異淫小説102弾《獣を潜ませ生きる・・40》

 正月三日、此処は本当に静か、翔太は体を癒す時間が出来ていた。
「おめでとうございます」「ま~山田さん、ご丁寧に・・」
「あのう、翔太さんは・・」「居られますよ、どうぞ上がって下さいね」
里美が応対する。
「今日は、明けましておめでとう御座います」
「まあま~上田さん、おめでとう御座います、上がって下さい、翔太さん、
居られますから」なんと、お正月、翔太に挨拶に来られたのだ。
恐縮しながら応対、聞くとあの光江さんから、此処だと聞いて来たと言われる
山田の奥さんは娘の澄香さんと一緒に来られている。
急に部屋は賑やかに為り出す。
 上田さんはあの哲夫さんの紹介、親戚だと聞いている。
総てこの人たちは、今回の件に参加を希望された人。
炬燵は狭いので囲炉裏傍に移動、総て女性だから手伝って炉端に料理が並ぶ。
五人の女性、其処にはこの宿の親子、山田さん親子、上田さんとに為る。
乾杯の音頭を頼まれ、翔太も同席、其処から宴会が始まり出す。
 「ま~じゃ物凄い事に為りそうね、凄いわ、ね~山田さん」
「いいなと参加を希望したまでは良いけど此れじゃ気を取り直さないと大変」
「そう、お母さんが参加すると聞いて私も是非と手を挙げたの、介護は自信
あるし、でも子供は・・」「うふっ、其処も考えている」
「え・・」「あのな、わしの妹」「ああ~美咲おばちゃん、え、
ああ~居た居たが、冴子がなんと子供相手じゃ最高じゃない、ねね翔太さん、
子供大好き人間が居るよ」「嘘、其れは良いぞ、是非紹介して」
そんな会話が進む中、今回の事業を聞いている人たち、其々が自分が此処で
出来る事を考えだして行く。
 「待って、私らだけじゃ拙くない」「え、そうか翔太さんが居るから良いと、
でも片手落ちね。良いわ光江さんに電話する、中身を話せば大事な人を連れて
来てくれんさる」「あ、落合の仲野さん、大変忘れる所だ、電話する」
山田さんが慌てられる。
(なんと集まるんだ・・)酒を飲んでいる翔太は何も口を挟まずにいる。
 一時間後、本当に菜摘さんと光江さんが来られると大騒ぎになった。
「ね、あんた、此れは良い機会よ」「え、何で」
「だって、鼻から噛まさないと遣りにくいじゃない」「何が・・」
「もう光江さんが仕切られるけ~」「え、何か有るん」
「ごろうじろうよ」わらいながらそういい、自分の席に戻る。
「翔太さん、あんた邪魔だけ~風呂にいきんさいや」「え、光江さん」
「頼むけ~従って・・」「そうなの、じゃ行くか」
「ゆっくりね」笑顔で送り出された。
喧騒な女性軍から逃げるに好都合と翔太は従う。
 「邪魔者はい無くなったけ、わしらで此処を盛り上げるためには結束が
大事だ、此れから此処は賑やかになる、だが、元はわしらだぞ」
「え、光江さん」「澄江さん、あんたは娘と参加じゃね」「はい・・」
「じゃ心して聞いてくれんさいや、わしらは仲野家を覗いて資金は出せん、
だがその代わり献身は出来るよな」「そうなりますね」
「ではその部分で力発揮せんか」「出せるけど、如何すれば良いかいのう」
「わしらは、此処は翔太命で向かうつもり、既に菜摘はそうなって居る」
「あ、其処は薄々そうじゃ無いかと」
「そうか、じゃ話が早い、わしらは此処で仕事をさせて頂くが、それ以外も
わしらが務めにゃならん」「意外とは何ね」
「澄江さん、此処ではわしらは女性じゃ、他所では出来ん事をするつもり」
「何しんさるん」「そこはおいおいじゃね、ヒミツじゃが、それでな、
今日はそれぞれに役目を頼みたい、だが其処は総ては言えんが、其れで個別
にと思うとる」光江さんが酒を薦め乍ら話をされて行く。
「里美」「なんです」「お前は風呂に向かえんさい、娘を連れてじゃ」
「え、今なの・・」「そう、今、邪魔なんだ」「ま~、気に為るけど美樹」
「お母ちゃん、行こう」「そうね、追い出されたね」親子で其処を離れる。
 「光江さん」「うん、待ちんさい、話は続ける、今回は相当な資金が此処
に注がれるんだ、其れは皆翔太が居るからだぞ」「ハイ承知しています」
「じゃ、話は簡単、此処を盤石にするにはこの家の親子の腰を据えさせる」
「何か・・」「其処だ、良いか、内緒に出来るよな」
「え、其れは・・」「上田さん、出来るなら此処に居りんさい、
出来そうもないなら、あんたは普通の雇人じゃぞ」「普通、それ以外は何」
「此処を立ち上げる仲間に参加じゃろうが」
「あ、其れなら是非、何でもしますけ~」「そうか、じゃ娘もそうかな」
「ハイ」「そう、じゃ上田は如何」「光江さんに付いて行くけ」
「そうか良いぞ、じゃ此処は、大阪の小百合さんを加えて今居るあんた達は
今回の事業の重鎮、誰が何と言おうが秘密を持ち合う仲間に為れるな」
「なります」「良いぞ、じゃ菜摘此れでいいな」
「良いと思うけど、強引じゃない」「何処が・・」
「だって秘密は守るといんさるが中身知らんでしょうがね」
「そうだが、約束は出来たぞ」「もう叔母ちゃん、其処強引、この人ら中身
知りんさらんがね」「今言うのか後で良いじゃろう、秘密は守ると約束出来
たじゃないか」「澄江さん、何でも約束できるん」
「え、何で元は行かないけどでも出来る」「じゃ、あんたたち直ぐに風呂に
いきんさいや」「え、今里美さん親子が・・」
「だからじゃ、菜摘が言いたい事は、秘密は守れるか心配している、其処を
確認したいがためいんさるんだ」「行けば良いの・・」
「そう、親子が入る風呂にね」「其処は出来る」「じゃ親子でいきんさいや」
「そうします,澄香行こう」部屋を出られる。
 「光江さん・・」「うん、肝試しじゃ」「肝試しって・・」
「ああ、お前には光江が頼むが、あの親子はそうは行かん、わしらだけでもと
もう箍其れじゃ、此れから隠し事が出来る、仕事には拙かろうが」
「隠し事なの」「そう言う事後で教える、少し飲んで待とうか」菜摘も頷いた。
 だが、風呂に出掛けた親子二組は一時間が経過しても部屋には戻っては
来なかった。

            つづく・・・・。