練習よと、楽しまれている。
費用を出そうとすると玲華さんに怒られる。
此処はうちらがするからと聞いてくれない、其れほど美佳さんを気に居られ
た証拠、何とかなりそうで胸を撫で下ろす。
 「起きた・・」何とこの家では玲華さんと澄人だけ、無論美咲ちゃんは
熱海に部屋が有るし、其処に寝泊まりする美佳と舞、今はそうなっていた。
朝食は二人きり、朝はパンとコ-ヒ-とエッグ、二人は食べながら色々と
今日まで話をしている。
「ねね、此処もそうだけど、アソコ何時向かう・・」「アソコ・・」
「そう飛騨よ・・」「ええ~まだ言うの・・」
「だって、そのままでしょうがね、なんか見えなかったの・・」
「見えたけど普通だぞ」「だから良いじゃないね、もう出来ている場所なら
入る余地は無いわ、でもアソコある・・」「ええ、まじですか・・」
「そうよ、もう何とか考えてよね、何時でも良いけど熱川如何する」
「もう急かさないで下さいよ」「はいはい・・」
「はいは一度だけでしょうがね」「はいはい・・」「・・」
苦笑いするしかなかった。
 其処から熱川の話になる。
「如何、何か有るんかね」「・・」「ね、あんた・・」「・・」
「何よ、返事は・・」「・・」「あんた、あ、御免、澄人さん・・」
「はい考えています、此れから電話しまくります」
「え、じゃ何か有るの・・」「其処が如何かを電話しようと・・」
「何々、教えて・・」「ええ~・・」
「だって気に為るじゃないね、話を聞くとなんか手伝えることも有るかも」
「あ、そうですね、じゃ誰かゴルフに通じている方知りませんか、其れと
大手の旅行会社なども知り合いが居るなら、其処から入れば早いですけど」
「だから何かを聞かせてよね」「じゃ、後で話をしましょうか・・」
「良いわよ、そう来ないとね、早く食べてよ」
「ええ・・」呆れ顔で睨んでしまう。
 食事が終わると霧に包まれた砂浜を見れる部屋で二人は話を始めて行く。
「なんと、じゃじゃアソコが・・、良いじゃないね、ねね、其れ如何進める」
「だから、考えているんです、ゴルフは疎いから難しいかと思ったんですが、
麗華さんから聞くとプレ-される人は若い年代に伸びて来たと聞かされる、
其れなら旅行会社と組んでツア-を造ろうかと・・」
「何と良いわ良いよ、其れ、でも其れが何で旅館と繋がるん・・」
「だから、アソコで集合、車や電車で来られる方が、其処が集合場所、
其処からバスを出すんですよ、ゴルフ場は伊豆には沢山有ります、毎度違う
場所でプレ-出来て、試合形式に運べば人気が出ます、総て其処を仕切る人
が居れば無い良いですけど・・」「うふっ、あんた目が悪いのかね」
「良いですよ」「あのね、菜摘ゴルフが上手い、アマチアではここ等じゃ
有名ですよ」「何と聞いて居ないから・・」「聞かれても居ないしね」
「あはっ、そうですね、でも・・」
「良いじゃない、何から何まであんたがする事は無い、計画を実行するには
地元が一番、多くのゴルフ場を使うなら尚更地元よ。あの沢山のゴルフ場は
元は地元の人が持つ山だったのよ、今は見ての通り様変わり、どんな所から
でも手が出せるわよ地元は・・」
「何と、そうですよね、じゃ其処は後回しで、今度は旅館・・」「え・・」
そこからも澄人が思いつくことを話し始めた。
 「ええ、じゃじゃコンペの発表会もゴルフ場じゃ無くて旅館でかね、流石
考えたわね、良いよ最高じゃないね、良いね其れ其れよあんた」
「未だです、旅館改造加えませんか・・」「え、何処をどうするん・・」
又も其処から澄人が話し始める。
「いやだ~、なんとそうかね、有るよねそんな素晴らしい景観の旅館が・・、
そうか水平線と同じ位置から見れるんだ、じゃ温泉が全部海と思えるよね、
何かで見た事ある」そう感歎された。
「それと、其処は違う場所では混浴も出来る、聞くと既に庭から降りると
岩風呂の露天風呂が有ると聞かされた」
「有るよ、有る、じゃ其処は・・、なんと良いわ良いわよ、会員なら信用が
置けるし金も入る。あんた良いがね最高よ益々逃がさないからねあんた」
「あんた・・」「あ、澄人さん・・」舌を出された顔が最高だった。
 「待ってよ、其れじゃ澄人さんは計画だけにしなさい」「えっ・・」
「だって、アソコは今は如何でも過去は老舗よ、今迄の人脈は相当ある、
其処からこの計画を進める方が良いと思える、遣るのは自分達よ、
伝を伝えば何でも適うわよ、未だあそこは力が有るし・・」
「何と、そうですよね、じゃこれ・・」
「今から電話する、昼から三時迄は暇よ、呼びつけるね」「ええ・・」
「良いから任せて・・」電話をされた。
 コーヒ-を飲んでいると車が来た。
「ま~早いがね・・」「お姉さんが大変だと聞いたから飛んで来た」
息を切らせて来られる。
 其処から澄人は何も話をしない、総て玲華さんが話をされる、
だが其処を聞いて居る内に相手の表情が変わり出す。
「なんと、そうね、其処かゴルフか、良いわ今は女性も多いいし、
ここ等はゴルフ場だらけね、会員も沢山地元の方が居られるし・・、
なんか話は出来そうよ」
「だから、其処からは集めた人に余韻を残すためにも露天風呂・・」
「はい、其処は以前計画していたんですけど、景気が戻らずに・・」
「じゃ其処進めるか、金は出すよ」「え、お姉さん・・」
「阿保じゃね、金迄心配すると集まる人がしり込みさせられるがね、
此処は踏ん張って、自分でしなさい」「お姉さん・・」
「任せてよね、半分は澄人さんに出させるね」「ええ、聞いて居ないぞ」
「出せないの・・」「出すけど・・」「けど何よ・・」
「もう僕の立場が無いがね」「無くて良いの、あんたは影の男で良いじゃ
ないね、表は菜摘だけよ」「成程、そうか其処ね良いね、じゃ乗る」
「阿保くさ、何であんたは鈍感かね」「あんた、誰です・・」
「もう面倒くさい男、澄人さんがあんたよ」「へ、そうなるんですか・・」
「阿呆・・」頭を叩かれた。
 和服が似合う女性、本当に今目の前に居られる菜摘さんがそうだった。
涼しそうな着物が庭から入る風に裾が靡いていた。
「そう言う事で段取りはそちらで出来ますよね、計画はPCで作成します」
「お願い出来ます、今回は大変な事を頼んで申し訳ありません、これからも
宜しくお願いします」頭を下げられ、澄人は辞めてと止めた。
 二時間おられて感動され、何度も頭を下げながら帰られた。
「ふ~、帰ったね、あんた何時でも倒せるよ」「え・・、拙いでしょう・・」
「何が拙いか、此れからあの子も働く糧が無いと困る、あんたが其処を埋める
んだ・・」「え、僕がか・・」「誰かほかに居るんかね」「・・」
「あんたも澄人さんと呼ばすな、あんたで良いじゃないか、あんたと私の仲
だろうがね」「ええ、そんな・・」「駄目か・・」
「駄目じゃ無いけど面白くない・・」
「あはっ、拗ねるな、なな肌がジメジメするね、海際は此れだから困る、
車も長持ちしないしね」「塩害か・・」「そう、お風呂入ろうかね」
「え、入れば・・」「あんたも一緒じゃ・・」「ええ、僕もか・・」
「肌がジメジメしているがね、風呂上がりでビ-ル如何・・」
「其処は良いけど、一緒にですか・・」
「此れからの事も有るし、面倒くさいのは好かん、一緒で構わんだろうがね、
洗うよ、」「ひゃ~・・、逃げよう・・」「こら待て、許さんぞ・・」
追いかけまわしながら笑われる、頃が良い時捉まる。
 「もう阿保じゃね、あん・・あ・あ・あう~~~」
捕まったまま澄人が振り返り玲華にキスを仕掛けた。
 長い長い時間、抱き合ったまま二人は動かない、動くのは忙しい息使いの
為に肩が動く程度、キスはそのまましっぱなしだった。

            つづく・・・・。





















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・25》

 (うふっ、此れが上手く行けば良いけどな、あの親子も頑張れるよな・・)
そんな事を思いながら砂浜で寝転ぶ、最高な瞬間はいつの間にか目を瞑り、
さざ波の音が心地良く眠りにと導いてくれる。
 「お兄ちゃん・・」「え、ああ~舞ちゃん、戻ったんか・・」
「うん、お兄ちゃんが心配でな」「あはっ、言えるがね、一人ぼっちじゃぞ」
「だから、可愛そうに遊ぼうか・・」「ううん、此処で寝て見ろ最高だぞ」
「嫌だ、汚れるがね」「そうか綺麗な服じゃね、可愛いよ」
そんなやり取りが今一番望まれる澄人、起きると既に車は車庫に有った。
 「如何でした・・」「見ての通り、置いて来た・・」「え。では・・」
「そうなのよ、店が忙しいから手伝うと言ってくれた」
そう母の玲華さんが笑顔で報告される。
「ねね、あんたは此れから出掛けようよ」「え、何処に・・」
「良いから付いて来て、舞ちゃん出掛けるよ」「え、又・・」
そんな返事をしながら三人は車で家を出る。
「どちらに・・」真っ赤なアウデイが似合う婦人、
「そうね、今から向かう先は色々と問題がある所」「ええ・・」
「だからあんたを連れて行くの、其処は女学校時代の後輩よ、と言っても年
は向こうが随分と若い・・」「・・」「それでね、あんたを紹介しようと
夕べ思いついたんよ」「思いついた、ですか・・」
「そうなるわ、此処で一人じゃ暇でしょうが、直ぐに出て行くのも気がかり
でしょう、見ていると、何とか遣れそうよ、美佳さん、仕事振りテキパキと
動かれるし、最高・・」「良かった・・」
「ええ、内も最高、人は総居ないわよ、しかも熟練でしょう、泣けるほど
ありがたいのよ」そんな会話をしていた。
 「え、ここ等は熱川・・ですよね」「そう、此処に合わせたい人が居るわ」
車は国道を走り、進む。
「ああ・・」「見えた、素晴らしい場所よ・・」
何と車が向かう所に瀟洒な旅館が目に飛び込んで来た。
その玄関に車は横付け、直ぐに仲居さんが駆け寄り、三人は車を降りる。
「ま~玲華さん・・」「菜摘、連れて来たよ」
「え、ああ~もう忘れていたわ・・」苦笑いされて中に入る。
 「・・、・・」絶句するほどの景観が目に飛込んで、海を一望できる、
しかも水平線に浮かぶ島が数島見え隠れしていた。
「此処でお茶を頂こうね・・」玄関を上がる先のフロアがお茶を飲む場所と
思える、其処には絶景が窓枠に仕切られて、まるで絵画を見ているような
現象を受けた。
「良いですね、此処は」「そう、三台先の先代が此処に惚れられたの・・」
「判るわ、最高じゃ無いですか・・」「そうなんだけどね・・」
そこから話が途切れる、お茶が出され其れを頂きながら目は爽快な自然を
見詰め離さなかった。
「お部屋に・・」仲居さんが案内をしてくれる。
 「キャ~素敵ね、ねお兄ちゃん凄い・・」「そうだな、海が綺麗・・」
部屋からも望めた。
仲居さんが下がられると、舞は庭に出て海を眺めていた。
「あのね、問題は二つある」「何か・・」「此処の先行きと女将さん・・」
「・・」「それでね、以前から相談を受けていたのよ」「え、じゃ・・」
「そうなの経営がはかばかしくないからね、景観だけじゃお客はね、代わり
映えが今じゃしない宿に為っているの・・」「・・」
「それとね、問題は女将さんよ」「え・・」「一人者よ」
「何と、じゃ旦那さんは亡くなられたんですか・・」
「もともといないしね、其処は違う、でも跡取りが欲しいと・・」「・・」
何か話が其処に向かうと察した。
この聞きたくもない話が勝手に玲華さんの口から出だす。
「ね~、聞いて居るの・・」「はい・・」「じゃ何か言いなさいよ」
「え、僕がですか・・」「他に誰が居るのよ、舞ちゃんだけじゃないね、
だから、考えてよね」「何をどこを教えて下さいよ」
「もうだからね、此処を何とかしたい事と跡取りよ」「ええ、二つも・・」
「そうなる、ね考えてよ」「玲華さん・・」「あんたで良いと思えたんだ」
「何でです・・」「だって、決めたら凄いけど、決めるまでは歯痒い、でも
其処は良いかと先走りが無いし、安全だしねえ・・」
「だって此処は手放したくない、私が買えれば良いけどお客商売はこりごり
だしね、其れで相談を受けていたんだけど解決出来ずにズルズルと・・」
「・・」「それで、あんたが来て、良いかなと此処に案内したんだ・・」
「余計ですね」「あはっ、そう言わずに、相手は最高な女性よ」
「ですから益々拙いと思うけど・・」「何で・・」
「あのね・・、ま良いや、そうですか・・」「あらら、投げやりね」
「聞いた最中ですよ、こっちも考えが有りますからね」「はい、御免なさい」
「変な謝り方ですね」「御免」何とも言えない相手、本当に扱い辛い相手だ。
 其処に女将さんが来られる。
(なんと言われる通り素晴らしい女性じゃ無いか、何で男がいないのか)
澄人は素直にそう思えた。
「少しは話したよ」「え、ではこの方が・・」「如何かなとお連れした・・」
「お姉さまとのご関係は・・」其れから麗華さんが経緯を話しをされ出す、
良い機会と庭に出て舞と景色を眺めていた。
「澄人さん、来て・・」呼ばれて部屋に戻る。
『お聞きしましたけど、大学は経営学とか・・』「成り行きでそうですが」
「そうですか、弟さん残念ですね」「ええ、其処は既に諦めているんですが、
なんと引きずりこうして関係が消せなくて・・」「あら、嫌味かね」
「玲華さん・・」「はいはい・・」「あらら。楽しそうね」
「うふっ、この人とは遠慮が無いしね、今は同じ馬の上で並んで乗っている
んですよ、落ちるのも一緒かな・・」「ええ、僕は落ちるの嫌だし・・」
「だから、捕まえているんじゃないね、あんたは同じ馬の上で居るの、判る」
「判りたく無いけど・・」「行けずな男ね聞かれた・・」
「ええ、仲がお宜しいね・・」「そうかな・・」
「舞ちゃん、お庭で遊んでてね」「はい・・」出て行く。
 「ところで、此れから此処を活かすには何が必要かと悩んでいます」
「今お部屋の活動はどれ位です・・」「五十を切ります、週末だけで何とか
凌いでいるんですけど平日が、此処は熱海と下田の中間でしょう、
しれているんですよ」「・・」
「それと、最近は行楽より趣味での旅行が多くて」「中身は其処ですよね」
「ええ、でも解決は難しいですよね」「其処か、何とか考える余地は有るぞ」
「ええ、あんた・・」「お母さん・・」「嫌だ、そう呼ばない約束よ」
「だったらあんた呼ばわりも駄目でしょう」「あらら、はい、澄人さん」
「はい、麗華さん・・」「いやだ~二人とも漫才じゃね」大笑いされる。
 「考えたけど、大事な問題です、直ぐとは行かないかも・・」
「ええ、其処は理解しています、此れからお付き合いもかねて、此処に来て
ください」「え、・・」「あんた、いいや澄人さん、来てと言われているのよ、
返事は其れだけ・・」「あ、其処は言い忘れました、今後とも宜しく・・」
「言えたじゃないね」「玲華さん・・」「はいはい」首をすくめて笑われる。
 澄人は一人で、旅館内を歩いた、本日も少ないお客と見えて、
忙しさは感じられなかった。
浴槽から宴会場、そうして一番のメインの玄関回りを見て回る。
一時間みっちりと廻り部屋に戻ると舞は寝ていた。
 添い寝される玲華さん、本当に四十過ぎとは思えない若さ、肌もそうだし
仕事柄そうなるのかと見惚れていた。
 其処に女将さんが来られる。
「あのう部屋の見取り図を頂いても良いでしょうか・・」
「是非、其れと私の電話番号も添えて置きますね、嫌でしょうか・・」
「いいえ、感激です」「あらら、じゃお渡ししますね」
メモを手に握らされた。
「では暫く考えてみますね」「お願いしますけど、無理な事なら良いです、
もう此処は諦めようかと・・」「ええ・・」
「だって辛いし励みが少ないでしょう」そう言われ、聞いて居ると、
本当に何とかしないと大変だと身に詰まされた。
「ではそういう事で・・」「約束は出来ませんの・・」「え、貴方・・」
「菜摘です」「じゃ、その事は・・」「お聞きして覚悟は出来ているんです、
旅館は後でもと・・」「菜摘さん・・」「はい・・」「・・」
澄人は何でこうもすんなりと向かわれるのかはっきりと読めて居なかった。

