驚道小説《一炊の憑依に惑わされ・・2》
自分が住むマンション傍の喫茶店に二人は移動していた。
名前は、あの市民総合病院の看護師で山内真弓さんと言われ、
年は聞いてはいないが凡そ二十二前後かと思われた。
「ねね、場所を変えたんは、貴方に聞きたい事が有るんだぎゃね」
「なんですか・・」「あのね、貴方の頭痛さが気に為ってね、家で何となく
話に出したんよ、お婆ちゃんがその貴方の話に喰付かれ、長い間話込んで
いたんよ」「そうですかお婆様は如何言われたんでしょうか・・」
「其処よ、原因が判らない頭痛よ,何でかと訝るじゃないね,其れがね、
お婆ちゃんは珍しい事じゃ無いがねと・・」「ええ・・」
「そう言われたがや、そんで何でと聞いたら」そこから長い話をされ出す。
「ええ、じゃじゃ、僕が其れだと・・」
「違うわよ聞いて,貴方が如何して夜中だけに頭痛が起こるかも婆ちゃんが
話をするのよ・・」「如何・・」「それは何かに侵されているのかもと・・」
「侵される・・、誰にです,僕には覚えが無いけど・・」
「其処よ、婆ちゃんが話す事は先ほど言ったよね、婆ちゃんの里は岐阜の山奥
なの、其処で子供の時、聞かされた事を思い出したと」「では同じ事が・・」
「其処も貴方に会っていないから何もそうだとは言えないと,でもね原因が
判らない事は山ほどある、病気でもそうだし世間でもよ」「そうなりますね」
「でしょう、だから気に為ってたんだ」そう言われた。
「それとね、貴方其の痛さが終わると身体になんか変化無いの・・」
「変化ですか、・・、別にないと思うけどな」「ようく考えてみてよ・・」
「・・、・・」そう言われて賢太は考えだす。
「無いの・・」「待ってくださいよ、急ですからね、思い出して居るんです」
そう告げた後、暫く考えていた。
だけど何処も変化は無いと思えるし、聞いた話がチンプンカンプン、
今時あるのかと訝る中身,賢太は其処で真弓さんと別れた。
部屋に戻ると言われた事が気に為り、色々と思い出そうと努めた。
「・・、・・、え、あ・ああ~何でや、ええ其処か・・、嘘だろう・・」
寝転がった体を起こして座ると固まった。
思えば,変化は無い事も無い、現実有り得ないから普通に考えていたが、
今会った真弓さんの事が脳裏に浮かぶと・・、あの頭の痛さから今日まで
考えもしていない事が一つあった。
「そうか、其処なら考えられるぞ、でも有り得ない事だけどな・・」
自分が経験したことがそうかともいえるけど、其処はあの頭痛の所為とは
言い切れないでいる。
暫く、部屋で悶々としていた,だが聞かされた話が衝撃的で,賢太は脳裏
から離れてはくれない其処を考えた。
然し時間経過とともに益々気に為り出すと、真弓さんの婆様に合いたくなる。
急いで相手の連絡をしたいが、賢太には連絡し様がない相手、電話番号は
聞いて居ないし,今更病院に電話して聞くわけにも行かないと、
部屋で動かずに頭を抱えた。
聞かされた後思えば何か変って来ていることは確か、だけどそれがあの頭痛
との関係は定かじゃない、今迄はそんな事すら考えた事も無かったが、自分が
長い間セックスと遠ざかっているからだと思い込んで、体内に仕舞い込んで
いたと思うしかない事が、最近特にそこだけが気に為り出した自分が居るのだ。
其の事は確実に以前とは違う、其処の位置で見たり考えたりはしていないし
出来ない、其れが今思い出せば有り得た、真弓さんになんか最近変わった事
無いかと聞かれたが、その時は其処にまで考えが広がっていなかっただけ、
そう思える。
(ええ、じゃ何か、あの痛さからもう数度来ているが、頭痛が其処か嘘や・・)
だが、其処をメインに考えると、まんざら嘘と決めつけるわけには行かない、
