望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・50》

朝から夜中まで、おちおち休んでいる暇など無かった。
入れ替わり人が家に来るからだが、其処を沙代里が見てて、
どうにかしようと頭を悩ましている。
 「お母さん、あれじゃ、貴子さんの家落ち着けないがね・・」
「そう考えてるけど、其処は如何にも出来んじゃろう、家に来て頂いても
構わないけど、横取りするように見えんかね・・」「そうよね、困る」
「何や・・」そこの父親が来る、話をしていると腕を組みながら考えた。
「・・、そうだな、あれじゃわしが見ても大変だぞ・・」
「でしょう、何とかしないと逃げ出すわよ」「おいおい、脅すな・・」
そんな会話をするが良い案は見えては来ない、皆が其処を考えてと言う
しかないかと思い始める。
 「ねね、おばちゃん、如何思う・・」
「・・、そうだね、アソコが大変な事は見れば判るけど、肝心な男がアソコ
に居座って居るしね」「・・」中村屋に来ている沙代里と話をしていた。
「あ、そうだが、ひや~、そうだぞ、沙代里、昔の公民館有るがね」
「え、でも古くなっているし、今は誰も使って無いがね・・」
「でもよ、鉄筋二階建てじゃろうが、外を塗装し直して、中も快適に改造
すれば、如何じゃ、谷の集会場だし、誰も駄目とは言わんぞ・・」
「ま~おばちゃん、アソコで事務所出来るが、其処を悩んでいたんだが、
流石ね、お父さんに聞いて来るね・・」「え、お前~・・」
駆け足で出て行く姿に苦笑い。
 家に懸け込んだ沙代里は親を並べて話を始めた。
「なんと、そうか其処が在るぞ、く~良いぞ、二階は今度の会社の事務所に
改造、一階は会議場、誰もが来れるがね、流石お前は大したもんじゃ・・」
「あ、其処は中村のおばちゃんの案・・」「あはっ、どっちでも良いぞ、
良いわ、今夜は其れで寄り合いだな、最近様皆の顔が見れるわ・・」
「お酒もデショウ・・」母が大笑いする。
 その夜は康太さんの一声で賛成を皆がする、其れで何とか形が出来る、
此処は既に会社を立ち上げるために動いていた。
 翌日、康太さんが、一人の男を連れて澄人に会いに来られる、
紹介されたのは獣医さん、喜ばれて是非協力と逆に澄人に頼まれ、
 澄人にとって願っても無い事だ、直ぐにお願いしますと手を握る。
 何と気に為る事が日に日に解決にと向かう中、本当に、此処で出来ると
確信を強める。
 「おい、名古屋から電話が来たがね・・」「え、誰から・・」
「真美じゃが、賢島に行こうと誘いが」「ああ、じゃじゃ、娘さん・・」
「二日続けて会っていたと、其れで向こうから懇願されていると・・」
「ひや~、通い妻に為れるね・・」「馬鹿垂れが、嵌めたな・・」
「アソコも嵌めたけど・・」「もう阿保じゃがね」
そんな会話で、貴子さんは数日以内にと決められる。
 (ようし、此処は何とか動けるな、後は・・)縁側に座り考えていた。
 そんな中澄人の携帯が鳴る、身に覚えが無い数字だが、暇だし出て見た。
「あ、居たいた・・」「え、誰ね・・」「え~あんた、酷いがね、私よ、
熱川の・・」「ああ~女将さん・・、何で番号・・」
「横に居るがね、大事な人が・・」「うひゃ~玲華さんか・・」
慌てて、見えないのに座り直す澄人、変わられて、発声、一言・・。
「馬鹿~~何で連絡せんのね」平謝る澄人、頭を何度も下げて会話する。
 「ふ~そうか、じゃ何とか出来るんか早く来んかね、こっちも話がある」
「ハイ直ぐに・・」「今から出て来い・・」「ええ、今からですか・・」
「ああ、命令じゃが、今夜迄来い、良いな・・」
そう言われて勝手に電話を切られる。
「・・、・・」一番苦手で怖い女性、でも最高に慕う自分が居る。
直ぐに出ないと夜に到着できない、本当に、慌てて、メモを残して澄人は
一週間滞在していた谷を出る事に為った。
 九月十七日、午後六時半、懸命に飛ばして、熱川の旅館に到着、
何も告げずに仲居さんに風呂と言い、大風呂に入って一休み、
思えば来る途中、考えることが出来た時間、本当に有意義な運転時間だ。
 汗を流すと、浴衣に着替えて、広間に出た。
「こっち・・」おかみさんが言われて、ロビ-のソファ-で待つ玲華さん
に頭を下げて座る。
「半月以上、放りっぱなしかね・・」「済みません、忙しくて・・」
「其処を聞かせろ・・」「え・・」「待って居た、早く聞かせてくれ」
いきなりそう言われるが、何から話せるかと考えていると・・、
「御免なさいよ・・」「・・、・・、え、え、え~~~嘘嘘だ・・」
何と、見覚えがある男性二人が来て居られ、見上げる澄人の顔が強張る。
「内緒で来ていたんだ、許してもらえんかね・・」
「え、其れは良いですけど、何で此処に・・」
「聞いてな、調べて、遠藤さんが信じる相手の女性に会いたくてな・・」
「でも如何して此処が・・」「判らんかね・・」
座られて話しをするが其処が見えなかった。
「・・、ああ~尚美さん・・、でも此処は知らない筈だけど・・」
「阿保じゃね、有名な女性じゃないね、尚美さんの会社は何処よ・・」
「あ、そうかじゃ調べられたんだ・・」漸く繋がりが理解出来たが、
此処に来られている事は未だ理解出来ていなかった。
 「ご用意出来ましたけど・・」
仲居さんが来られると、澄人もおじさん達も従う。
宴会場、既に用意が整い、玲華さんも座られる。
何も知らずに乾杯にと、澄人は未だ理解は出来ていなかった。
「あんたね、独りで楽しい事占領かね・・」「え、玲華さん・・」
「聞いたがね、あの飛騨が其処まで進んでいたとは・・」「え、では・・」
「そうよ、この方達が来て、話を聞いて居ると、驚いたが、もう其処まで
進んでいるとは知らんからね・・」「では・・」
「ああ、中身はまだ知らされていないぞ、此処に居られるお二人も其処が
知りたいと待たれていたんだ」「ええ、じゃ何時から此処に・・」
「既に六日滞在されて、旅館では大事なお客様よ」「女将さん・・」
玲華さんと菜摘女将を相手に、澄人は酒に酔うどころの騒ぎじゃ無かった。
 其処から他の人は酒を飲みながら澄人の話を聞かれるが、
当の本人は酒どころじゃない、汗だくで経緯を話して行く。
「ほう、益々進んで行くね、義雄、此れは相乗りせんと楽しみが此処だけ
に終わるぞ・・」「ええ、今そう考えていた、此処も素敵だが、名古屋と
飛騨、其処が良いね」「だろう、流石にわしの娘じゃ、良い男に合わせて
くれたがね」「言えます、此処も快適だし、ゴルフが出来るから尚良い」
呆れておじさん達の会話を聞かされた。
 「あんた、玲華も加えてよね、良いね命令よ」「ええ・・」
「ええもくそも無い、澄人が動く道は玲華が必ずいるからね・・」
「玲華さん・・」「良いね、あんたの弟が導いているのよ、判った・・」
「・・、はい、そうなるんですか・・」
「ええ、必ずそうなって来ているじゃないね、此処もそうよ・・」
「聞いたが、澄人さん、あんた人助けして、凄いと感銘している・・」
「義雄おじさん、其処は・・」「ああ、聞いて涙が出たぞ、ましてや子供
がめんこいぞ・・」「ええ、会われたんですか・・」
「ああ、可愛いからな、昨日はゴルフ場まで連れてった・・」
「うぎゃ~・・」澄人が仰け反るから、大笑いされる。
満が良いのか悪いのか、行き成り宴会場の襖が開けられると突進して来る、
見た瞬間舞と知り飛び込む舞を受けて、会いたかったと互いが言う。
ほほえましいから、皆が頷いてみる。
其処から何で会えないのかと言われる中、
舞は澄人の膝上で逃げてくれなかった。
 そんな中、色々とあの飛騨の里の事を聞かれ話していた。
「では名古屋の店は帰ると捜そうかね・・」「え、おじさん・・」
「わしらあんたの後見人として同盟を既に結んでいるんだ、ね~玲華さん」
「れ、玲華さん・ですか・・」「あ、そう呼ばないと返事が無いからな」
呆れて玲華さんを見た。
 宴会場では何とか今までの話しの経緯が説明できた。
「良いじゃない、上出来ね、じゃアソコは仕組みは出来つつあるんだ・・」
「はい・・」「では稲刈が終わる頃、連れてってね・・」
「え、行かれますか・・」「当たり前じゃない、現場を踏む事が一番大事、
それでね、あんた総てに金を出すんじゃないよ、此れからは、此処で居る
おじさん達と玲華と、あんたと三分割・・」「ええ、三分割、では・・」
「そう、あんたに感動しているからね、乗る、うふっ楽しそうだしね・・、
ね~敬之さんと義雄さん・・」『はいっ・・』
同時に返事されるから呆れかえった。
 一応話が片付くと、なんと芸者さんが宴会場に来られた。
「往々、昨日より今夜は一段と良いぞ・・」「ええ、義雄おじさん・・」
「うふっ、お目当てが居るのよ、敬之さんも、ほら美人な年増・・」
「・・」呆れる前の芸者さんを見て仕舞う。
(そうか、此れも有りなんだ)そう思うと少し肩の荷が下りた感じがする。
 「今夜は報告有るんでしょうね・・」
「ええ、沢山ありますからね覚悟してて下さいよ・・」
‹え、嫌だ、其れこそ分割できないの・・›
「駄目です、早く伝えたいしね、貴女の体にですよ」「嫌だ~~」
玲華の素っ頓狂な声に驚く場、でも其れは一瞬、
舞も芸者さんの踊りをまねて踊るから、場は賑やかだった。

         つづく・・・・。













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