望情小説110弾《獅子身中の獣‹二重人格›・・23》

 互いに惹かれる男女、世間では通じない関係は、益々二人の絆を太く強く
して行った。
何となんと一時間半、責めに攻め込まれる晴子は息すらままならず・・、
魚が水面から口を出してパクパクするような息の仕方、
其れでも又やと思う間に挑まれ、深い深い誰もが来れぬ世界にと向かって行く
義母と義息子、其れがどんな物にも耐えがたい極媚の園、
亮太は思いの丈を秘園に何度も突き入れて植え込む・・。
「お・ま・え・死ぬ・・」「あ、御免な・・、休もうか・・」
漸く思いを義母に埋込む、身体を拭上げ乍ら懐かしいと思い丁寧に拭いた。
 解放されるが、未だ元に戻れない我が身、九ヶ月待ち望んでいた事が、
この正月成就出来ていたのだ。
「お前、琴音の話し・・」「うん、賛成してくれや,あいつは大阪で何とか
するけえね、そんで晴子も大坂に頻繁に出て来れるやないか・・」
「え、お前・・」「だって、子供が出ているんだ、誰にも遠慮は無く来れる
やろうが・・」「良いのか、お前・・」「ああ、言われないけど、妙子さん
も感動して出て来てといんさるわ・・」「お前・・」
「な、だからこれからは遠慮は無いけい、亮太は何時までも義母だけは特別
な人じゃし、年老いても離さんぞ・・」
「お前其れは無いだろうが、わしが惨めに為るけえね・・」
「其れも良いじゃないか、この体が・・、こいつ~・・」
「ああ、う・うん・・、嫌だお前さっき・・」
「前は前じゃな、今は又抱きたくなったが~この体が~」
「ええ、ア、あう・・、お前~~」何とも呆れてものが言えない程、
二人は限度を知らないのか,又も抱かれ迎える晴子も晴子だった。
 二戦目は長く楽しまれた、其処は亮太がゆっくりと動いて晴子に楽しみを
植え付けたいと思うからそうなる。
其れで晴子も我が意を得たり、奮闘するから、最初とは大違いの世界にと
踏み込んで行く。
雪深い山手の家から、夥しい獣の泣叫びが飛出て向かいの小山に突当たり、
遅れてその声が戻って来る。
 夕方まで、真冬の最中に晴子は裸の侭亮太に縋りついて・・、
「お前、生きてて良かった、お父ちゃんは優しかったし、息子は酷い男だけ
ど親孝行をしてくれている、身も心にもだよ」
「うん、大阪に来んさい、来ないと呼ぶからな・・」
「有難う・・」そんな会話をしていた。
 冬の陽は早く落ちる、午後五時過ぎには下の家にと二人は前後して戻る。
何食わぬ顔で、娘を待ち家族三人で夕食、其処で弾けるような甲高い声で、
大阪に出たいと母に告げる琴音、仕方なく出んさいやと一言いう晴子、
実の親子の会話だった。
 その夜電話が来た、一緒の車で帰った八重の女性、明日にしようと決めた。
「え、もう帰るんか・・」「うん、会社がな、でも三月には合える、琴音も
出て来いや、専門学校は探して置く・・」「お兄ちゃん、有難う行くね」
そうしてその夜は三人で寝て長い間話をする、仲が良い家族に見える。
 沢山のコメや野菜と玉ねぎ、其れに息子の為に干し柿を造っている、
晴子は綺麗な化粧箱に詰め込んでしかも五箱もだった。
そんなに多くは要らんという中で車に無言で詰込む晴子、田舎はこれ位しか
出来んと言いながら、其の後妹と二人で見送られた。
(フ~抱いたぞ、最高じゃ、気が有る分妙子さんと同じじゃ、何とも言えない
抱き合い、晴子と妙子さんだけが、満足できる体じゃな・・)
そんな事を思いつつ、車は八重にと向かった。あのガソリンスタンドの入り、
燃料を入れていると、おめでとう御座いますと、母親が笑顔で言われ、
挨拶を返した。
「荷に為るけど積んでくれんさいや」娘の為か、沢山のコメと野菜車には
既に亮太の家からの分が積まれていて、小百合さんの母が笑われる。
「何処の家の親も考えが合うけえね、さ~家に寄ってくれんさいや・・」
「え、其処は良いです・・」「良かないけいね、寄ってつか~さい、頼むけ」
無理やり裏の家にと引き込まれる。
「亮太君、上がって、食事してからにしょうか・・」「え・・」
「用意出来ているし、お父ちゃんが・・」そう言われれば嫌とは言えない、
仕方なく上がると、父親が待っておられる。膳が作られていた。
 「どうぞ・・」「え、お酒は・・」「何でじゃ、あ車か、構やせんけい、
寝て醒ませば良い事じゃろうがね・・」「でも、未だ二十歳前ですけえね」
「ええ、あんた、ああ聞いたが、大学生だって、然も早くも事業を起こした
と聞いたが真か・・」「小さいですけえ・・」
「そんでも偉いぞ、聞くと息子が驚いていたが、あいつは広島に出ているが、
会社では既に其のゲ-ムとやらしている人が多いいと聞くが、わしゃ判らん
けどこいつも凄いと言うからな・・」
「お父ちゃん、もう黙っててよ、食事出来ないじゃないね」
「あ、御免、そうじゃった・・」苦笑いされて、食事を始めた。
 「あんた、御免よ、聞いたら、未だ会って間もないと言うが・・」
「其処本当なんですよ、僕が里の家族に何か買おうと店に入り、女性の物は
とんとわからないから、聞いたんです・・」
「ね、お母ちゃん、本当でしょう・・」
「真じゃ、なんと娘の男かと喜んだが違うのかね・・」「ええ、運転手です」
