望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・10》

 姉が敷いてくれたレ-ルを走るだけ、今回は総て言われるままに進もう
と考えていた。
其れほどあの姉の肉体は、澄人を蘇らせてくれた、凄まじい肉体、
歓喜に彷徨うままに抱き続けた事は未だ余韻を連れて残っている。
「佳恵さん・・」「・・」無言、「こっちに来て・・」「・・」
無言で間を置いて動かれた。
 寄り添い、動悸が激しい中、佳恵は唯々縋りつき、される儘に、
そうして何度も驚く肉の動きは鮮明に判る、其処は姉とは真反対の動き、
いいや従う姿、其れはもどかしいけど最高、姉の肉弾攻撃も凄いけど、
こうしてしなやかに添われる姿は奥ゆかしさと戸惑い、そしてまだ本当の味
を知らないのか、そんな思いが湧いて来る相手、だが悲しいかな澄人自身も
女性経験は多くは無い、だからあの姉とのまぐわいは目から鱗が剥がされ
た時かも、そんな事を考えながら、此れから如何料理を仕上げるか最高は
素肌の感触は姉と同じ、いいや使い馴れていない体は弾ける強さが有る。
いずれも澄人には感激する事ばかり、既に相手も縋付いて、浴衣ははだけ
腰回りに集まり、卑猥な姿にさせられていた。
「佳恵さん・・」「・・」返事は戻らないが縋り付く力を籠められ応じる。
澄人は次第にこれじゃ拙いと思い、少しいじめを加えようかと考えた。
其れは、なんか姉とは違う接し方がしたいし、其れで妹は変われるかと
賭けに出ようとする。
「・・、ア、ああ~う~ん・・」何と澄人はいきなり佳恵の手を引いて、
諸に澄人の股座に誘う、今の甘えた驚きの悲鳴、其処で総てを知らされる
佳恵、其処までは何時もの通りの動きで接していた事になる。
「佳恵~・・」呼び捨てにされ吠えられると、もう其処から思いが点火、
直ぐに股座に顔を向かわせると・・、「あああ~~」澄人が仰け反った。
其処は快感ではなく痛いから叫んでしまう。
ぎこちない口の動きもそうだが、歯が~噛み砕く様に動くから溜まった
もんじゃ無かった。
「待って、痛い・・」「え・・、・・」「御免、痛かったけど、快感だ・・」
「え、痛いの・・、した事ないし、なんか本かなんかで読んだ事有るけど、
如何すれば良いの・・」「良いよ、其のままで・・」「でも怪我する・・」
「アソコ見たいか・・」「・・、恥ずかしい・・」
「其処をしゃぶったんだぞ」「・・」「いいから見ろ・・」「・・、・・」
とんでもない光景、しげしげと見続けると、佳恵の体が震えて来た。
「貴方、如何したら喜んでくれるの・・」「え、其処は良い最初だからね」
「でもお姉ちゃんとは比べても負ける、でも勝ちたい・・」
「其処も今は良いけ、なな、最高に気を体に込めてくれないかね・・」
「如何するん・・」「いいか、愛撫されると全身で其処に集中してて・・」
「集中ね・・」「そう、感じるんだ、自分からそう進めるんだ・・」
「良いわ、してみたい・・」「これ、待ちんさいや・・」
「ああ、お母さん・・」「お母さんじゃ無いがね、情けない、お前二人の男
とどんなセックスしていたんだ」「ええ、何で今此処でゆうん・・」
「じれったいからじゃがね、階段で覗いていたら落ちそうになった、あんた
凄いぞアソコ・・」「お母さん・・」「貴子じゃろうが・・」
「ああ、貴子さん、娘さん怒らないで下さいさい、知らないんだ、僕も人に
言えた場合じゃない、あまり関係が少ないから、何でもお姉さんと抱合った
のが凄過ぎて・・」「そうか、じゃ娘に教えるが良いか・・」
「え、お母さん・・」「な、こいつを仕立ててくれんかね」「お母さん・・」
「なな、こいつは男運が悪すぎた、相手の男に聞いた事が有る刺激が無いと」
「ええ、有り過ぎですけど・・」
「其処じゃあいつは全く自分本位でな夜這いした時叩き出されたんだ」
「ええ・・」「そんな自分勝手で飛び乗る男、そんで何も知らん身体と同じ
じゃろう、此処で教えたいが良いかのう」「え、ではお願い出来ます・・」
「佳恵・・」「お母さん・・」「まええけ、あんた悪いね」
「良いですけど、お母さんも裸になって下さいよ」「え、そうなるのか・・」
「はい、実演でしょう、入れますよ」「ええ、あんた、年じゃぞ」
「幾つです、五十過ぎでしょうが、脱いで裸魅せて下さい」
「あんた言ううね、良いわ佳恵構わんか・・」「お母さん・・」
「佳恵さん任せよう、まだ時間は有る、ねね、僕も親子での事は経験が無い、
してみたい・・」「澄人さんが望むなら良いわ、習うし頑張る」
「良いぞ、最高になろうね、お母さんお願いします・・」
何ととんでもない展開に為りそう、割り込まれた母も母だ、逃げ出さない娘、
しかも習いたいと言われる。
 この田舎で早くから夫を病で無くされた女性、其れから二人の子を育て
て来られている身、半端な根性では出来得ない事、しかも決断も何もかも
凄く早いし、澄人が持ち得ない部分。
「・・、・・」唖然騒然、目の前で見事に裸に為られる動きに感歎、
しかもなんと勇ましい姿、尻が出張、腿は太く張っている。
それでもって豊かな乳房は多少垂れてはいるが、充分見ごたえがある肉体、
一番は、おぞましい程股座の恥毛が濛々と生い茂り、いかにも田舎の豪傑、
其処が最高に澄人は感激する。
 「え・、ア、おう~貴子さんひえ~~~」
直ぐにダイブされ、澄人の股座に顔を埋めると、舌がちょろちょろと動捲り、
玉袋を方張り舐められる。
其れもやわな舐め方じゃ無い、強烈に、そうして優しく、男を欲情の舞台に
と上がらせて行く、其れが溜まらないテンポで進められる。
手で娘を来いと招入れ、澄人を腹ばいにすると膝を立てさせ其処に娘を滑り
込ませると,「吸うんだ、良いか歯を使うな、歯には唇を覆い扱くんだぞ、
総て液は飲むんだ、とことん吸い上げて頑張れ、良いな後ろを母が責める、
行くぞ・・」そう叫ばれると親子は果敢に攻撃開始、負けじと頑張る娘は
健気、其処が一層澄人を違う世界にと導いて行く。
「あ、ああああううううが~おお・おかアさんおかあ・あ・あさ~~ん、
嫌あ~だソコソコが良いが良いよ凄いい、あ、お母さん凄い~が~~」
「阿呆、お母さんと呼ぶな・・」
「駄目、呼びたいんだ今はそう呼びたいが、お母さんん・・」
「阿保じゃ、そうなれば娘と二人で快楽の世界に連れてってくれんかね」
「良いです、願っていた、往きましょう、え、佳恵~其処が良いぞ上手い
上手いが~~が~~、其処を押してつつけ~・・」
亀頭の裏側を齧られていた。
 最高、此れだけ興奮した事は無い、本当に母親は豪快、尻穴は既に舌が
訪問してくねくねと暴れる。
反対に棒が寝て迎える娘の柔らかい唇、動き吸い上げ舐められ続ける。
何も澄人は攻撃して居なかった、其れ処の騒ぎじゃない、気が浮いて中で
彷徨う中、最高な心地で親子の愛撫をまともに受けて行く。
 生涯願っても無い出来事と思うから、最高の連続は果てしなく彷徨う
澄人を舞い上がらせて、二十分攻撃され続ける。
「良いぞ、選手交代じゃ、佳恵覚悟して、お母さん、娘を其処で見てて」
「・・」二人は口周りを光らせて頷かれる。
「行く・・」言い放つと、なんと直ぐに娘を抱き抱え部屋の毛紅体を預け
ると、股を開かせ澄人が少し腰を下ろすとなんと愛撫なしで直撃開始、
迎える佳恵は目を白黒、とんでもない衝撃をまともに奥深くに迎えると、
「う・う・うっ・げええええ~~~~」
電光が体内をい走り抜けると同時に頭を仰け反りその後声も出せない、
棒が奥底まで到達したのだ、有り得ないほどの圧迫感は未曽有の世界に
一気に佳恵は駆け上がらされた。
 そうなるともう其処から澄人の世界、佳恵を壁から離、足を腰にを巻く
と部屋の中をドンドスンドンドンと跳ねるように歩き始める。
 何ときついお仕置きか受ける佳恵は溜ったもんじゃない、感極まる歓喜
の泣叫びが半端じゃ無い、声は窓から外に飛出て向かいの山裾に当たると
木霊で戻される、其れを追いかけるようにまた歓喜の泣き叫び、又も木霊、
繰り返す中で悲鳴が掠れて・・、
「ああああ、ヘん・・あんた~いくいくいくううううう・・・・・あんた
可笑しいが・・、あんた嫌や往くが往くってあんた~嫌だ嘘嘘やあんた~
またまたきたまただうう・・・・イグウウ~~~うわああああ~~」
何とも派手、とんでもない泣き叫びは周りを圧巻、
其れほど始めて泣き叫んでいる佳恵、感極まり痙攣を引き連れて首が
澄人の肩にコトンと落ちた。
 早いが最初だ、澄人は佳恵をベットに落とすと、キスをする、
だが未だ相手は違う世界から戻されてはいない、
そうしてへたり込む母を振り向いて見た。

                つづく・・・・。












そこ其処が置かあさ~ん・・」名前を呼ばずにお母さんと連呼する。







望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・9》

 母屋から離れた風呂に一人で入り、少々疲れた体を癒す。
風呂から出ると、居間で貴子さんが待たれて居て、澄人はジャ-ジ姿に
変えて座る。
「なんと広い屋敷ですよね、ここ等はそんな家ばかりでしょうか・・」
「え・・」言われて貴子が苦笑いする。
「あのな農家はこれくらいは普通じゃ、此処は蔵が無いが、明日にでも散歩
すれば真っ白い白壁建物が見えるだぎゃ」
「え、でも母屋でしょう此処、隣に有るのは・・」
「納屋じゃがね、昔は其処に牛が入っていたよ、そうじゃね昭和の半ば過ぎ
までは何処の家も牛が田畑を耕す動力だった」「え意味が、何で牛が・・」
そこから色々と話を聞くが、なんとそんな事は全て初めて聞く話、農耕馬は
聞いた事が有るが、牛が其れをするとはと驚きのまま、この家の母親の昔話
を興味が在るから聞いて居た。
 話が弾む、ワインがもう二瓶目に入り、いつの間にか娘が風呂から出て、
貴子さんの話を澄人と共に聞かれている。
驚く澄人が良いのか笑い顔で聞かれていた。
 「じゃ、なんですか、牛は何で今居ないんです」
「其処は既に最初は小さな耕運機が入り始め出す。其れが暫く続いて来たが、
今じゃそんなこまいもんは無くなった取って代わったのがトラクタ-じゃ、
其処に移るに色々訳が有って、高価なんじゃ、内も欲しいからお父ちゃんが
生きて居る頃手を出した、しかもその金は娘が背おうてな・・」
・・」「え、娘さんが背おうって・・」「その代金を作ってくれた」
「ああ、では、聞いた話では何かの為名古屋に来たと・・」
「そうだぎゃ金の為じゃが、有難かった、其れから仕事が偉い楽になって、
他所の田もするから小銭は入るしな、娘の御陰だ」
 又も其処から話を聞いた。
人出が少なくなる、都会より重労働だと若いもんを逃がすまいと、各家では
金を叩いた、借金でそんな機械を購入し始めたと聞かされる。
若者は其れでも都会を目指して出て行く、有れよあれれと思う間に、
今が有る其れが事実じゃと嘆くように言われた。
「でも何とか暮らせるんでしょう・・」
「あはっ、其処か、無理な話じゃがね、考えてみるだぎゃ、米なんぞ幾らに
も為らん、大掛かりなら多少は残ろうが、こまい細々と耕す土地だがね、
高が知れている、農機具の支払いすれば残らん、其れだから若者は逃出す」
「なんと・・、では生活は・・」
「あはっ、其処か、年寄りを体たらくにする産物が有った」
「産物、ですか・・」「そうだぎゃね、其れは年金じゃ、国が全国総ての
年寄りに年齢を決めて毎月金が来る、しかも当初は差別が有ってな、積立て
年金など農家じゃ誰も払いきれん、そんでな国は五年分を支払えば、満額
出ると、其れで皆が農協で金を借りて払った、其れが昭和の半ば頃かな、
疑いつつも金は納めたが、其れが今こんな田舎を駄目にする根源じゃ・・」
「なんと、其の年金が仇でしょうか・・」
「いんや、そうは言っても毎月六万少しの金は有難い、年寄りにとっては
助かる金だぎゃ・・」「・・」
「澄人さん、田舎も考えると暢気でしょう、其れが年金生活、孫が里に
来ると、其処はその金が目当てだと皆が笑だがねうんだぎゃ」「え、じゃ」
「今じゃ有難いお金に為りつつあるわ」
「そうなんですか、知らないから、そうかじゃ生活は何とか出来るんだ」
「だから、子供は遠慮なく親を置いて出て行く、災いでも有るが生きるに
大事な年金、私も後十年少し待てばそうなるよ」そう言われて笑われる。
 「では今は苦しいのですか・・」
「そうなる、仕方が無いだぎゃ年ははよう来てくれん、皆平等に積重ねる
だけだろう」「言える、そうかなんと聞かんと見えん話を聞いて感激です」
「え、あんた・・」「だって田舎を全然理解していなかった、テレビで
見るくらいしか、其れが今回旅に出て、知る事に為りそうです」
「そうかね良い事じゃ、田舎も住めば満更捨てたもんじゃ無い、携帯も、
スマホもテレビも有るが・・」大笑いされる。
 「今日は色々参考になる話が聞けた、其れと蛍、綺麗だったな・・」
「もう遅いから飛んでいないだろう・・」
「澄人さん、蛍の群游見れる場所が有るよ」「え、本当、群游とは・・」
「舞い踊る姿・・」「なんと沢山ですか・・」
「悲しいけどね、谷に人が居なくなった場所がある、其処に向かえば最高に
綺麗な光景が見れる」「凄い、じゃ明日行きたい案内してくれます・・」
「・・」「そうか、アソコなら良いぞ」
「では此処を出て行かれたんですね・・」
「そう、昭和の半ばにはこぞって都会に向いて人がのう・・」
又あの暗い姿に逆戻り、仕舞ったと澄人は思った。
 気持ちとワインの味は比例する、今口に含んだワインは苦かった。
 「そろそろ寝ましょうか・・」「え、僕は良いけど、そうか貴子さん」
「阿保抜かせ、年寄り扱いかね・・」「え、違います」「お母さん・・」
「うふっ、楽しいけ遣れんだぎゃ・・」笑われた。
 「行きましょうか・・」「え・・」「私の前はお姉ちゃんが使っていた」
「家の奥ですか・・」「ううん、納屋の二階が子供の部屋に為っていたの」
「え・・」「そうじゃ、牛がいなくなるとな、二階を改造して住まわせて
いたんだ」「なんと、では母屋は・・」
「私だけ、時々寝てくれるが、最近は一人ボッチじゃがね」
そう言われる中、娘さんに従い母屋を出た。
 母屋を出ると横に納屋と言う建物が有る、一階は農機具や藁が積まれて
いるのが見える、満月の夜、二階に上がる階段を澄人は従い上がる。
 「ええ~・・、なんと綺麗に出来ているが・・」
「姉の趣味よ、嫌いじゃない・・」「良いわ、そうか姉妹で部屋を」
「座って、ビ‐ルなら有るけど・・」「頂きます、窓開けて良い・・」
「網戸は開けないでね、蚊が来る」「はい・・」
 涼しい風が舞い込んで来る、其処にビ‐ルが来て澄人は飲み始めるが、
なんと外は青白い景色、月の灯りがそうさせていた。
「良いな、落ち着く・・」「・・」
笑いながら佳恵は絨毯が敷かれている部屋でビ‐ルを飲まれる。
「あのう、お姉さんから何か言われましたか・・」
「其処ね、もう強引なんだか呆れた」「・・」
「佳恵、最高な男を送り込む、逃がさないで、姉妹で縋り付いて離さない
でよ、逃がすと絶縁する、だって・・」「うひゃ~言われましたね」
「ええ、何でそうも言うのと聞いた・・」「なんと返りました・・」
「抱かれた後判ると・・」「ええ・・」
「でしょう妹にそんな大事な人を送込んでからに、佳恵は何も知らない、
困る・・」「・・」「でも聞いたら感謝だけ、本当に有難う御座います」
「え、其処は別」「別とは為らない、姉が恩が在る、其処だけは間違える
なと、澄人さんは導いてくれる、後は私があんたの分大事にすると・・」
「・・」「それで、三度も電話してきて縋り付いてて甘えるだけで良い、
あんたは値打ちが有るから相手は解るからねと、もう幼稚園児じゃ無いと
思った」「・・」「でもね、其れほどの男を此処に来させてくれた、姉の
気持ちが嬉しくて・・」「・・」
感激し聞いて居る澄人、益々喉が渇きゴクンゴクンとビ‐ルを流し込むだけ。
 「佳恵さん・・」「・・」俯かれて返事は戻らない。見ると浴衣が似合う、
本当に似合っていた。
 「佳恵さん・・」「・・、なんです」「綺麗・・」「嫌恥ずかしい」
「綺麗です・・」「嫌です・・」「良いや綺麗・・」
「田舎者なの言わないで・・」「綺麗・・」「意地悪ね・・」
「それ以上の言葉を知らない、だから最高に綺麗・・」
「貴方・・、卑怯・・」「え・・、何で・・」
「攻撃される身になって、如何返事すれば良いの・・」「うん、綺麗・・」
「貴方~・・」浴衣の裾から素晴らしい脚が見れた、
其れが二人きりの部屋で最初に感動した部分だった。

