望情小説110弾《獅子身中の獣‹二重人格›・・18》

 「尼崎駅前にお願いね・・」「ええ、尼崎ですか、電車の方が早いと・・」
「あら、そうなるわね、でも電車じゃ嫌だし御免なさいね」
「え、良いけど・・」勿体ないと言いたかったが、其処で亮太は口を閉じた。
思えば、人其々だと知る、今横に居られる女性はとんでもなく綺麗だし目立つ
相手、電車だと言った自分が恥ずかしかった。(居られんだ、こんな人・・)
つくずくと自分の愚かさを知らされる羽目に為るが、自分は何時でも電車に
乗れる人には為ると決めていた、其れこそ貧乏の妬みに為るのだろうか・・、
いろんな思いを巡らしていると、なんと高速ではすぐだった、
本当に世間知らずを思い知る。
 「有難う・・」そう運転手さんに言われ、二人は降りる。
「え・・、此処は‣・」「最近出来た高層マンションよね、行くよ」
エントランスの警備員詰所から人が出て来た、何か話されると二人は待つ。
「どうぞ、部屋にと言われました・・」「有難うね・・」
エレベ-タ-に乗られて、十五階のボタンを押される。
其の階に到着、廊下を歩いて目当ての部屋のベルを押される。
「は~~い」ドアの向こうから返事が聞こえる、直ぐにドアの鍵が開くと、
その女性がドアを開けて中に、亮太を見て付いて来てと言わんばかりの顔を
される。
 素晴らしく綺麗な廊下を歩いてリビングにと向かう二人・・。
「来たよ・・」「ご苦労様でした・・」「疲れるわ・・」
 「・・、え・え・え・えええ~何で何で何でおりんさるん・・」
「うふっ、自分の部屋だし居るわ、久し振りね、酷い男さん・・」
「美沙さん・・、その節は御免なさい・・」
「阿保やね、謝るなら最初からするな・・」「済みません、でもこの部屋、
松原じゃ無いんか・・」「あそこは実家、半月前出て来た、此処なら会社
にも近いし」そう言われながら、コ-ヒ-を立てて居られる。
見渡すと女性が住む部屋、綺麗だし無論整頓されていた。
 「あのう、この方との関係は・・」「そうね、私の友達の義姉に為る」
「そうね、妹とは血が繋がらないけど、外見はそうなるよね・・」
「だね・・」笑いながらそう言われた。
「判る、妹は連れ子でそうなっている、でも美沙とは長い付き合いなの、
此の子が大学に通っていた頃妹が通ってね、何度も三人で旅行もして来た、
今はもう年だから仕事も止めて暇なのよ・・」
そう言われるが仕事辞める程お年ではないから、怪訝に思えた。
既に亮太を知る美沙さんが、「この凄い美人はモデルさんだったんだ・・、
然もフランスでよ」「ええ・・」絶句して、暫く身体が固まった。
「それでですか、ホテルでお会いした時、目立って美しかった・・」
「あんた、正直ね・・」「ええ・・」美沙とその女性は大笑いされた。
「さてと、償い頂こうかな・・」「え、償い・・、ああ其処は・・」
「償えないの・・」「今では駄目です、お金など無いし、自分の事はさて
置いてでも叶えることは出来ません」「でしょうね、妹から聞いて居る」
「・・」返事ができなかった、あの碧さんから総て会社の事は筒抜け
、嘘も隠しも出来ない家だった。
「じゃ、大人の話しする、亮太この女性は、榊原晴美さん、あんたが金策に
苦しんで居る事は承知よ、妹から聞かされているしね」「・・」
「それで、今回晴美さんに頼んでみたんだ」「ええ、なんとでは美沙さん、
怒ってないんでしょうか・・」「阿保やね、怒っているわ、でも事仕事関係
は私情を挟まない事にしている、偉そうには言えないね、良い、晴美さんは
凄い家のお嬢様、そんじょそこらには居られないほどの家よ、其れで話を
してみたの・・」「・・」驚き過ぎて返事を忘れる。
 「聞いてるんか・・」「え、はい・・」「じゃ素直に美沙に従いなさい」
「はい・・」「良い子ね、聞かれました、晴美さん・・」
「うふっ、聞いたけどこの子が・・、疑うは失礼だけど信じられんわ・・」
「でしょうね、外国で味わった来た男とは少し姿が違うしね」
「そう、日本じゃ無理やね、諦めているし・・」そう言われる。
「聞いたかね、アンタを疑っている、いや日本の男性の不甲斐無さをだね。