「おい、俺に黙れと言いながら、なんや、飯が喰えんだろうが・・」
「あ、そうやった、御免あんた・・」亮太の背中叩いて言われた。
自分の家族に負けん仲が良い家族だった。
 食後もスト-ブの前で父親に捕まり、酒を注ぎながら話をさせられる亮太、
小百合さんがええ加減にしてと言われるが、其処は聞く耳を持たれない、
和やかな家なのだ。
 漸く夕方前、その家を出た。
「御免ね・・」「いいや、楽しかった」「本当に今回は迷惑かけてばかり」
「良いやないね、序ですよ」「其れでも有難いわ、荷物も多く積込んでる、
如何御礼すれば良いか・・」「御礼は要らん、そんな積りじゃないしね」
車の中でそんな会話をしている間に、千代田のインタ-に入り中国道に
向おうとした。
「ねね、帰りは山陽道で帰れへん、海が見たい・・」
「あ、そうか行けるよな、僕も初めてだし、ようしそうするか・・」
瀬戸内寄りにその道が有る、急遽変更し広島に着く寸前で山陽道に入った。
 『ねね、お礼・・』「要らんけえ・・」「そうは行かないわよ・・」
「要りません・・」「お金、其れとも他に何か有れば・・」
「無い無い、何もないけえね」「あんたね、其れじゃ私が困る、いけんのよ、
母にも言われているし知合って直ぐこれじゃない、駄目ときつく言われてる」
「でも、其処は簡単、したよで済ませられるが・・」
「母には其れで良いけど、小百合はそうは行かない・・」
「良いと言って居るんだけど・・」「駄目と言っています」「もう強情やな」
「はい、其処はケジメです」何ももう言わない、相当な頑固者と思えた。
 「そうじゃ在りません、小百合は頑固じゃない普通です・・」
「え、何も言って無いけど・・」「え、ああ仕舞った、そうやったね・・」
変な言い方される。
 「・・」「あのね、白状する、あんたが普通じゃ無いって事は会った瞬間
判っていたんだ・・」「え、何が意味が判らん、判ったって何・・」
「普通じゃ無いって事・・」「ええ~益々意味が判らん・・」
「もう隠すのやめようね、小百合には可笑しな面が有るから、其れで見える」
「何が見えるの・・」「あんた、総て言わせる気なの・・」
「え~何々・・、待って運転中、直ぐある休憩所まで運転する、車止めて話を
聞くが・・」「良いわ・・」そう言われ、暫くすると小さな休憩所、
でも其処は既に瀬戸内海が望める素晴らしい場所だった。
 喫茶店で窓際に席を取り、コ-ヒ-を頼んだ。
「聞きたい何が変か・・」「今は普通でも戻る時に合った貴方は違っていた」
「何処が・・」「肉体や、変化が見えたんだ、落着いて見えるし男が匂う」
「匂う・・」「そうや、如何してか小百合は其処が透けて見えて来るのよ、
誰もじゃない、小百合が気にする異性には其処がまともに透けて見えるのよ」
「嘘や・・」「嘘やないけえね、だから困る、男の友達は多く居るけど事恋愛
となると踏込めないで来た。先が見えて来るから、其の気に為れなかった」
「先が見えるって・・」「ええ、抱かれた先や・・」「なんと、貴女・・」
「そう、嫌だけど生まれ持つ変な事が、ますます鮮明に見えて来るの・・、
証拠に、この車には貴方以外の男の匂いがしている、隠さずに言って誰の車」
「ええ~~、何で気に為るんか・・」「うん、その人、大変・・」
「何がや・・」「糖尿かも・・」「え、何々、糖尿って・・」
「そうよ、しかも相当強く匂うから医者に見せているのかね・・」
「嘘や~、まじか・・」「じゃ当たっているん・・」
「其処もそうだが、相手の人は知らんが、娘さんは知っている」
「じゃ何あんた‣・」「待て其処は言わないほうが良い、でも持主の病気は
真かね・・」「間違いないと思える、内の父親にもそんな匂いがしていたし、
其れで早めに病院・・」「なんと事実なら大変だぞ・・」
とんでもない話をされた。
「序でに感じた事言う、貴方郷で女性抱いて来たわね」「え、何でじゃ・・」
「其の気が無いし消えていた。戻る時は何時襲われるかと身構えていたんだ、
今日会うと其処が空っぽなんよ・・」「うひゃ~なんと、小百合さん・・」
「当たりよね、今迄見えて来た事の中でそう知らされたの・・」
「恐ろしいわ・・」「実は先祖が巫女さん、昔だけどね部落じゃ皆お参りに
来て、占っていたと、無論其処は今年の農作業の始める時期とか、天候が主
だけど、中には亭主の浮気もと聞いて居る。昔よ、だから何代何跡か・・、
それが私にと勘繰るじゃない、でも其処は両親には言えなくてね・・」
「・・」「其れで悩んだ時期もあるのよ・・」「透視か・・」
「ううん、それを言うなら霊視かな・・、透視は現実を見るじゃない、
私は先が見えるから、ぼやけているけどね・・」
「じゃ、再度聞くが僕が抱いた相手もか・・」
「相手は誰かは知らないけど、抱かれた相手は相当幸せと見える、だって、
花が咲く場所が見えるし・・」「参ったぞ、本当かもしれん、そうか・・」
「驚かないの・・」「驚く先じゃ、驚愕、何で見えると知ったの・・」
 この世で自分だけかと思い込んでいた事が、方向は違えど居られる事に
感動と驚きを知る。

              つづく・・・・。