慕愛小説《 有り得ない道筋・・55 》

 朝方、眠い目を擦りながら早苗は大事な我が子に為った龍哉を見送る姿が
雪の中見えた。
龍哉は満足な面持ちで帰路に立つが、増渕には寄れないで急ぎ名古屋にと
戻って行く。
昼過ぎには名古屋で龍哉の姿、しかも里から直接大学にだ、
昼の講義を受けたくて戻るが焦るほど忙しい一日だった。
 受ける講義を終えると既に学舎に姿が無い、有るのは和泉家に現れてる。
「もう忙しいわね・・」「奥様にご報告と参ったけど強行軍で疲れました」
「うふっ、帰る寸前まで暴れてたんだろうね、疲れた顔やがね」「・・」
「当たりか、直ぐに紀子に電話してな栄養を付けなさいよ」
「はい、確かにそうですね、じゃ電話だけ入れて置こうかな・・」
恵子の目の前で電話する龍哉を見て微笑まれる。
 「如何や、郷は・・」「はい、居の一番に報告と参りました・・」
「聞かせて・・」なんと総てが互いを認め合う二人だが、其処は複雑怪奇、
恵子も龍哉も強かに世の中を歩く連れとも思える程仲が良いのだ。
 「そうかね、そうかあんたの母の姉やね、それがお母さんかね、うふっ、
弱いとこ突くね、良いじゃないか其れで家にとどまって頂くなんて良い事
したがね・・」そんな会話をしていると・・、
 「おう~顔が見えたがね、こいつ、俺にもたまには顔を見せんか・・」
「会長・・」「戯け、此処じゃそう呼ぶんじゃないよ、もう憎いよこいつ、
恵子・・」「其れ程良い子の証拠やね、で身体開くのか、もう行きたい
だろうがね・・」「恵子其処・・」
「良いのよ、二人は互いに遠慮なしじゃないね、龍哉に聞かんでも直接電話
したらいいがね、此の子も里で何かすると今話を聞いたところやしね」
「ええ、じゃ龍哉するのか何するんや・・」「其処が未だ決められんけど、
何か探す」「良いぞ、そうや奏しろ、今度こそ手伝うぞ、恵子ばかり良い目
はさせんからな・・」「ええ、貴方、もう良い目はどっちなんですかね・・」
「あ、仕舞った、そうやぞ、いいな龍哉・・」
「え~僕に回すんですかおじさん・・」「もう其処はのう、助けてくれんか」
「で、日は開けられたんですか・・」「其処や、何とか出来るが良いのかな、
まだ雪が有るのか・・」「今盛りですけど、外に出れないからとぼやかれて
居るんですけどね・・」「往々、そうかじゃ恵子良いんか・・」
「良いも悪いも隠し事されないから良いわ、アソコなら何時でもどうぞ、
龍哉の領域ですからね」「敵わんが、でも龍哉向かうぞ・・」
「はいっ、どうぞ」「こいつ・・」後ろから羽交い絞めで笑われた。
 報告を終えると、今度は御器所の家に龍哉は居る。
待つ紀子にも、泉家と同じ事を報告しつつ夕食を頂いた。
 「ま、じゃあんたの母が出来たんかね、凄いぞ龍哉良いわ其れが一番いい
事やね、家に居られる事が大事や、お婆ちゃんも喜んでおられるよね」
「はい、其処が一番ですからね・・」
其処からも里で何するかを三人で考えていた。
「そうね、ありきたりじゃ心許ないね、誰もがじゃ無くて一番はお年寄りが
出来る事が大事と思うけどな・・」「え、真衣さん、其れで悩んで居るんや」
「ええ、じゃ其処なの・・、若者は・・」
「其処もそうだけど若者は動く事が出来るし、最初は都会に憧れるからね、
まだ先でと思うんだ・・」そう告げながら、色々な本やPCで検索していた。
 「あら~ま~これ如何かしら・・」「え、お母さん、其れってキノコ・・」
「そうや、でもね此れ菌床ってもので繁殖させるのよ、山や木で出来る物じゃ
無いわ・・」「ええ、嘘・・」「見て此処・・」
「ああ、出た菌床ってそれなの・・」
「層みたいや、でも私らが食べている物が沢山出ているよ、ね龍哉・・」
