痛快小説《異端児※陽介・・30》

 久し振りのゴルフ、前は一週間に二・三度通う好き者だった・・。
昨日あれから慌てて、練習所でゴルフの玉を汗を垂らして頑張っていた。
(そうか美咲ちゃんの母親若いな・・、其れによう似ているが・・)
昨日美咲ちゃんと笑顔で映っている画面を見てるから、今日は会えるのが
楽しみと、今迄通い馴れた三重県のゴルフ場、今日向かうクラブは一度
くらいしか行っていないけど、松の林が印象的で、手古摺った覚えが有る
コ-ス、其れでも通う中では良いコ-ス、運転しながら会う相手達は
どんな人かと興味は有る、
瞳さんが笑いながら鬼瓦と言われる男を想像し、なんと東名阪は直ぐに
桑名インタ-にと到着、ここ等は両手で数えるくらい大いいゴルフ場、
有名なクラブが存在し、行く先は東海クラッシックの女性版で六年間も
続いている場所だった。
国道四百号を走り員弁横から211号線に入り、向かった。
 「え~早いが・・」なんと三十分少しで到着、フロントで名前を記入し、
未だ他のメンバ-は来ていないと知る。
更衣室で着替え、何時もならコ-ヒ-でも飲んで構えてるが流石に今日は、
直ぐに練習グリ-ンにと向かう。
ボ-ル三個を只管位置を変えてホ-ルにとパタ-で打つが、中々思うよう
には転がってはくれない,何とか時間前までと頑張っていた。
 「お早う御座います・・」キャデイさんから声を懸けられる。
「え、ああ~若しかして・・」
「はい、矢張そうでしたか、昨日夜中まで何度も電話が来て・・、頼むと
言われご挨拶に、美咲が大変お世話に成っていて心から有難う御座います」
「ま、其処は良いですよ、此方も助かっているし・・」「で、相手は・・」
「それがね、今日が初対面や、友人からそそのかれてな貴方にも会いたい
から此処にとお願いしたんです」
「そうでしたか、じゃキャデイ後一人付けましょうか・・」
「え、出来ます・・」「今は梅雨だし蒸暑いからね、お年寄りにはきつい
ですから、暇ですのよ・・」そう言われ、事務所に向かわれた。
 (へ~良いじゃないか、なんとそうか美咲は十九で産んだと聞いたが、
毎日コ-スを歩き、鍛えられているんだな・・、ああそう言えばそうか
其処やぞ・・)何か感じたのか、陽介の顔が変化した。
 「お早う御座います、山根さんでしょうか・・」
「え、はい、あ・じゃじゃ」
「ええ、瞳さんから聞いて居ます、野田正之と言います、今日はよろしく
お願いします。ああ其れと連れですが、名字はお互いはびきません、僕は
正之、こいつは崇、此れは茂雄です」紹介され、陽介も名前で挨拶をする.
(なんと聞いた話通りだぞ、笑えるけど本に憎めない人に見えるが・・)
他の二人も同じ、背は高くは無いが体格は立派、皆其々と思え此処のコ-ス
は6200少しのヤ-ドで長いコ-スじゃないが攻略に手古摺ると言われてる。
キャデイさんが二人付かれた。
一番テイ―でじゃんけんし、一度何も無で回ろうと決まった。
陽介は一番最後、中々の飛ばし屋の後構える陽介、皆が見ていた・・。
「行きます」一言伝えドライバ-を思いっきり引いて、其処から振下ろし
球に当てた・・。
「・・、え~何々凄いが飛ぶな~」紹介された中の一人、崇さんが唸られた。
「真、良いぞ凄いが其れにフヤウエーど真ん中や、桑原桑原、何も知らんと
賭ける処や、正之・・」「だな、半分は此れで回ろうや・・」
そうして四人はコ-スに出て行った。
美咲から聞かれたのか、バッグは正之さんと並んで積まれお母さんが担当
されていた。
 次第に陽介も久振りだが、鍛えた技は随所に炸裂、なんと二時間余りで
ハ-フを終えると‣・、正之さん四十三打、崇さん四十打、茂雄さんは
五十二打、陽介は何とか三十台で踏ん張り、三十九で終える。
 クラブハウスでは食事をしながら話が弾んで行く。
「何と陽介さんは飛ぶしまとまりが良い、凄い・・」
「いやいや、まぐれですよ、皆さんの足を引っ張らない様にと・・」
「ええ、其処を言われると俺が困るが・・」
「あはっ、既に腕は見定められてるわ、お前は第一のカモだぎゃ、今夜の
鍋に入れや、な崇・・」「おうよ、今迄メンバ-が無くなると遠慮してた、
今回でお前の位置が失われるな」「え、マジか止せよ、俺も参加するぞ」
「じゃ、仰山ハンデ貰えや、お前は口達者や、初対面でも臆せずもらえる
だぎゃ・・」そんな会話が飛んで和やかだった。
 ハンデも正之さんが仕切られ、大人や何もないでは元気が出んと、
決められ、誰も其処には文句が無かった。
そんな中で、陽介のスマホが鳴り、出た。
「おう、美咲ちゃんか、ああ、和やかだ・・、え、そうか良いけど・・、
