望慕小説105弾《夢中を彷徨う・・26》

 七月八日、七夕は大雨、その続きが今日の本降り、伊豆に来て三日目、
既にあの親子は小田原に行かれている。
地元の不動産屋が、何から何までしてくれていると聞く、部屋も店が出来る
傍に決まり、今日から其処に引っ越し、何も道具類は無い、
笑いながら美咲ちゃんが率先して動かれる。
其れが楽しいのか結婚までの予行練習よと、楽しまれている。
費用を出そうとすると玲華さんに怒られる。
此処はうちらがするからと聞いてくれない、其れほど美佳さんを気に居られ
た証拠、何とかなりそうで胸を撫で下ろす。
 「起きた・・」何とこの家では玲華さんと澄人だけ、無論美咲ちゃんは
熱海に部屋が有るし、其処に寝泊まりする美佳と舞、今はそうなっていた。
朝食は二人きり、朝はパンとコ-ヒ-とエッグ、二人は食べながら色々と
今日まで話をしている。
「ねね、此処もそうだけど、アソコ何時向かう・・」「アソコ・・」
「そう飛騨よ・・」「ええ~まだ言うの・・」
「だって、そのままでしょうがね、なんか見えなかったの・・」
「見えたけど普通だぞ」「だから良いじゃないね、もう出来ている場所なら
入る余地は無いわ、でもアソコある・・」「ええ、まじですか・・」
「そうよ、もう何とか考えてよね、何時でも良いけど熱川如何する」
「もう急かさないで下さいよ」「はいはい・・」
「はいは一度だけでしょうがね」「はいはい・・」「・・」
苦笑いするしかなかった。
 其処から熱川の話になる。
「如何、何か有るんかね」「・・」「ね、あんた・・」「・・」
「何よ、返事は・・」「・・」「あんた、あ、御免、澄人さん・・」
「はい考えています、此れから電話しまくります」
「え、じゃ何か有るの・・」「其処が如何かを電話しようと・・」
「何々、教えて・・」「ええ~・・」
「だって気に為るじゃないね、話を聞くとなんか手伝えることも有るかも」
「あ、そうですね、じゃ誰かゴルフに通じている方知りませんか、其れと
大手の旅行会社なども知り合いが居るなら、其処から入れば早いですけど」
「だから何かを聞かせてよね」「じゃ、後で話をしましょうか・・」
「良いわよ、そう来ないとね、早く食べてよ」
「ええ・・」呆れ顔で睨んでしまう。
 食事が終わると霧に包まれた砂浜を見れる部屋で二人は話を始めて行く。
「なんと、じゃじゃアソコが・・、良いじゃないね、ねね、其れ如何進める」
「だから、考えているんです、ゴルフは疎いから難しいかと思ったんですが、
麗華さんから聞くとプレ-される人は若い年代に伸びて来たと聞かされる、
其れなら旅行会社と組んでツア-を造ろうかと・・」
「何と良いわ良いよ、其れ、でも其れが何で旅館と繋がるん・・」
「だから、アソコで集合、車や電車で来られる方が、其処が集合場所、
其処からバスを出すんですよ、ゴルフ場は伊豆には沢山有ります、毎度違う
場所でプレ-出来て、試合形式に運べば人気が出ます、総て其処を仕切る人
が居れば無い良いですけど・・」「うふっ、あんた目が悪いのかね」
「良いですよ」「あのね、菜摘ゴルフが上手い、アマチアではここ等じゃ
有名ですよ」「何と聞いて居ないから・・」「聞かれても居ないしね」
「あはっ、そうですね、でも・・」
「良いじゃない、何から何まであんたがする事は無い、計画を実行するには
地元が一番、多くのゴルフ場を使うなら尚更地元よ。あの沢山のゴルフ場は
元は地元の人が持つ山だったのよ、今は見ての通り様変わり、どんな所から
でも手が出せるわよ地元は・・」
「何と、そうですよね、じゃ其処は後回しで、今度は旅館・・」「え・・」
そこからも澄人が思いつくことを話し始めた。
 「ええ、じゃじゃコンペの発表会もゴルフ場じゃ無くて旅館でかね、流石
考えたわね、良いよ最高じゃないね、良いね其れ其れよあんた」
「未だです、旅館改造加えませんか・・」「え、何処をどうするん・・」
又も其処から澄人が話し始める。
「いやだ~、なんとそうかね、有るよねそんな素晴らしい景観の旅館が・・、