                つづく・・・・。

























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・8》

 縁側で爽やかな風が程度良く吹き抜ける中、母親と話が続いている。
「考えるに、娘は偉い良い事を経験した、其れも総てあんたの御陰だがね」
「「それ違うと思うけど、其れに応じて頂いた真奈美さんが素敵だから」
「じゃ、聞くが何でアソコの娘を抱いて居ないんだ・・」
「事情が有ります、その方は友の元カノでして・・」
「未だ付き合って居るとは聞かんが、良い子だぞ」
「ええ、知っていますけど・・」「じゃなんでだが、聞かせてくれんかね、
今後の為に」「え・・」「実はのう、娘もそうだが、ここ等じゃ其処が良
いと言う男が居ないんじゃが、其れで済めば良いが、人には言えんが満足
していない女が居るんだ」「・・」
「そいつらは、このままこんな谷で死ぬかと思うと、切ないがね」
「人生其々ですよ」「そうだがな、如何考えても其処を知らずに上に昇る
と考えれば如何・・」「ええ・・」
「実はな、そんな話をしていた事が有る、婦人会の寄合いでのう、そん時
そんな話が出た酒が言わせたか知らんが、不満たらたらじゃっただぎゃ」
「・・」「それで、内はどれ位、内はこん位、小さいや普通や話が弾んだ、
結果皆が口をそろえる事は持続じゃ、ここ等じゃ五分が山だとさ聞いたか」
「え、ハイ・・」「だからじゃ、それ以上まで登れるなら頂上は如何か、
景色は如何なのかと煩いがや、其れでな私が言った、定めじゃ、ここ等で
そんな理想の持続やでかい代物を持つ男が居ないだけだろう、諦めろとな」
「・・」「それでも、未だ話を辞めない連中がいたんだ、そいつらは夫を
強くしたいと寄合いで事も有ろうか、指で大きさや持続をどう伸ばすこと
が出来るとかな、笑えるけど其れほど味わいが薄いと嘆き、浮気も良いか
と大笑いする。でも捌け口に為ろうがね、都会とは違い、出会いなぞ無い、
何処を見ても歩いても知合いだらけ、そんな集落じゃ地獄で潜んで生きる
みたいだとさ・・」「・・」
「考えさせられたが、でもな其れでも生きて行かないと為らん、やがて
其処の部分も諦めと年を重ねると消えて行くだが、そう思いつつも無念
じゃね、此処で亡くなる事を諦めと定めに覆いかぶせ生きているよ」
 「話は変わりますけど、泊めて頂くに多少の金をと思い此れ渡します。
少ないけど受け取って・・」「駄目駄目、要らんが、何でそんな金・・」
「実は聞いて頂けますか・・」「何・・」
そこから経緯を話し始める。
 「ええ、なんとのう、其処かあんた考えたね、そうか少ないか多いか
の境目が一万五千円かね、ここ等じゃ高い、一万円が相場かなでも泊まる
酔狂な御仁は居ないけどね」笑われる。
『じゃ何か、食事は粗末でも構わないか・・』
「え、如何にでもと思えます、肝心は金を渡す事、そう言われました」
「言われた・・のかね」「横浜に住まれる方から指南を受けたんです」
「なんと、そうか、じゃ其処は既に証明されているんかね・・」
「豪傑が居るとお聞きした、その方はわずかな金で日本を廻ったと・・」
「あはっ、半分嘘でも凄いね、高々そんな金で・・」
「いいえ、其れは鼻薬、先は成り行きで話し合いでと聞いて居ます」
「其れなら理解出来るが、良いわソコ、金でとは最初から言えんがね、
良いぞ其れは良いがあんた、此れからそうしてみるだが・・」
「そう考えているんです」「く~、マン旅かね、こいつ・・」
縁側で腹を抱えて大笑いされる。
「娘もやがて戻る、楽しくなりそうじゃがね、あんたよう来てくれた」
肩を叩かれ台所に向かわれる。
 日が落ちて来る、山裾から幕が上がる様に次第に暗く為り出し、
其の幕が山の上を目指して駆け上がる、本当に言葉に尽くせぬ、
春爛漫の舞台は暗幕に覆われ出した。
まだほの赤い色が山頂を覆い里も色変わりしていくらか赤く見えた。
 そんな景色に見惚れていると、庭に軽が滑り込んで来た。
澄人は見逃さない、この家の娘、妖魔の妹が仕事から帰ってこられた。
「あら、今晩は、やっぱり来てくれたんね」「え・・」
「お姉ちゃんがもう煩くてな、何度も仕事場でスマホが鳴るから・・」
そう言われて家に上がられた。
 「・・、・・」唖然として話の中身は頭に入らない、其れほど予想して
いた以上、あの妖魔の妹は正しく妖艶な女性、飛びつきたくなるほど総て
が適うような気がする、意味不明だがそう言うしか言い方を知らない澄人、
脚から頭まで理想タイプ、其れで胸は張出し、腰は細目、顔もこじんまり
として、其は母親と妖魔似だった。
「お母さん、用意してたん・・」「あ、なんもないだがでも旅館じゃない
だぎゃ・・」「そう思って、仕事場で拵えて来たが・・」
「おう~助かるぞ、流石じゃね、じゃこれどうする・・」
「其処は夜なべでも食べられるし、明日でも良いじゃないね」
「だな、流石じゃ、そうしよう」
 そんな会話を漏れ聞くが、、仲が良さそうに思える。
(く~、なんじゃ在の姿凄いぞ、嘘だろう、こんな場所に生きているのか、
凄い凄過ぎるが・・)何度も頷きながら澄人は手に力が入りまくる。
 夕食は最高に美味しい、聞くと娘は郡上八幡で学食の会社に勤務、
栄養士で免許を持っていると聞かされた。
上手い筈だ、感激しながら母とワインを酌交わし、話が弾んで行った。
外は既に蛙の大合唱、向かいの山裾には脈の様に消えたり灯る源氏蛍が
舞い踊っている。
最高な雰囲気は独り占めしたくなるほど綺麗だった。
 「お姉ちゃんね生き方変えると・・」「ええ、如何変える・・」
「うふっ、この人の所為、生きてて良かったとお前もそうなるぞと・・」
「あらら、惚気だぎゃ」「そうじゃ無いみたい、今回で目が覚めたと、
名前も元に戻そうかと言われたがね」
「あはっ、名前なんぞ使い分けすれば良い事、あいつは相当減込んだな」
「其れほどの値打ちがあると聞かされたけど・・」
「そうか、其れをお前にと寄越したんだな・・」
「でも、佳恵はお姉ちゃんほどじゃ無いし困る」「何でだ・・」
「だって、期待に添えるか・・」
「教えて頂けば良いじゃないか、最初からは無理だろうが、往くにも遠慮
があろうしね」「嫌だ~お母さん其処までゆうかね」
大笑いされる顔がまたまた最高、澄人は親子の話を聞きながらワインに
酔いしれて行った。 
「あんた、ワインは風呂の後がええけ」「あ、そうでしたね、汗が・・」
「佳恵、後片づけと夜食・・」「うん、了解」
「あんた、案内する、風呂は古いぞ」
笑われながら言われ、澄人は従って付いて行く。

             つづく・・・・。



























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・7》

 車は快調、既に一宮から高速に乗り、直ぐ東海北陸道に入りジャンクション
を通過し、やがて間も無く岐阜の関を通過する筈だ。
 思えば当てもない旅にする筈が、昨日の縁で最初に向かう先を決めた。
色々な理由が有るが、男の澄人にはどうしても伺う理由が出来てしまった。
其れは言わずと知れた女体探索、凄まじい程味わった身は其処だけでは許さ
ない、澄人が思う以上肉が求めていた。
これまではこんなジャンルには興味が無かった、そう言えば嘘になるが、
最近はそちら方面は気にしていない、未だ家族を失って一年が経つ程度、
そんな事を思う気力が失せていたのだ。
 だがだが、其処を掘り起こしたのが居た、真奈美さん、その人は澄人の
大学時代知り置く女性の義理の母親、しかも友の彼女の義母だった。
真美ちゃんは知らない仲じゃないから道で出会うとお茶位はとそうなる、
其処で意外な話を聞かされ、とうとう御器所の家に一緒に向かってしまう。
家の災難を聞く羽目に為ると、澄人は抜き差しならぬ立場に追いやられ、
だが其処でも澄人は何とかしようと考えた、総て今思えば相手は女性、
しかも身震いするほどの姿、其れが何と友の彼女じゃない、義母にだ、
考えられないがそうなった。
 車を運転しながら、昨日の事を思い浮かべるから、車が高速で、
真直ぐ走れていない、後ろから警笛を鳴らされ、我に戻り、
何とかまともに運転開始、聞いたインタ-は郡上八幡次のインタ-だ。
 「もう直ぐか、意外と早いぞ」名古屋を出てから一時間半しか経過
して居ないが、既に車は岐阜のど真ん中を走り、やがて八幡のインタ-
を通り過ぎると見ていた。
 午後一時半、何とか其のぎふ大和インタ-を車は降りる。
此処迄ノンストップで走って所為か喉が渇き、道に面した喫茶店に入る。
 コーヒ-を頼み、スマホを弄る。
「え、来ている・・」メ-ルが来ていた。
【どうしてるの、未だ名古屋ですか・・】横浜の美咲ちゃんからだった。
返事を送り、又コ-ヒ-を啜る。
 「ね、あんた名古屋からかね・・」「え、そうです」
「こんなところに用事かね」「え、まそうなりますね」「あら、仕事・・」
「え、そうじゃ無いけど」「御免、探索し過ぎね」「そうなりますかね」
「あらら言われる」気さくな店員さん、いやもしかすると店主かと思えた。
「手前は郡上、先は白鳥から白川郷に為るけど行くん」
「え、まだきめてはいないけど・・」「決めて居ないの珍しい・・」
「そうなるんですか・・」「ここ等滅多に名古屋ナンバ-は無いけいね」
「そうですか・・」「ねね、行く当て有るん」「そうなりますけど・・」
「なあんだ、そっかそうだよね」そんな会話をした後車にと向かう。
「有難う・・」手を振り見送りされた。
「へ~、ここ等は気さくなんだな」喫茶店で声をかけられる事は余り無い、
其れが有った、しかも若い女性には見えるが、自分と同じくらいの年かと
思わせる程印象深い相手だった。
 気を取り直して走る、ナビは正確に行く先を示してくれるから従う、
地道は国道318号線、三級国道其の物小さな川を伝い山にと向かう道筋、
走った。
五分後、辺りが豹変、盆地の形状の中に入り込む。
「あ、大和町だぞ・・」ナビより先に気付いた。
 車の走りを緩め四方を見る。
「あ、有った、酒屋さんだ」そこの手前の橋を渡れと聞いて居るから従う。
そうして走ると民家がちらほら見える、その道を走り置くから二軒目
だと聞いて居た。
 「・・、ア、アソコかな・・」少ない家だからすぐに見つかった。
その家専用か狭い道に入り走る。
突き当りがその家と思えて、庭の手前で止めると車から降りる。
 誰も居ないのか静かな場所、鶏が驚いたのか動きを止めてこっちを見る。
「どなたですか~・・」家の裏から声がすると本人が庭に現れる。
「あのう、名古屋から来たんですが・・」「名古屋、ああんた遠藤さんか」
「え、はいそうですが」「まよう来たね、車を庭に入れて上がりんさいや」
応対された人は母親か、元気そうな姿、田舎特有の人と言えば当て嵌まる。
 ワイン好きと聞いて居たからセットを持参する。
渡すと満面笑顔、安物でも美味しいから、でもこんな高価なものは喉を
通した事無いがね、笑顔の後そう言われた。
 インスタントだぞと呟くように言われてコ-ヒ-を出される。
小さな盆地だが結構見惚れる景色、庭の前は右手から下る様に段々で降り
てきている。
 「あんた、朝電話で聞いたが、よう援けてくれたね」
「え・・、行きがかり上ですから、大半は自分たちで賄われていますよ」
「そうだが、私も聞いて何とかと考えていた矢先、家に戻そうかと話し
たが、其処はきっぱりと断られたがね」「そうでしたか・・」
「だがな、朝方とんでもないテンションでな、電話が来たぞ」「・・」
「そんで、其れが呆れかえるがね、昨日まで金金と言っていた口が・・、
今朝は生きて手最高凄い幸せと、煩い程な・・」「・・」
コ-ヒ-を続けて飲む澄人を横で見ながら話を続けられた。
 「災い転じて福が来る、と言ってな、中身を聞く気も無い私に・・、
もう止まらんかっただぎゃ、私も聞いて行く内に話しの中に嵌込んでしもう
たがゃ、とんでもない中身にじゃ。私は天を見た、昔の話だが、ここ等では
唯一愉快な話が語り部で残されている。其れを思い出してしもうただが」
「え・・」「それはなこの谷でだが起こった愉快な話じゃが、其れは後でも
良いけ、今はあんたにお礼がしたいんじゃ」「其処はお構いなく・・」
「そうは行くかね、聞いたらじっとしとれん質でな、あいつは名前まで変え
よって、その家で生涯暮すと抜かしよったがね、だが今は如何でも良いと、
え~と耳を疑う、何でかと聞いたらあの様、聞いてて呆れかえっただがね」
「・・」「そんでな、あんたに迷惑は懸けんから従わんかね」
「従うんですか・・」「ああ、其の後はたんと楽しみんさいや、ここ等じゃ
こんな愉快な話なんぞ無くなっているが、昔を紐どけば有るんだ、だが見て
この盆地には三十数軒あったが今は十二軒のみ、周りの集落も同じ運命、
仕方が無いけど無様じゃ、そんな谷でも縋りついて生きておるだぎゃ・・」
「・・」「さてと、あんた三日位貴子に身を預けてくれんかや・・」
「え、預けるんですか・・」「出来たらじゃが無理か・・」
「無理じゃ無いけど、何か有りますか・・」「作るんじゃ」
「作る・・、ですか」「そうなるが、あんた次第だけどな・・」
意味しんな事を言われる。
「澄人さん・・」「え、あはい・・」「あんたの体借りるが良いよな・・」
「身体・・、えああ~では・・」「総て聞いた、其れで待って居たんだ」
「・・」驚いて横の母親の顔を見て仕舞う。
 (ええ、なんとこの人は・・)陽に灼けた顔だが、見ると正しくあの妖魔
の真奈美さんその者だ、年こそ取られているが、顔は正しく似ていた。
「駄目かね・・」「え、其処は預ければいいんですよね・・」
「そうだが、良いぞ凄いよあんたは、いいや澄人さん・・」
笑われると益々気が可笑しくなるほど妖魔に見えだす。