                 つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・24》

 夕方まで澄人は舞と砂浜で遊んでいる、家の中は既に母親の玲華さんが
戻られ、娘の美咲さんから話を聞きながら、チャッカリ玲華は美佳の品定め、
いつの間にか玲華が話を横取りし、美佳と話し込んで行く。
 家を飛び出して、美咲は今度は娘の舞と砂浜で戯れる。
横で笑いながら澄人が居た。
「良いわ、最高よ、お兄ちゃん、良い人見つけてくれたね」「え、では・・」
「大合格、逃がさないわよ、後は任せて」「頼むわ、良かったな舞ちゃん」
「良い事なんか・・」「ああ、親子で暮らせるぞ、仕事先が出来たんだ・・」
「うひゃ~ほんまか、お母ちゃんと一緒に住めるんか・・」「ああ、そうだ」
「うれちい~~」飛び込んで澄人に縋りついた。
 浜で座り、澄人は美咲から今迄の事を聞いている、家の部屋では未だ美佳と
玲華は話を続けていた。
『あのね、十年以上のベテランだし、技術は大阪で仕込まれているし、気が
良いのよ本当に助かる」「そうなるか嫌なら良いぞ」「嫌ならどうなるん」
「連れて戻るだけ」「え、じゃお兄ちゃん関係有るんか、聞いたら無いと」
「無いが、其処は別」「同じと思うけど、抱けば・・」「おいおい・・」
「うふっ、其処は嘉人さんと大違いよ」「ええ・・」
「だって、手が早かったわ・・」「あはっ、そうか・・」
そんな会話も今じゃ遠慮なく出来る間、弟の婚約者の美咲は快活な女性だ。
 漸く家の中に戻る三人、既に食事は運ばれて来ている。
皆でテ‐ブルを囲んで夕食、其処も賑わいは止まない、特に母親の玲華さん
が美佳を褒め称え、着付けや結婚式も賄えると大喜びされる。
「ねね、澄人さん、お願い預かる」「良いんですか、僕は大賛成だけど・・」
「じゃじゃ、小田原に店を出す、今手ごろな場所が開くのよ、手が足りない
から地団太踏んで見逃そうと考えていたの・・」「え・・」
「そうなのよ、腕は確かそうだし、なんといっても人間性が素敵よ、一度で
惚れたわ」そう言われる。
「じゃ、ママ、小田原・・」「ああ、出すよ、お前と美佳さんで仕切れや、
お前は熱海が有るから毎度とは行かない、面倒を見て二人でのし上がれ」
「ええ、他人事見たい・・」「ああ、此れからはそうなるよ・・」
「え、意味が・・」「あのな、店は既にお前の代じゃ、此れからは優秀な人
を頭にして、どんどん進め、結婚式場も出入りできるぞ」
「あ、そうね、じゃ美佳さん頑張ろう・・」
手を握り合い感激する美佳、泣いていた。
傍で寄り添う舞を見て皆も泣いてしまうもほろ苦いワインを飲んで行く。
 午後十時、舞が寝ると、今度は大人だけの宴会、其処でも話は小田原の
店の事、既に美佳は此処の人に可愛がられている。
「そうだ、あんたね、アソコどうなったん・・」「え、どこです・・」
「もう飛騨よ・・」「ああ、其処は報告していた通りですが・・」
「ええ、じゃ何も決めて来なかったん・・」
「だって、そのまま一度離れろと言われましたが・・」
「あはっ、もう聞いたかね美咲、弟と偉い違うが・・」
「本当ね、嘉人さんは後報告だけ、お兄ちゃんは仕上げもせずにか・・」
「言えるけど、そのほうが気に為るから良いかも此れからも造る、其処を
少し使おうかな・・」「良いわね、ママが仲間に入れば良いじゃないね」
「そう考えてたんだけど、こいつが此処に来るから計画が駄目になった」
「ええ・・」「そうか、旅行できなくなったね」
「そう、もう仕事手分けしていたの、相手の気持ちを探りもせずにこの男」
「え、無理ですよ、聞いて居ないし、そんな瞑りなら先に教えて下さいよ」
「だね、だね、今回はママが先走りかも、お兄ちゃんは悪くないわよ」
「だろう、吃驚するわ・・」四人で笑いながら酒が進む家の中だった。
 しかし、部屋ではこの話が終わる事は無い、此れからの動きは玲華が考え
ていた通りとは行かないが、澄人が回る先の出来事を詳しく、此処で話す
羽目に為る。
「駄目、総て言いなさい、此れから出会うに其処を知って置かないと拙いわ」
「良いですよ、僕が一人で回るし、アソコも戻るかどうか判らないし・・」
「駄目~、もう勝手は駄目よ、麗華が居るし、此れからは何処までも繋がり
は持つからね」「ええ、お母さん・・」
「あんたね、其のお母さんって玲華の事かね」「はい・・」
「ええ~、もう酷くないかしら、ね~美佳さん・・」
「え、私に・・、そうですね、お母さんは可哀そう」
「だろう、そんなのにこいつは何時までもそう呼ぶんだから・・」
「仕方ないでしょう、弟の婿入り先が此処だったんだ、其処の主がお母さん
でしょうがね」「理屈は良い、今後お母さん呼ばわりは禁句、麗華で統一」
「・・」呆れる澄人の顔を見て、美佳と美咲は大笑いする。
 だが此処での話はさて置いても、澄人は最高な人に出会えたと感激、
弟が世話になっていた家族だけど、今はその弟がこの世に居ない、
だからこんな形で再会、しかも今じゃ、弟と違う立ち位置、株を買わされて
いるし、今度は女性の働く口が此処と決まった。
そんな繋がりは弟とはまるで違うと結果は同じでも其処は認めたかった。
 夜中遅くまで家から漏れる明かりは前の白い砂を色付したまま時間は経過
して行く。
漸く寝付いたのが午前二時過ぎ、片づける間も無く四人は倒れ込んでいた。
「いやだ~、お母ちゃん」「え・・、アま~寝た侭かね、大変、台所・・」
美佳が起きて顔を洗うと台所に立つ、人の家だから道具を探すのが大変、
何とか朝食をと頑張る、其れを見る舞も手伝ってくれた。
 午前八時、舞が寝た大人を片っ端から起こし、苦笑いされる中、
並んで洗面所、笑う顔が見えた。
其れから遅い朝食、驚きながら玲華は感激、みそ汁や卵焼きや、
魚の焼き物だけだが、其れが結構お良いしいから、美咲も大感激、
一番は澄人が驚いた。
(成程母親だわ・・、しかしこの家の母親は・・)
横目で見るが、其処は偉い違うと見た。
 この家の母親は家に閉じこもる女性じゃ無いとはっきりと見定める、
其れは良い事か悪い事か判断できないが、仕事柄そうなっているんだと
思うしかない、でも豪快さは認めざるを得なかった。
 楽しい朝食を終えると、なんと美佳を連れて家を出られる、
無論舞も同行、残された澄人一人、呆れる程残された姿が笑えた。
 「あはっ、余計もんか・・」苦笑いするしかない、今回は親子の住む町に
と為ろう、此処も自ずから通う事なる筈の家、此れからの舞ちゃんの成長が
見れる場所に為ると思うと、一人残されても文句は言えなかった。

               つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・23》

 朝早く旅館を出て、目当ての富士巡り、支笏湖方河口湖で遊覧船、
昼食と熟すと、又車で富士を後にし、伊豆スカイラインを走り行く。
強行な走行にも舞ちゃんは元気そのもの、流石に澄人も美佳さんの疲れ気味、
予定の車での宿泊はしようと伊豆半島の高原を走る道に感動しつつ走った。
「あのう・・」「何か・・」「何処で・・、グザイは買っているけど・・」
「そう、何処かキャンプ地を探しましょうか、この道筋に有る筈ですよ」
そんな会話をしつつ、車は既に伊豆半島の中間地にと来ていた。
「休みましょうか・・」「キャンプ地は・・」「其処まで行きますか・・」
頷かれて走る。
 漸く、キャンプ地にと到着、広場はクルマは少なかった。
車から降りて、買い物を出し、道具を始めて取り出す。
傍で舞ちゃんが得Mずらしそうに見ている中で大人二人は奮闘、何とか用意は
出来て、其処から今度は舞が主役、大騒ぎでバ-ベ-キュ-を支度した。
 「良いですね・・」「ま~素敵、舞・・」
「凄い凄い、お母ちゃん初めてよ」本当に喜んでくれた。
日が落ちて来て、用意を整えるとさっそく開始、多少疲れるが楽しい時間、
焼ける肉や貝類、野菜、其れを舞の皿に運ぶ澄人、横で見る美佳は最高に
幸せなひと時に為る。
一時間半余り楽しく食べて騒ぐ、すると早くも舞が眠いと言うから、
車の中を整理して、舞を寝かせる。
「貴方・・、有難う」そう言われる。
二人は後片付けをしながら、テントは張らずに車でと言われ、澄人は従う。
 午後八時過ぎ、空は梅雨前の晴れた天気、山の上だから星が綺麗に瞬く中、
二人は舞を寝かせ横で寝転んで静寂の中、言葉も出せず窓から夜空を見詰る。
「幸せ、もうこんな事無いわね」「作りましょう・・」「え、貴方・・」
「だから、今後は頑張って、行きましょうよ」「貴方・・」
「舞ちゃんの成長を楽しめば良いじゃないですか・・」「・・」
返事はされないが、澄人は芯からそう思えた。
「貴方との約束・・」「え・・」「もう知らない・・」「ああ、裸・・」
「もうデリカシイが無い人」「あはっ、そうですよね、御免」
「何時機会あるの・・」「え・・」「約束よ」「其処は既に過ぎました」
「ええ・・」「あのね、僕は考えたんですよ、行きずりなら其れも有かと
思ったけど、舞ちゃんを見ていると、まだ先が見たいと思うようになってね」
「え、じゃ・・」「はい、其処は見過ごしましょう、今後は約束は出来ない
けど、有れば逃さない・・」「有るの・・」
「如何かな、有れば良いけど無いかも・・」「・・」返事は戻らなかった。
 「此れからは美佳さんは仕事が適えば頑張って舞ちゃんの成長を楽しんで、
出来れば僕も協力したい・・」「貴方・・」
「僕は考えたんですが、美佳さん男に押され気味、自分を大切にして・・、
必ず良い事が来ます、でも嫌なら嫌と表現はした方が良い、男は弱みに付け
込むんです」「え・・」「貴方は、シャイだから嫌と言えず男に押される
タイプと見ています、だから此れからは其処は自分で決めて行動してね」
「・・」「要らん事言いましたが、気にしないで下さいね、僕は今の親子が
大好きですよ」「・・」返事は帰らなくなり出す。其れでも澄人は意の事を
言い続けて行く。
今後の事や、自分を大事にして欲しい事や、此れから何か困った事が有れば
知らせてと、最後はそう伝えた。
 (え・・)知らない間に横に寝ている二人の手が繋がっていた。
力なく握り返される手は暖かく粘っこい汗をにじませて繋がる。
「貴方・・」「何・・」「有難う」「それ何度も聞きましたが・・」
「言いたいの・・」そう言われ手に力がこもり握られる。
「僕も、先は判らないが、親子は大事に見守りますね」
「有り得ないけど、有った、あの時の気持ちが嘘の様に・・」
「此れからですよ・・」そう伝える。
 暫くすると、疲れたのか目を瞑り、会話は途絶えて、
車内は澄人の鼾が聞こえだす。
 朝になると、真っ先に舞が起きて、二人は叩き起こされた。
車は山を下り海が迫る景色を降り降りた場所は河津、熱川を過ぎた場所、
国道を伊豆下田にと向かう。
 途中で朝食を兼ねた食事をする、その間携帯で相手に電話した。
「あらま~、傍に来ているのね」「気がせいて、紹介したいしどうかと」
「良いわ、大歓迎よ、其処河津よね、じゃその道伊豆に向かい来て、途中
で白浜と言う場所が有る、其処に家が在る直行して、美咲を向わせる」
「え、良いですよ、忙しんでしょう」「何よ、あんたが来てくれたんだし、
良いからそうして」住所教えると言われ、慌ててメモを取り、
一時間程度かかると聞いて了解する。
 「連絡付きました、食事の後向かいましょう、僕も家は初めて伺うんです」
「・・」驚かれた顔をされるが、大丈夫と伝え、食後又車は走り出す。
左手は海、既に熱海、熱川を超えているから、もう直ぐ伊豆かと思われた。
「え、ここ等かな」「え・・」「そうなんです、白浜ならここ等だけど」
道に従い走りながら、住所番地は聞いたが、其処が何処かとナビに住所を
打ち込んだ。
「目的地はもう直ぐです、この道を走って下さい」「あはっ、聞こえた」
舞が笑う中、車をユックリ走らせる。
 「間も無く目的地に到着します」「聞こえた舞ちゃん・・」
「うん、もう直ぐだって・・」車はそのまま道を話った。
 「ええ~・・、嘘・・」何と車の前方の道に手を振る女性が見える。
「ああ~。美咲ちゃんだ~~」澄人の声で驚く舞と美佳、道の左側で手を
振る女性の前で車が止まった。
 「来たわね、間に合った、前もって知らせてよね」
「御免なさい、急に真っすぐ此処にと・・」
「あらま~、可愛い女の子、お名前は何かな・・」「舞、お姉ちゃん誰ね」
「美咲お姉ちゃんよ、まお母様・・」外に出た美佳を捕まえて驚く。
「此れは、美佳と申します」「はい、聞いておりますけど、美しいわ、
素敵よ、ねねお兄ちゃん、最高じゃない、一目ぼれよ」「え、じゃ・・」
「ええ、大大合格、ママが見てもそう思うし逃がさないわよ」
大歓迎され、なんと家は直ぐ有った。
 「・・、・・」言葉が出ない程最高な場所,家の庭が海に面して居る
みたい、間を遮るのは真っ白い砂浜、白浜とはよく付けた名だと感激。
屋敷も相当、声が出せない程呆れる、弟から聞いて居たが、
最高な家だとは知らされているが、現実は遥かに想像を超えていたのだ。

