望情小説二部《身中の獣を抱え見知らぬ道を・・12》

 夜が白ける頃迄、五人は蠢いていた、其れ程貪欲に互いを求め合ってる姿。
風呂場で体を洗い合う中で肉の余韻を楽しむ家の女性達、
亮太は芯からこの家は何とかすると心に決める。
 部屋に戻ると、もう東の空に真っ赤に為った太陽が上がり始める時、
部屋では五人が転がり、大鼾、其れ程遣りつくした後の姿だった。
 十二時過ぎになると、敏江さんが皆を起こされた
慌てて身支度を整え、何時買われたのか精力ドリンクを二本飲まされる
男二人、苦笑いし軽い食事を終えると、紘一の車で和倉にと出て行った。
「おい、最高やないか・・」「もっと上達しますよ‣・」
「本当か、でも凄いわ女性は・・」「ええ、其処はそう思います」
「其れでな、あの家じゃ拙いだろう、聞こえるぞ、幾ら家が離れててもああ
静寂なところじゃ聞こえるが・・」「ですね、此れから考えますわ・・」
「だからあの別荘を買おうや、考えたら使えるよ、夏はあそこで林間学校や」
「ええ~・・」「俺の子とお前の沢山の子の養育場所や、何で男ばかり産む
んだろうな、俺の所は女だと聞いたが・・」「何時です・・」
「今年の夏過ぎと聞いたぞ」「じゃ、何とかここ等の場所で家・・」
「だから戻ると会うぞ」「はい、承知です、早苗さんには・・」
「事後報告で良い、お前が一度戻り話をする方が良いと思うけどな・・」
「じゃ呼びましょうか、舞子さんと共に・・」
「うげ~お前何考えて居るんだ、殺されるわ・・」
大笑いしながら、なんと一時間半少々で和倉に到着してしまった。
 「おい、早くないか・・」「少し早かったですね、じゃ病院にでも行って
精力剤でも打ちますか・・」「馬鹿垂れ、何と思って居るんだ、此れしきで
ばてるか・・」「はいはい・・」「己、憶えて居れ」大袈裟に言われる。
「で、ホテルか旅館か・・」「あ、其処は先方が選ばれたんです、大きくない
ほうが良いと申されて、馴染みの人が経営されていると聞きましたが・・」
「なんとそうか其れなら遠慮は無い感じだな、で中身は一度聞いたが真か其れ」
「ええ、既に其れが条件だと強引に・・」
「何で其処までする、買えれば良いじゃないか・・」
「其れで良いでしょうけど、後々の事を考えると、こっちも欲しい姿見せずに
条件を言った手前ですね、そうなった」「え、意味が・・」
 そこからあのビルを狙う地元の方は、先祖が家老職同士の腐れ縁,
如何しても其処には売りたくない地元の手前、首を縦に触れなかったと、
そんで敏江さんに聞いたら震い付きたくなるほどの美人だそうで、あの時は
こんな関係には此処では成っていないし、其れでついつい悪い虫がそうさせ
たんですよ」「なんと、悪いぞ・・」「はい・・」
「呆れた奴や、地獄行き決まりだな・・」
「ええ、嫌ですよ、だって上に上れば、野田さんに会えるし天国が良いです、
武藤さんも天国でしょうが・・」「そうや、お前は地獄やな、でもな三途の川
でなら会えるぞ・・」「ええ~・・」戯けた話でも笑える二人だった。
「でもね、会ってみたら、なんと本当に美人で品が有るんですよ、おまけに
敏江さんから聞いて居た義母さんが此れまた上等の上。だから僕の我儘は
当たっていたんですよ、其処が無いと駄目なんですかと言われました、
直ぐにそうですと答えたんです」「で、相手は・・」
「其処は、はいそうですかとは言えない身ですよね」「そうなるわ・・」
「ですが家の中の事情が逼迫、お父様は長の煩いで寝たきり状態で後幾何か
と思われて居るんです。其れに今は相当苦しい事を耳にしているし、此処は
そうしようと、無論先にはおじさんが見えていますからね」
「こいつ・・、で旅館は何処や・・」
「有名な加賀屋の前を通り越して崖の方向に走ると見えると言われました」
「・・、で進行は・・」「行き当たりばったりと思っています、出来なく
てもいいとも思えるんですが・・」「成程な・・」
「でも其処には向かいませんよ」「ええ、じゃお前・・」
「ええ、名が知れた先祖来来の家ですよ、こんなチャンスは二度と無い、
だからはい、止めましょうとは言えません」「何て奴や」呆れられた。
 「おう~追々、アソコじゃないか凄いぞアソコなら・・」
「え、そう言えば崖に張り出すようだと言われたが、なんとアソコかも・・」
道の右側は崖、その上を覗くように見ると真っ白い建物が見え隠れする。
「アソコカ、凄い所だな・・」「部屋数は九室と聞きましたけど・・」