           つづく・・・・。



























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・6》

 脱衣場での愛撫は互いに炸裂、芯から挑もうと決める澄人も物凄い事に
為るが、相手の真奈美さんも半端じゃ無い、とんでもなく男を駆り立てられ、
其れで見返りが自分の体に戻って来る事を知る肉体、其処は全く以前の女性
とは雲泥の差だった。
しかも相手は何とも言えない肌の持ち主、本当に男冥利に尽きる異存の無い
相手の体、シト~っとされる肌は密着の倍増感が凄い、肌を合わせるともう
其処は合体、肉が結び付く、それ以外言いようが無い程最高、グングンと体
を摺り寄せると、何処までも肌が迎えてくれているし、もう愛撫は誰でも
とは出来ないほど密着の中で69型やまともに抱き合う姿は絶品この上無い。
 今迄のセックスは何だったのか、思えば既にはっきりと判る。
澄人のでかいあそこが相手が狂う元とはなるが、其れを受ける女性は全く
同じに感じて来た、何でと今思うが、既に体が答えを出してくれている。
すなわち抱き合いそのものがまるで違う、今はとんでもなく舞い上がる澄人、
抱く相手が其処を証明してくれていた。
 今迄は狂う相手しか見られていないが、今回は其れに挑まれる女性の姿、
しかも凄まじい快感に襲われながら、其れを乗り越えて受ける善がりを倍増
させて男に送り込まれてくる。
まさにそこがまるで今迄とは違う、年代が同じ程度の相手と抱き合うが、
何時も乍ら、相手が狂い酔いしれている姿しか見ていなかった澄人、
だが今日は何と其処を乗り越えて来てくれている。
喜びを満身で受けながら、お返しだとより一層の攻撃を返してくれる。
其処が今までと違う面、澄人は感激し捲るから相手返り撃ちが激しくなる。
迎える真奈美は其れが最高と吠え捲りながら、又も仕返しが増幅され男の体
に戻してくれていた。
 なんとなんと抱き合う場所は脱衣場、浴室には入れて貰えず、
最初から修羅のマグアイは脱衣場だけ、其れほど夢中に為れた二人だった。
初めて抱き合う相手だが、其処は既に乗り越え、今は双方が持合う技の切れ
を試すかのように互いが体を虐め戦う戦場だった。
 迎える真奈美は芯から泣き叫んでいる、これ程抱き合いが深いとはついぞ
先ほどまでは知らなかった、セックスは嫌いじゃない体、其れで前の夫は
逃げられている、今度の夫はソコソコ頑張ってくれるから、最高と思込んで
名前まで変えている身、前は悦子と言っていたが、今は後妻に入った家の娘
が真美と言う、だから悦子も最後の家に奉公しようと、名前を区切りにと
変えていたのだ、其れほど気に要ると相手に浸る真奈美、其れが誰にでもは
出来ない真骨頂、しかし今は如何、とんでもない男がこの世に居たと
つくずく知らされる。
其れほど恍惚が集団で襲って来る、膣から、肌から、頭から総て凄い~の
大合唱、それらを総て受け入れて迎える真奈美、澄人サ~ンと心で叫び、
口からは慟哭の芯から出て来る呻き声、其れは聞かされると男は大変化、
未だ聞きたい出せだすんだと挑まれてくるから受ける真奈美は一層男に応え
ようと、最高な場所にと自分から昇りつめて往った。
数え切れない程気を失いながら挑まれお返しをする真奈美は凄い女性だ。
 膣は頗る絶品、往く時は膣痙攣が起こされ、相手の男に知らせてくれる、
感極まると腰を浮かせて上で震えている、何処もかしこも最高絶品、
姿も声も感動し捲る澄人、最高は二人は一時間半、脱衣場で奮闘し、
遣りつくした。
 「・・」「・・」
お互いが横たわり、手だけが握られた侭、最高な余韻に浸っていた。
「貴方・・、口に出来ないほど凄かった、もう真奈美は死んでも良いと
さえ思った、いいや此処で最高な時に死にたいと思えたわ」「僕も・・」
「嘘や・・」「ううん、最高だ、肌もあそこも何もかも、今までで最高な
相手だった、其処は確かに思えた」
「私はそれ以上、逃げた夫は強くは無いけど優しかった、でも貴方はそれ
以上付録満載、とんでもない場所で遊ばせてくれ、初めて感じた芯から」
「僕も同じ、相手が喜べは其れで良いと弁えていたが今日はそうじゃ無い
と知らされたんだ、互い尽くし求める事が、知らない場所にと行ける、
導くのが真奈美さんだった、凄かったが・・」「感じた・・」
「そんな柔な言葉じゃ無い、凄まじい獣の威力を知ったが・・」
「其処は倍増してお返しするね」手を握り返しながらそう言われる、
肌は汗まみれで光る、互いが動こうとしない、余韻はまたまた出て来て身
を震わせるから動きたくなかった。
 漸く浴槽に浸れることが出来たのが二時間後だった。
「旅でもあるかな」「え・・」「そうじゃ無い、旅は此れを求めて行けば」
「え~・・」「だって、最高な持ち物を持たれているし、磨けばどんな事
になるのか恐ろしいけど受けて見たい気がする」「真奈美さん・・」
「ねね、何処方面に行かれるの・・」「まだ決めていないけど・・」
「じゃ、飛騨は・・」「え、岐阜か・・」「そう其処に良い女が居るよ」
「え・・、知合いか・・」「うん、生まれてからずっと知り合い・・」
「ええ、意味が、あ~じゃ親戚か・・」「其処はもう少し血が濃いいかな」
「ええ、姉妹か・・」「当たり~・・」とんでもない相手だった。
 洗い場で交互に身体を洗い合うと、漸くリビングに戻れた。
『じゃ此れ渡すね』「ええ、何・・、アお金じゃないね要らんが・・」
「あのね、生活費」「ひや~何で貴方が出すん・・」
「御礼じゃがね、また抱きたいけど駄目か・・」
「駄目、またと言わせたいん、其処は無理や体が知ったからね、良いけど
金とはもう関係が無くなっている」「金は生活費、なな受けて困る」
「幾らあるん・・」「五十万・・」「ひえ~要らん要らん・・、駄目」
「今回だけ五十、後は毎月十万円で良いか・・」「あんた~・・」
大泣きされて飛びつかれた。
 その後は察しられた通り、抱合いが又また始まった、性懲りも無く求め
合う二人は既に人間業じゃ無かったのだ。
澄人の異物を膣に迎えた侭、抜かして貰えない、其れほど其処は居心地が
良いけど、呆れる程朝まで抜くことが出来ない魔物の住んでいる穴だった。
 翌朝、澄人が起きて来ない内に真奈美は部屋を出て行く、残されたメモ、
総て真奈美の気を言い表せる文言、其れほど最高だと言葉で残されていた。
 五月、二十九日、漸く名古屋を車で出て行った。
此れからどんな世界が垣間見れるのかと思いつつ、
車はあの真奈美さんが言われた場所にと進む、其処が最初の目的地に
自然となってしまう。

             つづく・・・・。























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・5》

 翌朝気怠い中何とか起きた、思えば昨夜は大変だった、
あれから何としてでも家を出ようと頑張った。
其処は真美ちゃんが家を出させてはくれなかったのだ。
良いからと何度も言うが聞き入れてはくれない、何とか義母のもてなしで
家を出ることが出来た。
「ふ~夕べは大変だったな・・」朝立ちの股座を押さえて洗顔し、
コ-ヒ-を飲もうとしたが、直ぐにコ-ヒ-は外で飲めると思うと、
急いで約束の時間と慌てて部屋を出た。
待合わせは昨日行っている喫茶店、都合よくそのビルにはコンビニが有る、
其処で五回に分けて金を引き下ろし向かう。
 既に義母の真奈美さんは待たれていた、コ-ヒ-を飲みながら話をする、
そんな中でテ‐ブルの下から袋を渡し、此処で待って居ると告げる。
頷かれて店を出て向かわれた。
(なんと、本当に綺麗だ、今朝は一段と変れている、着る物の所為かな)
そんな事を思い浮かべて昨日の真美ちゃんの家での事を思い浮かべている。
 幾ら位経ったのか、なんと目の前に真奈美さんが座られているし、
見ると頭を下げられていた。
急いで辞めてと頼んで、改めてコ-ヒ-を飲まれる。
「何とか無事に済ませることが出来ました、会社は此れで何も無かった事
にすると言われ泣きました」と報告された。
 その後も真奈美さんは話を辞められない、其れより肩の荷を降ろされた
のか、話は饒舌、本当に見違える相手に為られている。
「ええ・・、良いですよ・・」「でも其処は硬く娘に言われているんです、
何か有った時に駆けつけると、思えばそうかと」「でも其処は良いです」
「いいえ、娘と約束しています、譲れません、迷惑はかけないです
から如何か部屋を教えて下さい」「電話番号で良いじゃないですか・・」
「部屋に入れないのですか・・」「そうじゃ無くて,気づかいは無用です」
「普通程度の気使いです」「それでも・・」
何度も断るが聞き入れてはくれなかった。
仕方が無いから連れて部屋に戻る羽目に為る。
 「ま~綺麗~」手を前に会わせ感歎され、その姿に見惚れる澄人がいた。
「え、荷物・・」「そうなんですよ、旅に出ようと思って・・」
「え、どちらにですか・・」「行く当ては無い、場当り次第と・・」
「ま~素敵、したくても出来ない人が大勢いる中、良いじゃ在りませんか」
そこは賛成をしてくれる。
「何か足りない物無いの・・」「有りますが其処は出先でも買えるし」
「そう、良いわ、あ、じゃ長くなりますの・・」
「考えて居ません、如何なる事やら・・」「ええ、拙いわ・・」
「何でです・・」「だって娘に頼まれている事」「何か・・」
「座りましょうか・・」ソファ-に座る。
 横に座られ、「あのね、娘は貴方に凄く感動してて、数日後に此処に来る
と聞かされているの・・」「え、何で此処に・・」「正直に申しますね」
其処から意外な話を聞かされる、「お金を返す迄真美は澄人さんの女になる、
お金じゃ無いけど恥ずかしいから金の所為にしたい、そう言いましたの」
「なんと、其処は別でしょうが・・」「そう言うけど同じじゃないかしらね、
考えようよ、私も僅かな金でしたが、その時は助かった、だからそのまま今
もあの家で居ますのよ」そうも言われる。
「きっかけは如何にでも考え様でしょう」「そうなるんですか・・」
「ええ、そうなるより、そう考えるのよ。其れだから生きて行ける、その道
を金で作られていると考えると遣る瀬無いじゃない」「ですね・・」
「だったら人間は考えを違う位置から見て、其処に私を立たせると気が楽に
なるんです」「なんと、そう言えばそうかも・・」
「でしょう、ですから今回も、見方を変えて頂いてお願いしますね」
「お母さん・・」「嫌です、真奈美・・」
「そうだ、真奈美さんは総て考えを捨てませんか、そうでないと僕が困る」
「でも、其れは私だけじゃ無理な話ですよ、真美が許せないと思うけど」
「じゃ、おかあ、あ・真奈美さんは如何ですの・・」「如何って・・」
「真美ちゃんは未だ娘に為るんでしょう」「そうなりますけど・・」
「じゃ娘と変われないのですか・・」「変われ・・、え、ええ~貴方・・」
「そうなんです、あなた方の家で見た真奈美さんが夕べ脳裏から離れて
くれないんです」「ま~」「だったら、選手交代じゃ駄目なんですか・・」
「貴方、凄い方ね、真奈美は良いけど貴方が損しませんか・・」
「損ですか、何で・・」「だって真美は若いし、貴方を思っています」
「其処なんですよ、真美さんは大学では僕の友の彼女だったから・・」
「聞いて居ます、でも今は大学生じゃ無いですよね」「そうなります」
そんな遣り取りは出来た、澄人は一か撥かの賭けで話を切りだして居た。
 「ご返事はいただけないなら良いですが・・」
「既に其処は乗り越えて来ています、でも使い古しの体ですけど・・」
「言い方悪いですよ」「だって、そうですから、じゃ私で良ければ尽くし
ますけど・・」「反対ですよ、僕がそうしたいんです」
「まあ、恥ずかしい」本当に恥ずかしいのか手で顔を押さえ嫌々される。
可愛い仕草に既に澄人はマックスに昇り詰めていた。
「澄人さん、此れからもあるならどうぞ楽しんでください」「真奈美さん」
「自慢出来るほどの体では無いけど思いは今回は深い。前とは比べ物に
為らないくらいですの、既に部屋に伺うとそう決めて来ていた、助かった
貴方から先に其処に向かわせて頂いた・・」そうも言われる。
「旅に出る前の記念として奪いますよ」「ハイ、心から奪われたいです」
「あらら・・」漸く二人の顔が綻んだ一瞬だった。
 最高、夕べ部屋に戻ると、もう眠られない、脳裏には真奈美さんオンリ-、
股座は騒ぐし、今までになかった興奮と意味不明の焦りが湧いて出て処理に
困っていたのだ。
「お風呂・・」「頼めます・・」「・・」返事の代わり頷かれて向かわれる。
澄人は見送ると小躍りしたくなった、其れは今までとはまるで違うゾ-ンの
女性だとは見極めているから確信をしたかった
今迄多くも少なくも無いが、女性とは関係が有ったが、皆其処は最高に
喜ばれてけど澄人には満足は得られていない、そんな思いが募るから旅に
出ても良いとさえ思え出しているのだ。
「良いですよ、どうぞ・・」「はい、直ぐに・・」
直ぐ立つと部屋を出て廊下を歩いた。
「此処に・・、じっとしててね・・」言われるままにする。
衣服を脱がし始めると、息がしにくいのか胸が大きく動いて来た、
其れを見ると益々期待が膨れる澄人・・。
 「え、え、え~・・、ま~なんて事ね、有り得ない、凄くない此処・・」
「あう~・・」「馬鹿ね、此れが十分満足していないと今聞いたわ・・」
「ええ、意味が・・」「相手不足じゃ無かったの今迄・・」
「え、其処は、何で判るんです・・」
「此れじゃ相手はひとたまりも無いがね、無理よ、でかいし強いでしょう」
「・・」「馬鹿ね、自慢しなさい、有り得ない程ご立派ですよ、此処が~」
「・・、ひえ~良いいきなりですか~、凄いぞ凄い、真奈美さ~~ん・・」
本当に叫びたかった。
 急に前に居る姿が消えるともう其処にしゃがみ込まれ、いきなり澄人の
アソコを口に迎い容れられた。
其れが其れが何とも言えない恍惚感、総て其処に集中しながら肉は小躍り
してその振動が蔓延する、澄人の手が、相手の長い髪を握り締め震える中、
相手は豪快に頭を揺すり無我夢中で口で棒を扱かれる。
快感が脈と一緒のリズムで沸き起こり、澄人は足を踏ん張り、
両手で相手の頭を掴んで仰け反った。
其れほど体の芯まで快感が染み渡る、涎が零れる中、相手は未だ其処から
離れてはくれない、其れより一層大胆に為られる。
珠袋を口で転がし手の指は既に後ろに回りアナル攻撃を開始、
立つ事さえ儘為らない攻撃で得る歓喜、既に最高な極地で彷徨えた。
(凄い~~~が、儲けたぞ~・・)
何度も心で叫び続け、そうして感動を湧き出させて行く。

