痛快小説家、上山惣一 [痛快、ロマン、官能]

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zoom RSS 欲喜小説九十六弾≪ 獣の巣窟 ・・終節 ≫

<<   作成日時 : 2017/09/08 02:04   >>

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 平成十二年の年が明ける、昨年はとんでもない年だった。
優が一気に大人の仲間入り、しかも考えられない程の暴れ様
其れが出来たから不思議、相手が大人の女性だし、
都合が良いように進まれた。
無論義母の存在が在ったからこそだが、優がまだ少年だし、
受け入れてくれた女性は三十過ぎている人達ばかり、
倍も違う年齢でも時と場所と考え方により可能な事が
証明された年でもある。
 一番は義母と温泉に出掛けた事より展開が大きく変わる。
大阪から来られた義親子、偶然にも店で知り合うとなんと
考えられない展開になる。
其れが後に影響が出来る相手とはその時は誰も知らない、
其れがそうなって来るから不思議な少年と言えた。
 「優、挨拶は行かないのかね」「うん、未だ正月の最中だろう、
相手も大変だろう」「うふっ、一気に六人の子持ちかね、大変だ」
「順子さんの所為でも有るんだ」「ハイハイ、肝に銘じて置きますよ」
強かな女性の義母には逆らえない優が居た。昨年七月に生まれた
早苗さんの子供を筆頭に、浜田の真理さん、そうして地元では
美津代さんの里で美代美紀姉妹が揃い身篭り、
十二月の始め子供が生まれている。其れより早く美里さんの娘
碧にも十一月に生まれ、淑子さんの娘の美咲さんにも子供が同じ
時期に生まれた。
名前だけは里では優の字は使えない、大阪の早苗さんの子は優一
と名前を付けられる、浜田も真理さんの子は優太と付けられていた。
 「今年は相当頑張らないといけんが・・」
正月開けると優はこの家を出る事になっている。
既に秋から出家の改装は進む、年末に出来上がっていた。
総て優が考えてしていた事だが、其処にも大阪の早苗さんの力が
大、そんな忙しい一年だった。
 そうして同級生の徹も優のお陰で人生を謳歌出来ている。
其れと美津代さんの娘加代ちゃんも様変わりされている。
PCを猛勉強し、今じゃ加代の家は毎週終末、知り合いの娘がPCを
習いに来ているし、徹はと言えば義母の勧めで田に出れない家が
有るから其れを熟しなさいと尻を叩かれ役場も農協もその話に参加、
徹が頭で秋の稲刈りは四台のコンバインがフル稼働、仲間も誘い、
今じゃ五人が参加している。
 これは地元では噂が出回り、徹は一気に偉い子じゃともてはやされ
ていた。無論それを喜ぶ母の益代、総て優の御陰だと嫌ほど知る人、
其れで隣の小夜さんを優にと動かれていたが、其処は既に男女の
仲だったが、益代さんの世話と決めつけていた。
 正月三日、優の家は大賑わい、徹に関係する若者が顔を揃え、
おまけに加代が率いる若い女性軍団が加わるから家の中は大変、
未だ酒も飲めない連中が居る、優は今年漸く二十歳になる身、
同じ様な年頃ばかりが揃う。
 「ま〜こんな田舎に仰山いるじゃない若者が・・」
と大笑いする中、優を咥えて十二名が顔を並べる。
其処は地元では誰しもが大歓迎する仲間、徹たちは田仕事を一手
に引受け、加代組はPCの関係で繋がりが出来ている間柄、
其処でいろんな話も出ると聞いていた。
 一番喜んだのは義父の宇吉、役場でも鼻が高い、優の御陰だと
酒を飲む度自慢する姿を順子は笑いながら聞かされる。
 「ね〜優、今年は如何進もうか」「何か有るんか」
「其処なのよ、花や野菜は既にどこでもしているし、此処はお年寄り
でもなんとか出来る事を考えて来たが」「何・・」「果物どうかしら」
「なんのや」「それがね、手が懸るのは無理じゃろう、お年寄りだし」
「それで」「色々調べたんだ、郁代が言うには柚子や柿は如何かと
いんさる」「柚子・・」「そう、其処は既に調べている気候も最適、
寒暖差が大きい此処には良い既に柚子は在る、其れを事業化
しようかと」「なんと良いじゃないか、出来るんか」
「うん、調べたら相当良い、値段もそこそこ、此処で柚子味噌製造
すれば売り上げもでかくなる」「うほう〜良いじゃん、其れ行こうよ」
「徹・・」「うん、この間聞いたが凄いぞこいつら、乗ろうよ優」
「良いけど、他のもんは如何なん」「既に加代が話し惚込んでいる」
「苗木は」「有る余るほど有るが」「・・、・・」
「な〜優、最初は其処でお年寄り加えようや」
「その金で後何とかするならする」「なんとかって儲けか」
「そう、総てお前らの懐に入るなら賛成せん、三割は還元せい」
「如何するん」「未だここには仰山婦人が居りんさろうが、その人達
も仲間に入れんさい」「如何するん」「あのな、皆で考えろや、此処は
今どんな状態や、老人ばかりが目立つぞ、独り者も居りんさろうが、
足腰悪い人もじゃ」「介護か」「うんや〜其処は別じゃろう、既に介護
は手回し出来ているが、僕が言いたいのは食事じゃ、買物も不便
されておりんさろうが、其処を何とかせんか、加代ちゃん」
「え、私か」「そう、柚子や柿は其れで良いが、その売上げて何とか
賄えるように計算して、足りなければ柚子増やそう、柿や柚子で
