望情小説110弾《獅子身中の獣‹二重人格›・・26》

 亮太は数日間、伸介を手放さなかった、其処は強かな亮太は相手が
どれほど必要かが嫌程理解していからた。
その間でも色々と画策に廻る亮太、既に伸介は亮太の罠に嵌って行った。
 「良いですね、此れからはこの家諸共先の為に使いますよ」
「意味が、何ね・・」亮太が話す相手は、松原の家の妙子さんと美沙さん、
二人を前にしての話しなのだ。
 「ええ~じゃ、お前・・」「ああ、逃がすには惜しい男や、此れから日本
を変える一人の男として見ているし、後ろで育てて見たい男、幸い碧ちゃん
も嫌いじゃなさそう、一気に罠に嵌めようと考えている」「ま~お前・・」
「駄目なら最初に言って下さい、美沙さんもです・・」
「私は、もうあんたに付いて行くだけ、でも妹は・・」
「其処は引導を私が渡す、既に互いが知りおうて仲が良いし,尻に敷くには
あいつが最適と踏んでいるんです」「ま~お前は・・」
「お願いです、この家の先にもあいつは良い事・・」「でも先方の家族・・」
「其処は薄々聞いて居るけど兄がおりんさるし、母も僕が話して行きます」
「お前、良いんか其れで・・」「ええ、僕は良いと思うけど・・」
「じゃ何かね、この家はお前じゃ無理か・・」
「ええ、其処は考えています、美沙さんに子供を産んで頂く、其れで総てが
見えます」「うひゃ~、お前は策士やないか、聞いたか美沙・・」
「うふっ、こっちが仕留めたと勘違いね、お母さん・・」
「あはっ、そうや、勘違いもその方向なら手放しじゃないか、では碧は・・」
「其処も僕が話しをして置きます、この家で陥落させる」「ええ・・」
「良いですか、順序を話して置きますね」
亮太の強かな面が炸裂、聞かれる親子も呆れ顔で、駄目とは言わない、
其れはこの家が行く先凄い事に為ると、亮太が断言したからでもあった。
「お母さん、良いじゃない、碧は中身を弁えると意外と乗るわ・・」
「そうか、じゃ亮太に総て任せる、妙子も美沙も同感や、な~美沙・・」
「はい、大大同感です・・」
二人は笑うが、亮太は覚悟して、今後を考えていた。
 煩雑に伸介を連れて歩く姿が見える、碧も呆れる程、話が判らんとまるで
生徒みたいになる亮太、無論先生は伸介だった。
そんな、ある日、碧から話が来た。
「ねね、家で歓迎会するって言われたけど、良いの・・」
「あ、そうか、じゃ碧ちゃんと話をしたいが良いか・・」
「内は良いけど、何ね・・」幸いにも、事務所には誰も居ない、
居るのは隣の部屋の機械が混雑する中に四人いるだけだった。
 「え~亮太あんた・・」「駄目か、なな今後の事を考えると、其れが一番
やないか、伸介嫌いじゃ無いだろう・・」「あのね、碧を道具に使うんか、
亮太・・」「そう思うなよ、反対に考えろ、あいつを懐に入れてくれんか、
今後の為と家の為じゃ、僕は凄い恩が松原には有るんだ、その家の今後を
考えると其れが良いと判断した」
「あんたね・・、女の気持ち汲めないやんか、無理やりしか出来んのやね」
「碧ちゃん・・、御免な、僕は家の為と碧ちゃんの将来にと考えているん
だけど駄目か・・」「ふん、もう一つあるやんか、あんたもやないね・・」
「其処も有るが、其れは乗っ懸っていたいんだ・・」
「悪ね、お母ちゃんは如何言われたんよ・・」「あ、其処は先にと話した」
「ええ、其処迄か、もう阿保やな・・」「駄目か・・」「駄目です・・」
「困ったぞ」「何で困るんか、そんな事せへんでもあいつは亮太様様だよ、
其れで良いやんか・・」「だがな世の中如何変わるやもしれん、だったら、
此れからの道が明るい中で並んで歩く方が良いよ、あいつは嫌いじゃないん
だろう・・」「幼馴染やないね、あいつの家の事も知っているわ・・」
「じゃ、頼む・・」「馬鹿や、でも亮太が其れが良いと思うなら如何にでも
したらいい、嫌なら別れるしね」「碧ちゃん・・」
「阿保や・・、お母ちゃんもやけど・・」そう言われた。
 内心はどれだけホットした事か、大学入りたての時知り合った二人、
其処に伸介が居た、以後何かになつけて碧ちゃんの力がどれほど、
亮太を勇気付けてくれていた事か、何もかもが全部繋がっている強い綱が
碧ちゃんだと思えた。
 すべての事は、先ず地固めが大事、歩く道さえ間違わなければ良いと
亮太は考えるのだ。
 六月に入った、直ぐに伸介を誘い、松原の家に向かう。
何度もじゃ無いが一度二度位碧ちゃんお家に行った事が有ると聞いている
手前、紹介は抜き、歓迎する妙子さんと美沙さん、幼き頃から知っていた