         つづく・・・・。


















望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・4》

 山下夏美、三十歳、大学では二つ下、友と同じ愛好会のメンバ-だった。
背丈は155センチ、スレンダ-美人で名が知れ渡る逸材、
大学でもちやほやされていた女性、しかも何もかもが素敵、
其れが友の彼女だった。
「ねね、まだ時間有るの・・」「うん、良いけど何処に行く・・」
「ね、家に来てくれない」「ええ、何処や・・」「御器所・・」
「其処に有るんか・・」「来てくれる、中身が凄い話をしたいからお願い」
「・・」その凄いの単語に引っ掛かった。
 時間は有るし、その凄い話の中身が何か気に為る。
「良いよ・・」「嬉しい、悪いね、じゃ行こう・・」
何と素早い事、店を出ると卓志‐に乗り込むと御器所にと向かう。
「家に居るんだね・・」「未だそうなるね」「・・」
未だそうなるとは聞き捨て為らない言葉だけど其処は深堀はしなかった。
「誰かいるの」「うん」返事をされるが、なんか空気が重くなり始める。
 十五分で到着、御器所でも降りた場所は高級住宅地、坂の途中から家が
並んで坂上には有名な桜の花が綺麗な公園が有った。
「はいって・・」言われるままに階段を上がり玄関にと向かう。
 「帰った・・」「まあま~これはよう来てくれたね」「・・」
え、と思い真美ちゃんを見た。
「電話してたんだ、御免ね」廊下横の居間にと澄人は入る。
既に用意されているコ-ヒ-が出て来た。
 「何か話が有るんだよな・・」「うん、今しないと駄目」
「良いけど、辛い話なんか・・」「澄人君、其処は・・」
「良いじゃないか、話は早い方が良いよ、何金か仕事か・・」
「両方に為るかな、見ての通り一つ欠けた・・」「欠けた・・」
「うん、お父ちゃんが逃げた」「・・、ええ~今何と逃げた・・」
「うん、一週間前・・」何ととんでもない場所に来てしまった。
 会社の金を持ち逃げしていると聞かされ、今はもうどうにもならないと
泣き顔で言われる。
「幾らなん・・」「それが既にほとんど工面で来たんだけどもう力尽きた」
「だから幾らなんかね」「あと四十万円、既に四百万は払った」
「えでは四百四十万円か・・」「うん・・」小さい声で返事された。
「どんな会社・・」「証券会社・・」「ええ、何処・・」「桜通り・・」
「その何処や・・」名前を聞いて驚いた、なんと今日向かった会社の名が
出たのだ。
「その金は・・」「取引先に払う金・・」「何時・・」「一週間前・・」
「で、支払いは何で出来ただが、預金かね」「うん、私のと母の分です」
「・・」「声が出なくなるほど、世の中偶然が合うとこうなる。会うべき
して神様が合わされたのか、あの桜通りを歩いて居ないと出会いは無い筈、
其処を考えていた。
「じゃこんな時何でアソコを歩いて居たの・・」「・・」
「何か言わないと判らんが・・」「澄人君助けて・・」
「だから何で歩いて居た、まさかサラ金か・・」「・・」
「そうか、苦労したなお母さん、ええ~・・」
まともに初めて見ると驚くほど若い、そんな事有り得るのかと目を疑うが、
二度見すると確かに真美と添う年が離れてはいなかった。
 其処はさて置き、話に母に向けた。
「お母さん、期限は何時ですか・・」
「明日と思いますけど、本人が居ないし、其れで真美と話し合って・・」
「返済は出来るんですよねサラ金・・」
「・・、ええ、何とか一月でと頑張ろうと・・」「出来ます」
「何とかね~真美・・」「頑張るしかない、家も未だロ-ンが残っている、
叩き売っても差額をこっちが払わないと駄目と聞いてる、一月頑張ろうと」
「・・」そう言われる。
「真美ちゃん、其れを僕に出してくれと・・」
「出来れば知り合いが良いと思い・・」「・・」
「真美、無理ならいいけ、御免なさいね、藁に出も縋りたい今なの・・」
「判りますけど、真美ちゃん・・」「うん、何」「今仕事何している」
「事務、PCで」「そうか、お母さんは失礼ですけどおいくつに為られます」
「・・、三十五歳、後妻、しかもお金が絡んでいるから何も言えない立場」
又また驚かされた、本当に事実と知る。
「真美ちゃん、泣くな、四十万では済まないだろうが・・」
「え、四十万だけよ」「じゃ、家の必要な金は・・」
「其処は何とかしたいけど、借りるしか今は無い、全部叩いたし・・」
「そうか、もう何も言わないわ、良いよ出す・・」「え、貴方・・」
「お母さんにも娘の気持ち汲んで下さいね、この子はこう見えて根は真面目、
あれだけちやほやされても見向きもしていない、見ているから言えるんです、
二人で頑張れますか・・」「貴方・・」「澄人君、二人じゃ無理や・・」
「ええ・・」「だって鎹が無く無理、澄人君がいてくれるなら頑張れる」
「ええ、何で・・」「だって、誰がこんな事聞いてくれるの、道で出会って
感じた、澄人君だけが頼りや・・」「・・」
「貴方、何でもしますから、今回だけは如何か助けて下さい、お金は必ず
返します、信じてと言えませんが、必ず・・」頭を下げられた。
 「お母さん、何かまだ信じられん部分が有るんですけど」「何か・・」
「お金の工面其れだけでしょうか真美ちゃんも考えて・・」
「え、其れだけだけど・・」「じゃ、もし仮にお父さんがサラ金から借り
捲られているとなると如何します」「ええ~、まさか・・」
「そのまさかが今大変な事に為っているんですよ、言いたくは無いけど、
本人がサラ金で借りているとなると如何します、此処に来ます、大手なら
柔らかいですが、町金なら煩いですよ」「そうなりますの、真美・・」
「其処も考えたが、有り得るかもお父ちゃんやけくそになっている・・」
そう泣き声で言う。
「其処は知らん顔で過ごしましょう、弁護士に先に話しておきましょう」
「ええ、貴方・・」「澄人君、助けて・・」真美が泣き顔で訴えた。
 桜通りで出会った二人、其処は定めの道かと思えるほど偶然、
しかも会うなりこんな話を聞かされている。
「では、此れからの事は弁護士に任せます、其処は断じて譲れませんけど
良いですよね」「お願い、助けて・・」
「いいから、もう泣くのは駄目、可愛い顔が台無しじゃろうがね」
「澄人君・・」泣き顔に手を当てて涙を拭いてやる、
其れを見て義母も泣き崩れられた。
とんでもない事に嵌り込んだ澄人だった。
 「いいから、もうこの事は解決にしよう、さ、もう二人とも泣かない
で下さい」「澄人さん有り難う、何でもするねね、助けてよね」
「判ったと言ったがね、もう泣くなよ、困るが・・」
流石に澄人はやり切れない思い、二人を見比べると、本当に窶れても
美人は美人、変わらないと見た。
 「明日で良いか・・」「ええ、お願いします」
「良いです、アソコで出会ったのも何かの縁でしょう、な真美ちゃん」
「澄人さん」「阿呆、澄人君で良いじゃないか」頭を撫でてそう言う。

             つづく・・・・。























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・3》

 なまぐさは昔から、部屋は一日の経過しかしてはいないが見るも無残、
散らかっている、そんな中で澄人は又もコ-ヒ-を片手に本を読み漁る。
 「うん・・」横に置いてるスマホが揺れて電話と知らせた。
「なんと・・」そこにはメ-ルが来ていた。
「おはよう、起きているの、今ねママが話がしたいと横で待機されている
のよ、良いよね」「お早う御座います、構いませんけど何か・・」
そう返事を送る。
 直ぐに音色の違う音がしてスマホを持つ、
「お早う御座います、澄人さんお久しぶりね」挨拶から始まった。
中身は娘さんから聞かれたのか、内容が総てその自分えのエ-ルと共に旅
に出なさいと言われる。
返事をする間が無い程話は途切れず、母の思いを澄人にと話されていった。
「では、旅はまともじゃ無いんですね」
「そうよ、其処は色々とね有る、考えるとその方が面白いわ。以前お客さん
から聞かされた話だけど、其れも有と夕べ話を聞いて考えたのよ」
「なんと、そうでしたか、お手数かけます」
「ええ、大事な息子みたいなんですからね、でも何もしていないと相手が
知ると気をか引かれる恐れがあるのよ」「ですよね・・」
「だから如何、貴方が旅している間、何かしては如何かな・・」
「ええ、旅するんでしょう、出来ないと思いますけど・・」
「其処よ、如何株してみない」「ええ~、株って株式ですか・・」
そこから色々話をされる中、株を以前からされていると知る、しかも随分と
長い間と聞いた、浮き沈みは有ったが、ト-タルプラスだとも言われる。
「だからね、仕事の内と思えば良いじゃないね、私が推薦する株を少し持ち
なさいな・・」「お母さん・・」
「いやだ~、其の言い方止めてよ、ねね、お願い玲華よ」
「あ、じゃ玲華さん・・」「良いわ、なあに・・」
「株って少しは知っていますが、今は如何ですかね・・」
「其処よ、今は良いわよ」「ええ、でも未だ一万円台ですよ」
「其処も良いわ、やがて直ぐに二万円台」「ええ・・」
「だって考えても見なさい、日本は五年後代替わりするのよ」「あ・あ」
「其処も加味すると二万円は直ぐよ」「・・」言われる中身が読める。
「では・・、でも勉強しないと・・」
「任せてよね、麗華には勝てる要素が満載よ」「ええ、何でです・・」
「今は内緒、今,銘柄言ううね・・」「ま、待ってメモする」
其処から話を続けられる中買う銘柄を教えて頂く、何でかと中身も話され、
持って居なさいと最後は言われ、売る時は知らせるとまで言われた。
 「じゃ株の話は其れで良いわね、後は旅のル-ルを決めようね」
「え・・」「良いわね、貴方はクルマで向かい、途中の宿泊は車内かテント
もしくは民家だけ、但し一週間に一度だけはホテルや旅館で泊まりなさい、
衣服も洗濯はコインランドリ-かもしくはホテルで頼むのよ」「・・」
呆れて声が出て来ない。
「聞いて居るの・・」「・・、え,はい聞いて居ますが、其れって・・」
「いいから最後まで聞いてね」話をさせてくれなかった。
話の中身はそうしないと澄人が成長しないとまで言われ、民家に泊まれる
なら、一万五千円と決めて置きなさいと念を押される。
そこには色々な意味が含まれていると聞かされ、
澄人には理解が出来ていなかった。
「疑うの・・」「いいえ、何で一万五千円かと・・」
「其処よね、聞いた話なら其処から色々と話が進むんだって・・」
「え、益々意味が・・」其れからも其の意味を聞かされて唖然とした。
 「なんと、そうなるんですか・・」
「毎度じゃ無いけど、不思議な金額だったと、二万円だと相手が怖がると
聞いたよ、思えば麗華もそうかもと頷いていたわ、其れで要らないと言わ
れる時が有ると、其処は別に何か品物でも良いじゃないね、又家を出た後、
次の場所で何か良い物が在れば送れば良い、感激される」とまで言われた。
 感極まり、澄人は自然と玲華さんの事を師匠と叫びたかった、
それを告げると大笑いされ、其れも良いよねと言われてしまう。
いやはやトンでも無い人だった、長い電話を切ると息が出来ない、
其れほど中身に聞いて身震いをする。
(なんと、思えば奥が深いぞ)そうか其れで麗華さんはホテルや旅館は週に
一度にしなさいと言われるんだと思えた。
旅の中でそんな泊まれる民家など無い場合が多いとさえ聞かされると、
車に積み込む荷物が脳裏に浮かんで来た。
 他愛無い話と中身が濃い話を聞いて、暫く考えさせられる、旅でも色々
仕方が有るんだと其処に感心もする、民家に泊まれたら其処の地方の事も
聞くことが出来るし、又勉強にもなり得る、そんな事を考えると胸が躍る、
興奮は未だ経験をしない旅の行く先も見えないが見ようとする自分が居た。
 五月二十三日、何度もカ-マに車で買い物に出かけ、テントや寝袋、
小さな手鍋やコンロ、諸々を買い集め四駆の車に積む。
「く~最初じゃ、此れで良いかも・・」気が決まると、既にも旅に出ると
決めていた。
 昼過ぎには、証券会社にと向かう、其処の店長は知合いと玲華さんから
聞いて居るから尋ねて行った。
大歓迎をされ話はもっぱら玲華さんとの事、名古屋の支店は半年前と聞き、
横に座り話を聞かれる女性が担当者と紹介され、三銘柄を告げると喜ばれ、
各銘柄に最初は五千万と言うと驚かれた。
だが其処も失礼と察しられたのか、直ぐに書類と担当者が部屋を出られた。
 「あのう、若しかして立ち退きでしょうか・・」
「其れも有りますけど未だ他に」「ではお亡くなりに為られたご両親・・」
「其処までは話したくありませんけど、想像に任せます」
「失礼いたしました、では今後とも何でも申し付けて下さい」
頼まれる中女性が書類を持参され、それ以後は店長相手ではなく担当者に
金を渡し、契約成立、買う銘柄はIT関係二つとゲ-ム会社一つだった。
四時過ぎには既に証券会社を出て桜通りをブラブラと歩いて行く。
 春盛りの五月の末、青芽と葉がまだ太陽が残る空から光を差込んで来て、
足元には模様が揺れていた。
「ま~遠藤君なの・・」「え・・」すれ違いざまに大きな声で呼ばれる。
「私よ私、ほら~大学で・・」「え・え・・、ア、あ・あ~なんとなんと
真美ちゃんか~」「そうやそうだが、何で暫く見て無いけど元気だった」
懐かしい女性、しかも友の彼女、気が許せる相手だった。
傍のビルの中に入り喫茶店で向かい合う二人、言葉は直ぐには出ないけど
懐かしい顔を見詰め合う。
「でで、如何あいつ・・」「え、誰、ああ、忘れたわ」「え、じゃ・・」
「そう、卒業で終わりよ」「なんと、聞いて居ないが・・」
「あんたら中々会えないと聞いて居たけいね・・」
「うん、そうなんだ、面倒くさいしな色々と在ったし・・」
「あ、そうやご両親とそうだ御免、ソコ忘れるとは駄目よね、そうや、
なんとその節は・・」急に言葉が変わった。
交通事故は新聞やテレビで二日間、嫌程放映されている、
其れで皆が知り置く事故に為っていた。
「大変だったね、今は・・」そこから当り障りが無い程度に話をする。
「そうか、じゃ今は何とか出来ているんだ」「うん・・」そう返事する。
「ねね、今日は此れから何か有るんね」「え、何で・・」
「食事し様よ、奢るし・・」「え、其処は良いけど、行く時間良いの・・」
「売るほど有るよ」笑われる。
 さしあたり総て用意は出来た澄人、今は本当に暇、直ぐに二人は日が
沈む中焼き肉屋にと向かう。
懐かしい店、其処も覚えてくれていて大歓迎され、再会に乾杯をする。

