望情小説110弾《獅子身中の獣‹二重人格›・・11》

 五月の連休後の爽やかな空の下で、亮太は部屋に閉じこもり読書、
と言ってもそんな柔な事じゃない、分厚い本を前に汗を掻きながらせっせと
PCに何かを打ち込んで行く。
凄い数のペ-ジに文言が打ち並べられて,その横は喰い掛けのインスタント
が空箱に為って転がっていた。
先ほど気に為ると碧さんから電話が来たし、伸介からも来ているが、
手が離せないとだけ伝えたまま、専門書を読んでいる。
 時間も忘れ、気が付くと既に外は真っ暗闇、其れでも動じず、
本を読み漁っていた。
 『え、又かよ・・』携帯が鳴るから出た・・。
「あのう、お尋ねしますけど、この携帯は亮太さんの物でしょうか・・」
「はい僕ですが何方ですか・・」「美沙です・・」
「・・、あ・あお姉さん,何で如何されたんでしょうか、今何処です・・、
行きましょうか、大丈夫ですか・・」「え、ま~なんと元気そうで
よかった・・」「え、何でですか、僕は生きて居ますけど・・」
「じゃ良かった、妹が気にしてて、電話してと言われていますから・・」
「そうでしたか驚いた、でも嬉しい、今ね・・」
「あ、其処からは言わないで、見学したいけど良いかしら・・」
「え、遠いいですよ、大阪の松原からはとても遠くに為るんです」
「尼崎でしょう」「ええ、大物ですからね」
「聞いて居る、でも傍に来ているんですのよ」
「ええ~嘘、じゃ傍と言っても駅前でしょうか・・」
「それがね、あなたの住まれるマンションの下、窓からのぞいて下さいな、
二階でしょう」「ハイ直ぐに・・」
 とんでも無い程慌てて、立上がる時しこたま膝でテ‐ブルを打ってしまい
転がりながら窓を開けた・・。
「ああ~美沙さんだ、上がりますか、嫌駄目や、汚いから駄目・・」
「良いわ、判ったし上がるね」「ええ・・」
慌てるが、膝が痛くて歩けないで棒立で迎える羽目に為る。
ドアを叩かれ足を引きずりで迎えた。
 「え、何でその顔駄目なら帰るし・・」「いいえいいえ違うんです・・、
電話で驚いて立ち上がる時膝を打ったんです、テ-ブルの角で・・」
「で、負けましたの・・」「ええ~あ、そうなるんですよね、参りました」
「食事持って来た・・」「ええ、もう美沙さん困る・・」
「じゃ捨てましょうか‣・」「え、もう何でや、本当に松原の家は負ける」
「勝てそうね、じゃ上がってお掃除する」
「其れこそ困ります、とんでもなく汚いし、困ります・・」
「良いわ、其処で困っててね、美沙は構わないしどうぞ・・」「・・、・・」
呆れ果てて声すら出て来なかった。
 だが、其処から何も言われない、其れ程テキパキとかたずけが進んで行く、
なんとものの十分で、自分の部屋果と疑うほど綺麗になった。
無論タオルを雑巾にして拭かれているから綺麗になった。
 「ええ、なんと貴方、しているわね、じゃこの専門書は使えるよね」
「え、あ・あ・・・・・・此れはなんと凄いぞ、ひや~探して居たけど・・、
何かを言ってくれないと探せないと言われていたんだ、此れはそうか初級編
から中級、そうして専門書か・・、凄いぞ、美沙さん貸して頂けますか・・」
「あげます、もう今は必要ないし、貴方なら使えるかと選んで来たの・・」
「助かります、何とか周りは見えて来たが、肝心な中身が未だです」
「そう慌てないでじっくりよ」「嬉しい、肝に銘じて頑張ります、仲間にも
良いでしょうか・・」「良いわ‣・」
「喜びます、では読ませてください、ああコ-ヒ-はインスタントですが」
「用意するね」返事を忘れて、其の初級編から読み始めた。