               つづく・・・・。
























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・22》

 軽い口を叩いて言葉遊びをしていた二人だが、互いに時間が気に為出した。
家族風呂は午後十時から十二時の予約、その時間が迫って来る。
『あのう・・』「え、ああ~時間に為りますね」「そうなるけど・・」
「嫌なら止めましょう・・」「ええ、貴方・・」
「だって、そんな気持ちなら楽しくないし、僕も今となって如何でもよく為り
出した・・」「ええ・・」「・・」「貴方、そうじゃ無いの・・」「え・・」
「あのね、時間が来るから胸が苦しく為り出したの・・」「嘘・・」
「ま~~酷い、本当だから・・」「そうかな、嫌に為られていると思えた・・」
「何で・・」「だって時間が気に為り出されていたし・・」
「それは娘を起こそうか如何し様かと・・」「え・・」
「この子私がいなくても寝ていますのよ、朝になると起きるけど、起きるけど、
寝着いた頃は起きないから・・」「あ、其れじゃ家族風呂・・」
「そうなんよ、連れて行こうか如何し様かと・・」「起きないんですか・・」
「今まではね、だから三十分くらいなら・・」「位なら・・」
「連れて行くほうが酷かと・・」「そうなるんですか・・」「ええ、今迄はね」
「じゅあ一時間は・・」「ええ、其処までは大丈夫かしら、判らないけど・・」
「・・」「何で、一時間も入って居れますの・・」
「其処は、如何かな、でも其処で酒を飲んだり寝そべり話もしたい・・」
「貴方・・」「だから色々と考えてて興奮して居ました」
「ま~、正直ね、聞く相手の気にもなって下さい、如何お答えすれば良いの」
「思うままが良いです、こんな事で嘘やしょうがないかと思うなら進まないで
おきましょう」「え・・」「そうじゃ無いかな、二人で居るだけなら未だ良い
けど、裸に為るんですよ」「あ、そうなるわね」
そんな会話をするが、総て虚しい、時間が経過する中で余計な話をしてしまう。
 「ねね、裸魅せた後は・・」「ええ、美佳さん・・」
「お聞きしたいのよ、貴方の本音」「あらら、其処までは・・」
「聞けないの・・」「勘弁して下さい・・」「じゃ、抱かれる事は有なの・・」
「え、其処も・・」「其処も、なんですの・・」「無いかも有かも・・」
「ま~成行ですよね」「そうなるけど、向かう前からこんな話有ですか・・」
「だって、美佳は決めているから・・」「どっちです」「どっちかな・・」
「ええ・・」「焦らしたいけど、其処は見透かれて居るみたい・・」「・・」
「そうでしょう・・」「其処か、痛い所だけど、今は挑む気が無くなりつつ
あるかな」「ええ」「そうなんです、最初は本当に其処までと色々考えて
いました」「貴方・・」「でも今は自分に正直に聞けば返事は最初の時より
変化しています」「変化・・」「行きずりの男女、その結末は抱合い、とね、
でも今はそうは思わなくなりました」「何でですの、魅力ないから・・」
「其処は有り過ぎですよ」「可笑しな事・・」
「可笑しいいんです、考えると益々そこの舞台に上れなくなります」「・・」
「何でかと今迄考えていたんですが、漸く見えました」「え、見えたの・・」
「行きずりではなく、今後も色々と付合い、舞ちゃんの成長を見たくなった」
「え、貴方」「仕事も伊豆でどんな話になるかは判らないけど、僕は自信が
有る、必ず、相手が貴方を求めますよ、其処は保証、だから今後の事には、
今夜の家族風呂は要らんかなと・・」「貴方・・」
「予約は良いじゃないですか、入らなくても良い、誰にも迷惑は懸らない」
「貴方、本気なの・・」「出来ればそのほうが良い、このまま旅して伊豆に
向かうほうが良いかと・・」「・・」返事は戻っては来なかったが、
気にしていた事が言えた澄人、ワインを一飲みして自分自身に頷いて居る。
 少しの時間、会話が途切れるが、其れも有かと気に為る時間を、
澄人はその姿で見送る様に時間の経過を過ごす。
 午後十時に為った。
「貴方・・」「え、ア時間か・・」「・・」「見過ごしましょう・・」
「・・」返事は又も帰ってこなかった。
ワインを飲むにつれ、この親子が本当に気に為っている事に気付かされる。
「あのう、此れから三十分、僕が話をします、その時間頂けますか・・」
「何か・・」「僕の事殆どご存じない、今話して置きます。もうこんな機会
は無いかと思われ、今だと決めた。今から話す事は、僕の旅に出た理由と、
此れからの事と加え聞いて欲しい」「心してお聞きする」そう返事をくれた。
 遂に澄人は話を切り出す。
一年前の家族の交通事故からその後の一年間の生活や、如何して旅に出よう
と決めたのかも、其れにアソコで出会う前に飛騨での事も包み隠さずに話を
し、飛騨に向かった理由も名古屋での事を追加で話、一息入れる。
「なんと・・、そうでしたの、知らないから、暢気に旅か、良いなと・・、
そんな事で一年間、辛かったと思います」「では続き・・」
そうして話は弟の交際相手の家族の話を始める、其れは美佳にも聞いて置き
たい事、澄人はなるべく詳しく話をする。
 「ええ~では、貴方・・株・・、大金じゃない・・」
「其処も家族が事故で無くなったための金、大事に育てて何かに使おうと」
そこからまた話を続けた。
 「ええ、では、ま~、名古屋で援けた家族のあの里・・、ま~有り得ない
けど有ったんだ・・」「ええ、親子ですよ・・」「・・」
そこは無視されて、澄人を睨まれる。
 また勝手に話を進める。
「待って、じゃその株話は、伊豆のお母様からなのね」
「ええ、だから、今だに弟と交代でお世話になっているんです」
「大金じゃない・・」「信じているんです、僕の金みたいだけど中身はそう
じゃ無いし、此れを如何するか悩んでいた矢先ですよ」「幾ら位なの・・」
「総ては言えないけど相当。株には半分以下しか今は出して居ません」
「ええ、なんと、本当なの・・」
「ええ、嘘みたいだけど、家族三人がしか亡くなったんですよ、保険や相手
からの慰謝料や諸々、相手は大手の会社のトラック、弁護士がしてくれた」
「・・」返事が戻れないほど驚かれる。
 「だから、今から向かう伊豆は大事な相手なんです」
「そうなるわね、そうね、関係を知らないから・・」
そう言われながらワインを負けずと飲まれる。
 「今度は僕の夢と趣味・・」「・・」
「僕は今回の旅は決まりが出来ていたんです、でも今は其れも破っています」
「ええ・・」「実は今から向かう母親と話しが出来ていて、旅も其のお母さん
から勧められたんです。必ず民家に泊まりなさい、ホテルや旅館は週に一度に
して、民家に泊って色々な話を聞いて、勉強してと・・」「あらら・・」
「それで旅に出た、だから車にはテントや寝袋、其れに野外で食事を作る道具
も多少積み込んでいるんです」「ああ、じゃ、車に箱が四個有ったけど・・」
「其れなんです・・」「じゃ私達の為に決まりを破った訳ね、御免なさい」
「いいえ、そうじゃ無くて言いたいのは、舞ちゃん」「え、娘が何か・・」
 そこから澄人の願望を話し始めた。
「ひや~、じゃ野外経験、いいや楽しいじゃないね、ねね、それ出来るの」
「ええ、何とか出来ます、野外でバ-ベキュウ-や、車で泊まる・・」
「素敵、あの子喜ぶ、ねねお願い旅館は此処だけにして、ね、車で寝よう」
「美佳さん・・」「そんな経験は舞には必要かも、お願い・・」
手を合わされる。
「では、明日富士山を見て回り、その後はそうしましょうか・・」
「はい・・、素敵よ・・」
 其処で話は合致・・。
「じゃ美佳の事も・・」「待って、其処は今は良いです。今の侭が最高、
過去は過去、何れ聞きたくなると聞かせてください・・」「貴方・・」
そう言いつつ、本音は聞きたかった。

            つづく・・・・。























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・21》

 七月一日、今日は多少曇り空だが、雨は落ちてはいない、
朝、舞ちゃんに起こされ朝風呂を頂き、朝食を食べると宇奈月温泉街を出る。
相変らずテンションが高いのは舞ちゃんだけ、澄人と美佳は昨夜の話が
残っているのか会話は弾まない、だけど車が何処に向かうかとは聞かれない、
舞ちゃんが喜ぶ中、母親の美佳は後部座席で外を見て居られた。
「ねね、今日は何処や・・」「うん、舞ちゃん富士山知っているか・・」
「ええ~舞は馬鹿じゃないよ、高いお山でしょう」
「おう、そうだぎゃ、其の富士山が見れるからな・・」「ほんまか・・」
そんな会話をしながら一度後部座席の美佳さんに話しかけた。
「狭い道じゃ、舞ちゃん車酔いするかもしれないから、一度日本海まで戻り、
其処で高速に乗り、遠回りだけど時間はそのほうが早いし良いですよね」
「はい、どうぞ・・」なんか冷たい感じだが、澄人は其処を掘り込まずに
舞ちゃんと会話を楽しむ。
 車は一度八号線に戻り、北陸道に上がり走る、新潟方面に向けて走り、
長野道だに入り暫くすると中央道に合流、其処で一休みをし三十分後又走る。
 昼前には何とか中央道から中部横断自動車道に入り走った。
途中で景色が良い場所で休憩と食事をする、ほとんど寝ていない舞も流石に
目がトロンとしてくる。
 午後二時頃は車内は静か、澄人は美佳さんと話がしたいが、
舞が寝ているために其処は我慢する。
旅に為れていない舞を気遣い、ゆっくりと走る中、何とか目的地と目指す。
 午後四時前、何とか富士山が見える場所に到着、
そうして下部温泉インタ-で一度高速を降りる。
「美佳さん、今日は早めに宿に行きましょうか・・」「え・・」
「明日は早くから富士巡りに為りますから・・」「そうですの・・」
「良いですよね」「・・」返事は戻らないがミラ-に頷かれる顔が見える。
 何とか車で探しながら走っていると、温泉街に入れた。
今回は自分で探そうときょろきょろするから、美佳さんが、
「危ないわよ、探すの任せて・・」「有難い、お願いします」
そう返事して車を動かせていた。
 「あ、此処は如何かしら・・」「古そうですね・・」
「でも玄関も素敵だし、年代でも格式は有りそうよ」
「そうですか、じゃ聞いてきますね」玄関に入り部屋があるかと聞いた。
 車に戻り、「流石、最高な宿ですよ」「良かったけど良いの・・」
「行きましょう、舞ちゃん寝ているから抱いて行きます」「貴方・・」
「行きましょう」何とか宿は取れた、早く部屋で倒れたいと思えて来た。
案内される部屋は庭が望める素敵な和室、本当に落着ける宿だった。
「わ~、何起こしてよ・・」「あはっ、良い顔で寝ていたからな・・」
「此処で泊まるんか・・」「ああ、明日は富士山だぞ」
「うん・・」喜んでくれる。
 流石に疲れた澄人、風呂も入らずに倒れてしまう。
「お兄ちゃん・・」「寝かせてくれ、食事時は起こしてな・・」
「うん、良いわよ」許してくれた。
湯に入りに出た親子、静かな部屋で直ぐに眠れることが出来た。
 どれくらい寝たのか、起こされて、いったんどこと思うほど疲れて
寝ていた事になる。
夕食を三人で食べるが又も舞が甲斐甲斐しく世話をしてくれる、
其れが最高に良い、澄人は最高だと舞を褒めて一緒に食事をする。
 食べ終わると、庭に出て夜空を満喫、星が綺麗だから舞と並んで見た。
疲れも癒される相手、本当に合って間も無いが長い付き合いと思うほど
懐いてくれる舞、澄人はどれほど癒されているか感謝するほどだった。
テレビの漫画を見ていつの間にか寝ている舞、手が懸らない女の子、
寝室に運んで寝かせる。
 「貴方・・」「はい・・」「夕べは御免なさい」
「ええ、其処は反対でしょうが、僕が謝らないと・・」
「ううん、考えたの、そうしたらね従うほうが良いかなと・・」
「あらら、じゃ元の貴女に帰りますね・・」「えっ・・」
「そうじゃ無い、従っていく内に何か息苦しくなり、今度はストレスが
溜まって我慢の限界でしょう・・」「それは・・」
「僕は好かん、貴方の意思で動いて下さい、言われ従うと良いと思うけど、
其処は自分でそんな場所に向かうとは違いますよ」「そうなりますの・・」
「そうじゃ無いんですか・・」「今まではそうかな、でも今は違うと思う」
「ええ・・」「ですから、昨夜の事謝っています」「ええ・・」
「だから、其処は言われて其れも有かと・・」「何と、美佳さん・・」
「それで車の中で考えていました」「あらら・・」
「ですから従いたいんです、今回は自分から進もうと・・」
「美佳さん、無理は駄目」「いいえ、其処はそうじゃ無いし、ねね、案内
を見てたら此処家族風呂有るのよ」「え・・」「見て来れ・・」
「ああ、有る」「だからいきなり裸じゃ拙い、家族風呂なら自然じゃない、
お願い最初は其処で見てて・・」「ええ」「お願い・・」「美佳さん・・」
 澄人は驚いた、なんと自分から其処を言われたのだ。
「でも・・」「何よ、貴方が言った事よ」「そうですが、其れは酒が・・」
「ま~酷い・・」「済みません、見たいけど無理やりになりませんか・・」
「なるわよ、でも美佳がそうすると決めたの・・」「・・」
声が出ない程感動、其処まで進めるんだと尚も疑う自分が可笑しかった。
「じゃ、貸し切り時間聞いて見ましょうか・・」
「お願いします、遅い方がいい、舞も起こさないと・・」
「あ、そうかじゃ聞いて待つ間ワインでも・・」「ワインですの・・」
「嫌いですか・・」「大好きです」笑われる。
貸し切りの時間を聞いた序にワインを頼んだ。
「じゃ乾杯」「え、何にですの・・」「え、あ、そうだ互いの裸にです」
「いやだ~貴方・・」そう言われながらも乾杯された。
 ワインを飲みながら不思議な縁だとつくづく感じた。
舞ちゃんが寝ていた自分を覗かなければこの出会いは無い、あの砂浜での
事は、はじまりの最初の出来事に為っている。
思うと、そうなる道かと思うけど、其処は互いが何か惹かれないと出来
得ない事、澄人は一人旅、相手は路頭に迷い死ぬことまで考えて居られた。
何から何まで突き進むと其処の其処の出会いから始まって来た。
二、三杯ワインを飲むと体が温かくなる。
「ね、何考えていたん・・」「え、裸じゃ在りませんからね」
「ま厭味ね、良いですよ」「今思い出したのは不思議な出会いだと・・」
「そうね、本当に・・」「だから、天に感謝して今乾杯をしたところです」
「嘘や其処は・・」「当たり「、でも感謝は本当だぞ」
「如何かな、裸見て失望されるわ」「しないしない、今でもしていないし」
「ええ、意味が・・」「しまった、本音です」「呆れた人ね・・」
斜め顔で睨まれ、つややかで最高な仕草に秒殺する。
 本当に裸が・・、そう思うとワインが肉に染み込んで来てほろ酔い・・。