               つづく・・・・。




























望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・2》

 五月半ばの爽やかな夜、ほろ酔いのまま店を出て桜通りを歩いて居る。
「何処か飲みに行こうか・・」「ううん、お部屋で良い、なんかおつまみ
だけ買おうよ」「そうか・・」従う澄人。
 三十分後買い物を終えて部屋に戻る。
「・・」会話が弾けない澄人、反対に相手は其処を気にされるのか話が
次から次と出て来た。
「え、じゃ未だ仕事はしないの・・」「うん、今はな、何が良いのかどう
するのか今は本当に検討が付かないよ」「じゃ、如何するのよ・・」
「其処なんだ、悩んでいる」「え、じゃ此の侭じゃ拙いわよ」
「そうなるよな・・」「呆れた、ママが其処を心配しているのよ」
「御免な、帰ると何とかすると言って・・」「ええ・・」
益々呆れ顔をされる、酒がそうするのか今は本当に言いたい放題、
まるで年が離れた妹みたいだった。
 「じゃさ、いっそ一度名古屋を離れたら如何・・」「離れる・・」
「そうよ、旅でも良いけど、仕事を違う所で如何・・」「ええ・・」
思いもしない事を言われた。
「じゃ、名古屋を出るんか・・」「そうでもしないと、澄人さんの旅立つ
場所が見えないわよ、彷徨うのも良いけど、今はそうじゃ無いでしょう、
なんとなく生きているし、其のままじゃ先が見えない、だから一度名古屋
を離れると何か見えるかも、見つかるかも・・」
「なんと、そう考えるんか・・」
「そうなると、名古屋に居ると未だに家族が、其処を離れると何か見える
かもしれないじゃない、見えないなら諦め其処から再出発も有り得るよ」
「・・」返事が出来ないほど相手を見詰めて動けない。
「あのね、基点、起点、気転と同じ言葉でも色々と在るじゃないね」
「え、あそうだね」「だから、此処を離れなさいよ、美咲も考えるし・・」
「え、考える・・」「そうよ、お兄さん一人じゃ危なっかしいじゃないね」
「え・・」「だから、此処は一度美咲の思う通りにして飛び出しなさいな」
「・・」いよいよ、返事に詰まり出す、考えても居ない事だった。
 「そうか・・、離れるのか・・」
「そうでもしないと柵が離れてくれないわよ、飛び出して弾けなさいよ」
「弾ける・・」「そう人が呆れる程弾けると違うお兄さんが見つかるかも」
「ええ・・」何とも言いようが無い程、相手を呆れる、
いいや凄いとさえ思え出す。
「美咲ちゃんは強いね、僕は男でも柔だな・・」
「仕方が無いよ、今はね、でも其れだけ抜け出せないのだし、其処は凄く
認める。でもね世間は皆見逃すよ、だって其処でうろうろするなど
見たくも無いし考えて居ない、其れほど厄介なゾ-ンでしょう」「成程な」
「ねね、じゃ旅に出て見なさいよ、何か有るかも無いかも、
でも見ていない日本が有るじゃない、名所や好物、其れに出会いも・・」
「出会い・・」「そうよ、物珍しそうな顔をしていると其処に突き当たる」
「ええ・・」「だってそうじゃ無い、犬も歩けば棒に当たるって・・」
「あはっ、そうだね、動かないと何も始まらないよな・・」
「早々其処よ、お兄さん其処」「はいはい、ご伝授感謝致します」
「ま・・」笑われる。
 本当に時間が経過する中で色々な話を聞かされる、
会話の中で何度も其処と言う単語を使い話を繋がれていた事が残る。
でも何でか嫌じゃ無い、自分の身さえ今は覚束ない身、そんな中で話を
聞いて居ると、何とか今からの自分がどうなるかが朧気に見えだすから
不思議だった。
 思えば、この美咲ちゃんの家はあの熱海の温泉地で美容院経営、
今じゃそうは呼ばないが、其処では芸者さんから婚礼の髪結着付けなど
手掛けて居られる。
店は既に熱海と白浜と下田にと手を広げられ、四軒の店を経営される
家だった。
 そんな話を酒を飲みながら部屋では続いて行く、いつの間にか二人は
酔い潰れて寝込むが、朝日が差し掛かると美咲は起きて、
部屋の荷物を整理し始める。
既に朝食は簡単だが、用意出来ているし、澄人はまだ寝ていた。
其の横たえる体を見ながら苦笑いする美咲、今は愛していた相手はこの
世には存在して居ないが、其の弟を懐かしむ兄がいた。
ママの薦めで顔でも見て来てと頼まれ、背中を押されて来たが、
今は来て良かったとさえ思えた。
あの嘉人さんと真反対の性格だと思えるし、其処のゾ-ンで居る男も
嫌じゃ無い、其処は危険の二文字が存在しないからだった。
 昼過ぎに何とか箱の中の荷物を片付けると、美咲は、
澄人を起こさずに部屋を出る。
マンションを出ると、直ぐに電話、無論相手はママ、
長い時間話をすると、歩いて通りに出てタクシ-に乗り込む。
 部屋で寝てしまった、澄人、起きたのが午後二時過ぎ、
慌てて部屋を見渡すが、相手が居ないの気付いた。
「・・」帰られたのか買い物かと思えるが、荷物も何もかもが整理され
片付いているのを見ると、既に部屋から出て帰られたと知る。
(うへ~凄い女性、あいつは生きて居れば最高な人生がおくれていたな、
可愛そうに・・)そうしみじみと感じる。
 コーヒ-を温めて飲み始めると何か昨日までの自分と違う面があると
知らされる、其れほど美咲ちゃんの御陰かと思えた。
「そうか、動くんだな・・」独り言を言いながら支度して外に飛び出た。
名古屋の駅に向かい其処で何もかも揃うほど店が有る、デパ-トもある、
其処で数冊の本を買い求め、夕食のグザイを地下で買うと、
二時間後、早くも部屋で買ってきた本を広げる。
本は日本の風景と名産、其れと心理学の本、其々を見たいと買い求め、
、陽が未ださすリビングで読み耽る。
 気が付くと、既に外は暗い、夕食はグザイを買っている、
ハンバ-グを温め野菜に乗せて,食事開始、本当に昨日までの澄人とは
思えない程変化している。
 夕食を終えると、又もソファ-で寝転んで本を見る、
外の景色には薄青色の照明に浮き出る名古屋城、部屋の中は未だに夕方の
姿そのままで本を見ている澄人がいた。
「・・」何か閃いたのか、起き上がると電話を懸ける。
「あ、美咲ちゃん、帰ったんだ・・、御免よ、酔い潰れてしもうた・・、
うんそうか家に帰れたんだ、今回は有難うね、本当に考えさせられたがね、
御陰で何とか動けそうだ、・・、うんそうなるかも未だ決めかねているが
動く事はするね、有難う、・・、うん決めると知らせるね、じゃお母さん
に宜しく・・」そんな中身を話していた。

          つづく・・・・。





















★本日開始★望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・初回》

 (ふ~、何とか出来たな・・)部屋の中を見渡して、何時に無く感慨無量な
面持ちで澄人はガランとした何も無くなった部屋で、
最後のタバコを燻らする、立ち昇る煙に澄人の家族が浮かび上がる。
(親父,オッ母~、嘉人~・・)心の中は慟哭まがいの叫びが起こっていた。
 思えば昨年、あの忌まわしい交通事故から澄人は変化させられる。
可愛い弟の結婚が控えていた昨年五月十五日、この名古屋からお土産を積ん
で向かった、熱海の手前に悪魔が待って居た。
 静岡県の清水を過ぎる高速道で多重衝突に巻き込まれていたのだ。
しかも大型のトラックと後ろのこれまた大型の車に挟まれて、
車は残骸極まりない姿で残されていた。
無論、中に居る親父と母親と弟は人の形を残せないほどの姿だと聞かされる。
 その時澄人は名古屋の小さなタウン雑誌の会社に居た。
知らせを聞いて、飛び出るが、夜中到着するも既に其処は三人の目を覆う形
の残骸しか見られていない、憔悴する中、何も声も涙も沸いては来ない、
衝撃がでかかった。
相手先も来て頂いていたが、既に迎える本人が死んでいる、
泣疲れた相手の女性と家族、其れが未だに夢の中に出て来る光景、
何とか事故の後色々有ったが、こちらには落ち度は無い、
でも家族は今は居ない、其れが現実、本当に一年間は地獄の中だった。
 平成二十五年五月事故の一年後は既に新しい気持ちで始めようとして
いるが、いかんせん此処には其れを迎える家族が消えていた。
 五月の其の事故を迎える一周忌、その日を機会に此処を引払うと決める
澄人、部屋をかたずけて、新しい部屋にと荷物を送っている。
 (親父・・、おっ母~、嘉人・・、出て行くよ・・)
そう天井に向かい告げると部屋を出て道に出た。
 振り返る五階建ての鉛筆マンションは親父が残した唯一の財産,
しかもそれも亡くなる前から引き渡しが決まっていた代物、
此処は名古屋駅の西側の駅前を少し入って場所だが、あのJRが計画してる
リニア新幹線の駅周辺の広場の大工事に引っ掛かっていた。
四年間話し合い漸く立ち退きが決まった矢先の事、一階では魚屋の店を商う
親達、其処は十五年前マンションにして一階で細々と魚屋をして来たのだ。
 この地で生まれ、今日まで来た、澄人はもう三十二才、
弟は大恋愛で結婚が決まっていたが、自分は未だ其処は無い、
身軽と言えばそうだが、今となれば少し寂しさが勝り、
事故以後の生活は惨い物だった。
 そんな事を思い浮かべながら、澄人はその場所から歩き去る。
 引越し先は名古屋市西区の名古屋城が望めるマンションの七階、
其処に生活拠点を置いた。
築五年だが、最高な場所だし、其処は澄人が働いていた会社の得意先の方の
持ち物で買ったのだ。
 部屋に入るけど荷物は未だ総て整理してはいない、リビングで横たえると
動く気がしてこないし湧かない、何とか此処までは来たが、
此れからの事は未だ考える気も気力も無いまま、其れが事実、
本当に一人にさせられてからの日々は思い出せない程荒れ果てていた。
無謀や自棄になっていた一年間、会社も既に辞めているし、今後の事は未だ
考えても居ない、今迄住んでいた場所を立ち退く事も何とか出来たが、
今はその後の事は考えない様に逃げているのだ。
 澄人は地元の大学を出てから、一年間仕事もしないで遊んでいたが、
親父が後を継がないと知ると、独りで生きて行けと突き放されていた、
それも意気を感じずに、仕方なしで働くが、その後二年間仕事もしていない、
そんな間に家族の交通事故、そうして一年後立ち退きで住処が変わり、
今はその部屋で横たえて居る。
 「う・・」スマホが鳴る、出ると・・「ああ~美咲ちゃん・・」
電話の相手はあの弟の婚約者の女性。
「引っ越し出来たの・・」「え・・、ああ今日なんとかね」
「え、そうかじゃ片付けは・・」「何とかするが・・」
「え、じゃ未だ片づけて無いの・・」「少し残っている」
「やはりね、じゃ今すぐ向かう」「ええ。今何処ね・・」「名古屋駅よ」
「ええ~・・」慌てる澄人、だが美咲ちゃんは行動派、既に名古屋に来て
いると知る。
電話を切り部屋を見渡すが、なんと箱を積み上げるしか出来ない、
今は其処までの気力しか無かった。
 十五分後、一階の電話から報せが来て、施錠を開放する。
 「今日は・・」「ああ、久し振りよね」
「そうかな、一月前名古屋で会ったでしょう」「そうなるんか・・」
そんな会話で部屋に招く。
「なんと、少し片付いているじゃないね」「此処までだ・・」
コ-ヒ-を沸かしながら会話する。
『あのね、明日、名古屋で会議が有るから早めに来た』「え・・」
「だって、気に為るじゃないね、ママも行けと・・」「・・」
「それで、急いで来た」「・・」
返事の代わりコ-ヒ-を差し出す澄人、戸惑っていた。
 弟は、東京で仕事をしていた、其処で取引先の女性が美咲ちゃん、
何度も会う内に仲が良くなったと聞いて居るが、初対面は事故の一月前、
澄人が東京に出て、弟が引き合わせられた相手、それ以後は事故の為に
二度会うが、それ以外は無い、其れで今は部屋に来ているのだ。
弟が何時も苦笑いするほど行動的と聞かされてきたが、
今思うと当たっていると思えた。
 部屋では色んな話をされるが、澄人は気が笹路、まるで話の中身が
入っては来ない・・。
「ね~聞いて居るの・・」「え、何か、あ・そうか片付けか、良いよ」
「ええ、其れって前に話しじゃないのよ、今の話について聞いたのよ」
「今、なんだっけ・・」「呆れた・・」睨まれた。
 もう一度話をされるが、今度は聞き耳を立てる。
「え、其処か、そうだな、未だ何をするか考えられないから・・」
「嫌だ、もう事故は起きてしまったんだ、その後の整理も何とか出来た
でしょう」「そう言えばそうだけどな、気がね・・」
「あらら、意気地なしか、嘉人さんはそうじゃ無いけどな、お兄さんは
そうなの・・」「ああ、流れ易いかな・・」「呆れた・・」
でも嫌じゃ無い、相手が気を使われるのか、話も間が有るし、
澄人の返事を待ってくれている。
『じゃ、考えようかな、でも直ぐにとは・・』
「ま~、じゃ此れからの事は・・」「未だだ。何とかなるさ・・」
「そうだけど、仕事は見つけないと・・」
「其処なんだ、見つけると思ってもな身体が動かんし・・」
「ま~益々ほっとけない」「ええ、良いぞ構うな僕は何とかする」
「其の何とかが未だなんでしょうが・・」「言えるわ~・・」
笑うが流石に其処は笑ってくれなかった。
 部屋に二人きりは不味いと思い、食事にと出掛ける。
相手はしゃぶしゃぶと望まれそんな店にと澄人は向かう。
正面に座られる姿は眩い、年は未だ二十二歳、母親もまだ四十に為った
ばかりと聞いて居る。
 弟とのなり染は聞いてはいるが、どう考えても弟よりこの女性が先導
されて居たと思える。
其れほど大胆だし強引さも垣間見れた。
夕食は和やか、其れも相手の魅力化と思える、澄人はこんな場所での
会話は苦手そのものだった。