・・、うんそうするわ」会話を切り戻り、皆で又後半のコ-スに出て行く。
和やかだったが、結果ハンデ通りに終え、何とか辻褄を合わせ、勝もせず
負けもしなかった。
 浴槽は余りにも気を使いシャワ-だけで其処を逃れた。
又もラウンジで会うが、其処ではマスク姿、会食無しで改めてと決めると
その場で解散する。
 午後五時前、美咲ちゃんに言われた員弁に入りたての場所に喫茶店を
指定され、五時半までに行ってと言われていた。
従い其の時間前に店に入る。
 「え・・」直ぐ正面の席を立たれ頭を下げられる女性が美咲の母親だ。
アイスコ-ヒ-を飲みながら談笑、本当に色こそ仕事柄陽に焼けられてるが、
現場でマスク越ししか見えていない顔、今でも飲むたびに顔の全貌は見える、
予想以上に綺麗な人、四十にはとても見えないと感心する。
「先ほども電話が来ていましたのよ・・」
「ええ、其処は心配やからや、あの子は気が良いから・・」
「何時も話を聞かされています、本当に心から感謝しています」
「良いですよ、其処はお互い助かってるんです.でも気には成るんですよ、
あの子が話す中身にね・・」
「如何言われて居るんです、おおよそ見当はついて居ますけどね・・」
「そうですか、此の侭でしょうか・・」
「後で、お願い時間は取らせません、家に来て頂けないでしょうか・・」
「え、拙くありません・・」「拙い、いいえ有りません、嫌なら致し方ない
けど、此処ではお話が・・」「あ、そうかじゃついて行きます、近く・・」
「はい・・」なんとかそんな会話は成立しした。
 喫茶店を出ると、薄いブル-の軽の後に従い走る。
 車は員弁の街中を過ぎ、左の道井に入り、少し坂を上ったところに家が
並んでいる、その一番奥の家の庭に入られる。
車を出て急いで家に入り雨戸を開け始められる。
陽介は庭で見下ろせる員弁の街並み、美咲は此処で育っていたんだと知る。
 そんな時声を掛けられ、家の中に入った。
お世辞にも豪華とは言えず、其れでもこじんまりと片付けられている部屋、
テ-ブルに向かい腰を落とす。
冷たい麦茶を出され座られた。
 「あの子がなんと申して居ます・・」「え、其処は・・」
「言えませんの・・」「ええ、拙いと判断しているし・・」
「・・、そうですか、じゃ真美が言い返す事も出来ないわね・・」
「真美さんと言われるんですね・・」「はい、内川真美です・・」
そう返事される。
「何時頃からのお付合いですか、そうして今はどんな感じでしょうか・・」
「・・」「言えないなら良いですけど・・」
「・・、三年前から、今思うと既に仕事が上手く運んでいない時期と思える、
お付き合いはゴルフ場で三度着いた時に言われたんです。外で食事をと‣・、
そしてラウンド中で手に五万円握らされた。驚いて其れを今度は私が強引に
返したんです。其れが気に入られたのか、以後何度も誘われ、一度くらいは
良いかと・・、それが悪かったんです・・」
「そうですか、じゃその後は男女の仲に・・」「・・」返事はないが当たり。
「でも何時もじゃ無いし、月に一度あるかないかでした、それが一年続き,
翌年の寒い日、電話が来て助けてと言われたんです・・」
「助けて、お金ですか・・」「ハイ、手形が落とせないと泣くような声で」
「幾ら・・」「五十万円・・」「それで出したんですか‣・」
「急だし懇願され、弱みも有るし、断れずに定期解約して・・」
「なんと・・、でその後は・・」「数度五万円・・」「何と、今は・・」
「はい今は、娘が電話に出て泣叫んでお母ちゃんに近寄らないで・・、
お金なんであんたに渡さなあかんだぎゃ反対やろう、此れ警察に届けるから、
其れに今の会話録音しているし、判ったら、お母ちゃんを困らせるな・・、
そう言ったんです・・」「何時頃ですか・・」
「今年の始めです、でも其れまで暫く会って居ないし、もう良いかなと
思っていたんです・・」「そうでしたか、で今は電話は・・」
「娘がブロックしてます。でも家まではと思っていたらこの前家に現れて、
驚いて街中に逃げ込んでいたんです」「え、じゃ家をご存知ですのか・・」
「ええ、一度無理矢理送られたから知っているんでしょうね・・」
そんな話をする。
その後相手の男の名刺を見せられメモをする。
 そうして暫く家に居ていろんな話をするが、女性だ、相手が悪すぎる
とも思える中身だった。

             つづく・・・・。















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