             つづく・・・・。
























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・20》

 だが今夜は少し違う、美佳さんはビ‐ルこそ飲まれるが顔は未だまとも、
話も筋が通る。
「ねね、このままだと困る」「え・・」「だって娘も居るし、金は嵩むわ、
だからね、如何すれば良い・・」「もう、何も無いし要らん」
「ええ、貴方、嘘は駄目、汚れているから・・」「ええ・・」
「そうとしか思えない、こんなにして頂いて、美佳は如何にも出来ない」
「良いじゃないですか、考え過ぎですよ」「辛い・・」「え・・」
「もう辛いわ、いっそ抱いて・・」「・・」「ね、貴方辛いから・・」
「駄目でしょう、そんな考えで抱かれても虚しいだけですよ」
「それでも救われる、お礼が返せないし・・」
「其処が嫌だな、何事も見返りですか、相手次第でしょうけど僕はそんな
考えでは求めたくないし・・」「貴方、でも事情が・・」「其処も嫌です」
「・・」騙られる。
 思えばズバリ的中かも知れないが、此処は真反対の事を口にする、
其れで自分にブレ-キを懸けようとしていた。
「旅の空、あなた次第で美佳も多少気持ちが、このままじゃ娘を大事に
してくれる貴方に、苦しい」「・・」「ね、何か言って下さいな・・」
「何を言えばいいんです・・」「え、貴方酷い・・」
「酷いですか、じゃそうしておきますか・・」「貴方~・・」
目に涙を浮かべられ睨まれた。
 「では何か求めれば良いんですね」「そうなりますけど・・」
「そっか、じゃ夢でも良いですか・・」「良いけど、どんな夢・・」
「夢は夢、適うなんて思いもしない事」「え、其れどんな夢・・」
「言えないから夢なんです」「もう、言葉遊びは堪忍して下さい、辛いし、
夢って美佳で叶えられますの・・」「え、そうなります」「何かしら」
「無理でしょうから良いですよ」「ま、未だ聞かせて頂いて居ませんけど、
何・・」「・・」「ね、何か言って叶えられるならする」「無理ですよ」
「するから・・」何とも言えない程二人は強情、其処は澄人は負けている
けど、話を終わらせたくなかった。
夢は夢、憧れは夢と同じ、だから言ったまでだが今は敵うかと思い始める。
「何か、言わないとご返事が出来ない・・」
「じゃ、此れから数日間、旅をして伊豆に入りましょうか、此処から何処
かに寄り、そうして向かう先は伊豆で如何です」「良いけど、又お金が」
「其処は無視で良いじゃないですか、こうして他愛無い事で言い合うのも
最高・・」「いけずね、女性を困らせるのね」「そうなるんですか・・」
「ええ・・」「じゃ困らせ序にお願いが有ります」「何か・・」
「今夜は良いけど、次泊まる場所ではお願いしたい事が有ります」
「何・・」「其処は後で今はとてもじゃ無いけど言えない」
「ええ、そうなの言え無い事、美佳に対してですか・・」「はい・・」
「あら、言えない事、何かしら・・」
「考えて居て下さい、僕は一度風呂に行きます」「え・・」「御免・・」
何と一人で部屋を出た。進めない問答に疲れた身を湯に浸らせて、
思い浮かべるのは美佳さんの姿だった。
 どこまでも体たらくな男澄人、でも本音は言わない卑怯者、
そんな思いはしていた。
 部屋に戻ると、美佳さんは横に為られている、隣の部屋には三枚の布団が
並べられている、其処を見て部屋に戻るとビ‐ルを飲み、
窓からテラスに出て川の潺と蛙の合唱を耳にして、最高な夜風に身を預ける。
 手すりに縋り、川音を楽しんでいた。
「貴方・・」「あ、美佳さん、起こしたの・・」
「ううん、寝て居ないし、此処良いわね」
「ですね、最高ですよ、お風呂も良かった・・」「一人でね・・」
「ええ、嫌味ですか・・」「そうよ、言わないとお返しが・・」
「あはっ、飲みますか・・」「持ってくるね」
場所はテラスに変わるが、二人は又も缶ビ‐ルを握り夜風に当たる。
「ねね、顔を見ないから、先ほどの話決着点けましょう」「ええ・・」
「ね、お願い、なんか楽しくなりそうよ」「ええ・・」驚いて顔を見た。
「だって、何かとワクワクしているのよ、こんな私でも抱いて下さるのか
なとも・・」「ええ~・・」「そう思うのは美佳の勝手でしょう」
「そうだけど美佳さん・・」「こんな旅はした事無いし、数日前の私からは
考えも出来ない事、この先はどうなるのかと悩んで彷徨ってたのにね」
「・・」「それが如何、今ワクワク感が増して来た、美佳を美佳を抱いてと
叫びたいのよ」「・・」「でも相手は其処を言われないまま、何か夢がある
とだけ、何かと考えるじゃないね、抱くなら構わないし、喜びがあるなら
尚良いけど、欲張りよね美佳は・・」「・・」
「ああ~言っちゃった、胸に痞えていたんよ、此れで気が楽に為れる、
こんな体惜しくも無いけど、其れじゃ相手に失礼でしょう、今回は心底相手
に喜んで貰う積り、気を入れて縋りついて、其れから、ああもう大変・・」
「・・」そんな事まで話しをされる、酒と旅先だからか、そう言われた。
 「気持ちが良い風ですね、明日も天気かな・・」「貴方・・」
「如何です、明日は何処に向かいますか・・」「え、貴方・・」
「明日は、大町から長野を通り、中央高速に乗りましょうか、其れとも山梨
から富士山も良い、其れなら箱根からが良いけど其処は翌日にしますか・・」
「ええ~、貴方・・」「駄目ですか・・」「貴方、其れ本気・・」
「ええ、嫌ですか舞ちゃんが喜ぶと思うけどな・・」「貴方・・」
感極まる美佳、突然澄人に縋りついた、狭いテラスで逃げ場が無い、
澄人は受け止めた侭動かなかった。
「貴方、最高よ、美佳を焦らして弄んで、女の気を狂わせて知らん顔・・、
憎たらしいけど最高よ」しがみついたままそう呟かれる。
横からしがみ付かれているから左手が諸に相手の胸の谷間に挟まれていた。
「美佳さん、何も言わずに其処も考えずに、のんびり伊豆に向かいましょう」
「貴方は其れで良いかも、こんなにしてくれて恩返しが返せないじゃない」
「返せなくても良いし其処は思っていない・・」「其処、何処ね」
「え、恩返しですけど」「良かった、じゃ美佳は女よね、如何そこだけは
ハッキリして下さいね」「ええ・・」「ねね、如何なん・・」
「女ですよ、最高にそう思いますけど・・」「本当・・」
「ええ、神に誓い断言します」「大袈裟ね・・」
笑われる、其処に澄人がビ-ルを渡すとグイグイと飲まれる。
 「じゃ、勢いよく夢の一番目、願えますか・・」「何・・」
「お願いです、其処で浴衣を落として下さい・・」「えっ」絶句された。
「無理でしょうね、じゃ夢は諦めます・・」「・・」
「そうだよな、何処の男がそんな事言うか、此処に馬鹿が一人いた・・」
「・・」「さ、そんな事でした、夢は無残に消えたから、寝ますか・・」
「・・」返事が無いから、澄人は布団の中に入り寝る。
 一人取り残された侭の美佳、動けない、抱くと言われれば縋りついてと
思っていたが、浴衣を落とせ、思っても居ない事を耳にすると体が固まる。
変態、其れともあそこがゆう事を効かない、其処かも・・。
そんな事を思うが、今迄こんなに慌てて驚いた事は無い、
事も有ろうか抱くより裸と言われたようなもの、其れが衝撃で未だに身体
が動かない、美佳は笑い事も怒る事も出来ないまま、テラスに未だ居る。
 (なんて事、酷い・・)そう思うが、もう美佳はあの縋り付いた気持ちは
萎えて脳裏には残ってなかった。

           つづく・・・・。



















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・19》

 朝風呂に向かい、戻ると朝食、今朝からまたも舞ちゃんに踊らされ続ける
二人だった。
 食事を終えて、コ-ヒ-を飲みにラウンジに向かい、其処で話をするが、
いかんせん舞ちゃんが独占、其処を見て美佳さんが笑う。
「え・・、何か・・」「ううん、舞を見ていると可笑しくって・・」
「何でです・・」「だって母親と違うし、私は晩稲で何も知らなかった、
優しい男に言い寄られ、断る勇気もなかったし、ずるずると、相手の本性が
見れるまでは従ってきた、でも今は如何かな・・」「・・」
「此の子を見ていると、血は父親から来ている」「そうなんですか・・」
「ええ、でも性根は同じでないほうが良いけどね・・」苦笑いされた。
 旅館を出ると車に乗り込む、澄人が勝手に走り出すが、美佳さんは何も
言わない、娘が何処に行くんと聞いて来る。
「そうだね、此れからの事を考える旅にしようか・・」「考えるん・・」
「そう、舞ちゃんの将来もある事だしね」「え、将来って・・」
「先の事、舞ちゃんの夢が叶うようにね・・」「夢か・・」
「そう、大事だぞ・・」「先の事やんか・・」「でも大事・・」
「そうなんかお母ちゃん・・」「そうよ・・」そう返事される。
他愛無い会話だけど中身は重い、今の美佳には胸をつまされる言葉だ。
 「何処に行かれます・・」「良い機会だから観光でもしますか・・、
此れからの事は考え乍らで如何です」「貴方・・」
「出会いも何かの縁です、舞ちゃんの事も有るしね・・」「・・」
返事は戻らないが嫌だとは言われなかった。
 車は国道八号線を北上、砺波を通り過ごして富山方面にと進んだ。
「貴方・・」「はい、舞ちゃんにトロッコに乗せます」
「ええ、トロッコ、何其れ・・」そこから説明を始めながら走る。
 「ま~じゃ黒部峡谷ですの・・」「そう、駄目ですか・・」
「駄目じゃ無いけど行けるの・・」「ええ、ナビが有りますよ」「・・」
返事を返す代わりに拗ねられる。
舞ちゃんは既に助手席で間を見ながら感動、本当に良い子だった。
 昼過ぎ、何とか黒部ダムに近づいてきて、駅前で軽い食事をとりながら
舞ちゃんに此れからの事を話す。手を叩いて喜んでくれる。
トロッコに乗り込む、幸い梅雨真只中でも今日は快晴、
トロッコはガタンゴトンと走り出し、右側の渓谷を見下ろしながら
トンネルを何度も潜り、何とか、駅に降りて其処からトロリ-バスで又も
トンネルを走る。
 ダムに到着、其処で舞ちゃんが異様に興奮、大自然と、ダムのでかさに
驚愕、澄人も美佳も驚愕。
記念写真を撮りまくり、専ら観光案内者、其れでも良いとさえ思える親子。
 二時からの出発は計算違い、あまりにもダムで時間を過ごした所為で
宇奈月駅に戻れたのが五時手前、車に乗り込もうとすると・・、
「お兄ちゃん疲れた・・」「そうか、じゃ車は無理か・・」
「良いけど、何処に行くんくらくなるよ」「だな、じゃ又温泉に入ろうか」
「ええ、有んの・・」「ああ、此処は有名な温泉が有るよ」
「良いの、金有るん・・」「まかせとけ・・」
二人の会話を聞きながらも美佳は口出しなかった。
 此処は黒部川添いに温泉がある、有名だし一度は行っても良いかとは
考えていたのだ。
駅前で観光案内所で宿を探す、手ごろな部屋があると聞いて決めた。
直ぐに車を旅行客用の駐車場に止めると、三人は目の前の旅館にと入る。
 「ま~、今度は清流ね・・」「え、そうか湖じゃ無いし、川だ・・」
澄人は部屋の窓から見下ろす川を見ながら最高だと感嘆・・。
舞も母を連れて浴場に向かう、澄人も今回は同行、自然とそうなれる間
には為れた。
隣の女湯から舞の甲高い叫びが聞こえだす、誰かに遊んで貰えている。
「良いぞ、そうかこれからの事が・・」
考えると直ぐに脳裏にある人の姿が浮かんで来た。
 部屋に戻ると、夕食には少し早い、ビ‐ルを湯上りで飲み始める。
舞は又も澄人の膝上で座り甘えてくれる。
「済みません、又散財させた・・」「良いですよ、旅中、何れ出て行く金
ですから、気にしないで下さい、楽しんでね」「・・」頭を下げられる。
夕食を食べる中、舞は澄人の面倒を見てくれる、反対だと笑うが、
舞は構わず澄人の世話係り、それが可愛いから困る。
 何とか疲れたのか寝てくれた、「此れからは大人の時間ですね・・」
「・・」無論返事など帰らないが承知、ビ-ルを飲みながら二人は居た。
「あのう、私たちを如何されますの・・」「ええ、意味が・・」
「旅先ですよね」「え、そうなりますけど・・」
「じゃ、このご恩は如何返せば良いの・・」「ええ、其れこそ意味が・・」
「だって、金も大変な金額よ」「だから・・」「ええ、だからですの・・」
「ええ・・」「呆れた、私困る」「困りますか・・」「ええ・・」
そんな会話も長くは続かない、澄人が笑い飛ばすから相手も少しは安堵
されたのか、ビ‐ルを飲まれた。
 「お仕事の件・・」「ああ、其れは向こうに行ってから貴方が見て決めて
下さい・・」「ええ・・、何で・・」
「だって、仕事と舞ちゃんの事が大切なんですよ、だから何も言わずに
行きましょう、相手と話された後でも良いじゃないですか・・」
「其処が駄目なら・・」「それは其れ、又考えましょう」「え、貴方・・」
今度は呆れ顔で睨まれる。
 しかし昨夜とは少し様子が変っていた。
「貴方、美佳を如何したいの、もう如何でも良いからついて来たけど、
このまま放り出されても文句は言えない」「ええ・・」
「黙って聞いて下さい、美佳もう疲れていたんです、だからあの時合わない
とどうなっていたかははっきりしています。アソコで何処で死のうかと、
悩んでいたんです。私が不甲斐無いから子供まで、其処が引掛かり決断が」
「良いじゃないですか貴方が今現在生きている、其れだけで良いじゃない、
此れからはこれからですからね、今はのんびりと疲れを癒してて下さい」
「貴方・・」目に涙を浮かべて見詰められた。
 小顔で可愛い、いいや美しい顔、しかも浴衣から想像出来る姿は、
最高だろうと確信できる相手、此処迄なんで連れまわしたのかが疑問、
だが今はっきりと、自分が描く道を見え出してくる。
「仕事は伊豆に行ってから考えましょう、無理なら名古屋の僕の部屋で
少し休んでいてください・・」「ええ、貴方・・」「澄人ですよ」
「澄人さん・・」「はい・・」「貴方、・・、・・」「え・・」
「ううん、泣けてくる」「・・」今度は澄人が黙った。
「あのね、美佳はそんな値打ちなど無いし、其れに男に言い寄られ付いて
出る馬鹿な女ですよ」「・・」
「それを何ね、優しいからと言って、美佳を悩ますなど卑怯よ」「・・」
「ねね、何とか言って下さい、何を如何したら良いの美佳は・・」
「何も無いけど・・」「それが怖いのよ」「え・・」
「あのね、只より怖いものは無いでしょう・・」「ええ~・・」
「そう言われるでしょうがね、美佳は如何すれば良いかだけ聞かせて・・」
「伊豆に参りましょう・・」「え、其れだけ・・」
「ですが、何か・・」「・・」今度は美佳が黙る。
 おかしな会話はまだ続きそう、その理由は、美佳がビ‐ルを煽るように
飲み続ける姿に夕べもそうだったと知らされる。