           つづく・・・・。































乱生小説104弾《日陰の荒道を歩む・・終節》

 家では彩さんと婆ちゃんが顔を突き合わせて話をされている。
「お前、とんでもない事に為りそうじゃがね」
「うん、集会で驚かされたがね」
「其処もそうだけど、あのなお前知っているんか・・」「え、何・・」
「ゆうてええもんか知らんけどな、今日話を聞いてしもうたんじゃが」
「何何・・」「お前の事じゃけ」「だから何よ」
其処から義母の真澄から色々な話を聞き始める。
 「うギャッ、何でそうなるん・・」「お前が大好きといんさるけね」
「それにしても何で其処に行くん・・」「だからじゃ、池田家にも男の子が
欲しいと・・」「・・」そこは少し耳にしていたがまさか本気だとは
考えても居ない。
「そんでな、何時でも良いが早目にと催促じゃがね」「笑い事じゃ無いぞ」
「だって、未だ知りんさらんけ~、驚かれるのが見えるんよ」
「義母さん・・」「え、お前、真澄じゃろうがね」
「いいや、今夜は義母さんと呼ぶ・・」「呆れた、真澄がええけね~」
「駄目駄目、そう呼ぶと抱いてぶち込みたくなるんだ」
「ぶち込んでくれんさいや、もう随分と迎えて無いぞ」「ええ・・」
呆れ顔が固まる。
 其処から寝ながら色々と里の話を聞き始める。
「じゃ冴美さん、戻りんさってから直ぐにきんさったんだ」
「そうよ、そんでお母さんに手を着いて相談せずにと謝られた」
「え、じゃ言ったんか・・」「そう、驚いたけど内心は流石じゃと思った」
「・・」「憧れだったし、最初は冴美さんと聞いて居たしね」「・・」
「そんで、お母さんが大喜びしんさろうがね、相手は泣かれた」「・・」
「それで、今回の話を進めると決まったんだ、御腹に出来ているはずの子の
為に、郷は金を産める地にせんととね」「うん・・」
話を聞いて既に知られているんだと安堵する、説明が省けた事にだった。
 「おう~、まだ寝んのかね」「話があり過ぎて・・」
「此処に彩さんが寝たいといんさるが・・」「良いわ、私は良いけど・・」
「序でじゃろうが、仲間に入りたいといんさる」
「ま、じゃ来て頂いて、努布団・・」「あ、そうか・・」
部屋を出て仏間の押し入れの布団を取りに出る。
「如何だ・・」「うん、未だ其処までは言えないけど覚悟して居るみたいよ」
「そうか、あいつは凄いぞ」そんな話をしていると、彩さんが部屋に来られ、
続いて努が布団を抱えて来た。
「並べて下さいね」「え、彩さん・・」
「此処は身内に為りたいから、良いでしょう」「良いけど此処じゃ納戸だし」
「だから良いのよ、身内なら当然でしょう」笑われる。
 何か感じるが其処は努は考えないようにする。
「あのな、努や、色々聞いたが、此処はお前が総て頑張らんと行けん場所だ、
池田家とは恐ろしい程長く続いて来た家柄じゃろうが、あの徳川時代から、
名が残せるとは、そんじょそこらの家とは大違いじゃがね」
「うん、聞いて驚いているが・・」「だろうな、其れで話をされる中身も理解
出来るな」「其処は・・」「馬鹿垂れが、望まれるほど最高な事は無いがね」
「だから悩んでいるんだろうが」「悩むよりその先を考えろ、お前根性無いん
かね」「有るが・・」「じゃ、其処でも発揮じゃろう」
 問答では婆ちゃんには負ける、次第に返答が弱くなるのが自分で分かった。
「良いな、聞くとあの真弓ちゃんの家も凄いと聞いたが何で報告せんのじゃ、
既にご家族は此処にきんさっているから知ってはいるがは根性無しかね」
「え、婆ちゃん・・」「そう言うほど歯痒いからじゃ、男子望まれれば応える
べしじゃろう。昔から其処は同じと思えるがのう・・」「其処って・・」
「子孫、血じゃろうが、お前は昔なら其れを強めて行って地域をまとめる程の
男に為ろうと考える筈じゃ、今はそんな世界じゃ無いが昔と其処は変わらん、
遊びならそうは言えないがのう、今お前の立つ場所は、その子孫繁栄の礎に
為りんさいや、今夜は覚悟して居れ」「え、覚悟って・・」
「此処も子供を造るぞ」「えええ~~~・・」「馬鹿垂れ、声がでかいが」
「婆ちゃん・・」「なんだ」「・・」呆れかえり言葉が出て来なかった。
「考えて見んさいや、此処は既にお前にと思っていたが、此処で腰を落着け
てくれるとは今は思えんがね、だったらその先を考えるとそうなろう、家が
続ける方にと思うが、当り前じゃろうがね」「婆ちゃん、広げすぎ」
「真澄・・」「え、なんです」「お前聞いて居たろうが・・」
「じゃ此処に子供かね」「そうなる、嫌か・・」「お母さん・・」
「良い子じゃお前は本当に今迄頑張ってくれた。此処は池田様と芦屋の家、
其れに児島の家、序にもう直ぐそうなろうが、あの大阪の千里の家が合体」
「ええ・・」「驚くな努には言い聞かせるがね、お前良いな・・」
「産めるけど良いの・・」「いいから頼んでいる、内心は良いくせに」
「お母さん・・」「はいはい、御免なさいね」「・・」
だが、聞いて居る彩は驚愕して聞いて居たが、声も出せない程吃驚する。
「彩さん・・」「・・、えあ、はい・・」「聞いたろうがね」
「え、ええ、じゃお聞きするけど、此処では・・」
「ああ、教育かてらにのう、そうなっている」
「そうでしたか、其れで理解出来ました、何か努さんが違う男と感じたのが
今ようやく理解出来ます」「そうかね、でもこいつは嫌がっていたがのう、
高校時代から性教育は義母の真澄とそいつの妹が受け持っていたんだ」
遂に何もかもが彩には判ってしまう。
「・・」言葉が出ないから手を握り合い、妙子と彩は寝床で顔を見合う。
「彩さんや、あんたに頼みがある」「なんでしょうか・・」
そこから妙子は異様な話を勝手に話し始めた。
其れにはその納戸で寝ている努と真澄も絶句してしまう。
 「ええ、ま~何と其処は未だ行けると思うけど、年ですよ」
「強力は昔から在ろうがね」「其処はそうですけど、ま、じゃ強過ぎて
一人じゃ持たないと言われますの・・」
「話より進めば理解出来る、此処も作るなら強い子が欲しいがね」
「そうですけど、じゃ娘を呼びましょうか・・」
「其処は此の後で良い、あんたも策士なら其処は阿吽で行かんかね」
「妙子さん、恐ろしい方ね」「あはっ」大笑いするが努は笑えなかった。
「児島の家は其処も有るぞ」「ええ、じゃじゃ、アソコもかね」
「ああ、聞いたら驚いたが、其れなら今回もと・・」
「なんと、そうなりますの、でも彩じゃ相手が可愛そうじゃ在りませんか」
「其処が違うんだ、こいつは選ぶほど器量は無いが、だから可愛いんじゃ、
ささ真澄、覚悟は良いな、お前が進まんと此処じゃ子供が居なくなるがね」
「お母さん・・」「いいから彩さんと風呂に・・」強引に進める。
 二人が部屋を出た後・・。
「婆ちゃん・・」「うん、何もゆうな良いなこれは考えが有っての事じゃ、
理解出来んのか・・」「・・、ううん、でも・・」
「そうじゃ、でもじゃ、考えるからお前は可愛い、だがのうこの道はお前が
拵えた道じゃがね、其処を歩くなら、此れからも有る。ようく考えてな、
ささ、お前も風呂場に向かえや」「・・」
もう何も言えない、既に決まった道を歩くしかないと弁えている努、
返事をせずに納戸を出る孫を見送る妙子の目に、
うっすらと光る物が湧き出ていた。

             完・・・・。
 異常事態の日本、でも少し先が見えだしてきていますね。
此れからもみんなで頑張りましょう、コロナも負けて退散と願います。
一度此処で話は切りますが、何れこの先をと思いつつ、此処で終えますね。
                    上山惣一・・・・記。













乱生小説104弾《日陰の荒道を歩む・・54》

 池田家で真弓と小百合は仲良しに為れた、しかも小百合ちゃんが真弓に
お姉ちゃんと呼ぶから、池田家では楽しい日が過ごせる。
「ね~努、此れは大事にしたいけど構わんかね」「えっ・・」
「あのね、芦屋の家お伺いしても良いかね」「ええ、何か有るん・・」
「大ありよ、なんか閃いて来たんだ、聞くとあんた里を何とかしようと
考えているよね」「うん・・」「じゃ、此処で色々と難儀した事も考える
と参考になる」「あ、そう言えばそうだ、此処も少しは里と似ているが」
「だろう、じゃ仲間に加えんさいや、彩は少しなら考えが有るんだ」
「え、教えて下さい・・」「良いけど出来るかな・・」
「するする、何でもしたいが、ね彩さんお願いする」
「じゃ、瑞樹と話をするね」「え、瑞樹さんと・・」
「そうよ、此処じゃ大事な話だしね」
「そうか、良いですよ何でも里が何とかなるなら・・」
「じゃ、そうしようかね」
中身が見えないまま承諾、嫌それより懇願した努だった。
 翌日、なんと車には真弓と小百合が乗り込んでいる、
しかもその付き添いに彩さんが乗り込まれていたのだ。
「・・」とんでもない事に為りそうと努は思えるが、此処は里を見て頂く
方が都合が良いと思い直す。
 三時間で里に到着途中で電話しているから、郷は待たれていた。
真弓がいち早くかけ出て婆婆に抱き付くと、其処から既に子供たちの世界
に変化、そんな中でちゃっかり彩は家の主の努の祖母妙子と直ぐに話が
通じて仲良し、そんな中で一度家から抜け出し、義母から聞いたあの谷に
と真っすぐに向う。
 「おう~・・」「ま~あんた~・・」とんでもない事に為っている。
其処にいち早く出迎えたのはあのお金で抱いた、鈴与さんだった、
しかも後から家から出る女性は・・、「ええ~冴美さん・・」
その人だった。
二人に歓迎され家の中に入る。
 「なんと・・」様変わりして部屋の中に驚かされる。
「冴美さん・・」「如何、少しは見れるでしょう・・」
「うん、凄いぞ、もう此処は事務所だね」
「そうなりつつあるよ、鈴与さん素敵、何もかも腿う事が同じだしね、
今回は戻って大正解よ」そう言われる。
 その後二人から話を聞く努の貌が綻びる、冴美さんが里に戻るなり直ぐに
此処に引っ越しされたと聞かされ、しかも鈴与さんを呼んで話を点けると、
もう二人は戦場の友と決める、毎日二人で何もかも考えてすると話される。
『じゃ、此処で、良いな大賛成だよ』「じゃ、お金少し増やせないかな・・」
「幾ら・・」そこから計画を聞くが其処も大感動・・。
「え~じゃ婆ちゃんにもか」「そうよ、此処は大事な人じゃけ、そんで今回
はお年寄りの纏めにとお願いしているのよ」「なんと、で何するん・・」
「、考えが益々膨れるよ」「良いじゃないか何・・」
そこから話を又聞いて行く。
 「うひゃ~、なんとそうかお年寄りの生き甲斐かね、凄いぞ其処は考えん
かったが・・」益々二人を見直す、田舎の美人と都会から戻れた超美人、
努は里も悪くないと思えるほどの二人の姿だった。
 話を聞いて行く内に二人の動く姿が浮かんで来る。
聞くとこの谷は年寄りが集まる谷にしたい、付いてはこの家だけでは手狭
だと嘆かれる。
「じゃ、造ろうか・・」「ええ、そうしたいけど今はね・・」
「しようよ、お金作るし、どんな家にしたいん・・」
「お年寄りが集まり、ここで出来る仕事を作る」「そんで・・」
「それは何かと聞きんさらんのかね」「聞く間でも無いあんたらの顔を見る
と既に思いがあると見えるけ~」「うふっ、鈴与さん、心内が読められたね」
「そうなるね、私らこの男に抱き付いているけ~ね」「言えるわ・・」
大笑いされ、「弟を使って今は大忙しなんよ」「え、毅か良いぞ何・・」
又も其処から話を聞くだけ、努は驚きを隠せない顔、凄いぞと叫ぶだけだ。
「じゃ何かこの谷はその部類の物を集めて、又植えたり増やしたりするのか」
「そう、此処が源よ、薬草や調味関係の食材を此処で生産する」
「ええ・、なんとなんと真か・・」
「そう進もうと決めている、だから今は猛勉強、既にお年よりを集めて勉強
しながらよ」「ええ・・」又また驚く努、もう既にそんな所迄は進んでいる
のかと其処が驚愕する理由だった。
「凄いな、早いぞ・・」「だって年寄りは早く死ぬから急げといんさる」
「うへ~・・」其れは婆ちゃんだと思って苦笑いする。
しかし彩美さんが戻られて間もない筈が、既に此処では動かれて居る事には
感動する。
 其処からも話を聞くだけの努、二人とも関係がある身為れど、
おくびにも出さずに話される姿、色々と考えさせられる人だった。
『じゃ毅も仲間に・・』「勿論よ、主はアンタの婆ちゃん、凄いわよ」
大笑いする中で話を聞く。
「では差し詰め、集会場と仕事場だね」「そう、其れに中古のブルが要る」
「良い、其処もそうするし家は如何する」「お父ちゃんが指図しんさる」
「おう、良いぞ」「それと、今考えているんだけど此処でそれらを植えるの
はするけど、お年寄りが待てないといんさる」「それは仕方ないがね・・」
「それがね、妙子さんが、そんな物何処でもあると・・」「ええ・・」
「家が無くなったり、今じゃ誰も振り向かんところに生えているがと・・」
「ああ、じゃじゃ柚子もか柿もじゃ栗もじゃがね」
「でしょう、至る所に寂しそうに生えているといんさる」
「あはっ、そうか山椒の木も柚子も柿も栗もか・・」
「其れにこの谷は綺麗な水が流れている」「そうじゃが・・」
「ワサビ栽培とお父ちゃんがいんさる」「良いぞ、益々良いが良いが其れ」
本当に感動する中身、今有る物を植え替えると此処では直ぐに仕事が生まれ
ると思えた。
「じゃじゃ、其処は毅と親父殿に任そう」「そうなりつつあるよ」
「凄いぞあんたら・・」「うふっ、誰がそうしたんかね、ね~鈴与さん・・」
「そうね、悪い男ね」睨まれる。
 話は其れだけじゃ無かった、毅たちが仲間を集めてトラックで広島の市場
にと既に何度も運び入れていると聞かされる。
其れで繋がりが出来つつ合って、今度は市場からこれは作れるかこんなのは
どうかと言ってくれていると聞かされたと・・」
「そうか、此処では何もかもが少ないけど経験は皆がしている事じゃね、
じゃ其処を専門に広げれば適うな・・」
「そう、しいたけもそうだけど、考えるとあちこちじゃ無くて、部落で何か
決めて起こそうかと悩んでいる最中よ、今夜も此処にその問題で集まる」
「・・」本当に感激しっぱなし、戻るまで如何し様かと悩んでいた事が既に
その方向で動く里に嬉しかった。
 その夜は連れて来た娘二人は義母と彩さんに任せて、集会が谷で行われる。
集まった面々は長い事合えない人が多く居る事に驚かされるが、
皆この里の為と意気込まれていた。
谷の増築は毅の父親が受け持たれ、毅達の若者は今後進める方向を話をする。
「じゃ俺の谷はアスパラが良いと皆がいんさるが・・」
「おう、道夫、其れ良いぞ進めろ金は冴美ちゃんに頼んでみんさい」
「良いぞ、承知・・」「俺の谷は何でもするといんさるが何がええかのう」
「あ、お前の谷は真砂土が有る」「おう、有るが何・・」
「如何じゃここらで一番金稼ぐものを造らんかね」「何がある」
「木の子類、広島に出ている従姉が戻り里の話を聞いてな、此れが出来
んじゃろうかと言われている」「おう、良いぞそいつは誰・・」
「お前ら知っておろうが正樹じゃ」「あ、居た居た、あいつ今何処に・・」
「広島じゃが子供が出来て戻っても良いと、正樹は食培関係の小さな会社に
勤めているが、女房が研究員だと・・」
「く~良いがね、じゃ俺の谷はキノコで決まりじゃ・・」
「そんでな、横穴を掘ろうと」「昔から有る、保存に作られているが・・」
「其処じゃ、造ろうや」「おう、良いぞ直ぐに話をまとめちゃる」
そんな話が色々と出て来た。
「努、頼むぞ」皆からそう言われる。
「何とかする」「おう、じゃ計画進めても良いんか・・」
「進めてくれ、冴美さんと鈴与さんに話してくれたら何とかする」
「わしじゃ駄目か」「うひゃ~、婆ちゃんが主じゃ駄目なもんか、な~努」
「無論、そうなるな、婆ちゃん次第だぞ、お年寄り頼むよ」
「任せや、既に固まって未だかと急かされているがね」大笑いされた。
 努が戻るまで計画の中身を詳しく示す書類を造ると決まる。
 こうして座は午後十時過ぎ解散、残る冴美と鈴与は後片づけ、
婆と努は家にと戻る。
「ま~そうでしたの、凄い事に為りそうね」
「ま良いじゃないね、其れ努、内からも資本出すね」「ええ・・」
「もう決めて来ているし、此処で色々話を聞かせて頂いて,もう最高、
児島には負けたくないしね、出すよ」
そう言われる中、既に娘二人は傍で寝ていた。