五年後をめどに進みんさい、其れで賄える数だけ植えれば良い」
「優、あんた大丈夫か」「出来るんか」「それは出来るが、金が」
「苗は安いが、仰山買い其れを休耕地が在る場所で植えれば良い
事じゃ、此れ役場に持ち込んで貰うが」
「そうか、其れじゃ売り上げで考えられるが、食事もご飯は抜き、
其れくらいは個人で炊いて貰い、料理だけ作ろうや、夫人が主役で
其処でも雇用が生まれるが」「で一週間どれくらいじゃ」
「一週間に三回は如何、料理は一日で食べきれんかもしれんし、
自分で拵えんさる家も有ろう、何もかもする事は良いとは言えんが、
甘えが危ないぞ、でも油もんは家ではさせたら不味いぞ、其処は
引き受けては如何かな・・」「良いぞ其れ、勧めろ加代」
みんなが大賛成する。
 無論隣で聞いている順子と宇吉目が潤んでいる。
「ようし今年は其処で頑張ろう、加代パンフ作れや」
「まかしてみんなで考えるし、優」「今年も凄いPCが出来るそうじゃ、
加代予約しんさい」「あいよ、皆頑張ろう」
賑やかな会合が一段落、順子と美鈴が食事を用意する。
 「あんた達、お願いねもうわしらじゃどが〜する事も出来んけ〜、
宜しくね」「お父ちゃん、役場頼んでくれんさいや」
「まかして、夜抱きついて頼むかな・・」
其処で大爆笑、皆が手を叩いて大笑いする。
 その日は夜遅くまで皆の役割分担まで決めて散会、優は加代と
徹の力に参る、其処まで本気を知らされると優も動き易い、
義父も酒を飲んで遣りんさい、役場や農協は任せと胸を叩いた。
 順子が一番喜ぶ、徹が頑張るし、優もそうだが、今じゃ徹を
育てる意味で体が持たないほど忙しい、美鈴もお零れに乗るから
其処はまた違う思いが有る。
 一月四日、優の携帯が鳴る。
「おめでとう御座います」「あ、昨年は有難う」「今年もじゃ駄目なの」
「ええ〜其処は願うけど」「じゃ来れる」「良いの子供は・・」
「今夜広島に戻るし」「そうか行こうかな」「来てよ」
相手は川越の小夜さんだった。
又携帯が鳴る、「・・、・・、誰ね」「・・、・・」
返事がない電話、優が怪訝そうに又問う。
「俺じゃ、感動してな優感謝だ」「何が・・」
「もう昨日俺は驚愕したが」「だから何」
「お前お母さんを俺に充ててくれたんだと知った」「え・・」
「もう忘れるもんか声じゃ、最初にドキッとしてから何が何だかもう
大変、其れで顔や体つき見たら間違いないと、心でどれだけお前
に感謝しているか知らんだろうが」「知らんが」
「阿保か、金輪際何が何でもお前について行くぞ覚悟しんさいや」
「うざいわ」「もうそう言ううな、俺がどんだけお前を最高な友と見て
いるか知らんだろうが」「知らん・・」「もう切ないが・・」
「如何したらええんか」「なな、一度明るい場所で会いたい、お願い
じゃもう最高な人じゃぞ」「阿保か、おぼれるな良いか嫁が来るまで
の事だぞ」「判った貰わんが」
「阿保、其処が往かんのじゃ、そんな気ならもう会わせんぞ」
「・・、・・」「判るか」「・・、・・」
「もうしょうがない奴」「優、最高じゃお前は」「ハイハイ、有難う」
其れからもなかなか電話を切らないから勝手に優は切った。
 「お前・・」「ばれたが」「矢張り、来て中ごろ俯いておりんさるから
ばれたかなと」「声で判るが、その後体や顔を見たといんさる」
「うふっ、如何かね、ばれたんか」順子が大笑いする。
 「如何ね、交代しようかね」「えっ・・」
「此れから色々と事業で此処に顔を出す、順子じゃ不味かろうが」
「良いのか、あいつ泣くぞ」「其処は其処じゃろう、如何淑子、
子守で忙しいが其処は別口じゃ、宛がうか」「義母さん」
「もう卒業じゃ、武者修行に出んさいと送ろうかね」「義母さん」
「良い頃合いかね、淑子なら損得は無いが、徹も喜ぶぞ、お前も
其処なら良いじゃろうが」「良いけど」「じゃわしが話そうかね」
「・・、・・」「何、卒業させてよ」「義母さん、ありがとう」
「また、お前オンリ−になるかな」最高な人だった。
 「今夜行くんだろう」「えっ・・」「其処じゃわしも連れて行け」
「ええ〜」「阿呆わしは隣の家じゃが、其処で徹と話をする任せや」
「義母さん」「何時」「何時でも」「じゃお父ちゃんと寝る後で行こう」
「負けるわ」「勝ったな」益々凄い人と思え出す。
 九時過ぎ義母が部屋に来る。
「行こうか」「うん・・」二人は家を出る。
「優、若い事は良い事ね」「うん・・」
「お前も頑張らんとな、後ろにわしが付いているぞ」
「有難う」そんな会話をして川越に到着。
 「ま〜あら、順子さん、おめでとう御座います」互いに挨拶をする。
「ま、じゃお隣に行かれるん」「話があるしね、今年も優お願いね」
「嫌だ〜、もう恥ずかしいけ〜」
「良いのよ、其処はあんたなら安全だし最高、順子は夫から聞いて
驚いたけど、今じゃ最高よ」「・・、・・」
何も言えない小夜、其処が凄く可愛いと優は見詰める。
「じゃ、お隣に行くね、優電話するけ〜」そう言い残して出る。
 「凄い方ね」「うん、負けるが」笑う。
思えば最高な日々、これからもこのまま生きていきたいと願う
優が居た。

                         完・・・・。















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