そうか水平線と同じ位置から見れるんだ、じゃ温泉が全部海と思えるよね、
何かで見た事ある」そう感歎された。
「それと、其処は違う場所では混浴も出来る、聞くと既に庭から降りると
岩風呂の露天風呂が有ると聞かされた」
「有るよ、有る、じゃ其処は・・、なんと良いわ良いわよ、会員なら信用が
置けるし金も入る。あんた良いがね最高よ益々逃がさないからねあんた」
「あんた・・」「あ、澄人さん・・」舌を出された顔が最高だった。
 「待ってよ、其れじゃ澄人さんは計画だけにしなさい」「えっ・・」
「だって、アソコは今は如何でも過去は老舗よ、今迄の人脈は相当ある、
其処からこの計画を進める方が良いと思える、遣るのは自分達よ、
伝を伝えば何でも適うわよ、未だあそこは力が有るし・・」
「何と、そうですよね、じゃこれ・・」
「今から電話する、昼から三時迄は暇よ、呼びつけるね」「ええ・・」
「良いから任せて・・」電話をされた。
 コーヒ-を飲んでいると車が来た。
「ま~早いがね・・」「お姉さんが大変だと聞いたから飛んで来た」
息を切らせて来られる。
 其処から澄人は何も話をしない、総て玲華さんが話をされる、
だが其処を聞いて居る内に相手の表情が変わり出す。
「なんと、そうね、其処かゴルフか、良いわ今は女性も多いいし、
ここ等はゴルフ場だらけね、会員も沢山地元の方が居られるし・・、
なんか話は出来そうよ」
「だから、其処からは集めた人に余韻を残すためにも露天風呂・・」
「はい、其処は以前計画していたんですけど、景気が戻らずに・・」
「じゃ其処進めるか、金は出すよ」「え、お姉さん・・」
「阿保じゃね、金迄心配すると集まる人がしり込みさせられるがね、
此処は踏ん張って、自分でしなさい」「お姉さん・・」
「任せてよね、半分は澄人さんに出させるね」「ええ、聞いて居ないぞ」
「出せないの・・」「出すけど・・」「けど何よ・・」
「もう僕の立場が無いがね」「無くて良いの、あんたは影の男で良いじゃ
ないね、表は菜摘だけよ」「成程、そうか其処ね良いね、じゃ乗る」
「阿保くさ、何であんたは鈍感かね」「あんた、誰です・・」
「もう面倒くさい男、澄人さんがあんたよ」「へ、そうなるんですか・・」
「阿呆・・」頭を叩かれた。
 和服が似合う女性、本当に今目の前に居られる菜摘さんがそうだった。
涼しそうな着物が庭から入る風に裾が靡いていた。
「そう言う事で段取りはそちらで出来ますよね、計画はPCで作成します」
「お願い出来ます、今回は大変な事を頼んで申し訳ありません、これからも
宜しくお願いします」頭を下げられ、澄人は辞めてと止めた。
 二時間おられて感動され、何度も頭を下げながら帰られた。
「ふ~、帰ったね、あんた何時でも倒せるよ」「え・・、拙いでしょう・・」
「何が拙いか、此れからあの子も働く糧が無いと困る、あんたが其処を埋める
んだ・・」「え、僕がか・・」「誰かほかに居るんかね」「・・」
「あんたも澄人さんと呼ばすな、あんたで良いじゃないか、あんたと私の仲
だろうがね」「ええ、そんな・・」「駄目か・・」
「駄目じゃ無いけど面白くない・・」
「あはっ、拗ねるな、なな肌がジメジメするね、海際は此れだから困る、
車も長持ちしないしね」「塩害か・・」「そう、お風呂入ろうかね」
「え、入れば・・」「あんたも一緒じゃ・・」「ええ、僕もか・・」
「肌がジメジメしているがね、風呂上がりでビ-ル如何・・」
「其処は良いけど、一緒にですか・・」
「此れからの事も有るし、面倒くさいのは好かん、一緒で構わんだろうがね、
洗うよ、」「ひゃ~・・、逃げよう・・」「こら待て、許さんぞ・・」
追いかけまわしながら笑われる、頃が良い時捉まる。
 「もう阿保じゃね、あん・・あ・あ・あう~~~」
捕まったまま澄人が振り返り玲華にキスを仕掛けた。
 長い長い時間、抱き合ったまま二人は動かない、動くのは忙しい息使いの
為に肩が動く程度、キスはそのまましっぱなしだった。

            つづく・・・・。