           つづく・・・・。




















乱生小説104弾《日陰の荒道を歩む・・53》

 真弓と梓を買い物に出した悦美は、庭を眺める居間で既に一時間を要す
話を努にしている。
「では悦美さん・・」「そうなる、此処は既に遣事が無い程充実出来ている。
マンションも七棟、総合娯楽施設も別会社で運営出来ているんだ」
「ええ、そうなんですか・・」「中身は今迄言わなかったがでも孫の一言で
此れも有りかと思うんだ、其れであいつらを買い物に出した」「・・」
「な~、悪いようにはせん、あんたが悦美に従うなら郷の今後の資金は出し
たい、いいや出す、この家に子が出来るならそうしたい、なな頼む・・」
「悦美さん・・」「本気じゃぞ、あんた梓が嫌いかね」
「ええ~、そうじゃ無くて、其処は・・」「如何なんや・・」
「最高な女性と眺めてはいますけど、事は其処じゃ無いでしょうがね」
「え・・」「だって、この家の子供よ、僕じゃ釣合いが取れないでしょう」
「其処か、其処は似たようなもんじゃぞ」「ええ・・」
「この家はな、私のお爺様が作られた家じゃ、頭が賢かった、戦争に負けた
日本、その後の混乱で土地が馬鹿安かっただけじゃ、有金で買い漁ってた
御陰じゃ、だから名がある家じゃ無いしな・・」「でも・・」
「な、其処は如何でも良いが、根性据えてかかるなら、悦美は応援したい」
「悦美さん・・」「頼むけ、なな、児島の家と同じにしてえな・・」
「え、ええ~~」「この間、三度目の興信所からの書類が来てる、あんたは
悦美が気にしている男の子じゃ、活躍が楽しみでな、よう遣るね」
「ええ、じゃ・・」「あんたが大阪に来てからの事は総て理解しているんだ」
「なんと・・」又も此処での興信所の事を聞かされた。
 その後も悦美さんの話を聞かされ続ける。
「では・・」「そうなるな、此処も今の状態を続けるだけで良い、伸ばそう
にも其れをする相手が居ないからね。努が来てくれるならそう言えないけど、
今は居ないしな・・」「・・、・・」「な、其処は後でもええじゃないね、
今回は心して梓をのう、頼むよ」「悦美さん・・」
「此処でも、児島と同じにしてくれんかね、真弓も懐いているし、頼む・・」
手を合わされるのを慌て止める努、話は聞きたくなかったが聞いてしまった。
 「腹を据えてのう、この家は努次第に変われる、子供を頼むよ、後二人は
欲しい・・」「ええ・・」
呆れるが、相手の顔を見ると真剣そのもの、本当に聞く話に驚かされ続けた。
「でも・・」「任せてくれや、後の事は悦美に・・」「悦美さん・・」
「嫌いじゃないならそうしてくれんかね、此処はそう決めたぞ」強引だった。
「では・・」「後は何もゆうなや、任せてくれ、梓の危険日は判らんが・・、
其れは如何し様かね」「ええ、僕に聞く事でしょうか・・」
「あはっ、なんとそうじゃね」大笑いされる。
「じゃ、其処は悦美が注意して観察しようかね」「ええ・・」
呆れるが其処で本気と見える。
 真弓ちゃんが買い物から戻ると、その話は終わり、努は又も真弓に捕まり
ゲ-ムで遊んでいる。
 だが、この家の親子はキッチンに行かれて暫く部屋には戻れない、
気にはなるが、既に腹を括らされた努は覚悟は出来ていた。
だけどこの家だけはそうは為らないと踏んでいたが・・、
努の思いは違う意味で芽吹き始める。
 夕方になると、家の中は夕食時間、真弓の横で甲斐甲斐しく世話する努を
見て、悦美と梓は何時も通りの姿、其処を見て安堵する努がいた。
 三月十九日、真弓を連れて芦屋の家を出た。
「お母さん・・」「うん、あいつは根性有るよ、見ただろう書類・・」
「ええ、昨夜、驚きました」「だろうが、私も、手が震えたぞ、あいつは
大者かも知れんし戯けかもしれんが、あの児島の家と言い、赤穂奥の池田家、
其処は由緒ある家柄だぞ、何でそうも関係が出来たのか書類を読むと成程と
理解出来る。どこも其処も子供が絡んでいる、其の意味が分かるか・・」
「子供は正直ですけど、でも・・」「なんじゃ、何か嫌な事有ったかね」
「いえ、でも梓が子供をと思うと呆れますけど」「其処か、作れるだろう」
「其処は・・」「じゃ、わが家の行く末を考えるとお前の身もそうなる」
「ええ、決めているんですか・・」「当り前だ、そうなると児島や赤穂も
繋がりが出来る」「え、赤穂は未だでしょうが・・」
「やがて出来るわ、暫くまてや、今度は赤穂の家の事が判る」
「え、何で・・」「調べるように頼んだ・・」「あらら・・」
呆れ顔で母を見る梓が其処に居た。
 そんな事と等つゆ知らず、努はクルマを運転していた。
「ねね、お兄ちゃん・・」「なんや・・」
「あのな、お母ちゃんに子供出来たらいいね」「真弓ちゃんは欲しいんか」
「うん、良いじゃない妹か弟かどっちでもいいやん、欲しい・・」
「そっか・・」そんな可愛い会話が好きだった。
「あ、そうだ、真弓ちゃん、お友達に為れんかな」「なっているやんか」
「ううん、新しい女の子、其れも真弓ちゃんの一つ下かな・・」
「ええ、何処に居るん・・」「すぐ近くや・・」「何処や・・」
「赤穂の奥や・・」「赤穂って・・」何とも可笑しいがそんな会話が楽しい。
「行くか・・」「良いよ、お友達に為れるなら良いやんか」
「なな・・、そうやな」決まった。
 其処は努の計算が絡んで来る、今迄は別々に考えていたが、
あの芦屋での話を聞くと、此処は皆総絡めで進む方が良いと思え出す。
同じような家柄だし、此処で子供を合わせると様子見で先が垣間見れると
考えていたのだ。
自分の立場を考えると一人じゃ何も出来ないけど、今は其処を変えないと
進めないと思った。
 資本金も思えば総て関係がある家から貰う金、
そう思うとこのまま進めるには其処を繋げる方が良いと思えたのだ。
真弓の乗せた車は、あの池田家にと進む。
 三十分後、車は到着、「今日は・・」
「・・、ええ~あんた~、久し振りやんか、え、ええ~ま~可愛い女の子ね、
お名前は何かな・・」「真弓よ、おばちゃんは・・」「はい、瑞樹です」
「ええ、変な名前やんか、でも美人よ」
「え、有難う、ねね上がらない、内の子と仲良しになってね」
「良いよ、聞いて居るし何処に居るん・・」「待って小百合~大変よ来て~」
「・・、何・・、アああ~お兄ちゃんだお兄ちゃん・・」
縁側から飛び込んで庭に居る努にダイブ、驚き抱きかかえると振り回した。
悲鳴を上げながら喜ぶ、そうして同じように立ちすくす真弓を抱え振回すと、
其処でも甲高い声で悲鳴が上がった。庭に卸すと、努が二人を紹介する。
 同じ年代の二人は直ぐに仲良し、部屋に上がると子供部屋に引きこもる。
「おう、来たね・・」「はいきました、迷惑ですか・・」
「ああ、大迷惑じゃね」「ええ~、そんな彩さん・・」
「嘘だよ、待ち焦がれていたんだ、なんと子供連れかね」
この家の大奥様彩さんと若奥さんの瑞樹さんと話をする。
 「ま~じゃあの芦屋・・」「ええ~何で其処・・」
「あのな、もう努の事は総て判るんだ」「何で何でよ・・」「児島・・」
「児島・・」「そうだよ、其処で書類を見たしね、もう此処も児島の家とは
行き来が出来ている」「なんと・・」
「そう、あんたが引合わせた、アソコも子供だ出来ると大喜びだしね」
「・・」もう何処もかしこも知れ渡っていたのだ。
「そうなると遠慮は無いですね」「そうよ、遠慮なんか此処じゃ無いしね」
「有難う御座います」頭を下げると二人は大笑いされた。
大奥様は直ぐ子供部屋に行かれ、其処でも大きな笑い声が聞こえて来た。
「あんた、ようきんさった、娘が合えないと悲しんでいたんですよ」
「僕もです」そんな会話を楽しめる相手だった。

           つづく・・・・。





























乱生小説104弾《日陰の荒道を歩む・・52》

 努は大学もアルバイトも精力的にこなした。
そんな中、学生友の朋絵ちゃんがなんか努に毎度会いに来る。
あの三人娘で一人だけ抱いた事が無い相手だ、其れが年が変わる頃から異変、
舞子や菜摘とは遊んでいるが、何故か努は抱く機会が中々めぐって来ない。
しかし、学友としては顔を合わせるし、良き相談相手には為れている、
可笑しい程後の二人とは別、其れほど際立って舞子や菜摘と連れ立ってるが、
其処が無いのだ。
「あのね、聞いたんだけど努君は田舎を何とかしたいと話を聞いて居るんや、
何がしたいん・・」「そこか、そうだね、なにか考えるが未だ此れといって
何もないんだ」「ええ、じゃ郷は如何なるん、思うだけなん・・」
「おいおい、そうじゃ無いけど今はな浮かばんのや」「大丈夫なん・・」
「大丈夫じゃないかもな・・」「ええ・・」呆れ顔で顔を見られる。
「じゃ里で何か興すと聞いた話は何もないのね・・」
「今のところな、でも野菜や花などは集めて広島に送っているよ」
「え、そうなんや、じゃ事は動いているんよね」
「そうなるのかな、でもな特徴が無いけ~遣れん・・」
「うふっ、其の言葉好きよ」「おいおい」「あのね、内の家は農家なんよ」
「何処・・」岡山県の山奥・・」「ええ、岡山か・・、で地名は・・」
「ええ・・」「教えてえな、岡山は馴染みがおりんさるし気に為るけ・・」
「え、そうなん・・」そんな話はしている二人だった。
 三月に入っている、今年は何もかもが順調に運ばれている、其処は努が
思うだけかもしれないが、千里と児島の家には月に二度必ず訪れている。
既に児島には懐妊をされた若奥さんが待たれている、母親も今じゃ一人で
猛烈な努の営みを防波堤の様に受けて頂いている。
又千里も同じだが、其処は今はそうには為れない事情が起きている、
あの病院に居られる旦那さんが最近よくないらしくて、行くたびに様子が
変って来出す、だから其処はソコソコ務めを果たすが気乗りは余りしない、
出来ないのだ、旦那さんを知り置く努は薄情に思え、其れを母親は感じて
居られる、其れで通う度に、今後の話が出て来るのだ。
計画は有ると見えるが中身は努は聞いてはいなかった。
 反対に児島では既に里の話しも総て努が話しているからご存知の間、
其れに何とかしたい気持ちを汲まれて色々と教えて頂いて来ている。
忙しい体だけど、其処は時間を造り、あの由美さんとは月に二三度ラブホで
豪快に暴れさせていただいていた。
そんな中で三月の大学が休みの間、アルバイトは休ませて頂いて里に帰ろう
と思っていた。
 芦屋に努は来ている、真弓ちゃんと会う約束が有るから来た。
「ねね、お兄ちゃん、婆婆がね会いたいと・・」
「ええ、まじかじゃ電話してたんか・・」「そうよ、真弓の婆婆じゃしね」
「うへ~、じゃ休みに行くと・・」「駄目なんか・・」
「そうじゃ無いけど行けるんか・・」「行けるよ、もう用意しているもん」
「あはっ、もう煩くてなすまんね」「悦美さん、良いけど良いんですか・・」
「良いよ、もう煩いからね梓も呆れかえってな、行けと・・」「・・」
「御免なさいね、もう煩いから困る、男の子を産めばよかった・・」
「ママ、遅くないよ、産めばいいやんか・・」
「おう、そうだよな~、真弓、ママに頼んでみんさいや、婆も欲しいがね」
「え、良いの・・」「良いとも真弓の弟じゃ、良いぞそうだ良い決めた」
「ええ、お母さん・・」「あはっ、孫に尻叩かれたがね、梓産め・・」
「簡単に言わないで、相手が居ないのにどうして産めるん、試験管かね」
「阿呆、勿体無いがね、どこかで男から貰えや・・」
「いやだ~、犬猫じゃあるまいし酷い・・」親子で大笑いされる。
 「あ、そうだ良い事思いついた」「え、子供産むのに協力してくれるんか」
「え、え~、其処じゃ無いし、え・・、僕が・・、とととんでもない事・・」
驚いて努は正気で聞くから梓さんがお腹を抱えて大笑いされる。
「お前達、冗談じゃ無いぞ、考えると有り得るよ、な~梓・・」
「嫌ですよ、お母さん、あんまりです、努さんが可愛そうじゃ在りませんか、
こんな年を取った女性に、失礼ですよ」
「え、お前、其処は相手次第だろうがね、努が良いと思えば適うぞ」
「お母さん、怒りますよ」「はいはい、真弓・・」
「お兄ちゃんなら良いよ、弟が出来るんなら早う産んでよね」
「ええ、真弓・・」呆れかえる顔で梓は困惑する。
 だがだが、悦美は満更でもないと思えた、孫の真弓が言い放った事が、
今迄気にしていた事に気が付く。
この家は婿取りかと諦めていたが、今はっきりと脳裏に浮かんで来たのだ。
(なんとした事か、わしも耄碌していたな・・)
そんな思いで真弓が努にもぐれて喜んでいる姿を呆然として眺めている。
 「お母さん、如何したの・・」「・・、え何・・」
「何じゃ在りませんよ、ぼーっとしんさるから・・」
「ああ、其処かね、そうじゃったな真弓の言った事叶え様や・・」
「何ね・・」「子供じゃろうがね」「ええ~ま~呆れた・・」
「まだ三十四歳じゃろうがね」「そうだけど『じゃまだまだ作れるぞ・・』
「嫌だ~、何いんさるん、恐ろしいわ、逃げようっと・・」
「此れまたんか・・」梓はその場から退散した。
 しかし既に其の気に為っている悦美はその事から離れることが出来ない、
男の子でも女の子でも良い、婿が死んでからこの事は考えもしなかった、
いいや其処は又男を家に迎えれば済むと思い込んでいたのだ。だが、
孫の一言で其処は違う明るい場所に為りつつある。
其れほど悩み諦めて居る事が、蘇るのは何・・、其処で悦美は思いに耽る。
 暫くすると・・、「ああ~そうだわ、そうじゃ早々・・」
「ええ~何よ婆婆、驚くじゃないよ」
「おう、真弓すまんな、お前は最高にいい孫娘じゃぞ」
「え・・、気持ち悪いがね」「あはっ、そうかそうか・・」
横で聞いて居る努は驚いたまま、今迄聞いた事もない素っ頓狂な声にだった。
「努、里に帰る前に暫く此処でな、そうじゃね二日くらい居てくれへんかね」
「え・・」「なな、頼む、真弓も頼んでくれんか・・」
「良いわよ、ね~お兄ちゃん聞いた・・」「聞いたけど・・」
「じゃそうしてえな、其の後田舎の婆婆に会いに行こうや・・」
「真弓ちゃん・・」「婆婆、そうするね」「良いぞ真弓は良い子じゃね」
なんと、いつの間にかそうなってしまう。
 「・・、・・」引き留められるのは毎度の事だけど、何か今回は異様な
気がしてくる。
 この家とは異なことで知り合う家、其処は自然かと思いつつも、
何で此処に通うのかが努自身にははっきりと理解していなかった。