間柄、直ぐに和んで夕食を囲む。碧ちゃんもさすがに、
変な顔もせずに淡々と、立場を弁えてくれていた。
 「ね~、伸介やあんた好きな女の子居るんかね・・」「お母ちゃん・・」
「まあ、ええやないか、聞いただけやないね、亮太如何なんや・・」
「ええ、僕にですか、食事が美味しいから考えられんけどな居ると思うわ」
「ええ、真かね、じゃお前が仲を取り持ってくれんかね」
「ええ、僕がか、何で、碧ちゃんが、でも相手が居るとは、居ても良い年
ごろだけどな、可愛いし気が付く最高な女性や」「え、亮太あんた・・」
「だって、考えて見んさいや、こうして居れるのは総て、碧ちゃんと伸介の
御陰や無いか、僕は田舎の猿で都会に出て来た。でも其処は何も言わんと
付き合ってくれているし、な~伸介・・」
「え、僕か、そうや、こいつとは切っても切れんな」
「じゃ、お前の嫁さん考えたるわ・・」「うへ~、何でそうなるん・・」
「だって、今そう言ったぞ、切っても切れんと・・」
「だからって、唐突に其処ゆうかね・・」
「うん、とどのつまりは其処が人生の本当の出発点、今迄は準備体操と
体均しの日々じゃろうが・・」「うへ~、そう言ううかでも今はええ・・」
「ええとは何ぞや・・」「お前な、此処で問答は止せ・・」
「いいや、止さない、お前には一番大事な時じゃ、今後研究するにお前が
浮ついた心じゃ人に負ける」「負けるか、既に手掛けている幾らでもな、
時間が要るだけやんか・・」「だったら、気にせず研究に没頭できる場所を
造らんかね・・」「お前に言われたくないわ・・」
「そうか、じゃ知らんぞ、今後其処は総て知らんからな・・」
「ええ、何でそう言うか、知らんとは何でや、駄目とはいっとらんぞ、
今はええとだけ・・」「じゃ、碧ちゃん誰かに取られても良いんか・・」
「ええ~何でや~、もう場所弁えろ、無茶苦茶や、何で其処言う・・」
「お前が気にしているやないか・・」「何でそう言う・・」
「あのな、男友達に内緒で留学か、聞いた事在れへんが、そんでな友達の
碧ちゃんだけに居所教える等、如何考えても合点がいかんが・・」
「其処な、すまん、驚かそうとして、でも話を聞いて行くと、俺此処で
うかうか出来んと焦ったぞ・・」「焦れ、序に碧ちゃんがどこかの男に
抱かれたら良いやないか・・」
「お前な、許せんぞ、碧ちゃんはそんな女の子じゃないし・・」
「へ~、じゃまだ子ども扱いか・・」「違う、何で虐める、他所の家だぞ、
失礼じゃないか・・」「他所じゃ無いし、僕の第二の故郷じゃしな、家の
事を心配するのは良い事じゃないか、違うか・・」「そうだけど・・」
「じゃ、碧ちゃん、良い男紹介するわ・・」「・・」
伸介はムスッとして黙り込む。
 「聞かれた碧ちゃん・・」「亮太、遣り過ぎよ、もう碧決めているし」
「ええ、まじか~遣った~居たんだ、良いぞ良いぞ聞いたか伸介、友が男を
捕まえたと聞いたぞ・・」「・・」「亮太、居るんか娘に・・」
「僕は知らんけど、今言われたがね」「だな、碧居るんか・・」
「お母ちゃん迄何言ううんね」「だって、お前の母じゃ無いか気にして
いるんよ」「いますよ、決めているし」「母が知っている人かね・・」
「そうや・・」「ええ、誰じゃ・・」「・・」
返事せずになんと碧が指さして居た。
 「え・え・えええ~僕僕か~碧ちゃん・・」
「そうや、前から決めていたんよ、駄目・・、なの・・」「・・」
「おい、返事せんか、相手に恥かかせるんか、嫌なら言えば良い事じゃ、
失礼だぞ・・」「ええ、お前がゆうか、失礼はお前じゃないか、何で今
そんなこと言えるんか、考えろや」「じゃ無理か、既に告白されている
じゃないか、男は其処で如何するんだ、伸介・・」
「おまえな、何で脅されて告白出来る、ムード無いぞ・・」
「あはっ、じゃ嫌いなんやな、聞いた碧ちゃん・・」「聞いた・・」
「ええ、そこそこ無い無い、反対じゃしなな、お前何とかしろや・・、
見ろ嫌われたぞ、如何してくれるんや・・」
「じゃ、好きなら好きと言えば良いじゃないか、嫌いなんか・・」
「くそっ、お前な後で覚悟しろ、嫌いじゃ無いが、大好きじゃ、僕が思う
相手は碧ちゃんしか居れへんや・・」
「く~、阿保じゃ、最初から分かっているが、お前は根性無や碧ちゃん、
此れから指導宜しくね」「亮太、遣り過ぎよ、見て伸介・・」
「お前、告白出来たじゃないか、良かったな・・」
「・・、なんと、じゃお前は謀ったな・・」「はい・・」「こいつ~~」
一気に部屋は和み、家族は大笑いされていた。

             つづく・・・・。