「今、僕も其処を見ているんだ、出来そうやけど、菌床って・・」
「ま龍哉、あんた大学生じゃないね・・」「そうだけど・・」
「じゃ大学に農学部は・・」「・・、ええ~ああ・有る有るが然も知る人が
居られるが・・デ・・」「ええ、もう龍哉、その人に実はこれ此れで悩んで
いるとでも言えば良いじゃない、どうせ女性でしょう」「当たり、です・・」
三人が大笑いする。
 おもわぬ場所で知り得た情報は龍哉でも理解出来る植物で、
いつ何時でもス-パ-で見れる程食卓には欠かせないものと思えた。
 その晩は意外と興奮する龍哉を迎え、義親子でとことん遣られ通し、
二時間後には既に動く事すらされて居ない様子、其処で今夜はと退散して
部屋に駆け込んだ。
 「美恵・・、え・・、居ないんか・・、あそうか店の宿舎や・・」
思い出すと急に気が抜けた。
 自分でコ-ヒ-を沸かしながら考える。
(待てよ、其れだけじゃ足りないぞ、溢れる人を如何するかだな、仕事は
幾らでも作れそうやぞ・・、ああ、そうや見たがあれか・・)
手拍子如く手を叩き、又もPCを覗いた。
「有ったが・・、なんと多くの種類が有るんだな・・」
検索先は柚子と表示が見える、そこで懸命にメモを取り色々な個所を調べる。
 そんな時間が過ぎる頃・・、
「ええ~もう戻るんなら電話だと何度も言っているでしょうがね・・」
「ああ、お帰り、「あんたね帰る時寄らんと・・」
「うん、講義に間に合わんと思い戻ったんだ」「それで・・」
「おじさんが行きたいと・・」「ええ、嘘や待って・・」
其処で里の電話する美恵、龍哉を睨んで会話する中で二度頷いて知らせた。
「来たって先ほど、良いんかねとさ可愛いね、アンタと大違いや・・」
「ですね・・」「ええ、全く、風呂は・・」
「まだや、調べもんが出来たんや・・」「勉強かね」
「そうも言えるけどな・・、郷や・・」
「うひゃ~何々教えてよねね、龍哉様・・」
「こいつ、まてや、未だ奥が見えんが、大学で専門家に聞いてからや・・」
「そっか、でも良いよ、御願いやねね龍哉何でも聞くし・・」
「じゃ風呂やな、疲れて居るんだしな、出しても居らんが・・」
「く~其処かこいつめ良いわ望む処や、美恵も少しストレス溜まっている」
「じゃ今夜は僕がオイルするかな・・」
「阿呆、其れだけはやめてね、未だ早いし後に残して置くわ・・」
「はいはい」其れで風呂場で何時もの通り互いが裸だが、抱合う事は無い、
だが懸命に奉仕してくれる美恵の御陰で、精子が放出出来ていた。
 「最高や美恵は一番の友やな」「阿保か、其処をゆうなら介護師にしろ」
「く~そうか、で何時行くと聞いた・・」
「二月の始めと聞いたけど早く会いたいとせがんだそうや、するとな明後日
には行けると折り返し電話が来たと・・」
「く~~~、郷も負けんな、良いぞその調子や・・」
仕掛け人二人がほくそ笑んガッツポ-ズする。
 翌日、大学に顔を出すと美咲を呼んで事の経緯を話す。
「ええ、じゃ良いじゃない、なんと繋がり出来たね・・」
「其処やが、其れだけじゃないんだ、柚子も考えているんだ、多くは出回ら
ないから良いかなと・・」「良いわ其れも、じゃじゃ仕事なら柿も良いよ」
「え、柿か・・」「そうや甘柿も良いけど一番は高値で売れる干し柿やな、
普通なら一個せいぜい弾んでも二百円前後や、無論富有柿は別や、其れでな
干し柿は手間が懸る分高値や・・、保存も効くしな」
「なんとそうか、詳しいな・・」「岡山だよ、果物の産地や・・」
「そうだったな、早く相談すればよかった・・」
そんな会話を済ませると、美咲が電話してくれて、午後三時からなら会える
と返事が来る。
「美咲・・」「私は邪魔遣ろうがね、塾も有るし遠慮します~~~」