でもアンタは此処で日本の男を嫌ほど味合わせて御覧・・」
「え、今何言われたん・・」「もう面倒くさい男、此処で晴美さんを抱いた
らと言った」「・・、うげ~なんて事いんさる、無茶苦茶や、とんでもない
がね・・」「ほうら聞かれましたか・・」「無理そうよ、止めましょう」
「ではお話した事は・・」「ご破算よね、話した通りよ」
「ですよね、仕方ないか、あんたね、駆けまわっていたお金の工面は、
此処じゃ駄目だって、しょうがない男ね、此れで又あくせくと駆け回って、
母が聞いたら嘆くわ・・」「・・」そこを言われたら、言葉が出て来ない、
何で此処でそんなことが出来るかと今更ながら思えるから、亮太は美沙を
睨み返す。
「何よ、その顔、アンタね、どれほど母があんたの事を気にかけて来ている
と思うのよ、酷くない・・」「はい、其処は死ぬほど感謝しています」
「じゃ母の願いを聞きなさいよ・・」「ええ、お母さんの願いって・・」
「資金を作りたいんでしょう・・」「そうですが何で妙子さんが‣・」
「あのね、もう話しがはかどらない男ね、良いわ、ね晴美さん、聞いてて
下さいね、此れから大事な事をばらす事に為るから・・」
「はい、肝に銘じて聞きます」「良いわ、亮太覚悟しなさい・・」
その言い方に体が動く。
 「あんたは何も知らないけどね、母があんたに襲われたと聞かされたわ、
驚く中で話を聞いて居ると、美沙も其処で知らぬ間に自分も襲われたと白状
してしまった。其処は言うほうが母が気が楽に出来るからよ、死ぬまで内緒
にと決めていたんだ。でも話を聞く内に感動させられたわ、なんとあんたが
可愛いと、でも初めて聞いたアンタから襲われた後同じような事聞いたが、
其処は嘘の方便と決めつけていたんだ。でも母が話すうちに本当だったと
知らされたんだ。未だ有るよ、母が既にあんたの里を訪れていた事は驚いた」
「え、嘘でしょう、何で里に・・」「煩い、最後まで聞け、後で言いなさい、
良いわね」「・・、はい・・」其処からも美沙さんは話しをされて行く。
 「晴美さん、この男は体内に別な亮太を抱えている獣です、其の獣の正体
はセックス時のみ現れる。母が里に出向いて初めて亮太が泣いて白状した事
が本当と知ったんです。其処には最初の犠牲者は義母の晴子さんなの・・、
だけど強かな義母は其れを餌に何と普通じゃ敵わないほどの大学を目指せと
尻を叩きつつ、義母の身体が抱きたいなら、勉強し昇れと急きたてられた。
大学は奮闘して通過した程ヤル気がでれば出来る良い子なんです・・。
だがその間三月半の間、勉強に差し障らん程度で其の気を義母の身体で与え
育てて来られ、凄まじい程の女性です。其れを聞いた、私の母が感動し・・、
其処で実はと自分もだと白状した。其処から互いが泣いて抱合う姿・・、
皆こいつの所為で御陰で会えたと泣いて縋りついて居たと聞かされた。
其処で漸く、こいつはただ物じゃない、体内に二つの亮太を抱えていたんだ
と知る事に為りました。其れで私もと遅まきながら告白、其処から母と私は
一層この子が可愛く思え出し、今に為るんです・・」
 「・・、ふ~凄いお話ね、まるでジキルとハイドじゃないね。でも其処は
悪と善とは違うけど、変われるのは同じね」
「言えますね、見て、今しょげ切っている姿、聞いて自分が悪い事は知って
いるみたいだけど、犯された後何故か憎めないのよ・・」
「其処は女の性かね、される時と後の余韻の差が災いよ。でも迎えた身体は
正直よね、其処は理解出来る」「晴美さん・・」
「御免、聞かせて頂いたら、感動してて、有るんだと知らされたわ・・」
「じゃ・・」「え、聞いたら尚更参加して見たくなる、此の子は普通と違う
面と普通の事で昇り詰めたい欲望、頑張る姿は最高と思えるわ、だって目指
す場所が違えども、昇り詰めたい意欲は同じと思える・・」「なんと・・」
「だから、怪訝なく仲間に入りたいの・・」「晴美サ~ン・・」
抱き付いて居る美沙さんの泣き顔を亮太は見ていた。

               つづく・・・・。










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