                 つづく・・・・。


























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・18》

 浴場から戻る親子、其処は以前と変わられていた。
舞ちゃんが事のほか喜んでいるから母親もつられたのか笑顔で戻られる。
既に夕食が整って、料理を見る親子は又も喜ばれ、三人で夕食開始、
ビ‐ルをお互いが飲んで話も次第に出だす。
 舞ちゃんが食事を済ませると、澄人の膝に凭れ掛り居眠りを始めた。
「ま~この子、済みません・・」「良いですよ、可愛いし・・」「・・」
其れには何も言われず、ビ‐ルを飲まれる。
 暫くすると、澄人が聞いても居ないのに相手から話が出始めた。
 聞くと、名前は清水美佳二十七才、大阪で暮らしていたと言われ、
仕事は美容師で高校を出た後働いて来たと言われる。
御存知でしょうと、言いながら自分たち親子は逃げて来たと、
そう本人から言われた。その中身は言おうとされたが、
澄人は其処で話を断ち切る。
「良いじゃないですか、過去は過去、でもよくふん切れましたね」
「其処は何とか、気の良いおじさんが大阪で知合い、その人の薦めで逃げ
ようとそそのかれて、荷物を抱えて金沢まで・・」「何で金沢・・」
「なんか、おじさんの知り合いがいると・・」「なんと、其れで・・」
「昨夜は何とか娘と一緒で難を逃れたんですけど朝早く、私たちの落着く
先に行ってくると言われた」「・・」
「それで、可笑しいいと直ぐにホテルを出てしまった・・」
「じゃ、アソコは・・」「一度海を見て、後の事は考えようと・・」
「そうでしたか、じゃ僕の思いが多少当たっていましたね」
「済みません・・」「良いですよ、でもこれから如何します・・」
「働く場所を探し、美容師なら何とか出来る、子供が居るから其処が」
「じゃ、部屋を宛がわれたら働けますね」「そうなります・・」
そんな話まで出来だした。
『でもよく逃げ出せましたね』「昨夜の話の中で可笑しな事を言われ・・」
「え・・」「温泉宿でもとりあえず働こうかと・・」「えっ・・」
「それでどこらかと聞いたら芦原だと」「なんとでは既に向かう先は・・」
「決めていたみたいです、何度も電話をされていたし・・」そう聞いた。
 「じゃ、いっそ少し旅をして、考えましょうか・・」
「ええ、貴方、お仕事は・・」「今は無職、危ないですかね」
「危ないなんてものじゃ無いわ、無職ですの・・」
「ええ、未だ家族を失って一年、もう大変だし気が抜けています」
「ま・・」「でも、今回の旅で戻ると、我武者羅に働きます」
「・・」頷いてはくれなかった。
 だが、今度は澄人が自分の事を話し始めると、身を乗出し聞いてくれる。
「あら、じゃ旅も既に此処まで数日過ぎているのね」「はい」そう答えた。
 しかし、澄人の話し方は普通じゃない、相手が美容師だと聞いてから、
何とかしてあげたいと心から思い出した。
「え、では、今迄の旅は其処だけですの・・」「これ見て下さい・・」
スマホの画面を見せる。
「・・、ま~、じゃ旅は本当でしたのね、牛迄居ますね」
「ええ、良い人達でした・・」そこで二人はビ‐ルを飲む。
「ふ~、そうか、もう驚いて怖かった・・」「ええ、僕がですか・・」
「ええ、今は男は無理・・」「でしょうね、じゃ僕、、無害ですよ」
「自分で言います其処・・」少し笑われる。
浴衣がはだけるから、見て仕舞うほど艶やかな女性、
(これじゃ男はほっとけないな・・)澄人もそう思えた。
 「でも悪いわ、散財させた・・」
「構わないですよ、どうせ一人身、夜は外を徘徊かな」「え、怖い・・」
「安全ですよ、舞ちゃんがいます」「・・」何も言われなかった。
 「ねね、もう一度違う場面を見て下さい・・」「えっ・・」
スマホを出してメ-ル画面を出す。
「相手は伊豆や熱海で四店舗、しかも美容院・・」「ま~本当に・・」
「このメ-ルは娘さん、僕の弟の婚約者、此れは母親、やり手ですよ、
株もされているし、この間僕もやれと進められ、株を買いました・・」
「ま~・・」「ですから、旅してて、良ければ其処に如何ですか・・、
店は直ぐ出せるけど、一度落ち着いて今後を考えてみませんか・・」
「え、貴方・・」「僕が薦めるより、現地を見ませんか、僕も知らない」
「ええ・・」「だって、弟と関係がある家ですよ、知らない」
「・・」呆れた顔で見られた。
 「だから見学してからと思い言い出せなかった、でもね、相手は最高な
人達です、其処は保証します」「ええ、保証、頼り無いわね」
「済みません・・」「いやだ~・・」苦笑いされビ‐ルを飲まれる。
「此れから数日、行動を共にしません,行付く先は伊豆と考えて如何です」
「では・・」「見て気に入れば其処で腰を落ち着け考えるってどう・・」
「貴方ね、先様には未だご存じないでしょうに・・」
「ですから、此れから・・」「決まってないのに向かうの・・」
「そうなります」「計画性が無いわね」
「ええ、でも逃げたのとは違いますからね」「ええ、其処言います・・」
「あ・・」「うふっ、当たりだしね、そうか、美容院ね・・」
そう呟きながらビ‐ルを飲まれ、慌ててビ‐ルの追加を頼んだ。
 気を許されたのか、以前とはまるで違われる、一番は話しが止まない、
いろんなことを聞かれ出す、女性はどうかとか、今から何をしたいのか
とか家庭は何時もたれるのかとか・・。
「もう、少し間を開けてくれませんか、返事が・・」
「え、あ、そうね、御免」又ビ‐ルを飲まれ、澄人も従い飲んで行った。
午前一時過ぎ、漸く二人は倒込んでしまった、布団には脚だけが入る姿、
相手も舞の傍に辿り着けずに手前で横たわれた。
 朝、舞ちゃんに甲高い声で起こされるまで二人は寝ていた計算になる。

         つづく・・・・。





















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・17》

 舞ちゃんがハンバ-グを食べたいとせがまれ、レストランにと入る。
三人で食事をするが、何か気まずさが漂う、相手に理由があるせいか、
重苦しい空気の中で、舞ちゃんだけが楽しそうにしてくれる。
横で世話する澄人は今は舞オンリ-、母親にはあまり話を向けずに、
専ら舞と話をしながら食べる。
 「美味しかった、有難うお兄ちゃん」「え、お兄ちゃんでええんか・・」
「うん、そうや・・」「え、言葉・・」「おかしんか・・」
「ううん、ここ等じゃないね・・」「そうやねん、大阪やった・・」
「・・」其れで少しは中身が垣間見れた。
 「あのう、嫌な事言わなくても良いけど・・、何で此処に・・」「・・」
言いたくないのか、食後のコ-ヒ-を飲まれる。
それ以上は深堀出来なかった。
「有難う御座いました」「いえ、食事位は、楽しくなかったですか・・」
「済みません・・」謝られるから話を其処で途切れる。
「これからどちらに・・、車でなら送りますけど・・」「え・・」
「良いね、お兄ちゃん乗せて」「良いよ、お母さんに頼んでご覧・・」
「ねね、聞いた・・」「行けません、お礼を言って別れましょう」
「ええ、嫌や・・」「無理言わないの・・」
「だって、何処に行くん、いくとこあれへんやんか大阪に戻れるんか・・」
「舞・・」「そうじゃ無い、金沢で其処でおじちゃんに何か言われてから
お母ちゃん、変・・」四歳の子に言われて、困惑する顔が見れる。
「じゃ、とりあえず車にねね、お母さん・・」「でも・・」
「良いじゃ在りませんか、駅までなら良いから」そこで少し頷かれた。
舞を車に乗せると、後ろの席に母を乗せた。
「何処か行きたい所無いの・・」「何が有るん知らんもん・・」
「そうか、じゃ金沢は如何・・」「駄目やんか出て来たもん」「え・・」
「じゃ・・」「あのう、駅のコインロッカ-に荷物が・・」
「あ、ハイ判りました向かいます」「済みません・・」
とりあえず駅にと向かい、ロッカ-から大きな荷物と半分くらいの大きさ
のトランクを出して、話もせずに車に乗せた。
相手は何も言われなかった、荷物を見ればおおよそ見当がついたのだ。
「じゃ、イルカショウ-でも見ようか・・」「え、イルカお魚のでっかい
奴なん・・」「そう、飛ぶよ」「え、嘘やん、見たい見たいねね何処や」
「うん、西に向かうと有ると思う・・」「思う、お兄ちゃん・・」
「ええや、行けば判るさナビが有る」「ナビ・・」何とこませな舞だった。
 母には聞かず勝手に車を国道八号線を西にと向かう。
旅に出る前、イルカの事は知っている、行けば見たいと思っていたのだ。
「あのう、其れってどちらなのです」「なんか能登半島の入り口に有ると」
「何処かしら・・」「其処は和倉温泉だと書いてありましたが・・」
「・・」返事は戻らいが、駄目とは言われなかった。
 向かうまでの時間、澄人は話をするが母親は話しに入っては来られない、
其れでも一時間半で何とか和倉温泉の街に入ることが出来た。
車を駐車場に入れて、三人はショウ-が見れる会場にと進む。
最高に喜ぶ舞、本当に無邪気そのものだった。イルカが水面方飛上がると
凄い凄いと手を叩き楽しむ姿、結構其処は来て良かったと安堵する。
 一時間楽しむと、もう四時過ぎ、澄人は喫茶店で母親話しをした。
「これからの事も聞きたいし、僕に出来る事なら言って下さい・・」
「え・・、何で層までしてくれるのです、可笑しいですよ」
「ええ、其処は可愛い舞ちゃんが居るからですが駄目ですか・・」
「駄目じゃ無いけど」「じゃお聞きしますけど、どちらに向かわれます」
「え、其処は」「言えないんでしょうか・・」「貴方に言う必要が無い」
「ですよね、でも聞きたいと迫れば如何します」「ええ、貴方・・」
「ねね、向かうにしても、話だけでも聞かせてくれませんか・・」
「何で其処まで・・」「僕は家族を一年前に亡くした、しかも交通事故、
弟が結婚を決めて、挨拶にと先方に向かう途中、父と母も同行、
東名高速の清水前でトラックに挟まれて」「ま~何と、そうでしたか」
「だから、今は天涯孤独、癒すために旅に出て来たんです」
「そうでしたか、知らないから・・、私、最近男恐怖症なんです・・」
「そうでしたか、じゃ無理も無いですね、僕は危険じゃ無いし・・」
「男は総言ううのよ」「あ、当たりかな・・」「ま~・・」睨まれる。
 漸く顔がまともに見れた、本当に綺麗、芸能人の誰かに似ているけど、
名前が浮かんで来ない、其処方面は疎い澄人なのだ。
「では、話を聞かせて頂けますよね」「聞いて如何なる事でも無いけど」
「話の中身によると思うけど・・」「貴方・・」
今度は少し眉を寄せられていた。
「御免なさい、舞ちゃん、どこかに行こうか・・」「ええ、暗くなるよ」
「あ、そうか、じゃホテルか温泉かどっちが良い・・」
「温泉、行った事無いもん、熱いんでしょう・・」
「あ、熱いぞ、でも我慢すれば快適に為れる」「嘘や~、熱いから無理」
本当に会話をするのが楽しい相手に為る舞だった。
「お母さん、今日一日だけ、舞ちゃんと居たいけど駄目ですか・・」
「え・・」「ねね、お母ちゃんお願い、ね~・・」
「これ無理でしょうが行けないし・・」「え、何で・・」
「贅沢は出来ません・・」「ええ~・・、聞いたお兄ちゃん・・」
「ああ、其処は無理じゃないとゆうだぎゃ・・」「え、何・・」
「あ、御免、温泉は任せてとお兄ちゃんが言うたとお母さんにね」
「あ、そうね、聞いた・・」「聞きました、でも無理、ビジネスホテルで
我慢しなさい・・」「ええ~・・」そう決まる。
 だが其処で引き下がらない澄人、何かこの親子は何か有ると睨んでいる
からだ、このまま別れると後で後悔するかもと思えた。
「じゃ、ビジネスは明日にでも、今夜は和倉に来ているし、温泉でも」
「貴方・・」「待って、聞いて来るね」
澄人は一人で会計をする店員に何か聞いて居る。
「お母ちゃん・・」「あんたね、無理は出来んのよ」
「うん、だからお兄ちゃんが任せと」「其処も駄目でしょうが」「だよね」
 「聞いてくれるって・・」「え・・」「まとう・・」「・・」
残りのコ-ヒ-を飲み干す。
 「あのう、大きな旅館は今日は満室だそうですけど・・」
「え、そうなの・・」「でも友達がいる宿は有るそうですけど・・」
「え、何処・・」この先の崖の上に有る良い旅館ですよ」
「何と良いね、頼んでくれる」「はい・・」
「聞かれました、有るそうです、とりあえずねね舞ちゃんの為にも・・」
返事は戻らないがそう決めた。
 また車で走り和倉温泉でも有名な加賀谷の手前の道を登る、
その道があの崖の上の温泉宿に通じると聞かされていたのだ。
直ぐに見えて、最高な場所、玄関も古風な和風造り、
多少「だよね」舞ちゃんの年齢では似合わないが、落ち着けそうな宿だ。
キャンセルが出て一部屋あると言われ、最高な部屋に通される。
角部屋で湖に面したテラスが良いし、部屋も最高に良いと感激する澄人。
舞ちゃんも喜んでくれていた。

                つづく・・・・。




























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・16》

 六月七日、澄人は牛を飼う家で三日滞在している、だが、
なんと此処では男女の仲は成り立っていない。
何故かそうならない、澄人が思う女性の枠中に親子は入っていたが、
其処は進んではいない。
何時でも出来そうな雰囲気は有る、だけど・・、色々考えている澄人、
此処は踏み切れない何かが存在する。
そう思うしか理解出来ない、毎日動かれる親子、話すと色々出て来るが、
どうしても男女の話しには向かえない、考えさせられる問題は山ほどある、
だが手を出そうとはしなかった。
 そんな三日目、メ-ルが来た、「あ・・」急いで電話する。
「あら~・・、今何処かしら・・」「はい、岐阜の飛騨ですが・・」
何と相手は伊豆の美咲ちゃんの母親からだった。
電話で色々話をされる中。「ねね、的中よ・・」「え・・」「株よ・・」
「ああ、何か有ったんですか・・」
「そうなの、有るかなと買っておいた株ね、増資なのよ」
「ええ・・、良いですね」「え、あんたに勧めたんだけど・・」
「え、ああ~じゃじゃ・・」「そう、未だ正確じゃ無いけどね、耳にした、
一月後には正式に発表があるわ」「何と・・、で僕は如何すれば・・」
「其のまま、株は増資だからやがて売買禁止の知らせが来る、待てば良い」
「なんと、そうなんですか、有難う御座います」「御礼は高くつくわよ」
「はい・・」「馬鹿ね、其処はええ~でしょうがね、旅は如何・・」
そこから現状を話す。
 「あらら、危険よ、一度そこから離れなさい、離れてもう一度考えれば
良いじゃないね」「そ、そうですね、今如何し様かと・・」
「うふっ、絡まれて動けなくなるからね、相手は聞いたら強かね」
「・・」そう言われる。
電話を切ると、座り込んで考える。
(今は何しても良いのか、今後は・・、此処は・・)頭を抱えて考えていた。
のんべんだらりと過ぎしている我が身、電話で話を聞いたら考えさせられた。
 昼前、家の中には誰も居ない、居るのは澄人だけ、急ぎメモを書いて
テ‐ブルに置くと、家を出る。
そうして澄人はあの貴子さんが居る家にも寄らずにインタ-に向かい走る。
「・・」だが、其処で車は止め、喫茶店に懸け込んだ。
 「・・、ええ~あんた・・」歓迎され驚かれる。
「聞いたけど、今度は雅己の家かね、遣るじゃないね」「え・・」
「夕べね集会、貴子さんと佳恵も来たが・・」「ええ、何処で・・」
「中村屋」「あ~~」苦笑いするしかない、何で集まれたのかは少しは解る。
「でね、あんた逃がさないと・・」「ええ、だから今逃げようと・・」
「あらら、何で白状するん・・」「なんか貴女には言いたかった」
そこは本音、誰かに話しておきたかった。
「じゃ此処は・・」「今何か動けば動けない家が出来るだろう」
「え、そうなるわね」「其処は駄目、其れでな色々考えるために一度此処を
離れようと・・」「成程ね、じゃ満更嫌で逃げるんじゃ無いんだぎゃ・・」
「そうなる・・」「信じてもええのか・・」「うん・・」
「そうか、良いよ、理解した、其処は皆知っているん・・」
「ううん、ここだけ・・」「ええ、あんた・・」
沙保里は驚いた顔で澄人を見る。
「だから此処は知ってて貰いたいんだ」「成程、了解、で此れから何処・・」
「うん、海が見たいしな・・」「・・、そうか・・」「じゃ行くよ・・」
「何時寄るんね・・」「日本海を見た後に為る」「良いわ、待って居る」
そう言われ、澄人は喫茶店を出た。
本音を言えば心残りは有る、未だ動ける幅は有った、だが此処で留まると、
旅する事が出来なくなりそうと思えたから一度旅をつづける事にしていた。
 「さてと、ひとまず海じゃが・・」
東海北陸道をひた走り、日本海目掛けて進む。
 一時間半で海が見え始め、意外と近いと知る、海はグングン迫り来る中、
砺波と言う場所に来た。
一度海にと車を走らせ、綺麗な砂浜に到着、万感な思い、
海は母だと言われるだけは有る、広い海は何事も包み隠してくれそうな感じ、
其れが母と言わしめる由縁かと納得。
「く~良いが、最高」打ち寄せる小波の音を聞きながら砂浜に寝っ転がる。
 思えば名古屋から出た後、悦子さんの家族としか抱合ってない事に気付く。
「あはっ、なんと三人だけじゃないか、多くと思えたが其れだけ・・、
考えた最初は其処だった。
梅雨前だけど爽やか、海から押し寄せる風も肌を潤す程度の湿り気を与えて
くれていた。
 「・・、・・」暫く目を瞑り味わう澄人、傍に駆け寄る音に気が付いた。
目を瞑っているが其処は気が付く。
「・・、うん、ええ~~」目を開くと何と可愛い女の子がしゃがみ込んで澄人
は顔のまじかで見て仕舞う。
「ああ、可愛いが・・」「なあんだ、生きているんだ・・」「ええ~~」
苦笑いしながら起きる。
「おう~、可愛いが幾つ・・」「お兄ちゃんは幾つよ・・」
「あはっ、年だぞ・・」「五十か・・」「ええ~・・」大笑いする。
「舞は四歳よ・・」「おう、そうか良いね、独りじゃ無いだろう・・」
「うん、お母ちゃんと来た・・」「何処に・・」
「アソコ、岩の向こう、泣いている・・」「ええ・・」
「そう、泣いているから逃げた」「・・」意味しんな事を四歳の子が言う。
「家は近くか・・」「近くかな、電車で来た、そうなるんか・・」
「そうなるかね」「変なの・・」笑われた。
 其れから色々と楽しい会話が始まるが・・、「なんや如何したん・・」
「おかあちゃんね、おじちゃんに叩かれたり蹴られたりしてしててね、
毎日泣く、舞は幼稚園には行けるけど、部屋では恐ろしいのよ・・」
「何と・・」「それでね、お母ちゃんが今朝早く起きて、舞を連れて電車」
「で此処か・・」「そうなる・・」子供だ正直に話をしてくれた。
 でも穏やかな話じゃない、母が岩陰で泣いていると聞くと、じっとして
居れないが、多少の中身を子供から聞き出そうと考えた。
 すると、その男は最近だと聞く、家に一緒には住んではいないと聞く。
「そっか、じゃお父ちゃんは・・」「知らん、見た事無いがね」
「そっか・・」子供から大体の様子ははかり知ることが出来た。
「お腹如何・・」「空いて居るよ、朝も食べて無いし・・」
「ようし、食べに行こうか・・」「ええ、駄目よ、お母ちゃんが・・」
「一緒なら良いだろう・・」「ええ、本当か、じゃじゃ呼んでくる」
「良いよ行くから・・」子供の手を引いて、砂浜の端に有る大きな岩が
並んでいた。
「お母ちゃん、ねねおじちゃんが・・」「ええ~・・」「今日は・・」
「あ、あ~・・、吃驚した、あんたねおじちゃんと呼ぶから驚いたがね」
「あ、其処違うおじちゃんよ・・」「だね、如何したの・・」
「舞がお腹空いていると聞かれたんだ、空いていると、じゃ食べに行こうと
誘われた・・」「ええ、あんたね、知らない人よ・・」
「仲良しに為れているもん、あのおじちゃんとは大違いよ」「舞・・」
「御免なさい・・」「良いじゃないですか、子供だしね~舞ちゃん・・」
「・・」黙って子供を引き寄せられる。
見るとまだ三十には行かない女性、子供が三歳と聞いて居るから、
おおよそ年は二十半ばを過ぎた頃かと思えた。
 良いですと何度も断られたが、澄人は子供を味方に迫り、
何とか食事だけはと許しを請うと、三人で車で栃波の繁華街にと向かう。