「小さいな、高価だろうな・・」「ええ、そう聞いて居ます」
そんな会話をしていると、急な坂道を上がると、忽然とその日本家屋が前に
現れた。
 時間を考えて、午後三時過ぎに到着、玄関前で車を降りて、
迎える人の名前を告げた。
慇懃にお礼されてどうぞと迎えて頂く。
 赤いフカフカの絨毯が眩しい廊下、所々に廊下の隅に置かれた行灯・・、
其の行灯が有る場所に部屋のドアが有る。
平屋建てだから、廊下も長い、途中で地形か九十度廊下が折れひとしきり、
崖側に向かい歩くような気がする。
 「こちらで御座います、お連れ様は先ほど到着なされて居られます」
そう告げられて、部屋にとうされる。
 「失礼いたします、お連れ様が只今到着なされました」
「はいお世話に為りますね、どうぞ・・」
部屋から返事が聞こえ、二人は入るなり据わり、頭を下げて挨拶をする。
何と言う事か、全く和室の部屋で浮き出るような着物姿、此れは見れる
だけで感激する。
奥様は薄いグレ-の糸で出来上がる春用の軽そうな生地で整えられ、
帯は此れまた春用か爽やかな色模様にボタンが浮き出ている、若奥様は
なんと此処も目を見張る着物、薄い紫色が微か浮かぶ生地それが一色
じゃない、ようく見ると紫の糸と違う色の糸で織られている生地・・、
帯は若々しく鶯が今まさに飛び立とうと羽根を広げる姿・・、
何れもめったに見れない御着物、まるでモデルかと思うような姿だった。
其処は紘一さんもそう感じているのか何度も頷いて観賞を二人はしていた。
「あら如何なさいました、お茶でもどうぞ・・」
「え、ア、はい見惚れて居ました・・」「え、景色ですの・・」
「いいえ、景色もそうですが、この部屋の中で大興奮してしまい会話が出来
なかったんです」「あら、どうしてですのお部屋は良いけど其処ですの」
「はっきりと申し上げます、僕はたまにしか着物姿を見る事が出来ない、
友人の結婚式や、言いたく無いけどお葬式の喪服姿などでこの部屋に入り、
度肝を抜かれたんです。お世辞じゃない、此れだけは申し上げておきます。
お美しいし、綺麗です、お二人とも・・」
「あらら、お世辞ではもう約束した金額は下げられませんからね」
「ええ、若奥様其れは本当に綺麗ですよ、奥様ともども・・」
「うふっ、お世辞も流石ねお若いのに、そちら様は何方、お二人と聞いて
居ましたけど・・」「申し遅れました、亮太が申す通り、誠にお美しいから、
年がらも無く見惚れて時間が経過してしまいました。武藤紘一と申します」
「ま、大阪からですの・・」「はい、お聞きでしょうか、あのビルは三人で
買う事にしました。つまり此処に居る二人と、もう一人は僕の友の奥様、
今は既に友は亡くなっているんですが、仕事は流れで、御一緒が多いいから
今回も流れでそうなるんです」
「ま~そうでしたの、じゃ他にも三人の方達と組まれて・・」
「ええ、こいつと、いや、失礼、前田君とは十年前からの繋ぎでして・・」
「ええ、ではあのゲ-ム会社からですの・・」
「はい、御存知でしたか、今は押すに押されないほど成長し、喜んでいます、
あれ以来の仲間です、年こそ違えど、中々の人物です」
「そうでしょう、義母と今の今まであなたの噂よ、家では多くの人との繋がり
が有りましてよ、其れで貴方のゲ-ム会社の事も姪から驚く中身を聞かされた
んですのよ」「そうでしたか」「コ-ヒ-でも飲みましょうね、お母様・・」
「任せるね」こちら側はなんか落ち着かない二人だった。
 「ひや~綺麗だ~~」「そうね、此処から見れるのは日本海なのよ・・」
「え、では湖じゃないんだ・・」「ええ、和倉じゃ、海が見れるのは僅かな
旅館だけなんですの,元を申せば此処の旅館は私どもの友人ですし、この部屋
は隠し部屋と言われ、昔から馴染みの方しか入れませんのよ、
来る廊下可笑しな曲がり方してたでしょう、其処は渡り廊下で間に大きな岩で
遮られているし、海を眺められる露天風呂が有名なんですのよ・・」
「ええ、では見学宜しいでしょうか・・」
「是非どうぞ、大風呂も良いけど此処のは海に向かい最高ですのよ」
大奥様がそう言われた。
二人は、直ぐに窓際に出て、驚愕する。
其処は確かに露天風呂だが、言われる通り、母屋とは大きな岩で
遮られていた。
「・・、・・」無言で頷き乍ら部屋に戻る二人だった。

           つづく・・・・。




















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