「く~、了解や・・」
 何時もの喫茶店で会う事に為り、三時前にその店に向かう。
「此処や~・・」知らない女性が席を立たれて手振られる。
「あ済みません・・」「来たね、聞いたわ、良いじゃないねでも其処菌床
だけじゃ詰まらないわよ、土は如何かな調べたいけど・・」
「ええ、土でしょうか・・」「そう、キノコは幾種類も有る、菌床栽培は
良いけど、どうせなら他の種類も作れば、今色んな物が増えて来ている、
職種は最高よ」「じゃ、土を持参します・・」
「じゃ山の土と、畑の土、田んぼと沼の底に沈む土もよ、出来たら山も
変化或る山で数か所欲しいの・・」
「はい、了解です、で何とか出来るんでしょうか・・」
「お金と場所よ、仕事は其処で産まれる、力仕事じゃ無いし、お年寄り
には良い事と思うわ、広島と県境と聞いて居るけど・・」
「はいそうです」「じゃ、其処は土地質も良いと思えるから、楽しみね」
そんな会話をする中で、益々凄い女性と思い知る。
 二月に為った、おじさんは三日滞在され昨夜戻られ呼び出しされた。
最高な笑顔で迎えられ、奥様が冷やかす中で円満な夫婦を見る事が出来た。
 数日後、頼んでいた土が送られて来た、無論送り主はお母さん、
詰まり早苗さんだった。
大層にビニ-ルの袋でチャックが付いている物と瓶に詰め込まれた土が
十種類ほど送ってくれた。
 それを大学に持ち込んで、藤田さんに渡す、此れが最初やねと微笑んで
受け取ってくれる。
袋にも瓶にも場所が丁寧に書かれている代物、早苗さんも力を入れて
くれていたのだ。
 数日後、暇なので岐阜の中津川に遠出する。
無論其処でも最高な業師と抱き合う仲、既に数度抱き合う体だが、
最高過ぎる肉に溺れつつ、今迄の事を話していた。
 「ええ、じゃじゃ飯田は駄目なん、島根県と離れているし・・、
アソコも何かしら起こしてよねお願いあんた・・」
「そうか有った、じゃ土の結果待ちや、其処も序にするか同時じゃ無いが
遅れても良いだろう・・」「良いわ何でも良い、じゃ私明日に飯田に戻る、
其処で何か探るわ、叔母ちゃん遣りてやし、叶うかもよ・・」
「ええ、じゃ本気か・・」「何かすればあんたとこうして会えるならする、
資金も有るしねね、御願い頼む・・」
そう言われるとそうかと思う龍哉、此処も有りかと思え出す。
 飯田は任せると決めると、その晩泊り翌日には名古屋に居る龍哉、
又も勇んで報告やと和泉家に駆けこんで行った。
既に電話で知らせている紀子さんも居られる中で、数日の変化を話す。
「あらら、大変だ事、龍哉も忙しいね」「奥様駄目かな・・」
「駄目とは決めていないが、あんたね其処すれば抜き差しならなくなる、
如何や内の人加えんかね・・」「ええ、加える・・」
「そう、増渕と近い、両方で手分けすれば、尚更でかくなろうがね」
「そうや~そうだ、其処考えて居らんけえね、忘れる処やが怒られるが」
「だろうが、じゃ計画書出来る迄内緒だぞ、内の人驚かそうかね・・」
「奥様、聞いても良いでしょうか・・」「はい、何でもどうぞ・・」
「じゃこの最近おじさんに抱かれたでしょう・・」
「・・、ええ・あんた其処言うのか・・」「是非、今後の為ですぞ」
「はい在りました、ええ・・と思う間に終わるのよ」「お母さん・・」
「真じゃがね、でも楽しいわ、抱かれる事だけでも満足や・・」
笑いながらそう言われ、紀子さんが長い間大笑いされる中、
最高な家族と思い知る。

                 つづく・・・・。















ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント