痛快小説家、上山惣一 [痛快、ロマン、官能]

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zoom RSS 喜越小説九十九弾≪ 淫道迷路・・13 ≫

<<   作成日時 : 2017/12/06 02:04   >>

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 本当に話の運び方が上手い人、夕方になるまで二人は話をする
が殆ど淑子が話をしている。
「淑子さん、支度できたが」「あ、嫌だこんな時間、御免話が長かった
がね」苦笑いされながら食堂にと慎吾を連れて行かれる。
「多恵さんも一緒に・・」「良いんですか・・」
「罪滅ぼしよ、あんたの話もしてしまったしね」「ええ〜淑子さん」
「御免ね、其処を話さないと此れからの話が進めないし・・」
「え、ああ〜じゃじゃ・・」「其処よ、相談して居たでしょうがね」
「ま〜じゃこの方がかね・・」「今そう考えている」
「ふえ〜、なんとあんたがね・・」「え、僕ですか・・」
美味しい料理に気が入っている中で急に話を向けられる。
 「では、敏子さん」「そう、だから今夜は慶子を外に・・」
「なんと未だずるさは錆びて居らんがね」「うふっ、先代には負ける」
「言えるが、言葉巧みに誘い抱かれた多恵がそう思うがね・・」
笑われた。
何が何だか判らないが、今の話は慎吾の関係があるとは思える。
「僕が何か・・」「あんたこの家の救世主に成れるかが問題じゃね」
「救世主って・・」「そのものずばりじゃが、多恵も複雑な身じゃ
そう言う立場かね」「言えるがね、多恵さんは我が家の土台じゃ」
酒を飲みながら何と二人は仲が良かった。
 慎吾は先入観念でお手伝いさんかと思いきや、何と多恵さんは
この家にどっしりと身を置かれる姿、今漸く話の繋がりが読めた。
「其れで如何進めるんかね」「其処、其れで仲間に多恵さん・・」
「あらら、ま〜そいじゃ仲間に入らん訳にはゆかんがね」
「良いね、そうこないと此れは薦められんと思うし・・」
「成程な、其処が先代と訳が違う部分じゃね、やみくもに相手に
向かうなど今の世じゃ危険じゃしな・・」「言えるでしょう」
「そうかね、じゃあんたは、御免慎吾さんだったね」「はい・・」
「あんたは嫌いじゃ無さそうだし・・」「ええ・・」
「うふっ、其処は既に調べ済よ・・」「ええ〜淑子さん・・」
「これ見ててね、慎吾さん飲んで・・」ワインを注がれる中、
多恵さんは調書を見られている。
 「奥さん、其れは・・」「あんたの事」「うぎゃ、何々・・」
「だって交通事故だったし相手がどんな人か下調べ、でも中身が
凄くて追加したの其れで二時間」「ああ、ではさっき・・」
「そうやっと見られた、凄いわよ慎吾さん・・」
「もう何が書いてあるんですか・・」「身の回りの事よ・・」
「ああ〜もう駄目だ・・」頭を抱える。
 「く〜なんと先代のご主人なんて子供じゃ、此れは凄いがね」
「でしょう、だから会おうとすると何と今日慎吾さんが現れたのよ」
「く〜定めじゃが、淑子さん此れは本気で考えんと・・」
「そう為るよね」そんな話を勝手に二人はされて行く。
 「あのう・・」「もう良いかな、慎吾さんは事故とは別に我が家に
関わりを持って頂きたいの・・」「関わりですか・・」
「そうよ、既に慶子は浮気している身だしね」「ああ、其れは・・」
「弁解無用よ、もう何度も聞かされているし・・」
「聞かされているって・・」「そう、とんでもない人とよね慎吾さん、
でも其処は普通じゃ無いからにくめないかな・・」
 「淑子さん、この人凄過ぎじゃないね」
「始めて言うけど半端ない男なの」「調書でもあらけない女性」
「うふ、そうなのよね」「・・、・・」
もう話が出来ない程慎吾は身をすくめる。
 「慶子さんまで、く〜とんでもない男じゃが、其れに淑子さん、
なんかかかわる女性が全てそうなんだと思えるが・・」
「当りよ、慶子も何か聞いたら自分から身を投じたと白状した」
「あらら、じゃじゃ無理やりとは・・」「違うわよ、慎吾さんそんな
勇気など無いみたい、前の調書にも其処が垣間見れるし・・」
「そうかね、へ〜そうは普通じゃ見えないけど・・」
「外目はそうよね、この人がと疑うでしょう、外にはそんな気も
気配も出さないけど中身は相当よ、でも気が無い相手とは普通
じゃ無いかな・・」「淑子さん、じゃ決まりかね」
「ええ、どんな事が有ろうと進める」
「なんと本気じゃが慎吾さん悪い様には為らん、従ってくれんね」
「何をです・・」「あんたの得意分野じゃが・・」
「得意、ああ〜もう多恵さん、其処は別じゃろうが・・」
「別口にと淑子さんが思われているんだ、遊びじゃない、本命は
居るけど遊んでくれても構わない、貰うもんを貰えればね」
「貰う・・」「そうじゃ、其処はおいおい判るだろうが、あんたは
暫くこの家と関わりが出来る事だけは確かじゃね・・」
「多恵さん・・」酒が吹き飛ぶような思いがして来た。
 「社長・・」「此処じゃ淑子ですからね、慎吾さん、お願い、願いを
聞き届けて下さいね」「願いを聞いて居ない」「其処は今からよ」
そう言われる。
何を慎吾に対して願われるのか理解しがたい、其れでも遂に
その願いの中身は聞く事が出来なかった。
そんな中で慶子さん夫婦が戻られて慎吾の話は潰えた。
 十時過ぎ、慎吾は酔いを醒ませ車で自分の部屋に戻り、
そのまますぐ倒れて寝込む。
 数日後、あの交通事故の処理で電話が有り弁護士事務所にと
慎吾は向かった。
総ての事故処理が相手側と保険会社の人が居られ、金額などは
如何でも良かったが、弁護士が上手く入られて円満解決、
相手側の優さんは飲酒運転のみが問われただけで終える。
想像以上の金額が手に入った慎吾は直に其のまま証券会社に
駆け込んで行った。
 その足で長い間出社していなかった会社にと出向くと皆が歓迎
してくれる。
社長にお詫びをしながら、兼ねてから決めていた思いが詰まる
辞表を徐に差し出した。
何度も慰留されるが、今回は長い間休んでいるし色々考えさせ
られることもあった、其処で一息入れたいと申し出て何とか承諾
を頂くと、仲間に別れの挨拶をし午後三時には其処を出る。
 何度も考えたあげくの事、会社は嫌いじゃ無いが、どうも最近
の慎吾には元の会社で働く意欲は余り無かった。其れより短い
人生かも知れない我が身、今後どうするかを考えていると最終的
にここで身を軽くする方が得策と考えての結果だった。
無論働く事も大事だが、まだ先にじっくり考えても遅くはないと
思い込む、其れが今の慎吾の本音かもしれなかった。
 「ひや〜無職になったが・・」声を張り上げるが其処は本気では
ない部分が垣間見れる、株も順調だったし、此れからはじっくりと
其処に没頭できる身が有る事に意義が有ると慎吾は思えた。
「さてと・・、どうするかな・・、暇がうるほどで来たがね・・」
苦笑いし、部屋で慎吾は何を考えているのか動かずに目を瞑る。
暇になった事が今後どう使うかは慎吾次第、考えていると急に
慶子さんの姿が浮かんで来た。(あはっ、暇は其処か)
笑いながらどうしようもない我が身の持ち物、其処が何故か
いきり立って催促されていた。
「判るぞ待てや、もう暇じゃがね、遣り捲ろうか・・」
股座を擦り慎吾は何か考えている。
「普通じゃ飽きるなあそこもそうだが、身が軽い今が暴れる
事が出来る」と嘯いて笑う。
一度里に戻り報告と考えると既に部屋には慎吾は居なかった。
 「ま〜そうかね、じゃ暇が出来たが」「おふくろ」
「良いじゃないか怪我で考えがそうなったなら暫くは良いぞ」
「そうだね」「阿保かこいつ、で、暇をどう使うんだ」
「其処じゃが、いざそうなるとな」「判らないけど、遊ぶんか」
「其処もな」「うふっ、如何、好き者が居るが・・」
「阿保か、其処は嫌じゃが、どうせあのおばさんだろう」
「当り」母が大笑いする。
親父は考えが別だったが、辞めてしまった今は何も言わない、
その上で株で少しは良い身をしている親父は、息子を可愛がり、
母が叱るほど慎吾を手綱は緩めていた。
 里でも慎吾は考え事をしている、親父は機嫌良く酒に酔い
潰れている横で母と話をしていた。
 「ま〜何とそうか、じゃ事故の相手の家に、此れお前其処、
ああ〜遣ったんか・・」「おふくろ・・」
「何方とじゃ、事故の相手の奥さんとは違うだろうな・・」
「・・、・・」「ひや〜お前其処が本当の事故だぎゃ」
「あはっ、言えるが〜」「馬鹿たれ、ばれたら如何するんだぎゃ、
此れこそ慰謝料がもう阿保じゃが」母が心配顔で怒った。
 こんな話が出来るのは最近の事、其れまでの母は構って
くれなかった、仕事に追い回される姿を見て来ているから、
其処は幼い時から諦めていた自分を思い出す。
しかし今回は母も流石に呆れ果てて、今後の事が心配だと
しつこく言った。
「其処なんじゃ、あのな話を聞いてくれや・・」
慎吾は今じゃ母に何でも包み隠さずに話が出来る。
 「ええ、じゃじゃ、家でそんな話を、何でじゃろうね」
「其処なんだ、なんか俺にも理解出来んが、家と関わりが続くと
だけは判るが・・」「何で・・」「もう知らんが・・」
「何で知らん、お前の事じゃろうがね」「でも判らん・・」
「・・、・・」狐に化かされた様な二人の会話は其処で
行き止まり、長い沈黙が部屋を覆う。
 「慎吾、如何も臭いぞ」「くさい・・」
「ああ、其処はわしでも何か在ると見えるが其処がどれか判らん」
「判らん、何処が・・」「あのななんでお前を其処までして言われる
かがじゃ、如何考えても普通じゃ無いぞ此れ、だろうが事故を
起こした程度の付合いなら幾らでも世間ではある、其処でじゃ、
今後家との関わりが出来ると言われたろうがね」「うん・・」
「お前、踏ん張れや、其処は良いぞ、此れからの事は自分で
動くなや、相手の奥さんのゆうがままにしろ」「え〜なんで」
「其処が判らんが、奥が見えんしな、でも今はその方が良い」
そう母が言う。 
 「ああ〜若しかして・・」「もう驚くが大きな声で・・」
「お前、お前若しかして、聞くがあの家子供は・・」
「居らんと聞いたが・・」「・・、・・」「おふくろ・・」
「・・、待てや、奥さんにも居ないんだな」「うん、そうみたい・・」
「じゃお前、あそこの魂胆若しかして見えるかも知れんが・・」
「如何見えるん」「まてや、在るのかそんな事が、信じられんけど
向こうさんにとっては一大事だしな・・」
「おふくろ独り言は良いが、何や・・」
「間違えば謝るがお前を利用しようと先方が考えたとしたらじゃ」
「くどいぞ何や・・」「貰い種じゃが」「貰い種、何・・」
「お前の精子を相手が欲しいと見えるが・・」
「うぎゃ〜なんで何で〜」
「だからお前の豪快さとあそこじゃろうが、奥さんと出来たらそう
なるが、あの家じゃこの事は内緒かね」「ううん、ばれている」
「・・、決まりじゃね、そうだぞきっと・・」「おふくろ・・」
慎吾は言葉が出ない程呆れていた。

                            つづく・・・・。














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