              つづく・・・・。



























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・15》

 いやはやとんでもない女性だった、話は真商売柄か上手い、
聞くとここ等は山賊や野武士の集りだと笑われる。
古くから、落ち武者や平家崩れの人が逃げ込んで来た地域と聞いた。
其れが今までも遺伝が残り豪快だとも聞かされる。
人口は高速道の反対側と合わせると二千五百前後、谷は至る所にあり、
正しくよく此処を選んだ事だと感心すらする。
「じゃ、此処の方々は意欲は有るんですか・・」
「有るから困る、此処は郡上、白川、果は高山と動くには良い場所に最近は
為った、それが災い今じゃ里を守る年寄りしかいなくなった」と言われた。
「其処は何処でも同じでしょう」「見た目はね、でもね内面は違うよ・・」
「如何違います・・」「自分の事しか考えん、でも中にはそうじゃ無い人も
多くなりつつある・・」「その意味は・・」
「血じゃが、血も長年経過すると他からの血が混じる、そうなると遺伝から
生まれる引き継ぐ中で血が混じり合い、今ではそうも言えない様になって
来たけど、未だ先祖からの遺伝は残されている、だから使いようでは此処は
変われるが、いかんせん、そんな事を導く人が出て来ない、其れで此処も
やがて誰も居なくなる運命、直ぐ傍に出れば食えるほどの仕事は有る、
其処が人間を柔くして行くんだぎゃ・・」「成程・・」
「だからじゃ、あんたが此処に足を踏込んだなら、利用すれば良いがね」
「ええ・・」「あのな、血気盛んな事は男だけじゃ無いがね」「ああ・・」
「そうだろう、血は男にも女にも在ろうがね、此処は他と違うのは其処と
見ている、だが其処を掘りこさないで来て居るんだ、悔しいじゃないか、
こんな地は日本では珍しいぞ、あの瀬戸内海の海賊、近江の人を押しのける
商売や、其処らの地域は少しでも残り育って来ている、じゃ此処はと言えば
情けないが未だ日の目を拝めていないだが、なな、何とかし様よ,沙保里を
使え・・」「ええ・・」
「良いね、名古屋に戻っても良いけど、此処が気に為るなら暴れて見てよ」
「貴方・・」「沙保里よ」「沙保里さん・・」
「良いね、あんた牛如何にかしようか・・」「え・・」
「私は此処らじゃ人脈があるのよ」「・・」
「だから、考え次第では力には為れるがね」
そうも言われ、二時間費やしてそんな話までしてしまう。
 (フ~・・、驚いた・・)其れだけしか言葉に為らない、色々聞かされたが、
総ては飲み込めていないけど、面白い話を聞いたのだ。
 車で、今度は当てもなく回りを廻る、高速道の反対側も走る、
言われた通り谷は至る所に存在、見た目は判らないが聞いて居る話をもとに
見ると、すたりつつある谷も見受けられるし、既に谷は見れるが、
其処に有る筈の民家は見当たらない場所も幾つか有る。
「なんと、言われる事が見える」二時間かけて回ると、お腹が空いて来る。
 午後四時、又も喫茶店に寄る。
「御免お腹が空いた・・」「あはっ、良いわカレ-なら有るけど夕ご飯前
じゃないね」「でも空いたぞ」「良いわ、少しにしなさいね」
笑いながら用意してくれる。
「結構広いねここ等・・」「え、あんた凄いじゃ、見て回ったんだぎゃ・・」
「うん、少しなでもこれって奥は如何なっているん・・」「奥、北かね・・」
「両方・・」「似たような谷があるけど、其処は目を覆うような現実」
「成程・・」「だから困っている」そう返事してカレ-を腹に詰め込む。
「あんた、待って、此れから如何するの・・」
「うん、招かれている家が在るんだ」「何処・・」「山根雅代さん・・」
「・・、あんた・・」「え・・」「凄いがね、もう見つけていたんか・・」
「ええ、そうじゃ無いが、昨夜来てな始めてだぞ」
「そう、じゃ良いぞあんた行けや、後で何とでも出来る、そう雅代さんか、
良いが其処人手も有るし、娘・・、あ~あんた~」「違う違うが・・」
「あはっ、そうかね、あんた凄いぞ、いいや凄いのは貴おばちゃんか、
遣るね、良いわソコ行け・・」「行け・・」
「ああ、良いぞアソコは、なんとそうかね、貴おばちゃん凄いが・・」
何度も頷かれた。
「じゃ、行くとアソコは肉か、ワインは電話して置くから店に寄ってね」
「え・・」「良いから、お土産考えている、良いわ後でね・・」
電話をどこかにされて、頷かれる。
 「明日は其処に居座ってて・・」「ええ・・」
「後の事は貴おばちゃんと相談する」「ええ~・・」
益々驚く澄人、だが何でか嫌な気が湧いて来なかった。
煮込まれたカレ-を頂く、「じゃ、戻る途中、中村屋よ・・」
「OK」手を振り店を出るが笑えた。
 「今日は・・」「往々、来たかね,あはっ、とらまったぎゃね、
此れ持ってけや・・」「え、もう用意できていたんね」
「ああ、アソコは魚を食べさせんと行けん、其れに料理もろくには出来ん
ほど忙しい仕事じゃが、中にレトルト類が入れて有る・・」「有難う・・」
「頑張れや・・」「ええ~・・」苦笑いして店を出た 。
 夕暮れ、未だ早いと思い、向かう道を家の前を通り越し、あの蛍の谷にと
向かう、未だうす暗く為り出した時間、車を止めて、少し考えた。
 「うん・・」何と車の窓傍に仄かに灯る物を見て起き上る。
「ええ~~~・・」既に暗くなった谷は、息を呑んだ。
何と車回りに飛び交う仄かな光の軍団、夢の中に舞い込んだように思える。
感激して車から降りずに、其の歓迎ぶりに感歎、最高に癒される瞬間だ。
小川から舞上がる蛍、本当に幻想、夢幻、絢爛、唯々魅入るだけ・・。
 どれくらいいたのか、其処を出る時は既に蛍の谷に為っている、
感激が収まらない内に其処を後にし道に出ると、目当ての家が直ぐだった。
「あ~遠藤さん、遅かったがね」「ええ・・」
「だって、電話が来てから随分と時間が・・」「ああ、ホタル観賞ですよ」
「ま~、じゃ・・」笑われ歓迎されて家に入る。
既に板間の「台には食事の用意が出来ている。
「澄人さん・・」「え、あんたは雅己ちゃんか・・」
「ハイ、よう来てくれたわ、牛臭いけど辛抱してね」そう言われる。
中村屋で別に用意してくれた、仏前に備物を持って仏間に向かう。
 「お母ちゃん・・」「うん、出来たお人じゃね・・」
親子で手を合わせ座る澄人の後姿に感激される。
 夕食は肉、当たった、でかい厚みのステ-キ、其れが飛騨牛だと聞かなく
ても分かる、本当に美味しい、肉が少し硬いが、其れが特質だと知っている、
噛んで行く内に肉味が増して来た。ワインを飲みながら三人で歓談、
此処も明るい家族、今は二人がだ、此処は四人家族、既に父親が五年前ガン
で亡くなられて居る事は聞いて居た。
 食事中で忘れていた封筒を出すと、笑われて受け取ってくれる。
何もかもが上手い、中村屋で聞いた、手が込んだ料理は出来ないと知って
たが、今夜はそんなことは無かった、余計迷惑をかけたと澄人は思う。
 話を聞くと此処では子牛を買い育てるだけと聞かされた。
「え、では親牛は・・」「お父ちゃんが死んでから居ないがね」「え・・」
「世話が大変・・」「では子牛は何処から・・」
「この奥にある家から買うんだ・・」「え、では未だ奥に有るん・・」
「うん、そこもやがてなくなるから心配しているんだが」「無くなる・・」
「ボヤカレテいるが、年もそこそこだし子供が出て戻らんと・・」
悲しそうな顔でそう言われる。
 急に白ワインの渋味が喉につっかえった。