其れほど最近は女性が気に為っていた。
気に為る部分が違うけど確かにそうだと、今はっきりと言えるほど,
自分の変化を判る賢太が居た。
(なんとでは、相手が真か,何で其処が理解できているんだ、今迄は其処
はまったくわかっていなかったぞ・・)意味不明の言葉を吐きながら、
部屋で又其処だけを考えだす。
(あ、じゃじゃ、あれは嘘じゃ無かったんだ・・)又も飛起きて唖然とする。
其れは、先ほど感じた真弓さんの事が脳裏に浮かんでの驚きだった。
(まさか、其れが本当なら驚きだぞ、今まで見ていないし見れなかった事が
垣間見れて居たぞ・・)賢太はこんどは驚きより苦笑いする顔が見れる。
(待て待て、其処は確かめてからじゃ、良いぞ其処が見えるなら、此れから
どんな事も其処を見ようと気を集めると見えるかもしれないな・・)
何となくだがあの頭痛の後から、益々そこが見えているのを気付かずにいた
事が、はっきりした。
思えば最初の痛さから既に六度痛さを経験している身、だが其処が変って
来たとは今の今まで知らない、真弓さんからの話しでそうかなと・・、
でも今はっきりとそうだと思い始める、そうであって欲しい分も有るが、
自分が其の頭痛で変わり始めて居るとは自ずから今までの事を思うと、
有ると断言出来ていた。
翌日,一人で自転車で今住んでいる場所が西区、其処から東区にと自転車
は向かう。
三十分でその東区の目当ての場所には到達出来たが、
向かう場所は皆目解からないが来ていたのだ。
其処は名古屋でも有名な豪壮宅が並ぶ街、東区白壁・・。
暫く付近を自転車で回るが、目的の家が見つからない、
其処で古く粋な喫茶店に入り、コ-ヒ-を飲もうと入る。
「いらっしゃい、何されます」「コ-ヒ-お願いします」
出てきた豪華なセットに呆れながら、コ-ヒ-を啜るように飲み始める。
(うん・・、なんとそうか・・)頷いて、横のテーブルの片付けをされる
女性に、意を決して話をする。
「変な事聞きますが、ここ等で山内さん宅はご存知でしょうか・・」
「ええ、行かれるの・・」「え、その積りですが、始めて来たんです、
でも白壁とだけ聞いて居るだけですから・・」
「え、あんた、何で行かれるだぎゃ聞かないとおいそれとは言えないわ、
あなた誰かも知らないしね、交番なら少し離れた所に有るけど・・」
「ええ、ママさんですよね」「そうなるわね・・」
「じゃ、教えて下さいよ,僕は悪い男じゃ無いし、免許証見せます」
「ええ、あんた其処まではきいとらんだぎゃね、何で初めてなんかね」
「時間有りますか・・」「見ての通り暇ですからね有るけど・・」
立ったまま話をされた。
「ええ、じゃじゃ真弓ちゃんの知り合いだぎゃ・・」
「はい病院でお世話になった男ですけど・・」「じゃなんで病院行かんね」
「其処はご迷惑かと思い・・」「何で、病なら行けるだぎゃ・・」
「其処なんですけど、家のおばあさまに合いたいと探して来ているんです」
「ええ、益々可笑しいわね」怪訝そうな顔が歪んで来る。
「中身は言えませんが決して怪しいものではありません、お伺いしたい
ことが出来たんです」「変な人ね、家は言えないけど、呼べるかと聞いて
見るけど・・」「是非お願い致します」そう言って頭を下げる。
直ぐにママさんは電話され、賢太の名前を言われた。
「来て頂けるけど、迷惑は駄目よ・・」「はい心得ています」頭を下げた。
十五分で相手だろうか,六十過ぎの女性が店に来られ、ママと会話をされ
ながら、賢太を見られた。(来られるぞ・・)賢太は顔が合うとお辞儀した。
つづく・・・・。
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