 この男はツボに嵌ると周りが見えて来なくなる、コ-ヒ-も飲む美沙は、
黙って亮太の顔が紅潮したまま目が異様に光るのを見て仕舞う。
(この人夢中になってる本当に嵌り込んでいる・・、ならば何か出来るやも)
美沙は横顔を見ながら遠くのほうを見つめる目に様変わりする。
 其処は二年前の事、同じような男に出会うが、其れは正しく詐欺男だった、
何も異性を知らな過ぎた美沙はまんまと相手に泳がされ・・、
体を許すと本性剥き出し、其れからあれれと思う間に百万が消えた。
其処から異様さに気付いた母が男を調べさせると、とんでもない男だった、
其れすら微塵も見えなかった美沙はそれ以来男を避ける人生の道を歩んで
来ている。
だが今回は様子が変、其処は母の後押しがあった、あの松原での亮太さんと
の出会いは衝撃的、母が前のめりで亮太を気に入ってから、何時よ・・、
何時来させるんだと、妹と私に交互に聞かれている。
 自分を産んだ母の事、世間では一目置かれる存在で、周りでは確り者で
有名な女性だった。
其れが亮太に会いたいとまるで子供のように駄々を捏ねる母・・、
妹も呆れ果てるが其処は始末に負えない母の事、美沙が代表で見て来いと
言われて来ていたのだ。
 「貴方、お食事して下さい・・」「え、ああ、直ぐに・・」
返事はするが直ぐとは行かない、暫く美沙も何も言わずに座ったまま・・。
 「あ、仕舞った又だ、御免為さい、直ぐ」そう言いつつも又読み耽る。
「貴方、体壊す・・」「ええ、大丈夫ですが、ふ~凄いぞ、じゃ変換器が
大事じゃないか、其れと動画作成が大変だな、其処は専門家を知らないと
出来ないけど、機械はアメリカ製か成程な、後は何が要るかな・・」
「何されると・・」「え、そうですね、読んでいる内に機械は既におそ気に
為っているし、其れなら軽い方を選んで、日本で早く其処を作り上げる方が
良いかなと、読んでいます」「なんと、では本体じゃ無くて媒体・・」
「ああ、そうですよ、媒体です、其処なら我々でも立ち行く可能性があると
見ているんです、ゲ-ム作成とシナリオ次第で綺麗な画像も作れそう、
スキルやアプリか、此れも何とか出来そうだけど、其処も機械、突き当りは
総て其処に為るな・・機械もこのままじゃないみたいだし、買いたいけど
資金か、ようし作るぞ・・」「え、貴方・・」
「ああ、食事でしたね、美沙さんと食べましょうか、なんとお寿司か・・、
暫く食べていないな、いいや大阪では初めてかな・・」「食べて・・」
「頂きます・・」「・・、ええ~嘘や・・」
何と亮太の姿で驚いた美沙、其処には先ほどの真剣な顔つきの亮太は見えて
来ない、とゆうかまるで子供のような顔を見せている。
美佐は同じ人物かと疑うように見るが、本当に別人そものの男に見えだす。
 そうして又も本に噛付くと、美沙は呆れて、疲れが出て後ろの壁に縋り
寝てしまった。
其れすらも気づかずに亮太は専門書を読み、
気に為る部分はPCに打ち込んで行った。
 朝が来た、亮太は慌てて、大失敗を詫びる、寝ていた美沙さんは苦笑い
されているが、お客をほったらかしは酷い、でも其処は言わない美沙・・、
漸く、美沙は部屋を出るが、後に従う亮太の情けない姿に呆れて笑えた。
駅で見送る亮太に手を振り、美沙さんは帰られた。
 昼前、一週間振りに大学に顔を出す。
其処で行き為り皆を呼んで話を始め、認めていた、夥しいコピ-をみんなに
配り、後で計画書も配布、なにが何だか最初は皆が困惑して居る最中に、
此れやろうよ・・、一言言ったら、みんな唖然とする.
 「おいおい、簡単にゆうな、何で出来るんだ我々で金も仕方も知らんぞ」
「だから補えば良い事じゃろう、出来ないことは出来る人を探せば良い事、
自分で何もかもは出来んと思うけど‣・」
「じゃ聞くが資金は如何する、百や二百じゃ無いぞ桁が違うか・・」
「其処や、如何かな変換機を買い、其処で手始めにゲ-ムを造るグル-プ
を募集し様や、其処は直ぐにでも機械さえ手に入れば出来る、だから出来る
部分で起こそうか・・」「起こす何を・・」
「会社だ、事務所を小さくても借りて始めよう、なんか心もとないけど、
最初の資金は作る、そうして画像作成とシナリオと、出来れば行く行くは
スキルやアプリを作り売ろうや,其処が儲けのポイントになるし、
無料でゲ-ムさせながらスキルを販売し、なお一層ゲ-ムに執着できる凄い
物語を造ろう、総ては、日本が此れからPCや携帯で興る仕事に必ず成得る、
其処をいち早く作ろう,なな皆一緒に頑張ろうや」
「・・、亮太、本気か我らは学生だぞ」
「だから良いじゃ無いか失敗しても、其処から出直し出来るぞ、資金は
返せないけど、其処は我慢する、僕が責任もって集めるし・・」
「幾ら集める・・」「最初は資本金二千万で行く、後は借金に為るけどな」
「ええ、出来るんか大金だぞ・・」「何とかする宛も有るし・・」
「君、気は確かだろうな・・」「江坂さん、参加願いますか・・」
「俺は如何かな、他の連中から聞いてくれや・・」
「嫌なら良いですけど此処で立ち上げての意味がある、此れからゲ-ムや、
遊び心の動画で二年後は煩い程成長する元を本当は作りたいが、計算すると
五億以上機械だけで要る計算が出た、其処から益々良い機械が出来て来る筈、
だから背伸びしてたら駄目になるから、此処は媒体で頑張ってのし上がろう」
亮太が気を入れて話すから押され気味の他の人たちは言葉が出て来なかった。
 「じゃ話はしたヨ、参加は冥々に都合が在る筈、無理とは言わないけど、
出来れば此処で立ち上げて様子を見てみたい、此れからの世は出来上がりを
薦めるのじゃ無くて、みんなの先頭を走り続けたい、二日後、皆が考えて
良い意見が在れば知らせて欲しいです、以上・・」
亮太は話し終えると、椅子に座り、気が抜け出すのを知らされた。
其れだけ皆は思いがけずに話にはのってくれなかった、でも言いたい事は
言えた、そう思うと、此処での役目は終わりかなと思え出す。
 其の後、亮太は部の部屋を出て講義を聞かずに校門を出て行った。
 「おい、聞いたか、凄い事だけど我々じゃ無理やな・・」「・・」
「なんじゃ、話聞かせんか、なんであいつが頭に血を登らせて喋るまま
任せるんだ、俺なら参加せんが・・」江坂が吠えた。
「お前な、其処は言わんほうが良いぞ,あいつはあいつなりに考えて来て
いるんだ、出来る出きんは別じゃろうが我々は学生だぞ、夢を語るも大学
の中じゃ、誰が学生で起業を起こせる、失敗は目に見えているがよ・・。
俺も参加は考える、後藤は如何や・・」
「俺か、感心して聞いて居たね、良いか、今まで俺たちは此処に集まり
世を儚んで夢を語るために集まり、他所の事を罵り、其れで鬱憤晴らし、
其れだけじゃ無かったか、あいつは其処は参加していない、
未だ大学一年生だぞ、そいつがあそこ迄熱く語っただけでも凄い奴じゃ
ないか・・、そうは思わんか・・」
「其処だが、話す事は誰でも出来るぞ・・」
「じゃ、お前論文形式でその事を造り話さんか、出来もせんくせに何か
したいと言うのはお前が一番おいいぞ、判るか話だけでも凄いと俺は
思えたぞ・・」後藤がそう言い放った。
 だが、その後は何時も快活な連中だけど、話は出て来ない・・。
すでにその部屋には人は誰も居なくなっていた。

              つづく・・・・。











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