           つづく・・・・。

















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・14》

 澄人と佳恵は午後八時半直ぐに家に戻る。「風呂入れるだぎゃ、行け」
母に言われて二人は風呂にと向かう。
(良い事じゃが、あいつら此の侭続くと良いがな・・)ワインを飲みながら、
前の田から聞こえる蛙の鳴きは、貴子を家の将来にと思いを向かせる。
 風呂から上がると、酒を飲む事に為る。
「ね、澄人さん・・、あんた此処を里と考えてくれんかね、聞くとご両親を
亡くされたと、だったら此処を・・」「お母さん・・」
「頼むけ、少しでもいいだぎゃ、考えてくれんね」「お母さん、有難う・・」
そんな会話も身に染みる、其れほど実は此処に気が置けている証拠だった。
 「ああ、まだ起きておりんさったか・・」
「ええ、ま~雅・・、ええ~雅己もかね、上がれ・・」
家に見た事は無いが、澄人は直ぐに察した。
(あの声は・・、雅・・、ああ~昨日聞いた声だぞ・・)
初めて見るが、其処は声で判断出来る、この家の貴子さんが澄人が寝ている傍
で話をされた相手、今夜は娘と来て居られる。
「雅己、久し振り・・「」「うふっ、元気そうね」「そう見える・・」
「ええ、なんか良い事有ったん・・」「いやだ、のもうワインか・・」
「どっちでもいいけど、この人・・」
「御免、家のお客様、名古屋の遠藤澄人さん、澄人さんこちらあの蛍の谷の
手前に住んでいる、雅代さんと娘の雅己ちゃん・・」
「これは、澄人です」「・・」返事をされずに頭を下げられた。
家の中は急に賑やかに為り出す。親と親、娘と娘、割り込めない程賑やか、
仕方が無いから縁側に出て夜風に浸る。
 居間から漏れ聞こえる話は、なんとステレオタイプ、親たちは少し低い声、
娘は甲高い声,だが中身は理解出来ないが、何度も親がこっちを見られるから
其処は気に為る。
「あんた・・、一度、雅の家ににも行ってくれんね」「え・・」
「あのな、雅の家は七頭の牛がいる、少し臭いぞ」
「少しじゃ無いけえね、相当臭いから、困っている」
娘がそう応えるが、家に行けと言われて驚いた。
返事はしない代わり笑う澄人、牛と聞いてはいるが、元来牛など育てている
場所など知らない身、興味は有るが興味程度、縁側で座り動かなかった。
 「そうかい、じゃ行けるな・・」「良いの・・」
「ああ、あいつも此処だけじゃ暇じゃ、良いぞ行かせるが・・、一万五千円
入るぞ、肉有るか・・」「冷凍庫に為ら有る」
「じゃじゃ其れ食べさせてやれや・・」そんな会話を聞いた。
 二時間後、酔われた姿で帰られる、無論此処には歩いて来たと、
酒を飲むからだと大笑いされた。
三日月のうす暗い夜道を親子は帰られる。
「あんた、良いぞアソコは何か問題がありそうだけど、其れでも行け・・」
「ええ・・」「あのな、あいつら親子は頑張り、今じゃ七頭だがな、其れは
まだ余力がある」「え、意味が・・」
「ここ等は何も無い、あいつの家は牛を育てて売る,だが余り儲からない、
高々七頭じゃ知れているしな、二年間も育てるんだぞ、考えれば判る事、
一年で三頭半分だけだがね」「そうなるんか・・」
「ああ、計算すればそうなる、だがな余力は有るよ」「余力か・・」
「アソコは子供がもう二人いる、男の子は一番下だが、白川で働いているし、
中の娘は高山だ、そいつらを戻せばアソコは働く力が加わる」「・・」
「そんでな、あいつを呼んでいたんだ、あんたは寝ていたけどな・・」
「え、ええ~じゃじゃ・・」「ほう、勘が鋭いぞ、そう写メ・・」
「うぎゃ~、何々・・」大げさに驚くから娘が吃驚する。
「アソコを倒せや、そうすると、ここ等も様変わりできる」「何で・・」
「牛じゃ、広げるには其処しか無いぞここ等は・・」「なんと・・」
「其処を広げればなんぼでも考えが生まれるがね」「牛の事は判らんし」
「だから二日くらい行け、あんたの目で見てからに為ろうがね・・」
「貴子さん・・」「なんの、来てと言われている、行けば良いだけだぎゃ、
見て梃子に合わないなら其れで良いじゃないかね」「貴子さん・・」
「あいつらは相当悩んで、このままじゃ駄目は理解してる、このままだと谷
を出る」「え・・」「そうなろうが、今迄似たような家を数多く見て来た、
子供の頃からな、嘆き悲しみ果ては此処を出てしまう、総てがそうじゃ無い
けどな、大方そんな事になって出てしまうんだ」そう言われ嘆かれた。
「お母さん、其処ね二年前から雅己から聞いて居る」「だろう・・」
「でも色々と考えてはいるのよ、ブランドが欲しいと・・」
「ブランドですか、何・・」澄人は娘の話を聞き返す。
「此処は飛騨牛でしょう」「あ、そうだ、此処もかね・・」
「周りはそうなる、でも其処には飛騨牛の認められた種が必要・・」
「種・・」「そう男の牛でも飛騨の血が入る事・・」
「なんと、そうかそうだよな、成程、でも種付けできるだろう」
「出来るけど金が・・」「え、あそうか値打ちか普通とどう違う・・」
「聞いた話だけど、二倍値段が違う」「何と幾ら・・」
「五万から六万・・」「え、其れで育てて売るんだろう」
「そうなる二年間・・」「でそこでは幾らくらいするん・・」
「ふつうなら六十万前後、ブランドでよでも良い牛なら八十はする・・」
「馬鹿言え、良い牛なら百万は超える」「ええ・・」
「だからじゃ、種付けで其処から売るまでの値段が決まるって事」
「なんと、じゃその雄の種・・」「そうなるがね」「・・」
考えさせられる、今迄牛など同じだと思っていたが、松坂牛を考えれば
理解出来る,血統なのだ。
「なんと、じゃ飛騨牛でもランクが有るんだ」
「大有りだぎゃ、だから高値でもブランド牛の種・・」
「あはっ、羨ましいが」「え~あんた~・・」そこで親子が大笑いする。
 そんな話をしながら、ワインを飲むが、何か味が変わる、
其処には今の話を聞いた後、色々と在るんだと知らされた。
 翌日、澄人は昼前に車で家を出る、「あら~、見た事ある顔だぎゃね」
「そうありますね、コ-ヒ-」何とあのインタ-傍の喫茶店に来ていた。
「あんた、寝心地良いんかね」「え・・」
「うふっ、だってすっきりした顔つきだぎゃ、何処に泊まっているん・・」
「内緒じゃ・・」「あはっ、そう返すかね」「当てようか・・」
「要らんが、怖いぞ・・」「うふっ、もうここ等じゃ噂じゃがね」
「え、嘘・・」「あんたね、幾ら田舎でも其処は窓位閉めて置かんと・・」
「えっ・・」「矢野貴子、及び佳恵・・」「・・」唖然として顔を見詰める。
コーヒ-を持つ手が震える。
「脅かすのは其処までよ、中村屋は気を付けんさいや・・」「ああ~・・」
「そう、私の本家じゃがね、だから聞いただけ、外には漏れていないよ」
「では口留め料幾ら・・」「笑えるがね、じゃその口に当ててくれるかね」
「当てる・・」「そうやが口を男の物で塞げばいい事・・」
「うひゃ~・・、笑えるが・・」大笑いする。
 「ねね、あんた名古屋からだろう・・」「うん・・」
「じゃ、此処に来たんは何でなんね」「え、其処は・・」
「あのね、私を味方にする方が良いぞ、私は気に為る方に傾くよ」「え・・」
「だから、何で此処に来たかと聞いて居るだがね」
「其処は言えません・・」「そうか、あんたは口が堅そうじゃね」「え・・」
「其れで良いが、良いぞ良い男じゃないか、あんたね、私は、中村沙代里、
三十三才、同級生には、矢野悦子・・」「・・、え、え、えええ~~~~」
「当たりかね、当りの筈じゃが、今朝電話したがね」「ええ、何処に・・」
「名古屋じゃが、悦子別名、真奈美じゃがね、同級生で仲良しじゃ・・」
「ああ、なんと、そうでしたか、驚いたが~」
胸を撫で下ろす姿が良いのか大笑いされる。
 話を聞くと、中村屋は叔母だと知る、其れで聞いてワインと絡み、
名古屋から来た男を合わせ、悦子に電話したと聞かされた。
其れもあの夜の泣き叫びは本当に聞こえたと言われる。
頭を掻きながら狭い田舎だとつくづく思い知らされた。
「良いのよ、こんな田舎は何も起こらないし出来ない、でもあんたはよそ者、
其れで良いじゃないね」「・・」
「ねね、此れからはもう遠慮は無いけいね、佳恵も妹みたいなんよ良い子よ、
でもね、聞いたら腰抜かした、今夜あたり家に向かおうと考えていたんだ」
「えっ・・」「あんたは化物だと、だから此処に向かわせたと悦子が・・」
「・・」「ねね、此れから沙代里を味方にせんだぎゃ、力に為れるぞ」
「・・」未だ驚きから解放されて居ないまま、澄人は相手を見ていた。
 「頼まれてもいる、今後の事もだが・・」「えっ・・」
「聞いた、ええ事したがね、悦子が困って居る事解決してくれたと聞いた」
「・・」そこまで知られていたのだ。
 真、蛇に睨まれている蛙同然の澄人の姿だった。

           つづく・・・・。













望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・13》

 煙草を買うと言って家を出る。
インタ-傍の唯一の信金ATMで五千円札十枚と、
後は一万円札を三度繰り返し出して車に乗り込む。
コンビニは無い、雑貨屋でタバコとお菓子と酒を買うと、店の主が不思議
そうに澄人を見られる。
「何か・・」「え、ああ、済みません、あんた見かけんが・・」
「そうなりますね、お客として訪れているんです」「え、そうか、何処ね」
「ええ・・」「何ね、沢山買ってくれるから、相手は女性じゃね」
「ええ~・・」「だって、あんた酒はワインとビ‐ル、ここ等じゃワイン
なんか買う人は一人だけだぎゃ・・」「・・」
「うふっ、矢張ね、じゃあそこの佳恵かね」「・・」
「良い子だぎゃ、ここ等で燻る子じゃない、勿体無いとみんなが言いよる」
「・・」「そうか、じゃあんた金有るなら、此れ持って行け」「え・・」
手渡さたのは、ロ-ル巻の卵が加わる名前は知らないけど見た事が有る。
「これな、佳恵が大好きなんだぎゃ、此れで落とせや」「ええ~・・」
「安くつくぞ・・」「おばさん・・」
「うふっ、其れとな、母親はワインだけどな、宛は此れに限るぞ・・」
出されたものはチ-ズを包んだ長方形のビスケットだろうか袋を三つ
篭に入れる。
「有難う、他に何か有りますか・・」
「だな、果物はバナナしか買わんが、メロンをいつも見ているが・・」
「其れも買うか・・」「はい・・」
本当に商売上手、苦笑いしながら篭が満載に為る。
「良いぞ、そんでな、あいつは頭が切れるから、娘を何とか外で倒せや」
「ええ~・・」「それは言える、娘は最高な子だぎゃ、ここ等で色んな子
が挑んでいたがのう、皆敵わずに負けたが、アンタ返り討ちにしてみたら」
「負けますよおばさんには・・」大笑いして見送られた。
(何とも言えない、アッケラカントした地域だな・・)
 戻ると、庭で待つ女性・・、「え~仕事は・・」「早く終えたの・・」
何と佳恵さんが待たれていた。
「お母さんは・・」「あら、すれ違いなの・・」「え・・」
「買物に出たがね」「・・」すれ違わないと思うけど行かれたんだと知る。
 「なあに~、何で沢山・・、ええ~嘘でしょう・・」
「あはっ、バレたか・・」「え・・、じゃこれは中村屋かね」
「そうなるな、だって店は其処しか無いぞ・・」
「呆れた、え~メロン・・、もうおばちゃん押付けたな・・」「判るか」
「ここ等は皆見通しが良いからこれだから困るのよ」
そう言われながら苦笑いされる。
 「なあ~、夕方には出掛けるよ」「え・・」「だって蛍・・」
「あ、そうか、じゃ時間を見計らい出掛けようね」「期待しているんだ」
縁側から台所に向かい大きな声で言う。
ここ等は田舎でも家はまばら、其れだから声も出せるし、
夜の行為の中での泣き叫びもそう遠くにまでは届かないと思えた。 
 暫くすると、貴子さんが大笑いして戻られる。
其処から娘を捕まえてお腹を抱えて笑われ、話はあの雑貨屋、家の物は何も
買わずに手ぶらで戻れたと、其処で大笑いが出た。
「澄人さん・・」「お母さん、此れ渡すけ・・」
「え・・、ま~あんた此処はもう良いぞ、他所ならそうして居りんさい、
此処は判るだろうがね」「でもね、此れは僕の決め事、一万五千円が気に
入っているんだ」「阿保じゃが、もうするな」「じゃ泊まれないぞ」
「もう、何でかね、悪戯坊主に見えるけど中身と大違いじゃがね」
「其処が良いな・・」「阿保じゃね・・」会話が楽しい夕暮れ、
そろそろと外を眺めるが、佳恵は未だ台所で居られた。
 落ち着かない澄人、其れを見て親子で笑われる。
「あはっ、こんな男がのう、夜と大違いじゃがね・・」
「ま~夜に限らないけど・・」「あ、そうじゃ言えるわ言える言える・・」
手を叩き大笑いする親子、居間でテレビを見ながら澄人も笑えた。
 「未だか~・・」「ア、そうね後三十分」「え、暗くなるが今は六時半か」
夕食は戻ってからと言われ、縁側で待機する澄人を親子は呆れていた。
 漸くあたりが暗くなり、七時過ぎに澄人と佳恵は澄人の車で出て行く。
聞くと現場は遠くない、前の小さな川を伝い車で走る。
五分も経たないうちに小さな橋を渡れと言われる。
「え、この道は・・」「その現場に通じる、今は誰も居ない盆地かな・・」
「・・」「気を付けてね、道・・」
そう言われる中、薄暗い周りに少し開けた場所に入る。
 「入り口よ、奥に広い盆地、この谷には七軒有ったの・・」
そう説明を聞く、車は早く走れない、道横から生えている雑草が車体を
撫でていた。
「良いわ、此処で、ライトを消してね、周りが見えだすと、少し進んで・・
言われる通り従った。
 「此処で止めて・・」「・・、・・」「見て・・」
「あ、ああ、ああいた居た居たぞ~、なんとええ湧き出ているみたいだが」
「車のライトに怯えているのよ、未だ出るよ」「・・」
本当だった、人が今は住んでいない分、自然と原始に為りつつあると思えた。
豪華絢爛、綺麗、本当に瞬く光が最高、夢の中居るみたいに思える光景、
感動・・、大感激、車の中で佳恵の手を握り、窓から見える素晴らしい景色
に息を呑んだ。
 言葉を失い暫く蛍の群舞を見詰める。
「凄いな、此れ初めて見た・・」「此処は特別かな・・、小川が良いのか、
タニシが少ないから生き延びられるのかな」「・・」「ね、此処、如何・・」
「良いぞ、でも奥はどうなっているん・・」
「このままよ、行き止まり、道はこの谷を開拓された人が作られたの・・」
「どれ位あるん・・」「ええ、考えた事無いけど相当よ」「・・」
今度はクルマを反転し谷を見れるようにしてライトを照らす。
「・・、凄いぞ、なんも無い、雑草と雑木だけか・・」
「だってそうなるがね」「だね、でも虚しいね」「判るけど、此ればかりは
如何し様も無いがね」「だね、でもな」未だ言いたかったが、其処で止める。
「外は駄目か・・」藪蚊が居る」「そうか残念」「今度は虫よけ要るね」
「そうだ、其れが在れば適うな、良いぞそうしよう」「ええ・・」
呆れるが其処は良いと佳恵は思えた。
 「え・・」バタンと椅子が倒れ、そのまま寝姿で居ると、澄人は後ろに
移動し、並ぶ椅子を倒す。
「佳恵来て・・」言われるままに従う姿、既に何が起こるのかは自ずと
知らされている。
「あんた・・」「此処では二人だけだ、最後までしたいが良いか・・」
「最後まで・・」「ああ、佳恵にはそうしたい、出す迄挑むぞ・・」
「ええ、じゃ今までは・・」「出して居ない、駄目か・・」
「馬鹿ね、じゃ今までは相手だけに尽くしていたん・・」
「ううん、最高に感じていたよ」「じゃ出さないの・・」
「あ、我慢できる」「何と考えられないがね、男はそうじゃ無いでしょう」
「うん、出も出来る」「我慢は嫌いよ、出し尽くして、ねあんた~~」
其処を聞いて佳恵は狂う理由が出来た。
其れほど相手を考えてくれているとは知らなかった、恐る恐る抱かれてる
身だが、聞いたら其処の堰が一瞬に消えた。
 自分から直ぐに裸になる、狭い中で動き、其れを見る澄人は大興奮、
なんと佳恵さんが先に動かれて、見ると得も言えない興奮が湧き出た。
自分も慌てて衣服を脱ぐ、二人は微かな三日月の灯りと蛍が灯す明かりの
中で、誰も邪魔されない場所で、しっかりと抱き締められ、
佳恵は涙を落としながらしがみ付いて、入れて暴れてね、
と耳元で囁いてしまう。
 其のゴーサインを聞くと、佳恵の股座に顔を埋め、澄人は佳恵~と叫ぶ。
もう滅茶苦茶に最初から狂う、とんでもないシュチュエ-ションが増幅剤、
計り知れない歓喜を待つ身、佳恵は此処で死んでも良いとさえ決める。
其れがその後の佳恵の変化に為り得ると信じていたのだ。
 車が揺れ動居く中で、汗まみれの獣が挑み挑まれ、
長い時間誰も入れない世界に二人は没頭、セックスの神髄を嫌程浴びる。
佳恵は幾度となく泣き叫んで、澄人の背中に指の爪が減り込んで痙攣三昧、
数知れない程往く我が身、女としての凄味も善がりもこれ以上ないと
信じる、其れほど心と体が蕩けて行く・・。

            つづく・・・・。






















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・12》

 寝た、寝た、昨夜はとんでもないことが出来た、澄人は大満足でいつの間
にか眠りについていたのだ。
「え・・」朝起こされる、其処には出勤前の最高な女性、佳恵さんが、
なんと健気に湯で使用した棒を、暖かいタオルで拭いてくれている。
その姿を虚ろ下に見える中、棒は急に温かいもので擦られたから勃起、
しかもとんでもない強靭なものに直ぐなった。
「いや~ん・・、駄目仕事が~」と叫び倒された侭キスを受けてしまう。
こうなると昨夜と同じ、短い時間だが、穴に迎い入れてしがみ付いて朝なの
に驚くほど迎い入れた後、失神、今度は澄人が、佳恵のアソコをタオルで
丁寧に拭きあげて、可愛いパンテイをはかせると、佳恵を抱いて庭に出て、
母屋にと入る。
 「・・」何も言わず苦笑いで迎える母の貴子。
「仕事大丈夫かね・・」「行く、もう地獄と極楽を交互に向かわされたわ」
「あはっ、言いようが良いだぎゃ」親子でそんな会話をしよろけながら軽に
乗り込まれ見送る澄人。
「あんた、飯だぎゃ・・」「は~い、顔を洗いますね」
憎たらしい男、だが最高な男、五十を過ぎ会えた男、しかも最高に喜ばせて
くれた男、もう男など関係ない生活を過ごして来た身だが、いざとなれば
出来るもんだと我が身を呆れながら、そんな男と朝飯を食べた。
だぎゃ 「あんた、数日居りんさいや・・」「何か有るん・・」
「つくるわ、ここでな、でも期待するな、相手はどうなることか・・、
そうだ食事後写メ良いか・・」「良いけど・・」「じゃ食事急ごうか・・」
「・・」従う。
 縁側で田園風景を堪能していた。
「あんた、写メ・・」「良いよ、此処でか・・」「中に入って・・」
「・・」従い居間に戻った。
「・・、ええ~|何々何で脱がすん・・」「写メじゃろうが」「ええ・・」
「黙って、立たせる」「あう~・・」何と貴子さんが棒をしゃぶり始める。
その時漸く写メの意味が読めた。
 「貴子さん・・」「まてや、凄い反応じゃね」
「もう寝ていたのに、貴子・・」「嫌だ、その呼び方凄く良いがあんた~」
笑えるほどの仲、見ると転がされスカ-トをめくられると、
貴子は股を広げ澄人の首を抱いて引き寄せた。
そうなると戦い開始、朝から納屋の二階から聞こえて来た娘の泣き叫びは、
熟し過ぎの肉が小躍りしていたのだ。受ける貴子はまた違う味を知らされる。
其れが又良い事尽くめ、身が喜んで震え振動を重ねると、男が喜悦顔で
向かってくれる、忘れていた極意を今思い出すと、反転、澄人を転がし
寝かせ、その体に馬乗り、其処から貴子の独断場、下で最高、凄い~と
喜ぶ男は愛しい澄人、果敢に攻め立てるが、其処も自分から昇りつめて
敢え無く陥落、其の陥落を求めるから一層快楽が増幅し、
貴子のいがり泣きで痙攣を呼んでしまう。
 僅かな時間だが、独りで棒を迎えた肉は汗をにじませ縋り付く男に
キスの嵐、今迄した事も無い事が今出来ているのだ。
其れほど女冥利な事は今迄なかった。
泣きたいほど感謝、だが、其処も直に我に戻り、未だ聳える濡れた棒を
写メがとらえ写す、比較にと貴子の手が棒に添えられ、其処でも写メ,
数枚撮ると、暖かいタオルで拭いてくれ棒を口で舐めて仕上げられた。
 「良いわ、最高、此れ内緒だぞ」「使うんか・・」
「あ、話だけじゃ嘘と思われるが、使いたくないがいざという時じゃね」
「悪いぞ」「はい・・」呆れる澄人にキスをすると、貴子は見繕いをし、
電話をされた。
「そうかね、三十分後なら休憩か、良いわ、其の頃顔を出すけ・・」
電話を切ると、寝転がる澄人の傍に来た。
「今回は如何なる事かは判らんが、相手は仕事を家でする、凄い女じゃ、
今はここ等じゃ誰も頭を挙げられんほどだが、其れがのう、最近悩んで
いるんじゃ」「何か・・」「良いや、其処は後な、今出かける仕度する、
腰があんた惨いぞ、いいや最高、腰砕けとは初めて味おうただぎゃ・・」
大笑いされる。
 夕方ほどでは無いが、前の田んぼから蛙の合唱が聞こえて来る、
其の騒音を子守唄に変えて澄人は転寝・・。
 どれくらい経過したのかさえ判らないほど寝ていた。
「・・、・・」人の気配で起きようとするが、貴子さんだけじゃない声が
聞こえると、又目を瞑り動かなかった。
 「何とじゃこの人がかね・・」「あ、お前んとこの娘如何じゃ、結婚は
出来んが、こいつは強かぞ、子供作れや・・」「ああ、貴ちゃん・・」
「あのな、待っててもコウノトリは来んがね、こいつはそんな美しい鳥
じゃ無いが、大鷲じゃな、とんでもないぞ見たろうが・・」
「え、写メは見させてもろうたが、愛菜は如何かな・・」「何でじゃ・・」
「今敗れた風船」「あはっ、じゃ益々良いじゃないか、やけくそで応じる
かも・・」「ええ、貴ちゃん・・」そんな会話を聞いてしまう。
 「なな、ここ等は何も無いが、お前の家の牛位だが、其れも僅かな頭数
じゃろう、こんな田舎で何かするとなると、大変だ、だがな、ここ等で何
とかせんと廃れるのが目に見えて来たが・・」
「そうね、其処よね、でも人手も金も・・」「有れば何とかするか・・」
「そりゃしたいけど無理、夢は既に無いけいね」
「雅や、此れからが大事じゃ、こんなわしでも今は夢が芽生えて来た、
娘の事が気懸りじゃが、今はここ等を何とかせんとな、其れが先と判った」
「貴ちゃん、相変わらず凄いだぎゃ・・」
「ううん、この人が此処に来てもらうにはそんな先が見える程に作らんと」
「あらら・・」「だがわしらじゃ何とも出来んが、この際娘らにと思うて」
「成程ね、聞いたら豪傑ね」「うふっ、大将軍じゃろうが、どんな馬でも
乗り熟せる器量と実力・・」「あらま~・・」大笑いされた。
「聞いたけど、何でこの方と繋がりが有るの・・」「其処は内緒だぞ・・」
「うん・・」そこから大きな声の内緒が始まる。
 「ええ~では名古屋の・・、なんと逃げたんかね」
「あ、其れで娘と義理の孫がこの人とでおうてな、孫の大学時代の知合い」
「そう、大変だったね、でも悦子ちゃんは豪儀な女性よ。此処にトラクタ-
が欲しいと皆が思う時、其の大金を身で出させ、其れで自分はその家に
入り込んで、今でも凄いと皆が、御陰でここ等はそのトラクタ-一台で潤う
て来た、今は二代目だけどね、内が一番使わせて頂いているが・・」
「でもそんな小さな事じゃ先が見えんが、今回は互いに考えて進もう・・」
「貴ちゃん・・」「進めるかね」「付いて行きたい・・」
「じゃ戻って計画を練り、娘を入れて愛菜に指導権渡せ、良いな夢を語れ、
牛を沢山集めて、それを育てて売るんだ、今は数頭じゃろう・・」
「でも空き地が無いけ、其れに飼料や・・」
「だからじゃ、其処はゆうな、数を多くするとどうなるのかと聞いて見ろ、
愛菜は考えが有ろうが、其れを叶えようと雅が考えれば良い事じゃ、
子供に夢をはぐくませるんだが、自分の子供のように育てさせろ、
金は後じゃ、何とか考える」「貴ちゃん・・」「如何、娘嵌めろ」
「うん、なんとかするけど、大丈夫・・」
「あはっ、夢は夢じゃろうが、壊れるのが常だ、壊れなければ成功じゃ、
詰めて考えるな、此処でするかの事が肝心、出来るかは後じゃ・・」
「呆れた・・」そんな会話をていた澄人、考えさせられた。
 その後、その人は帰られるが、澄人は起きるタイミングを外す。
仕方が無いので寝た振りは暫く続けようと決めた。

           つづく・・・・。





















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・11》

 強烈な刺激でか、お母さんは足を投げ出され、目は白黒、おまけに豪快な
肉体は裸のまま、少し脚が開いているから股の付根が見えている。
 (・・、うん、あ、そうか、長い間手入を忘れて居られるのか・・)
見えている股の付け根は自然の侭、本当に恥毛が生い茂っていた。
(ああ~、拙いぞ・・)そこで三年前に起きた事を思い浮かべる、
会社の慰安会で北陸の芦原温泉に行った時、会社の古株の女性、通称お局様
が酩酊され、部屋に運んだは良いが、手を離してはくれなかった。
会社のえらいさんだから一人部屋、其れを良い事に澄人を部屋に容れて離さ
ない、其れが進むと、澄人も酒に酔っているから間違いは起きて当然、
だがその結果が無残、でかい物を迎えられた上司は舞い上がられ、
途轍もない呻声と共に歓喜の渦に邁進され続け、なんと一時間頑張られた、
とんでもない代物を見つけ、其れを肉に迎い容れられた。
 だが、其れが災難、考えられないほどの真っ赤な血がベットのソファ~に
後を残す、澄人も慌てた、何で血がと生理かと考えたが、
当の本人は驚かれて気を失うほどだった。
 気が戻ると、自分の股座をまさぐられ、あんたがでかいからかね・・、
暢気な人、そう言われ又自分の股座を覗かれる。
「ええ~・・、嫌だ~・・」その声に連れられ上司の股座を見て仕舞う。
「これ見て傷・・、一か所じゃない・・」「・・」
見せられると確かに膣中はそうでも無いが表は無残、真っ赤な血が湧き
出ている。
「此れ・・」「ああ、なんと私の毛が刃物よ、見て花弁が数か所切れてる。
此れって手入して居なかったからだわ、あんたがでかいから窮屈、
それであそこに出入りされると周りの毛が物と一諸に出入りするのよ、
だって大物初めてだし、私その周りの毛は手入したくないの・・」
とんでもない事になっていた。
 何とか応急手当てをしてその場は済ませる。
御陰で会社に勤める間、十日に一度ご指名、そんな関係を暫くしたが、
なんとそのお局様が、後妻を求めていた知り合いの男性と婚約されたのだ。
其れで良い機会と澄人はその会社を辞めてしまう。
 今其れが突然脳裏を走る、又ここでも災難が起こるやもと危惧しながら
居ると、お母さんは気が戻られたのかすり寄られる。
「お母さん、アソコそれじゃ拙いですよ」「え、駄目だぎゃ・・」
「そうじゃ無くて、明日は使えなくなりますよ」
「え、何で、元気だから大丈夫だぎゃ、今更駄目なら酷じゃろうがね、
私も女の端くれなんだがね」
「ううん、そうじゃ無くて、僕のはでかいだろう、其れが穴に出入りする
んだ、考えて見て、傍の毛を諸共も引き連れて暴れるから、傷が出来る、
素晴らしい花弁が傷で血が出るよ」「え~嘘じゃろう、有り得んがね」
「じゃ、見て・・」澄人は濡れて光る侭の棒を貴子さんの股座に向かわせ、
穴の入り口に嵌める。
「ああ~ん・・」「お母さん、此れがね、周りの恥毛を引き入れて行く、
気が高ぶるとそんな事忘れて動くから、必ず血だらけになる」
「え、じゃ・・」「そう、周りの花弁が血だらけ、切り傷が多く出来る」
「嫌だ、じゃ出来んのかね」「ううん、手入し様か」「如何する・・」
「タバコで毛の先端を焼こうか・・」「ええ、何で・・」
「短く出来るし、たばこで焼けば先端が丸くなる、多少連れて穴に入っても
其処は、毛が短いし傷が出来ない・・」
「あんた、御免、使って無いから忘れていたがね」
「でしょう、快楽は望めます、僕も抱きたい・・」「あんた・・」
「じゃ焼こうね、待って・・」
バックからタバコを取り出して火を点け、数度吸う。
「良い、お母さん立ってて、少し熱いかも火傷はしないから、僕がするね」
「嫌だ、あんた・・」「したくないんですか・・」
「ええ、其処かね、見たがもう狂うくらい感じていたんだ、あんた・・」
「じゃ立って・・」「・・」応じられる。
 だが、その会話を聞いて居た佳恵は仰天、自分は多少手入しているから、
傷は無いと思いつつ自分の股座を覗いてしまう。
「大丈夫、怪我は無いですよ、手入されているし、最高でした、でもこれで
終わりじゃないからね、お母さんのアソコ整理してから暴れます」「・・」
睨まれるが、驚いた顔はまだ残され、序に新聞紙を床に敷いてと頼む。
「良いです、じゃお母さん股開いてね、そう我慢して下さいよ」「・・」
何ともおかしな事に為ってしまう。
 澄人がタバコの火で貴子さんの恥毛を焼き始めると、ジリジジリリッと
音を立てて焼かれて行く、時々タバコを吸い火を強くし、何度も繰り返し、
たばこは付け根まで使った、毛が焼ける匂いが充満、窓から出るが、
部屋は既に臭くなっている。
その仕草を横で見詰める娘の佳恵、其れを見て母の貴子は苦笑いする。
 五分後、時々熱いと叫ばれるが何とか整理できた。
「ま~、なんとうふっ、恥ずかしいけど良い記念じゃがね、あんた素敵よ」
「お母さん、此れで暴れても大丈夫ですよ、さ片付けて二回戦開始・・」
その掛け声に親子は笑われる。
 思わぬ事で一時休止、其れが又始まるとなるが、既に気後れが有る、
熱も冷めたと思える程、そんな気が失せていた。
「いやだ~、もう娘の泣き叫び見ていたときは興奮していたのに・・」
「じゃ、僕が愛撫しましょう・・」「ええ、あんた・・」
有無言わさず母を倒し、未だ毛が焼けた後の匂いがする股座に顔を埋めた。
 直ぐに貴子もその気にさせられ、最高に上り詰めると、とんでもない
低い声で唸り始める。
そうして卑猥な音ともに貴子の甲高い叫び声は益々酷くなる。
其れほど感じてくれている証拠、澄人は奮闘し、遂に二度口で昇天を
させてしまう、凄い体が痙攣で床を叩く、どしんバタンドンドンと鳴る中
で貴子は未曽有の体験をしたのだった。
 「良いでしょう、じゃ見ててね、お母さん抱くよ」「・・、えはい」
先ほど何とか元に戻れたが、母の思いもしない叫び声につられ、
既にアソコが偉い事に為って来た。
極上を知っているアソコは、又すると聞いてから待機万全、
佳恵は母の泣き叫びを聞く羽目に為る。
おぞましい雌の雄叫びは同性なら理解できる、先ほど佳恵も其処の舞台に
立たされているからなおさら、声でどれ位か判断で来た。
五分、十分、十五分、二十、二十五・・、凄い持続時間、
互いに狂喜千番、とんでもなく舞上がり戻れないまま痙攣をする貴子、
求める素晴らしい意欲、向かう澄人も脱帽、だが所詮でかい元気な物を
迎えた事が無い貴子、三十分手前で完全に落ちてしまう。
床に夥しい小水が流れて地図を描いていた。
 「え~・・」佳恵に向かう澄人を見て仰け反る佳恵、だが其れも束間、
飛び込んで迎えると、今度は佳恵はベットに向かわさせられ、バックで
ベットを抱える形にさせられる。
其れは既に後ろからと知る位置、股を広げ歯を食いしばりながら耐える、
其処はとんでもない速さで喜悦の迎えが来る、佳恵は何度も其の迎えを
拒むが所詮其処は足掻いても駄目、連れて舞い上がる気は抑えることが
出来ていない、此処でも簡単に十分も持たずに昇天、痙攣を引き連れて
凄い肉体は無残、震えながらベットにしがみ付いて居る身はずるずると
床に潰れて落ちる。
 まだ床で余韻を楽しむ母に澄人は挑んだ、呆れ顔で迎える貴子、
この男は鬼かと思うほど強靭、あれほど母娘を抱いた後でもまだ元気、
信じられんと思いつつ来てくれる愛おしい男、貴子はまたまたあの誰もが
出せない特有の雄叫びを自分から出して往った。
未曽有の体験を狂喜の肉と共に貴子は澄人に身を任せ、歓喜の嵐に舞上がる
我が身・・、狂うほど最高な時間と苦痛を味わってしまう。
 もう無いだろうと安堵して肉の嬉しさを噛み締める佳恵、
又も其処に襲う澄人、呆れる程強い男、今度も佳恵は最高な形の体を惜しげ
もなく与え、見返りの喜びを満喫できる時間を得ることが出来だす。
 親子は既に三度入れ替わり突き上げられた、善がる我が身をコントロ-ル
出来ずに彷徨い、戻ると母の泣き叫ぶ声、終わると佳恵に考えられない男、
其れが澄人だった。
 夜中、十二時を過ぎている、「あんた、動けないがね、喉が・・」
「私も行きたいけど駄目・・」「良いですよ、冷蔵庫ですね」
「そう、序に冷蔵庫に、宛が有るから皿毎お願いね」「はいはい・・」
「はいは一度じゃこいつ・・」母が大笑いする。
 「お前・・」「凄いなんてものじゃ無い、私の身がこんなに喜ぶなんて
信じられんがね」「うふっツ、こんな年寄りの肉に来てくれたがね」
「ううん、あの人お母さんを抱いている時の顔素敵だった」
「お前もそうじゃ、あの人は最高に楽しまさせてくれる」
「お母さん、反対よ私らでなんとか其処を・・」
「今は無理じゃ、どれだけか確かめようと迎えたが、真反対じゃった、
考える所かもう大変、何度も往かされるから息がね・・」
「そうなの、凄かった・・」「嫌かね」「ええ、お母さん意地悪ね」
そんな親子の会話の中で、澄人がビ‐ルと餌を抱えて二階に戻る。

              つづく・・・・。