望情小説110弾《獅子身中の獣‹二重人格›・・28》

いやはや、とんでもない程あの両名の方は関西経済界では有名と知らされた。
日本でも知る人ぞ知る存在と調べると出てくる御仁、驚くが既にその方達に、
亮太は尻を叩かれていた。
 無論、会社では大騒ぎ、でかくそびえる高層ビルに引っ越し、
既に大学でも名が知渡り、その道に興味が在る連中が集う場所にも為り出す。
亮太は、太田さんと伸介に後押しされ、研究やプログラム作成など専門にと、
伸介を頭に子会社を設立、本社ではユ-ザ-を集める事と、今迄怠っていた
宣伝をPC内で出し、目まぐるしい程会社は賑わう。
頻繁に亮太は、野田さんと武藤さんに引きつられ、いろんな場所に顔を出す
羽目に為り出す。
 そんな姿を嫌いではない、亮太を囲む女性達、特に松原の妙子さんと娘の
美沙は碧から驚く話を毎度聞かされて来ていた。
其処は流れで晴美さんにも耳に入る、何から何までが怖いほど順調と、
忙しい日々が来出した。
 「お兄ちゃん、学校でアンケ-トを募ったよ、見て・・」
「え、なんじゃ、え、あ~これ・・凄いぞ、お前・・」「参考に為るの・・」
「ああ、大いに参考に為るが、なんとそうか、興味ある連中の思いを・・、
大学でもする必要が有るぞ・・、良いぞお前良いが琴音・・」
頭を擦り、ゲ-ムは既に蔓延をし始めている、妹が渡してくれた中身の数字、
此れから何が有ればするかと、課金はどれくらいまでならしても良いかとか、
ゲ-ムには興味が在るのかとか、なんと大事な部分が其処に数字で方向を
示されていた。
 碧に言って直ぐ手配し、大学内でもアンケ-ト調査を進め、知合いの他の
大学からも集める事にする。
 自分を弁えて行動、若輩者だから野田さんと武藤さんに連れまわされる中
で腰を低くし応対、その間知得なかった企業の繋がり等を垣間見れていた。
 そんな身が忙しい中、七月十日、梅雨が明けたと聞いた日の午後、
携帯が鳴る。
「・・、え、え~小百合さん・・」何と久振りに、電話で声を聞いて驚いた。
会話では直ぐに会うと決めてしまうほど懐かしい人、
あの暮から正月にかけて里えの行き返りで同伴した相手だった。
 夕方、何とか時間を取り、急いで尼崎の駅前の居酒屋で懐かしい人と会う。
忘れて無かったが、なんせ里から戻ると殺人スケジュ-ル、
報告が有ると思いつつ、半年余りあっていなかった。
だから、飲み食いしながら、小百合さんには、今迄の亮太の廻りで起きた
出来事を総て話した。
 「凄いわ、じゃ私が見ていた事は現実に為って来たんや・・」
「はい、恐ろしい程命中ですけえ、時間が空けばと思いつつ済みません」
「其処は良いけど、あんた思う以上にやり手やないね」微笑まれ言われた。
意外と不景気が長引く中で、既に馴れて来たのか、国民は其れなりに楽しむ
事は忘れてはいない、此の居酒屋でもソコソコ賑わう、バブルが弾けた後、
既に六年が経過しようとしているが、世界から見れば日本は未だ不景気から
抜け出されていないと見られている最中でも、国民は自分に合った位置で
こうして楽しんでいたと知る。
 流石に込み合う店の中、ゆっくりと話しする雰囲気じゃない、話し合い、
座を変えようと外に出て、買い物をし、亮太の部屋にと二人は向かう。
酒の宛を買い、部屋では飲み直しと乾杯、二人きりで話が出来る場所だ。
 「手貸して・・」あの忘れもしない里帰りの車の中での事を思い出す。
「・・、・・」暫く無言で目を瞑られた。
 「・・、良いわ・・」手を離された。「如何・・、何か見えたんか・・」
「うん見えたわ、でも今は何も問題ないみたい、此の侭で良いんとちゃうか」
「え・・、でも怖いくらい進むから・・」
「其処も未だ良いわ、でも今年はそのままで良いと思うわ、事は来年や・・」
「え、来年何か有るんか・・」「其処はあんたにとは判らんけど、暗い・・」
「暗、何が、あ・廻りでか・・」「そうやでもまだ先やからね、よう見えん」
「・・」「いいから心配せずとも、待てば見えて来るわ」「小百合さん・・」
「あんたね、会社其の儘突き進んでも良いけど、身の回りを気を付けなさい、
自分だけ浮ついていては駄目・・」「うわ付くですか・・」
「ああ、あんたを囲む何かわまだ見えんけど、必ず何かが起こる気配・・、
其れがあんたの廻りの一部分が暗く見える・・」「小百合さん・・」
「まだ見えんのよ、少し待つしか無いわね、でもアンタの道は先まで見えて
いるやないね・・」「小百合さん、僕の行動は此の侭で良いんか・・」
「其処はあんたが考える事、指導なんてできない、知らないあんたの世界や、
小百合はそう透視は上手くないし、断言出来ないわ・・」そう言われる。
 思えば不思議な出会い、今迄なら亮太が進んで既に男女の関係に馴れた筈、
駄目でも挑んで居る程見事な女性、其れが何でか出来てはいなかった。
総て女性はそうじゃ無いんだと知る相手でもある。
「うふっ、其処か・・、教えようか、あんたとはこの先でもそうは為らない
みたいよ・・」「え、今何と・・」「あんたが考えている事の返事や・・」
「うわわ、何で見えたんか・・」「あんた以外にはどうしても考えても要は
見えんけどな、あんたにはよう見えて来るんや、其処が未だに不思議なんや、
其れでもう一度会って確かめたかった」
「小百合さん、僕もなんでかと考えていたんだ・・」「何か有るんか・・」
「其処や、今迄隠していたが、この際隠さずに見て頂こうと思え出した」
「何・・」「僕は普通じゃ無いんです・・」
「普通じゃ無いみたいね、でもどこがそうかと見て来たけど判らん・・」
「でしょうね、僕もある事が起きてから知った・・」「事か・・」
「そう、其れで僕は普通とはある一部で違うと知った・・」
「もう意味が見えんが、何や其処・・」
「じゃ、もう一度手を握ってくれんさいや、其処に僕が気を移すから・・、
見えるなら見て・・」「けったいやな、構えるんかね、其処を・・」
「でないと、僕の将来が、滅茶苦茶に為りそうなんです、怖い・・」
「・・、え、・・、良いわ、じゃあんたの思いを其処に向けたら良いや、
見るけど結果・・」「はい、如何でも見ていて欲しいけえ、結果は構わん」
そう言って又手を差出すと、今度は亮太も目を瞑り、意識を其処に集中。
 其処には今迄悩んで来た事を如何生きて行く上に其処を扱えば良いのか
判らん、こんなに多くの仲間が増えて来ている中、其処が暴れると事件が
起きそうで自分の身が怖くなっていたのだ。
 今見て欲しいと願うのは、今まで小百合さんが言当てられた中で後ろに
女性が数人見えていると聞かされているし、其れが明るいとまで言われた。
今までは今迄、此れから総てそうとは限らない筈だったら事件が起きても
と考えているのだ。
其処を見極めてくれるか、自分の其処の部分の姿を見えるかどうか・・、
今知りたいと願っていた。
 今回は、相手の小百合さんも長い時間、手を握られている、
然も季節柄手は汗で塗れ出し、相手の掌も汗ばみ互いがそんな状態だ。

              つづく・・・・。