            つづく・・・・。
















乱生小説104弾《日陰の荒道を歩む・・51》

 無我夢中、一時間余り過ぎて、横たえながら目を瞑る、
努が生涯忘れ得ぬ事が今何とか終えた。
(凄かったぞ、最高何とも言えない程感動・・)
隣で横たえる女性は既に身動きさえ儘ならず、息さえまともじゃない、
其れに時折思い出したように痙攣が来る、其れに呼応する体に呆れ顔で、
横に寝る努を見て苦笑いされていた。
 今から一時間前、努は初めて冴香さんを抱いた、其処からは何もかもが
憶えてはいない、思い出されるのは素晴らしい体を惜しげもなく努に与え
てくれた事、愛撫から始める努は真実夢の中、郷で抱いていた憧れの相手、
しかも同級生の姉、其れが今回里で聞いた話で、その続きは大阪の冴美さん
の部屋、其れが今、とんでもない程狂われ戸付け、最初から最後まで努~の
連呼、それ以外は往く往くって努~が少し混じるが総て努~と尾を引いた
叫びだけが聞こえていた。
 其れほど体が合うのか驚かれたのか感じられ、際限がない喜びをまともに
迎えられる姿で大感激は努と手同じだった。
最初の女性は冴美さんと決めていたが、其れが出来ないで今日まで来ている、
だが、其れも今じゃ正解かとも思える。
 郷で決めたのは確か高校二年生の夏、其処から色々と在り、
大阪の大学に来てからは又色々と在った、その間抱き合った女性は、
千里で二人、児島で三人、郷で義母とその妹と、金で送込まれた家の女性、
又大阪では千里を紹介された友の姉、由美さん、数えたらそうなっていた。
 だが、横たえる相手は今までの相手とは少し中身が違う、
憧れて居た相手なのだ、其処が根底から舞台は違っている。
「ね~努・・、あんた物凄いよ・・」「・・」「馬鹿ね、褒めているんよ」
「うん、有難う」「背負ってからに物凄い、此れじゃ離れたくなくなるね」
「・・」「良いのそれで子供は未だ作ろうよ、頑張る、良い子を産もうよ」
「冴美さん・・」「何よ、駄目・・」「良いのか其れで・・」
「悪い訳無いじゃないね、こんなに体が喜んでいるじゃないね、あんた、
明日もその次も離さないからね、三日間、此処で籠城、頑張る」
「ええ~・・」呆れるが、思えば其れも良いかと心で喜ぶ努が其処に居た。
 食事はマンションの一階で二人で食べる、部屋に上がると直ぐに抱き合う、
傍目で思えばよう遣るなと思うだろうが、当の本人には其れだけ抱合う度に
喜びがまるで違うと冴美さんが叫ばれるから、努も本気を出していた。
 こうして、本当に三日三晩、衣服も着れずに時間が経過、
其処は本当の互いの体を求める二人、呆れる程離れる時間は無かった。
 一月十三日、漸く解放された努、マンションを出ると外は木枯らしが
吹きすさぶ真冬、既に朝早く、冴美さんは部屋を出られる。
友達に会い、勤め先に顔を出した後、郷に戻ると聞いて居た。
 尼崎の部屋に戻り、荷作り、少ない道具だが、引越しの準備を始める、
既に不動産屋には、先に出向いて知らせている。
(ふ~何とか出来たな・・)殺風景な部屋を見渡し今までの事を思い起こす、
何から何までこの部屋から始まっている事、其れがステップを踏むかの
ように部屋から脱出、あの森ノ宮の部屋では何が起こるのか、
今は計り知れないが、アソコでも何かが起こりそうな予感がする。
そんな思いで、その夜は何もない部屋で布団だけに包って寝た。
 翌日は、朝早くから引っ越し、と言っても軽の荷台に隙間があるくらい
の荷物のみ、送り出すと、努は電車に乗って向かった。
 森ノ宮駅で・・、「おう~来てくれたんか・・」
「来るわさ、大事な友じゃがね」義雄が出口で会うとそう言う。
携帯で既に手伝うと言い断り切れない友、二人でマンションにと向かった。
 荷物を整理しながらしきりに凄く良い部屋だと誉めてくれるし、
前に住んでいた相手が女性と聞くと呆れる顔、其処には既に大人の顔の
義雄が居たのだ。
 二時間で片付けが終わると、二人でコ-ヒ-を飲む。其処から色々と
聞いて来る義雄を体良く交わしながら話をする。
「今年は俺も頑張る」「え・・」「だってな、男に為れたんだぞ・・」
「ああ~じゃじゃ・・」「そう・・」
「良かったじゃないか、お姉さんに大感謝だな・・」
「そうなるな、俺じゃ相手にもされない、だが姉の薦めで最高じゃがね」
「そうだな・・」「でな、お前に如何かとおもうんだが俺の姉・・」
「ええ、お前・・」「だってな、満更嫌じゃ無さそうなんだ、会う度にお前
の事聞かれるし、この間なんか正月田舎でお前に会いたいといやあがる」
「ええ・・」「でな、付き合えよと言ったが・・」「で、なんと・・」
「笑われたが、其処は嫌な顔じゃ無かったぞ・・」「義雄・・」
努は感激しながらも言えない中身に困惑する。
既に付き合い体も求め合っている仲、弟の義雄に今更実はとは言えないのだ。
 夕方まで話をする、気が許せる友、大学で会おうと別れた。
 部屋で模様替えなど皆目していない、する必要が無いのだ、
少し部屋の中は女性染みてはいるが、其処が又良いと思えた、
なんせあの冴美さんの匂いが未だ残る部屋なのだ。
 一月十五日、大学に久しぶりに向う、新鮮な気持ちは入学時とは違うが、
又変われた自分を晴れがましいとさえ思えながら校門を潜る。

                つづく・・・・。















乱生小説104弾《日陰の荒道を歩む・・50》

 一月九日、漸く尼崎の部屋に戻れた、郷では大騒ぎの中逃げる様に
帰っていたのだ。
「ふ~疲れた、寝ようかな、明日は・・、あ~会えるぞ憧れの人に・・」
思えば、忘れ物をして人生の道を歩んで来ていた、其れは唯一心残りでは
あったが、郷に戻ると、予期せぬ事を友から聞いた。
其れが、なんとあの憧れて居る、大阪に出なさいと後押しをされた女性、
冴美さんなのだ。
何とか傷ついた心を癒す事が出来た、だが其処から予期せぬ道が開けて行く。
有ろう事か、冴美さんが努の歩む道を従い歩くと言われたのだ。
傷心のまま田舎に逃げ戻られている中、話はその方向にと進んで行った。
 其の会う日が明日、だから里から逃げる様に戻っている。
尼崎に戻った事はまだ誰にも知らせてはいない、先ず明日が一番大事な日に
為ろうと思えるから、他の人には電話すらしていなかった。
 一月十日が遂に来た、昨夜は寝不足、仕方が無い、其処は考えないように
と思うがそうは出来ていない、朝方まで悶々と時間の経過を待つ努が居た。
「さてと・・、用意するか・・」
 午前十時、努は部屋を出て駅にと歩いて行く、無論目的地は大阪の森ノ宮、
其処に冴美さんが住んでいるマンションが有る。
十一時前には到着、脚がなんか震えて変な歩き方に為るが、苦笑いしながら
マンションのエントランスにと入る。
受け付けの警備員さんに挨拶をすると、「あのう本田さんでしょうか・・」
「はいそうですが・・」「じゃ、お部屋の鍵渡しますね」「えっ・・」
聞くと、相手は用事で出かけていると知る、其れで部屋で待つようにと託が
有ったと知らされる。
鍵を受け取り、七階の部屋にと向かい入る。
「・・」懐かしい部屋、初めて大阪に出て来たのがこの部屋に為る、
だから総て其れからの事はこの部屋が出発点だった。
 女性らしい部屋、綺麗にかたずけられているが、なんと隣の部屋には多く
のダンボ-ルが積まれている。箱に何が入っているのか外から判る、
綺麗な字で書かれているから中身は想像出来た。
「へ~二日早く戻られているけど、もう片付けが出来ていたんだ」
性格が判る相手、本当に何もかもが素敵に思えるから始末が悪い、
郷で唯一憧れて居たのが冴美さん、テラスに出ると大阪城が丸見え、
景観が頗る良い部屋、しかも此処に努が住めと言われているから思いは
並じゃない。
部屋の戻り、コ-ヒ-を探すと、既にサイホンには用意されていた。
荷物を造られた後、台所用品は残されているが、部屋はガランとして、
テ-ブルとソファ-が有るのみだった。
その部屋でコ-ヒ-を立てて飲み始める、あの冠山の山でキスをした事を
思い浮かべながら、憧れの女性を待って居た。
 午後十二時過ぎに部屋のドアが音を立てた。
「あ、お姉ちゃん・、アあ御免、冴美さん・・」「うふっ、待った・・」
「ううん、少し前に来たんだ」其れが挨拶に為る。
「ふ~、疲れた、滅茶苦茶忙しかったんだ」「・・」
脚を伸ばされ座られて言われる。
「此処の部屋あんたが使いんさいや、既に管理人には話しが出来ている」
「え・・」「それでね、二十万円は冴美に戻しなさいよ」「あ、良いけど」
「それは名義書き換え料に為るんだ、金は大事だしね」「うん、判った」
「さてと、仕事場は既に辞めて来たし荷物も持って帰っていると後は・・、
そうそう此処に有る物は置いて行くね」「良いの・・」
「良いわ、田舎じゃ邪魔になるしね」そう言われる。
 「さてと・・、食事は・・」「良いよ」「駄目よ、未だなら出掛けようよ、
下の階に色んな店が有る、紹介かてら行こう」有無言わさずに部屋を出る。
一階にはコンビニも有るし、コ-ヒ-ショップや食事できる店が並んでいた、
その中の和食の店にと二人は入る。
店員がにこやかに席に来てくれて、其処で冴美さんが、お客交代よと、
努を紹介され、笑顔が素敵な店員さんだった。
 食事をしながら、会話は無いけど、時折顔を見られて笑われる、
其れが素敵に見えた。
 午後一時過ぎ、部屋に戻る。
「さてと、話を聞こうか・・」「え・・」
「だって冴美が里を出てからどうなったんね」言われて、其処から話をする。
「ま~じゃ小笠原の叔母ちゃんの谷かね、良いじゃないね、アソコは良い、
じゃ家も使えるね」「そう聞いたけど、未だ僕見て居ないんだ」
「そうか、でも良い、アソコなら何でも出来るよ、良いよそう良いわ・・」
何度もそう言われ頷かれる。
 「で、大事な事最初に話したいけど、時間は良いよね」「うん・・」
そこから冴美さんは今後の事を聞かれ出す。
努は返答に困るほど色々と聞きだされるから困った。
「もう其処ハッキリしなさいよ、此れから何するのか、冴美は見えないし、
付いて行くと言った手前、郷は責任を持って動かないといけないじゃないね」
「そうなるね・・」「頼り無いわね、良いわ、じゃ弟を頭に動けばいいのね」
「其処はそうして下さい、無論冴美さんも頭ですよ」「え・・」
「だって、毅じゃ心もとない部分が有るし、其処は冴美さんにと思っている」
『じゃ、誰か必要になるけど、郷に居るのかな・・』
「・・、ア、其処もお願いが有るんだけど・・」
そこから努は意を決めて話し始めた。
 「ま~じゃ女性なのね、良いわどんな人・・」
其れからもまた話をするが、如何も上手く話せない。
「ねね、もうじれったいわ、努との関係は・・」
其れも如何も上手く言えなかった。
 「何時抱いたんよ・・」「えええ~・・」
「阿呆、顔見れば読めるがね、何時よ、」「え・・」
「早く言いなさい、肝心な事に進めないじゃない、いいから総て隠し事無し
で御願いね」覚悟を決めて、其処から総て話をする。
 「・・、・・、ま~呆れた、婆ちゃんがかね、ふ~ん、そんな女性が
おりんさったんだ、でもPCを使えるとは最高じゃない、冴美も出来るけど、
大助かりよ、で如何したら良いの・・」「片腕で使って下さい」
「良いわ、そうする、でもあんたは相当な玉ね」「え・・」
「そうじゃ無いね、児島でしょう千里でしょう、其れから赤穂か・・、
未だ有ったな・・、ああ、芦屋だ・・」「え、全部じゃ無いぞ」
「何がね、ええ~関係の事か、うひゃ~、其処も有るんだ・・」
「もう、全部じゃ無いって言っただろう」
「うふっ、今はそうかな、でもそのままじゃ済まないと思うけどね」
「冴美さん・・」「はいはい、でもその人の御陰で金が、そうなるよね、
じゃ何も言わないし言えないよね、冴美はその方の後だしね」「ええ・・」
「いいから、そうか、じゃ田舎は任せるのか・・」
「任せる、総てに従うけ・・」「うふっ、面白そうね」「ええ・・」
呆れるが、其処は大人しく聞き流す。
  努は既に落ち着きを亡くしていた、憧れより、冴美さんには諦めが有った、
代替えとしては申し訳ないがあの義雄の姉を冴美さんと重複させてた事を
思い出す。
其れだけ無理と決めつけていたから、今の立場に困惑しているのだ。
其処は今までとは違う、抱くだけならそうは思わないが、今回は全く違う、
冴美さんの先にはあの大事な里が控えているのだ。
しかも、郷で話を聞いた時、努の子供を産むと断言されている。
驚くより聞いて身が震えた事を思い出した。
其れほど努の事を考えてくれていたんだと、又反対側には、努がしゃしゃり
出て冴美さんの家の事を考えてくれたことに対してかは定かでは無いが、
いずれにせよ、今日は進む道が決まっていたのだ。
 「ね・・、早く・・」「え・・」「来て・・」
思いに耽る中、部屋に戻され、言われるまま冴美さんの傍に向かう。

                つづく・・・・。
★申し訳ありませんが、五月十日まで投稿を休みます。
コロナを気を付けて頑張りましょう。
                 記・上山惣一